JP2756829B2 - p―イソブチルスチレンの製造方法 - Google Patents

p―イソブチルスチレンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高純度p−イソブチルスチレンの製造方法に
関する。さらに詳しくは新規物質であるo−、m−イソ
ブチルエチルベンゼンから不均化反応によりp−イソブ
チルエチルベンゼンを製造し、さらにこれを脱水素する
ことにより高純度p−イソブチルスチレンを製造する方
法に関する。
p−イソブチルスチレンは、消炎剤などの医薬として
有用なα−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸
(商品名:イブプロフエン)を安価に経済的に製造する
ための中間体として有用である。
[従来の技術] α−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸は、従
来から種々の方法で合成することが提案されている。そ
の一つとして、p−イソブチルスチレンからヒドロフオ
ルミル化反応またはレッペ反応により製造する方法が提
案されている(特開昭52−51338号公報、同52−6233号
公報、同52−97930号公報および同59−10545号公報)。
このp−イソブチルスチレンを使用する方法は、p−
イソブチルスチレンが単純で安定な化合物であり、また
ヒドロフオルミル化反応やレッペ反応等が高価な試薬な
どを消費しないために、α−(4−イソブチルフエニ
ル)プロピオン酸を製造する方法としては経済的に優れ
た方法である。
従来p−イソブチルスチレンは、特公昭59−35899号
公報に開示があるように、p−イソブチルアセトフエノ
ンを水素添加したのち、脱水して作ることが公知であ
る。また特開昭61−24527号公報に開示があるように、
イソブチルベンゼンとアセトアルデヒドとを硫酸触媒の
存在下で反応させて、1,1−ビス(p−イソブチルフエ
ニル)エタンとし、この1,1−ビス(p−イソブチルフ
エニル)エタンを酸触媒の存在下で接触分解してp−イ
ソブチルスチレンを製造している。しかしこれらは工程
数が多いとか、大量の触媒を消費するうえに、使用済み
の廃触媒が強酸性であるために廃棄が容易でないといっ
た問題点があるためにp−イソブチルスチレンの製造コ
ストが高くなる欠点を有する。
上記の事情に鑑みて本発明者らは鋭意研究の結果、p
−イソブチルエチルベンゼンのエチル基のみを選択的に
脱水素してp−イソブチルスチレンを製造する方法を開
発した。
しかるに、p−イソブチルエチルベンゼンの製造方法
に関する従来技術は極めて少なく、例えばBeilstein,EI
V5(Syn.Nr.470/H445)に記載されているように、1−
(4−エチルフエニル)−2−メチルプロパン−1−オ
ンを、ジエチレングリコール溶媒の存在下で水酸化カリ
ウムとヒドラジンにより還元して製造できる。しかし該
方法では原料となる1−(4−エチルフエニル)−2−
メチルプロパン−1−オンが極めて高価であるうえ、取
扱いが危険なヒドラジンを試薬として使用するため、工
業化に困難を伴う。また、特開昭61−37743号公報の実
施例に開示のように、1,1−ビス(p−イソブチルフエ
ニル)エタンの接触分解の副生物として生成することが
知られている。しかし該方法ではp−イソブチルエチル
ベンゼンは副生成物であるので生成量が極めて少なく好
ましくない。
上記の事情からp−イソブチルエチルベンゼンの安価
な製法の開発が従来から望まれていた。そこで本発明者
らはさらに検討を進め、アルキル化を利用したp−イソ
ブチルエチルベンゼンの製法を開発した。すなわち、例
えばイソブチルベンゼンをエチレン化する方法などであ
る。しかしエチレン化における位置選択性は一般に高く
なく、そのためエチル化工程ではp−体のほかo−、m
−の位置異性体がいずれも生成する。p−イソブチルエ
チルベンゼンを分離後のo−、m−イソブチルエチルベ
ンゼンをそのまま廃棄したのでは不経済である。また現
在のところo−、m−イソブチルエチルベンゼンの有用
な用途は知られていない。
そこで、本発明者らはo−、m−イソブチルエチルベ
ンゼンを酸触媒により不均化することによりp−イソブ
チルエチルベンゼンを製造することを試みた。しかし酸
触媒で不均化反応を行なうと、イソブチルエチルベンゼ
ンのイソブチル基の骨格異性化も同時に起こる。該骨格
異性化により生成するsec−ブチルエチルベンゼンなど
は、その異性体であるイソブチルエチルベンゼンなどと
は沸点が近接しているために蒸留によりこれらを分離す
ることが極めて難しい。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、新規物質であって従来有用な用途が
無かったo−またはm−イソブチルエチルベンゼンから
有用な用途を有するp−イソブチルスチレンを高純度で
製造する方法の提供にある。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明によれば、 [工程1]o−イソブチルエチルベンゼンおよび/ま
たはm−イソブチルエチルベンゼンを、必要に応じてイ
ソブチルベンゼンを共存させて酸触媒の存在下、反応温
度が−10〜600℃の範囲にあり、かつブチルエチルベン
ゼン中においてsec−ブチルエチルベンゼンの生成量が2
0重量%を超えないように反応させることによりp−イ
ソブチルエチルベンゼンおよびsec−ブチルエチルベン
ゼンから成る混合物を得て、 [工程2]前記工程(1)から回収されたp−イソブ
チルエチルベンゼンおよびブチルエチルベンゼン中にお
いて20重量%を超えない量のsec−ブチルエチルベンゼ
ンから成る混合物を気相で、反応温度300〜650℃、反応
圧力50Kg/cm2以下の条件で周期律表第1B族、第2B族、第
6A族、第7A族および第8族から選択される少なくとも一
種の金属を含有する脱水素金属触媒と接触させることを
特徴とする高純度p−イソブチルスチレンの製造方法が
提供される。
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
[作用] 本発明者らは、o−イソブチルエチルベンゼン、m−
イソブチルエチルベンゼンまたはこれらの混合物を酸触
媒から成る不均化触媒により不均化することによりp−
イソブチルエチルベンゼンを生成できることを見いだし
た。
該不均化に有効な固体酸触媒としては、シリカ−アル
ミナ、シリカ−マグネシア等の合成系でも、酸性白土、
活性白土のような天然系粘土系鉱物等でもよい。
ゼオライトを触媒として用いる場合、例えばHX型ゼオ
ライトまたはHY型ゼオライトまたは水素ホージヤサイト
などの水素ゼオライトを含有するものが使用できる。こ
れらの水素ゼオライトは、NaXゼオライト、NaYゼオライ
ト、Naホージヤサイトなどのようなゼオライトのアルカ
リ金属塩をカチオン交換によりその一部もしくは全部を
プロトン型に転化させたものであり、これらは強い固体
酸性を示す。このほかパーフルオロスルホン酸樹脂であ
る商品名「ナフイオン」などの強酸型陽イオン交換樹脂
なども例示できる。
有機酸としてはトリフルオロメタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸などが例示でき、無機酸としては塩
酸、硫酸、フッ化水素酸や、いわゆるフリーデル・クラ
フツ触媒として分類される塩化アルミニウム、臭化鉄、
塩化チタン、三フッ化ホウ素などのハロゲン化金属が挙
げられる。また、リンタングステン酸、リンモリブデン
酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸等のヘテロ
ポリ酸も有効である。ヘテロポリ酸は、モリブデンやタ
ングステンのポリ原子と一群のヘテロ原子との酸化物に
より生ずる酸物質であり、ヘテロ原子として、P、B、
V、As、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Ce、Th、Fe、Pt、Mn、C
o、Ni、Te、I、Al、Cr、Rh、Cu、Se等である。
本発明においては上記の酸触媒は、単独でも、あるい
は適宜2種類以上組み合わせてもよい。また担体に担持
させても使用できる。具体例としては、アルミナ、マグ
ネシア、シリカ、活性炭等の多孔性無機物を主体とする
担体に上記酸性物質を担持させた担持触媒等がある。
不均化反応に供給するものとしては、o−、m−イソ
ブチルエチルベンゼンまたはこれらの混合物である。か
かる混合物としては例えば、イソブチルベンゼンをエチ
レンでエチル化した後、p−イソブチルエチルベンゼン
を分離回収した残りのo−、m−イソブチルエチルベン
ゼンを含む留分などが例示できる。これにはイソブチル
ジエチルベンゼンまたはイソブチルトリエチルベンゼン
などのイソブチルポリエチルベンゼンが含まれても本発
明の目的には支障がない。
必要に応じてイソブチルベンゼンを共存させることも
できる。イソブチルベンゼンの共存量は適宜決定され
る。
不均化の反応温度は−10〜600℃の範囲から選択され
る。この温度範囲以内において生成物のブチルエチルベ
ンゼン合計量におけるsec−ブチルエチルベンゼンの量
が20重量%、好ましくは10重量%を超えないように適宜
最適条件を選択する必要がある。この最適条件のうち反
応温度は、使用する酸触媒の種類により異なる。例えば
シリカ−アルミナのような固体無機酸またはヘテロポリ
酸を用いた場合の最適温度条件は120〜450℃であり、水
素ゼオライト触媒では120〜350℃、強酸型陽イオン交換
樹脂触媒では−5〜250℃、フッ化水素酸またはトリフ
ルオロメタンスルホン酸触媒などの有機超強酸では−10
〜200℃であり、塩化アルミニウムなどのハロゲン化金
属では−5〜80℃である。
反応温度がこの下限より低いと、sec−ブチルエチル
ベンゼンの生成量は少ないものの反応速度が遅くなり、
不均化の反応率を高めるには長時間を要し、その結果効
率が低下して実用的ではない。また反応温度がこの上限
より高過ぎる場合には、イソブチル基の骨格異性化反応
が著しくなり、生成物中のイソブチルエチルベンゼンお
よびsec−ブチルエチルベンゼンなどのブチルエチルベ
ンゼンの合計中のsec−ブチルエチルベンゼンが20重量
%を超えることになり好ましくない。さらに別の副反応
である分解も起こり目的物の収量が低下するので好まし
くない。
例えば反応温度を上記のように制御したとしても通常
はsec−ブチルエチルベンゼンの生成を完全に抑制する
ことは困難である。すなわち、本発明の不均化方法によ
る限りは、通常は少なくとも0.1重量%程度のsec−ブチ
ルエチルベンゼンが生成する。したがって、不均化反応
の生成物中にはブチルエチルベンゼンの合計量に対して
通常はsec−ブチルエチルベンゼンが0.1重量%程度以上
含まれざるを得ない。
しかし前記のようにイソブチルエチルベンゼンの用途
は、医薬中間体用など高純度であるほど好ましく、分離
困難なsec−ブチルエチルベンゼンの混入は当然ながら
好ましくない。
ここで、sec−ブチルエチルベンゼンおよびp−イソ
ブチルエチルベンゼンを脱水素するとすれば、予想され
る生成物の一つはそれぞれsec−ブチルスチレンおよび
p−イソブチルスチレンである。しかしこれらの沸点は
互いに近接しているので蒸留による分離が困難であるこ
とは不均化の場合と同様である。したがって不均化生成
物を脱水素しても蒸留による分離の困難さは変わらな
い。むしろ脱水素時の副反応の存在で分離をさらに困難
にさせることが予想される。
しかるに本発明者等の検討によれば、上記sec−ブチ
ルエチルベンゼンとp−イソブチルエチルベンゼンとの
混合物を、特定の条件下で脱水素金属触媒と接触させる
とsec−ブチルエチルベンゼンが脱水素の他に優先的に
分解などの副反応を受け、一方p−イソブチルエチルベ
ンゼンはエチル基の脱水素反応のみを優先的に受けるこ
とが分かった。すなわち、少なくともp−イソブチルエ
チルベンゼンがp−イソブチルスチレンへと脱水素され
る条件下では、sec−ブチルエチルベンゼンとp−イソ
ブチルエチルベンゼンとの混合物からは主としてp−イ
ソブチルスチレンが得られることが判明した。
しかしながら、脱水素原料中に著しく多量のsec−ブ
チルエチルベンゼンが存在すると、例え脱水素するとし
てもp−イソブチルスチレンを高純度で分離回収するこ
とは容易ではない。
したがって、本発明では脱水素原料としてはブチルエ
チルベンゼン合計中のsec−ブチルエチルベンゼンは20
重量%、好ましくは10重量%を超えないことが肝要であ
る。
不均化反応の溶媒としては、該反応およびp−イソブ
チルエチルベンゼンの分離精製に悪影響の無いものであ
れば特に制限はない。
反応形態は、気相または液相の何れでもよく、回分式
または固定床、移動床、流動床などの流通式の何れでも
実施できる。
本発明の不均化反応後、必要に応じて蒸留することに
よりp−イソブチルエチルベンゼンは高純度で回収でき
る。すなわち、その位置異性体であるm−体やo−体か
らは蒸留による分離が可能である。しかし前記のように
sec−ブチルエチルベンゼンとの分離はある程度以上に
なると蒸留では困難である。p−イソブチルエチルベン
ゼンの純度が適当であれば不均化反応生成物をそのまま
次の脱水素工程に送ることができる。
上記蒸留は、減圧蒸留、常圧蒸留、加圧蒸留の何れで
もよいが、目的とするp−イソブチルエチルベンゼンの
沸点が比較的高く、蒸留時の熱変質を避けるためには常
圧蒸留または減圧蒸留が好ましい。蒸留塔の形式はトレ
ー型でも充填物型の何れでもよい。また装置としては連
続式でも回分式でもよい。蒸留装置の精度としては、通
常は理論段数が20以上、好ましくは30以上である。
不均化反応生成物から必要に応じて行なう蒸留により
得られたp−イソブチルエチルベンゼンとsec−ブチル
エチルベンゼンの混合物は、反応温度300〜650℃、圧力
50Kg/cm2以下の気相で周期律表中第1族B族、第2族B
族、第6族A族、第7族A族および第8族から選択され
た少なくとも一種の金属を含む脱水素金属触媒と接触さ
せた後、必要に応じて蒸留することにより高純度のp−
イソブチルスチレンを回収することができる。本発明で
は、sec−ブチルエチルベンゼンの大半は脱水素触媒と
接触して分解などの副反応を受けて、より低分子量化合
物へと変換される。一方、p−イソブチルエチルベンゼ
ンは主としてp−イソブチルスチレンへと脱水素され
る。したがって、脱水素反応以前の状態では、蒸留分離
が困難な成分で汚染されていたものが、脱水素反応以後
の状態ではより高純度に、いわば精製される結果とな
る。
脱水素触媒は周期律表第1族B族、第2族B族、第6
族A族、第7族A族および第8族から選択された少なく
とも一種の金属を含む脱水素金属触媒であり、具体的に
は鉄、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、コバル
ト、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、クロム、モリ
ブデンなどの金属化合物が例示でき、これらの組み合わ
せも有効である。中でも鉄、銅、クロムから選択された
少なくとも1種の金属を含む触媒が好ましい。これらの
金属は単体、酸化物、塩化物、硫化物、など何れの形態
でも使用できる。特に酸化鉄系触媒、銅−クロム系触媒
などはp−イソブチルスチレンへの選択性が良く、本発
明の目的には特に好ましい。
通常、脱水素触媒は長時間使用しているとコーキング
等により次第に活性が低下するので、その場合には、例
えば500℃程度の高温で空気等でデコーキングすること
により初期の活性を再現できる。必要に応じて200〜500
℃で水素の流れ中に置くことによる水素処理を行っても
よい。
脱水素温度は、触媒の組成、接触時間、希釈モル比な
どに応じて300〜650℃、好ましくは400〜650℃の範囲で
選択できる。この範囲より高くなると分解反応のみなら
ず生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱水素され
るといった副反応が急速に高まり、p−イソブチルスチ
レンの選択率が著しく低下する。これはp−イソブチル
エチルベンゼンの損失が大きいだけでなく、生成物の分
布が極めて複雑になり蒸留等によるp−イソブチルスチ
レンおよび未反応p−イソブチルエチルベンゼンなどの
分離が困難になるので好ましくない。また反応温度がこ
の範囲より低いと、目的とする脱水素反応の反応速度が
著しく低下して経済的に好ましくない。
脱水素反応により生成するオレフインは重合性である
ために、反応層中でのオレフイン濃度が高い状態を高温
で継続すると、生成したp−イソブチルスチレンの一部
が重合して損失となる。これを避けるには、非還元性ガ
ス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、スチーム、酸素
などを同伴させてオレフイン濃度を希釈するのが有効で
ある。ベンゼンなどの脱水素され難い溶媒で希釈するこ
ともできる。また脱水素の触媒活性を維持するために、
反応層にスチームを導入して脱水素するのもよい。スチ
ーム量には特に制限されない。
脱水素工程の形式は固定床、移動床、流動床の何れで
もよい。
反応圧力は、上記の反応条件下で生成したp−イソブ
チルスチレンが気化し得る範囲であれば特に限定されな
いが、通常50Kg/cm2以下、好ましくは常圧ないし10Kg/c
m2である。
原料のp−イソブチルエチルベンゼンと触媒との接触
時間は0.005〜20秒、好ましくは0.01〜10秒、さらに好
ましくは0.05〜5秒である。接触時間がこれより短いと
反応率が低下して好ましくない。また、これより長いと
生成したp−イソブチルスチレンがさらに脱水素される
などの副反応が多くなりp−イソブチルスチレンの選択
率が低下する。反応形式、反応ガス組成、触媒組成、反
応温度、または原料ガス予熱温度等の組み合わせの相違
により上記範囲内で適宜変化できる。
また上記脱水素工程は連続式でも回分式でも実施でき
る。
脱水素金属触媒との接触後、必要に応じて蒸留により
p−イソブチルスチレンが高純度で回収できる。前記の
ようにp−イソブチルスチレンは実質的に精製される結
果その後の反応の種類によっては脱水素生成物を特に蒸
留することなく次の工程に送ることができる。
かくして得られたp−イソブチルスチレンは、遷移金
属触媒の存在下で、一酸化炭素と水とでヒドロカルボキ
シル化する、一酸化炭素とアルコールとでヒドロエステ
ル化し加水分解する、または一酸化炭素と水素とでヒド
ロフオルミル化してα−(4−イソブチルフエニル)プ
ロピオンアルデヒドとした後、酸化することにより医薬
として有用なα−(4−イソブチルフエニル)プロピオ
ン酸が容易に得られる。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
以下に記載の%は特に言及しない限り重量%である。
実施例1 o−イソブチルエチルベンゼンの合成 攪拌器と還流器を具備した四っ口7lセパラブルフラス
コに、十分乾燥したジエチルエーテル3lと金属マグネシ
ウム245gを入れ、ジエチルエーテル還流下でイソブチル
ブロマイド1370g(10mol)を徐々に滴下した。滴下終了
後、ジエチルエーテル還流下で1時間攪拌し、得られた
イソブチルマネシウムブロマイドのジエチルエーテル溶
液を滴下ロートに移した。
攪拌器と還流器を具備した四っ口15lセパラブルフラ
スコに、十分乾燥したジエチルエーテル3lとo−ブロモ
スチレン915g(5mol)およびビス(1,3−ジフエニルホ
スフイノ)プロパンニッケル(II)クロライド31gを入
れ、攪拌しながら上記のイソブチルマネシウムブロマイ
ドのジエチルエーテル溶液を滴下した。滴下終了後、ジ
エチルエーテル還流下で反応が完結するまで攪拌を続け
た。反応終了後、室温まで冷却し、氷中に投じて残存す
るイソブチルマネシウムブロマイドを失活した。分液ロ
ートにてエーテル層を分離して中性になるまで水洗して
ジエチルエーテルを留去したところ粗o−イソブチルス
チレンが176g得られた。
攪拌器付き1オートクレーブに10%パラジウムブラ
ック触媒を35.8gと上記o−イソブチルスチレン全量を
入れ、反応温度50℃、水素圧20Kg/cm2において水素添加
した。水素の吸収がなくなった後、反応混合物を濾過し
て触媒を除去し、蒸留した結果、純度99.8%のo−イソ
ブチルエチルベンゼンが642g得られた。
o−イソブチルエチルベンゼンの物性 沸点(静止法) 211.1℃(無色液体) 比重(オストワルドビクノメータ法、15/4℃) 0.87
24 屈折率(N20 D) 1.4956 動粘度(40℃) 1.46 CS 赤外吸収スペクトル(液膜法、cm-1) 2960、1950、1920、1850、1820、 1700、1610、1500、1470、1390、 1370、1340、1290、1170、1140、 1080、1070、 970、 940、 920、 800、760 核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒、δppm) 6.95 (4H、1重線) 2.3〜2.8(4H、5重線) 1.5〜2.1(1H、7重線) 1.0〜1.4(3H、3重線) 0.7〜1.0(6H、2重線) 質量分析スペクトル(El、70eV) m/o (パターン係数) 162 ( 31) 133 ( 5) 119 (100) 105 ( 14) 91 ( 24) 77 ( 7) 43 ( 5) 29 ( 2) 元素分析(C12H18として) 理論値 C:88.89 H:11.11 分析値 C:88.92 H:10.97 実施例2 m−イソブチルエチルベンゼンの合成 攪拌器と還流器の付いた四っ口7lセパラブルフラスコ
に、十分乾燥したジエチルエーテル3lと金属マグネシウ
ム245gを入れ、ジエチルエーテル還流下でイソブチルブ
ロマイド1370g(10mol)を徐々に滴下した。滴下終了
後、ジエチルエーテル還流下で1時間攪拌し、得られた
イソブチルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテル
溶液を滴下ロートに移した。
攪拌器と還流器の付いた四っ口15lセパラブルフラス
コに、十分乾燥したジエチルエーテル3lとm−ブロモス
チレン915g(5mol)およびビス(1,3−ジフエニルホス
フイノ)プロパンニッケル(II)クロライド31gを入
れ、攪拌しながら室温で上記イソブチルマグネシウムブ
ロマイドのジエチルエーテル溶液を滴下した。滴下終了
後、ジエチルエーテル還流下で反応が完結するまで攪拌
を続けた。反応終了後、室温まで冷却し、氷中に投じた
残存するイソブチルマグネシウムブロマイドを失活し
た。分液ロートでエーテル層を分離して中性になるまで
水洗してジエチルエーテルを留去すると粗m−イソブチ
ルスチレンが670g得られた。
攪拌器付き1オートクレーブに10%パラジウムブラ
ック触媒を33.5gと上記粗m−イソブチルスチレンを全
量入れ、反応温度50℃、水素圧力20Kg/cm2にて水素添加
した。水素の吸収がなくなった後、反応混合物を濾過し
て触媒を除き蒸留したところ、純度99.7%のm−イソブ
チルエチルベンゼンが617g得られた。
m−イソブチルエチルベンゼンの物性 沸点(静止法) 210.8℃(無色液体) 比重(オスワルドビクノメータ法、15/4℃) 0.8583 屈折率(N20 D) 1.4884 動粘度(40℃) 1.29 CS 赤外吸収スペクトル(液膜法、cm-1) 2960、1940、1860、1800、1700、 1620、1590、1500、1470、1390、 1370、1340、1290、1220、1180、 1110、1090、1070、1060、 890、 820、 790、 740、 710 核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒、δppm) 6.95 (4H、1重線) 2.3〜2.8(4H、5重線) 1.5〜2.1(1H、7重線) 1.0〜1.4(3H、3重線) 0.7〜1.0(6H、2重線) 質量分析スペクトル(El、70eV) m/o (パターン係数) 162 ( 35) 133 ( 2) 119 (100) 105 ( 19) 91 ( 24) 77 ( 6) 43 ( 7) 29 ( 2) 元素分析(C12H18として) 理論値 C:88.89 H:11.11 分析値 C:88.91 H:10.99 実施例3 p−イソブチルエチルベンゼンの製造[不均化反応1] 実施例1で得られたo−イソブチルエチルベンゼン60
0g、純度99.8%のイソブチルベンゼン1200g、およびシ
リカ−アルミナ触媒N633L(商品名、日揮化学(株)
製)90gを、内容量3lの攪拌器付きオートクレーブに入
れ、系内の気体部分を窒素で置換した後密閉して270℃
に昇温し、24時間不均化反応させた。反応混合物の組成
を第1表に示した。
o−イソブチルエチルベンゼンの転化率76.6%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率31.0%であった。
実施例4 p−イソブチルエチルベンゼンの製造[不均化反応2] 実施例2で得られたm−イソブチルエチルベンゼン60
0g、純度99.8%のイソブチルベンゼン1200g、およびシ
リカ−アルミナ触媒N633L(商品名、日揮化学(株)
製)90gを、内容量3lの攪拌器付きオートクレーブに入
れ、系内の気体部分を窒素で置換した後密閉して270℃
に昇温し、24時間不均化反応させた。反応混合物の組成
を第2表に示した。
m−イソブチルエチルベンゼンの転化率53.7%、p−
イソブチルエチルベンゼンへの選択率22.6%であった。
実施例5[不均化反応3] 実施例1および2で得られたm−、o−イソブチルエ
チルベンゼンの等量混合物600g、純度99.8%のイソブチ
ルベンゼン1200g、およびシリカ−アルミナ触媒N633L
(商品名、日揮化学(株)製)90gを、内容量3lの攪拌
器付きオートクレーブに入れ、系内の気体部分を窒素で
置換した後密閉して270℃に昇温し、24時間不均化反応
させた。反応混合物の組成を第3表に示した。
得られた反応混合物のうち1000gを2lの三っ口フラス
コに入れ、内径30mm、長さ1.5mのガラス管に東京特殊金
網(株)製充填物「Heli Pack No.3 metal」(商品名)
を充填した理論段数35段の蒸留塔を用いて還流比20で回
分式に蒸留したところ、p−イソブチルエチルベンゼン
の純度97.2%の留分が43.4g(回収率63.0%、ブチルエ
チルベンゼン合計中のsec−ブチルエチルベンゼンの含
量1.9%)であった。
実施例6[不均化反応4] 下記第4表の混合物500gと純度99重量%のトリフルオ
ロメタンスルホン酸25gを1オートクレーブに入れ、
攪拌下110℃で24時間不均化反応させ、反応混合物をCa
(OH)2で中和後水洗して有機層をガスクロマトグラフイ
ーで分析した結果を第5表に示した。
この不均化反応混合物を1の三っ口フラスコに入
れ、実施例5と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が16g
(回収率68.1%、ブチルエチルベンゼン合計中のsec−
ブチルエチルベンゼンの含量2.2%)であった。
実施例7[不均化反応5] 実施例6と同様に、前記第4表の混合物500gと純度9
9.7重量%のフッ化水素25gを1オートクレーブに入
れ、攪拌下110℃で24時間不均化反応させ、反応混合物
をCa(OH)2で中和後水洗して有機層をガスクロマトグラ
フイーで分析した結果を第6表に示した。
この不均化反応混合物を1の三っ口フラスコに入
れ、実施例6と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が15g
(回収率65.2%、ブチルエチルベンゼン合計中のsec−
ブチルエチルベンゼンの含量2.0%)であった。
実施例8[不均化反応6] 実施例6と同様に、前記第4表の混合物500gとHYゼオ
ライト25gを1オートクレーブに入れ、攪拌下180℃で
24時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ別して
有機層をガスクロマトグラフイーで分析した結果を第7
表に示した。
この不均化反応混合物を1の三っ口フラスコに入
れ、実施例5と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が25g
(回収率70.4%、ブチルエチルベンゼン合計中のsec−
ブチルエチルベンゼンの含量0.5%)であった。
実施例9[不均化反応7] 実施例6と同様に、前記第4表の混合物500gとリンタ
ングステン酸25gを1オートクレーブに入れ、攪拌下2
50℃で24時間不均化反応させ、反応混合物から触媒をろ
別して有機層をガスクロマトグラフイーで分析した結果
を第8表に示した。
この不均化反応混合物を1の三っ口フラスコに入
れ、実施例5と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が19g
(回収率67.9%、ブチルエチルベンゼン合計中のsec−
ブチルエチルベンゼンの含量2.2%)であった。
実施例9a[不均化反応8] 実施例6と同様に、前記第4表の混合物500gとナフイ
オン樹脂ペレット(商品名、デユポン社製)30gを1
オートクレーブに入れ、攪拌下180℃で24時間不均化反
応させ、反応混合物から触媒をろ別して有機層をガスク
ロマトグラフイーで分析した結果を第8a表に示した。
この不均化反応混合物を1の三っ口フラスコに入
れ、実施例5と同様にして蒸留したところ、p−イソブ
チルエチルベンゼンの純度97重量%以上の留分が20g
(回収率69.0%、ブチルエチルベンゼン合計中のsec−
ブチルエチルベンゼンの含量1.9%)であった。
実施例10[エチル化と不均化] 純度99.8重量%のイソブチルベンゼン6000mlとシリカ
−アルミナ触媒IS−28(商品名、触媒化成工業(株)
製)260gとを10lのオートクレーブに仕込み、攪拌しな
がら系内の温度を250℃にした後エチレンを張り込んで
圧力を20Kg/cm2に維持したまま12時間反応させた。反応
終了後、触媒をろ別してガスクロマトグラフイーで分析
した。反応混合物の組成を第9表に示した。
この結果イソブチルベンゼンの転化率19.7重量%、消
費したイソブチルベンゼンのモル数に対する生成したp
−イソブチルエチルベンゼンのモル数の割合(以下、p
−イソブチルエチルベンゼンへの選択率と呼称)は17.6
%、イソブチルエチルベンゼンの位置異性体は、o:m:p
=40:31:29であった。
このエチル化反応混合物5742gを実施例5と同様にし
て蒸留したところp−イソブチルエチルベンゼンの純度
97.3%の留分が188g(回収率75.9%)であった。
次いで、このエチル化反応混合物からp−イソブチル
エチルベンゼンを回収した残りの留分の全てを267gのHY
ゼオライト触媒を用いて180℃で24時間不均化反応を行
い、得られた反応混合物5550g(p−イソブチルエチル
ベンゼン含量4.6重量%)を蒸留したところ、p−イソ
ブチルエチルベンゼンの純度97.1%の留分が209g(回収
率79.6%、ブチルエチルベンゼン異性体中のsec−ブチ
ルエチルベンゼン含量2.4%)であつた。
実施例11 p−イソブチルスチレンの製造[脱水素反応1] カリウムおよびクロムを助触媒とする酸化鉄系の脱水
素触媒G−64A(商品名、日産ガードラー(株)製)を
粒径1〜2mmに調整し、内径12mm、長さ1mのステンレス
管に20ml充填した。実施例5を繰り返すことにより得ら
れたp−イソブチルエチルベンゼン留分100gを10ml/h
r、および水90ml/hrの流量で、予熱管を経由して、反応
温度550℃で触媒層に通し脱水素させた(触媒との接触
時間0.2秒、p−イソブチルエチルベンゼン留分に対す
るスチームのモル比93)。脱水素物は冷却し、ガスおよ
び水を分離した後、有機層についてガスクロマトグラフ
イーにより分析した。得られた有機層の組成を第10表に
示した。
これから、p−イソブチルエチルベンゼン(以下、PB
Eと呼称することがある)の転化率は28.9%、p−イソ
ブチルスチレン(以下、PBSと呼称することがある)へ
の選択率は82.9%であった。
得られた有機層のうち90gとフラックス油としてのシ
リコーン油300gを500mlの三っ口フラスコに入れ、実施
例5におる回分式蒸留と同様にして蒸留したところp−
イソブチルスチレンの純度98.7%の留分が得られた。こ
の留分中のsec−ブチルエチルベンゼンの脱水素物に相
当する化合物の量は0.3%であった。
すなわち、反応後、原料のp−イソブチルエチルベン
ゼンに対応する化合物であるp−イソブチルスチレンの
純度が向上したことが分かる。
実施例12〜16 Cr2O3 18重量%、CuO 39重量%、ZnO 38重量%か
ら成る銅−クロム系脱水素触媒を使用して、実施例11に
準じて同じ原料について脱水素反応を行った。反応後、
実施例11と同様にして蒸留した。得られた結果を第11表
に示した。
実施例17 脱水素触媒の金属に代えて次表の金属触媒を用いた他
は実施例11に準じてp−イソブチルエチルベンゼン留分
の脱水素を行った。金属はいずれも酸化物としてシリカ
に担持して用いた。反応後実施例11と同様にして蒸留し
た。結果を第12表に示した。
参考例1 α−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸メチルの
製造[ヒドロエステル化反応] 実施例11で蒸留して得られた純度98.7%のp−イソブ
チルスチレン25.0g、メタノール10.0ml、溶媒としての
トルエン100ml、触媒としてのPdCl20.0271g、助触媒と
してのCuCl20.0105g、さらに配位子のトリフエニルホス
フイン0.0812gを内容量200mlの攪拌器付きオートクレー
ブに入れ、攪拌しながら90℃に昇温した後、一酸化炭素
で70Kg/cm2の圧力に維持し、8時間反応させた。反応終
了後冷却し反応混合物をガスクロマトグラフイーで分析
した結果、p−イソブチルスチレンの転化率99.8%、α
−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸メチルへの
選択率90.2%を得た。
参考例2 α−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸の製造
[加水分解反応] 参考例1の反応混合物を蒸留して得られた純度99.0%
のα−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸メチル
15gと10%水酸化ナトリウム水溶液75mlとを攪拌しなが
ら還流させ、約3時間加水分解した。冷却後、混合物を
静置分離させ、下層の水層をノルマルヘキサンで洗浄し
た。
水層に5%塩酸を加えpHを2に調整し、分離して油分
をノルマルヘキサンで抽出し水洗した。ノルマルヘキサ
ンを減圧で蒸発分離し、淡黄色の粗α−(4−イソブチ
ルフエニル)プロピオン酸結晶させ白色の精製α−(4
−イソブチルフエニル)プロピオン酸結晶12.0gを得
た。
粗α−(4−イソブチルフエニル)プロピオン酸をノ
ルマルヘキサン溶媒で再結晶させ白色の精製α−(4−
イソブチルフエニル)プロピオン酸(融点75〜76℃)結
晶10.4gを得た。このものの融点、スペクトルなどは標
品と一致した。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、新規物質であることに起因し
て従来用途が無かったo−、m−イソブチルエチルベン
ゼンから有用なp−イソブチルスチレンが高純度で製造
できる。p−イソブチルスチレンの有用な用途が高純度
品を要求される医薬であるところから、本発明の方法に
より蒸留などにより分離が不可能な成分で汚染されてい
ない高純度のp−イソブチルスチレンが得られることは
工業的に極めて有意義である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[工程1]o−イソブチルエチルベンゼン
    および/またはm−イソブチルエチルベンゼンを、必要
    に応じてイソブチルベンゼンを共存させて酸触媒の存在
    下、反応温度が−10〜600℃の範囲にあり、かつブチル
    エチルベンゼン中においてsec−ブチルエチルベンゼン
    の生成量が20重量%を超えないように反応させることに
    よりp−イソブチルエチルベンゼンおよびsec−ブチル
    エチルベンゼンから成る混合物を得て、 [工程2]前記工程(1)から回収されたp−イソブチ
    ルエチルベンゼンおよびブチルエチルベンゼン中におい
    て20重量%を超えない量のsec−ブチルエチルベンゼン
    から成る混合物を気相で、反応温度300〜650℃、反応圧
    力50Kg/cm2以下の条件で周期律表第1B族、第2B族、第6A
    族、第7A族および第8族から選択された少なくとも一種
    の金属を含有する脱水素金属触媒と接触させることを特
    徴とする高純度p−イソブチルスチレンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記触媒が、固体酸、フリーデル・クラフ
    ツ触媒、有機酸、無機酸、ヘテロポリ酸および強酸型陽
    イオン交換樹脂から成る群から選択された酸触媒である
    請求項1記載の高純度p−イソブチルスチレンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記脱水素金属触媒が鉄、銅、亜鉛、ニッ
    ケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イリジ
    ウム、ルテニウム、クロムおよびモリブデンの金属化合
    物からなる群から選択された金属触媒である請求項1記
    載の高純度p−イソブチルスチレンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記脱水素金属触媒が酸化鉄触媒または銅
    −クロム系触媒である請求項1記載の高純度p−イソブ
    チルスチレンの製造方法。
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