JPH0717543B2 - アルキルスチレンの製造方法 - Google Patents

アルキルスチレンの製造方法

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JPH0717543B2
JPH0717543B2 JP62183001A JP18300187A JPH0717543B2 JP H0717543 B2 JPH0717543 B2 JP H0717543B2 JP 62183001 A JP62183001 A JP 62183001A JP 18300187 A JP18300187 A JP 18300187A JP H0717543 B2 JPH0717543 B2 JP H0717543B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、モノアルキルベンゼンから1,1−ビス(p−
アルキルフェニル)エタンを経て、炭素数3以上のアル
キル置換基を有するアルキル置換スチレン、好ましく
は、p−アルキルスチレンを製造する方法に関するもの
である。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 1,1−ビス(p−アルキルフェニル)エタンは、接触分
解反応により収率よくp−アルキルスチレンに変化させ
得ることが知られている。そして、1,1−ビス(p−ア
ルキルフェニル)エタンは、従来から種々の方法で合成
することが提案されている。その一つとして、p−イソ
ブチルスチレンとアセトアルデヒドとを硫酸触媒の存在
下に反応させて、1,1−ビス(p−イソブチルフェニ
ル)エタンを製造する方法が提案されている。(特開昭
61−24527号公報、特開昭61−37743号公報など)。
特に、上記公報のように、モノアルキルベンゼンとして
イソブチルベンゼンを用いる場合に得られる1,1−ビス
(p−イソブチルフェニル)エタンは、消炎剤などの医
薬として有用なイブプロフェン(商品名)を安価に経済
的に製造するための中間体として用いられる。
しかし、上記公報に記載されているように、硫酸を用い
る方法では、貴重な原料であるイソブチルベンゼン自体
のスルホン化反応を避けることはできず、その結果、一
部のイソブチルベンゼンはスルホン化物として損失にな
るために経済的に好ましくない。
また、この反応は脱水反応であるため、硫酸を一度使用
した後は、生成した水のために触媒としての硫酸の濃度
が低下し、そのために使用済みの触媒の硫酸濃度を、例
えば、装置の腐食などが懸念される高温蒸留などにより
回復させなければ、触媒は再使用できない。その上、硫
酸相には多量のスルホン化物が溶解しており、単なる蒸
留では触媒濃度の回復は容易ではない。
更に詳しく言えば、対称形の1,1−ビス(p−アルキル
フェニル)エタンを接触分解すれば、好収率でp−アル
キルスチレンが得られることは知られているが(前記特
開昭61−24527号公報など)、その原料となる1,1−ビス
(p−アルキルフェニル)エタンを安価に得ることは困
難であった。
例えば、モノアルキルベンゼンとアセトアルデヒドを濃
硫酸の存在下で反応させて1,1−ビス(p−アルキルフ
ェニル)エタンを得る方法においては、まず、副反応に
より原料アルキルベンゼンのスルホン化物であるモノア
ルキルベンゼンスルホン酸が副生し、原料モノアルキル
ベンゼンの損失は無視できない。更に、硫酸触媒の再使
用においては、多量の有機スルホン酸を含有するので、
反応で生成した水により低下した硫酸濃度を回復させる
方法として、熱硫酸の高い腐食性のために蒸留など熱を
加える方法は採用できない。従って無水硫酸あるいは発
煙硫酸などを加えることによって、生成した水を化学反
応で除去するなどの方法を用いざるを得ないため、触媒
コストが割高になる。
しかるに、フッ化水素を触媒として、モノアルキルベン
ゼンとアセトアルデヒドとを反応させれば、スルホン化
物の副生もなく好ましい。しかしながら、本発明者らが
実験により確認したところ、フッ化水素を触媒としてモ
ノアルキルベンゼンを縮合させた場合、反応生成物中に
p−モノアルキルエチレンベンゼンが副生することが確
認された。これは、副生物であるから勿論損失となり好
ましくない。それ故、原料の損失およびp−アルキルベ
ンゼンを生成する副反応を、いずれもできるだけ抑制す
ることが望まれる。
ところで、副生アルキルエチルベンゼンのアルキル基の
炭素数が3未満の場合には、これを脱水素しても得られ
る脱水素化物は、いずれもアルキルスチレンである。即
ち、メチルエチルベンゼンまたはエチルベンゼンを脱水
素しても、何れもアルキルスチレンが得られる。これは
本発明の目的化合物に外ならない。
それ故、副生物を脱水素工程にかければ、副生物は有効
に利用されることとなるので、アルキル基の炭素数が3
未満のアルキルベンゼンを原料とする場合は特に不利に
なることはない。しかもこの脱水素は容易に実施可能で
ある。
かかる観点から、アルキルスチレンの製造のために、側
鎖の炭素数が3未満のモノアルキルベンゼンを出発原料
とする場合には、上記のような副生物の副生について考
慮しても特に利益がない。何故ならば、上述のように副
生したアルキルベンゼンは容易に脱水素され、いずれに
しても目的化合物であるアルキルスチレンとなるからで
あり、この場合、副生物は何ら損失となり得ないからで
ある。
しかしながら、炭素数が3以上のモノアルキルベンゼン
を出発原料として使用したときに、副生物として得られ
るアルキルエチルベンゼンを脱水素すると、該アルキル
ベンゼンのエチル基と共に炭素数が3以上であるアルキ
ル基もまた脱水素される可能性がある。従って、その脱
水素化物は複数の種類のスチレン類の混合物とならざる
得ない。しかもこれらは分子量が近似しており、通常の
蒸留では容易に分離できない。従って、副生アルキルエ
チルベンゼンはその有効利用ができず、副生物の分だけ
アルキルスチレンの収率が低下せざるを得ない。
副生物の有効利用という観点からは、かかる炭素数が3
以上のアルキルベンゼンを出発原料とすることは好まし
くない。そこで、かかる副生物の生成を極力抑制するこ
とが必須となる。
そのために、側鎖炭素数が3以上のモノアルキルベンゼ
ンを原料とするときは、副生物たるアルキルエチルベン
ゼンの副生は、特に抑制することが肝要である。
[問題点を解決するための手段] 本発明の目的は、スルホン化物としての損失を抑制しつ
つ、副生物たるアルキルエチルベンゼンの副生を極力抑
制し、最終的に原料モノアルキルベンゼンの損失なく、
p−アルキルスチレンを製造することにある。
すなわち、本発明は、モノアルキルベンゼンおよびアセ
トアルデヒドから、下記構造式で表される1,1−ビス
(p−アルキルフェニル)エタンを経て、p−アルキル
スチレンを製造する方法に関するものである。
(1)縮合 (2)接触分解 (ここでRは炭素数3以上のアルキル基である) すなわち本発明は、先ずモノアルキルベンゼンとアセト
アルデヒドとをフッ化水素触媒の存在下に反応させて、
1,1−ビス(p−アルキルフェニル)エタンを得て、次
いで、酸触媒の存在下に接触分解することを特徴とし、
炭素数3以上のアルキル置換基をp−位に有する置換ス
チレン(p−アルキルスチレン)の経済的な製造方法に
関する。
本発明で使用するモノアルキルベンゼンは、炭素数3以
上、好ましくは炭素数4以上のアルキル置換基を1つ有
する一置換ベンゼンである。例えば、プロピルベンゼ
ン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソ
ブチルベンゼン、t−ブチルベンゼンなどが例示され
る。通常は、反応性の点から、炭素数10以下のモノアル
キルベンゼンが使用される。
本発明の反応において、触媒であるフッ化水素の濃度
は、反応系中のフッ化水素と水との合計に対して65重量
%以上、好ましく75重量%以上に保持される。以下、こ
のように定義された濃度をフッ化水素濃度と呼ぶ。
反応液中のフッ化水素水濃度が65重量%より低い場合に
は、1,1−ビス(p−アルキルフェニル)エタンの収率
が低下し、更に副生物たるアルキルエチルベンゼンが生
成する他、重合物の生成も増加するので、有効に本発明
の目的が達成されない。
この反応は、前記の反応式のように脱水反応であるの
で、反応の経過とともに水が生成し、反応液中のフッ化
水素濃度は低下する。
水が生成する反応であるから、反応中において上記のフ
ッ化水素濃度を維持するために、ガス状のフッ化水素あ
るいはフッ化水素水を連続的に反応系内に添加すること
もできる。フッ化水素濃度を維持するために添加するも
のとしては、フッ化水素濃度が80重量%を越えるフッ化
水素水が好ましい。80重量%以下のフッ化水素濃度のも
のでは、添加すべきフッ化水素の量が多くなり経済的で
ない。
フッ化水素の使用量は、仕込むアセトアルデヒドに対し
て通常1.7〜300倍モル、好ましくは2.7〜100倍モルであ
る。1.7倍モル未満では副生物たるアルキルエチルベン
ゼンが多く副生し好ましくない。一方、300倍モルを越
えても過剰に加えた効果を特に生じないので経済的に不
利となる。フッ化物は通常フッ化水素相に溶解する。然
るに、硫酸を触媒として使用した場合に比べ、フッ化水
素触媒を用いた場合には、フッ化水素相に溶け込む有機
フッ化物は1%以下であってアルキルベンゼンの損失は
殆どなく、さらにフッ化水素は室温程度の蒸留により容
易に回収でき、そのまま反応に再使用できる。
モノアルキルベンゼンと反応させるべきアセトアルデヒ
ドとしては、アセトアルデヒドの他パラアルデヒド、含
水アルデヒド等も用いることができる。
この反応においては、反応系におけるアセトアルデヒド
濃度は0.5重量%以下に保持して実施することが好まし
い。アセトアルデヒドがこれよりも高濃度であると、反
応が途中で停止し易く、その結果として、中間体の生成
量が増加し、また、重量等の副反応が生ずるために効率
が低下するので好ましくない。
モノアルキルベンゼンとしては、従来公知のいずれの方
法により得られるものも使用でき、純品はもちろん、不
活性溶剤、例えばヘキサンやペンタンなどの脂肪族炭化
水素によって稀釈あるいは溶解されたものも使用でき
る。
モノアルキルベンゼンの使用量は、通常アセトアルデヒ
ドに対して過剰量、例えば2倍モル以上、好ましくは2.
2倍モル以上が加えられる。これより少ないモノアルキ
ルベンゼンでは反応が有効に達成されず、また副生物た
るアルキルエチルベンゼンの副生の他、重合物も生成す
るので好ましくない。モノアルキルベンゼンの使用量の
上限は、主として経済的観点から定められ、実用的に
は、例えば100倍モル以下、好ましくは50倍モル以下と
なる。
1,1−ビス(p−アルキルフェニル)エタンの製造にお
いては、十分な攪拌下に、反応温度を40℃以下、好まし
くは20℃以下に保持することが必要である。40℃を越え
ると副生物たるアルキルエチルベンゼンが副生する他、
重合反応などの副反応も急増するので好ましくない。こ
のため、反応器を外部または内部から冷却することが望
ましい。反応温度は低いほど好ましく、その温度の下限
は特に限定されない。しかし、生成する系の氷結などを
考慮し、反応温度の下限を適宜に定めればよい。
好ましい反応形式は、反応器に、一方の反応物であるモ
ノアルキルベンゼンおよび所定濃度のフッ化水素を仕込
み、所定量のアセトアルデヒドまたはモノアルキルベン
ゼン溶液を、反応温度を一定に保つように少量ずつ逐次
添加しつつ反応させると同時に、反応液中のフッ化水素
より高濃度のフッ化水素を反応中に添加して、反応系中
のフッ化水素水のフッ化水素濃度を維持することであ
る。
本発明の反応は比較的反応速度が大きいので、長時間の
反応は必ずしも必要でない。好ましくは0.1〜10時間で
ある。
反応圧力については、反応層が液相を保つ限り特に制限
はないが、好ましくは、常圧または密閉反応器の反応温
度における自在で実施する。
反応終了後、攪拌を停止し、反応混合物からフッ化水素
を除く。硫酸触媒の場合とは異なり、低温の蒸留などで
極めて容易にフッ化水素が留去できる。フッ化水素を留
去した後、残存する酸分を水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどのアル
カリまたはその水溶液で中和し、水洗する。この際、エ
マルジョンの発生を防ぐ目的で、エーテルやn−ヘキサ
ンなどの溶媒を添加することもできる。
中和後の炭化水素層を分別し、好ましくは減圧下で蒸留
することによって、未反応モノアルキルベンゼンおよび
1,1−ビス(p−アルキルフェニル)エタンを得ること
ができる。本発明の方法では、未反応のモノアルキルベ
ンゼンの側鎖アルキル基の異性化は全く生じないので、
蒸留によって得られた未反応モノアルキルベンゼンは、
特別の精製処理を施すことなく、循環させて再度使用で
きる。
また、このようにして得られた1,1−ビス(p−アルキ
ルフェニル)エタンは、実質的にアルキル基がp−位に
置換されており、また、分子構造上対称形であることも
あり、これを接触分解することによって高純度のp−ア
ルキルスチレンを高収率で容易に得られる。即ち、他の
位置異性体を含む混合物を接触分解する場合には、得ら
れるアルキルスチレンも出発原料の位置関係に対応した
位置異性体の混合物となるので好ましくないが、本発明
の前記工程によれば、高純度の1,1−ビス(p−アルキ
ルフェニル)エタンを原料とすることができるので好都
合である。
本発明の接触分解方法では、不活性気体を共存させ稀釈
した状態で、酸触媒と接触させることが適当である。不
活性気体としては、水素、ヘリウム、アルゴン、窒素、
水蒸気などのような無機気体の他、メタン、エタン、プ
ロパンなどの酸触媒の酸活性を阻害しないようなもので
あれば何れも使用することができる。不活性気体は単独
で使用してもよく、また適宜混合して使用してもよい。
工業的には、不活性気体としては水蒸気が取扱い上好ま
しい。不活性気体による稀釈は、〔不活性気体/1,1−ビ
ス(p−アルキルフェニル)エタン〕で表されるモル比
が50以上になるように稀釈することが好ましい。稀釈の
モル数の上限は特になく、モル比が大きいほど好ましい
が、実用上は上記モル比で500が上限である。
接触させる酸触媒は、プロトン酸、固体酸、またはプロ
トン酸担持固体酸である。プロトン酸としては、燐酸、
硫酸、塩酸およびケイタングステン酸、燐タングステン
酸などのヘテロホリ酸等の無機プロトン酸、ベンゼンス
ルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機プロトン酸であ
る。固体酸としては、シリカアルミナ、シリカマグネシ
ア、ゼオライト等のような合成固体酸触媒、活性白土、
酸性白土、カオリン、アタパルジャイト等のような天然
固体酸物質のほか、シリカ、アルミナのように酸活性を
持たないかあるいは酸活性の少ない無機多孔質担体に上
記プロトン酸を含浸担持させた担持型触媒でもよい。
酸触媒と接触させる温度は、酸触媒の種類および反応相
に応じて適宜に選択できるが、通常は200℃から650℃の
範囲である。固体酸との接触では、温度300℃から600℃
がより好ましく、プロトン酸触媒で気相接触分解するに
は、300℃〜650℃、より好ましくは350℃〜500℃の範囲
である。
本発明の接触分解工程では、上記の稀釈および温度条件
下で酸触媒と接触させて1,1−ビス(p−アルキルフェ
ニル)エタンの分解を行なうものである。分解の方法は
酸触媒の種類に応じて適宜選択できるが、装置の腐食、
連続化などを考慮すると、固体酸触媒あるいは担持固体
酸触媒による気相接触方法が好ましい。気相接触では、
1,1−ビス(p−アルキルフェニル)エタンが希釈され
た条件下で気相を保っていれば、常圧、加圧、減圧の何
れでもよく、その圧力は限定されない。更に反応形態と
しては、固定床、移動床、流動床の何を用いてもよい。
ここで、第2の工程の分解反応を化学式で表すと次のよ
うになる。
エチリデン基の右側で分解した場合、 Ar1-CH(CH3)-Ar2→Ar1-CH=CH2+H-Ar2 エチリデン基の左側で分解した場合、 Ar1-CH(CH3)-Ar2→Ar1-H+CH2=CH-Ar2 (ここでAr1およびAr2はアルキル側鎖を有するベンゼン
核である) すなわち、分解生成物としてp−アルキルスチレンおよ
びモノアルキルベンゼンが製造される。
分解後冷却し、分解生成物から分離すればp−アルキル
スチレンおよびモノアルキルベンゼンを高純度で回収す
ることができる。
分離の方法としては、従来から公知である物理的手段お
よび化学的手段の何れも選択できる。例えば、物理的手
段としては、溶剤に対する溶解度や分配係数の相違を利
用する溶剤抽出分離手段、吸着性の相違を利用する吸着
分離手段、融点、凝固点の相違を利用する晶析分解手
段、沸点の相違を利用する蒸留分離手段などが応用でき
る。
これらの手段のうち、蒸留分離手段が操作の容易さから
実際上は好ましい分離手段である。
[発明の効果] 本発明は、まずフッ化水素を触媒として、モノアルキル
ベンゼンとアセトアルデヒドを反応させ1,1−ビス(p
−アルキルフェニル)エタンを安価に製造するものであ
る。
フッ化水素を触媒とするため、硫酸を使用した場合に問
題となる触媒とモノアルキルベンゼンとの直接の反応に
よるスルホン化物によるモノアルキルベンゼンの損失は
殆ど起こらない。さらに、フッ化水素の沸点は19.5℃と
低いため、反応に一度使用して濃度が低下したフッ化水
素を蒸留で容易に回収でき、そのまま反応に再使用でき
るので、触媒コストも大幅に低減できる。
また、炭素数が3未満のアルキルベンゼンを使用した場
合に、アルキルベンゼンに対して副生するp−アルキル
エチルベンゼンはこれを脱水素するとすれば、前述のよ
うに実質的には何等損失とはならないが、本発明のよう
に炭素数が3以上のアルキルベンゼンを使用する場合で
は、副生アルキルエチルベンゼンの有効利用ができず、
原料アルキルベンゼンは副生分だけ損失となることは避
けられなかった。
しかしながら、本発明の方法によれば、副生物に起因す
る損失は、原料アルキルベンゼンに対して実質的に1%
以下に抑えられることが可能となった。そのため1,1−
ビス(p−アルキルフェニル)エタンの収率が向上し
て、アルキルベンゼンの損失も減少するので好ましい方
法である。
また、医薬品であるイブプロフェンの前駆体としてのp
−イソブチルスチレンは、1,1−ビス(p−イソブチル
フェニル)エタンを接触分解することにより容易に得ら
れるが、イブプロフェンは医薬として使用されるため、
この1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンの製
造工程におけるp−位選択性が問題となる。
本発明の方法では、1,1−ビス(p−イソブチルフェニ
ル)エタンのp−位選択性は95%以上と、硫酸を触媒と
して使用した場合よりも優れていることがわかった。
上記のような効果をまとめると、モノアルキルベンゼン
が特にイソブチルベンゼンなどの高価なものである場
合、本発明による製造費低減の効果は絶大であると言え
る。
以上実施例により本発明を詳述する。
[実施例] 実験No.1 670g(5モル)のイソブチルベンゼン(純度99.8%以
上)600g(30モル)の無水フッ化水素を、攪拌機付き2l
丸底フラスコに供給し、外部を冷却してフラスコ内の温
度を−20℃以下に保持した。攪拌下に、アセトアルデヒ
ド44g(1モル)とイソブチルベンゼン134g(1モル)
の混合液を4時間かけて徐々に滴下した。反応濃度は−
20℃に保持した。滴下流量後、さらに2時間攪拌した
後、この反応液を蒸留しフッ化水素を留去した。
次に約2%のNaOH水溶液を中性になるまで加えて反応液
を中和し、中和後下層の水層を抜き取った。残った油層
を十分に乾燥した後減圧蒸留したところ、1,1−ビス
(p−イソブチルフェニル)エタン271gを得た。1,1−
ビス(p−イソブチルフェニル)エタンの収率は、アセ
トアルデヒド基準で92.2モル%であり、p−位選択性は
96.4%であった。また、未反応のイソブチルベンゼン留
分は510g(3.8モル)であり、さらに副生成物であるp
−イソブチルエチルベンゼン留分は1g以下であった。な
お、アセトアルデヒド溶液添加中の反応液中におけるア
セトアルデヒドの濃度は0.5重量%以下であった。
蒸留により回収した無水フッ化水素の量は582g(回収率
97%)であった。
実験No.2〜6 無水フッ化水素とアセトアルデヒドのモル比を変化させ
た他は、実験No.1と同様にして反応させ、1,1−ビス
(p−イソブチルフェニル)エタンを製造した。その結
果を表1に示す。
実験No.7〜9 イソブチルベンゼンとアセトアルデヒドのモル比を変化
させた他は、実験No.6と同様にして反応させ、1,1−ビ
ス(p−イソブチルフェニル)エタンを製造した。その
結果を表2に示す。
実験No.10〜12 反応温度を変化させた他は実験No.6と同様にして反応さ
せ、1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンを製
造した。その結果を表3に示す。
実験No.13〜16 イソブチルベンゼンを他の炭素数3以上のアルキル側鎖
を持つモノアルキルベンゼンに置き換えた他は、実験N
o.1と同様にして反応させ、1,1−ビス(p−アルキルフ
ェニル)エタンを製造した。その結果を表4に示す。
実験No.17 1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンの接触分
解 15から25メッシュに揃えた日揮化学(株)製シリカアル
ミナ触媒N−631−L(商品名)を、内径12mmのステン
レス製反応管に高さ135mmまで充填した。これを電気炉
で温度500℃に加熱し、実験No.1で得た1,1−ビス(p−
イソブチルフェニル)エタンを15ml/hr、水を170ml/hr
の割合で連続的に供給して接触分解を行なった。反応器
出口を冷却した後、油層を分離しガスクロマトグラフで
分析した。結果は次の通りである。
ガスクロマトグラム分析結果 成 分 組成(重量%) 軽質留分 2.7 イソブチルベンゼン留分 24.6 p−イソブチルスチレン留分 24.8 未反応1,1−ビス(p−イソ ブチルフェニル)エタン留分 44.3 その他 3.6 計 100.0 実験No.18 1,1−ビス(p−イソブチルフェニル)エタンの接触分
野 15から25メッシュに揃えた触媒化成工業(株)製合成シ
リカ・アルミナ触媒FCC−HA(商品名)により、実験No.
17と同様に実験No.1で得た1,1−ビス(p−イソブチル
フェニル)エタンの接触分解を行なった。反応器出口を
冷却した後、油層を分解しガスクロマトグラムで分析し
た。結果は次の通りである。
ガスクロマトグラム分析結果 成 分 組成(重量%) 軽質留分 3.1 イソブチルベンゼン留分 30.2 p−イソブチルスチレン留分 26.7 未反応1,1−ビス(p−イソ ブチルフェニル)エタン留分 37.3 その他 2.7 計 100.0 [比較例] 比較実験No.1 イソブチルベンゼン670g(5モル)と95重量%濃度の硫
酸600g(5.8モル)を、攪拌機付2l丸底フラスコに供給
し、外部を冷却して0℃以下に保持した。攪拌下にアセ
トアルデヒド44g(1モル)とイソブチルベンゼン134g
(1モル)の混合液を、4時間かけて徐々に滴下した。
反応温度は0℃に保持した。滴下終了後、さらに2時間
攪拌した後、この反応液を分液漏斗に移し静置した。下
層の硫酸層を除去した後、振とうしながら約2%のNaOH
水溶液を中性になるまで加えてた。下の水層を抜き取
り、油層を減圧蒸留することにより、1,1−ビス(p−
イソブチルフェニル)エタン262gを得た。1,1−ビス
(p−イソブチルフェニル)エタンの収率はアセトアル
デヒド基準で89モル%であり、p−位選択性は93.5%で
あった。
さらに、分取した硫酸層中のスルホン化物をNMRおよび
イオンクロマトグラフィーにより分析したところ、スル
ホン化物であるイソブチルベンゼンスルホン酸の生成率
が、イソブチルベンゼン基準で7.4モル%と高いことが
解った。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数3以上のアルキル側鎖を持つモノア
    ルキルベンゼンとアセトアルデヒドとを、40℃以下の反
    応温度で、フッ化水素触媒の存在下に反応させて、1,1
    −ビス(p−アルキルフェニル)エタンを得て、次い
    で、酸触媒の存在下に、温度200〜650℃の範囲で接触分
    解することを特徴とするアルキルスチレンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記モノアルキルベンゼンが、イソブチル
    ベンゼンである特許請求の範囲第1項記載のアルキルス
    チレンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記モノアルキルベンゼンのアセトアルデ
    ヒドに対するモル比が、2から50の範囲にある特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記フッ化水素のアセトアルデヒドに対す
    るモル比が、1.7から300の範囲にある特許請求の範囲第
    1項記載のアルキルスチレンの製造方法。
  5. 【請求項5】前記アルキルスチレンが、p−アルキルス
    チレンである特許請求の範囲第1項記載のアルキルスチ
    レンの製造方法。
  6. 【請求項6】前記p−アルキルスチレンが、p−イソブ
    チルスチレンである特許請求の範囲第5項記載のアルキ
    ルスチレンの製造方法。
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