JP2009029800A - アルキル芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

アルキル芳香族化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶出の無い、活性の高い触媒を用いた、新規な不均化または異性化によるアルキル芳香族化合物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物に、下式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒を接触させて、不均化及び異性化のうち少なくともいずれかの反応をさせることにより、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該芳香族化合物とは異なるアルキル芳香族化合物を製造する方法。
3−mPX1240 (1)
(XはW又はMoを表し、Zは(NH)又はアルカリ金属原子を表し、mは0<m<3の任意の値を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明はアルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物を、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該芳香族化合物とは異なるアルキル芳香族化合物を製造する方法に関するものである。
不均化若しくは異性化反応によるアルキル芳香族化合物の製造方法として、ヘテロポリ酸触媒、例えば、特許文献1および2の様に12タングストケイ酸、12タングストリン酸などの触媒が知られている。またゼオライト触媒としては特許文献3の様にY型ゼオライトなどの触媒が知られている。
米国特許明細書第3221072号 米国特許明細書第3172918号 特表平10−508300号公報
しかし、アルキル芳香族化合物を反応させることによって不均化する方法においても、特許文献1に記載されている通常の担持ヘテロポリ酸触媒では溶出がある、あるいは活性が低いという課題があった。
また、異性化反応によるアルキル芳香族化合物の製造方法においても、特許文献2に記載されている通常の担持ヘテロポリ酸触媒では溶出があり、活性が低いという課題があった。
かかる現状において、従来は反応において触媒の溶出が認められたり、活性が不十分であったりしたので、溶出の無い、活性の高い触媒を用いた、新規な不均化または異性化によるアルキル芳香族化合物の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物に、下式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒を接触させて、不均化及び異性化のうち少なくともいずれかの反応をさせることにより、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該芳香族化合物とは異なるアルキル芳香族化合物を製造する方法に係わるものである。
3−mPX1240 (1)
(XはW又はMoを表し、Zは(NH)又はアルカリ金属原子を表し、mは0<m<3の任意の値を表す。)
本発明により、ヘテロポリ酸塩触媒を用いた、不均化または異性化によるアルキル芳香族化合物の新規な製造方法を提供することができる。
ヘテロポリ酸塩触媒としては、従来、リンを含む多数のヘテロポリ酸のアルカリ金属塩触媒が提案されている。しかし、リンを含むヘテロポリ酸アルカリ金属部分塩が不均化または異性化によるアルキル芳香族化合物の製造方法、例えば、o−ジイソプロピルベンゼンの異性化による、m−ジイソプロピルベンゼンの製造方法に有効であることは知られていなかった。
以下、ヘテロポリ酸塩触媒について説明する。
原料として用いるヘテロポリ酸としては、式(2)である。
3PX1240 (2)
(XはW又はMoを表す。)
すなわち、12−タングストリン酸、12−モリブドリン酸である。
対カチオンとしては、(NH4)、アルカリ金属原子のいずれか1つであるが、原料としてはアンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩、水酸化物、硝酸塩などの化合物が挙げられる。
本発明に係るアルキル芳香族化合物を製造する方法(以下、「本発明に係る製造方法」ということもある)に用いられるヘテロポリ酸塩触媒は、下式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒であって、芳香族化合物のアルキル化、アルキル芳香族化合物の不均化、異性化反応に用いられる。
3-mmPX1240 (1)
(XはW又はMoを表し、Zは(NH4)又はアルカリ金属原子を表し、mは0<m<3の任意の値を表す。)
式(1)のmの値である(NH4)、アルカリ金属原子とP原子の比は0より大きい値、3未満の値であり、好ましくは0.5以上、3未満が挙げられる。さらに好ましくは、2.1以上3未満が挙げられる。
ヘテロポリ酸塩の好ましい例示としては、タングステンを含む化合物の方が、酸として強度が高いので、12−タングストリン酸のアンモニウム塩、あるいは、アルカリ金属塩が挙げられ、さらに好ましくは、12−タングストリン酸のセシウム塩が挙げられる。
12−タングストリン酸、12−モリブドリン酸の塩は水溶液を用いてアルカリ金属と塩を形成した場合にできるだけメソ細孔の多い酸量の多い触媒とすることが重要である。
次に、ヘテロポリ酸塩触媒の製造方法について説明する。
式(1)で表されるヘテロポリ酸塩の調製に使用するヘテロポリ酸としては、式(2)で表される12−タングストリン酸、もしくは、12−モリブドリン酸である。
3-mmPX1240 (1)
(XはW又はMoを表し、Zは(NH4)又はアルカリ金属原子を表し、mは0<m<3の任意の値を表す。)
4PX1240 (2)
(XはW又はMoを表す。)
ヘテロポリ酸の水溶液とアンモニウム、アルカリ金属の化合物の水溶液を用いて沈殿形成させる方法では、アルカリ金属とリンのモル比によってメソ細孔が形成されず、ミクロ細孔が形成され、本発明に係る製造方法における不均化及び異性化のうち少なくともいずれかの反応が進行しにくくなる場合がある。
すなわち、式(2)で表されるヘテロポリ酸の水溶液にアンモニウム若しくはアルカリ金属化合物の溶液を後述する好ましいアルカリ金属とリンの比率で加えて塩形成によって調製する方法が好ましい。
具体的に、上記式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒の製造方法について説明するが、以下に記述する方法に限定される訳ではない。例えば、式(2)のヘテロポリ酸を溶解する溶媒としては、通常水が用いられる。
次に、アンモニウムまたはアルカリ金属化合物としては、アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩、水酸化物、硝酸塩などの化合物が挙げられるが、例えば、アンモニア水、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの炭酸塩、水酸化物、硝酸塩の溶液が挙げられ、ヘテロポリ酸の溶液に加えた場合に、塩を形成する化合物が好ましく使用される。中でも、セシウム化合物の溶液が好ましく使用される。好ましい溶媒としては水が挙げられる。
mで表されるヘテロポリ酸の溶液に加える(NH4)、アルカリ金属原子とP原子の比は0より大きい値、3未満の値であるが、好ましくは、0.5以上、3未満が挙げられる。さらに好ましくは、2.1以上3未満が挙げられる。
ヘテロポリ酸の溶液にアンモニウムまたはアルカリ金属化合物の溶液を加える方法としては、通常、ヘテロポリ酸の溶液の攪拌下にアンモニウムまたはアルカリ金属化合物の溶液を滴下する方法が挙げられるが、ヘテロポリ酸の溶液の温度は室温以上、溶媒の沸点以下が挙げられ、常圧下に行われるのが、通常である。攪拌は十分行われるのが望ましい。好ましい溶媒としては水が挙げられる。
以上の方法で調製されたヘテロポリ酸塩の懸濁液から沈殿を取り出す方法としては、様々あるが、好ましくは、蒸発乾固法が採用される。蒸発乾固法としては、懸濁液を加熱して、溶媒を留去する方法、ロータリーエバポレータを使用して、沈殿を取り出す方法などが好ましく用いられる。
蒸発乾固する温度としては、通常、30℃から100℃が挙げられる。
さらに、ヘテロポリ酸塩触媒は担体に担持して使用することもできる。担持する担体としては、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、活性炭、アルミナ、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化タンタルなどが挙げられるが、好ましくは、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、活性炭が挙げられる。さらに好ましくは、シリカ、活性炭が挙げられる。
担体に担持する方法の例としては、蒸発乾固したヘテロポリ酸塩と担体粉末を溶媒存在下に混合して懸濁させ、攪拌しながら溶媒を留去させる方法が挙げられる。溶媒としては、ヘテロポリ酸塩を調製する際に例示した水などが挙げられる。また、ヘテロポリ酸の溶液にアンモニウムまたはアルカリ金属化合物の水溶液を加える際に担体粉末をあらかじめ溶媒に懸濁させておき、沈殿を形成させる時に担持する方法などが挙げられる。担持方法はこれらに限定されないが、ヘテロポリ酸塩を担体に担持する方法であれば、いかなる方法も採用される。
担体を用いる場合は、ヘテロポリ酸塩と担体の質量の比率は通常1:0.1から1:100である。
蒸発乾固する温度としては、同じく通常、30℃から100℃が挙げられる。
ヘテロポリ酸塩触媒を調製する具体的方法としては様々な方法が挙げられるが、以下に示す方法は好ましい方法として挙げられる。
ヘテロポリ酸溶解工程:下式(2)で表されるヘテロポリ酸を水などの溶媒に溶解する工程。
アルカリ溶液調製工程:アルカリ金属化合物を水などの溶媒に溶解する工程。
ヘテロポリ酸塩形成工程:ヘテロポリ酸溶解工程で調製したヘテロポリ酸溶液にアルカリ溶液調製工程で調製された溶液を加えて、ヘテロポリ酸塩を形成する工程。
溶媒蒸発工程:ヘテロポリ酸塩形成工程で調製された溶媒を含む懸濁液とヘテロポリ酸塩触媒の混合物から溶媒を蒸発させて触媒を固体として取り出す工程。
3PX1240 (2)
(XはW又はMoを表す。)
なお、本触媒は、通常、反応に使用する前に焼成して用いられるが、焼成温度としては、通常、150℃から300℃が、好ましくは200℃から290℃が挙げられる。焼成時間としては、通常1時間から10時間が挙げられ、好ましくは、2時間から5時間が挙げられる。
得られた、ヘテロポリ酸塩触媒は、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の不均化反応または、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の異性化反応に使用する前に前処理されるのが一般的であるが、これは、触媒が含有している水分を脱水することが重要だからである。アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の不均化反応、又は異性化反応はフリーデルクラフツ反応であるため、触媒が多量の水分を含有していないことがより好ましい。また、前処理温度が高過ぎる場合、ヘテロポリ酸の構造が破壊される場合があるので、前処理温度が高過ぎないことがより好ましい。前処理方法としては、触媒をガスの流通下に加熱する方法、触媒を加熱下に減圧乾燥する方法などが挙げられるが、その方法は特に限定されない。例えば、触媒をガスの流通下に加熱する方法におけるガスとは、不活性ガスや空気などが挙げられるが、重要なのは、ガス中の水分含量であり、含量が低ければ低いほど好ましい。好ましく用いられるのは、窒素ガスが挙げられる。前処理温度、時間は前出の焼成温度、時間と同じ値が採用される。温度は重要であり、好ましくは、150℃から300℃が選ばれる。前処理時間は、通常1時間から10時間が挙げられ、好ましくは、2時間から5時間が挙げられる。また、触媒を加熱下に減圧乾燥する方法の場合、加熱温度は、流通法と同様の温度が好ましく用いられる。処理時間は、同様の時間が好ましく採用される。
以下、上記式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒を使用するアルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の不均化反応および、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の異性化反応について説明する。
上記式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒はアルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の不均化および異性化に有効であり、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどのモノアルキルベンゼン、ジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンなどのポリアルキルベンゼン、種々のアルキルベンゼンの他に、他の芳香族化合物、例えば、ナフタレン、インダン、テトラリン、など種々の芳香族化合物にアルキル置換した、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物に有効である。芳香族化合物は、クロロベンゼン、フェノールなどのヘテロ原子を含む化合物も例として挙げられる。異性化反応に用いられる多置換の芳香族化合物も例として挙げられる。出発物質として用いられる芳香族化合物は好ましくはアルキル芳香族炭化水素であり、製造されるアルキル芳香族化合物はアルキル芳香族炭化水素が好ましい例として挙げられる。また好ましくは、2〜4アルキル基置換のアルキル芳香族炭化水素が異性化反応に用いられる。さらに好ましくは、アルキル置換ベンゼンが挙げられる。
本発明に係る製造方法において芳香族化合物の不均化反応に用いられる原料としては、エチルベンゼン、クメン、ジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、トリエチルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、テトラエチルベンゼン、テトライソプロピルベンゼン、ポリエチルベンゼン、ポリイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。ここで、ポリアルキルベンゼンとはベンゼンに2以上のアルキル置換基を有するものの総称とする。
ここで、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物を触媒と接触させて、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該芳香族化合物とは異なるアルキル芳香族化合物を製造する方法とは、例えば、エチルベンゼンの不均化反応を行えば、ベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼンの混合物を製造することができる。ここで生成するジエチルベンゼン、トリエチルベンゼンは出発物質のエチルベンゼンとは異なり、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該エチルベンゼンとは異なるアルキル芳香族化合物である。また、例えば、イソプロピルベンゼンの不均化反応を行えば、ベンゼン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼンの混合物を製造することができる。同様にジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼンは出発物質のイソプロピルベンゼンとは異なり、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該イソプロピルベンゼンとは異なるアルキル芳香族化合物である。他のアルキル基においても同じである。
好ましくは、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、クメン、ジイソプロピルベンゼンを製造する不均化反応が好ましく行われる。
本発明に係る製造方法において芳香族化合物の異性化反応に用いられる原料としては、例えば、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼンおよび/または3種の化合物から選ばれる化合物の混合物、o−ジイソプロピルベンゼン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼンおよび/または3種の化合物から選ばれる化合物の混合物が挙げられる。他の置換基を有する異性体も挙げられるが芳香核にアルキル置換基が置換した芳香族化合物が好ましく用いられる。
例えば、本発明で用いられる触媒によって、p−ジエチルベンゼンの異性化反応を行うと、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼンとの混合物が生成するが、同時に不均化反応も進行し、ベンゼン、エチルベンゼン、トリエチルベンゼン類の混合物が生成する。同様にp−ジイソプロピルベンゼンの異性化反応を行うと、o−ジイソプロピルベンゼン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、ベンゼン、クメン、トリイソプロピルベンゼン類の混合物が生成する。
本反応には、好ましくは芳香核に2から4のアルキル置換基が置換した芳香族化合物が挙げられるが、好ましくは、ベンゼンにアルキル基が2置換した芳香族化合物が挙げられる。特にジイソプロピルベンゼンが挙げられる。
上記式(1)で表される触媒を用いた芳香族化合物の不均化反応および異性化反応における種々の反応条件について以下に説明する。
触媒から反応液中にヘテロポリ酸の溶出がある場合、プロセスの反応器の下流にある蒸留塔の閉塞が生じるなど、プロセスの稼動において問題が起きる場合がある。そのため、本発明は、反応液中へのヘテロポリ酸の溶出を防止する目的の発明である。触媒からのヘテロポリ酸の溶出は好ましくは反応液中の濃度として、0から2wtppm以下、さらに好ましくは0から1wtppm以下が挙げられる。
出発物質として用いる、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の水分含量によって触媒の活性が失われる場合があるので、管理が重要である。芳香族化合物に含まれる水分は重量で表すと、100ppm以下が好ましい。さらに好ましくは、30ppm以下が挙げられる。より好ましくは、20ppm以下が挙げられる。
アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物中の不純物として、酸触媒でオリゴメリゼーションが起きる成分が含まれていなければ、使用上問題はないと考えられる。芳香族化合物の純度は高い方が好ましい。
反応方法としては、固定床流通型反応、スラリー流通反応、バッチ反応など、種々の反応形式が挙げられるが、工業的に好ましい反応形式は、固定床流通型反応が挙げられる。
芳香族化合物の不均化および異性化の反応方法としては、芳香族化合物を液体の状態で反応に供する方法、芳香族化合物をガスで反応させる方法など、様々な反応方法が挙げられるが、工業的には、芳香族化合物を液体の状態で反応に供する方法が好ましい例として挙げられる。
触媒に対する、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の供給量は、当該芳香族化合物を基準に考えた場合、流通法では、LHSVで表すと0.1から200h-1が挙げられる。芳香核/アルキル基のモル比は0.1から5.0の間が挙げられる。モル比が高い場合には、モノアルキル芳香族化合物が多く製造されるが、モル比が低い場合はジアルキル芳香族化合物、トリアルキル芳香族化合物などポリアルキル芳香族化合物が多く製造される。反応温度は通常、50℃から250℃が挙げられ、好ましくは、50℃から200℃が挙げられる。反応圧力は、通常、常圧から10MPaゲージが挙げられ、好ましくは、0.05MPaゲージから5MPaゲージが挙げられる。
バッチ反応では、触媒に対する、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の仕込み量は、重量比で表した時、通常、1.0から200が挙げられる。芳香核/アルキル基のモル比は通常、0.1から5.0の間が挙げられる。反応温度は通常、50℃から250℃が挙げられ、好ましくは、50℃から200℃が挙げられる。反応圧力は、通常、常圧から10MPaが挙げられ、好ましくは、0.05MPaから5MPaが挙げられる。反応時間は、30分から5時間が好ましく挙げられる。
アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の不均化では、上記式(1)で表される触媒は、担体に担持された場合に担体の細孔構造の影響を受ける。このことは、アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物の不均化反応においても、通常用いられるミクロ細孔を有するゼオライト触媒と比べて、ジアルキル芳香族化合物、トリアルキル芳香族化合物が多く生成されることを示す。本触媒の特徴はジアルキル芳香族化合物を工業的に製造する場合および反応させる場合に有利であり、ミクロ細孔を有するゼオライト触媒では達成できない比率でジアルキル芳香族化合物を製造することや反応させることができる。ジアルキル芳香族化合物を工業的に用いる場合には、ゼオライト触媒よりも、本触媒の方が好適である。
ヘテロポリ酸塩触媒はゼオライト触媒と比較して、細孔による立体障害の違いに加えて、酸強度が高いという特徴があるため、ゼオライト触媒では進行しにくかった、これまで知られていないアルキル芳香族化合物の脱アルキル、再アルキル化が進行しやすいと考えられる。
アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物におけるアルキル基の異性化反応において、上記式(1)で表される触媒は、担体に担持した場合に担体の細孔構造の影響を受ける。このことは、異性化反応においても、通常用いられるミクロ細孔を有するゼオライト触媒と比べて、m−体、o−体がp−体と同様に反応することを示す。本触媒の特徴はm−体、o−体を工業的に反応させる場合に有利であり、ミクロ細孔を有するゼオライト触媒では達成できない比率でm−体、o−体を反応させることができる。m−、o−ジアルキル芳香族化合物を工業的に反応させる場合には、ゼオライト触媒よりも、本触媒の方が好適である。
ヘテロポリ酸塩触媒はゼオライト触媒と比較して、細孔による立体障害の違いに加えて、酸強度が高いという特徴があるため、ゼオライト触媒では進行しにくかった、これまで知られていないアルキル芳香族化合物のアルキル基の異性化が進行しやすいと考えられる。
〔実施例1〕
1.触媒
市販の12−タングストリン酸(日本無機化学工業株式会社)149.9gに水160.1gを加えて溶解した。この溶液にジエチルエーテル160mlを加え分液ロートでよく震蕩して、12−タングストリン酸のエーテレートを沈降させた。同じ操作を繰り返して、1449.8gのエーテレートを集めた。エーテレート中のエーテルを、ロータリーエバポレーターを用いて40℃にて蒸発させ、水500mlを加えて溶解した。再度、ロータリーエバポレーターを用いて65℃にて水を蒸発させ、水500mlを加えて溶解して50℃の飽和溶液1060.9gを得た。この飽和溶液を一夜室温で放置して、12−タングストリン酸の結晶303.7gを得た。次に、ロータリーエバポレーターを用いて60℃にて母液を濃縮して、0℃で再結晶させ、343.3gの12−タングストリン酸の結晶を得た。同じ操作を繰り返して、165.5gの12−タングストリン酸の結晶を得た。合計812.5gの結晶を得た。この結晶をよく粉砕して触媒調製に用いた。
炭酸セシウム(ナカライテスク株式会社特級)8.55gを450℃、2時間窒素中で焼成して、8.413gの無水炭酸セシウムを得た。これを100mlのメスフラスコを用いて蒸留水に溶解して、Cs+5.164×10-4mol/lの水溶液を調製した。
調製した12−タングストリン酸9.91gを250mlの蒸留水に溶解し、十分攪拌しながら、先に調製した炭酸セシウム14.2mlを38分で滴下した。滴下終了後、30分攪拌して、1夜放置した。次いで、白色懸濁液の水を、ロータリーエバポレーターを用いて40℃にて留去した。白色固体10.18gを得た。固体の化学式は計算値からCs2.51.5SiW1240であった。
得られたCs2.51.5SiW124010.18gとシリカ担体10.01gとを蒸留水300mlに懸濁させて、十分攪拌した後、白色懸濁液の水を、ロータリーエバポレーターを用いて50℃にて留去した。白色固体を得た。さらに白色固体を乾燥機で70℃において十分乾燥して19.15gのシリカ担持12−タングストケイ酸セシウム部分塩触媒(50%Cs2.51.5SiW1240/SiO2)を得た。
2.異性化、不均化
この触媒を1〜2mmに成形して、内径10mm、外径12mmのステンレス反応管に触媒を5.00g充填した。
触媒層を250℃に加熱して、窒素を200ml/minで流通させ、触媒の焼成を2時間行った。室温に冷却後、触媒層を所定温度に保持しながら、以下の組成の原料を所定圧力でアップフローで流通させ、反応を行った。p−ジイソプロピルベンゼン(以下PDBと略称する)97.14wt%、o−ジイソプロピルベンゼン(以下ODBと略称する)2.27wt%、m−ジイソプロピルベンゼン(以下MDBと略称する)0.16wt%、その他0.43wt%であった。
窒素下で原料を12.4g/hで流通させ、反応圧を0.15MPaGに保持した。
反応開始後、187時間経過したところで、反応液をサンプリングした。触媒層のホットスポットは130℃であった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、以下の組成であった。クメン9.14%、MDB22.19%、ODB0.18%、PDB52.39%、トリイソプロピルベンゼン15.41%、その他0.69%であった。以上から、ODBの転化率は92.1%であった。
〔比較例1〕
1.触媒
市販のモルデナイト(東ソー株式会社 HSZ−690HOD1A、SiO2/Al23=230、1.5mm押し出し)を使用した。
2.異性化、不均化
この触媒を内径10mm、外径12mmのステンレス反応管に5.0g充填した。
触媒層を250℃に加熱して、窒素を200ml/minで流通させ、触媒の焼成を2時間行った。室温に冷却後、触媒層を所定温度に保持しながら、以下の組成の原料を所定圧力においてアップフローによって流通させ、実施例1と同様に反応を行った。原料組成は、MDB0.16%、ODB2.17%、PDB97.15%であった。
窒素下で原料を12.2g/hで流通させ、反応圧を0.15MPaGに保持した。
反応開始後、16時間経過したところで、反応液をサンプリングした。触媒層のホットスポットは170℃であった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、以下の組成であった。クメン0.78%、MDB17.54%、ODB2.12%、PDB78.33%、トリイソプロピルベンゼン0.48%、その他0.75%であった。以上から、ODBの転化率は2.3%であった。

Claims (4)

  1. アルキル基を芳香環上に備える芳香族化合物に、下式(1)で表されるヘテロポリ酸塩触媒を接触させて、不均化及び異性化のうち少なくともいずれかの反応をさせることにより、芳香環上におけるアルキル基の置換位置が少なくとも当該芳香族化合物とは異なるアルキル芳香族化合物を製造する方法。
    3−mPX1240 (1)
    (XはW又はMoを表し、Zは(NH)又はアルカリ金属原子を表し、mは0<m<3の任意の値を表す。)
  2. 上記反応が不均化であることを特徴とする請求項1に記載のアルキル芳香族化合物を製造する方法。
  3. 上記反応が異性化であり、
    上記芳香族化合物が、2以上のアルキル基を備えることを特徴とする請求項1に記載のアルキル芳香族化合物を製造する方法。
  4. 上記芳香族化合物がo−ジイソプロピルベンゼンであり、
    上記アルキル芳香族化合物がm−ジイソプロピルベンゼンであることを特徴とする請求項1に記載のアルキル芳香族化合物を製造する方法。
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