JPH0798768B2 - α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドの製造方法 - Google Patents

α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドの製造方法

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JPH0798768B2
JPH0798768B2 JP31415488A JP31415488A JPH0798768B2 JP H0798768 B2 JPH0798768 B2 JP H0798768B2 JP 31415488 A JP31415488 A JP 31415488A JP 31415488 A JP31415488 A JP 31415488A JP H0798768 B2 JPH0798768 B2 JP H0798768B2
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五十雄 清水
泰男 松村
祐一 徳本
和道 内田
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日本石油化学株式会社
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン
酸の前駆体であるα−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオンアルデヒドを経済的に、かつ高純度で製造するこ
とを可能ならしめる方法に関するものである。さらに詳
しくは、イソブチルベンゼンを酸触媒の存在下にエチレ
ンと反応させ、p−イソブチルエチルベンゼンを製造す
る工程、得られたp−イソブチルエチルベンゼンを気相
で脱水素触媒の存在下に脱水素させ、p−イソブチルス
チレンを製造する工程、および得られたp−イソブチル
スチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在下、
一酸化炭素および水素と反応させることにより、α−
(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドを製
造する工程からなる、α−(4−イソブチルフェニル)
プロピオンアルデヒドの経済的な製造方法に関するもの
である。
本発明の目的生成物であるα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオンアルデヒドは、公知の方法により酸化す
れば容易にα−(4−イソブチルフェニル)プロピオン
酸に変換できることが知られている。このα−(4−イ
ソブチルフェニル)プロピオン酸は、英国特許第971700
号公報、フランス特許第1549758号公報、特公昭40−717
8号公報および特公昭40−7491号公報に記載されている
ように、解熱、鎮痛、消炎効果を持つ有用な医薬品(商
品名:イブプロフェン)となる化合物である。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸まはたα
−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒド
は、従来より極めて多くの化合物を出発物質として、種
々の方法により合成されている。
しかしながら、α−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸またはα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ンアルデヒドを安価で経済的に、かつ高純度に合成する
ためには、 (イ)単純な化合物を出発原料とすること、 (ロ)各工程における中間体もできる限り単純で安定な
化合物が使える反応を利用すること、 (ハ)高価な試薬を利用せず安価な試薬または触媒を利
用すること、 (ニ)工程数はできる限り少ないこと、および (ホ)イソブチル基は異性化を起こしやすいので、各工
程の反応の際に、できるだけ異性化などを起こさない反
応を利用すること、 などが要求される。
しかるに、例えは、α−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオンアルデヒドの合成方法として提案されている特
開昭51−100042号公報では、イソブチルベンゼンのグリ
ニヤール化合物から出発しているが、グリニヤール試薬
という不安定で取扱いの困難な試薬を用いているほか、
BF3などのルイス酸をも使用しているので、イソブチル
基が異性化しやすい。また、特開昭53−82740号公報で
は、金属リチウムなどの取扱いが困難な化合物を利用し
ている。
また、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の
製法を開示している特開昭40−13351号公報および特開
昭50−4040号公報は、いずれもイソブチルベンゼンを出
発原料としているが、触媒として塩化アルミニウムを用
いているので、イソブチル基が異性化しやすく、また、
高価な試薬を使用している。
さらに、フランス特許第1549758号公報、特公昭47−245
50号公報、特開昭40−95938号公報、特開昭52−57338号
公報、特開昭52−97930号公報、特開昭52−131553号公
報、特開昭53−7643号公報、特開昭53−18535号公報お
よび特開昭56−154428号公報に記載された方法は、p−
イソブチルアセトフェノンを出発物質とする方法であ
る。
しかし、p−イソブチルアセトフェノンは、後述の如く
安価な化合物とは言えない。これはイソブチルベンゼン
から合成するのが最も経済的であるが、イソブチルベン
ゼンからp−イソブチルアセトフェノンに変換すること
自体経済的観点からは好ましいことではない。すなわち
p−イソブチルアセトフェノンへ変換するためには、高
価でかつ不安定な原料である塩化アセチルを使用せざる
を得ず、しかも反応触媒として水分に対して非常に敏感
な無水塩化アルミニウムを、少なくとも塩化アセチルと
同じモル数、すなわち大量に使用しなくてはならない。
例えば、この変換反応が化学量論的に100%の収率であ
ったと考えても、p−イソブチルアセトフェノンを1ト
ン製造するためには、700kgという大量の無水塩化アル
ミニウムを使用する必要がある。また反応終了後には、
無水塩化アルミニウムを失活した結果生ずる水酸化アル
ミニウムが410kgおよび塩素イオン750kgと、目的とする
p−イソブチルアセトフェノンの製造量を大幅に上回る
1160kgもの大量の廃棄物を無害な形にまで処理する必要
がある。従って出発物質としてのp−イソブチルアセト
フェノン自体が高価であることはいうまでもないしこれ
を利用するプロセスが高価なものとなるのも当然であ
る。さらにこのp−イソブチルアセトフェノンからα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸への変換も、
複雑な中間生成物を経由するなど、工業的観点からは必
ずしも経済的な方法とは言い難い。
ところで、特開昭52−51338号公報、特開昭52−6233号
公報、特開昭52−97930号公報、および特開昭50−10545
号公報などは、p−イソブチルスチレンからヒドロフォ
ルミル化反応あるいはレッペ反応によりα−(4−イソ
ブチルフェニル)プロピオン酸を製造する方法を提案し
ている。このp−イソブチルスチレンを使用する方法
は、p−イソブチルスチレンが単純で安定な化合物であ
り、また、ヒドロフォルミル化反応やレッペ反応等が高
価な試薬などを消費しないために、α−(4−イソブチ
ルフェニル)プロピオン酸を製造する方法として経済的
に優れた方法であるが、これらの従来技術によるp−イ
ソブチルスチレンの製造方法では、複雑な反応経路をと
るか高価な試薬を使用するなどのために、その利点が失
われている。
また、特開昭61−24534号公報によると、イゾブチルベ
ンゼンとアセトアルデヒドとを硫酸触媒の存在下に縮合
反応させて1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタ
ンとし、これを酸触媒により接触分解してp−イソブチ
ルスチレンとし、このp−イソブチルスチレンと一酸化
炭素および水素とをカルボニル化錯体触媒の存在下に反
応させてα−(4−イソブチルフェニル)プロピオンア
ルデヒドを製造する方法を開示している。しかし上記公
報に記載されているように、硫酸を用いる方法では、1,
1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンを製造する
工程で貴重な原料であるイソブチルベンゼン自体のスル
ホン化反応を避けることはできず、その結果一部のイソ
ブチルベンゼンはスルホン化物として損失となるために
経済的に好ましくない。また、この縮合反応は脱水反応
であるため、硫酸を一度使用した後は、生成した水のた
めに触媒としての硫酸の濃度が低下し、そのために使用
済みの硫酸の濃度を、例えば、装置の腐食などが懸念さ
れる高温蒸留などにより回復させなければ、触媒は再使
用できない。その上、硫酸相には多量のスルホン化物が
溶解しており、単なる蒸留では触媒濃度の回復は容易で
はない。従って、無水硫酸あるいは発煙硫酸などを加え
ることによって、生成した水を化学反応で除去するなど
の方法を用いざるを得ないため、触媒コストも割高にな
る。
以上述べてきたように、α−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオンアルデヒドの製造に関する従来の技術は
まだまだ経済的な方法であるとは言えず、より経済的な
製造方法の開発が望まれていた。
このp−イソブチルスチレンを安価に製造する方法とし
て、p−イソブチルエチルベンゼンの脱水素が考えられ
る。さらに、のp−イソブチルエチルベンゼンを安価に
製造する方法として、イソブチルベンゼンのエチレンに
よるエチル化が考えられる。しかしながら、このような
組合せはもちろん、各素反応についても全く知られてい
ない。さらに、従来技術から予想されることは、このよ
うな簡素な反応の組合せが、非常に困難であるというこ
とである。
酸触媒を用いたモノアルキルベンゼンのエチレンによる
エチル化反応は従来からよく知られている。例えば、Ku
ts,W.M.,& B.B.Corson,J.Org.Chem.,16,699(1951)
によると、トルエンをシリカ−アルミナ触媒下でエチレ
ンと反応させると、o:m:p=29:50:21の比率でエチルト
ルエンが生成している。また、本発明者らの検討による
と、シリカ−アルミナ触媒下でエチレンをエチルベンゼ
ンと反応させると、o:m:p=28:31:41の比率でジエチル
ベゼンが生成し、イソプロピルベンゼンと反応させると
o:m:p=24:39:37の比率でイソプロピルエチルベンゼン
が生成し、sec−ブチルベンゼンと反応させるとo:m:p=
12:49:39の比率でsec−ブチルエチルベンゼンが生成す
ることがわかった。また、Allen,R.H.,& L.D.Yats,J.
Am.Chem.Soc.,83,2799(1961)によると、トルエンをフ
ッ化水素触媒下でエチレンと反応させると、o:m,p=42:
33:25の比率でエチルトルエンが生成しており、これが
平衡組成であることが確かめられている。また、Schlat
ter,M.J.,& R.D.Clark,J.Am.Chem,Soc.,75,361(195
3)によると、トルエンをフッ化水素触媒下でイソブテ
ンと反応させると、m:p=67〜7:33〜93の比率でtert−
ブチルトルエンが生成し、o−tert−ブチルトルエンの
生成は認められていない。しかしながら、トルエンを1
−ブテンあるいは2−ブテンでアルキル化すると、o:m:
p=35:33:32の比率でsec−ブチルトルエンが生成してい
る。さらにトルエンをプロピレンでアルキル化してもo:
m:p=41:26:33であることが確かめられている。
以上のように、モノアルキルベンゼンのアルキル化によ
る生成物の位置異性の配向性は、具体的に各個別の化合
物について検討する他はないものである。さらに、これ
らの反応生成物のほとんどはo−、m−、p−の位置異
性体の混合物である。しかしながら、一般に、ジアルキ
ルベンゼンの3種の位置異性体を高純度に蒸留分離する
ことが困難であることもよく知られている。例えば、キ
シレンのo−、m−、p−体の常圧換算沸点(以下、単
に沸点と称することがある)はそれぞれ144.4℃、139.1
℃、138.4℃、また、エチルトルエンのo−、m−、p
−体の沸点はそれぞれ165.2℃、161.3℃、162.0℃であ
り、これらの位置異性体混合物からo−体は何とか蒸留
分離して精製できるが、m−体とp−体を蒸留分離する
ことは非常に困難である。また、イソプロピルトルエン
のo−、m−、p−体の沸点はそれぞれ178℃、175℃、
177℃、ジエチルベンゼンのo−、m−、p−体の沸点
はそれぞれ183℃、182℃、184℃、また、sec−ブチルト
ルエンのo−、m−、p−体の沸点はそれぞれ196℃、1
94℃、197℃であり、これらの位置異性体混合物からど
れかの成分を高純度に蒸留分離して精製することは非常
に困難である。さらに、イソプロピルエチルベンゼンの
o−、m−、p−体の沸点はそれぞれ193℃、192℃、19
7℃であり、これらの位置異性体混合物からp−体は何
とか蒸留分離して精製できるが、o−体とm−体を蒸留
分離することは非常に困難である。
しかるに、本発明のエチル化工程(I)における目的生
成物はp−体のイソブチルエチルベンゼンであるが、イ
ソブチルベンゼンのエチレンによるアルキル化方法は従
来報告されていない。それ故反応混合物中のイソブチル
エチルベンゼンの位置異性体の比率およびそれらの混合
物からの高純度のp−イソブチルエチルベンゼンの分離
精製の方法についても知られていない。もちろん、この
p−イソブチルエチルベンゼンはα−(4−イソブチル
フェニル)プロピオン酸製造の原料としても全く知られ
ていない。
芳香族炭化水素の脱水素反応における従来技術を見る
と、構造の異なるアルキル基を複数もち、かつどのアル
キル基も脱水素される可能性のあるようなポリアルキル
ベンゼンの、特定の1つの置換基のみを選択的に脱水素
するような技術は、今まで知られていない。例えば、特
公昭62−6528号、特開昭56−135425号、特開昭58−1890
34号、特開昭59−120243号、特開昭61−158940号などの
公報に見られるようなメチルエチルベンゼンを脱水素し
てメチルスチレンを製造する方法、あるいは特開昭56−
155648号、特開昭56−155649号、特開昭56−155650号、
特開昭56−155651号、特開昭56−155652号、特開昭60−
115534号などの公報に見られるようなターシャリーブチ
ルエチルベンゼンを脱水素してターシャリーブチルスチ
レンを製造する方法、さらには特開昭62−29537号公報
などに見られるようなジエチルベンゼンを脱水素してエ
チルスチレンまたはジビニルベンゼンを製造する方法な
どが開示されている。しかし、メチルエチルベンゼンお
よびターシャリーブチルエチルベンゼンは、脱水素され
る可能性のあるエチル基をどちらも持っているが、もう
一つの置換基はメチル基とターシャリーブチル基であ
り、共に脱水素される可能性のないものである。従っ
て、これらの化合物の脱水素反応における副反応はクラ
ッキング反応であり、脱水素反応そのものの選択性は問
題とならない。また、ジエチルベンゼンを脱水素する場
合は、脱水素される可能性のあるアルキル基、すなわち
エチル基を二つ持っているが、どちらのエチル基が一つ
脱水素されても生成するのはエチルスチレンただ一つで
あり、二つの置換基のどちらか一方を選択する必要はな
い上、目的生成物はジエチルベンゼンであるので、前記
エチルスチレンの残りのエチル基をさらに脱水素すれば
よい。つまり二つのエチル基に区別がなく、特に問題で
はないのである。
本発明におけるp−イソブチルエチルベンゼンの選択的
脱水素によるp−イソブチルスチレンの製造技術は、こ
れらの公知の従来技術と根本的に異なる。具体的には、
原料のp−イソブチルエチルベンゼンの芳香核に結合し
ている置換基はエチル基とイソブチル基であり、これら
はどちらも脱水素されてそれぞれビニル基と2−メチル
−1−プロペニル基または2−メチル−2−プロペニル
基(以下、これらを置換プロペニル基と称することがあ
る)などになる可能性を持っている。すなわち、p−イ
ソブチルエチルベンゼンのエチル基のみが脱水素される
とp−イソブチルスチレンとなり、イソブチル基のみが
脱水素されると4−(2′−メチル−1′−プロペニ
ル)エチルベンゼンまたは4−(2′−メチル−2′−
プロペニル)エチルベンゼンなどになる。また、エチル
基とイソブチル基の両方が脱水素されると、4−(2′
−メチル−1′−プロペニル)ビニルベンゼンまたは4
−(2′−メチル−2′−プロペニル)ビニルベンゼン
などとなる。このように、p−イソブチルエチルベンゼ
ンは脱水素され得る異なるアルキル基を二つ持ち、しか
もどちらが脱水素されるかによって生成物が全く異な
る。
報文Journal of Catalysis 34,167〜174(1974)による
と、クメンの脱水素の反応速度定数は、Bi2U06−酸化ウ
ラン系触媒を用いた場合、エチルベンゼンの脱水素反応
速度定数の約2倍であると報じている。また、報文zer
b.Khim.Zh.1968,(2),59−62(Russ)によると、イソ
プロピルエチルベンゼンを脱水素して同一分子内のアル
キル基の脱水素選択性を比較すると、イソプロピル基の
み脱水素イソプロペニルエチルベンゼンの生成量の、エ
チル基のみ脱水素されたイソプロピルスチレンの生成量
に対する比は2以上であり、選択率を上げるために反応
温度を下げると、この比は3以上になると報じている。
これらの公知文献からわかることは、分岐型のイソプロ
ピル基と直鎖型のエチル基とでは、約2〜3倍分岐型の
イソプロピル基の方が脱水素され易いということであ
る。また、本発明者らの検討によると、酸化鉄系触媒の
存在下にp−sec−ブチルエチルベンゼンを脱水素した
場合、反応温度550℃、p−sec−ブチルエチルベンゼン
に対するスチームのモル比93、p−sec−ブチルエチル
ベンゼンの触媒との接触時間0.2秒の条件で、p−sec−
ブチルエチルベンゼンの転化率が43.4重量%、p−sec
−ブチルエチルベンゼン:p−sec−ブチルスチレンの比
がおよそ2:1となり、sec−ブチル基の方がエチル基の約
2倍脱水素されやすく、反応条件等を変化させても、こ
の傾向が逆転することはないことが確かめられた。この
事実から、前述のイソプロピルエチルベンゼンの文献と
同様に、分岐型の炭素数4のsec−ブチル基の方が、直
鎖型のエチル基よりも脱水素されやすいと考えられる。
しかし、このような方法では本発明の目的を達成するこ
とはできない。
すなわ、p−イソブチルエチルベンゼンの脱水素の目的
生成物は、エチル基のみ脱水素されたp−イソブチルス
チレンである。そのため、p−イソブチルスチレンの選
択率の高いp−イソブチルエチルベンゼンの脱水素方
法、すなわち、p−イソブチルエチルベンゼンのもつエ
チル基とイソブチル基のうちエチル基のみを選択的に脱
水素する方法の開発が切に望まれていた。
またさらに、p−イソブチルエチルベンゼンを脱水素し
て得られる脱水素反応混合物中にはヒドロフォルミル化
反応に活性なオレフィンの不純物も含有されており、特
に4−(2′−メチル−1′−プロペニル)エチルベン
ゼン、4−(2′−メチル−2′−プロペニル)エチル
ベンゼン、4−(2′−メチル−1′−プロペニル)ビ
ニルベンゼン、4−(2′−メチル−2′−プロペニ
ル)ビニルベンゼン等が問題となることが、本発明者ら
の研究で明かとなった。本発明の目的が医薬品の原料中
間体であることを考えると、ヒドロフォルミル化工程に
おけるこれらの不純物の影響が問題となり、その解決も
望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明は、下記の工程(I)、工程(II)および工程
(III)からなることを特徴とする工業的かつ経済的な
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒド
の製造方法を提供するものであ。
工程(I):イソブチルベンゼンを、酸触媒の存在下に
反応温度−10〜600℃、エチレン/イソブチルベンゼン
の比0.005〜100(モル比)、反応圧力1kg/cm2以上の条
件でもってエチレンと反応させることによりp−イソブ
チルエチルベンゼンを製造する工程。
工程(II):前記工程(I)で得られたp−イソブチル
エチルベンゼンを気相で、反応温度300〜650℃、反応圧
力50kg/cm2以下、接触時間0.005〜20秒、p−イソブチ
ルエチルベンゼンの転化率80重量%以下の条件でもって
周期律表中第IB族、第2B族、第6A族、第7A族及び第8族
から選ばれる金属を含む脱水素金属触媒の存在下に脱水
素させることによりp−イソブチルスチレンを製造する
工程。
工程(III):前記工程(II)で得られたp−イソブチ
ルスチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在
下、反応温度40〜150℃、一酸化炭素と水素の混合比10
〜600kg/cm2の条件下、一酸化炭素および水素と反応さ
せることによりα−(4、イソブチルフェニル)プロピ
オンアルデヒドを製造する工程。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明における工程(I)は、イソブチルベンゼンを酸
触媒の存在下にエチレンと反応させ、p−イソブチルエ
チルベンゼンを製造する工程である。
工程(I)で使用する酸触媒としては、イソブチル基の
異性化が起こりにくい条件ならば、通常のエチル化触媒
としての固体酸、無機酸、有機酸、フリーデル・クラフ
ト触媒、ヘテロポリ酸、イソポリ酸および強酸型陽イオ
ン交換樹脂などの酸触媒が使用できる。例えば、硫酸、
リン酸などの無機酸;塩化アルミニウム、塩化ジルコニ
ウム、塩化亜鉛、塩化バナジウム、塩化チタン、塩化ベ
リリウム、フッ化ホウ素、フッ化水素などのフリーデル
・クラフト触媒;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸などの有機酸;
ヘテロポリ酸;イソポリ酸;シリカ−アルミナ、ゼオラ
イトなどの固体酸;ナフィオン樹脂(商品名、デュポン
社製)などで代表されるパーフロロスルホン酸樹脂など
の強酸型陽イオン交換樹脂などが使用できる。
反応温度は通常−10〜600℃である。反応温度がこの範
囲より低いと反応速度が遅くなり、エチル化の転化率を
高めるためには長時間の反応時間が必要となり好ましく
ない。また、反応温度がこの範囲より高いと、分解反応
あるいはイソブチル基の構造異性体が著しくなる上、せ
っかく生成したp−イソブチルエチルベンゼンがさらに
エチル化を受けるといった副反応が増加するので好まし
くない。
以下、より好ましいエチル化触媒についてさらに具体的
に説明する。
シリカ−アルミナを触媒として用いる場合、使用するシ
リカ−アルミナは天然系でも合成系でもよく、またこれ
らの混合物であっても使用できる。反応温度は好ましく
は150〜600℃、さらに好ましくは200〜500℃である。ト
リフロロメタンスルホン酸および/またはフッ化水素を
触媒として用いる場合、使用するトリフロロメタンスル
ホン酸またはフッ化水素は、純品でも水溶液でも、ま
た、これらの混合物でも使用できる。本発明者等の検討
の結果、トリフロロメタンスルホン酸およびフッ化水素
は、イソブチルベンゼンのエチル化に関してほぼ同等の
触媒効果を示し、同一条件のもとでは生成物もほぼ同等
であることが判明した。反応温度は好ましくは−10〜20
0℃、さらに好ましくは−5〜150℃である。
ヘテロポリ酸を触媒として用いる場合、使用するヘテロ
ポリ酸は、例えばケイタングステン酸、リンタングステ
ン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸などのモリ
ブデンやタングステンによって生ずる一群のヘテロポリ
酸であり、ヘテロ原子として、P、B、V、As、Si、G
e、Sn、Ti、Zr、Ce、Th、Fe、Pt、Mn、Co、Ni、Te、
I、Al、Cr、Rh、Cu、Seなどを含有するものが使用でき
る。反応温度は好ましくは150〜600℃、さらに好ましく
は200〜500℃である。
ナフィオン樹脂などの強酸型陽イオン交換樹脂では、50
〜300℃、好ましくは100〜250℃の反応温度が適当であ
る。
ゼオライトを触媒として用いる場合、使用するゼオライ
トは、例えばHX型ゼオライトまはたHY型ゼオライトまた
は水素ホージヤサイトの水素ゼオライトを含有するもの
が使用できる。これらの水素ゼオライトは、NaXゼオラ
イト、NaYゼオライト、Naホージヤサイトなどのような
ゼオライトのアルカリ金属塩を、カチオン交換により一
部もしくは全部をプロトン型に転化させたものであり、
これらは強い固体酸性を示す。反応温度は好ましくは10
0〜400℃、さらに好ましくは150〜350℃である。
エチレンの反応圧力は、好ましくは1kg/cm2以上あれば
特に制限はない。反応圧力がこの範囲より低いと反応速
度が遅くなり、エチル化の転化率を高めるためには、長
時間の反応時間を必要とし、事実上実施できない。反応
器の耐圧などの点から事実上は、100kg/cm2以下の圧力
である。
反応器に供給するエチレン/イソブチルベンゼンの比
は、モル比で0.005〜100、好ましくは0.01〜50である。
この比よりエチレンが少ないと目的のイソブチルエチル
ベンゼンの生成が少なく、また反対にこれよりエチレン
の供給量が多いときはイソブチルエチルベンゼンなどの
ジエチル体以上の副生物が多くいずれも好ましくない。
エチル化の反応形態は、気相あるいは液相のいずれでも
よく、反応形式も回分式あるいは固定床、移動床、流動
床などの流通式のいずれにおいても反応させることがで
きる。また、エチレンの反応器への導入についても、密
閉式あるいは流動式のいずれにおいても導入できる。
さらに、反応に不活性であって目的物との分離が容易で
ある限り適宜に溶剤を使用することもできる。
上記の条件下で反応した反応生成物中のイソブチルエチ
ルベンゼンは、いずれもo−イソブチルエチルベンゼ
ン、m−イソブチルエチルベンゼン、p−イソブチルエ
チルベンゼンの混合物になる。
上記のようにして得られたエチル化反応混合物中の3つ
のイソブチルエチルベンゼン位置異性体は、次の工程で
ある脱水素反応、およびその次の工程であるヒドロフォ
ルミル化反応に対して有意な反応性の差異を示さないの
で、次の脱水素工程(II)の原料であるp−イソブチル
エチルベンゼンを、この段階で高純度に分離精製する必
要がある。
本発明者らは、特定の条件下ならば蒸留によりp−イソ
ブチルエチルベンゼンが高純度に分離できることを見い
だした。
すなわち、蒸留塔への供給流は、イソブチルエチルベン
ゼンの位置異性体を含む混合物であり、イソブチルエチ
ルベンゼン位置異性体の合計に対するp−体の重量の割
合が5%以上、好ましくは10%以上となるものを用い
る。イソブチルベンゼンのエチル化では、通常位置異性
体混合物中のp−イソブチルエチルベンゼン含有量は、
最高でも60%程度である。イソブチルエチルベンゼンの
製造方法およびその反応条件によりある程度はp−イソ
ブチルエチルベンゼンの含有量が変化し得る。それ故、
適宜にp−体の含有量の多いものを使用すればよい。
該混合物中のイソブチルエチルベンゼン以外の成分は、
本発明の目的を達成する上で傷害とならないものであれ
ば、とくに制限はない。上記混合物中のイソブチルエチ
ルベンゼン以外の成分は、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼ
ン、n−プロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、n
−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、イソブチル
ベンゼン、ジエチルイソブチルベンゼン、トリエチルイ
ソブチルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンなどでもよい。前記位置異性体混合物中の
合計に対するp−体の重量の割合が5%未満では混合物
中の目的成分が少なすぎて、たとえ高度に精密な蒸留を
行っても高純度のp−イソブチルエチルベンゼンを有効
に蒸留分離できない。
また、本発明で用いる蒸留塔は、理論段数20段以上、好
ましくは30段以上の蒸留塔を用いる。理論段数が20段未
満だと、高純度のp−イソブチルエチルベンゼンを有効
に蒸留分離できない。
本発明においては、回収するp−イソブチルエチルベン
ゼンは、常圧換算沸点で21〜216℃の範囲にある成分を
主とする留分として回収される。
蒸留方法には特に制限はなく、連続式、回分式、または
減圧、常圧、加圧、あるいは単塔式、多塔式などを問わ
ない。
上記のエチル化により得られる反応混合物には、通常p
−イソブチルエチルベンゼンのほかに大量にm−/o−イ
ソブチルエチルベンゼンおよびイソブチルジエチルベン
ゼン、イソブチルトリエチルベンゼンなどのイソブチル
ポリエチルベンゼンなどが生成する。従って、p−イソ
ブチルエチルベンゼンを前記蒸留により分離すると大量
のm−/o−イソブチルエチルベンゼン、そのほかイソブ
チルジエチルベンゼン、イソブチルトリエチルベンゼン
などのイソブチルポリエチルベンゼンなどが残る。本発
明では、これら大量の異性体をも有効利用できることも
見いだした。
すなわち、その一つの方法は、蒸留分離した残りのm−
/o−イソブチルエチルベンゼンおよびイソブチルポリエ
チルベンゼンの少なくとも一部を前記工程(I)のエチ
ル化工程に原料エチレンの少なくとも一部として戻し、
循環使用することである。かくすることにより原料エチ
レンの供給量を減らすことができ、イソブチルベンゼン
の選択性を向上させることができると共に副生物を有効
に利用できるという効果が生じる。工程(I)に戻すこ
とのできるm−/o−イソブチルエチルベンゼンやイソブ
チルポリエチルベンゼンの量は、工程(I)の反応速度
などを考慮して適宜に決定できる。工程(I)に戻した
m−/o−イソブチルエチルベンゼンやイソブチルポリエ
チルベンゼンの量に応じて工程(I)に供給すべきエチ
レンの量は、適宜に減らすことができる。
副生する異性体を有効に利用するもう一つの方法は、m
−/o−イソブチルエチルベンゼンおよびイソブチルポリ
エチルベンゼンを不均化触媒により不均化しp−イソブ
チルエチルベンゼンを製造する方法である。
すなわち、本発明者らは、m−/o−イソブチルエチルベ
ンゼンおよびイソブチルポリエチルベンゼンを酸触媒に
より不均化するとp−イソブチルエチルベンゼンが生成
することを見いだした。
この不均化反応の触媒及びその反応条件は、前記工程
(I)で説明したエチレンによるエチル化反応に利用す
る酸触媒及びそのための反応条件が使用できる。例え
ば、不均化触媒としては硫酸、リン酸、フッ化水素など
の無機酸;塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化
亜鉛、塩化バナジウム、塩化チタン、塩化ベリリウム、
フッ化ホウ素などのフリーデル・クラフト触媒;ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフロロメ
タンスルホン酸などの有機酸;ケイタングステン酸、ケ
イモリブデン酸などのヘテロポリ酸;イソポリ酸;シリ
カ−アルミ、ゼオライトなどの固体酸;ナフィオン樹脂
(商品名、デュポン社製)などで代表されるパーフルオ
ロスルフォン酸樹脂などの強酸型陽イオン交換樹脂など
が使用できる。
不均化の反応温度は触媒によって適宜選ぶことができる
が、分解反応やイソブチル素の異性化反応などの副反応
ができるだけ起こらない条件を選ぶ必要がある。通常は
−10〜600℃の範囲から選択できる。
以下、好ましいいくかつの不均化触媒についてさらに具
体的に説明する。
シリカ−アルミナを触媒として用いる場合、反応温度は
好ましくは150〜600℃、さらに好ましくは200〜500℃で
ある。反応温度がこれらの範囲より低いと反応速度が遅
くなり、不均化の転化率を高めるためには長時間の反応
時間が必要となり好ましくない。また、反応温度がこの
範囲より高いと、分解反応あるいはイソブチル素の骨格
異性化が著しくなり好ましくない。
トリフロロメタンスルホン酸および/まはたフッ化水素
を触媒として用いる場合、反応温度は好ましくは−10〜
200℃、さらに好ましくは−5〜150℃である。
ヘテロポリ酸を触媒として用いる場合、反応温度は好ま
しくは150〜600℃、さらに好ましくは200〜500℃であ
る。
ナフィオン樹脂などの強酸型陽イオン交換樹脂では、50
〜300℃、好ましくは100〜250℃の反応温度が適当であ
る。
HX型ゼオライトまたはHY型ゼオライトまたは水素ホージ
ヤサイトなどの水素ゼオライトを含有するものを触媒と
し用いる場合、反応温度は好ましくは100〜400℃、さら
に好ましくは150〜350℃である。
不均化に供給する異性体は、m−またはo−体およびイ
ソブチルポリエチルベンゼンのいずれかである。これら
の混合物を供給することもできる。必要に応じてイソブ
チルベンゼンを不均化反応に共存させることもできる。
共存さすべきイソブチルベンゼンの量は適宜決定されれ
る。
また、適宜の溶媒を不均化反応に使用することもでき
る。該不均化反応および前述したp−イソブチルエチル
ベンゼンの分離精製に悪影響をもたらさないものであれ
は特に制限はない。
不均化の反応形態は気相、液相のいずれで不均化するこ
ともでき、また反応方法も回分式、連続式、固定床、移
動床、流動床などを問わない。
本発明の不均化反応により得られた反応混合物は、通常
はp−体を含むイソブチルエチルベンゼンの位置異性体
混合物である。通常は、さらにイソブチルポリエチルベ
ンゼンなども副生する。それ故、これからp−体を分離
するには、前記エチル化反応における反応混合物からp
−イソブチルエチルベンゼンを蒸留分離する方法に依る
ことができる。すなわち、イソブチルエチルベンゼン異
性体中にp−イソブチルエチルベンゼンの少なくとも5
重量%、好ましくは10重量%以上を含む混合物を用い、
理論段数が20段以上、好ましくは30段以上の蒸留塔によ
り蒸留し常圧換算沸点213〜216℃の範囲にある成分を主
とする留分としてp−イソブチルエチルベンゼンを分離
精製することができる。
上記不均化反応により製造したp−イソブチルエチルベ
ンゼンは、前記工程(I)で得られp−体と共にまたは
単独で次の工程(II)に供給することができる。
本発明の方法における工程(II)は、前記工程(I)ま
たは前記不均化行程から得られたp−イソブチルエチル
ベンゼンを脱水素することにより、p−イソブチルスチ
レンを製造する工程である。さらに詳しくは、特定の条
件下で脱水素触媒の存在下、p−イソブチルエチルベン
ゼンのエチル基のみを選択的に脱水素してp−イソブチ
ルスチレンを製造する方法に関するものである。
脱水素触媒は、周期律表中第IB族、第2B族、第6B族、第
7B族及び第8族から選ばれる金属を含む金属触媒であ
り、具体的には鉄、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、
白金、コバルト、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、
クロム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、チタン、ジ
ルコニウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マ
グネシウム、セリウム、セシウム、ルビジウムなどの金
属化合物が例示され、これらを適宜組み合わせたものも
有効に使用しうる。好ましくは鉄、銅、クロムから選ば
れる少なくとも1種の金属を含む触媒である。これら金
属は、金属単体でも使用できるほか、酸化物、塩化物、
硫化物、水素処理物などいずれの形態のものでも使用で
きる。特に酸化鉄系触媒、銅−クロム系触媒などはp−
イソブチルスチレンへの選択性は高く、本発明の目的に
は有効である。
通常、脱水素触媒は長時間使用しているとコーキング等
によりしだいに少しづつ活性が低下してくるので、その
場合は触媒を、例えば500℃程度の高温で、空気等でデ
コーキングすることにより、初期の活性を再現すること
ができる。また、必要であれば、200〜500℃の温度で水
素の流れの中に置くことによる水素処理を行ってもよ
い。
脱水素温度は、触媒の組成、接触時間、希釈モル比など
に応じて300〜650℃、好ましくは400〜650℃の範囲内で
選択することができる。反応温度がこの範囲より高くな
ると、分解反応のみならず、精製したp−イソブチルス
チレンがさらに脱水素されたりあるいは分解されるとい
った副反応が急激に多くなり、p−イソブチルスチレン
の選択率が著しく低下する。これはp−イソブチルエチ
ルベンゼンの損失が大きいだけでなく、生成物分布が非
常に複雑になって蒸留等によるp−イソブチルスチレン
およびp−イソブチルエチルベンゼンなどの分離が困難
になるので好ましくない。また、反応温度がこの範囲よ
り低いと、p−イソブチルエチルベンゼンの選択率は高
いが反応速度が著しく低下して経済性が悪くなるのでこ
れも好ましくない。
脱水素反応によって生成するオレフィンは重合性である
ため、反応層中でのオレフィン濃度が高い状態を高温で
続けると、せっかく生成したp−イソブチルスチレンの
一部が重合して損失となる。これを避けるためには、非
還元性ガス、例えば窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴン
ガス、スチーム、酸素ガスなどを同伴させてオレフィン
濃度を希釈により下げることが有効である。ベンゼンな
どの脱水素されにくい溶媒で希釈することもできる。ま
た、脱水素の触媒活性を維持するために、反応層にスチ
ームを同伴して脱水素を行うのもよい。スチームの量に
は、特に制限はない。
脱水素工程(II)における反応形式は固定床、移動床、
流動床のいずれを用いても、本発明の目的を達成でき
る。
反応圧力は、上記反応条件下で生成したp−イソブチル
スチレンが気化しうる範囲であれば特に制限はないが、
通常50kg/cm2以下、好ましくは常圧ないし10kg/cm2が経
済的である。
原料p−イソブチルエチルベンゼンと触媒の接触時間は
0.005〜20秒、好ましくは0.01〜10秒の範囲で適宜選択
できるが、更に好ましくは0.05〜5秒の範囲で選択する
のが適当である。接触時間がこれより短いと、反応率が
低くて好ましくない。また、接触時間がこれより長い
と、生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱水素さ
れるなどの副反応が大きくなり、p−イソブチルスチレ
ンの選択率が下がるので、これも好ましくない。反応形
式、反応ガス組成、触媒の組成、反応温度、あるいは原
料ガスの予熱温度等の種々の組合せの相違により、上記
範囲内で適宜変化せしめることができる。
さらに当然ながら、上記工程(II)を連続式で行うこと
もでき、また回分式で行うこともできる。いずれにせよ
本発明では、p−イソブチルエチルベンゼンを脱水素し
てp−イソブチルスチレンに効率良く転化せしめること
が肝要である。
とこで、本発明においては反応条件およびそれぞれの因
子の反応に与える影響については、p−イソブチルエチ
ルベンゼンの転化率とp−イソブチルスチレンの選択率
との関係でまとめることができることが本発明者等の研
究から明らかになった。
すなわち、前記反応条件下で得られるp−イソブチルエ
チルベンゼンの任意の転化率xに対して、p−イソブチ
ルスチレンへの選択率yは一次関数 y=ax+b (a、bは触媒固有の定数) の関係にある。図1に、後述の実施例で得られたp−イ
ソブチルエチルベンゼンの転化率とp−イソブチルスチ
レンの選択率の関係(以後、脱水素性能直線と呼ぶ)の
例を示す。例えば、前記反応条件内で、ある条件を設定
すれば、そのときの転化率に対応する脱水素性能直線上
の点は、実際に得られるp−イソブチルスチレンの選択
率を示している。従って、使用する脱水素触媒の性能直
線に応じて、望みの選択率に対応するp−イソブチルエ
チルベンゼンの転化率を与えるような反応条件を選べば
良い。例えば、銅−クロム系触媒の場合、本発明におい
ては、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率を80重量
%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50
重量%以下に保のが適当である。また、例えば、酸化鉄
系触媒の場合、本発明においては、p−イソブチルエチ
ルベンゼンの転化率を好ましくは80重量%以下、さらに
好ましくは70重量%以下に保つのが適当である。転化率
がこれらの範囲を越えるとp−イソブチルスチレンへの
選択率が急激に低下して前記脱水素性能直線から離脱
し、副生成物のみならず、クラッキング生成物も多くな
り好ましくない。転化率が上記の範囲内にある場合、転
化率が低ければ低いほど選択率は高くなるが、p−イソ
ブチルスチレンの生成率は前記転化率と選択率の積であ
るから、あまり転化率を低くとるのも、後に続く蒸留な
どによる未反応p−イソブチルエチルベンゼンの分離回
収操作にかかる負担が大きくなり好ましくない。経済的
には5重量%以上の転化率に保つのが適当であろう。
以上のように、本発明の脱水素工程(II)の方法により
p−イソブチルエチルベンゼンを脱水素すれば、従来の
予想に反して、エチル基のみが一方的に脱水素され、驚
くべき高選択率でp−イソブチルスチレンを製造するこ
とが可能になった。
本発明の工程(III)では、前記工程(II)の方法で得
られたp−イソブチルスチレンを、一酸化炭素と水素に
よるヒドロフォルミル化により遷移金属錯体触媒を用い
てα−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒ
ドへ変換する。
上記のヒドロフォルミル化に使用される遷移金属錯体触
媒としては、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテ
ニウム等の遷移金属からなる錯体触媒である。これらの
遷移金属は、酸価数が0から最高位酸価数のものまで使
用でき、ハロゲン原子、三価のリン化合物、π−アリル
基、アミン、ニトリル、オキシム、オレフィンあるいは
エルボニル錯化合物などとして一酸化炭素、水素などを
配位子として含有するものが使用される。
遷移金属錯体触媒の具体例としては、ビトスリフェニル
ホスフィンジクロロ錯体、ビストリブチルホスフィンジ
クロロ錯体、ビストリシクロヘキシルホスフィンジクロ
ロ錯体、π、アリルトリフェニルホスフィンジクロロ錯
体、トリフェニルホフィンピペリジンジクロロ錯体、ビ
スベンゾニトリルジクロロ錯体、ビスシクロヘキシルオ
キシムジクロロ錯体、1,5,9−シクロドデカトリエン−
ジクロロ錯体、ビストリフェニルホスフィンジカルボニ
ル錯体、ビストリフェニルホスフィンアセテート錯体、
ビストリフェニルホスフィンジナイトレート錯体、ビス
トリフェニルホスフィンスルフェート錯体、テトラキス
トリフェニルホフスィン錯体および一酸化炭素を配位子
の一部に持つ、クロロカルボニルビストリフェニルホス
フィン錯体、ヒドリドカルボニルトリストフェニルホス
フィン錯体、ビスクロロテトラカルボニル錯体、ジカル
ボニルアセチルアセトナート錯体等を挙げることができ
る。
触媒は、錯体として反応系に供給して使用できるほか、
配位子となる化合物を別個に反応系に供給し、反応系内
においては錯体を生成させて使用することもできる。す
なわち、上記遷移金属の酸化物、硫酸塩、塩化物などに
対して配位子となり得る化合物、すなわち、ホスフィ
ン、ニトリル、アリル化合物、アミン、オキシム、オレ
フィン、あるいは一酸化炭素、水素等を同時に反応系に
存在させる方法である。
ホスフィンとしては、例えばトリフェニルホスフィン、
トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシ
クロヘキシルホスフィン、トリエチルホスフィン等、ニ
トリルとしては、例えばベンゾニトリル、アクリロニト
リル、プロピオニトリル、ベンジルニトリル等、アリル
化合物としては、例えばアリルクロライド、アリルアル
コール等、アミンとしては、例えばベンジルアミン、ピ
リジン、ピペラジン、トリ−n−ブチルアミン等、オキ
シムとしては、例えばシクロヘキシルオキシム、アセト
オキシム、ベンズアルドオキシム等、オレフィンとして
は、例えば1,5−シクロオクタジエン、1,5、9−シクロ
ドデカトリエン等が挙げられる。
錯体触媒、または錯体を作り得る化合物の使用量は、p
−イソブチルスチレン1モルに対して0.0001〜0.5モ
ル、好ましくは0.001〜0.1モルである。また、配位子と
なり得る化合物の添加量はパラジウム、ロジウム、イリ
ジウム、ルテニウムなどの錯体の核となり得る遷移金属
1モルに対して0.8〜10モル、好ましくは1〜4モルで
ある。
さらに、反応を促進する目的で塩化水素、三フッ化ホウ
素などの無機ハロゲン化物やヨウ化メチル等の有機ヨウ
化物等を添加しても良い。
これらハロゲン化物を添加する場合は、錯体触媒、また
は、錯体を作り得る化合物1モルに対し、ハロゲン原子
として0.1〜30倍モル、好ましくは1〜15倍モルを使用
する。添加量が0.1モル未満の場合、触媒の種類によっ
ても異なるが、添加の効果が見られないこともある。ま
た30倍モルを越える時は、触媒活性がかえって低下する
とともに、p−イソブチルスチレンの二重結合にハロゲ
ンが付加する等、目的の反応が抑制される。
ヒドロフォルミル化反応は、反応温度は40〜150℃、好
ましくは55〜110℃で行う。反応温度が40℃未満では、
反応速度が著しく遅くなり、実用上実施することができ
ない。また、150℃を越える温度では、重合、水素付加
等の副反応や錯体触媒の分解が生じ好ましくない。
反応圧力は一酸化炭素と水素の混合圧力として10〜600k
g/cm2の範囲で適宜選択できる。10kg/cm2未満では実用
上実施できないほど反応が遅くなる。また、圧力は高い
ほど反応が速やかに進行し好ましいが、高すぎる圧力は
反応器の耐圧を非常に高くする必要がでてくるなど、製
造装置の点からおのずと限界がある。従って、実用上は
600kg/cm2までの圧力で充分である。
反応は一酸化炭素および水素の混合ガスの吸収が見られ
なくなるまで行えばよく、通常は4〜20時間の反応時間
で充分である。
反応に必要な一酸化炭素と水素とは、あらかじめ混合さ
れた混合ガスの状態でも、各々別に反応器に供給しても
よい。反応系に供給する場合の一酸化炭素と水素とのモ
ル比は、適宜選択できる。すなわち、本発明の工程(I
I)であるヒドロフォルミル化反応では、一酸化炭素と
水素とは正確に1:1のモル比で吸収消費されていく。従
って、反応器の大きさ、反応の形式にもよるが、一酸化
炭素対水素のモル比は1:1で供給すれば最も効率的であ
る。
本発明のヒドロフォルミル化において、ヒドロフォルミ
ル化に不活性な溶媒を反応熱除去等の目的で用いること
もできる。ヒドロフォルミル化に不活性な溶媒として
は、エーテル、ケトン、アルコール等の極性溶媒や、パ
ラフィン、シクロパラフィン、芳香族炭化水素のような
無極性溶媒が挙げられる。しかし、一般には無溶媒の状
態で充分好ましい結果が得られる。
ヒドロフォルミル化反応の終了後、反応物は好ましくは
減圧下で蒸留分離すれば、容易に目的化合物である高純
度のα−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデ
ヒドと触媒とに分離することができる。回収された錯体
触媒は再度使用することができる。
本発明によって得られるα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオンアルデヒドは、常法によりこれを酸化す
ることにより、容易にα−(4−イソブチルフェニル)
プロピオン酸に変換できる。例えば、クロム酸酸化、次
亜塩素酸酸化、過マンガン酸酸化などの従来アルデヒド
をカルボン酸に酸化する方法として知られる方法により
酸化することができる。
[発明の効果] 本発明の方法は、イソブチルベンゼンをエチレンにより
直接エチル化してp−イソブチルエチルベンゼンを製造
し、得られたp−イソブチルエチルベンゼンのエチル基
を選択的に脱水素してこれを効率よくp−イソブチルス
チレンに転化せしめ、かつこのp−イソブチルスチレン
を選択的にヒドロフォルミル化することによって、工業
的かつ経済的な実施を可能にしたものである。
本発明の工程(I)では、イソブチルベンゼンのエチル
化によって生成するイソブチルエチルベンゼンの3種の
位置異性体を含む混合物から、蒸留によりp−イソブチ
ルエチルベンゼンを高純度で分離回収でき、また、反応
生成物中のp−イソブチルエチルベンゼン以外の成分
も、リサイクルあるいは不均化等により有効にp−イソ
ブチルエチルベンゼンに変換し得る。すなわち、イソブ
チルベンゼンのエチル化反応混合物から、本発明の蒸留
方法で高純度のp−イソブチルエチルベンゼンを分離
し、他の成分を工程(I)の原料としてリサイクルし、
結果としてイソブチルベンゼンのp−イソブチルエチル
ベンゼンへの選択率を高めることが可能となった。これ
らの技術の確立により、p−位にのみ選択的に置換基を
導入しなければならないという、従来受けてきた大きな
制約を免れることができ、経済的に大変有利になった。
本発明の工程(II)の条件でp−イソブチルエチルベン
ゼンの脱水素を行うと、高い選択率でp−イソブチルス
チレンを製造できる。従って前述したように、本発明の
方法で得られた脱水素反応混合物を、例えば水層と分
液、乾燥後、蒸留などといった二〜三の簡単な単位操作
だけで、高純度のp−イソブチルスチレンおよび未反応
のp−イソブチルエチルベンゼンが得られる。またこの
未反応p−イソブチルエチルベンゼンは、回収して再び
脱水素の原料とすることができる。
また、ヒドロフォルミル化工程(III)で得られるヒド
ロフォルミル化反応混合物は、簡単な減圧蒸留で、医薬
の中間原料として充分使用できる高純度のα−(4−イ
ソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドを分離するこ
とができる。
以下、実施例により本発明を詳述する。
ここで以下の実施例に示すように、エチル化工程
(I)、脱水素工程(II)およびヒドロフォルミル化工
程(III)を行った。
p−イソブチルエチルベンゼンの製造 [工程
(I)] 実施例No.1 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlとシリカ−
アルミナ触媒IS−28(商品名;触媒化成工業(株)品)
26gとを1のオートクレーブに仕込み、攪拌しながら
系内の温度を250℃にしたのちエチレンを張り込んで圧
力を20kg/cm2に保ったまま12時間反応させた。反応終了
後、触媒をろ別してガスクロマトグラフィーで分析し
た。反応混合物の組成を表1に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率19.7重量%、消費
したイソブチルベンゼンのモル数に対する生成したp−
イソブチルエチルベンゼンのモル数の割合(以下、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率と称する)は17.6
%、イソブチルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p
=40:31:29であった。
実施例No.2 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlとシリカ−
アルミナ触媒N633L(商品名;日揮化学(株)品)26gと
を1のオートクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の
温度を250℃にしたのちエチレンを張り込んで圧力を20k
g/cm2に保ったまま12時間反応させた。反応終了後、触
媒をろ別してガスクロマトグラフィーで分析した。反応
混合物の組成を表2に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率40.0重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率18.7%、イソブチ
ルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=37:32:31で
あった。
実施例No.3 シリカ−アルミナ触媒IS−28(商品名;触媒化成工業
(株)品)を粒径1mm〜2mmに調整し、内径12mm、長さ1m
のステンレス管に64ml(32.8g)充填し、系内を窒素で
置換した。
この反応槽に純度99.8重量%のイソブチルベンゼンを64
ml/hrで流し、触媒層の温度を250℃に保ちながらエチレ
ンを張り込んで圧力20kg/cm2とし、エチレンの流速をイ
ソブチルベンゼンとの張り込みモル比1に調整した。反
応を開始して138時間経過した後の反応混合物を冷却
し、気液を分離した後、ガスクロマトグラフィーで分析
したところ、表3のような組成が得られた。
この結果イソブチルベンゼンの転化率21.2重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率17.9%、イソブチ
ルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=41:30:29で
あった。
実施例No.4 実施例No.3で得られた反応混合物6kgを10lの三つ口フラ
スコに入れ、内径30mm、長さ1.5mのガラス管に東京特殊
金網(株)製充填物Heli Pack No.3 metalを充填した理
論段数35段の蒸留塔を用いて回分式で蒸留したところ、
p−イソブチルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留
分が204g(回収率73.9%)であった。
実施例No.5 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlと純度99重
量%のトリフロロメタンスルホン酸30mlとを1のオー
トクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の温度を0℃に
したのちエチレンを張り込んで圧力を10kg/cm2に保った
まま4時間反応させた。反応終了後、反応混合物をCa(O
H)2で中和したのち水洗してガスクロマトグラフィーで
分析した。反応混合物の組成を表4に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率7.5重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率21.0%、o:m:p=4
6:27:27であった。
実施例No.6 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlと純度99重
量%のトリフロロメタンスルホン酸30mlとを1のオー
トクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の温度を90℃に
したのちエチレンを張り込んで圧力を20kg/cm2に保った
まま3.5時間反応させた。反応終了後、反応混合物をCa
(OH)2で中和したのち水洗してガスクロマトグラフィー
で分析した。反応混合物の組成を表5に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率38.7重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率16.9%、o:m:p=4
2:29:29であった。
実施例No.7 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlと純度99重
量%のトリフロロメタンスルホン酸30mlとを1のオー
トクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の温度を135℃
にしたのちエチレンを張り込んで圧力を10kg/cm2に保っ
たまま1時間反応させた。反応終了後、反応混合物をCa
(OH)2で中和したのち水洗してガスクロマトグラフィー
で分析した。反応混合物の組成を表6に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率54.6重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率17.5%、o:m:p=3
7:31:32であった。
実施例No.8 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlと純度99.7
重量%のフッ化水素30mlとを1のオートクレーブに仕
込み、攪拌しながら系内の温度を0℃にしたのちエチレ
ンを張り込んで圧力を20kg/cm2に保ったまま3時間反応
させた。反応終了後、反応混合物をCa(OH)2で中和した
のち水洗してガスクロマトグラフィーで分析した。反応
混合物の組成を表7に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率7.1重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率23.3%、o:m:p=4
3:27:30であった。
実施例No.9 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlと純度99.7
重量%フッ化水素30mlとを1のオートクレーブに仕込
み、攪拌しながら系内の温度を25℃にしたのちエチレン
を常圧で張り込んで圧力を常圧に保ったまま12時間反応
させた。反応終了後、反応混合物をCa(OH)2で中和した
のち水洗してガスクロマトグラフィーで分析した。反応
混合物の組成を表8に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率5.2重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率22.3%、o:m:p=4
8:25:27であった。
実施例No.10 実施例No.6と同一条件で反応を繰り返し、得られた反応
混合物6kgを10lの3つ口フラスコに入れ、内径30mm、長
さ1.5mのガラス管に東京特殊金網(株)製充填物Heli P
ack No.3 metalを充填した理論段数35段の蒸留塔を用い
て回分式で蒸留したところ、p−イソブチルエチルベン
ゼンの純度97重量%以上の留分が382g(回収率80.6%)
であった。
実施例No.11 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン436gとリンタング
ステン酸水和物[P2O5・24WO3・nH2O]4.46gとを1の
オートクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の温度を25
0℃にしたのちエチレンを張り込んで圧力を20kg/cm2
保ったまま12時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別
してガスクロマトグラフィーで分析した。反応混合物の
組成を表9に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率21.5重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率20.4%、イソブチ
ルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=40:30:30で
あった。
実施例No.12 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン426gとケイタング
ステン酸水和物[SiO2・12WO3・26H2O]4.52gとを1
のオートクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の温度を
250℃にしたのちエチレンを張り込んで圧力を20kg/cm2
に保ったまま12時間反応させた。反応終了後、触媒をろ
別してガスクロマトグラフィーで分析した。反応混合物
の組成を表10に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率16.0重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率19.6%、イソブチ
ルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=39:30:31で
あった。
実施例No.13 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlとリンモリ
ブデン酸水和物[P2O5・24MoO3・nH2O]6gとを1のオ
ートクレーブに仕込み、攪拌しながら系内の温度を280
℃にしたのちエチレンを張り込んで圧力を20kg/cm2に保
ったまま12時間反応させた。反応終了後、触媒をろ別し
てガスクロマトグラフィーで分析した。反応混合物の組
成を表11に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率17.7重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率20.6%、イソブチ
ルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=38:31:31で
あった。
実施例No.14 実施例No.11と同一条件で反応を繰り返し、得られた反
応混合物10kgを15lの3つ口フラスコに入れ、内径30m
m、長さ1.5mのガラス管に東京特殊金網(株)製充填物H
eli Pack No.3 metalを充填した理論段数35段の蒸留塔
を用いて回分式で蒸留したところ、p−イソブチルエチ
ルベンゼンの純度97重量%以上の留分が451g(回収率8
5.1%)であった。
実施例No.14A 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン522gとHXゼオライ
ト26.2gとを1のオートクレーブに仕込み、攪拌しな
がら系内の温度を160℃にしたのちエチレンを張り込ん
で圧力を20Kg/cm2に保ったまま12時間反応させた。反応
終了後、触媒を濾過してガスクロマトグラフイーで分析
した。反応混合物の組成を次に示す。
この結果イソブチルベンゼンの転化率29.6%、p−イソ
ブチルエチルベンゼンへの選択率21.0%、イソブチルエ
チルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=39:25:36であっ
た。
実施例No.14B 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン522gとHYゼオライ
ト26.1gとを1のオートクレーブで圧力20Kg/cm2に維
持したまま12時間反応させた。反応終了後、触媒を濾過
してガスクロマトグラフイーで分析した。反応混合物の
組成を次表に示す。
この結果、イソブチルエチルベンゼンの転化率33.1重量
%、p−イソブチルエチルベンゼンへの選択率19.6重量
%、イソブチルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p
=40:25:35であった。
実施例No.14C 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン522gと水素ホージ
ヤサイト26.2gとを1のオートクレーブに仕込み、攪
拌しながら系内の温度を200℃にしたのちエチレンを張
り込み、圧力を20Kg/cm2に維持したまま12時間反応させ
た。反応終了後、触媒を濾過してガスクロマトグラグイ
ーで分析した。反応混合物の組成を下記表に示す。
この結果、イソブチルベンゼンの転化率28.7重量%、p
−イソブチルエチルベンゼンへの選択率20.0%、イソブ
チルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=40:25:35
であった。
実施例No.14D 実施例No.14Bと同一条件で反応を繰り返し、得られた反
応混合物6Kgを10lの三つ口フラスコに入れ、内径30mm、
長さ1.5mのガラス管に東京特殊網(株)製充填物Heli P
ack No.3 metalを充填した理論段数35段の蒸留塔を用い
て回分式で蒸留したところ、p−イソブチルエチルベン
ゼンの純度97重量%以上の留分が388g(回収率82.9%)
が得られた。
実施例No.15 実施例No.14の蒸留にて、上記p−イソブチルエチルベ
ンゼン以外の留分を混合してガスクロマトグラフィーで
分析したところ、下記表12のようであった。
この混合物500gとシリカ−アルミナ触媒N633L 25gを内
容量1のオートクレーブに入れ、系内の気相部分を窒
素で置換して、攪拌下270℃で24時間不均化反応させ、
反応混合物から触媒をろ別して有機相をガスクロマトグ
ラフィーで分析した結果を表13に示す。
この不均化反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が15g
(回収率56.6%)であった。
実施例No.16 実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gと純度99
重量%のトリフロロメタンスルホン酸25gを1オート
クレーブに入れ、攪拌下110℃で24時間不均化反応さ
せ、反応混合物をCa(OH)2で中和した後水洗して有機相
をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表14に示
す。
この不均化反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が16g
(回収率68.1%)であった。
実施例No.17 実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gと純度99.
7重量%のフッ化水素25gを1オートクレーブに入れ、
攪拌下110℃で24時間不均化反応させ、反応混合物をCa
(OH)2で中和した後水洗して有機相をガスクロマトグラ
フィーで分析した結果を表15に示す。
この不均化反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が15g
(回収率65.2%)であった。
実施例No.18 実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gとリンタ
ングステン酸25gを1オートクレーブに入れ、攪拌下2
50℃で24時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ
別して有機相をガスクロマトグラフイーで分析した結果
を表16に示す。
この不均化反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が19g
(回収率67.9%)であった。
実施例No.18A 実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gとHXゼオ
ライト25gを1オートクレーブに入れ、攪拌下170℃で
24時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ別して
有機相をガスクロマトグラフィーで分析した結果を次表
に示す。
この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が24g
(回収率71.6%)得られた。
実施例No.18B 実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gとHXゼオ
ライト25gを1オートクレーブに入れ、攪拌下180℃で
24時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ別して
有機相をガスクロマトグラフイーで分析した結果を次表
に示す。
この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が25g
(回収率70.4%)得られた。
実施例18C 実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gと水素ホ
ージヤサイト25gを1オートクレーブに入れ、攪拌下2
00℃で24時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ
別して有機相をガスクロマトグラフイーで分析した結果
を次表に示す。
この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が23g
(回収率65.7%)得られた。
実施例No.19 前記表12の混合物500gとシリカ−アルミナ触媒N633L 25
gを内容量1のオートクレーブに入れ、攪拌下エチレ
ン圧20kg/cm2、250℃で12時間反応させ、反応混合物か
ら触媒をろ別して有機相をガスクロマトグラフィーで分
析した結果を表17に示す。この結果、イソブチルベンゼ
ンの転化率24.3%、p−イソブチルエチルベンゼンへの
選択率27.8%であった。
この反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、実施例
No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブチルエ
チルベンゼンの純度97重量%以上の留分が28g(回収率7
0.9%)であった。
実施例No.20 上記表12の混合物500gと純度99重量%のトリフロロメタ
ンスルホン酸25gを内容量1のオートクレーブに入
れ、攪拌下エチレン圧20kg/cm2、110℃で12時間反応さ
せ、反応混合物をCa(OH)2で中和した後水洗して有機相
をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表18に示
す。この結果、イソブチルベンゼンの転化率26.3%、p
−イソブチルエチルベンゼンへの選択率29.2%であっ
た。
この反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、実施例
No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブチルエ
チルベンゼンの純度97重量%以上の留分が32g(回収率7
2.7%)であった。
実施例No.21 前記表12の混合物500gと純度99.7重量%のフッ化水素25
gを内容量1のオートクレーブに入れ、攪拌下エチレ
ン圧20kg/cm2、110℃で12時間反応させ、反応混合物をC
a(OH)2で中和した後水洗して有機相をガスクロマトグラ
フィーで分析した結果を表19に示す。この結果、イソブ
チルベンゼンの転化率26.0%、p−イソブチルエチルベ
ンゼンへの選択率29.5%であった。
この反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、実施例
No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブチルエ
チルベンゼンの純度97重量%以上の留分が31g(回収率7
0.5%)であった。
実施例No.22 上記表12の混合物500gとリンタングステン酸25gを内容
量1のオートクレーブに入れ、攪拌下エチレン圧20kg
/cm2、250℃で12時間反応させ、反応混合物から触媒を
ろ別して有機相をガスクロマトグラフィーで分析した結
果を表20に示す。この結果、イソブチルベンゼンの転化
率24.9%、p−イソブチルエチルベンゼンへの選択率2
6.8%であった。
この反応混合物を1の3つ口フラスコに入れ、実施例
No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブチルエ
チルベンゼンの純度97重量%以上の留分が26g(回収率6
6.7%)であった。
実施例No.22A 上記表12の混合物500gとHXゼオライト25gを内容量1
オートクレーブに入れ、攪拌下エチレン圧20Kg/cm2、16
0℃で12時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ
別して有機相をガスクロマトグラフイーで分析した結果
を次表に示す。この結果、イソブチルベンゼンの転化率
26.8%、p−イソブチルエチルベンゼンへの選択率22.2
%であった。
この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が22g
(回収率68.8%)得られた。
実施例No.22B 上記表12の混合物500gとHXゼオライト25gを内容量1
オートクレーブに入れ、攪拌下エチレン圧20Kg/cm2、17
0℃で12時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ
別して有機相をガスクロマトグラフイーで分析した結果
を次表に示す。この結果、イソブチルベンゼンの転化率
28.8%、p−イソブチルエチルベンゼンへの選択率23.1
%であった。
この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が28g
(回収率71.8%)得られた。
実施例No.22C 上記表12の混合物500gと水素ホージヤサイト25gを内容
量1オートクレーブに入れ、攪拌下エチレン圧20Kg/c
m2、200℃で12時間不均化反応させ、反応混合物から触
媒をろ別して有機相をガスクロマトグラフイーで分析し
た結果を次表に示す。この結果、イソブチルベンゼンの
転化率28.7%、p−イソブチルエチルベンゼンへの選択
率23.2%であった。
この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が27g
(回収率69.2%)得られた。
実施例No.23 o−イソブチルエチルベンゼン:m−イソブチルエチルベ
ンゼン:p−イソブチルエチルベンゼン=40:47:13の混合
液5kgと1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタン1k
gを10lの3つ口フラスコに入れ、内径30mm、長さ1.0mの
ガラス管に東京特殊金網(株)製充填物Heli Pack No.3
metalを充填した理論段数24段の蒸留塔を用いて回分式
で蒸留したところ、p−イソブチルエチルベンゼンの純
度97重量%以上の留分が126g(回収率19.4%)であっ
た。
実施例No.23A 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン600mlと、ナフィ
オン樹脂ペレット(NAFION、商品名;デュポン社製、径
1mm、長さ3〜5mm)30gとを1のオートクレーブに仕
込み、攪拌しながら系内の温度を180℃にした後エチレ
ンを仕込んで圧力を20kg/cm2に保ったまま12時間反応さ
せた。反応終了後、触媒を濾別してガスクロマトグラフ
ィーで分析した。反応混合物の組成を下表に示す。
イソブチルベンゼン 52.9重量% イソブチルエチルベンゼン 20.7 o− 7.9 m− 5.9 p− 6.9 イソブチルジエチルベンゼン 11.4 その他 15.0 この結果イソブチルベンゼンの転化率47.0重量%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率12.2重量%、イソ
ブチルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=38:29:3
3であった。
実施例No.23B 前記実施例No.15と同様に、前記表12の混合物500gとナ
フィオン樹脂ペレット(NAFION、商品名;デュポン社
製、径1mm、長さ3〜5mm)30gを1オートクレーブに
入れ、攪拌下180℃で24時間反応させ、反応混合物から
触媒を濾別して有機相をガスクロマトグラフィーで分析
した結果を下表に示す。
イソブチルベンゼン 77.4重量% イソブチルエチルベンゼン 15.4 o− 2.0 m− 7.6 p− 5.8 イソブチルジエチルベンゼン 2.6 その他 4.6 この不均化反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、
実施例No.14と同様にして蒸留したところp−イソブチ
ルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が20g(回
収率69.0%)であった。
実施例No.23C 前記表12の混合物500gとナフィオン樹脂ペレット(NAFI
ON、商品名;デュポン社製、径1mm、長さ3〜5mm)30g
を、内容量1のオートクレーブに入れ、攪拌下エチレ
ン圧20kg/cm2、180℃で12時間反応させ、反応混合物か
ら触媒を濾別して有機相をガスクロマトグラフィーで分
析した結果を下表に示した。この結果、イソブチルベン
ゼンの転化率43.5%、p−イソブチルエチルベンゼンへ
の選択率21.8%であった。
イソブチルベンゼン 46.2重量% イソブチルエチルベンゼン 34.3 o− 11.7 m− 12.0 p− 10.6 イソブチルジエチルベンゼン 10.3 その他 9.2 この反応混合物を1の三つ口フラスコに入れ、実施例
No.14と同様にして蒸留したところ、p−イソブチルエ
チルベンゼンの純度97重量%以上の留分が40g(回収率7
5.5%)であった。
p−イソブチルスチレンの製造 [工程(II)] 実施例No.24 カリウムおよびクロムを助触媒とする酸化鉄系の脱水素
触媒(日産ガードラー(株)製、G−64A)を粒径1mm〜
2mmに調整し、内径12mm、長さ1mのステンレス管に20ml
充填した。
p−イソブチルエチルベンゼン(以下、PBEと称するこ
とがある)を10ml/hr、および水90ml/hrを、予熱管を経
て、温度550℃で触媒層に通し脱水素させた(触媒との
接触時間0.2秒、p−イソブチルエチルベンゼンに対す
るスチームのモル比93)。脱水素物は冷却し、ガスおよ
び水を分離したのち、有機相についてガスクロマトグラ
フィーによりp−イソブチルエチルベンゼンの転化率お
よびp−イソブチルスチレン(以下、PBSと称すること
がある)の選択率を確認した。
脱水素物の有機相は、主としてPBE、PBS、4−(2′−
メチル−1′−プロペニル)エチルベンゼン(以下、1
−MPEと称することがある)、4−(2′−メチル−
2′−プロペニル)エチルベンゼン(以下、2−MPEと
称することがある)、4−(2′−メチル−1′−プロ
ペニル)ビニルベンゼン(以下、1−MPVと称すること
がある)、4−(2′−メチル−2′−プロペニル)ビ
ニルベンゼン(以下、2−MPVと称することがある)か
ら成り、その組成は、表21のようであった。
これから、PBEの転化率は31%、PBSの選択率は83%であ
ることがわかり、高い選択率でPBSに脱水素されている
ことが確認できた。
脱水素物の各成分を分離し、Mass、IR、NMRで確認した
ところ、p−イソブチルエチルベンゼンについては原料
に用いたものと全く同一であり、sec−ブチルベンゼン
やtert−ブチルベンゼンの生成は認められず、イソブチ
ル基の異性化等の副反応は生じていないことを確認でき
た。またPBSについても、ブチル基はイソブチル基であ
り、その置換位置はp−位であった。
実施例No.25〜28 実施例No.24に準じて、反応温度を変えて脱水素反応を
行った。得られた結果を実施例No.24の結果と一緒に表2
2に示した。
実施例No.29〜33 実施例No.24に準じて、接触時間を変えて脱水素反応を
行った。得られた結果を表23に示した。
実施例No.34〜38 CuO 43重量%、Cr2O3 42重量%、SiO2 15重量%からな
る銅−クロム系の脱水素触媒を使用して、実施例No.24
に準じて、反応温度を変えて脱水素反応を行った。得ら
れた結果を表24に示した。
実施例No.39〜43 Cr2O3 18重量%、CuO 39重量%、ZnO 38重量%からなる
銅−クロム系脱水素触媒を使用して、実施例No.24に準
じて脱水素反応を行った。得られた結果を表25に示し
た。
実施例No.43A 前記実施例No.24に準じて、脱水素金属触媒の金属を替
えて、下表の金属触媒によりPBEの脱水素を行った。金
属はいずれも酸化物とし、シリカに担持させたものを用
いた。結果は下表に示す。
金属 転化率(%) 選択率(%) Ag 31 62 Cd 12 64 Cr 22 61 Zn 13 52 Mo 16 53 W 11 59 Mn 11 61 Tc 12 60 Re 20 57 Ru 17 68 Os 12 70 Co 21 59 Rh 32 48 Ir 25 51 Ni 48 41 Pd 46 43 Pt 44 40 α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒド
の製造[工程(III)] 実施例No.44 実施例No.24で得られた脱水素物の有機相を蒸留により
精製して得られた純度97.8重量%のp−イソブチルスチ
レン30g、ロジウムヒドリドカルボニルトリストリフェ
ニルホスフィン0.3gを内容積100mlの攪拌器付きオート
クレーブに入れ、攪拌しながら60℃に昇温し、水素と一
酸化炭素との等モル混合ガスにより50kg/cm2まで加圧し
た後、反応によって混合ガスの吸収が無くなるまで反応
を続けた。
反応終了後室温まで冷却し、反応混合物をガスクロマト
グラフィーで分析した結果、p−イソブチルスチレンの
転化率99.9%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オンアルデヒドへの選択率88.7%を得た。
実施例No.45 ロジウムヒドリドカルボニルトリストリフェニルホスフ
ィンの代わりに、酸化ロジウム0.1gとトリフェニルホス
フィン0.6gとを用いて、実施例No.44と同様にして実施
した。その結果、p−イソブチルスチレンの転化率99.9
%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデ
ヒドへの選択率82.2%を得た。
実施例No.46 実施例No.24で得られた脱水素物の有機相121.5g、ロジ
ウムヒドリドカルボニルトリストリフェニルホスフィン
0.3gを内容積100mlの攪拌器付きオートクレーブに入
れ、実施例No.44と同様にして実施した。
その結果、p−イソブチルスチレンの転化率99.8%、α
−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドへ
の選択率87.8%、4−(2′−メチル−1′−プロペニ
ル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフォル
ミル化率0%、4−(2′−メチル−2′−プロペニ
ル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフォル
ミル化率0.4%、4−(2′−メチル−1′−プロペニ
ル)ビニルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフォル
ミル化率0%、および4−(2′−メチル−2′−プロ
ペニル)ビニルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフ
ォルミル化率0.1%を得た。
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒド
の酸化によるα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸の製造 実施例No.47 実施例No.46の反応混合物を減圧で蒸留して得られた沸
点範囲70〜76℃/3mmHgのα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオンアルデヒド10gを内容量100mlの攪拌器付
きフラスコに入れ、濃塩酸0.4gおよび溶媒としてアセト
ン16mlを添加し、−15℃まで冷却した。次に温度を−12
〜−16℃に保ちながら10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液
36gを徐々に滴下した。滴下終了後さらに1時間攪拌反
応させた。反応終了後5%水酸化ナトリウム水溶液を加
え中和し、pH8.5に調製した。混合物を静置分離させ、
下層の水相をノルマルヘキサンで洗浄した。次に、水相
に5%塩酸を加えてpHを2に調整し、分離した油分をノ
ルマルヘキサンで抽出し水洗した。ノルマルヘキサンを
減圧で蒸発分離し、淡黄色の粗α−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオン酸結晶9.3gを得た。
粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸をノル
マルヘキサン溶媒で再結晶させ白色の精製α−(4−イ
ソブチルフェニル)プロピオン酸(融点75−76℃)結晶
7.5gを得た。このもののスペクトルなどは標品と一致し
た。
比較例No.1 純度99.8重量%のエチルベンゼン500mlを実施例No.1と
同様にしてエチレンと反応させた。反応終了後、反応混
合物をガスクロマトグラフィーで分析した。反応混合物
の組成を表26に示す。
この結果エチルベンゼンの転化率28.2重量%、ジエチル
ベンゼンの位置異性体はo:m:p=28:30:42であった。
比較例No.2 純度100重量%のイソプロピルベンゼン500mlを実施例N
o.1と同様にしてエチレンと反応させた。反応終了後、
反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した。反応
混合物の組成を表27に示す。
この結果イソプロピルベンゼンの転化率34.7重量%、イ
ソプロピルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=11:
51:38であった。
比較例No.3 純度99.8重量%のsec−ブチルベンゼン500mlを実施例N
o.1と同様にしてエチレンと反応させた。反応終了後、
反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した。反応
混合物の組成を表28に示す。
この結果sec−ブチルベンゼンの転化率26.8重量%、sec
−ブチルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p=12:4
9:39であった。
比較例No.4 実施例No.24に準じて、p−sec−ブチルエチルベンゼン
(純度97.5重量%)の脱水素反応を行った。結果は表29
の通りであった。
【図面の簡単な説明】
図は脱水素反応におけるPBEの転化率とPBSへの選択率の
関係を示す。図において実線は、酸化鉄系脱水素触媒を
用いる本発明の実施例No.24〜33におけるPBEの転化率と
PBSへの選択率をもって示した脱水素性能直線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の工程(I)〜(III) 工程(I):イソブチルベンゼンを、酸触媒の存在下に
    反応温度−10〜600℃、エチレン/イソブチルベンゼン
    の比0.005〜100(モル比)、反応圧力1Kg/cm2以上の条
    件でエチレンと反応させることによりp−イソブチルエ
    チルベンゼンを製造する工程、 工程(II):前記工程(I)で得られたp−イソブチル
    エチルベンゼンを気相で、反応温度300〜650℃、反応圧
    力50Kg/cm2以下、接触時間0.005〜20秒、p−イソブチ
    ルエチルベンゼンの転化率80重量%以下の条件で周期律
    表中第1B族、第2B族、第6A族、第7A族および第8族から
    選択された金属を含む脱水素金属触媒の存在下に脱水素
    させることによりp−イソブチルスチレンを製造する工
    程、 工程(III):前記工程(II)で得られたp−イソブチ
    ルスチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在
    下、反応温度40〜150℃、一酸化炭素と水素の混合圧力1
    0〜600kg/cm2の条件下、一酸化炭素および水素と反応さ
    せることによりα−(4−イソブチルフエニル)プロピ
    オンアルデヒドを製造する工程 から成ることを特徴とするα−(4−イソブチルフエニ
    ル)プロピオンアルデヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】次の工程(I)〜(IV) 工程(I):イソブチルベンゼンを、酸触媒の存在下に
    反応温度−10〜600℃、エチレン/イソブチルベンゼン
    の比0.005〜100(モル比)、反応圧力1Kg/cm2以上の条
    件でエチレンと反応させることによりp−イソブチルエ
    チルベンゼンを製造する工程、 工程(II):前記工程(I)で得られたp−イソブチル
    エチルベンゼンを気相で、反応温度300〜650℃、反応圧
    力50Kg/cm2以下、接触時間0.005〜20秒、p−イソブチ
    ルエチルベンゼンの転化率80重量%以下の条件で周期律
    表中第1B族、第2B族、第6A族、第7A族および第8族から
    選択された金属を含む脱水素金属触媒の存在下に脱水素
    させることによりp−イソブチルスチレンを製造する工
    程、 工程(III):前記工程(II)で得られたp−イソブチ
    ルスチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在
    下、反応温度40〜150℃、一酸化炭素と水素の混合圧力1
    0〜600kg/cm2の条件下、一酸化炭素および水素と反応さ
    せることによりα−(4−イソブチルフエニル)プロピ
    オンアルデヒドを製造する工程、 工程(IV):前記工程(III)において得られたα−
    (4−イソブチルフエニル)プロピオンアルデヒドを酸
    化することによりα−(4−イソブチルフエニル)プロ
    ピオン酸を製造する工程 から成ることを特徴とするα−(4−イソブチルフエニ
    ル)プロピオン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)の反応混合物から得られたo−イソブチルエチル
    ベンゼン、m−イソブチルエチルベンゼンまたはイソブ
    チルポリエチルベンゼンの少なくとも一部を、該工程
    (I)に循環させて成る請求項1あるいは請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)の反応混合物から得られたo−イソブチルエチル
    ベンゼン、m−イソブチルエチルベンゼンまたはイソブ
    チルポリエチルベンゼンの少なくとも一部を、酸触媒の
    存在下で、必要に応じてイソブチルエチルベンゼンを共
    存させて反応温度−10〜600℃の条件下、不均化反応さ
    せることによりp−イソブチルエチルベンゼンを製造
    し、得られたp−イソブチルエチルベンゼンを前記工程
    (II)の原料とする請求項1あるいは請求項2記載の方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)または前記請求項4において、得られたイソブチ
    ルエチルベンゼン位置異性体混合物からp−イソブチル
    エチルベンゼンを蒸留により高純度に分離精製するに際
    し、蒸留塔への供給流としてイソブチルエチルベンゼン
    位置異性体中にp−イソブチルエチルベンゼンを5重量
    %以上含む混合物を用いて理論段数20段以上の蒸留塔に
    より蒸留し、常圧換算沸点が213〜216℃の範囲にある成
    分を主とする留分としてp−イソブチルエチルベンゼン
    を分離、回収して成る請求項1あるいは請求項2または
    請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)または請求項4における酸触媒がシリカ−アルミ
    ナであり、反応温度が150〜600℃である請求項1あるい
    は請求項2または請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)または請求項4における酸触媒がトリフロロメタ
    ンスルホン酸であり、反応温度が−10〜200℃である請
    求項1あるいは請求項2または請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)および請求項4における酸触媒がフッ化水素であ
    り、反応温度が−10〜200℃である請求項1あるいは請
    求項2または請求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)または請求項4における酸触媒としてヘテロポリ
    酸を用い、反応温度が150〜600℃である請求項1あるい
    は請求項2または請求項4記載の方法。
  10. 【請求項10】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (I)または請求項4における酸触媒としてHX型ゼオラ
    イトまたはHY型ゼオライトまたは水素ホージャサイトを
    用い、反応温度100〜400℃で反応させる請求項1あるい
    は請求項2または請求項4記載の方法。
  11. 【請求項11】請求項1あるいは請求項2記載の工程
    (II)における脱水素金属触媒が鉄、銅、クロムから選
    択された少なくとも一種の金属を含有して成る請求項1
    記載あるいは請求2項記載の方法。
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