JP2851276B2 - α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドの製造方法 - Google Patents

α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドの製造方法

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JP2851276B2
JP2851276B2 JP10012856A JP1285698A JP2851276B2 JP 2851276 B2 JP2851276 B2 JP 2851276B2 JP 10012856 A JP10012856 A JP 10012856A JP 1285698 A JP1285698 A JP 1285698A JP 2851276 B2 JP2851276 B2 JP 2851276B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオンアルデヒドを、工業的に経済
的かつ高純度で製造することを可能にする方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】α−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸は、英国特許第971700号公報、フランス特
許第1549758号公報に記載されているように、解
熱、鎮痛、消炎などの薬理効果を有する有用な医薬(商
品名;イブプロフェン)である。
【0003】一方、α−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオン酸アルキルは、公知の方法により酸またはアル
カリで加水分解すれば容易にα−(4−イソブチルフェ
ニル)プロピオン酸に変換できることが知られている。
また、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアル
デヒドは、これまた公知の方法で酸化すれば容易にα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸に変換できる
ことが知られている。したがって、これらはいずれもα
−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の前駆体と
いえるものである。
【0004】α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸またはその前駆体は、従来より極めて多くの化合物
を出発物質として、種々の方法により合成されている。
しかしながら、α−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸またはその前駆体を安価で経済的に、かつ高純度
に合成するためには、(イ)単純な化合物を出発原料と
すること、(ロ)各工程における中間体もできる限り単
純で安定な化合物が使える反応を利用すること、(ハ)
高価な試薬を利用せず安価な試薬または触媒を利用する
こと、(ニ)工程数はできる限り少ないこと、および
(ホ)イソブチル基は異性化を起こしやすいので、各工
程の反応の際にできるだけ異性化などを起こさない反応
を利用すること、などが要求される。
【0005】しかるに、例えば、α−(4−イソブチル
フェニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステルの
合成方法として提案されている特開昭50−40541
号公報、特開昭51−100042号および特開昭52
−65243号公報では、いずれも出発物質それ自体と
して高価なものを利用しているか、またはグリニヤール
試薬のような不安定で取扱いの困難な試薬を用いている
ので、安価な経済的な方法とは言い難い。
【0006】また、α−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオン酸の製法を開示している特開昭49−1335
1号公報および特開昭50−4040号公報は、いずれ
も高価な試薬を使用している。さらに、フランス特許第
1549758号公報、特公昭47−24550号公
報、特開昭49−95938号公報、特開昭52−57
338号公報、特開昭52−97930号公報、特開昭
52−131553号公報、特開昭53−7643号公
報、特開昭53−18535号公報および特開昭56−
154428号公報に記載された方法は、p−イソブチ
ルアセトフェノンを出発物質とする方法である。
【0007】しかし、p−イソブチルアセトフェノンの
製造は、高価でかつ不安定な原料や試薬を使用する上、
大量の酸性廃棄物を無害な状態まで処理しなければなら
ず、さらにこのp−イソブチルアセトフェノンからα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸への変換も、
複雑な中間生成物を経由するなど、工業的観点からは必
ずしも経済的な方法とは言い難い。
【0008】ところで、特開昭52−51338号公
報、特開昭52−6233号公報、特開昭52−979
30号公報、および特開昭59−10545号公報など
は、p−イソブチルスチレンからカルボニル化反応によ
りα−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸を製造
する方法を提案している。このp−イソブチルスチレン
を使用する方法は、p−イソブチルスチレンが単純で安
定な化合物であり、また、カルボニル化反応が高価な試
薬などを消費しないため、工業的に有用な方法である
が、これらの従来技術によるp−イソブチルスチレンの
製造方法では、複雑な反応経路をとるか、高価な試薬を
使用するなどのために、その利点が失われている。
【0009】また、特開昭61−24537号公報によ
ると、イソブチルベンゼンとアセトアルデヒドを硫酸触
媒の存在下に縮合反応させて1,1−ビス(p−イソブ
チルフェニル)エタンとし、これを酸触媒により接触分
解してp−イソブチルスチレンを製造している。しかし
上記公報に記載されているように、硫酸を用いる方法で
は、1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンを
製造する工程で貴重な原料であるイソブチルベンゼン自
体のスルホン化反応を避けることはできず、大きな損失
となる上、この縮合反応は脱水反応であるため、一度使
用した硫酸は、生成した水のために濃度が低下する。ま
た、多量のスルホン化物も溶解しているため、無水硫酸
あるいは発煙硫酸などを加えることによって、生成した
水を化学反応で除去するなどの方法を用いざるを得ない
ため、触媒コストも割高になる。
【0010】したがって、このp−イソブチルスチレン
を安価に製造する方法の開発が望まれている。本発明者
らは、p−イソブチルスチレンを安価に製造する直接的
な方法として、p−イソブチルエチルベンゼンの脱水素
を考えた。しかしながら、p−イソブチルエチルベンゼ
ンの脱水素反応に関する従来技術はなく、類似技術とし
ても、p−イソブチルエチルベンゼンのような、構造の
異なるアルキル基を複数もち、かつ、どのアルキル基も
脱水素される可能性のあるポリアルキルベンゼンの、特
定の1つの置換基のみを選択的に脱水素するような技術
は、今まで知られていない。
【0011】例えば、特公昭62−6528号公報に見
られるようなメチルエチルベンゼンを脱水素してメチル
スチレンを製造する方法、あるいは特開昭60−115
534号公報に見られるようなターシャリーブチルエチ
ルベンゼンを脱水素してターシャリーブチルスチレンを
製造する方法、さらには特開昭62−29537号公報
に見られるようなジエチルベンゼンを脱水素してエチル
スチレンまたはジビニルベンゼンを製造する方法などが
開示されている。しかし、メチルエチルベンゼンおよび
ターシャリーブチルエチルベンゼンは、脱水素される可
能性のあるエチル基をどちらも持っているが、もう一つ
の置換基はメチル基とターシャリーブチル基であり、共
に脱水素される可能性のないものであって、脱水素反応
そのものの選択性は問題とならない。また、ジエチルベ
ンゼンの場合は、脱水素される可能性のあるエチル基を
二つ持っているが、この二つのエチル基には区別がな
く、どちらか一方を選択する必要はない。
【0012】しかしながら、本発明におけるp−イソブ
チルエチルベンゼンの選択的脱水素によるp−イソブチ
ルスチレンの製造技術は、これらの公知の従来技術と根
本的に異なる。具体的には、原料のp−イソブチルエチ
ルベンゼンの芳香核に結合している置換基はエチル基と
イソブチル基であり、これらはどちらも脱水素されてそ
れぞれビニル基と2−メチル−1−プロペニル基または
2−メチル−2−プロペニル基(以下、これらを置換プ
ロペニル基と称することがある)などになる可能性を持
っている。すなわち、p−イソブチルエチルベンゼンの
エチル基のみが脱水素されるとp−イソブチルスチレン
となり、イソブチル基のみが脱水素されると4−(2’
−メチル−1’−プロペニル)エチルベンゼンまたは4
−(2’−メチル−2’−プロペニル)エチルベンゼン
などになる。また、エチル基とイソブチル基の両方が脱
水素されると、4−(2’−メチル−1’−プロペニ
ル)ビニルベンゼンまたは4−(2’−メチル−2’−
プロペニル)ビニルベンゼンなどとなる。このように、
p−イソブチルエチルベンゼンは脱水素され得る異なる
アルキル基を二つ持ち、しかもどちらが脱水素されるか
によって生成物が全く異なる。
【0013】報文 Journal of Catalysis 34,167
−174(1974)およびAzeb.Khim.Zh.1968,
(2),59−62(Russ)などの公知文献からわかるこ
とは、分岐型のイソプロピル基と直鎖型のエチル基とで
は、約2〜3倍分岐型のイソプロピル基の方が脱水素さ
れ易いということである。また、本発明者らの検討によ
ると、酸化鉄系触媒の存在下にp−sec−ブチルエチ
ルベンゼンを脱水素した場合、sec−ブチル基の方が
エチル基の約2倍脱水素され易いことが確かめられた。
この事実から、前述のイソプロピルエチルベンゼンの文
献と同様に、分岐型の炭素数4のsec−ブチル基の方
が、直鎖型のエチル基よりも脱水素されやすいと考えら
れる。しかし、このような方法では本発明の目的を達成
することはできない。
【0014】すなわち、p−イソブチルエチルベンゼン
の脱水素工程における目的生成物は、エチル基のみ脱水
素されたp−イソブチルスチレンである。そのため、p
−イソブチルスチレンへの選択率の高い脱水素方法、す
なわち、エチル基とイソブチル基のうちエチル基のみを
選択的に脱水素する方法の開発が切に望まれていた。
【0015】また、p−イソブチルエチルベンゼンの製
造方法に関しては、例えば Beilstein, EIV5(Sys.
Nr.470/H445)に記載されているように、1−(4−エチ
ルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オンを、ジエ
チレングリコールの溶媒下で水酸化カリウムとヒドラジ
ンにより還元して製造することが知られている。しかし
この方法では、原料の1−(4−エチルフェニル)−2
−メチルプロパン−1−オンが非常に高価である上、試
薬として用いる還元剤として取扱いの非常に危険なヒド
ラジンを使用しなければならないため、工業化する上で
好ましくない。また、特開昭61−37743号公報の
実施例で開示されているように1,1−ビス(p−イソ
ブチルフェニル)エタンの接触分解反応の副成物として
生成することが知られている。しかし、この方法ではp
−イソブチルエチルベンゼンは副生成物であるので、生
成量があまりにも少なく好ましくない。
【0016】以上のように、従来技術によるp−イソブ
チルエチルベンゼンの製造例は極めて少ない上に非経済
的である。したがって、このp−イソブチルエチルベン
ゼンを安価に製造する方法の開発が、切に望まれる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、解
熱、鎮痛、消炎などの薬理効果を有する有用な医薬(α
−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸、商品名;
イブプロフェン)などの原料としても使用可能なα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドを工
業的、経済的かつ高純度で製造する方法を提供すること
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の工程
(I)、工程(II)および工程(IIIa)からなる
ことを特徴とするα−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオンアルデヒドの製造方法である。
【0019】工程(I):イソブチルベンゼンを、酸触
媒の存在下に反応温度−10〜600℃の条件で下記式
(I)で表されるポリアルキルベンゼンと不均化反応さ
せて、p−イソブチルエチルベンゼンを製造する工程。
【0020】
【化2】
【0021】(ここで、R1 =(−CH3m または
(−C25m 、R2 =(−C25n ;ただし
m、nは、2≦m+n≦6を満たす1から5までの整
数)
【0022】工程(II):前記工程(I)で得られる
p−イソブチルエチルベンゼンを気相で、反応温度30
0〜650℃、反応圧力50kg/cm2 以下、接触時
間0.005〜20秒、p−イソブチルエチルベンゼン
の転化率80重量%以下の条件で周期律表中第1B族、
第2B族、第6A族、第7A族及び第8族から選ばれる
金属を含む脱水素金属触媒の存在下に脱水素させること
によりp−イソブチルスチレンを製造する工程。
【0023】工程(IIIa):前記工程(II)で得
られたp−イソブチルスチレンを、遷移金属錯体カルボ
ニル化触媒の存在下、反応温度40〜150℃、一酸化
炭素と水素の混合圧力10〜600kg/cm2 で一酸
化炭素および水素と反応させてα−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオンアルデヒドを製造する工程。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、各工程についてさらに詳し
く説明する。本発明における工程(I)は、イソブチル
ベンゼンを、酸触媒の存在下に、上記式(I)で表され
るポリアルキルベンゼンと不均化反応させて、p−イソ
ブチルエチルベンゼンを製造する工程である。
【0025】該行程(I)においては、ポリアルキルベ
ンゼンは、エチル基をベンゼン核に1個以上有している
必要がある。しかし、モノアルキルベンゼンであるエチ
ルベンゼンでは、エチル基の不均化活性が低く、本発明
の目的を達成するには不十分であり好ましくない。
【0026】すなわち、本発明の不均化反応に対して充
分な活性を発揮するためには、そのベンゼン核にエチル
基を1個以上有し、なおかつ、アルキル基として合計2
個以上有するポリアルキルベンゼンである必要があり、
このようなアルキル置換基の数が多いものほど不均化活
性が高いことが、本発明者らの検討により明らかになっ
た。
【0027】また、上記ポリアルキルベンゼンのアルキ
ル基は、エチル基を1個以上有していれば、他のアルキ
ル基はエチル基である必要はないこともわかった。一般
に、アルキルベンゼンの不均化反応において、置換され
るアルキル基は、そのベンジル位の炭素の級数が高いほ
ど活性が高く、また、本発明においては、エチル基以外
のアルキル基は動かない方が好ましい。したがって、こ
のエチル基(ベンジル位の炭素が2級)以外のアルキル
基としては、メチル基(ベンジル位の炭素が1級)であ
ることが必要である。このような観点から上記式で表わ
されるところのエチル基を複数有するかまたはエチル基
のほかにメチル基をも有するポリアルキルベンゼンを本
発明においては採用するものである。
【0028】上記式のポリアルキルベンゼンの具体例と
しては、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、テト
ラエチルベンゼン、ペンタエチルベンゼン、ヘキサエチ
ルベンゼン、エチルトルエン、ジエチルトルエン、トリ
エチルトルエン、テトラエチルトルエン、ペンタエチル
トルエン、エチルキシレン、ジエチルキシレン、トリエ
チルキシレン、テトラエチルキシレン、トリメチルエチ
ルベンゼン、トリメチルジエチルベンゼン、トリメチル
トリエチルベンゼン、テトラメチルエチルベンゼン、テ
トラメチルジエチルベンゼン、ペンタメチルエチルベン
ゼンなどが挙げられる。
【0029】該不均化で使用する酸触媒としてはイソブ
チル基の異性化が起こりにくい条件を採用できる限り、
通常の不均化触媒、例えば、シリカ−アルミナ、ゼオラ
イトなどの固体酸;硫酸、リン酸、フッ化水素などの無
機酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
トリフロロメタンスルホン酸などの有機酸;塩化アルミ
ニウム、塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、塩化バナジウ
ム、塩化チタン、塩化ベリリウム、フッ化ホウ素などの
フリーデル・クラフト触媒;ケイタングステン酸、リン
モリブデン酸などのヘテロポリ酸、イソポリ酸および商
品名「ナフィオン」樹脂などのパーフロロスルホン酸樹
脂で代表される強酸型イオン交換樹脂などが使用でき
る。
【0030】反応条件は触媒により適宜選ぶことがで
き、通常は−10〜600℃の範囲から選択されるが、
分解反応やイソブチル基の異性化反応ができるだけ起こ
らない条件を選ぶ必要がある。反応温度がこれらの範囲
より低いと反応速度が遅くなりすぎて好ましくない。ま
た、反応温度がこの範囲より高いと、分解反応あるいは
イソブチル基の構造異性化が著しくなるので好ましくな
い。
【0031】以下、いくつかの好ましい不均化触媒につ
いて具体的に説明する。シリカ−アルミナを不均化触媒
として用いる場合、使用するシリカ−アルミナは、天然
系でも合成系でもよく、またこれらの混合物であっても
使用できる。反応温度は好ましくは150〜600℃、
さらに好ましくは200〜500℃である。
【0032】ゼオライトを触媒として用いる場合、使用
するゼオライトは、例えばHX型ゼオライトまたはHY
型ゼオライトまたは水素ホージャサイトなどの水素ゼオ
ライトを含有するものが使用できる。これらの水素ゼオ
ライトは、NaXゼオライト、NaYゼオライト、Na
ホージャサイトなどのようなゼオライトのアルカリ金属
塩を、カチオン交換によりアルカリ金属の一部もしくは
全部をプロトン型に転化させたものであり、これらは強
い固体酸性を示す。反応温度は好ましくは100〜40
0℃、さらに好ましくは110〜350℃である。
【0033】トリフロロメタンスルホン酸および/また
はフッ化水素を触媒として用いる場合、使用するトリフ
ロロメタンスルホン酸またはフッ化水素は、純品でも水
溶液でも、また、これらの混合物でも使用できる。本発
明者らの検討の結果、トリフロロメタンスルホン酸およ
びフッ化水素は、イソブチルベンゼンの不均化に関して
ほぼ同等の触媒効果を示し、同一条件のもとでは生成物
もほぼ同等であることが判明した。反応温度は好ましく
は−10〜200℃、さらに好ましくは−5〜150℃
である。塩化アルミニウムを触媒として使用する場合、
反応温度は0〜150℃、好ましくは5〜100℃であ
る。
【0034】ヘテロポリ酸を触媒として用いる場合、使
用するヘテロポリ酸は、モリブデンやタングステンによ
って生ずる一群のヘテロポリ酸であり、ヘテロ原子とし
て、P、B、V、As、Si、Ge、Sn、Ti、Z
r、Ce、Th、Fe、Pt、Mn、Co、Ni、T
e、I、Al、Cr、Rh、Cu、Seなどを含有する
ものが使用できる。反応温度は好ましくは150〜60
0℃、さらに好ましくは200〜500℃である。
【0035】ナフィオン樹脂などの強酸型陽イオン交換
樹脂では、50〜300℃、好ましくは100〜250
℃の反応温度が適当である。溶媒としては、該不均化反
応および後述するp−イソブチルエチルベンゼンの分離
精製に悪影響をもたらさないものであれば特に制限はな
いが、一般には無溶媒の状態で充分好ましい結果が得ら
れる。反応圧力は特に制限はない。不均化の反応形態
は、回分式あるいは流通式のいずれにおいても実施でき
る。
【0036】上記の条件下で反応した反応生成物中のイ
ソブチルエチルベンゼンは、いずれもo−イソブチルエ
チルベンゼン、m−イソブチルエチルベンゼン、p−イ
ソブチルエチルベンゼンの混合物になる。この位置異性
体混合物は、特定条件下に蒸留により分離できることが
本発明者らの研究により分かった。
【0037】すなわち、蒸留塔への供給流は、イソブチ
ルエチルベンゼン位置異性体混合物中p−イソブチルエ
チルベンゼンの重量の割合が5%以上、好ましくは10
%以上となる混合物を用いる。イソブチルエチルベンゼ
ンの位置異性体の重量の合計に対するp−体の重量の割
合が5%未満では、混合物中の目的成分が少なすぎてた
とえ精密蒸留をするとも高純度のp−イソブチルエチル
ベンゼンを有効に蒸留分離できない。該混合物中のイソ
ブチルエチルベンゼン以外の成分は、該蒸留の目的を達
成する上で障害とならないものであれば、特に制限はな
い。
【0038】また、上記蒸留に用いる蒸留塔は、理論段
数 20段以上、好ましくは30段以上のものを用い
る。理論段数が20段未満だと、高純度のp−イソブチ
ルエチルベンゼンを有効に蒸留分離できない。理論段数
の上限値は特に制限はないが、余りに高い段数であって
も蒸留が不経済になるだけである。それ故通常は、50
0段までの理論段数で十分である。
【0039】蒸留において回収するp−イソブチルエチ
ルベンゼン留分は、常圧換算沸点で213〜216℃の
範囲にある成分を主とする留分として回収される。ま
た、このp−イソブチルエチルベンゼン留分以外の留分
はイソブチル基、エチル基あるいはメチル基などを有す
るベンゼン誘導体であり、当然ながらこれらの一部また
は全部を再び前記工程(I)の原料として再度使用する
こともできる。蒸留方法には特に制限はなく、連続式、
回分式、または減圧、常圧、加圧、あるいは単塔式、多
塔式などを問わない。
【0040】本発明の方法における工程(II)は、工
程 (I)で得られたp−イソブチルエチルベンゼンを気相
で脱水素金属触媒により脱水素することにより、p−イ
ソブチルスチレンを製造する工程である。さらに詳しく
は、脱水素触媒の存在下、反応温度300〜650℃、
反応圧力50kg/cm2 以下、接触時間0.05〜2
0秒、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率80重量
%以下の条件でもって周期律表中第1B族、第2B族、
第6A族、第7A族および第8族から選ばれる金属を含
む脱水素金属触媒の存在下p−イソブチルエチルベンゼ
ンのエチル基のみを選択的に脱水素してp−イソブチル
スチレンを製造する方法に関するものである。
【0041】脱水素触媒には、具体的には鉄、銅、亜
鉛、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ルテニウム、クロム、モリブデンなど
の金属化合物があり、これらを適宜組み合わせたものも
有効に使用しうる。使用するべき形態は、金属単体、酸
化物、硫化物または水素処理物などのいずれのものも使
用できる。好ましくは鉄、銅、クロムから選ばれる少な
くとも1種の金属を含む触媒である。特に酸化鉄系触
媒、銅−クロム系触媒などはp−イソブチルスチレンへ
の選択性が高く、本発明の目的には有効である。
【0042】脱水素温度は、触媒の組成、接触時間、希
釈モル比などに応じて300〜650℃、好ましくは4
00〜650℃の範囲内で選択することができる。反応
温度がこの範囲より高くなると、分解反応のみならず、
生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱水素される
といった副反応が急激に多くなり、p−イソブチルスチ
レンへの選択率が著しく低下する。これはp−イソブチ
ルエチルベンゼンの損失が大きいだけでなく、生成物分
布が非常に複雑になって蒸留等によるp−イソブチルス
チレンおよびp−イソブチルエチルベンゼンなどの分離
が困難になるので好ましくない。また、反応温度がこの
範囲より低いと、p−イソブチルスチレンへの選択率は
高いが反応速度が著しく低下して経済性が悪くなるので
これも好ましくない。
【0043】脱水素反応によって生成するオレフィンは
重合性であるため、反応層中でのオレフィン濃度が高い
状態を高温で続けると、せっかく生成したp−イソブチ
ルスチレンの一部が重合して損失となる。これを避ける
ためには、非還元性ガス、例えば窒素ガス、ヘリウムガ
ス、アルゴンガス、スチーム、酸素ガスなどを同伴させ
てオレフィン濃度を希釈により下げることが有効であ
る。ベンゼンなどの脱水素されにくい溶媒で希釈するこ
ともできる。また、脱水素の触媒活性を維持するため
に、反応層にスチームを同伴して脱水素を行うのもよ
い。スチームの量には特に制限はない。
【0044】脱水素工程(II)における反応形式は固
定床、移動床、流動床のいずれを用いても、本発明の目
的を達成できる。反応圧力は、上記反応条件下で生成し
たp−イソブチルスチレンが気化しうる範囲であれば特
に制限はないが、通常常圧ないし50kg/cm2 以下
が経済的である。
【0045】原料p−イソブチルエチルベンゼンと触媒
の接触時間は、0.005〜20秒、好ましくは0.0
1〜10秒の範囲で適宜選択できるが、さらに好ましく
は0.05〜5秒の範囲で選択するのが適当である。接
触時間がこれより短いと、反応率が低くて好ましくな
い。また、接触時間がこれより長いと、生成したp−イ
ソブチルスチレンがさらに脱水素されるなどの副反応が
大きくなり、p−イソブチルスチレンの選択率が下がる
ので、これも好ましくない。反応形式、反応ガス組成、
触媒の組成、反応温度、あるいは原料ガスの予熱温度等
の種々の組合せの相違により、上記範囲内で適宜変化せ
しめることができる。
【0046】さらに当然ながら、上記脱水素工程(I
I)を連続式で行うこともでき、また回分式で行うこと
もできる。いずれにせよ本発明では、p−イソブチルエ
チルベンゼンを脱水素してp−イソブチルスチレンに効
率良く転化せしめることが肝要である。
【0047】以上、本発明の脱水素工程(II)におけ
る反応条件およびそれぞれの因子の反応に及ぼす影響に
ついて述べてきたが、本発明の条件でp−イソブチルエ
チルベンゼンの脱水素を行うと、反応条件およびそれぞ
れの因子の反応に与える影響については、p−イソブチ
ルエチルベンゼンの転化率とp−イソブチルスチレンの
選択率との関係でまとめることができることが本発明者
等の研究から明らかになった。すなわち、前記反応条件
下で得られるp−イソブチルエチルベンゼンの転化率に
対して、p−イソブチルスチレンへの選択率は一次の直
線関係(以後、脱水素性能直線と呼ぶ)にある。
【0048】図1に、後述の実施例で得られた脱水素性
能直線の例を示す。例えば、前記反応条件内で、ある条
件を設定すれば、そのときの転化率に対応する脱水素性
能直線上の点は、実際に得られるp−イソブチルスチレ
ンの選択率を示している。したがって、使用する脱水素
触媒の性能直線に応じて、望みの選択率に対応するp−
イソブチルエチルベンゼンの転化率を与えるような反応
条件を選べば良い。
【0049】例えば銅−クロム系触媒の場合、本発明に
おいては、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率を8
0重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ま
しくは50重量%以下に保つのが適当である。また、例
えば、酸化鉄系触媒の場合、本発明においては、p−イ
ソブチルエチルベンゼンの転化率を好ましくは80重量
%以下、さらに好ましくは70重量%以下に保つのが適
当である。転化率がこれらの範囲を越えるとp−イソブ
チルスチレンへの選択率が急激に低下して前記脱水素性
能直線から離脱し、クラッキング生成物が多くなるので
好ましくない。転化率がこれらの範囲内の場合、転化率
が低ければ低いほど選択率は高くなるが、p−イソブチ
ルスチレンの生成率は前記転化率と選択率の積であるか
ら、あまり転化率を低くとるのも、後に続く蒸留などに
よる未反応p−イソブチルエチルベンゼンの分離回収操
作にかかる負担が大きくなり好ましくない。経済的には
5重量%以上の転化率に保つのが適当であろう。
【0050】本発明の工程(IIIa)では、前記工程
(II)で得られたp−イソブチルスチレンを、カルボ
ニル化してα−(4−イソブチルフェニル)プロピオン
アルデヒドを製造する。
【0051】このカルボニル化には、一酸化炭素および
水素と反応させるヒドロフォルミル化工程(III
a)、一酸化炭素および水と反応させるヒドロカルボキ
シル化並びに一酸化炭素および低級アルコールと反応さ
せるヒドロエステル化工程(IIIb)などがある。
【0052】初めに一酸化炭素および水素と反応させる
ヒドロフォルミル化工程(IIIa)について説明す
る。本発明の工程(IIIa)では、前記工程(II)
で得られたp−イソブチルスチレンを、一酸化炭素と水
素によるヒドロフォルミル化により遷移金属錯体触媒を
用いてα−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアル
デヒドへ変換する。
【0053】上記のヒドロフォルミル化に使用される遷
移金属錯体触媒としては、パラジウム、ロジウム、イリ
ジウム、ルテニウム等の遷移金属からなる錯体触媒であ
る。これらの遷移金属は、酸価数が0から最高位酸価数
のものまで使用でき、ハロゲン原子、三価のリン化合
物、π−アリル基、アミン、ニトリル、オキシム、オレ
フィンあるいはカルボニル錯化合物などとして一酸化炭
素、水素などを配位子として含有するものが使用され
る。
【0054】遷移金属錯体触媒の具体例としては、ビス
トリフェニルホスフィンジクロロ錯体、ビストリブチル
ホスフィンジクロロ錯体、ビストリシクロヘキシルホス
フィンジクロロ錯体、π−アリルトリフェニルホスフィ
ンジクロロ錯体、トリフェニルホスフィンピペリジンジ
クロロ錯体、ビスベンゾニトリルジクロロ錯体、ビスシ
クロヘキシルオキシムジクロロ錯体、1,5,9−シク
ロドデカトリエン−ジクロロ錯体、ビストリフェニルホ
スフィンジカルボニル錯体、ビストリフェニルホスフィ
ンアセテート錯体、ビストリフェニルホスフィンジナイ
トレート錯体、ビストリフェニルホスフィンスルフェー
ト錯体、テトラキストリフェニルホスフィン錯体および
一酸化炭素を配位子の一部に持つ、クロロカルボニルビ
ストリフェニルホスフィン錯体、ヒドリドカルボニルト
リストリフェニルホスフィン錯体、ビスクロロテトラカ
ルボニル錯体、ジカルボニルアセチルアセトナート錯体
等を挙げることができる。
【0055】触媒は、錯体として反応系に供給して使用
できるほか、配位子となる化合物を別個に反応系に供給
し、反応系内において錯体を生成させて使用することも
できる。すなわち、上記遷移金属の酸化物、硫酸塩、塩
化物などに対して配位子となり得る化合物、すなわち、
ホスフィン、ニトリル、アリル化合物、アミン、オキシ
ム、オレフィン、あるいは一酸化炭素、水素等を同時に
反応系に存在させる方法である。
【0056】ホスフィンとしては、例えば、トリフェニ
ルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホス
フィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリエチルホ
スフィン等、ニトリルとしては、例えばベンゾニトリ
ル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、ベンジルニ
トリル等、アリル化合物としては、例えばアリルクロラ
イド、アリルアルコール等、アミンとしては、例えばベ
ンジルアミン、ピリジン、ピペラジン、トリ−n−ブチ
ルアミン等、オキシムとしては、例えばシクロヘキシル
オキシム、アセトオキシム、ベンズアルドオキシム等、
オレフインとしては、例えば1,5−シクロオクタジエ
ン、1,5,9−シクロドデカトリエン等が挙げられ
る。
【0057】錯体触媒、または錯体を作り得る化合物の
使用量は、p−イソブチルスチレン1モルに対して0.
0001〜0.5モル、好ましくは0.001〜0.1
モルである。また、配位子となり得る化合物の添加量は
パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムなどの
錯体の核となり得る遷移金属1モルに対して0.8〜1
0モル、好ましくは1〜4モルである。
【0058】さらに、反応を促進する目的で塩化水素、
三フッ化ホウ素などの無機ハロゲン化物やヨウ化メチル
等の有機ヨウ化物等を添加しても良い。これらハロゲン
化物を添加する場合は、錯体触媒、または、錯体を作り
得る化合物1モルに対し、ハロゲン原子として0.1〜
30倍モル、好ましくは1〜15倍モルを使用する。添
加量が0.1モル未満の場合、触媒の種類によっても異
なるが、添加の効果が見られないこともある。また、3
0倍モルを越える時は、触媒活性がかえって低下すると
ともに、p−イソブチルスチレンの二重結合にハロゲン
が付加する等、目的の反応が抑制される。
【0059】ヒドロフォルミル化反応は、反応温度は4
0〜150℃、好ましくは55〜110℃で行う。反応
温度が40℃未満では、反応速度が著しく遅くなり、実
用上実施することができない。また、150℃を越える
温度では、重合、水素付加等の副反応や錯体触媒の分解
が生じ好ましくない。
【0060】反応圧力は一酸化炭素と水素の混合圧力と
して10〜600kg/cm2 の範囲で適宜選択でき
る。10kg/cm2 未満では実用上実施できないほど
反応が遅くなる。また、圧力は高いほど反応が速やかに
進行し好ましいが、製造装置の耐圧等の点からおのずと
上限がある。したがって、実用上は600kg/cm2
までの圧力で充分である。
【0061】反応は一酸化炭素および水素の混合ガスの
吸収が見られなくなるまで行えばよく、通常は4〜20
時間の反応時間で充分である。反応に必要な一酸化炭素
と水素とは、あらかじめ混合された混合ガスの状態で
も、各々別に反応器に供給してもよい。反応系に供給す
る場合の一酸化炭素と水素とのモル比は、適宜選択でき
る。すなわち、本発明のヒドロフォルミル化反応では、
一酸化炭素と水素とは1:1のモル比で吸収消費されて
いく。したがって、反応器の大きさ、反応の形式にもよ
るが、一酸化炭素対水素のモル比は1:1で供給すれば
最も効率的である。
【0062】本発明のヒドロフォルミル化において、ヒ
ドロフォルミル化に不活性な溶媒を反応熱除去等の目的
で用いることもできる。ヒドロフォルミル化に不活性な
溶媒としては、エーテル、ケトン等の極性溶媒や、パラ
フィン、シクロパラフィン、芳香族炭化水素のような無
極性溶媒が挙げられる。しかし、一般には無溶媒の状態
で充分好ましい結果が得られる。
【0063】ヒドロフォルミル化反応の終了後、反応物
は好ましくは減圧下で蒸留分離すれば、容易に目的化合
物である高純度のα−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオンアルデヒドと触媒とに分離することができる。回
収された錯体触媒は再度使用することができる。
【0064】本発明によって得られるα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオンアルデヒドは、常法によりこ
れを酸化することにより、容易にα−(4−イソブチル
フェニル)プロピオン酸に変換できる。例えば、クロム
酸化、次亜塩素酸酸化、過マンガン酸酸化などの従来ア
ルデヒドをカルボン酸に酸化する方法として知られてい
る方法により酸化することができる。
【0065】次に一酸化炭素および水と反応させるヒド
ロカルボキシル化並びに一酸化炭素および低級アルコー
ルと反応させるヒドロエステル化工程(IIIb)につ
いて説明する。
【0066】ヒドロカルボキシル化反応では、p−イソ
ブチルスチレンを一酸化炭素および水の存在下で反応さ
せ、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸が得
られる。また、ヒドロエステル化反応においては、p−
イソブチルスチレンを一酸化炭素および低級アルコール
の存在下で反応させ、α−(4−イソブチルフェニル)
プロピオン酸のアルキルエステルが得られる。例えば、
メチルアルコールを反応させるならばα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸メチルが得られる。
【0067】上記工程(IIIb)に使用される遷移金
属錯体触媒としては、パラジウム、ロジウム、イリジウ
ム等の遷移金属錯体であり、特にパラジウムの錯体であ
る。これらの遷移金属は、ハロゲン原子、三価のリン化
合物あるいはカルボニル錯化合物などとして一酸化炭素
を配位子として含有するものが使用される。遷移金属、
例えばパラジウムは、0〜2価のものが使用される。
【0068】触媒の具体例としては、ビストリフェニル
ホスフィンジクロロ錯体、ビストリブチルホスフィンジ
クロロ錯体、ビストリシクロヘキシルホスフィンジクロ
ロ錯体、π−アリルトリフェニルホスフィンジクロロ錯
体、トリフェニルホスフィンピペリジンジクロロ錯体、
ビスベンゾニトリルジクロロ錯体、ビスシクロヘキシル
オキシムジクロロ錯体、1,5,9−シクロドデカトリ
エン−ジクロロ錯体、ビストリフェニルホスフィンジカ
ルボニル錯体、ビストリフェニルホスフィンアセテート
錯体、ビストリフェニルホスフィンジナイトレート錯
体、ビストリフェニルホスフィンスルフェート錯体、テ
トラキストリフェニルホスフィン錯体および一酸化炭素
を配位子の一部に持つ、クロロカルボニルビストリフェ
ニルホスフィン錯体、ヒドリドカルボニルトリストリフ
ェニルホスフィン錯体、ビスクロロテトラカルボニル錯
体、ジカルボニルアセチルアセトナート錯体等を挙げる
ことができる。
【0069】触媒は、錯体として反応系に供給して使用
することもでき、また、配位子となる化合物を別個に反
応系に供給し、反応系内において錯体を生成させて使用
することもできる。錯体触媒、または錯体を作り得る化
合物の使用量は、p−イソブチルスチレン1モルに対し
て0.0001〜0.5モル、好ましくは0.001〜
0.1モルである。また、配位子となり得る化合物の添
加量はパラジウム、ロジウム、イリジウムなどの錯体の
核となり得る遷移金属1モルに対して0.8〜10モ
ル、好ましくは1〜4モルである。さらに、反応を促進
する目的で塩化水素、三フッ化ホウ素などの無機ハロゲ
ン化物を添加してもよい。これらハロゲン化物を添加す
る場合は、錯体触媒、または、錯体を作り得る化合物1
モルに対し、ハロゲン原子として0.1〜30倍モル、
好ましくは1〜15倍モルを使用する。添加量が0.1
モル未満の場合、触媒の種類によっても異なるが、添加
の効果が見られないこともある。また、30倍モルを越
える時は、触媒活性がかえって低下するとともに、p−
イソブチルスチレンの二重結合にハロゲンが付加する
等、目的の反応が抑制される。
【0070】ヒドロカルボキシル化またはヒドロエステ
ル化反応は、反応温度は40〜250℃、好ましくは7
0〜120℃で行う。反応温度が40℃未満では、反応
速度が著しく遅くなり、実用上実施することができな
い。また、250℃を越える温度では、重合反応や錯体
触媒の分解が生じ好ましくない。
【0071】一酸化炭素圧は10kg/cm2 以上であ
れば適宜選択できる。10kg/cm2 未満では実用上
実施できないほど反応が遅くなる。また、一酸化炭素圧
は高いほど反応が速やかに進行し好ましいが、製造装置
の耐圧等の点からおのずと上限がある。したがって、実
用上は600kg/cm2 以下の圧力で充分である。反
応は一酸化炭素の吸収が見られなくなるまで行えばよ
く、通常は4〜20時間の反応時間で充分である。
【0072】アルコールはメチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ールおよびイソブチルアルコールなどの炭素数1〜4の
低級アルコールが使用されるが、好ましくはメチルアル
コールである。
【0073】ヒドロカルボキシル化またはヒドロエステ
ル化反応の終了後、反応物は抽出あるいは蒸留分離すれ
ば、容易に目的化合物である高純度のα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸またはそのアルキルエステ
ルと触媒とに分離することができる。回収された錯体触
媒は再度使用することができる。
【0074】本発明によって得られるα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸のアルキルエステルは、常
法によりこれを酸またはアルカリ触媒の存在下に加水分
解することにより、容易にα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸に変換できる。
【0075】以下、実施例により本発明を詳述する。p−イソブチルエチルベンゼンの製造[工程(I)] 実施例1〜27 イソブチルベンゼンとアルキル化剤であるポリアルキル
ベンゼンとを所定の濃度に調整し、酸触媒の存在下、回
分式で反応させた。原料油の組成、反応の条件および結
果を表1、表2、および表3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】実施例28〜31 HYゼオライト触媒(触媒化成工業(株)品、粒径2〜
3mm)を、内径12mm、長さ1mのステンレス管に
64m(35.2g)充填し、系内を窒素で置換した。
この反応槽に、イソブチルベンゼンとアルキル化剤であ
るポリアルキルベンゼンとを所定の濃度に調整した予混
合原料油を16ml/hrで流し、触媒層を所定の温度
に保って反応させ、反応混合物をガスクロマトグラフィ
ーで分析した。予混合原料油の組成、反応の条件および
結果を表4および表5に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】実施例32 実施例31で得られた反応混合物10kgを15lの三
つ口フラスコに入れ、内径30mm、長さ1.5mのガ
ラス管に東京特殊金網(株)製充填物「Heli Pack No.3
metal」を充填した理論段数35段の蒸留塔を用いて回
分式で蒸留したところ、p−イソブチルエチルベンゼン
の純度97重量%以上の留分が997g(回収率80.
4%)であった。
【0083】p−イソブチルスチレンの製造[工程(I
I)] 実験例33 カリウムおよびクロムを助触媒とする酸化鉄系の脱水素
触媒(日産ガードラー(株)製、G−64A)を粒径1
mm〜2mmに調整し、内径12mm、長さ1mのステ
ンレス管に20ml充填した。p−イソブチルエチルベ
ンゼン(以下、PBEと称することがある)を10ml
/hr、および水90ml/hrを、予熱管を経て、温
度550℃で触媒層に通し脱水素させた(触媒との接触
時間0.2秒、p−イソブチルエチルベンゼンに対する
スチームのモル比93)。脱水素物は冷却し、ガスおよ
び水を分離したのち、有機相についてガスクロマトグラ
フィーによりp−イソブチルエチルベンゼンの転化率お
よびp−イソブチルスチレン(以下、PBSと称するこ
とがある)の選択率を確認した。脱水素物の有機相は、
主として、PBE、PBS、4−(2’−メチル−1’
−プロペニル)エチルベンゼン(以下、1−MPEと称
することがある)、4−(2’−メチル−2’−プロペ
ニル)エチルベンゼン(以下、2−MPEと称すること
がある)、4−(2’−メチル−1’−プロペニル)ビ
ニルベンゼン(以下、1−MPVと称することがあ
る)、4−(2’−メチル−2’−プロペニル)ビニル
ベンゼン(以下、2−MPVと称することがある)から
成り、その組成は、表6のようであった。
【0084】
【表6】
【0085】これから、PBEの転化率は31%、PB
Sの選択率は83%であることがわかり、高い選択率で
PBSに脱水素されていることが確認できた。脱水素物
の各成分を分離し、Mass、IR、NMRで確認した
ところ、p−イソブチルエチルベンゼンについては原料
に用いたものと全く同一であり、sec−ブチルベンゼ
ンやtert−ブチルベンゼンの生成は認められず、イ
ソブチル基の異性化等の副反応は生じていないことを確
認できた。またPBSついても、ブチル基はイソブチル
基であり、その置換位置はp−位であった。
【0086】実験例34〜37 実験例33に準じて、反応温度を変えて脱水素反応を行
った。得られた結果を実験例33の結果と一緒に表7に
示した。
【0087】
【表7】
【0088】実験例38〜42 実験例33に準じて、接触時間を変えて脱水素反応を行
った。得られた結果を表8に示した。
【0089】
【表8】
【0090】実験例43〜47 CuO43重量%、Cr23 42重量%、SiO2
5重量%からなる銅−クロム系の脱水素触媒を使用し
て、実験例33に準じて、反応温度を変えて脱水素反応
を行った。得られた結果を表9に示した。
【0091】
【表9】
【0092】実験例48〜52 Cr23 18重量%、CuO39重量%、ZnO38
重量%からなる銅−クロム系脱水素触媒を使用して、実
験例33に準じて脱水素反応を行った。得られた結果を
表10に示した。
【0093】
【表10】
【0094】実験例53 前記実験例33に準じて、脱水素金属触媒の金属を代え
て、下表の金属触媒によりPBEの脱水素を行った。金
属はいずれも酸化物とし、シリカに担持させたものを用
いた。結果は下表に示す。 金属 転化率(%) 選択率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Ag 31 62 Cd 12 64 Cr 22 61 Zn 13 52 Mo 16 53 W 11 59 Mn 11 61 Tc 12 60 Re 20 57 Ru 17 68 Os 12 70 Co 21 59 Rh 32 48 Ir 25 51 Ni 48 41 Pd 46 43 Pt 44 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0095】ヒドロフォルミル化工程[工程(III
a)] 実験例54 実験例33で得られた脱水素物の有機相を蒸留により精
製して得られた純度97.8重量%のp−イソブチルス
チレン30g、ロジウムヒドリドカルボニルトリストリ
フェニルホスフィン0.3gを内容積100mlの攪拌
器付きオートクレーブに入れ、攪拌しながら60℃に昇
温し、水素と一酸化炭素との等モル混合ガスにより50
kg/cm2 まで加圧した後、反応によって混合ガスの
吸収が無くなるまで反応を続けた。反応終了後室温まで
冷却し、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、p−イソブチルスチレンの転化率99.9%、
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒド
への選択率88.7%を得た。
【0096】実験例55 ロジウムヒドリドカルボニルトリストリフェニルホスフ
ィンの代わりに、酸化ロジウム0.1gとトリフェニル
ホスフィン0.6gとを用いて、実験例No.54と同
様にして実施した。その結果、p−イソブチルスチレン
の転化率99.9%、α−(4−イソブチルフェニル)
プロピオンアルデヒドへの選択率82.2%を得た。
【0097】実験例56 実験例33で得られた脱水素物の有機相121.5g、
ロジウムヒドリドカルボニルトリストリフェニルホスフ
ィン0.3gを内容積200mlの攪拌器付きオートク
レーブに入れ、実験例54と同様にして実施した。その
結果、p−イソブチルスチレンの転化率99.8%、α
−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアルデヒドへ
の選択率87.8%、4−(2’−メチル−1’−プロ
ペニル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフ
ォルミル化率0%、4−(2’−メチル−2’−プロペ
ニル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフォ
ルミル化率0.4%、4−(2’−メチル−1’−プロ
ペニル)ビニルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロフ
ォルミル化率0%、および4−(2’−メチル−2’−
プロペニル)ビニルベンゼンの置換プロペニル基のヒド
ロフォルミル化率0.1%を得た。このように、置換プ
ロペニル基の炭素−炭素二重結合は、ビニル基のそれに
比べてカルボニル化されにくく、したがって、本実施例
のように脱水素反応油をそのままカルボニル化すること
もできる。
【0098】α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ンアルデヒドの酸化によるα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸の製造 実験例57 実験例56の反応混合物を減圧で蒸留して得られた沸点
範囲70〜76℃/3mmHgのα−(4−イソブチル
フェニル)プロピオンアルデヒド10gを内容量100
mlの攪拌器付きフラスコに入れ、濃塩酸0.4gおよ
び溶媒としてアセトン16mlを添加し、−15℃まで
冷却した。次に温度を−12〜−16℃に保ちながら1
0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液36gを徐々に滴下し
た。滴下終了後さらに1時間攪拌反応させた。反応終了
後5%水酸化ナトリウム水溶液を加え中和し、pH8.
5に調製した。混合物を静置分離させ、下層の水相をノ
ルマルヘキサンで洗浄した。次に、水相に5%塩酸を加
えてpHを2に調整し、分離した油分をノルマルヘキサ
ンで抽出し水洗した。ノルマルヘキサンを減圧で蒸発分
離し、淡黄色の粗α−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸結晶9.3gを得た。粗α−(4−イソブチル
フェニル)プロピオン酸をノルマルヘキサン溶媒で再結
晶させ白色の精製α−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸(融点75−76℃)結晶7.5gを得た。こ
のもののスペクトルなどは標品と一致した。
【0099】ヒドロエステル化およびヒドロカルボキシ
ル化工程[工程(IIIb)] 実験例58: ヒドロカルボキシル化 実験例33で得られた脱水素物の有機相を蒸留により精
製して得られた純度97.8重量%のp−イソブチルス
チレン50g、ビスジクロロトリフェニルホスフィンパ
ラジウム5.5g、10%塩酸水溶液80g、それに溶
媒としてトルエン80mlを500mlオートクレーブ
に入れ、攪拌しながら常温で一酸化炭素により100k
g/cm2 まで加圧した後、120℃に達するまで昇温
しながら昇圧し、300kg/cm2 まで加圧した。反
応によって一酸化炭素の吸収が無くなった後、24時間
反応を続けた。反応終了後冷却して反応混合物を回収
し、分液ロートで油層と水層を分離し、油層を8%水酸
化ナトリウム水溶液50mlで3回抽出した後、抽出水
溶液を分液後の水層と混合し、塩酸を加えてpH2にし
た。しかる後にクロロホルム500mlで3回抽出し、
抽出液を減圧にしてクロロホルムを留去してα−(4−
イソブチルフェニル)プロピオン酸の淡黄色の結晶5
2.3gを得た。p−イソブチルスチレンの転化率10
0%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸へ
の選択率89.0%を得た。
【0100】実験例59 実験例33で得られた脱水素物の有機相202.43
g、ビスジクロロトリフェニルホスフィンパラジウム
5.5g、10%塩酸水溶液80gを500mlオート
クレーブに入れ、攪拌しながら常温で一酸化炭素により
100kg/cm2まで加圧した後、120℃に達する
まで昇温しながら昇圧し、300kg/cm2 まで加圧
した。反応によって一酸化炭素の吸収が無くなった後、
24時間反応を続けた。反応終了後冷却して反応混合物
を回収し、分液ロートで油層と水層を分離し、油層を8
%水酸化ナトリウム水溶液50mlで3回抽出した後、
抽出水溶液を分液後の水層と混合し、塩酸を加えてpH
2にした。しかる後にクロロホルム500ml3回抽出
し、抽出液を減圧にしてクロロホルムを留去してα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の淡黄色の結
晶50.2gを得た。p−イソブチルスチレンの転化率
100%、α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン
酸への選択率87.3%、4−(2’−メチル−1’−
プロペニル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒド
ロカルボキシル化率0%、4−(2’−メチル−2’−
プロペニル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒド
ロカルボキシル化率0.8%、4−(2’−メチル−
1’−プロペニル)ビニルベンゼンの置換プロペニル基
のヒドロカルボキシル化率0%、および4−(2’−メ
チル−2’−プロペニル)ビニルベンゼンの置換プロペ
ニル基のヒドロカルボキシル化率0.6%を得た。
【0101】実験例60:ヒドロエステル化 実験例33で得られた脱水素物の有機相を蒸留により精
製して得られた純度97.8重量%のp−イソブチルス
チレン70.4g、メタノール25.5ml、それに溶
媒としてトルエン40ml、触媒としてPdC2 0.0
756g、助触媒としてCuC2 0.0292g、さら
に配位子のトリフェニルホスフィン0.2161gを2
00mlオートクレーブに入れ、攪拌しながら90℃に
昇温したのち、一酸化炭素で70kg/cm2 の圧力に
保ち、8時間反応させた。反応終了後冷却し、反応混合
物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、p−イソ
ブチルスチレンの転化率99.6%、α−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸メチルエステルへの選択率
90.9%を得た。
【0102】実験例61 実験例33で得られた脱水素物の有機相285.0g、
メタノール25.5ml、触媒としてPdC2 0.07
56g、助触媒としてCuC2 0.0292g、さら
に、配位子のトリフェニルホスフィン0.2161gを
500mlオートクレーブに入れ、攪拌しながら90℃
に昇温したのち、一酸化炭素で70kg/cm2 の圧力
に保ち、8時間反応させた。反応終了後冷却し、反応混
合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、p−イ
ソブチルスチレンの転化率99.8%、α−(4−イソ
ブチルフェニル)プロピオン酸メチルエステルへの選択
率88.9%、4−(2’−メチル−1’−プロペニ
ル)エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロエステ
ル化率0%、4−(2’−メチル−2’−プロペニル)
エチルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロエステル化
率0.6%、4−(2’−メチル−1’−プロペニル)
ビニルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロエステル化
率0%、および4−(2’−メチル−2’−プロペニ
ル)ビニルベンゼンの置換プロペニル基のヒドロエステ
ル化率0.3%を得た。
【0103】α−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸メチルエステルの加水分解によるα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸の製造 実験例62 実験例60のα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸メチルエステル30gと10%の水酸化ナトリウム
水溶液150mlとを攪拌しながら還流させ約3時間加
水分解を行った。冷却後混合物を静置分離させ下層の水
相をノルマルヘキサンで洗浄した。水相に5%塩酸を加
えPHを2に調製し、分離した油分をノルマルヘキサン
で抽出し水洗した。ノルマルヘキサンを減圧で蒸発分離
し、淡黄色の粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸結晶23.9gを得た。粗α−(4−イソブチル
フェニル)プロピオン酸をノルマルヘキサン溶媒で再結
晶させ白色の精製α−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸(融点75−76℃)結晶20.7gを得た。
このもののスペクトルなどは標品と一致した。
【0104】実験例63 実験例61のヒドロエステル化反応混合物100gと1
0%の水酸化ナトリウム水溶液150mlとを攪拌しな
がら還流させ約3時間加水分解を行った。冷却後混合物
を静置分離させ下層の水相をノルマルヘキサンで洗浄し
た。水相に5%塩酸を加えPHを2に調製し、分離した
油分をノルマルヘキサンで抽出し水洗した。ノルマルヘ
キサンを減圧で蒸発分離し、淡黄色の粗α−(4−イソ
ブチルフェニル)プロピオン酸結晶22.4gを得た。
粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸をノル
マルヘキサン溶媒で再結晶させ白色の精製α−(4−イ
ソブチルフェニル)プロピオン酸(融点75−76℃)
結晶19.9gを得た。このもののスペクトルなどは標
品と一致した。
【0105】比較例1〜2 イソブチルベンゼンとエチルベンゼンとを所定の濃度に
調整し、酸触媒の存在下、回分式で反応させた。原料油
の組成、反応の条件および結果を表11に示す。このよ
うに、エチルベンゼンでは不均化活性が低く、アルキル
化剤として好ましくない。
【0106】
【表11】
【0107】比較例3 実験例33に準じて、p−sec−ブチルエチルベンゼ
ン(純度97.5重量%)の脱水素反応を行った。結果
は表12の通りであった。
【0108】
【表12】
【0109】
【発明の効果】本発明の不均化工程(I)においては、
イソブチルベンゼンとエチル化剤である前記式(I)の
ポリアルキルベンゼンとの不均化反応によってイソブチ
ルエチルベンゼンの3種の位置異性体を含む混合物を生
成するが、蒸留によりこれら3種の位置異性体からp−
イソブチルエチルベンゼンを分離回収できことがわかっ
た。また、この3種の位置異性体混合物の生成比率は、
例えば、イソブチルベンゼンを酸触媒の存在下にエチレ
ンと反応させた場合と比較し、本発明の不均化反応では
o−体としてのイソブチルエチルベンゼンの生成が非常
に少ないのも特徴の一つである。このo−イソブチルエ
チルベンゼンはp−イソブチルエチルベンゼンと沸点が
接近しており、蒸留では3種の位置異性体混合物中p−
イソブチルエチルベンゼンと最も分離しにくい成分であ
る。したがって、o−イソブチルエチルベンゼンの生成
比率が少ないという特徴を有する本発明の反応によれ
ば、反応混合物の蒸留精製操作の負担を大きく軽減する
ことができるという大きな利点を有する。また、反応生
成物中のp−イソブチルエチルベンゼン留分以外の留分
も不均化工程(I)の原料としてリサイクルでき、結果
としてイソブチルベンゼンのp−イソブチルエチルベン
ゼンへの選択率を高めることが可能となった。
【0110】酸触媒を用いた不均化反応によるエチル化
においてはp−位の選択性が比較的低く、このためこの
技術はp−体を目的化合物とするような反応としては採
用し難いという事前の予想があったが、これらの技術の
確立により従来の制約を免れることができ、酸触媒を用
いた不均化反応によるエチル化であっても経済的に大変
有利になった。
【0111】本発明の工程(II)の条件でp−イソブ
チルエチルベンゼンの脱水素を行うと、予想に反して高
い選択率でp−イソブチルスチレンを製造できる。した
がって前述したように、本発明の方法で得られた脱水素
反応混合物を、例えば水層と分液、乾燥後、蒸留などと
いった二〜三の簡単な単位操作だけで、高純度のp−イ
ソブチルスチレンおよび未反応のp−イソブチルエチル
ベンゼンが得られる。また、当然ながらこの未反応p−
イソブチルエチルベンゼンは、回収して再び脱水素の原
料とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実験例33〜42の脱水素反応にお
けるp−イソブチルエチルベンゼン(PBE)の転化率
とp−イソブチルスチレン(PBS)への選択率の関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B01J 21/12 B01J 21/12 X 27/06 27/06 X 31/02 103 31/02 103X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 47/228 C07C 5/333 C07C 6/12 C07C 15/46 C07C 45/50 B01J 21/12 B01J 27/06 B01J 31/02 103 C07B 61/00 300 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の工程(I)、工程(II)および工程
    (IIIa) 工程(I):イソブチルベンゼンを、酸触媒の存在下に
    反応温度−10〜600℃の条件で下記式(I)で表さ
    れるポリアルキルベンゼンと不均化反応させて、p−イ
    ソブチルエチルベンゼンを製造する工程 【化1】 (ここで、R1 =(−CH3m または(−C25
    m 、R2 =(−C25n ;ただしm、nは、2≦m
    +n≦6を満たす1から5までの整数) 工程(II):前記工程(I)で得られるp−イソブチ
    ルエチルベンゼンを気相で、反応温度300〜650
    ℃、反応圧力50kg/cm2 以下、接触時間0.005
    〜20秒、p−イソブチルエチルベンゼンの転化率80
    重量%以下の条件で周期律表中第1B族、第2B族、第
    6A族、第7A族および第8族から選ばれる金属を含む
    脱水素金属触媒の存在下に脱水素させることによりp−
    イソブチルスチレンを製造する工程 工程(IIIa):前記工程(II)で得られたp−イ
    ソブチルスチレンを、遷移金属錯体カルボニル化触媒の
    存在下、反応温度40〜150℃、一酸化炭素と水素の
    混合圧力10〜600kg/cm2 で一酸化炭素および水
    素と反応させてα−(4−イソブチルフェニル)プロピ
    オンアルデヒドを製造する工程 からなることを特徴とするα−(4−イソブチルフェニ
    ル)プロピオンアルデヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(I)における酸触媒がシリカ
    −アルミナであり、反応温度が150〜600℃である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(I)における酸触媒がトリフ
    ロロメタンスルホン酸であり、反応温度が−10〜20
    0℃である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(I)における酸触媒がフッ化
    水素であり、反応温度が−10〜200℃である請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(I)における酸触媒が塩化ア
    ルミニウムであり、反応温度が0〜150℃である請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(I)における酸触媒がヘテロ
    ポリ酸であり、反応温度が150〜600℃である請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(I)における酸触媒が強酸型
    陽イオン交換樹脂であり、反応温度が50〜300℃で
    ある請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(I)における酸触媒がHX型
    ゼオライトまたはHY型ゼオライトまたは水素ホージャ
    サイトであり、反応温度が100〜400℃である請求
    項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記工程(II)における脱水素金属触
    媒が、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、コ
    バルト、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、クロムお
    よびモリブデンからなる群から選ばれるいずれか一種の
    金属を含む触媒である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記工程(II)における脱水素金属
    触媒の金属が鉄、銅、クロムから選ばれる少なくとも一
    種の金属である請求項1記載の方法。
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