JP3360759B2 - オレフィンの接触水和方法 - Google Patents

オレフィンの接触水和方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィンの水和によ
りアルコール類を製造する新規な方法に関する。更に詳
しくは、触媒として、活性が向上した強酸性陽イオン交
換樹脂を用いることを特徴とするオレフィンの直接水和
反応によるアルコール類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィンの直接水和反応による
アルコール類の製造方法としては、気相反応による製造
方法及び液相反応による製造方法が工業的に実施されて
いる。気相反応による製造方法としては、例えば、特開
平3-207728号においてはマクロポーラス型陽イオン交換
樹脂を触媒として用いており、特開昭55-124541号で
は、酸性層状粘土化合物を触媒として用いている。更に
広く工業化されている方法としては特開昭53-84096号、
特開昭52-133095号、 特公昭51-44915号等で開示されて
いるリン酸を担体に担持した触媒を用いている。これ
ら、気相反応による製造方法は、一般的に高温領域で反
応を実施しており、更にプロピレンの転化率も低い。従
って、反応器単位体積当たりのアルコール類の生成量が
極めて低く、且つ未反応オレフィンを大量にリサイクル
する必要があり、設備的にもエネルギー的にも有利な方
法とは言えない。これに加えて広く工業的に実施されて
いる担持リン酸触媒で製造する方法では反応とともに触
媒成分であるリン酸の飛散等による触媒の性能低下とい
った問題点も有している。
【0003】ここにおいて、気相法におけるアルコール
類の生産性の低さ、未反応オレフィンの大量循環といっ
た欠点を克服する方法として、一方の原料である水を液
体状態としてオレフィンと接触させる、いわゆる液相反
応も広く知られている。例えば、均一触媒として特公昭
43-8104号、特公昭43-16123号には芳香族スルホン酸が
記載されている。また、特公昭49-166号 、特公昭50-35
051号、特公昭49-36204号、特開昭53-9746号等ではヘテ
ロポリ酸が記載されている。しかしながら、これら均一
系触媒は、触媒と反応物(特に原料の一つである水)か
らの分離回収が煩雑となり、これに関わるエネルギーが
多大となる欠点がある。加えて、これら酸触媒が液相に
均一に溶解するため、反応器等の装置と液接触をするこ
とから、装置内壁の腐蝕の恐れがあり、高価な装置材質
の使用を余儀なくされ、経済的とは言えない。このこと
から液相反応において、固体不均一系の触媒が上記均一
系触媒の欠点を補うために用いられている。例えば、特
公昭44-26656号、特開昭49-117412号、 特開昭61-23074
4号、 特公昭58-7614号、 特公昭63-102121号 等におい
ては強酸性型陽イオン交換樹脂を触媒としてを用いてい
る。また、特開平3-502321号、特開平3-503175号、特開
平1-246234号、特開平1-246233号、特開昭63-218251号
等においてはゼオライト触媒を用いている。強酸性陽イ
オン交換樹脂触媒は上記液相均一触媒に比較して低温、
低圧(150℃前後、100気圧前後)の反応条件で使
用しており比較的高い活性を有する。しかしながら、こ
れら陽イオン交換樹脂は水との親和性が極めて高いこと
から、反応系に水が存在した場合、触媒活性自体が低下
し、望ましい活性を得ることは困難である。また、高い
反応活性を維持するためには150℃以上の反応温度を
必要とし、これにより、恒常的な触媒の劣化を伴い、ス
ルホン基等の酸性成分が分解脱離し、反応液中への流出
は免れない。従って、触媒活性が大幅に低下すると共
に、液相均一触媒と同様、流出した酸性成分による装置
腐蝕の恐れがあり、反応装置は対腐蝕性の高い高価な材
質を使用せねばならず、経済的に不利である。
【0004】これに対し、ゼオライト系の不均一触媒に
おいては、触媒活性が不十分であり、強酸性陽イオン交
換樹脂ほどの触媒活性は望めなく、アルコール類の収率
を高めるためには、高い反応温度を必要とする。しかし
ながら、ゼオライト化合物はオレフィンの水和反応条件
のように、水の液相状態での存在下で、高温に加熱する
ことは、明らかにゼオライトの分解を促進する。従っ
て、好ましい生成速度でアルコール類を製造すること
は、現実的に不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
と水との直接接触水和反応によりアルコール類を製造す
るにあたり、液相反応における平衡的有利性等の生産性
の高さに注目し、且つ液相反応における強酸性陽イオン
交換樹脂触媒の比較的高い触媒活性に注目し、従来の液
相不均一触媒である強酸性陽イオン交換樹脂の持つ欠点
を克服すべく鋭意検討した結果、オレフィンの接触水和
反応によりアルコール類を製造するに際し、有機ポリマ
ーマトリックスに結合したスルホン酸基を有する強酸性
陽イオン交換樹脂をシリコーンコーティングしたものを
不均一固体触媒として用いることにより、従来強酸性陽
イオン交換樹脂触媒の欠点であった、反応系に水が存在
することによる触媒の活性低下を抑制し、高活性化する
と同時に、反応温度の低温化を可能たらしめ、熱分解に
よる酸性成分の脱離分解を抑制する触媒となることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の目的は、オレフィンの直接
水和反応において、液相で高効率でアルコール類を製造
し、且つ触媒と反応液の分離が容易であり、水の存在に
よる触媒の活性低下を抑制する、経済性の高いアルコー
ルの製造方法を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、該水和反応を気相及び液相何れの反応形態に
おいても、広い温度範囲で活性低下すること無く実施可
能な触媒を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、オレフ
ィンの接触水和反応によりアルコール類を製造するに際
し、有機ポリマーマトリックスに結合したスルホン酸基
を有する強酸性陽イオン交換樹脂をシリーコーンコーテ
ィングしたものを触媒として用いることを特徴とするア
ルコール類の製造方法である。好ましくはシリコーンコ
ーティングに使用するシリコーン化合物が、部分的にケ
イ素−水素結合を持った有機ポリシロキサン化合物であ
る。部分的にケイ素−水素結合を持ったアルキルポリシ
ロキサン化合物であればさらに好ましい。以下、本発明
を詳細に説明する。本発明に用いられる、オレフィンと
は、脂肪族炭化水素化合物で少なくとも1個以上の炭素
炭素二重結合を有する、直鎖若しくは分枝のモノオレフ
ィン、ポリオレフィンである。またこれらのオレフィン
は置換基として、ハロゲン元素、水酸基、ニトロ基、ア
ミノ基、シアノ基、ケトン基、アセトキシ基、芳香族
基、カルボキシル基、メルカプト基等を有しているもの
でも差し支えない。好ましくは、炭素数2〜10の脂肪
族オレフィンである。具体的には、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテ
ン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチ
ル−2−ブテン等の直鎖及び分枝ペンテン類、1−ヘキ
セン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、メチルペンテン類
等の直鎖及び分枝ヘキセン類、ブタジエン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン等のポリオレフィン類等が例示され
る。更に、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シ
クロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロオクテ
ン、メチルシクロオクテン類、シクロペンタジエン類、
シクロヘキサジエン類、シクロオクタジエン類等の脂環
式オレフィン類を使用することも可能である。さらに好
ましくは、オレフィンがエチレンまたはプロピレンのよ
うな、オレフィンが炭素数2以上6以下の低級オレフィ
ンよりなる群から選ばれた少なくとも一種であるもので
ある。 本発明においてはこれらの一種もしくは二種以
上を反応に供する。また、本発明において使用するオレ
フィンの純度は特に限定されることはなく、一般試薬純
度、工業純度もしくはアルカン等で希釈されたオレフィ
ンも使用することが可能である。
【0008】本発明は、上記オレフィンと水とを有機ポ
リマーマトリックスに結合したスルホン酸基を有する強
酸性陽イオン交換樹脂のシリコーンコーティング触媒の
存在下に接触させてアルコール類を製造する。本発明で
用いられる有機ポリマーマトリックスに結合したスルホ
ン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂とは、強酸性官
能基であるスルホン酸基を有する巨大網目状及び/又は
ゲルタイプの陽イオン交換樹脂であり、このような樹脂
においてスルホン酸官能基はポリマーマトリックスに、
直接に、または1もしくはそれ以上の炭素原子を介し
て、または炭素及び酸素、硫黄等のヘテロ原子を介して
結合しているスルホン酸基である。具体的には、ローム
アンドハース社製の陽イオン交換樹脂である、アンバー
ライト−IR−118、IR−120B、IR−12
2、IR−124、252、XT−1026、アンバー
リスト15、バイエル社製レバチット−K1131、K
1221、K1411、K2431、K2611、K2
461、K2661等が入手し易い強酸性陽イオン交換
樹脂として例示される。また、パーフルオロカーボンポ
リマーマトリックスのスルホン酸基が結合したデュポン
社製の耐熱性陽イオン交換樹脂であるナフィオン等も本
発明に使用することが可能である。これら市販の陽イオ
ン交換樹脂はその販売形態として金属塩タイプで販売さ
れているものもあるが、金属塩タイプのものは予め、硫
酸、硝酸もしくは塩酸等を用いてプロトンタイプとして
使用する。
【0009】本発明方法においては、これら強酸性陽イ
オン交換樹脂を更にシリコーンコーティング処理して、
触媒として使用する。シリコーンコーティング処理によ
り触媒活性は格段に向上する。ここにおいて本発明方法
を実施するに当たり、強酸性陽イオン交換樹脂にシリコ
ーンコーティングする方法は特に限定はされなく、これ
ら陽イオン交換樹脂上に担持される方法であるならば如
何なる方法で実施しても差し支えないが、実施し易い方
法として例示すれば、陽イオン交換樹脂とコーティング
に使用するシリコーン化合物を必要量加え良く混合した
後加熱処理を行う。この際に、シリコーンコーティング
を均一に行うため、必要であるならばヘキサン等の有機
溶媒にシリコーンを溶解させて、陽イオン交換樹脂と混
合することも推奨される。
【0010】本発明方法でシリコーンコーティングに使
用されるシリコーン化合物としては一般式:−(OSi
(R)2n−(但しSiはケイ素原子、Oは酸素原子、
Rは水素又は炭化水素基でありnは5以上の整数であ
る。)で表される有機ポリシロキサン化合物である。こ
こにおいてRは同一でも、異なるものであっても差し支
えない。更に好ましくは、Rの一部が水素原子であるこ
とが推奨される。特にRの5%〜50%が水素原子であ
る有機ポリシロキサン化合物を使用することが好まし
い。このときRがメチル、エチル若しくはフェニル基で
あるポリシロキサンが入手し易いものとして例示され
る。具体的には、Rがメチル基で、部分的にメチル基が
水素原子と置換したポリシロキサン(シリコーン)とし
ては信越化学社のシリコーンオイルKF99等が挙げら
れる。この際に、シリコーン処理に用いる陽イオン交換
樹脂は予め水分を取り除いて処理に用いることが推奨さ
れる。本発明方法において、陽イオン交換樹脂のシリコ
ーン処理に使用するシリコーン量は特に限定されない
が、好ましくは陽イオン交換樹脂の固体重量の0.00
1〜2.0倍重量、更に好ましくは0.01〜0.5倍
重量使用して、コーティングすることが推奨される。余
りに少量のコーティングでは、実質的にコーティングの
効果は僅かであり、余りに多すぎれば、触媒そのものの
活性を阻害する恐れがある。
【0011】本発明を実施するにあたり、原料であるオ
レフィンと水の使用量(量比)は特に限定はされないが
好ましくは水/オレフィンのモル比で0.1〜50の範
囲、更に好ましくは0.3〜30の範囲で実施すること
が推奨される。余りに水の量が少なければ、原料オレフ
ィン高い転化率を達成することは困難であり、また余り
に水の量が多ければ、オレフィンの転化率を高めること
は出来るが、必要以上に水を用いるため反応器が過大と
なり、また水の大量循環が必要であり、効率的に製造し
得ないためである。
【0012】反応温度は、特に限定されないが、好まし
くは0〜200℃、更に好ましくは30〜170℃の範
囲である。反応温度が極端に低すぎると、オレフィン
(反応試剤)の転化率が低い、言い換えれば極端に反応
速度が低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、
反応温度が200℃以上で実施すれば、好ましからざる
副反応等が進行し副生成物の増大や、原料であるオレフ
ィン、更に生成物であるアルコール類の安定性にも好ま
しくなく、反応選択率の低下をもたらし経済的ではな
い。
【0013】触媒の使用量についても本発明方法では特
に限定されることはないが、例えばバッチ反応で実施す
る際には、好ましくは仕込んだ水の重量に対して0.0
1〜100重量%、更に好ましくは0.1〜30重量%
の範囲である。余りに少なければ反応が極めて遅くなり
効率的ではなく、また余りに多すぎれば、反応は充分早
く進行するが、液体流動性の低下等プロセス的なトラブ
ルを生じる恐れがある。
【0014】反応は減圧、加圧および常圧の何れの状態
で実施する事も可能である。反応効率(単位体積あたり
の反応効率)の観点から余りに低い圧力で実施する事は
好ましくない。また、反応装置等の設備的な経済性の観
点から余りに高い圧力で実施する事も好ましくない。通
常好ましい実施圧力範囲は0.5〜500気圧であり、
更に好ましくは1.0〜300気圧である。しかしなが
ら本発明はこれらの圧力範囲のみに限定されるものでは
ない。
【0015】本発明を実施するに当たり、反応系内に触
媒および反応試剤に対して不活性な、溶媒もしくは気体
を添加して、希釈した状態で行う事も可能である。具体
的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素類、窒素、
アルゴン、ヘリウム、等の不活性気体等が例示される。
【0016】また、反応は液相、気−液相または気相の
何れの状態で実施する事も可能であが、生産性、反応器
の規模の観点から、少なくとも水の一部が液体状態で実
施することが好ましい。しかしながら本発明においては
これに限定されることはない。
【0017】本発明は、通常のバッチ反応、一部の原料
もしくは触媒等を連続的に供給するようなセミバッチ反
応又は流通連続反応の何れの反応方法においても実施可
能である。また、反応原料および触媒等の各成分の添加
順序および添加方式等、特に制限される事はない。更
に、触媒充填方式としては、固定床、流動床、懸濁床、
棚段固定床等種々の方式が採用され、何れの方式で実施
しても差し支えないが固定床で実施することが好まし
い。
【0018】反応時間(流通反応においては滞留時間も
しくは触媒接触時間)は特に限定されないが、通常0.
1秒〜30時間、好ましくは0.5秒〜15時間であ
る。
【0019】反応後、反応生成物を必要であるならば、
前記触媒等から濾過分離、抽出、留去等の通常の分離方
法によって分離回収する事ができる。
【0020】目的生成物であるアルコール類は上記分離
回収回収物から溶媒抽出、蒸留、アルカリ処理、酸処理
等の逐次的な処理方法、或いは、これらを適宜組み合わ
せた操作等の通常の分離、精製法によって分離、精製し
取得する事ができる。また、未反応原料は回収して、再
び反応系へリサイクルして使用する事もできる。
【0021】バッチ式反応の場合、反応後に反応生成物
を分離して回収された触媒はそのまま、又はその一部も
しくは全部を再生した後、繰り返して触媒として反応に
再度、使用する事もできる。
【0022】固定床又は流動床流通連続反応方式で実施
する場合には、反応に供する事によって、一部又は総て
が失活もしくは活性低下した触媒は、反応を中断後再生
して反応に供する事もできるし、また、連続的もしくは
断続的に触媒の一部を抜き出し、再生後、再び反応器へ
リサイクルして、再使用する事もできる。更に、新たな
触媒を連続的又は断続的に反応器に供給する事もでき
る。移動床式流通連続反応、もしくは均一触媒流通反応
方式で実施する際には、バッチ式反応と同様に触媒を分
離、再生して再使用する事ができる。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例により、更に具体的に説
明する。しかしながら、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0024】触媒調製 陽イオン交換樹脂のシリコーンコーティング 表1に記したそれぞれの脱水乾燥した、陽イオン交換樹
脂10gを所定量のシリコーンオイル(KF−99)を
ヘキサン40mlに溶解した溶液中に懸濁させ、ゆっく
りと且つ充分撹拌接触を行った。その後、室温、減圧下
にヘキサンを除去し、固体を乾燥後、この固体を120
℃で減圧下、10時間の加熱処理を行ったものを触媒と
して使用した。 アルコール収率 すべての実施例、比較例において、分析は反応液をガス
クロマトグラフ法によって行い、収率は仕込のオレフィ
ン基準で表した。
【0025】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 触媒 陽イオン交換樹脂 シリコーン/樹脂 重量比 ──────────────────────────────────── 触媒1 アンバーリスト15 0.1 触媒2 アンバーリスト15 0.18 触媒3 アンバーリスト15 0.31 触媒4 アンバーリスト15 0.42 触媒5 レバチットK 2611 0.30 触媒6 レバチットK 2661 0.28 触媒7 レバチットK 2431 0.32 触媒8 アンバーライトIR−120B 0.31 触媒9 アンバーライトXT−1026 0.29 ────────────────────────────────────
【0026】実施例1〜9 70mlのオートクレーブ中に触媒1〜9のいずれか一
つをイオン交換樹脂のみの重量換算として3.0g、更
に水24.0g(1.33mol)をそれぞれ仕込んだ
後、プロピレン12.0g(0.285mol)をそれ
ぞれ圧入して140℃、2時間、加熱撹拌し反応を行っ
た。反応終了後、オートクレーブを冷却し放圧後、反応
液をガスクロマトグラフ法によって分析した。この結
果、イソプロピルアルコールは表2に示したように、収
率良く生成したことが確認された。尚、この時総ての実
施例において、副生成物である、イソプロピルエーテル
の生成は確認されなかった。更に反応終了後の触媒は、
総て反応容器底部に沈降しており、容易に分離できた。
【0027】比較例1 実施例1において、触媒をシリコーン処理を行わないア
ンバーリスト15として3.0g使用した以外は、総て
実施例1と同一の条件で反応及び分析を行った。結果は
表2に掲げたように、イソプロピルアルコールの収率は
実施例1に比較して低下した。このことから本発明方法
におけるシリコーン処理が極めて有効であることが分か
る。
【0028】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 触媒 イソプロピルアルコール収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 触媒1 18.6 実施例2 触媒2 19.7 実施例3 触媒3 21.9 実施例4 触媒4 17.7 比較例1 アンハ゛ーリスト15(無コーティンク゛) 14.1 実施例5 触媒5 22.8 実施例6 触媒6 22.0 実施例7 触媒7 21.3 実施例8 触媒8 20.7 実施例9 触媒9 20.4 ────────────────────────────────────
【0029】実施例10 反応温度を、150℃とした以外は総て実施例3と同一
の条件で反応を行った。この結果、イソプロピルアルコ
ールおよびイソプロピルエーテルは仕込みプロピレン基
準でそれぞれ34.9%および1.2%であった。
【0030】実施例11 水の仕込み量を36.0gとした以外は総て実施例3と
同一の条件で反応を実施した。この結果、イソプロピル
アルコールの収率は32.6%であり、副生成物となる
ジイソプロピルエーテルの生成は認められなかった。
【0031】実施例12〜13 プロピレンをエチレンまたは1−ブテンに代え、それぞ
れ0.285モル仕込んだ以外は総て実施例10と同一
の条件で反応を行った。結果は表3に示したようにそれ
ぞれのオレフィンでも収率良く、アルコール類が生成し
た。尚、表3中の収率は総て仕込みオレフィン基準であ
る。また、生成したアルコール類は、エチレンからはエ
タノール、1−ブテンからは2−ブタノールである。
【0032】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── オレフィン アルコール類収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例12 エチレン 31.7 実施例13 1−ブテン 36.8 ────────────────────────────────────
【0033】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)オレフィンを直接水和して、アルコール類を収率
および選択率良く製造することができる。 (2)従来の方法に比較して、アルコール類を低温、低
圧の温和条件でも直接水和して製造することができる。
加えて反応装置等の腐蝕の殆どない条件で実施する事が
できる。 (3)工業上重要なアルコール類を安全上、プロセス
上、経済上著しく優位に生産することができる。 (4)シリコーン処理触媒とする事で、従来の陽イオン
交換樹脂触媒と比較して極めて高収率にアルコール類を
製造することができる。 (5)極めて高活性なオレフィンの直接水和反応による
アルコール類製造用不均一固体触媒を提供できる。 上述のように、本発明によって工業上著しく優れたオレ
フィンの水和によるアルコール類の製造方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−234809(JP,A) 特開 平7−82184(JP,A) 特開 平4−117337(JP,A) 特開 平3−207728(JP,A) 特開 平3−106840(JP,A) 特開 平1−149742(JP,A) 特開 昭61−230744(JP,A) 特開 昭49−117412(JP,A) 特公 昭58−7614(JP,B1) 特表 平7−507719(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 31/10 C07C 29/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンの接触水和反応によりアルコ
    ール類を製造するに際し、有機ポリマーマトリックスに
    結合したスルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂
    をシリコーンコーティングしたものを触媒として用いる
    ことを特徴とするアルコール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコーンコーティングが強酸性陽イオ
    ン交換樹脂にシリコーン化合物を表面付着させることで
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 シリコーン化合物が部分的にケイ素−水
    素結合を有する有機ポリシロキサン化合物である請求項
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 オレフィンの接触水和反応を水が液体状
    態で存在する条件下に行う請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 オレフィンが炭素数2以上6以下の低級
    オレフィンよりなる群から選ばれた少なくとも一種であ
    る請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 オレフィンがエチレンまたはプロピレン
    である請求項5記載の方法。
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