JP2756828B2 - p―イソブチルエチルベンゼンの製造方法 - Google Patents

p―イソブチルエチルベンゼンの製造方法

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    • C07C5/3337Catalytic processes with metals of the platinum group

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高純度なp−イソブチルエチルベンゼンを
製造する方法に関する。更に詳しくはイソブチルエチル
ベンゼンの三種の位置異性体混合物から蒸留という簡便
な方法によりp−イソブチルエチルベンゼンを製造し、
更に残りの位置異性体を不均化し、これから再度蒸留に
よりp−イソブチルエチルベンゼンを製造する方法に関
する。
p−イソブチルエチルベンゼンは、消炎剤などの医薬
として有用なα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸[商品名:イブプロフェン]を安価にかつ経済的に
製造するための中間体として有用である。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸は、従
来から種々の方法で合成することが提案されている。そ
の一つとして、p−イソブチルスチレンからヒドロフォ
ルミル化反応あるいはレッペ反応により製造する方法が
提案されている(特開昭52−51338号公報、特開昭52−6
233号公報、特開昭52−97930号公報および特開昭59−10
545号公報)。
このp−イソブチルスチレンを使用する方法は、p−
イソブチルスチレンが単純で安定な化合物であり、また
ヒドロフォルミル化やレッペ反応等が高価な試薬などを
消費しないために、α−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオン酸を製造する方法としては、経済的に優れた方
法である。
従来p−イソブチルスチレンは、特公昭59−35899号
公報の中に開示されているように、p−イソブチルアセ
トフェノンを水素添加したのち、脱水して製造されるこ
とが知られている。また、特開昭61−24527号公報の中
に開示されているように、イソブチルベンゼンとアセト
アルデヒドとを硫酸触媒存在下で反応させて1,1−ビス
(p−イソブチルフェニル)エタンとし、この1,1−ビ
ス(p−イソブチルフェニル)エタンを酸触媒存在下で
接触分解してp−イソブチルスチレンを製造している。
しかしこれらは、工程数が多いとか、大量の触媒を消費
する上に、使用済みの廃触媒が強酸であるため、廃棄が
容易でないといった問題点があるため、p−イソブチル
スチレンの製造コストがどうしても高くなってしまう。
そこで本発明者らは、上記の事情に鑑み、鋭意研究の
結果p−イソブチルエチルベンゼンのエチル基のみを選
択的に脱水素してp−イソブチルスチレンを製造する方
法を開発した。
しかるに、p−イソブチルエチルベンゼンの製造方法
に関する従来技術は非常に少なく、例えばBeilstein,EI
V5(Sys.Nr.470/H445)に記載されているように、1−
(4−エチルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オ
ンを、ジエチレングリコールの溶媒下で水酸化カリウム
とヒドラジンにより還元して製造することができる。し
かしこの方法では、原料の1−(4−エチルフェニル)
−2−メチルプロパン−1−オンが非常に高価である
上、試薬として用いる還元剤として取扱いの非常に危険
なヒドラジンを使用しなければならないため、工業化す
る上で好ましくない。また、特開昭61−37743号公報の
実施例で開示されているように1,1−ビス(p−イソブ
チルフェニル)エタンの接触分解反応の副成物として生
成することが知られている。しかし、この方法ではp−
イソブチルエチルベンゼンは副生成物であるので、生成
量があまりにも少なく好ましくない。
上記の事情から、p−イソブチルエチルベンゼンの安
価な製法が望まれていた。
そこで、本発明者らは更に研究を進めて、アルキル化
を利用したp−イソブチルエチルベンゼンの製造方法を
開発した。すなわち、例えば、イソブチルベンゼンをエ
チル化する方法などである。然るにアルキル化の選択性
は一般には高くなく、それ故これらには、三種のイソブ
チルエチルベンゼンの位置異性体が生成し、これからp
−イソブチルエチルベンゼンを分離しなければならない
という重要な問題がある。従来、キシレン異性体の分離
にみられる様に位置異性体の分離は極めて難しいとされ
ている。これに加えて、p−イソブチルエチルベンゼン
を分離した残りの位置異性体の処理の問題もある。すな
わち、前述のようにアルキル化におけるp−イソブチル
エチルベンゼンの選択性がそれほどは高くないところか
ら、必然的にp−イソブチルエチルベンゼンの位置異性
体の生成量も多くこれをそのまま廃棄したのでは経済的
ではないのは明かである。
もう一つのp−イソブチルエチルベンゼンの製造方法
として本発明者らが開発した方法にo−またはm−イソ
ブチルエチルベンゼンを酸触媒からなる不均化触媒によ
り不均化する方法である。しかしながら該不均化方法に
よっても三種の位置異性体が生成することに変わりはな
い。加えて、不均化反応を行なうと、イソブチル基の骨
格異性化も起こることが確認された。すなわち、該骨格
異性化により生成するsec−ブチルベンゼンおよび/ま
たはsec−ブチルアルキルベンゼンなどは、好ましくな
いことにイソブチルベンゼンおよび/またはイソブチル
アルキルベンゼンなどと分離することが極めて困難なこ
とが知られている。したがって上記骨格異性化は極力抑
制することが必要となる。
それ故、本発明者らは上述の観点から研究を進めて本
発明を完成したものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 (工程1)位置異性体中にp−イソブチルエチルベン
ゼンを5重量%以上含むイソブチルエチルベンゼン位置
異性体混合物を理論段数20段以上の蒸留器により蒸留
し、常圧換算沸点213〜216℃の成分を主として含む留分
として高純度のp−イソブチルエチルベンゼンを分離回
収し、 (工程2)前記行程(1)において得られた残りのo
−イソブチルエチルベンゼンおよび/またはm−イソブ
チルエチルベンゼンを含む留分を、必要に応じてイソブ
チルベンゼンを共存させて酸触媒の存在下、反応温度−
10〜600℃の範囲内でイソブチル基の骨格異性化を起こ
し難い温度を前記酸触媒に応じて適宜選択して反応させ
ることにより位置異性体中にp−イソブチルエチルベン
ゼンを5重量%以上含むイソブチルエチルベンゼン位置
異性体混合物を製造し、 (工程3)前記工程(2)から得られたp−イソブチ
ルエチルベンゼンを5重量%以上含むイソブチルエチル
ベンゼンの位置異性体混合物を、理論段数20段以上の蒸
留器により蒸留し、常圧換算沸点213〜216℃の成分を主
として含む留分として高純度なp−イソブチルエチルベ
ンゼンを分離回収することを特徴とする高純度p−イソ
ブチルエチルベンゼンの製造方法に関する。以下に本発
明を更に説明する。
本発明の三種のイソブチルエチルベンゼンの位置異性
体混合物は、前述のように例えば、イソブチルベンゼン
のエチル化反応またはo−/m−イソブチルエチルベンゼ
ンの不均化反応から製造される。イソブチルベンゼンの
エチル化は常法に従いイソブチルベンゼンを酸触媒、例
えばフリーデル・クラフト触媒などのアルキル化触媒の
存在下にイソブチルベンゼンをエチル化剤、例えばエチ
レン、クロロエタン、エチルアルコールなどによりエチ
ル化することにより製造される。前述のように該エチル
化におけるp−イソブチルエチルベンゼンの選択性はそ
れほどは高くなく、必然的にかなり高い割合で他の位置
異性体およびイソブチルジエチルベンゼン、イソブチル
トリエチルベンなどのイソブチルポリエチルベンゼンな
どが生成し、この結果p−イソブチルエチルベンゼンに
ついてはp−イソブチルエチルベンゼンを含む3種のイ
ソブチルエチルベンゼン位置異性体の混合物となる。
この混合物からp−イソブチルエチルベンゼンを分離
回収するには、種々の手段が考えられるものの、蒸留に
よる分離回収が最も簡便であり経済的であるのは弁を持
たない。
しかしながら通常ジアルキルベンゼンの位置異性体の
各沸点はきわめて近接しているために、このような位置
異性体類の混合物から特定の位置異性体を蒸留により分
離精製するのは困難である。例えば、キシレンのo−、
m−、p−体の常圧換算沸点(以下、単に沸点と称する
ことがある)は、それぞれ144.4℃、139.1℃、138.4
℃、また、エチルトルエンのo−、m−、p−体の沸点
はそれぞれ165.2℃、161.3℃、162.0℃であり、これら
の位置異性体混合物からo−体は蒸留により分離して精
製することが可能であるが、m−体とp−体を蒸留分離
することは非常に困難である。また、イソプロピルトル
エンのo−、m−、p−体の沸点はそれぞれ178℃、175
℃、177℃、ジエチルベンゼンのo−、m−、p−体の
沸点はそれぞれ183℃、182℃、184℃、また、sec−ブチ
ルトルエンのo−、m−、p−体の沸点はそれぞれ196
℃、194℃、197℃であり、これらの位置異性体混合物か
らどれかの成分を高純度に蒸留分離することは非常に困
難である。さらに、イソプロピルエチルベンゼンのo
−、m−、p−体の沸点はそれぞれ193℃、192℃、197
℃であり、これらの位置異性体混合物からp−体は何と
か蒸留分離して精製できるが、o−体とm−体を蒸留分
離することは非常に困難である。
このように従来ジアルキルベンゼンの位置異性体混合
物から蒸留により分離するのは極めて困難であるのが通
例である。
しかも、本発明において目的とするp−イソブチルエ
チルベンゼンの沸点は知られていないし、またそのほか
の位置異性体についてもその沸点などの諸物理性状は知
られていない。
本発明者らは、鋭意研究の結果、3種の核置換位置異
性体であるo−イソブチルエチルベンゼン、m−イソブ
チルエチルベンゼン、p−イソブチルエチルベンゼンの
沸点がそれぞれ211.1℃、210.8℃、214.8℃であること
をつきとめ、これらの混合物からp−イソブチルエチル
ベンゼンを蒸留により高純度に分離精製できることを見
いだし、本発明を完成させた。
上記蒸留は、減圧蒸留、常圧蒸留、加圧蒸留いずれの
方法でもよいが、目的とするp−イソブチルエチルベン
ゼンの沸点が比較的高く、蒸留時の加熱による熱変質を
避けるために、常圧蒸留もしくは減圧蒸留の方が工業上
は好ましい。蒸留塔の形式はトレー型でも充填物型でも
よい。また蒸留設備は、連続式蒸留装置を用いても回分
式装置を用いてもよい。蒸留装置の能力としては、p−
イソブチルエチルベンゼンに要求される純度に応じて適
宜選択すればよく、通常は理論段数が20段以上、好まし
くは30段以上あればよい。蒸留塔への供給流としては、
イソブチルエチルベンゼン位置異性体の合計量に対して
p−イソブチルエチルベンゼンを少なくとも5重量%以
上、好ましくは10重量%含むイソブチルエチルベンゼン
位置異性体混合物でなければ高純度なp−イソブチルエ
チルベンゼンを得ることが困難である。これより低いp
−イソブチルエチルベンゼンの含有量の供給流を使用す
ると経済的な蒸留が困難であるばかりか、高純度なp−
異性体が得られないので好ましくない。混合物中のp−
イソブチルエチルベンゼンの含有量は高ければ高いほど
好ましいのは当然ではあるが、前述のエチル化や不均化
では、通常最高でp−イソブチルエチルベンゼンを約60
重量%まで含む混合物が得られる。蒸留に支障のないか
ぎり他の成分、例えば、イソブチルジエチルベンゼン、
イソブチルトリエチルベンゼンなどが含まれていても差
し支えない。
p−イソブチルエチルベンゼンは、上記蒸留により常
圧換算の沸点213〜216℃の範囲にある成分を主とする留
分として回収される。
ここで単に位置異性体混合物からp−イソブチルエチ
ルベンゼンを分離回収するのみでは、p−イソブチルエ
チルベンゼンの製造方法としては不満足である。なぜな
ら、大量のm−、o−イソブチルエチルベンゼンなどが
残存しこれらの有効利用を解決しなければp−イソブチ
ルエチルベンゼンの工業的な製造方法とは言えないから
である。たとえば、前記したように酸触媒を用いるイソ
ブチルベンゼンのエチル化によるp−イソブチルエチル
ベンゼンの製造においては、異性体中p−イソブチルエ
チルベンゼンの含有量は最高で約60重量%に過ぎない。
それ故、大量のo−/m−体などが残留する。しかも、こ
れら化合物は今のところそれ単独ではもちろん化学合成
原料としても有効な用途を有しない経済的価値の低い化
合物である。
ここで、本発明者らは、o−またはm−イソブチルエ
チルベンゼンが、酸触媒からなる不均化触媒により不均
化されp−イソブチルエチルベンゼンを生成し得ること
を見い出した。しかし前述のように、目的とする不均化
反応を行なうと平行してイソブチル基の骨格異性化も起
こり、結果として反応系内のイソブチル基が部分的にse
c−ブチル基に変化してしまうことが本発明者らの検討
から明らかとなった。例えばイソブチルベンゼンを無水
塩化アルミニウムの存在下、85℃で24時間反応させると
イソブチル基の骨格異性化が進行し、イソブチルベンゼ
ン:sec−ブチルベンゼンの比率がほぼ65:35となること
が本発明者らの検討で確認された。しかも、これらsec
−ブチル化合物は、対応するイソブチル化合物と分離す
ることが極めて困難であることが判明した。そこで本発
明者らは鋭意検討を重ね、この骨格異性化を極力抑えた
不均化方法を開発し本発明を完成するに至った。すなわ
ち本発明の不均化において、骨格異性化反応は、反応温
度によって制御できることを見い出した。
該不均化に有効な酸触媒は、固体酸触媒としては、シ
リカーアルミナ、シリカーマグネシア等の合成系でも、
酸性白土、活性白土等の天然粘土系鉱物等でもよい。ゼ
オライトを触媒として用いる場合、使用するゼオライト
は、例えばHX型ゼオライトまたはHY型ゼオライト等の水
素ゼオライトを含有するものが使用できる。これらの水
素ゼオライトは、NaXゼオライト、NaYゼオライト、Naホ
ージヤサイトなどのようなゼオライトのアルカリ金属塩
を、カチオン交換により一部もしくは全部をプロトン型
に転化させたものであり、これらは強い固体酸性を示
す。
そのほかパーフルオロスルホン酸樹脂である商品名
「ナフィオン」などの強酸型陽イオン交換樹脂なども例
示される。有機酸としては、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸など、無機酸としては塩
酸、硫酸、フッ化水素など、またいわゆるフリーデルク
ラフト触媒に分類される塩化アルミニウム、臭化鉄、塩
化チタン、三フッ化ホウ素などが挙げられる。また、リ
ンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステ
ン酸、ケイモリブデン酸等のヘテロポリ酸も有効であ
る。ヘテロポリ酸は、モリブデンやタングステンのポリ
原子と一群のヘテロ原子との酸化物により生ずる酸物質
であり、ヘテロ原子として、P、B、V、As、Si、Ge、
Sn、Ti、Zr、Ce、Th、Fe、Pt、Mn、Co、Ni、Te、I、A
l、Cr、Rh、Cu、Seなどである。
本発明においては上記の酸触媒は、単独でも、適宜二
種類以上の組合せでもよい。また適宜の担体に担持させ
て使用できる。この具体的な例としては、アルミナ、マ
グネシア、シリカ、活性炭等の多孔性無機物を主体とす
る担体に上記酸性物質を担持させた担持酸触媒等があ
る。
不均化反応に供給するものとしては、前記工程(1)
においてp−イソブチルエチルベンゼンを分離回収した
残りのo−またはm−イソブチルエチルベンゼンを含む
留分である。これにはイソブチルジエチルベンゼンまた
はイソブチルトリエチルベンゼンなどのイソブチルポリ
エチルベンゼンが含まれていても差し支えない。必要に
応じてイソブチルベンゼンを共存させることもできる。
イソブチルベンゼンの共存量は適宜に決定される。
この不均化反応を利用すれば理論的には全ての0−/m
−体およびイソブチルポリエチルベンゼンの完全利用が
達成でき、本発明の方法は極めて経済的なものとなる。
不均化の反応温度は−10℃〜600℃であり、この温度
範囲で使用する酸触媒に応じて適宜最適温度条件を選択
する必要がある。この最適温度条件とは、前記イソブチ
ル基の異性化によるsec−ブチル基の生成を最小限に抑
えた温度条件であり、使用する酸触媒により異なる。例
えばシリカーアルミナおよび/またはヘテロポリ酸を用
いた場合の最適温度条件は120〜450℃であり、水素ゼオ
ライト触媒では120〜350℃であり、強酸型陽イオン交換
樹脂触媒では−5〜250℃であり、フッ化水素および/
またはトリフルオロメタンスルホン酸触媒では−10〜20
0℃であり、塩化アルミニウムでは−50〜80℃である。
これらの例のように、イソブチル基の骨格異性化をでき
るだけ抑えた不均化反応の条件は触媒により異なるた
め、前記のように使用する酸触媒によって適宜最適温度
条件を選択する必要が生ずる。
反応温度がこの下限より低いと反応速度が遅くなり、
不均化の反応率を高めるためには長時間の反応が必要と
なり、その結果効率が低下して実用的ではない。反応温
度が上記の上限より高いとイソブチル基の骨格異性化反
応が激しくなりp−イソブチルエチルベンゼンの製造目
的に添わないのみならず、もう一つの副反応である分解
反応により収率の低下を招き好ましくない。
溶媒としては、該不均化反応およびp−イソブチルエ
チルベンゼンの分離精製に悪影響をもたらさないもので
あれば特に制限はない。
反応形態は、気相あるいは液相のいずれでもよく、回
分式あるいは固定床、移動床、流動床などの流通式のい
ずれにおいても実施できる。
上記不均化反応によりo−/m−イソブチルエチルベン
ゼンまたはイソブチルポリエチルベンゼンからp−イソ
ブチルエチルベンゼンが製造される。しかしながら、該
不均化反応によって得られるのは三種の位置異性体の混
合物である。なぜなら、該不均化反応によりp−イソブ
チルエチルベンゼンのみを選択的に生成させることはで
きない。そこで、前記の工程(1)と同様な方法により
p−イソブチルエチルベンゼンを蒸留により回収する。
すなわち、不均化反応により得られる位置異性体混合
物の組成は触媒の種類、反応温度、反応時間などによっ
て変動するが、これから位置異性体混合物中p−イソブ
チルエチルベンゼンの含有量が5重量%以上、好ましく
は10重量%以上の混合物を蒸留塔への供給流として使用
すればよい。p−イソブチルエチルベンゼンの蒸留に支
障がない範囲で他の成分たとえばイソブチルポリエチル
ベンゼンなどが含まれていてもよい。
蒸留は、理論段数20段以上の蒸留塔により蒸留をおこ
なえば高純度なp−イソブチルエチルベンゼンが得られ
る。
上記のようにして本発明の方法により得られた高純度
なp−イソブチルエチルベンゼンは、例えばスチームの
存在下で酸化鉄系脱水素触媒と、反応温度450〜650℃で
接触させることにより、効率よくp−イソブチルスチレ
ンに変換することができる。このようにして得られたp
−イソブチルスチレンは、遷移金属触媒の存在下に、こ
れを一酸化炭素と水とでヒドロカルボキシル化するか、
あるいは一酸化炭素とアルコールとでヒドロエステル化
して加水分解するか、または一酸化炭素と水素とでヒド
ロフォルミル化してα−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオンアルデヒドとしたのち酸化することにより、医
薬品として有用なα−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸が得られる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を詳述する。
実験例No.1:o−イソブチルエチルベンゼンの合成(参考
例) 攪拌器と還流器の付いた四つ口セパラブルフラスコ
に、充分乾燥したジエチルエーテル3lと金属マグネシウ
ム245gを入れ、ジエチルエーテル還流下でイソブチルブ
ロマイド1370g(10mol)をゆっくりと滴下した。滴下終
了後、ジエチルエーテル還流下で1時間攪拌し、得られ
たイソブチルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテ
ル溶液を滴下ロートに移した。
攪拌器と還流器の付いた四つ口15lセパラブルフラス
コに、充分乾燥したジエチルエーテル3lとo−ブロモス
チレン915g(5mol)およびビス(1、3−ジフェニルホ
スフィノ)プロパンニッケル(II)クロライド31gを入
れ、攪拌しながら室温で上記イソブチルマグネシウムブ
ロマイドのジエチルエーテル溶液を滴下した。滴下終了
後、ジエチルエーテル還流下で反応が完結するまで攪拌
を続けた。反応終了後、室温まで冷却し、氷中に投じて
残存するイソブチルマグネシウムブロマイドを失活し
た。分液ロートにてエーテル層を分離して中性になるま
で水洗してジエチルエーテルを留去すると粗o−イソブ
チルスチレンが716g得られた。
攪拌器付き1オートクレーブに10%パラジウムブラ
ック触媒を35.8gと上記粗o−イソブチルスチレンを全
量入れ、反応温度50℃、水素圧圧20kg/cm2にて水素添加
した。水素の吸収がなくなった後、反応混合物を濾過し
て触媒を除去し、蒸留した結果、純度99.8%のo−イソ
ブチルエチルベンゼンが642g得られた。
o−イソブチルエチルベンゼンの物性 沸点(静止法) 211.1℃(無色液体) 比重(オストワルドピクノメーター法、15/4℃)0.8724 屈折率(N20D) 1.4956 動粘度(40℃) 1.46CS 赤外吸収スペクトル(液膜法、cm−1) 2960、 1950、 1920、 1850、 1820、 1700、 1610、 1500、 1470、 1390、 1370、 1340、 1290、 1170、 1140、 1080、 1070、 970、 940、 920、 800、 760 核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒、δppm) 6.95 (4H、1重線) 2.3〜2.8 (4H、5重線) 1.5〜2.1 (1H、7重線) 1.0〜1.4 (3H、3重線) 0.7〜1.0 (6H、2重線) 質量分析スペクトル(E、70eV) m/e (パターン係数) 162 ( 31) 133 ( 5) 119 (100) 105 ( 14) 91 ( 24) 77 ( 7) 43 ( 5) 29 ( 2) 元素分析(C12H18として) 理論値 C:88.89 H:11.11 分析値 C:88.92 H:10.97 実験例No.2:m−イソブチルエチルベンゼンの合成(参考
例) 攪拌器と還流器の付いた四つ口7lセパラブルフラスコ
に、充分乾燥したジエチルエーテル3lと金属マグネシウ
ム245gを入れ、ジエチルエーテル還流下でイソブチルブ
ロマイド1370g(10mol)をゆっくりと滴下した。滴下終
了後、ジエチルエーテル還流下で1時間攪拌し、得られ
たイソブチルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテ
ル溶液を滴下ロートに移した。
攪拌器と還流器の付いた四つ口15lセパラブルフラス
コに、充分乾燥したジエチルエーテル3lとm−ブロモス
チレン915g(5mol)およびビス(1、3−ジフェニルホ
スフィノ)プロパンニッケル(II)クロライド31gを入
れ、攪拌しながら室温で上記イソブチルマグネシウムブ
ロマイドのジエチルエーテル溶液を滴下した。滴下終了
後、ジエチルエーテル還流下で反応が完結するまで攪拌
を続けた。反応終了後、室温まで冷却し、氷中に投じて
残存するイソブチルマグネシウムブロマイドを失活し
た。分液ロートにてエーテル層を分離して中性になるま
で水洗してジエチルエーテルを留去すると粗m−イソブ
チルスチレンが670g得られた。
攪拌器付き1オートクレーブに10%パラジウムブラ
ック触媒を33.5gと上記粗m−イソブチルスチレンを全
量入れ、反応温度50℃、水素圧力20kg/cm2にて水素添加
した。水素の吸収がなくなった後、反応混合物を濾過し
て触媒を除去し、蒸留した結果、純度99.7%のm−イソ
ブチルエチルベンゼンが617g得られた。
m−イソブチルエチルベンゼンの物性 沸点(静止法) 210.8℃(無色液体) 比重(オストワルドピクノメーター法、15/4℃)0.8583 屈折率(N20D) 1.4884 動粘度(40℃) 1.29CS 赤外吸収スペクトル(液膜法、cm−1) 2960、 1940、 1860、 1800、 1700、 1620、 1590、 1500、 1470、 1390、 1370、 1340、 1290、 1220、 1180、 1110、 1090、 1070、 1060、 890、 820、 790、 740、 710 核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒、δppm) 6.95 (4H、1重線) 2.3〜2.8 (4H、5重線) 1.5〜2.1 (1H、7重線) 1.0〜1.4 (3H、3重線) 0.7〜1.0 (6H、2重線) 質量分析スペクトル(E、70eV) m/e (パタン係数) 162 ( 35) 133 ( 2) 119 (100) 105 ( 19) 91 ( 24) 77 ( 6) 43 ( 7) 29 ( 2) 元素分析(C12H18として) 理論値 C:88.89 H:11.11 分析値 C:88.91 H:10.99 実験例No.3:p−イソブチルエチルベンゼンの製造[不均
化反応1] 実験例No.1で得られたo−イソブチルエチルベンゼン
600g、純度99.8%のイソブチルベンゼン1200g、および
シリカーアルミナ触媒N633L(商品名;日揮化学(株)
製)90gを、内容量3lの攪拌器付きオートクレーブに入
れ、系内の気体部分を窒素で置換した後密閉して270℃
に昇温し、24時間不均化反応させた。反応終了後触媒を
ろ別して反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し
た。反応混合物の組成を表1に示す。
表1 イソブチルベンゼン 59.2重量% sec−ブチルベンゼン 1.2重量% o−イソブチルエチルベンゼン 7.8重量% m−イソブチルエチルベンゼン 12.3重量% p−イソブチルエチルベンゼン 7.9重量%その他 11.6重量% 実験例No.4:p−イソブチルエチルベンゼンの製造[不均
化反応2] 実験例No.2で得られたm−イソブチルエチルベンゼン
600g、純度99.8%のイソブチルベンゼン1200g、および
シリカーアルミナ触媒N633L(商品名、日揮化学(株)
製)90gを、内容積3lの攪拌器付きオートクレーブに入
れ、系内の気体部分を窒素で置換した後密閉して270℃
に昇度し、24時間不均化反応させた。反応終了後触媒を
ろ別して反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し
た。反応混合物の組成を表2に示した。
表2 イソブチルベンゼン 58.9重量% sec−ブチルベンゼン 1.3重量% o−イソブチルエチルベンゼン 6.7重量% m−イソブチルエチルベンゼン 15.4重量% p−イソブチルエチルベンゼン 6.0重量%その他 11.7重量% 実験例No.5:p−イソブチルエチルベンゼンの分離、精製
[蒸留1] 実験例No.3で得られた反応混合物1800g(位置異性体
中p−イソブチルエチルベンゼン含量28.2重量%)を3l
の三つ口フラスコに入れ、内径30mm、長さ1.5mのガラス
管に東京特殊金網(株)製充填物Heli Pack No.3 metal
(商品名)を充填した理論段数35段の蒸留塔を用いて回
分式で蒸留したところ、p−イソブチルエチルベンゼン
の純度97.2%の留分が92.1g(回収率63.0%)であっ
た。
実験例No.5A:不均化 実験例No.5においてp−イソブチルエチルベンゼンを
回収した残りの主としてo−/m−イソブチルエチルベン
ゼンからなる留分1000g、およびシリカーアルミナ触媒N
633L(商品名;日揮化学(株)製)50gを、内容量3lの
攪拌器付きオートクレーブに入れ、系内の気体部分を窒
素で置換した後密閉して270℃に昇温し、24時間不均化
反応させた。反応終了後触媒をろ別して反応混合物をガ
スクロマトグラフィーで分析した。反応混合物の組成を
表3に示す。
表3 イソブチルベンゼン 60.3重量% sec−ブチルベンゼン 1.3重量% o−イソブチルエチルベンゼン 7.5重量% m−イソブチルエチルベンゼン 11.9重量% p−イソブチルエチルベンゼン 7.7重量%その他 11.3重量% 次いで、得られた反応混合物1000g(位置異性体中p
−イソブチルエチルベンゼン含量28.4重量%)を実験例
No.5と同様に蒸留したところ、p−イソブチルエチルベ
ンゼンの純度97.2%の留分が47.0g(回収率61.0%)で
あった。
実験例No.6:p−イソブチルエチルベンゼンの精製[蒸留
2] 実験例No.4で得られた反応混合物1800g(位置異性体
中p−イソブチルエチルベンゼン含量21.4重量%)を実
験例No.5と同様に蒸留したところ、p−イソブチルエチ
ルベンゼンの純度97.4%の留分が68.3g(回収率61.6
%)であった。
実験例No.6A:エチル化と不均化 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン6000mlとシリカ
ーアルミナ触媒IS−28(商品名;触媒化成工業(株)
品)260gとを10lのオートクレーブに仕込み、攪拌しな
がら系内の温度を250℃にしたのちエチレンを張り込ん
で圧力を20kg/cm2に保ったまま12時間反応させた。反応
終了後、触媒をろ別してガスクロマトグラフィーで分析
した。反応混合物の組成を表4に示す。
表4 イソブチルベンゼン 80.1重量% sec−ブチルベンゼン 1.1重量% イソブチルエチルベンゼン 14.3重量% o− 5.7重量% m− 4.4重量% p− 4.2重量% イソブチルエチルベンゼン 3.7重量%その他 0.8重量% この結果イソブチルベンゼンの転化率19.7重量%、消
費したイソブチルベンゼンのモル数に対する生成したp
−イソブチルエチルベンゼンのモル数の割合(以下、p
−イソブチルエチルベンゼンへの選択率と称する)は1
7.6%、イソブチルエチルベンゼンの位置異性体は、o:
m:p=40:31:29であった。
このエチル化反応混合物5742gを実験例No.5と同様に
して蒸留したところp−イソブチルエチルベンゼンの純
度97.3%の留分が188g(回収率75.9%)であった。
次いで、このエチル化反応混合物からp−イソブチル
エチルベンゼンを回収した残りの留分の全てを267gのHY
ゼオライト触媒を用いて、180℃で24時間不均化反応を
行い、得られた反応混合物5555g(位置異性体中p−イ
ソブチルエチルベンゼン含量38.1重量%)を実験例No.5
と同様に蒸留したところ、p−イソブチルエチルベンゼ
ンの純度97.1%の留分が209g(回収率79.6%)であっ
た。
実験例No.7:p−イソブチルスチレンの製造:脱水素反応
(参考例) カリウムおよびクロムを助触媒とする酸化鉄系の脱水
素触媒G−64A(商品名;日産ガードラー(株))を粒
径1mm〜2mmに調整し、内径12mm、長さ1mのステンレス管
に20ml充填した。
実験例No.5および6で得られたp−イソブチルエチル
ベンゼン留分を合わせたものから160.4g(p−イソブチ
ルエチルベンゼン純度75.9%)を10ml/hr、および水を9
0ml/hrの流量で、予熱管を経て、反応温度550℃で触媒
層に通し脱水素させた(触媒との接触時間0.2秒、p−
イソブチルエチルベンゼンに対するスチームのモル比9
3)。脱水素物は冷却し、ガスおよび水を分離した後、
有機相についてガスクロマトグラフィーにより分析し
た。得られた有機相の組成を表5に示す。
表5 p−イソブチルエチルベンゼン 69.1重量% p−イソブチルスチレン 23.2重量%その他 7.7重量% これから、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率は
29.0%、p−イソブチルスチレンへの選択率は82.3%で
あることがわかった。
実験例No.8:α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸メチルエステルの製造[ヒドロエステル化反応]
(参考例) 実験No.7で得られた脱水素物の有機相を蒸留により精
製して得られた純度97.9%のp−イソブチルスチレン2
5.0g、メタノール10.0ml、それに溶媒としてトルエン10
0ml、触媒としてPdCl20.0271g、助触媒としてCuCl20.01
05g、さらに配位子のトリフェニルホスフィン0.0812gを
内容量200mlの攪拌器付きオートクレーブに入れ、攪拌
しながら90℃に昇温したのち、一酸化炭素で70kg/cm2
圧力に保ち、8時間反応させた。反応終了後冷却し、反
応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、p
−イソブチルスチレンの転化率99.8%、α−(4−イソ
ブチルフェニル)プロピオン酸メチルエステルへの選択
率90.2%を得た。
実験例No.9:α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸の製造[加水分解反応](参考例) 実験例No.8の反応混合物を蒸留して得られた純度99.0
%のα−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸メチ
ルエステル15gと10%水酸化ナトリウム水溶液75mlとを
攪拌しながら還流させ、約3時間加水分解を行った。冷
却後混合物を静置分離させ、下層の水層をノルマルヘキ
サンで洗浄した。
水層に5%塩酸を加えpHを2に調整し、分離した油分
をノルマルヘキサンで抽出し水洗した。ノルマルヘキサ
ンを減圧で蒸発分離し、淡黄色の粗α−(4−イソブチ
ルフェニル)プロピオン酸結晶12.0gを得た。
粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸をノ
ルマルヘキサン溶媒で再結晶させ白色の精製α−(4−
イソブチルフェニル)プロピオン酸(融点75−76℃)結
晶10.4gを得た。このもののスペクトルなどは標品と一
致した。
[発明の効果] 本発明の方法によりイソブチルエチルベンゼン異性体
混合物からp−イソブチルエチルベンゼンを蒸留という
簡便な経済的な方法により高純度に回収することが出
来、しかも残りの他の異性体すなわちo−/m−イソブチ
ルエチルベンゼンは不均化することによりp−イソブチ
ルエチルベンゼンへと変換することができ、またこれか
ら再度p−イソブチルエチルベンゼンを蒸留により高純
度に回収することができる。それ故、本発明の方法によ
れば、o−/m−イソブチルエチルベンゼンなどの異性体
はより高い付加価値を有するp−イソブチルエチルベン
ゼンに変換することができる。そして脱水素触媒の存在
下にこのp−イソブチルエチルベンゼンを脱水素する
と、p−イソブチルスチレンとなる。
p−イソブチルスチレンは、常法によりカルボニル化
することにより鎮痛剤などの医薬として知られるα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸またはその誘
導体を製造することができる。
これらの技術の確立により、α−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオン酸を製造する上で、p−位にのみ選
択的に置換基を導入する反応を利用しなければならない
という、従来受けてきた大きな制約を免れることがで
き、経済的に大変有利になる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[工程1]位置異性体中p−イソブチルエ
    チルベンゼンを5重量%以上含むイソブチルエチルベン
    ゼンの位置異性体混合物を、理論段数20段以上の蒸留器
    により蒸留し、常圧換算沸点213〜216℃の成分を主とし
    て含む留分として高純度のp−イソブチルエチルベンゼ
    ンを分離回収し、 [工程2]前記工程(1)においてp−ブチルエチルベ
    ンゼンを分離回収した残りのo−イソブチルエチルベン
    ゼンおよび/またはm−イソブチルエチルベンゼンを含
    む留分を、必要に応じてイソブチルベンゼンを共存させ
    て酸性触媒の存在下、反応温度−10〜600℃の条件で反
    応させることにより位置異性体中にp−イソブチルエチ
    ルベンゼンを5重量%以上含むイソブチルエチルベンゼ
    ン位置異性体混合物を製造し、 [工程3]前記工程(2)で得られた位置異性体中にp
    −イソブチルエチルベンゼンを5重量%以上含むイソブ
    チルエチルベンゼン位置異性体混合物を、理論段数20段
    以上の蒸留器により蒸留し、常圧換算沸点213〜216℃の
    成分を主として含む留分として高純度なp−イソブチル
    エチルベンゼンを分離回収することを特徴とする高純度
    p−イソブチルエチルベンゼンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記酸触媒が、固体酸、リーデル・クラフ
    ツ触媒、有機酸、無機酸、ヘテロポリ酸および強酸型陽
    イオン交換樹脂から成る群から選択されて成る請求項1
    記載の高純度p−イソブチルエチルベンゼンの製造方
    法。
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