JPH0798759B2 - p−イソブチルスチレンの製造方法 - Google Patents

p−イソブチルスチレンの製造方法

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JPH0798759B2
JPH0798759B2 JP63156332A JP15633288A JPH0798759B2 JP H0798759 B2 JPH0798759 B2 JP H0798759B2 JP 63156332 A JP63156332 A JP 63156332A JP 15633288 A JP15633288 A JP 15633288A JP H0798759 B2 JPH0798759 B2 JP H0798759B2
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isobutylethylbenzene
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dehydrogenation
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泰男 松村
祐一 徳本
和道 内田
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、p−イソブチルエチルベンゼンからp−イソ
ブチルスチレンを製造する方法に関するものである。
p−イソブチルスチレンは、オキソ反応、あるいはレッ
ペ反応などによりカルボニル化することにより、有用な
医薬などを得ることができる、重要な有機中間体であ
る。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 例えば、従来p−イソブチルスチレンは、特公昭59-358
99号公報の中に開示されているように、p−イソブチル
アセトフェノンを水素添加したのち、脱水して製造され
ることが知られている。また、特開昭61-24527号公報の
中に開示されているように、イソブチルベンゼンとアセ
トアルデヒドとを硫酸触媒存在下で反応させて1,1−ビ
ス(p−イソブチルフェニル)エタンとし、この1,1−
ビス(p−イソブチルフェニル)エタンを酸触媒存在下
で接触分解してp−イソブチルスチレンを製造してい
る。しかしこれらは、工程数が多いとか、大量の触媒を
消費する上に、使用済みの廃触媒が強酸であるため、廃
棄が容易でないといった問題点があるため、p−イソブ
チルスチレンの製造コストがどうしても高くなってしま
う。
さらに、芳香族炭化水素の脱水素反応における従来技術
をみると、構造の異なるアルキル基を複数有し、かつど
のアルキル基も脱水素される可能性のあるようなポリア
ルキルベンゼンの、特定の1つの置換基のみを選択的に
脱水素するような技術は、今まで知られていない。例え
ば、特公昭62-6528号、特開昭56-135425号、特開昭58-1
89034号、特開昭59-120243号、特開昭61-158940号など
の公報に見られるようなメチルエチルベンゼンを脱水素
してメチルスチレンを製造する方法、あるいは特開昭56
-155648号、特開昭56-155649号、特開昭56-155650号、
特開昭56-155651号、特開昭56-155652号、特開昭60-115
534号などの公報に見られるようなターシャリーブチル
エチルベンゼンを脱水素してターシャリーブチルスチレ
ンを製造する方法、さらには特開昭62-29537号公報など
に見られるようなジエチルベンゼンを脱水素してエチル
スチレンまたはジビニルベンゼンを製造する方法などが
開示されている。しかし、メチルエチルベンゼンおよび
ターシャリーブチルエチルベンゼンは、脱水素される可
能性のあるエチル基をどちらも持っているが、もう一つ
の置換基はメチル基とターシャリーブチル基であり、共
に脱水素される可能性のないものである。従って、これ
らの化合物の脱水素反応における副反応はクラッキング
反応であり、脱水素反応そのものの選択性は問題となら
ない。また,ジエチルベンゼンを脱水素する場合は、脱
水素される可能性のあるアルキル基、すなわちエチル基
を二つ持っているが、どちらのエチル基が一つ脱水素さ
れても生成するのはエチルスチレンただ一つであり、二
つの置換基のどちらか一方を選択する必要はない上、目
的生成物はジエチルベンゼンであるので、前記エチルス
チレンの残りのエチル基をさらに脱水素すればよい。つ
まり二つのエチル基に区別がなく、特に問題ではないの
である。
本発明におけるp−イソブチルエチルベンゼン(以下、
PBEと称することがある)の選択的脱水素によるp−イ
ソブチルスチレン(以下、PBSと称することがある)の
製造技術は、これらの公知の従来技術と根本的に異な
る。具体的には、原料のp−イソブチルエチルベンゼン
核に結合している置換基はエチル基とイソブチル基であ
り、これらはどちらも脱水素されてそれぞれビニル基と
イソブテニル基などになる可能性を持っている。すなわ
ち、p−イソブチルエチルベンゼンのエチル基のみが脱
水素されるとp−イソブチルスチレンとなり、イソブチ
ル基のみが脱水素されると例えばp−イソブテニルエチ
ルベンゼン(以下、EDSと称することがある)などにな
る。また、エチル基とイソブチル基の両方が脱水素され
ると、例えばp−イソブテニルスチレン(以下、VDSと
称することがある)などとなる。このように、p−イソ
ブチルエチルベンゼンは脱水素され得る異なるアルキル
基を二つ持ち、しかもどちらが脱水素されるかによって
生成物が全く異なる。
さらに、報文Journal of Catalysis 34,167〜174(197
4)によると、クメンの脱水素の反応速度定数は,Bi2UO
6−酸化ウラン系触媒を用いた場合、エチルベンゼンの
脱水素反応速度定数の約2倍であると報じている。ま
た、報文Azerb.Khim.Zh.1968,(2),59-62(Russ)に
よると、イソプロピルエチルベンゼンを脱水素して同一
分子内のアルキル基の脱水素選択性を比較すると、イソ
プロピル基のみ脱水素されたイソプロペニルエチルベン
ゼンの生成量の、エチル基のみ脱水素されたイソプロピ
ルスチレンの生成量に対する比は2以上であり、選択率
を上げるために反応温度を下げると、この比は3以上に
なると報じている。これらの公知文献からわかること
は、分岐型のイソプロピル基と直鎖型のエチル基とで
は、約2〜3倍分岐型のイソプロピル基の方が脱水素さ
れ易いということである。また、本発明者らの検討によ
ると、酸化鉄系触媒の存在下にp−sec−ブチルエチル
ベンゼン(以下、SBEと称することがある)を脱水素し
た場合、反応温度550℃、SBEに対するスチームのモル比
93、SBEの触媒との接触時間0.2秒の条件で、SBEの転化
率が43.4重量%、p−sec−ブテニルエチルベンゼン:p
−sec−ブチルスチレンの比がおよそ2:1となり、sec−
ブチル基の方がエチル基の約2倍脱水素されやすく、反
応条件などを変化させても、この傾向が逆転するとはな
いことが確かめられた。この事実から、前述のイソプロ
ピルエチルベンゼンの文献と同様に、分岐型の炭素数4
のsec−ブチル基の方が、直鎖型のエチル基よりも脱水
素されやすいと考えられる。しかし、このような方法で
は本発明の目的を達成することはできない。
すなわち、本発明の目的生成物は、エチル基のみ脱水素
されたp−イソブチルスチレンである。そのため、p−
イソブチルスチレンの選択率の高いp−イソブチルエチ
ルベンゼンの脱水素方法、すなわち、p−イソブチルエ
チルベンゼンのもつエチル基とイソブチル基のうちエチ
ル基のみを選択的に脱水素する方法の開発が切に望まれ
ていた。
上記のような事情に鑑み、p−イソブチルスチレンを安
価で経済的に製造するために解決しなければならない問
題点をまとめると、以下のようになる。
(イ) 反応工程数が少なく、かつ単位操作が少なく容
易なこと。
(ロ) 安価な試薬または触媒を利用すること。
(ハ) 触媒の消費量は、できるだけ少なくすること。
(ニ) 原料のロスが少ないこと。
(ホ) 反応生成物から、高純度の目的生成物の分離が
容易なこと。
(ヘ) 反応生成物から、高純度の未反応原料の分離が
容易なこと。
本発明は、これらの事項を充足することを目的として為
されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、p−イソブチルエチルベンゼン(PBE)を、
酸化鉄系触媒の存在下、400〜700℃の範囲内の温度で、
触媒層との触媒時間を0.005〜20秒の範囲にとり、p−
イソブチルエチルベンゼンの転化率を70重量%以下にな
るように反応させることにより、エチル基を選択的に脱
水素することを特徴とするp−イソブチルスチレン(PB
S)の製造方法に関するものである。
本発明の方法を反応式で表すと、下記の通りである。
以下、本発明の技術を更に具体的に説明する。
本発明は、酸化鉄系触媒の存在下、p−イソブチルエチ
ルベンゼンのエチル基のみを選択的に脱水素してp−イ
ソブチルスチレンを製造する方法に関するものである。
本発明の出発原料であるp−イソブチルエチルベンゼン
は、公知の方法で得られるいずれのものも使用できる。
p−イソブチルエチルベンゼンの製造方法としては、例
えば、Beilstein EIV5(Sys.−Nr.470/H445)あるいはE
III5(Sys.−Nr.470/H5,446)などがある。また、特開
昭61-37743号公報の実施例で開示されているような1,1
−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンの接触分解反
応の副生成物としてのp−イソブチルエチルベンゼンな
ども、もちろん有効に使用しうる。
本発明における脱水素の触媒は、酸化鉄系触媒であり、
この酸化鉄成分の他に添加され得る成分としては、銅、
亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ルテニウム、クロム、バナジウム、ニ
オブ、モリブデン、チタン、ジルコニウム、カリウム、
アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、セリウム、
セシウム、ルビジウムなどの金属化合物があり、それら
を単独または混合して、適宜の量添加したものも本発明
においては有効に使用しうる。
一般に脱水素触媒は、長時間使用しているコーキング等
によりしだいに少しづつ活性が低下してくるので、その
場合は触媒を、例えば500℃程度の高温で、空気等でデ
コーキングすることにより、初期の活性を再現すること
ができる。
脱水素温度は、触媒の組成、接触時間、希釈モル比など
に応じて400〜700℃好ましくは450〜650℃の範囲内で選
択することができる。反応温度がこの範囲より高くなる
と、p−イソブチルスチレン生成反応との競争反応のみ
ならず、生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱水
素されたりあるいは分解されるといった副反応が急激に
多くなり、p−イソブチルスチレンの選択率が著しく低
下する。これはp−イソブチルエチルベンゼンの損失が
大きいだけでなく、生成物分布が非常に複雑になって蒸
留等によるp−イソブチルスチレンおよびp−イソブチ
ルエチルベンゼンなどの分離が困難になるので好ましく
ない。また、反応温度がこの範囲より低いと、p−イソ
ブチルスチレンの選択率は高いが反応速度が著しく低下
して経済性が悪くなるのでこれも好ましくない。
脱水素反応によって生成する水素ガスは還元性ガスであ
るため、触媒相中の水素濃度が高い状態を高温で続ける
と、触媒である酸化鉄がしだいに還元されて脱水素反応
に対する活性の低下を早めることがある。これを避ける
ためには、非還元性ガス、例えば窒素ガス、ヘリウムガ
ス、アルゴンガス、スチーム、酸素ガスなどを同伴させ
て水素ガス濃度を希釈により下げたり、あるいは酸化性
雰囲気を保ったりすることが有効である。ベンゼンなど
の脱水素されにくい溶媒で希釈することもできる。ま
た、脱水素の触媒活性を維持するために、反応層にスチ
ームを同伴して脱水素を行うのが一般的である。スチー
ムの量には特に制限はない。
反応形式は固定床、移動床、流動床のいずれを用いて
も、本発明の目的を達成できる。
反応圧力は、上記反応条件下で生成したp−イソブチル
スチレンが気化しうる範囲であれば特に制限はないが、
通常常圧ないし10kg/cm2以下が経済的である。。
本発明における原料p−イソブチルエチルベンゼンと触
媒の接触時間は、0.005〜20秒好ましくは0.01〜10秒の
範囲で適宜選択できる。接触時間がこれより短いと、反
応率が低くて好ましくない。また、接触時間がこれより
長いと、生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱水
素されるなどの副反応が大きくなり、p−イソブチルス
チレンの選択率が下がるので、これも好ましくない。反
応型式、反応ガス組成、触媒の組成、反応温度、あるい
は原料ガスの予熱温度等の種々の組合せの相違により、
上記範囲内で適宜変化せしめることができる。
以上、反応条件およびそれぞれの因子の反応に及ぼす影
響について述べてきたが、本発明の条件下では、これら
はすべてp−イソブチルエチルベンゼンの転化率とp−
イソブチルスチレンへの選択率の2つの因子で整理する
ことができることが本発明者らの研究から明らかになっ
た。
すなわち、前記反応条件下で得られるp−イソブチルエ
チルベンゼンの任意の転化率xに対して、p−イソブチ
ルスチレンへの選択率yは一次関数 y=ax+b (a、bは触媒固有の定数) の関係にある。図に、後述の実施例で得られたp−イソ
ブチルエチルベンゼンの転化率とp−イソブチルスチレ
ンの選択率の関係(以後、これを脱水素性能直線と呼
ぶ)の例を示す。例えば、前記反応条件内で、ある条件
を設定すれば、そのときの転化率に対応する脱水素性能
直線上の点は、実際に得られるp−イソブチルスチレン
の選択率を示している。
本発明の方法において、転化率を好ましくは70重量%以
下、さらに好ましくは50重量%以下に保つのが適当であ
る。転化率が70重量%を越えると、副生成物であるp−
イソブテニルエチルベンゼン、p−イソブテニルスチレ
ンのみならず、クラッキング生成物も多くなり好ましく
ない。転化率が70重量%以下の場合、転化率が低ければ
低いほど選択率は高くなるが、p−イソブチルスチレン
の生成率は前記転化率と選択率の積であるから、あまり
転化率を低くとるのも、後に続く蒸留などによる未反応
p−イソブチルエチルベンゼンの分離回収操作にかかる
負担が大きくなり好ましくない。経済的には5重量%以
上の転化率に保つのが適当であろう。上記転化率は、反
応温度、接触時間そのほかの反応条件を適宜に選択する
ことにより調節することが出来る。
本発明の方法で行われる脱水素反応は、p−イソブチル
スチレンの選択率が高く、これにより得られた脱水素反
応液は、p−イソブチルエチルベンゼンおよびp−イソ
ブチルスチレンの分離精製を困難にするような副生成物
をほとんど含有しないため、例えば蒸留特に単蒸留など
のような簡単な単位操作で、高純度のp−イソブチルス
チレンおよび未反応p−イソブチルエチルベンゼンを得
ることができる。この未反応p−イソブチルエチルベン
ゼンは、もちろん回収して再び脱水素の原料とすること
ができる。またさらに、副生成物であるp−イソブテニ
ルエチルベンゼンおよび/またはp−イソブテニルスチ
レンは、公知の方法で水素添加すれば、p−イソブチル
エチルベンゼンとして再び脱水素原料とすることもでき
る。
[発明の効果] 本発明の方法でp−イソブチルエチルベンゼンの転化率
を70重量%以下に保つ条件を選べば、選択率が60重量%
あるいはそれ以上という、p−イソブチルエチルベンゼ
ンのふたつのアルキル基の構造からは考えられないよう
な、驚くべき高選択率でp−イソブチルスチレンを製造
できる。従って前述したように、本発明の方法で得られ
た脱水素反応液を、例えば水層と分液、乾燥後、単蒸留
などといった二〜三の簡単な単位操作だけで、高純度の
p−イソブチルスチレンおよび未反応のp−イソブチル
エチルベンゼンが得られる。またこの未反応p−イソブ
チルエチルベンゼンは、回収して再び脱水素の原料とす
ることができ、副生成物であるp−イソブテニルエチル
ベンゼンおよび/またはp−イソブテニルスチレンは、
水素添加してp−イソブチルエチルベンゼンとして再び
脱水素原料とすることもできる。また、酸化鉄系触媒を
利用するので、イソブチル基の骨格異性化反応や、p−
イソブチルスチレンの重合反応が少ない。従って未反応
p−イソブチルエチルベンゼンを高収率で、および目的
生成物であるp−イソブチルスチレンを高選択率で得る
ことができる。このことは経済的観点、すなわち本発明
の方法を安価にかつ経済的なものとするために重要なこ
とである。このような経済上大変有利な効果を実現し得
たのは、脱水素される可能性のあるイソブチル基とエチ
ル基を同時に持っているp−イソブチルエチルベンゼン
の、エチル基のみを高い選択率で脱水素する技術を、確
立し得たからである。
また、本発明の方法で得られるp−イソブチルスチレン
は例えばカルボニル化反応などの原料として供すること
ができる。以上述べてきたように、本発明は、p−イソ
ブチルエチルベンゼンからわずか一工程でp−イソブチ
ルスチレンを製造するものであり、なおかつ安価な酸化
鉄系触媒をデコーキングなどの再生操作により繰り返し
使用することにより、効率良くp−イソブチルスチレン
を製造する方法を完成させたものであり、画期的な発明
ということができる。
以下、実施例により本発明を詳述する。
実施例No.1 カリウムおよびクロムを助触媒とする酸化鉄系の脱水素
触媒(日産ガードラー(株)製、G−64A)を粒径1mm〜
2mmに調整し、内径12mm、長さ1mのステンレス管に20ml
充填した。
純度99%のp−イソブチルエチルベンゼンを10ml/hr、
および水90ml/hrを、予熱管を経て、温度550℃で触媒層
に通し脱水素させた(触媒との接触時間0.2秒、p−イ
ソブチルエチルベンゼンに対するスチームのモル比9
3)。脱水素物は冷却し、気液を分離したのち、有機相
についてGLC分析によりp−イソブチルエチルベンゼン
の転化率およびp−イソブチルスチレンの選択率を確認
した。
脱水素物の有機相の組成は、次のようであった。
PBE 69.3 wt% PBS 24.7 wt% EDS 2.2 wt% VDS 3.0 wt% 不明分 0.8 wt% これから、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率は31
%、p−イソブチルスチレンの選択率は83%であること
がわかり、高い選択率で脱水素されていることが確認で
きた。
脱水素物の各成分を分離し、Mass、IR、NMRで確認した
ところ、p−イソブチルエチルベンゼンについては原料
に用いたものと全く同一であり、sec−ブチルベンゼ
ン、tret−ブチルベンゼンなどの生成が認められず、イ
ソブチル基の異性化等の副反応は生じていないことを確
認できた。またp−イソブチルスチレンについても、ブ
チル基はイソブチル基であり、その置換位置はp−位で
あった。
実施例No.2〜5 実施例No.1に準じて、反応温度を変えて脱水素反応を行
った。得られた結果を実施例No.1と一緒に表1に示し
た。
実施例No.6〜10 実施例No.1に準じて、接触時間を変えて脱水素反応を行
った。得られた結果を表2に示した。
実施例No.11〜13 実施例No.1に準じて、スチームのモル比を変えて脱水素
反応を行った。得られた結果を表3に示した。
実施例No.14 実施例No.1に準じて、窒素ガスとスチームを希釈剤とし
て脱水素反応を行った。結果は表4の通りであった。
表4 反応温度(℃) 550 接触時間(秒) 0.20 スチームモル比 48 N2モル比 48 PBE転化率(%) 42 PBS選択率(%) 78 実施例No.15 実施例No.1に準じて、窒素ガスのみを希釈剤として脱水
素反応を行った。得られた結果は表5の通りであった。
表5 反応温度(℃) 550 接触時間(秒) 0.21 スチームモル比 0 N2モル比 96 PBE転化率(%) 18 PBS選択率(%) 90 比較例No.1〜5 CuO43重量%、Cr2O3 42重量%、SiO2 15重量%からなる
銅−クロム系の脱水素触媒を使用して、実施例No.1に準
じて、反応温度を変えて脱水素反応を行った。得られた
結果を表6に示した。
比較例No.6〜10 Cr2O3 18重量%、CuO39重量%、ZnO38重量%からなる銅
−クロム系脱水素触媒を使用して、実施例No.1に準じて
脱水素反応を行った。得られた結果を表7に示した。
比較例No.11〜15 Cr2O3 12重量%、MgO3重量%、Al2O3 85重量%からなる
脱水素触媒を使用して、実施例No.1に準じて脱水素反応
を行った。得られた結果を表8に示した。
比較例No.16 実施例No.1に準じて、SBE(純度97.5重量%)の脱水素
反応を行った。結果は表9の通りであった。
表9 反応温度(℃) 550 接触時間(秒) 0.20 スチームモル比 93 SBE転化率(%) 43.4 反応物の組成 SBE 55.4 wt% p−sec−ブチルスチレン 6.5 wt% p−sec−ブテニルエチルベンゼン 13.3 wt% p−sec−ブテニルスチレン 14.6 wt% 不明分 10.2 wt%
【図面の簡単な説明】
図は、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率とp−イ
ソブチルスチレンの選択率の関係を示す。図において実
線は本発明の実施例No.1〜15を示し、破線は同じく本発
明の比較例No.11〜15を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】p−イソブチルエチルベンゼンを高温気相
    で脱水素してp−イソブチルスチレンを製造するに際
    し、触媒層温度が400〜700℃、p−イソブチルエチルベ
    ンゼンの触媒との接触時間が0.005〜20秒の範囲でp−
    イソブチルエチルベンゼンを含有する供給流を気相で酸
    化鉄系触媒と接触させ、該p−イソブチルエチルベンゼ
    ンの転化率を70重量%以下に保ちながら脱水素し、得ら
    れたp−イソブチルスチレンを蒸留により回収すること
    を特徴とするp−イソブチルスチレンの選択的な製造方
    法。
  2. 【請求項2】触媒層温度が、450-650℃、p−イソブチ
    ルエチルベンゼンの触媒との接触時間が0.01〜10秒の範
    囲である請求項1記載のp−イソブチルスチレンの選択
    的な製造方法。
JP63156332A 1988-06-24 1988-06-24 p−イソブチルスチレンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0798759B2 (ja)

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JP63156332A JPH0798759B2 (ja) 1988-06-24 1988-06-24 p−イソブチルスチレンの製造方法
US07/368,049 US5097061A (en) 1988-06-24 1989-06-19 Method for preparing α-(4-isobutylphenyl)propionic acid or its precursor
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