JPH089568B2 - α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルの製造方法 - Google Patents

α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルの製造方法

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JPH089568B2
JPH089568B2 JP63156337A JP15633788A JPH089568B2 JP H089568 B2 JPH089568 B2 JP H089568B2 JP 63156337 A JP63156337 A JP 63156337A JP 15633788 A JP15633788 A JP 15633788A JP H089568 B2 JPH089568 B2 JP H089568B2
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isobutylstyrene
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五十雄 清水
泰男 松村
祐一 徳本
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高純度のα−(4−イソブチルフェニル)
プロピオン酸またはそのアルキルエステルを経済的に、
かつ工業的規模で製造することを可能ならしめる方法に
関するものである。さらに詳しくは、p−イソブチルエ
チルベンゼンを気相で脱水素触媒の存在下に脱水素さ
せ、p−イソブチルスチレンを製造する工程、および得
られたp−イソブチルスチレンを、遷移金属錯体カルボ
ニル化触媒の存在下、一酸化炭素および水またはアルコ
ールと反応させることにより、α−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオン酸またはそのアルコールエステルを
製造する工程からなる、α−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルの経済的
な製造方法に関するものである。
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸は、英
国特許第971700号公報フランス特許第1549758号公報、
特公昭40-7178号公報および特公昭40-7491号公報に記載
されているように、解熱、鎮痛、消炎効果を持つ有用な
医薬品(商品名イブプロフェン)となる化合物である。
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸アルキ
ルエステルは、酸またはアルカリにより加水分解して、
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸が得られ
る。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸または
そのアルキルエステルは、従来より極めて多くの化合物
を出発物質として、種々の方法により合成されている。
しかしながら、α−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸またはそのアルキルエステルを安価で経済的
に、かつ高純度に合成するためには、 (イ) 単純な化合物を出発原料とすること、 (ロ) 各工程における中間体もできる限り単純で安定
な化合物が使える反応を利用すること、 (ハ) 高価な試薬を利用せず安価な試薬または触媒を
利用すること、 (ニ) 工程数はできる限り少ないこと、および (ホ) イソブチル基は異性化を起こしやすいので、各
工程の反応の際に、異性化などを起こさない反応を利用
すること、 などが要求される。
しかるに、例えば、α−(4−イソブチルフェニル)
プロピオン酸またはそのアルキルエステルの合成方法と
して提案されている特公昭50-40541号公報、特開昭51-1
0042号公報および特開昭52-65243号公報などでは、いず
れも出発物質それ自体として、複雑で高価なものを利用
しているか、またはグリニャール試薬のような不安定で
取扱いの困難な試薬を用いているので、安価な経済的な
方法とは言い難い。
さらに、フランス特許第1549758号公報、特公昭47-24
550号公報、特開昭49-95938号公報、特開昭52-57338号
公報、特開昭52-97930号公報、特開昭52-131553号公
報、特開昭53-7643号公報、特開昭53-18535号公報およ
び特開昭56-154428号公報に記載された方法は、p−イ
ソブチルアセトフェノンを出発物質とする方法である。
しかし、p−イソブチルアセトフェノンは、後述の如
く安価な化合物とは言えない。これはイソブチルベンゼ
ンから合成するのが最も経済的であるが、イソブチルベ
ンゼンからp−イソブチルアセトフェノンに変換するこ
と自体経済的観点からは好ましいことではない。すなわ
ち、p−イソブチルアセトフェノンへ変換するために
は、高価でかつ不安定な原料である塩化アセチルを使用
せざるを得ず、しかも反応触媒として水分に対して非常
に敏感な無水塩化アルミニウムを、少なくとも塩化アセ
チルと同じモル数、すなわち大量に使用しなくてはなら
ない。例えば、この変換反応が化学量論的に100%の収
率であったと考えても、p−イソブチルアセトフェノン
を1トン製造するためには、700kgという大量の無水塩
化アルミニウムを使用する必要がある。また反応終了後
には、無水塩化アルミニウムを失活した結果生ずる水酸
化アルミニウムを410kgおよび塩化イオン750kgと、目的
とするp−イソブチルアセトフェノンの製造量を大幅に
上回る1160kgもの廃棄物を無害な形にまで処理する必要
がある。従って出発物質としてのp−イソブチルアセト
フェノン自体が高価であることはいうまでもない。さら
にp−イソブチルアセトフェノンからα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオンアルデヒドへの変換も、複雑
な中間生成物を経由するなど、工業的観点からは必ずし
も経済的な方法とは言い難い。
また、特開昭61-24537号公報によると、イソブチルベ
ンゼンとアセトアルデヒドとを硫酸触媒の存在下に縮合
反応させて1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタ
ンとし、これを酸触媒により接触分解してp−イソブチ
ルスチレンとし、このp−イソブチルスチレンと一酸化
炭素および水またはアルコールとをカルボニル化錯体触
媒の存在下に反応させてα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルを製造す
る方法を開示している。しかし上記公報に記載されてい
るように、硫酸を用いる方法では、1,1−ビス(p−イ
ソブチルフェニル)エタンを製造する工程で貴重な原料
であるイソブチルベンゼン自体のスルホン化反応を避け
ることはできず、その結果一部のイソブチルベンゼンは
スルホン化物として損失となるために経済的に好ましく
ない。また、この縮合反応は脱水反応であるため、硫酸
を一度使用した後は、生成した水のために触媒としての
硫酸の濃度が低下し、そのために使用済みの硫酸の濃度
を、例えば、装置の腐食などが懸念される高温蒸留など
により回復させなければ、触媒は再使用できない。その
上、硫酸相には多量のスルホン化物が溶解しており、単
なる蒸留では触媒濃度の回復は容易ではない。従って、
無水硫酸あるいは発煙硫酸などを加えることによって、
生成した水を化学反応で除去するなどの方法を用いざる
を得ないため、触媒コストも割高になる。
以上述べてきたように、α−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルの製造に
関する従来の技術はまだまだ経済的な方法であるとは言
えず、より経済的な製造方法の開発が望まれていた。
本発明は、p−イソブチルエチルベンゼンを気相で脱
水素触媒の存在下に脱水素させ、p−イソブチルスチレ
ンを製造する工程、および得られたp−イソブチルスチ
レンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在下、一酸
化炭素および水またはアルコールと反応させることによ
り、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸また
はそのアルキルエステルを製造する工程からなる、α−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸またはそのア
ルキルエステルの新規な、かつ経済的な製造方法に関す
るものである。
芳香族炭化水素の脱水素反応における従来技術をみる
と、構造の異なるアルキル基を複数もち、かつどのアル
キル基も脱水素される可能性のあるようなポリアルキル
ベンゼンの、特定の1つの置換基のみを選択的に脱水素
するような技術は、今まで知られていない。例えば、特
公昭62-6528号、特開昭56-135425号、特開昭58-189034
号、特開昭59-120243号、特開昭61-158940号などの公報
に見られるようなメチルエチルベンゼンを脱水素してメ
チルスチレンを製造する方法、あるいは特開昭56-15564
8号、特開昭56-155649号、特開昭56-155650号、特開昭5
6-155651号、特開昭56-155652号、特開昭60-115534号な
どの公報に見られるようなターシャリーブチルエチルベ
ンゼンを脱水素してターシャリーブチルスチレンを製造
する方法、さらには特開昭62-29537号公報などに見られ
るようなジエチルベンゼンを脱水素してエチルスチレン
またはジビニルベンゼンを製造うる方法などが開示され
ている。しかし、メチルエチルベンゼンおよびターシャ
リーブチルエチルベンゼンは、脱水素される可能性のあ
るエチル基をどちらも持っているが、もう一つの置換基
はメチル基とターシャリーブチル基であり、共に脱水素
される可能性のないものである。従って、これらの化合
物の脱水素反応における副反応はクラッキング反応であ
り、脱水素反応そのものの選択性は問題とならない。ま
た、ジエチルベンゼンを脱水素する場合は、脱水素され
る可能性のあるアルキル基、すなわちエチル基を二つ持
っているが、どちらのエチル基が一つ脱水素されても生
成するのはエチルスチレンただ一つであり、二つの置換
基のどちらか一方を選択する必要はない上、目的生成物
はジエチルベンゼンであるので、前記エチルスチレンの
残りのエチル基をさらに脱水素すればよい。つまり二つ
のエチル基に区別がなく、特に問題ではないのである。
本発明におけるp−イソブチルエチルベンゼンの選択
的脱水素によるp−イソブチルスチレンの製造技術は、
これらの公知の従来技術と根本的に異なる。具体的に
は、原料のp−イソブチルエチルベンゼンのベンゼン核
に結合している置換基はエチル基とイソブチル基であ
り、これらはどちらも脱水素されてそれぞれビニル基と
イソブテニル基などになる可能性を持っている。すなわ
ち、p−イソブチルエチルベンゼンのエチル基のみが脱
水素されるとp−イソブチルスチレンとなり、シソブチ
ル基のみが脱水素されるとp−イソブチルエチルベンゼ
ンなどになる。また、エチル基とイソブチル基の両方が
脱水素されると、p−イソブテニルスチレンなどとな
る。このように、p−イソブチルエチルベンゼンは脱水
素され得る異なるアルキル基を二つ持ち、しかもどちら
が脱水素されるかによって生成物が全く異なる。
さらに、報文Journal of Catalysis 34,167〜174(19
74)によると、クメンの脱水素の反応速度定数は、Bi2U
O6−酸化ウラン系触媒を用いた場合、エチルベンゼンの
脱水素反応速度定数の約2倍であると報じている。ま
た、報文Azerb.Knim.Zh.1968,(2),59-62(Russ)に
よると、イソプロピルエチルベンゼンを脱水素して同一
分子内のアルキル基の脱水素選択性を比較すると、イソ
プロピル基のみ脱水素されたイソプロペニルエチルベン
ゼンの生成量の、エチル基のみ脱水素されたイソプロピ
ルスチレンの生成量に対する比は2以上であり、選択率
を上げるために反応温度を下げると、この比は3以上に
なると報じている。これらの公知文献からわかること
は、分岐型のイソプロピル基と直鎖型のエチル基とで
は、約2〜3倍分岐型のイソプロピル基の方が脱水素さ
れ易いということである。また、本発明者らの検討によ
ると、酸化鉄系触媒の存在下にp−sec−ブチルエチル
ベンゼンを脱水素した場合、反応温度550℃、p−sec−
ブチルエチルベンゼンに対するスチームのモル比93、p
−sec−ブチルエチルベンゼンの触媒との接触時間0.2秒
の条件で、p−sec−ブチルエチルベンゼンの転化率が4
3.4重量%、p−sec−ブチルエチルベンゼン:p−sec−
ブチルスチレンの比がおよそ2:1となり、sec−ブチル基
の方がエチル基の約2倍脱水素されやすく、反応条件等
を変化させても、この傾向が逆転することはないことが
確かめられた。この事実から、前述のイソプロピルエチ
ルベンゼンの文献と同様に、分岐型の炭素数4のsec−
ブチル基の方が、直鎖型のエチル基よりも脱水素されや
すいと考えられる。しかし、このような方法では本発明
の目的を達成することはできない。
すなわち、本発明の脱水素の目的生成物は、エチル基
のみ脱水素されたp−イソブチルスチレンである。その
ため、p−イソブチルスチレンの選択率の高いp−イソ
ブチルエチルベンゼンの脱水素方法、すなわち、p−イ
ソブチルエチルベンゼンのもつエチル基とイソブチル基
のうちエチル基のみを選択的に脱水素する方法の開発が
切に望まれていた。
またさらに、p−イソブチルエチルベンゼンを脱水素
して得られる脱水素反応液中にはp−イソブチルエチル
ベンゼンおよびp−イソブテニルスチレンが副生成物と
して含有されており、これらはヒドロカルボキシル化あ
るいはヒドロエステル化に対して活性であり、脱水素反
応液をそのままヒドロカルボキシル化反応またはヒドロ
エステル化反応の原料とするには問題があった。そこ
で、これらの副生成物を含有する脱水素反応液をそのま
まヒドロカルボキシル化またはヒドロエステル化の反応
の原料として使用できる方法の開発も同時に望まれてい
た。
[課題を解決するための手段] 本発明は、下記の工程(I)および工程(II)からな
ることを特徴とするα−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオン酸またはそのアルキルエステルを工業的、経済
的に製造可能ならしめる方法を提供するものである。
工程(I):p−イソブチルエチルベンゼンを気相で酸
化金属脱水素触媒の存在下に脱水素させ、p−イソブチ
ルスチレンを製造する工程。
工程(II):前記工程(I)で得られたp−イソブチ
ルスチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在
下、一酸化炭素および水またはアルコールと反応させる
ことにより、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸またはそのアルキルエステルを製造する工程。
以下、本発明の技術をさらに具体的に説明する。
本発明の方法における工程(I)は、p−イソブチル
エチルベンゼンを脱水素することにより、p−イソブチ
ルスチレンを製造する工程である。さらに詳しくは、酸
化金属脱水素触媒の存在下、p−イソブチルエチルベン
ゼンのエチル基のみを選択的に脱水素してp−イソブチ
ルスチレンを製造する方法に関するものである。
脱水素触媒には、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウ
ム、白金、コバルト、ロジウム、イリジウム、ルテニウ
ム、クロム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、チタ
ン、ジルコニウム、カリウム、アルミニウム、カルシウ
ム、マグネシウム、セリウム、セシウム、ルビジウムな
どの金属化合物があり、これらを適宜組み合わせたもの
も有効に利用しうる。好ましい触媒は、鉄、銅、クロー
ムの少なくとも1種を含む触媒である。特に好ましい酸
化鉄系触媒、銅−クロム系触媒などはp−イソブチルス
チレンへの選択性が高く、本発明の目的には有効であ
る。一般に、脱水素触媒は長時間使用しているとコーキ
ング等によりしだいに少しづつ活性が低下してくるの
で、その場合は触媒を、例えば500℃程度の高温で、空
気等でデコーキングすることにより、初期の活性を再現
することができる。また、必要であれば、200〜500℃の
温度で水素の流れの中に置くことによる水素処理を行っ
てもよい。
脱水素温度は、触媒の組成、接触時間、希釈モル比な
どに応じて400〜700℃好ましくは450〜650℃の範囲内で
選択することができる。反応温度がこの範囲より高くな
ると、p−イソブチルスチレン生成反応との競争反応の
みならず、生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱
水素されたりあるいは分解されるといった副反応が急激
に多くなり、p−イソブチルスチレンの選択率が著しく
低下する。これはp−イソブチルエチルベンゼンの損失
が大きいだけでなく、生成物分布が非常に複雑になって
蒸留等によるp−イソブチルスチレンおよびp−イソブ
チルエチルベンゼンなどの分離が困難になるので好まし
くない。また、反応温度がこの範囲より低いと、p−イ
ソブチルスチレンの選択率は高いが反応速度が著しく低
下して経済性が悪くなるのでこれも好ましくない。
脱水素反応によて生成するオレフィンは重合性である
ため、反応層中でのオレフィン濃度が高い状態を高温で
続けると、せっかつ生成したp−イソブチルスチレンの
一部が重合して損失となる。これを避けるためには、非
還元性ガス、例えば窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴン
ガス、スチーム、酸素ガスなど同伴させてオレフイン濃
度を希釈により下げることが有効である。ベンゼンなど
の脱水素されにくい溶媒で希釈することもできる。ま
た、脱水素の触媒活性を維持するあめに、反応層にスチ
ームを同伴して脱水素を行うのもよい。スチームの量に
は、特に制限はない。
脱水素工程(I)における反応形式は固定床、移動
床、流動床のいずれも用いても、本発明の目的を達成で
きる。
反応圧力は、上記反応条件下で生成したp−イソブチ
ルスチレンが気化しうる範囲であれば特に制限はない
が、通常常圧ないし10kg/cm2以下が経済的である。
本発明の脱水素工程(I)における原料p−イソブチ
ルエチルベンゼンと触媒の接触時間は、0.005〜20秒、
好ましくは0.01〜10秒の範囲で適宜選択できるが、更に
好ましくは0.05〜5秒の範囲で選択するのが適当であ
る。接触時間がこれより短いと、反応率が低くて好まし
くない。また、接触時間がこれより長いと、生成したp
−イソブチルスチレンがさらに脱水素されるなどの副反
応が大きくなり、p−イソブチルスチレンの選択率が下
がるので、これも好ましくない。反応形式、反応ガス組
成、触媒の組成、反応温度、あるいは原料ガスの予熱温
度等の種々の組合せの相違により、上記範囲内で適宜変
化せしめることができる。
さらに当然ながら、上記各工程を連続して行うことも
でき、また各工程をバッチ式で行うこともできる。いず
れにせよ本発明では、p−イソブチルエチルベンゼンを
脱水素して目的物のp−イソブチルスチレンに効率良く
転化せしめることが肝要である。
以上、反応条件およびそれぞれの因子の反応に及ぼす
影響について述べてきたが、本発明の条件でp−イソブ
チルエチルベンゼンの脱水素を行うと、反応条件および
それぞれの因子の反応に与える影響については、p−イ
ソブチルエチルベンゼンの転化率とp−イソブチルスチ
レンの選択率との関係でまとめることができることが本
発明者等の研究から明らかになった。すなわち、前記反
応条件下で得られるp−イソブチルエチルベンゼンの任
意の転化率xに対して、p−イソブチルスチレンへの選
択率yは一次関数 y=ax+b (a、bは触媒固有の定数) の関係にある。図1に、後述の実施例で得られたp−イ
ソブチルエチルベンゼンの転化率とp−イソブチルスチ
レンの選択率の関係(以後、脱水素性能直線と呼ぶ)の
例を示す。例えば、前記反応条件内で、ある条件を設定
すれば、そのときの転化率に対応する脱水素性能直線上
の点は、実際に得られるp−イソブチルスチレンの選択
率を示している。従って、使用する脱水素触媒の性能直
線に応じて、望みの選択率に対応するp−イソブチルエ
チルベンゼンの転化率を与えるような反応条件を選べば
良い。例えば、銅−クロム系触媒の場合、本発明におい
ては、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率を好まし
くは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下に保
つのが適当である。また、酸化鉄系触媒の場合、本発明
においては、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率を
好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは50重量%以
下に保つのが適当である。転化率がこれらの範囲を越え
ると、副生成物であるp−イソブテニルエチルベンゼ
ン、p−イソブテニルスチレンのみならず、クラッキン
グ生成物も急激に多くなり好ましくない。転化率がこれ
らの範囲内の場合、転化率が低ければ低いほど選択率は
高くなるが、p−イソブチルスチレンの生成率は前記転
化率と選択率の積であるから、あまり転化率を低くとる
のも、後に続く蒸留などによる未反応p−イソブチルエ
チルベンゼンの分離回収操作にかかる負担が大きくなり
好ましくない。経済的には5重量%以上の転化率に保つ
のが適当であろう。
本発明の工程(II)では、工程(I)の方法で得られ
るp−イソブチルスチレンを、ヒドロカルボキシル化ま
たはヒドロエステル化によりp−イソブチルスチレンを
貴金属錯体触媒を用いてα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルへ変換す
る。
上記のヒドロカルボキシル化またはヒドロエステル化
に使用される貴金属錯体触媒としては、パラジウム、ロ
ジウム、イリジウム等の貴金属錯体であり、特にパラジ
ウムの錯体である。これらの貴金属は、ハロゲン原子、
三価のリン化合物あるいはカルボニル錯化合物などとし
て一酸化炭素を配位子として含有するものが用いられ
る。貴金属、例えばパラジウムは、0〜2価のものが使
用される。
触媒の具体例としては、ビストリフェニルホスフィン
ジクロロパラジウム、ビストリブチルホスフィンジクロ
ロパラジウム、ビストリシクロヘキシルホスフィンジク
ロロパラジウム、π−アリルトリフェニルホスフィンジ
クロロパラジウム、トリフェニルホスフィンピペリジン
ジクロロパラジウム、ビスベンゾニトリルジクロロパラ
ジウム、ビスシクロヘキシルオキシムジクロロパラジウ
ム、1,5,9−シクロドデカトリエン−ジクロロパラジウ
ム、ビストリフェニルホスフィンジカルボニルパラジウ
ム、ビストリフェニルホスフィンパラジウムアセテー
ト、ビストリフェニルホスフィンパラジウム、ジナイト
レート、ビストリフェニルホスフィンパラジウムスルフ
ェート、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
などが挙げられる。
触媒は、錯体として反応系に供給して使用することも
でき、また、配位子となる化合物を個別に反応系に供給
し、反応系内において錯体を生成させて使用することも
できる。
その触媒量は、p−イソブチルスチレン1モルに対し
て0.0001〜0.5モル、好ましくは0.001〜0.1モルであ
る。また、配位子となり得る化合物の添加量はパラジウ
ム、ロジウム、イリジウムなどの錯体の核となり得る貴
金属1モルに対して0.8〜10モル、好ましくは1〜4モ
ルである。
ヒドロカルボキシル化反応またはヒドロエステル化反
応は、反応温度は40〜150℃、好ましくは70〜120℃で行
う。一酸化炭素圧は30〜700kg/cm2、好ましくは90〜500
kg/cm2の圧力で行う。また、反応を促進する目的で塩化
水素、三フッ化ホウ素などの酸を添加しても良い。
ヒドロカルボキシル化反応において、p−イソブチル
スチレンを一酸化炭素および水の存在下で反応させると
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸であるカ
ルボン酸が得られる。またヒドロエステル化反応におい
て、p−イソブチルスチレンを任意のアルキル基を有す
る低級アルコールの存在下で反応させた場合、α−(4
−イソブチルフェニル)プロピオン酸の低級アルコール
エスエルが得られ、例えばメチルアルコールではα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸メチルエステ
ルが得られる。
アルコールはメチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコールおよびイソブチルアルコールなどの炭
素数1〜4の低級アルコールであるが、好ましくはメチ
ルアルコールである。
ヒドロカルボキシル化反応またはヒドロエステル化反
応の終了後、反応物は好ましくは減圧下で蒸留分離すれ
ば、容易に目的化合物であるα−(4−イソブチルフェ
ニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルと触媒
とに分離することができる。回収された錯体触媒は再度
使用することができる。
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸のアル
キルエステルが得られるときは、常法によりこれを加水
分解することによりα−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオン酸が得られる。
本発明の工程(I)の方法で得られる脱水素反応液
は、蒸留などによりp−イソブチルスチレンを分離し
て、あるいは反応液をそのまま、工程(II)の原料とし
て供することができる。特に、工程(II)の原料として
工程(I)の反応液をそのまま用いる場合、反応液中に
含まれる不純物であるp−イソブテニルエチルベンゼン
およびp−イソブテニルスチレンなどは、ヒドロカルボ
キシル化あるいはヒドロエステル化の反応に対して活性
であるが、本発明の方法によれば、これらの不純物のイ
ソブテニル基に対する活性がエテニル基に比べて驚くほ
ど抑制されることがわかった。すなわち、p−イソブテ
ニルエチルベンゼンは上記反応条件下ではほとんど反応
せず、p−イソブテニルスチレンについては、そのエテ
ニル基のみヒドロカルボキシル化またはヒドロエステル
化され、イソブテニル基の方はほとんど変化されない。
従ってこの場合、工程(II)の後、反応液を水素添加し
て蒸留などにより精製すれば、上記不純物はそれぞれ工
程(I)の原料となるp−イソブチルエチルベンゼンお
よび目的生成物のα−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸またあそのアルキルエステルとして回収でき
る。このことは本発明の方法をさらに経済的な方法とす
る上で非常に重要なことである。
[発明の効果] 本発明の方法は、p−イソブチルエチルベンゼンのエ
チル基を選択的に脱水素してこれを効率よくp−イソブ
チルスチレンに転化せしめ、かつこのp−イソブチルス
チレンをヒドロカルボキシル化またはヒドロエステル化
することによって、工業的かつ経済的な実施を可能にし
たものである。
本発明の工程(I)の条件でp−イソブチルエチルベ
ンゼンの脱水素を行うと、高い選択率でp−イソブチル
スチレンを製造できる。従って前述したように、本発明
の方法で得られた脱水素反応液を、例えば水層と分液、
装後、蒸留などといった二〜三の簡単な単位操作だけ
で、高純度のp−イソブチルスチレンおよび未反応のp
−イソブチルエチルベンゼンが得られる。またこの未反
応p−イソブチルエチルベンゼンは、回収して再び脱水
素の原料とすることができ、副生成物であるp−イソブ
テニルエチルベンゼンおよび/またはp−イソブテニル
スチレンは、水素転化してp−イソブチルエチルベンゼ
ンとして再び脱水素原料とすることもできる。また、前
述のように工程(I)の反応液をそのまま工程(II)の
原料として用いることもできる。
本発明の方法では、イソブチル基の骨格異性化反応は
実質上起こっておらず、p−イソブチルスチレンの重合
反応も少ない。このことは経済的観点、すなわち本発明
の方法を安価にかつ経済的なものとするために重要なこ
とである。このような経済上大変有利な高価を実現し得
たのは、脱水素される可能性のあるイソブチル基とエチ
ル基を同時に持っているp−イソブチルエチルベンゼン
の、エチル基のみを高い選択率で脱水素し効率的にp−
イソブチルスチレンと成す技術を確立し、さらにこのp
−イソブチルスチレンを有効にα−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルに変
換する方法を確立し得たからである。
以下、実施例により本発明を詳述する。
[実施例] 以下の実施例に示すように、脱水素工程(I)および
カルボニル化工程(II)を行った。
実施例No.1: p−イソブチルエチルベンゼンの脱水素〔工程
(I)〕 カリウムおよびクロムを助触媒とする酸化鉄系の脱水
素触媒(日産ガードラー(株)製、G−64A)を粒径1mm
〜2mmに調整し、内径12mm、長さ1mのステンレス管に20m
l充填した。
p−イソブチルエチルベンゼン(以下、PBEと称する
ことがある)を10ml/hr、および水90ml/hrを、予熱管を
経て、温度550℃で触媒層に通し脱水素させた(触媒と
の接触時間0.2秒、p−イソブチルエチルベンゼンに対
するスチームのモル比93)。脱水素物は冷却し、気液を
分離したのち、有機相についてガスクロマトグラフィー
によりp−イソブチルエチルベンゼンの転化率およびp
−イソブチルスチレン(以下、PBSと称することがあ
る)の選択率を確認した。
脱水素物の有機相は、主としてp−イソブチルエチル
ベンゼン、p−イソブチルスチレン、p−イソブテニル
エチルベンゼン(以下、EDSと称することがある)、お
よびp−イソブテニルスチレン(以下、VDSと称するこ
とがある)から成り、その組成は、表1のようであっ
た。
表1 成分名 含有率(重量%) PBE 69.3wt% PBS 24.7wt% EDS 2.2wt% VDS 3.0wt% 不明分 0.8wt% これから、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率は
31%、p−イソブチルスチレンの選択率は83%であるこ
とがわかり、高い選択率でp−イソブチルスチレンに脱
水素されていることが確認できた。
脱水素物の各成分を分離し、Mass、IR、NMRで確認し
たところ、p−イソブチルエチルベンゼンについては原
料に用いたものと全く同一であり、sec−ブチルベンゼ
ンやtert−ブチルベンゼンの生成は認められず、イソブ
チル基の異性化等の副反応は生じていないことを確認で
きた。またp−イソブチルスチレンについては、ブチル
基はイソブチル基であり、その置換位置はp−位であっ
た。
実施例No.2〜4 実施例No.1に準じて、反応温度を変えて脱水素反応を
行った。得られた結果を実施例No.1の結果と一緒に表2
に示した。
実施例No.6〜10 実施例No.1に準じて、接触時間を変えて脱水素反応を
行った。得られた結果を表3に示した。
実施例No.11〜14 CuO43重量%、Cr20342重量%、SiO215重量%からなる
銅−クロム系の脱水素触媒を使用して、実施例No.1に準
じて、反応温度を変えて脱水素反応を行った。得られた
結果を表4に示した。
実施例No.16〜20 Cr20318重量%、CuO39重量%、ZnO38重量%からなる
銅−クロム系脱水素触媒を使用して、実施例No.1に準じ
て脱水素反応を行った。得られた結果を表5に示した。
実施例No.21:ヒドロカルボキシル化〔工程(II)〕 実施例No.1で得られた脱水素反応液を蒸留により精製
して得られた純度97.8重量%のp−イソブチルスチレン
50g、ビスジクロロトリフェニルホスフィンパラジウム
5.5g、10%塩酸水溶液80g、それに溶媒としてトルエン8
0mlを500mlオートクレーブに入れ、攪拌しながら常温で
一酸化炭素により100kg/cm2まで加圧した後、120℃に達
するまで昇温しなが昇圧し、300kg/cm2まで加圧した。
反応によって一酸化炭素の吸収が無くなった後、24時間
反応を続けた。
反応終了後冷却して反応液を回収し、分液ロートで油
層と水層を分離し、油層を8%苛性ソーダ水溶液50mlで
3回抽出した後、抽出水溶液を分液後の水層と混合し、
塩酸を加えてpH2にした。しかる後にクロロホルム500ml
で3回抽出し、抽出液を減圧にしてクロロホルムを留去
してα−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の淡
黄色の結晶52.3gを得た。p−イソブチルスチレンの転
化率100%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸への選択率89.0%を得た。
実施例No.22 実施例No.1で得られた脱水素反応液202.43g、ビスジ
クロロトリフェニルホスフィンパラジウム5.5g、10%塩
酸水溶液80gを500mlオートクレーブに入れ、攪拌しなが
ら常温で一酸化炭素により100kg/cm2まで加圧した後、1
20℃に達するまで昇温しながら昇圧し、300kg/cm2まで
加圧した。反応によって一酸化炭素の吸収が無くなった
後、24時間反応を続けた。
反応終了後冷却して反応液を回収し、分液ロートで油
層と水層を分離し、油層を8%苛性ソーダ水溶液50mlで
3回抽出した後、抽出水溶液を分液後の水層と混合し、
塩酸を加えてpH2にした。しかる後にクロロホルム500ml
で3回抽出し、抽出液を減圧にしてクロロホルムを留去
してα−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の淡
黄色の結晶50.2gを得た。p−イソブチルスチレンの転
化率100%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸への選択率87.3%を得た。
実施例No.23:ヒドロエステル化〔工程(II)〕 実施例No.1で得られた脱水素反応液を蒸留により精製
して得られた純度97.8重量%のp−イソブチルスチレン
70.4g、メタノール25.5ml、それに溶媒としてトルエン4
0ml、触媒としてPdCl20.0756g、助触媒としてCuCl20.02
92g、さらに配位子のトリフェニルホスフィン0.2161gを
200mlオートクレーブに入れ、攪拌しながら90℃に昇温
したのち、一酸化炭素で70kg/cm2の圧力に保ち、8時間
反応させた。反応終了後冷却し、反応液をガスクロマト
グラフィーで分析した結果、p−イソブチルスチレンの
転化率99.6%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸メチルエステルへの選択率90.9%を得た。
実施例No.24 実施例No.1で得られた脱水素反応液285.0g、メタノー
ル25.5ml、触媒としてPdCl20.0756g、助触媒としてCuCl
20.0292g、さらに配位子のトリフェニルホスフィン0.21
61gを500mlオートクレーブに入れ、攪拌しなが90℃に昇
温したのち、一酸化炭素で70kg.cm2の圧力に保ち、8時
間反応させた。反応終了後冷却し、反応液をがすクロマ
トグラフィーで分析した結果、p−イソブチルスチレン
の転化率99.8%、α−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸メチルエステルへの選択率88.9%を得た。
実施例No.25:メチルエステルの加水分解によるイブプロ
フェンの製造 上記実施例23のα−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸メチルエステル30グラムと10%の苛性曹達水溶
液150ミリリットルとを攪はんしながら還流させ約3時
間加水分解を行った。冷却後混合物を静置分離させ下層
の水相をノルマルヘキサンで洗浄した。
水相に5%塩酸を加えPHを2に調製し、分離した油分
をノルマルヘキサンで抽出し水洗した。ノルマルヘキサ
ンを減圧で蒸発分離し、淡黄色の粗イブプロフェン結晶
23.9グラムを得た。
粗イブプロフェンをノルマルヘキサン溶媒で再結晶さ
せ白色の精製イブプロフェン(融点75-76℃)結晶を20.
7グラムを得た。このもののスペクトルなどは標品と一
致した。
比較例No.1 実施例No.1とに準じて、p−sec−ブチルエチルベン
ゼン(純度97.5重量%)の脱水素反応を行った。結果を
表6の通りであった。
表6 反応温度(℃) 550 接触時間(秒) 0.20 スチームモル比 93 p−sec−ブチルエチルベンゼン転化率(%) 43.4 反応物の組成 p−sec−ブチルエチルベンゼン 55.4wt% p−sec−ブチルスチレン 6.5wt% p−sec−ブテニルエチルベンゼン 13.3wt% p−sec−ブテニルスチレン 14.6wt% 不明分 10.2wt%
【図面の簡単な説明】
図は脱水素反応におけるp−イソブチルエチルベンゼン
の転化率とp−イソブチルスチレンの選択率の関係を示
す図である。図において、実線は本発明の実施例No.1〜
10を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/612 // B01J 23/86 X C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の工程(I)および工程(II)からなる
    ことを特徴とするα−(4−イソブチルフェニル)プロ
    ピオン酸またはそのアルキルエステルの製造方法。 工程(I);p−イソブチルエチルベンゼンを気相で酸化
    金属脱水素触媒の存在下に、温度400〜650℃で脱水素さ
    せ、p−イソブチルスチレンを製造する工程。 工程(II);前記工程(I)で得られたp−イソブチル
    スチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在下、
    一酸化炭素および水またはアルコールと反応させること
    により、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸
    またはそのアルキルエステルを製造する工程。
  2. 【請求項2】α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
    ン酸アルキルエステルを常法により加水分解してα−
    (4−イソブチルフェニル)プロピオン酸を製造する請
    求項1記載のα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
    ン酸またはそのアルキルエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記酸化金属脱水素触媒が鉄、銅、クロー
    ムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む酸化金属脱
    水素触媒である請求項1記載のα−(4−イソブチルフ
    ェニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルの製
    造方法。
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