JPH08151339A - オレフィンの接触水和方法 - Google Patents

オレフィンの接触水和方法

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JPH08151339A
JPH08151339A JP6295084A JP29508494A JPH08151339A JP H08151339 A JPH08151339 A JP H08151339A JP 6295084 A JP6295084 A JP 6295084A JP 29508494 A JP29508494 A JP 29508494A JP H08151339 A JPH08151339 A JP H08151339A
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catalyst
group
heteropolyacid
cation
atom
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JP6295084A
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Kaoru Inoue
薫 井上
Masao Iwasaki
正雄 岩崎
Naohiro Ueda
直浩 植田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレン、プロピレン等のオレフィンを触媒
存在下に水と接触させてアルコール類を製造する方法を
提供する。 【構成】 ヘテロポリ酸を、炭化水素基を有する有機高
分子シロキサン中に分散させたものを、固体不均一触媒
として使用し、水と、エチレン、プロピレン等のオレフ
ィンを反応させることにより、オレフィンに対応するア
ルコール類を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィンの水和によ
りアルコール類を製造する新規な方法に関する。更に詳
しくは、触媒として、ヘテロポリ酸を用いることを特徴
とするオレフィンの直接水和反応によるアルコール類の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィンの直接水和反応による
アルコール類の製造方法としては、気相反応による製造
方法及び液相反応による製造方法が工業的に実施されて
いる。気相反応による製造方法としては、例えば、特開
平3-207728号においてはマクロポーラス型陽イオン交換
樹脂を触媒として用いており、特開昭55-124541号で
は、酸性層状粘土化合物を触媒として用いている。更に
広く工業化されている方法としては特開昭53-84096号、
特開昭52-133095号、 特公昭51-44915号等で開示されて
いるリン酸を担体に担持した触媒を用いている。
【0003】これら、気相反応による製造方法は、一般
的に高温領域で反応を実施しており、更にプロピレンの
転化率も低い。従って、反応器単位体積当たりのアルコ
ール類の生成量が極めて低く、且つ未反応オレフィンを
大量にリサイクルする必要があり、設備的にもエネルギ
ー的にも有利な方法とは言えない。これに加えて広く工
業的に実施されている担持リン酸触媒で製造する方法で
は反応とともに触媒成分であるリン酸の飛散等による触
媒の性能低下といった問題点も有している。ここにおい
て、気相法におけるアルコール類の生産性の低さ、未反
応オレフィンの大量循環といった欠点を克服する方法と
して、一方の原料である水を液体状態としてオレフィン
と接触させる、いわゆる液相反応も広く知られている。
例えば、均一触媒として特公昭43-8104号、特公昭43-16
123号には芳香族スルホン酸が記載されている。また、
特公昭49-166号 、特公昭50-35051号、特公昭49-36204
号、特開昭53-9746号等ではヘテロポリ酸が記載されて
いる。
【0004】しかしながら、これら均一系触媒は、触媒
と反応物(特に原料の一つである水)からの分離回収が
煩雑となり、これに関わるエネルギーが多大となる欠点
がある。加えて、これら酸触媒が液相に均一に溶解する
ため、反応器等の装置と液接触をすることから、装置内
壁の腐蝕の恐れがあり、高価な装置材質の使用を余儀な
くされ、経済的とは言えない。このことから液相反応に
おいて、固体不均一系の触媒が上記均一系触媒の欠点を
補うために用いられている。例えば、特公昭44-26656
号、特開昭49-117412号、 特開昭61-230744号、 特公昭
58-7614号、 特公昭63-102121号 等においては強酸性型
陽イオン交換樹脂を触媒として用いている。また、特開
平3-502321号、特開平3-503175号、特開平1-246234号、
特開平1-246233号、特開昭63-218251号等においてはゼ
オライト触媒を用いている。強酸性陽イオン交換樹脂触
媒は上記液相均一触媒に比較して低温、低圧(150℃
前後、100気圧前後)の反応条件で使用しており高い
活性を有する。しかしながら、陽イオン交換樹脂自体の
耐熱温度は100℃程度であり、150℃で使用するこ
とは現実的には、恒常的な触媒の劣化を伴いながら反応
を進行させており、スルホン酸基等の酸性成分が分解脱
離し、反応液中への流出は免れない。従って、触媒活性
が大幅に低下すると共に、液相均一触媒と同様、流出し
た酸性成分による装置腐蝕の恐れがあり、反応装置は対
腐蝕性の高い高価な材質を使用せねばならず、経済的に
不利である。加えて、上記陽イオン交換樹脂は機械的強
度が低く、破壊しやすい問題点もある。
【0005】これに対し、ゼオライト系の固体不均一触
媒においては、触媒活性が不十分であり、強酸性陽イオ
ン交換樹脂ほどの触媒活性は望めなく、アルコール類の
収率を高めるためには、高い反応温度を必要とする。し
かしながら、ゼオライト化合物はオレフィンの水和反応
条件のように、水の液相状態での存在下で、高温に加熱
することは、明らかにゼオライトの分解を促進する。従
って、好ましい生成速度でアルコール類を製造すること
は、現実的に不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
と水との直接接触水和反応によりアルコール類を製造す
るにあたり、液相反応における平衡的有利性等の生産性
の高さに注目し、且つ液相反応における固体不均一触媒
の有利性に注目し、従来の液相における固体不均一触媒
の持つ欠点を克服すべく鋭意検討した結果、オレフィン
の接触水和反応によりアルコール類を製造する方法にお
いて、部分的に炭化水素基を有する、有機高分子シロキ
サン中に分散したヘテロポリ酸を固体不均一触媒として
用いることにより、従来固体不均一触媒の欠点であっ
た、触媒の熱分解による酸性成分の脱離分解のない安定
で且つ高い活性を有し、さらに反応系に水が存在するこ
とによる触媒の活性低下を抑制する触媒となることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の目的は、オレフィンの直接
水和反応において、液相で高効率でアルコール類を製造
し、且つ触媒と反応液の分離が容易であり、更に装置を
腐食すること無く実施可能な製造方法を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、該水和反応を気相及
び液相何れの反応形態においても、広い温度範囲で活性
低下すること無く実施可能な触媒を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、オレフ
ィンの接触水和反応によりアルコール類を製造する方法
において、炭化水素基を有する有機高分子シロキサン中
に分散させたヘテロポリ酸を触媒として用いることを特
徴とするアルコール類の製造方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる、オレフィンとは、脂肪族炭化水素化合物で
少なくとも1個以上の炭素炭素二重結合を有する、直鎖
若しくは分枝のモノオレフィン、ポリオレフィンであ
る。またこれらのオレフィンは置換基として、ハロゲン
元素、水酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボ
ニル基、アセトキシ基、芳香族基、カルボキシル基、メ
ルカプト基等を有しているものでも差し支えない。好ま
しくは、炭素数2〜10の脂肪族オレフィンである。
【0010】具体的には、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−
ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−
ブテン等の直鎖または分枝ペンテン類、1−ヘキセン、
2−ヘキセン、3−ヘキセン、メチルペンテン類等の直
鎖または分枝ヘキセン類、ブタジエン、ペンタジエン、
ヘキサジエン等のポリオレフィン類等が例示される。更
に、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘ
キセン、メチルシクロヘキセン、シクロオクテン、メチ
ルシクロオクテン類、シクロペンタジエン類、シクロヘ
キサジエン類、シクロオクタジエン類等の脂環式オレフ
ィン類を使用することも可能である。より好ましくは、
オレフィンが、炭素数2以上6以下の低級オレフィンよ
りなる群から選ばれた少なくとも一種であるものであ
る。更に好ましくは、オレフィンがエチレンまたはプロ
ピレンである。 本発明においてはこれらの一種もしく
は二種以上を反応に供する。また、本発明において使用
するオレフィンの純度は特に限定されることはなく、一
般試薬純度、工業純度もしくはアルカン等で希釈された
オレフィンも使用することが可能である。本発明は、上
記オレフィンと水とを、炭化水素基を有する有機高分子
シロキサン中に分散させたヘテロポリ酸触媒の存在下に
接触させてアルコール類を製造する。本発明で製造され
るアルコール類は、オレフィンに水が付加したものであ
る。
【0011】本発明で用いられるヘテロポリ酸とは、異
なる2種以上の酸化物複合体からなる、複合酸化物酸お
よび/またはこれらの酸のプロトンの一部をアルカリ金
属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の金
属カチオン、チタン金属カチオン、ジルコニウム金属カ
チオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれた
少なくとも一種の金属カチオン;またはアルカリ金属カ
チオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の金属カ
チオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金属
カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれ
た少なくとも一種の金属カチオンによりプロトンの一部
を交換し部分中和した、複合酸化物酸の酸性塩である。
【0012】これらは通常、一般式 Ha(M1b(M2c(M3d(O)e(式中Hは水素原
子、M1はヘテロポリ酸の水素原子と交換された原子、
2はヘテロポリ酸の中心原子、M3はポリ酸を構成して
いる金属原子を表し、その一部が他の金属原子と交換さ
れてもよい。Oは酸素原子を表す。更にaは10以下の
正の数、bは0若しくは10未満の正の数、cは1また
は2、dは10以上30以下の整数、eは100以下の
正の整数である。)で表されるヘテロポリ酸である。こ
の中でM2 が元素記号でP、Si、BまたはGeで表さ
れる原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子
であるヘテロポリ酸が入手し易いヘテロポリ酸として挙
げられ、さらに、M2 がPもしくはSi原子、M3がW
及びMo原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種で
あり、c=1、d=12である一般式 H3PWnMo(12-n)40、H4SiWnMo(12-n)
40(式中、nは0または12以下の正の整数であり、H
は水素原子、Pはリン原子、Siはケイ素原子、Moは
モリブデン原子、Wはタングステン原子、Oは酸素原子
を表す。)で表されるヘテロポリ酸およびこれらのプロ
トンを、アルカリ金属カチオンよりなる群から選ばれた
少なくとも一種の金属カチオン、チタン金属カチオン、
ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金属カチオンより
なる群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオン;ま
たはアルカリ金属カチオンよりなる群から選ばれた少な
くとも一種の金属カチオンと、更にチタン金属カチオ
ン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金属カチオン
よりなる群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオン
で一部を交換したヘテロポリ酸類がさらに入手し易いも
のとして例示さる。具体的に例示すれば、分子式もしく
は示性式でH3PW12O40、H3PMo12O40、H4SiW12O40、H4SiM
o12O40、H3PW11MoO40、 H3PW2Mo10O40、H4SiW2Mo
10O40、H3PV2Mo10O40等で表されるヘテロポリ酸及びこ
れらのプロトンの一部を、アルカリ金属カチオンよりな
る群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオン、チタ
ン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ
金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の
金属カチオン;またはアルカリ金属カチオンよりなる群
から選ばれた少なくとも一種の金属カチオンと、更にチ
タン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよびス
ズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種
の金属カチオンで交換したヘテロポリ酸である。
【0013】本発明においては、これらヘテロポリ酸ま
たはこれらのプロトンの一部をアルカリ金属カチオンよ
りなる群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオン、
チタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよび
スズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一
種の金属カチオン;またはアルカリ金属カチオンよりな
る群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオンと、更
にチタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよ
びスズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも
一種の金属カチオンで交換したヘテロポリ酸の少なくと
も一種を用いる。従って、本発明で言うヘテロポリ酸と
はこれらヘテロポリ酸のアルカリ金属塩、チタン金属
塩、ジルコニウム金属塩、スズ金属塩及びこれらの複合
金属塩等の金属塩も含まれる。しかしながら、本発明で
はこれらのヘテロポリ酸のみに限定されない。 本発明
で言うアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウムであり、カリウム、ルビジウ
ム、セシウムが不溶性のヘテロポリ酸塩を形成し、後述
する炭化水素基を有する、アルコキシシランもしくはハ
ロゲン化シランよりなる群から選ばれた少なくとも1種
のシラン化合物の加水分解により誘導される有機高分子
シロキサン;または炭化水素基を有するアルコキシシラ
ンもしくはハロゲン化シランよりなる群から選ばれた少
なくとも1種のシラン化合物と、テトラアルコキシシラ
ン、テトラハロゲン化シランおよびアルコキシハロゲン
化シランよりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラ
ン化合物との混合シラン化合物の加水分解により誘導さ
れる有機高分子シロキサン中に分散する場合に大量分散
することが可能であり好ましい。
【0014】ヘテロポリ酸のプロトンを、アルカリ金属
カチオン、チタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチ
オンおよびスズ金属カチオンで交換する方法について
は、本発明では特に限定はされなく、実質的にこれら金
属イオンで交換された形態が得られるならば如何なる方
法で行っても差し支えないが、実施し易い方法として例
示すれば、これら金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩等の
水溶液とヘテロポリ酸水溶液を混合撹拌した後、蒸発乾
固等により単離する、またはチタンもしくはジルコニウ
ムのアルコキサイドのアルコール溶液とヘテロポリ酸の
アルコール溶液を混合し、攪拌した後蒸発乾涸等により
単離する等の方法が挙げられる。
【0015】本発明においてプロトンの一部をアルカリ
金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の
金属カチオン、チタン金属カチオン、ジルコニウム金属
カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれ
た少なくとも一種の金属カチオン;またはアルカリ金属
カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の金属
カチオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金
属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ば
れた少なくとも一種の金属カチオンと交換したヘテロポ
リ酸を使用する際のプロトンのこれら金属カチオンとの
交換率については実質的には完全に中和しない限り(ヘ
テロポリ酸中にプロトンが残存している状態)は差し支
えないが、好ましくは無交換ヘテロポリ酸のプロトンを
基準に95%以下、更に好ましくは85%以下に交換す
ることが推奨される。余りに交換率が高ければ、触媒と
して作用するプロトン量が減少し、触媒の活性を低下さ
せることもある。
【0016】本発明では上記ヘテロポリ酸が炭化水素基
を有する、アルコキシシランもしくはハロゲン化シラン
よりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物
の加水分解により誘導される有機高分子シロキサン;ま
たは炭化水素基を有するアルコキシシランもしくはハロ
ゲン化シランよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
シラン化合物と、テトラアルコキシシラン、テトラハロ
ゲン化シランおよびアルコキシハロゲン化シランよりな
る群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物との混
合シラン化合物の加水分解により誘導される有機高分子
シロキサン中に分散したヘテロポリ酸を触媒として使用
する。ヘテロポリ酸を有機高分子シロキサン中に分散す
る方法は特に限定はされなく、実質的にヘテロポリ酸が
有機高分子シロキサン中に分散される方法であるならば
如何なる方法を採用しても差し支えないが、実施し易い
方法としては例えば、アルコール類中に炭化水素基を置
換基に持つアルコキシシランもしくはハロゲン化シラン
よりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物
を、好ましくはテトラアルコキシシラン、テトラハロゲ
ン化シランおよびハロゲン化アルコキシシランよりなる
群から選ばれたシラン化合物との混合物として所定量溶
解させた後、溶解したもしくは不溶化している所定量の
ヘテロポリ酸をこの溶液中に懸濁させ機械撹拌しながら
所定量の水を添加し加水分解を行う。この時、必要であ
るならば加熱処理を行うことも差し支えない。
【0017】加水分解が完了した後、生成したヘテロポ
リ酸の分散した有機高分子シロキサンは濾過洗浄し、さ
らにこの濾別固体を乾燥しアルコール類を除去した後、
水中に懸濁させ加熱洗浄を行った後濾過し乾燥脱水し更
に、電気炉中で加熱処理を行ったものを触媒として使用
する。この際に、加水分解に用いる溶媒に対して不溶と
なるヘテロポリ酸を用いれば、加水分解によって生成し
た有機高分子シロキサンゲル中により多くのヘテロポリ
酸を分散、保持させることが可能であり、触媒としての
効率の観点から好ましい調製方法となる場合がある。
【0018】ここにおいて、ヘテロポリ酸の不溶化につ
いて述べる。ヘテロポリ酸は一般的にはアルコール類に
対して容易に溶解する。しかしながら、アルカリ金属の
塩(部分中和塩)のうち、カリウム、ルビジウム、セシ
ウム塩は不溶固体となる。またその他のアルカリ金属塩
及び中和しないヘテロポリ酸についてはアンモニアと中
和することにより不溶化が達成される。アンモニアによ
り不溶化し、有機高分子シロキサンゲル中に分散したも
のは、電気炉中で所定温度に加熱することによりアンモ
ニアを脱離し、プロトンを復活することが可能であり、
これにより本発明の触媒となる。無論、可溶なヘテロポ
リ酸も有機高分子シロキサンゲル中に分散させることも
可能である。本発明は上記分散方法のみに限定されるも
のではない。
【0019】ここにおいて、本発明で使用する炭化水素
基を有する有機高分子シロキサンとは、炭化水素基を有
するアルコキシシランもしくはハロゲン化シランよりな
る群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物の加水
分解により誘導される有機高分子シロキサン;または部
分的に炭化水素基を有するアルコキシシランもしくはハ
ロゲン化シランよりなる群から選ばれた少なくとも1種
のシラン化合物と、テトラアルコキシシラン、テトラハ
ロゲン化シランおよびアルコキシハロゲン化シランより
なる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物との
混合シラン化合物の加水分解により誘導される有機高分
子シロキサンである。炭化水素基を有するアルコキシシ
ランもしくはハロゲン化シランよりなる群から選ばれた
少なくとも1種のシラン化合物と、テトラアルコキシシ
ラン、テトラハロゲン化シランおよびアルコキシハロゲ
ン化シランよりなる群から選ばれた少なくとも1種のシ
ラン化合物との混合シラン化合物を加水分解する場合に
は、炭化水素基を有するアルコキシシランもしくはハロ
ゲン化シランよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
シラン化合物と、テトラアルコキシシラン、テトラハロ
ゲン化シランおよびアルコキシハロゲン化シランよりな
る群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物との混
合比については特に限定はされないが炭化水素を有する
アルコキシシランもしくはハロゲン化シランよりなる群
から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物/テトラア
ルコキシシラン、テトラハロゲン化シランおよびアルコ
キシハロゲン化シランよりなる群から選ばれた少なくと
も1種のシラン化合物のモル比が0.01以上、好まし
くは0.1以上である。
【0020】ここにおいて、本発明で使用する部分的に
炭化水素基を有するアルコキシシランとは一般式:(R
AnSi(ORB4-n (式中、nは1以上3以下の正
の整数であり、Siはケイ素原子、RA及びRB は置換
または無置換の炭化水素基であり、同一の基でも、各々
異なる基でも差し支えない。)で表されるシラン化合物
である。また炭化水素基を有するハロゲン化シランとは
一般式:(RCnSi(X)4-n(式中、nは1以上3
以下の正の整数であり、Siはケイ素原子、RC、は置
換または無置換の炭化水素基であり、同一の基でも、各
々異なる基でも差し支えない。さらにXはハロゲン原子
である。)で表されるシラン化合物であり、テトラアル
コキシシランとは一般式:Si(ORD4(式中、Si
はケイ素原子、RD は置換または無置換の炭化水素基で
あり、同一の基でも、各々異なる基でも差し支えな
い。)で表されるシラン化合物であり、テトラハロゲン
化シランは一般式:SiX4 (式中、Siはケイ素原
子、Xはハロゲン原子である。)で表されるシラン化合
物である。この時、RA、RB、RC及びRDは好ましくは
炭素数1〜15の脂肪族飽和炭化水素基、脂環式飽和炭
化水素基または芳香族炭化水素基等が好ましい。更に、
これらRA、RB、RC及びRDが置換基として、アルキル
基、ハロゲン元素、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ
基、シアノ基、水酸基等を有していても差し支えない。
【0021】具体的にこれらの炭化水素基を例示すれ
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基、n−デシル基、等のアルキル基、シク
ロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシク
ロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、オクチルシク
ロヘキシル基、シクロオクチル基、メチルシクロオクチ
ル基、ジメチルシクロオクチル基、エチルシクロオクチ
ル基等の脂環式飽和炭化水素基、フェニル基、トリル
基、エチルフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシルフ
ェニル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられ、さらにこ
れらの炭化水素基に置換基として、アルキル基、ハロゲ
ン元素、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ
基、水酸基等を有する炭化水素基も同様に例示される。
次に、本発明におけるハロゲン原子とは、フッ素、塩
素、臭素およびヨウ素原子を意味する。ここにおいて本
発明における好ましいハロゲン原子としては、塩素、及
び臭素が挙げられ塩素がより好ましい。
【0022】本発明において使用する触媒のヘテロポリ
酸の有機高分子シロキサン中への分散量については特に
その量を限定するものではないが、好ましくは有機高分
子シロキサン/ヘテロポリ酸の重量比で0.01〜10
0の範囲であり、さらに好ましくは0.2〜2.0の範
囲である。余りに有機高分子シロキサンの量が少ない
と、実質的にヘテロポリ酸が分散されなく、また余りに
有機高分子シロキサンの量が多ければ、ヘテロポリ酸の
触媒作用を阻害する恐れがある。本発明を実施するにあ
たり、原料であるオレフィンと水の使用量(量比)は特
に限定はされないが、好ましくは水/オレフィンのモル
比で0.1〜50の範囲、更に好ましくは0.3〜30
の範囲で実施することが推奨される。余りに水の量が少
なければ、原料オレフィンの高い転化率を達成すること
は困難であり、また余りに水の量が多ければ、オレフィ
ンの転化率を高めることは出来るが、必要以上に水を用
いるため反応器が過大となり、また水の大量循環が必要
であり、効率的に製造し得ないためである。
【0023】また、本発明を実施する際に、使用する触
媒量も特に限定はされないが、例えば、反応をバッチ方
式で実施する場合には、好ましくは原料となる水に対し
て、有機高分子シロキサン中に含有されるヘテロポリ酸
の重量パーセントで0.001〜100重量パーセン
ト、更に好ましくは0.1〜50重量パーセントで行う
ことが推奨される。あまりに少量の触媒を使用すること
は、実質的に反応速度を極端に低下させ、効率上問題と
なり、また、あまりに大量の触媒を使用すれば、反応液
等の攪拌効率を低下させトラブルを生じる原因となる恐
れがあるためである。反応温度は、特に限定されない
が、好ましくは0〜500℃、更に好ましくは30〜3
00℃の範囲である。反応温度が極端に低すぎると、オ
レフィン(反応試剤)の転化率が低い、言い換えれば極
端に反応速度が低下し、反応生成物の生産性が低下す
る。一方、反応温度が500℃以上で実施すれば、好ま
しからざる副反応等が進行し副生成物の増大や、原料で
あるオレフィン、更に生成物であるアルコール類の安定
性にも好ましくなく、反応選択率の低下をもたらし経済
的ではない。
【0024】反応は減圧、加圧および常圧の何れの状態
で実施する事も可能である。反応効率(単位体積あたり
の反応効率)の観点から余りに低い圧力で実施する事は
好ましくない。また、反応装置等の設備的な経済性の観
点から余りに高い圧力で実施する事も好ましくない。通
常好ましい実施圧力範囲は0.5〜500気圧であり、
更に好ましくは1.0〜300気圧である。しかしなが
ら本発明はこれらの圧力範囲のみに限定されるものでは
ない。また、反応は液相、気−液相または気相の何れの
状態で実施する事も可能であが、生産性、反応器の規模
の観点から、少なくとも水の一部が液体状態で実施する
ことが好ましい。しかしながら本発明においてはこれに
限定されることはない。本発明を実施するに当たり、反
応系内に触媒および反応試剤に対して不活性な、溶媒も
しくは気体を添加して、希釈した状態で行う事も可能で
ある。具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素
類、窒素、アルゴン、ヘリウム、等の不活性気体等が例
示される。本発明は、通常のバッチ反応、一部の原料も
しくは触媒等を連続的に供給するようなセミバッチ反応
又は流通連続反応の何れの反応方法においても実施可能
である。また、反応原料および触媒等の各成分の添加順
序および添加方式等、特に制限される事はない。
【0025】更に、触媒充填方式としては、固定床、流
動床、懸濁床、棚段固定床等種々の方式が採用され、何
れの方式で実施しても差し支えない。反応時間(流通反
応においては滞留時間もしくは触媒接触時間)は特に限
定されないが、通常0.1秒〜30時間、好ましくは
0.5秒〜15時間である。反応後、反応生成物を必要
であるならば、前記触媒等から濾過分離、抽出、留去等
の通常の分離方法によって分離回収する事ができる。目
的生成物であるアルコール類は上記分離回収回収物から
溶媒抽出、蒸留、アルカリ処理、酸処理等の逐次的な処
理方法、或いは、これらを適宜組み合わせた操作等の通
常の分離、精製法によって分離、精製し取得する事がで
きる。また、未反応原料は回収して、再び反応系へリサ
イクルして使用する事もできる。バッチ式反応の場合、
反応後に反応生成物を分離して回収された触媒はそのま
ま、又はその一部もしくは全部を再生した後、繰り返し
て触媒として反応に再度、使用する事もできる。
【0026】固定床又は流動床流通連続反応方式で実施
する場合には、反応に供する事によって、一部又は総て
が失活もしくは活性低下した触媒は、反応を中断後再生
して反応に供する事もできるし、また、連続的もしくは
断続的に触媒の一部を抜き出し、再生後、再び反応器へ
リサイクルして、再使用する事もできる。更に、新たな
触媒を連続的又は断続的に反応器に供給する事もでき
る。移動床式流通連続反応、もしくは均一触媒流通反応
方式で実施する際には、バッチ式反応と同様に触媒を分
離、再生して再使用する事ができる。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例により、更に具体的に説
明する。しかしながら、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。 触媒調製 (1)ヘテロポリ酸のアルカリ金属カチオンによる部分
中和塩 予め、結晶水含有量を測定したヘテロポリ酸を所定量純
水中に溶解し、これを室温で撹拌しながら、所定量の炭
酸アルカリを溶解した水溶液を、滴下方法により添加し
た。滴下開始と同時に溶液中に白色固体が析出した。滴
下完了後、更に3時間撹拌を継続した後水を減圧溜去し
て白色固体を得た。この固体を乾燥器中100℃で脱水
した後、電気炉中350℃、3時間の加熱処理を行い、
プロトンの所定量をアルカリ金属カチオンで交換したア
ルカリ金属部分中和ヘテロポリ酸を調製した。この方法
により得られたアルカリ金属カチオンによる部分中和ヘ
テロポリ酸をそれぞれ表1に掲げた。
【0028】(2)アルカリ金属カチオンによる部分中
和ヘテロポリ酸の有機高分子シロキサン分散触媒 所定量のエチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシ
ランを溶解したエタノール中に、所定量の上記(1)処
方によって得られたヘテロポリ酸のアルカリ金属カチオ
ン部分中和塩を加え懸濁させ、40℃で1時間撹拌を行
った後、この温度で仕込んだアルコキシシランに対し
て、モル比で6倍の純水をこの懸濁液中に滴下した。滴
下完了後、懸濁液の温度を80℃に上昇させ、この温度
で更に24時間撹拌を行った。加熱撹拌終了後、この懸
濁液からアルコール類、水等の液体成分を減圧溜去し、
更に100℃で残固体を乾燥した後、この固体を、80
℃の純水中で9時間撹拌洗浄し、濾過洗浄して、濾別固
体を得た。この固体を、100℃で脱水した後、電気炉
中300℃で加熱処理を行いこれを触媒として使用し
た。この時、生成した有機高分子シロキサン中に分散さ
れたヘテロポリ酸触媒は、理論計算量生成し、ロスは無
かった。この方法により得られた触媒をそれぞれ表2に
掲げた。
【0029】(3)部分中和しないヘテロポリ酸を有機
高分子シロキサン中へ分散した触媒 (A)ヘテロポリ酸のアンモニア中和物をエタノール−
エチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシラン混合
溶液中に懸濁させ上記方法により有機高分子シロキサン
中へ分散したヘテロポリ酸のアンモニウム塩を調製し
た。但し、ヘテロポリ酸のアンモニウム型をプロトン型
に変換させるため、電気炉中での加熱を400℃で8時
間行なった。また、有機高分子シロキサン中へ分散した
アンモニウム型ヘテロポリ酸は、熱水洗浄中に若干、ア
ンモニウム塩は溶解するので、その減少量を測定し、有
機高分子シロキサン中への分散量を算出した。この方法
によって得られた触媒を表3に掲げた。
【0030】(4)部分中和しないヘテロポリ酸を有機
高分子シロキサン中へ分散した触媒 (B)所定量のエチルトリエトキシシランとテトラエト
キシシランを溶解させたエタノール溶液中に、予めヘテ
ロポリ酸の有する結晶水を350℃で充分加熱し、脱結
晶水化された無結晶水ヘテロポリ酸を所定量添加し、4
0℃で1時間撹拌を行い均一液とした後、この温度で仕
込んだアルコキシシランに対して、モル比で3倍の純水
を滴下した。滴下完了後、溶液の温度を80℃に上昇さ
せ、この温度で更に48時間撹拌を行った。この結果、
溶液は寒天状となり流動性がなくなった。これを減圧下
に加熱し溶媒を除去した後、更に100℃で残固体を乾
燥した後、この固体を、80℃の純水中で9時間撹拌洗
浄し、濾過洗浄して、濾別固体を得た。この固体を、1
00℃で脱水した後、電気炉中300℃で加熱処理を行
いこれを触媒として使用した。尚、有機高分子シロキサ
ン中に分散されたヘテロポリ酸の量は無機分析により求
めた。この方法によって得られた触媒を表4に掲げた。
【0031】(5)ヘテロポリ酸のチタンまたはジルコ
ニウムカチオンによる部分中和塩 所定量の上記方法により脱結晶水化されたヘテロポリ酸
をエタノール中に溶解させた溶液中に、予め所定量のチ
タン若しくはジルコニウムイソプロポキサイド(Zr(OiP
r)4若しくはTi(OiPr)4)をエタノールに溶解した溶液を
室温で各々、攪拌しながら滴下した。滴下終了後、更に
3時間攪拌を継続した後、減圧下に溶媒等を留去させて
白色固体を得た。この固体を乾燥器中100℃で乾燥し
た後、電気炉中350℃、3時間の加熱処理を行い、プ
ロトンの所定量をチタン若しくはジルコニウム金属カチ
オンで交換した部分中和ヘテロポリ酸を調製した。この
方法により得られたチタンまたはジルコニウムカチオン
による部分中和ヘテロポリ酸をそれぞれ表5に掲げた。
【0032】(6)ヘテロポリ酸のスズカチオンによる
部分中和塩 所定量のヘテロポリ酸水溶液中に、攪拌しながら所定量
の酢酸スズ(Sn(OAC)2)水溶液を室温で滴下した。滴下
終了後、更に3時間攪拌を継続した後、減圧下に溶媒等
を留去させて白色固体を得た。この固体を乾燥器中10
0℃で乾燥脱水した後、電気炉中350℃、3時間の加
熱処理を行い、プロトンの所定量をスズ金属カチオンで
交換した部分中和ヘテロポリ酸を調製した。この方法に
より得られたスズ金属カチオンによる部分中和ヘテロポ
リ酸をそれぞれ表5に掲げた。
【0033】(7)チタン、ジルコニウムまたはスズカ
チオンによる部分中和ヘテロポリ酸を有機高分子シロキ
サン中へ分散した触媒 所定量のエチルトリエトキシシランとテトラエトキシシ
ランを溶解させたエタノール溶液中に、上記方法により
得られたチタン、ジルコニウムまたはスズカチオンによ
り部分中和されたヘテロポリ酸を所定量添加し、40℃
で1時間撹拌を行い均一液とした後、この温度で仕込ん
だアルコキシシランに対して、モル比で3倍の純水を滴
下した。滴下完了後、溶液の温度を80℃に上昇させ、
この温度で更に48時間撹拌を行った。この結果、溶液
は寒天状となり流動性がなくなった。これを減圧下に加
熱し溶媒を除去した後、更に100℃で残固体を乾燥し
た後、この固体を、80℃の純水中で9時間撹拌洗浄
し、濾過洗浄して、濾別固体を得た。この固体を、10
0℃で脱水した後、電気炉中300℃で加熱処理を行い
これを触媒として使用した。尚、有機高分子シロキサン
中に分散されたヘテロポリ酸の量は無機分析により求め
た。この方法によって得られた触媒を表6に掲げた。
【0034】(8)ヘテロポリ酸のアルカリ金属カチオ
ンと更にチタン金属カチオンによる複合金属カチオンに
よる部分中和塩 ヘテロポリ酸を所定量純水中に溶解し、これを室温で撹
拌しながら、所定量の炭酸アルカリを溶解した水溶液
を、滴下方法により添加した。滴下開始と同時に溶液中
に白色固体が析出した。滴下完了後、更に3時間撹拌を
継続した後水を減圧溜去して白色固体を得た。この固体
を乾燥器中100℃で脱水した後、電気炉中350℃、
3時間の加熱処理を行い、プロトンの所定量をアルカリ
金属カチオンで交換したアルカリ金属部分中和ヘテロポ
リ酸を調製した。得られたアルカリ金属部分中和ヘテロ
ポリ酸をエタノール中に懸濁させた懸濁液中に攪拌しな
がら、予め所定量のチタンイソプロポキサイド(Ti(OiP
r)4) をエタノールに溶解した溶液を室温で滴下した。
滴下終了後、更に3時間攪拌を継続した後、減圧下に溶
媒等を留去させて白色固体を得た。この固体を乾燥器中
100℃で乾燥した後、電気炉中350℃、3時間の加
熱処理を行い、プロトンの所定量をアルカリ金属カチオ
ンと更にチタン金属カチオンで交換した部分中和ヘテロ
ポリ酸を調製した。この方法により得られたアルカリ金
属、チタン金属による部分中和ヘテロポリ酸をそれぞれ
表7に掲げた。
【0035】(9)アルカリ金属カチオンと、更にチタ
ン金属カチオンによる複合金属カチオンによる部分中和
ヘテロポリ酸を有機高分子シロキサン中へ分散した触媒 所定量のエチルトリエトキシシランとテトラエトキシシ
ランを溶解したエタノール中に、所定量の上記処方によ
って得られたヘテロポリ酸のアルカリ金属カチオンとチ
タン金属カチオンによる部分中和塩を加え懸濁させ、4
0℃で1時間撹拌を行った後、この温度で仕込んだアル
コキシシランに対して、モル比で6倍の純水をこの懸濁
液中に滴下した。滴下完了後、懸濁液の温度を80℃に
上昇させ、この温度で更に24時間撹拌を行った。加熱
撹拌終了後、この懸濁液からアルコール類、水等の液体
成分を減圧溜去し、更に100℃で残固体を乾燥した
後、この固体を、80℃の純水中で9時間撹拌洗浄し、
濾過洗浄して、濾別固体を得た。この固体を、100℃
で脱水した後、電気炉中300℃で加熱処理を行いこれ
を触媒として使用した。この時、生成した有機高分子シ
ロキサン中に分散されたヘテロポリ酸触媒は、理論計算
量生成し、ロスは無かった。この方法により調製された
触媒を表8に掲げた。
【0036】部分中和ヘテロポリ酸のプロトン交換率 交換に使用したヘテロポリ酸の有するプロトンの総量に
対する交換に使用したアルカリ金属カチオンの総量の比
を交換率とした。従って、例えばドデカタングストリン
酸(H3PW12O40) を炭酸アルカリによりアルカリ金属と
交換する場合には、交換に使用した H3PW12O40 がAミ
リモルであり、炭酸アルカリがBミリモルの場合には、
以下の算式で交換率を求めた。 交換率(%)=100×(2B/3A)
【0037】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 アルカリ金属 フ゜ロトン ヘテロホ゜リ酸 (交換前) 交換率(%) 部分中和塩 ──────────────────────────────────── H3PW12O40 Cs 83.3 HPA1 H3PW12O40 K 83.3 HPA2 H3PW12O40 Rb 83.3 HPA3 H3PMo12O40 Cs 83.3 HPA4 H4SiW12O40 Cs 50.0 HPA5 H4SiMo12O40 Cs 50.0 HPA6 H3PW11MoO40 Cs 83.3 HPA7 H3PW2Mo10O40 Cs 83.3 HPA8 H4SiW2Mo10O40 Cs 30.0 HPA9 H3PV2Mo10O40 Cs 83.3 HPA10 ────────────────────────────────────
【0038】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 アルキルシリケート/シリケート A 触媒 部分中和塩 モル比 重量比 ──────────────────────────────────── HPA1 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒1 HPA1 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/9 1/1 触媒2 HPA1 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/20 1/1 触媒3 HPA1 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒4 HPA1 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/9 1/1 触媒5 HPA1 MeSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒6 HPA2 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒7 HPA2 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒8 HPA3 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒9 HPA3 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒10 HPA4 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒11 HPA4 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒12 HPA5 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒13 HPA6 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒14 HPA7 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒15 HPA8 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒16 HPA8 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒17 HPA9 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒18 HPA10 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒19 ──────────────────────────────────── A:有機高分子シロキサンの重量/カチオン交換後のヘテロポリ酸の重量
【0039】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 アルキルシリケート/シリケート A 触媒 モル比 重量比 ──────────────────────────────────── H3PW12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.53 触媒20 H3PW12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/20 1/0.49 触媒21 H3PW12O40 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.55 触媒22 H3PW12O40 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/20 1/0.45 触媒23 H3PMo12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.47 触媒24 H4SiW12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.44 触媒25 ──────────────────────────────────── A:有機高分子シロキサンの重量/カチオン交換後のヘテロポリ酸の重量
【0040】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 アルキルシリケート/シリケート A 触媒 モル比 重量比 ──────────────────────────────────── H3PW12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.15 触媒26 H3PW12O40 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.12 触媒27 H3PMo12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.09 触媒28 H4SiW12O40 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.11 触媒29 ──────────────────────────────────── A:有機高分子シロキサンの重量/カチオン交換後のヘテロポリ酸の重量
【0041】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 交換金属 フ゜ロトン ヘテロホ゜リ酸 (交換前) 交換率(%) 部分中和塩 ──────────────────────────────────── H3PW12O40 Ti 83.3 HPA16 H3PW12O40 Zr 83.3 HPA17 H3PW12O40 Sn 83.3 HPA18 H3PW12O40 Ti 50.0 HPA19 H4SiW12O40 Ti 50.0 HPA20 H4SiMo12O40 Ti 50.0 HPA21 H3PMo12O40 Sn 83.3 HPA22 H3PW11MoO40 Ti 83.3 HPA23 ────────────────────────────────────
【0042】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 アルキルシリケート/シリケート A 触媒 部分中和塩 モル比 重量比 ──────────────────────────────────── HPA16 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.121 触媒30 HPA16 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.098 触媒31 HPA17 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.115 触媒32 HPA18 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.109 触媒33 HPA18 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.137 触媒34 HPA19 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.144 触媒35 HPA20 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.106 触媒36 HPA21 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.122 触媒37 HPA22 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.099 触媒38 HPA22 PhSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.101 触媒39 HPA23 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/0.132 触媒40 ──────────────────────────────────── A:有機高分子シロキサンの重量/カチオン交換後のヘテロポリ酸の重量
【0043】
【表7】 表7 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 フ゜ロトン交換率(%) ヘテロホ゜リ酸 (交換前) Cs Ti 部分中和塩 ──────────────────────────────────── H3PW12O40 50.0 33.3 HPA24 H3PW12O40 30.0 53.3 HPA25 H3PW12O40 30.0 20.0 HPA26 H4SiW12O40 30.0 20.0 HPA27 ────────────────────────────────────
【0044】
【表8】 表8 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 アルキルシリケート/シリケート A 触媒 部分中和塩 モル比 重量比 ──────────────────────────────────── HPA24 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒41 HPA25 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒42 HPA26 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒43 HPA27 EtSi(OEt)3/Si(OEt)4 = 1/1 1/1 触媒44 ──────────────────────────────────── A:有機高分子シロキサンの重量/カチオン交換後のヘテロポリ酸の重量
【0045】実施例1〜25 70mlのオートクレーブ中に触媒1〜25のいずれか
をヘテロポリ酸(アルカリ金属カチオン交換したものは
その重量、総て無水重量として)の重量換算で2.0
g、更に水24.0g(1.33mol)を仕込んだ
後、プロピレン12.0g(0.285mol)を圧入
して140℃、5時間、加熱撹拌し反応を行った。反応
終了後、オートクレーブを冷却し放圧後、反応液をガス
クロマトグラフ法によって分析した。この結果、イソプ
ロピルアルコールは表9に示したように、収率良く生成
したことが確認された。尚、この時総ての実施例におい
て、副生成物である、イソプロピルエーテルの生成は確
認されなかった。更に反応終了後の触媒は、総て反応容
器底部に沈降しており、容易に分離できた。
【0046】
【表9】 表9 ──────────────────────────────────── 触媒 iPA収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 触媒1 12.6 実施例2 触媒2 10.8 実施例3 触媒3 10.0 実施例4 触媒4 12.3 実施例5 触媒5 10.7 実施例6 触媒6 10.1 実施例7 触媒7 12.1 実施例8 触媒8 10.8 実施例9 触媒9 12.9 実施例10 触媒10 11.0 実施例11 触媒11 14.7 実施例12 触媒12 13.4 実施例13 触媒13 7.9 実施例14 触媒14 9.5 実施例15 触媒15 11.8 実施例16 触媒16 14.1 実施例17 触媒17 13.5 実施例18 触媒18 11.8 実施例19 触媒19 6.4 実施例20 触媒20 15.3 実施例21 触媒21 13.9 実施例22 触媒22 13.5 実施例23 触媒23 12.0 実施例24 触媒24 19.1 実施例25 触媒25 20.9 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;収率は仕込みプロピレン基準
【0047】比較例1 触媒として、H3PW1240 のプロトンの83.3%を
Csカチオンで交換し、シリカのみに分散したものをヘ
テロポリ酸の重量換算で2.0g使用した以外は総て実
施例1と同一の条件で反応を行った。この結果、イソプ
ロピルアルコールの収率は仕込みプロピレン基準で8.
5%であり、ジイソプロピルエーテルの生成は認められ
なかった。このことからもヘテロポリ酸を炭化水素基を
有する有機高分子シロキサンゲルなかに分散する事によ
りその活性が向上することがわかる。
【0048】実施例26 反応温度を、160℃とした以外は総て実施例1と同一
の条件で反応を行った。この結果、イソプロピルアルコ
ールおよびイソプロピルエーテルは仕込みプロピレン基
準でそれぞれ22.3%および2.1%であった。
【0049】実施例27 水の仕込み量を36.0gとした以外は総て実施例26
と同一の条件で反応を実施した。この結果、イソプロピ
ルアルコールの収率は30.5%であり、副生成物とな
るジイソプロピルエーテルの生成は認められなかった。
【0050】実施例28〜31 プロピレンの仕込み量を6gとし、反応温度、および反
応時間をそれぞれ表10に掲げた如く変更した以外は総
て実施例27と同一の条件で反応を実施した。この結
果、イソプロピルアルコールおよびジイソプロピルエー
テルの収率は、表10に示した如く生成した。
【0051】
【表10】 表10 ──────────────────────────────────── 反応温度 反応時間 収率(プロピレン基準) (℃) (時間) iPA DiPE ──────────────────────────────────── 実施例28 160 3.0 44.5 0.6 実施例29 180 1.0 56.8 0.8 実施例30 200 0.5 70.9 1.0 実施例31 250 0.1 87.1 1.4 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;DiPE=ジイソプロピルエーテル
【0052】実施例32 実施例30の条件で反応を行い、反応終了後触媒のみ反
応器に残し、反応液のみ分離回収して、分析した。その
後、反応器に残した触媒を新たに実施例30と同一量の
水およびプロピレンを仕込み、実施例30と同一の反応
条件で、反応を繰り返した。この操作を合計5回繰り返
した。結果は表11に示したように、繰り返しによる、
反応成績の低下は認められず、触媒はこの温度、条件で
安定であることが分かる。
【0053】
【表11】 表11 ──────────────────────────────────── 反応回 収率(%) iPA DiPE ──────────────────────────────────── 1回目 70.3 1.2 2回目 69.5 1.1 3回目 67.7 0.8 4回目 68.5 0.9 5回目 68.1 0.8 ──────────────────────────────────── 収率は仕込みプロピレン基準である。
【0054】比較例2 触媒を陽イオン交換樹脂であるアンバーリスト15を
2.0gとした以外は実施例25と同様にして繰り返し
を行った。繰り返し5回目の反応成績は、イソプロピル
アルコールの収率は微量であり、分析測定限界以下とな
った。明らかに、触媒は劣化したことが分かる。
【0055】実施例33〜34 プロピレンをエチレンまたは1−ブテンに代え、それぞ
れ0.285モル仕込んだ以外は総て実施例26と同一
の条件で反応を行った。結果は表12に示したようにそ
れぞれのオレフィンでも収率良く、アルコール類が生成
した。尚、表12中の収率は総て仕込みオレフィン基準
である。また、生成したアルコール類は、エチレンから
はエタノール、1−ブテンからは2−ブタノールであ
る。
【0056】
【表12】 表12 ──────────────────────────────────── オレフィン アルコール類収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例33 エチレン 19.6 実施例34 1−ブテン 29.7 ────────────────────────────────────
【0057】実施例35〜38 触媒を、それぞれ表4に掲げた有機高分子シロキサン中
に分散した触媒(触媒26〜触媒29)をヘテロポリ酸
重量として1.0g(有機高分子シロキサン中に含まれ
るヘテロポリ酸の無結晶水重量換算で)に代えた以外は
総て実施例1と全く同一の条件でプロピレンの水和反応
を行った。結果は表13に示したように、少量のヘテロ
ポリ酸触媒でも収率良くイソプロピルアルコールの生成
が認められた。副生成物であるジイソプロピルエーテル
の生成は認められなかった。
【0058】比較例3 触媒をドデカタングストリン酸(H3PW12O40):1.0g
(無結晶水物換算)に代えた以外は総て実施例35と全
く同一の条件で反応を行った。結果は表13に示したよ
うに、均一触媒であるにもかかわらず極めて低い活性を
示したに過ぎなかった。
【0059】比較例4 触媒をドデカタングストケイ酸(H4SiW12O40):1.0
g(無結晶水物換算)に代えた以外は総て実施例35と
全く同一の条件で反応を行った。結果は表13に示した
ように、均一触媒であるにもかかわらず極めて低い活性
を示したに過ぎなかった。
【0060】
【表13】 表13 ──────────────────────────────────── 触媒 iPA収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例35 触媒26 10.7 実施例36 触媒27 11.5 実施例37 触媒28 9.9 実施例38 触媒29 8.2 比較例3 H3PW12O40 1.8 比較例4 H4SiW12O40 2.7 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;収率は仕込みプロピレン基準 副生成物であるジイソプロピルエーテルの生成は認められなかった。
【0061】実施例39〜49 触媒を、それぞれ表6に掲げた有機高分子シロキサン中
に分散した触媒(触媒30〜触媒40)をヘテロポリ酸
重量として1.0g(有機高分子シロキサン中に含まれ
るヘテロポリ酸の無結晶水重量換算で)に代えた以外は
総て実施例35と全く同一の条件でプロピレンの水和反
応を行った。結果は表14に示したように、少量のヘテ
ロポリ酸触媒でも収率良くイソプロピルアルコールの生
成が認められた。副生成物であるジイソプロピルエーテ
ルの生成は認められなかった。
【0062】
【表14】 表14 ──────────────────────────────────── 触媒 iPA収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例39 触媒30 11.1 実施例40 触媒31 10.1 実施例41 触媒32 10.1 実施例42 触媒33 10.4 実施例43 触媒34 10.6 実施例44 触媒35 9.4 実施例45 触媒36 11.9 実施例46 触媒37 12.7 実施例47 触媒38 13.5 実施例48 触媒39 13.7 実施例49 触媒40 13.5 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;収率は仕込みプロピレン基準
【0063】実施例50〜53 触媒を、それぞれ表8に掲げた有機高分子シロキサン中
に分散した触媒(触媒41〜触媒44)をヘテロポリ酸
重量として2.0g(有機高分子シロキサン中に含まれ
るヘテロポリ酸の無結晶水重量換算で)に代えた以外は
総て実施例1と全く同一の条件でプロピレンの水和反応
を行った。結果は表15に示したように、少量のヘテロ
ポリ酸触媒でも収率良くイソプロピルアルコールの生成
が認められた。副生成物であるジイソプロピルエーテル
の生成は認められなかった。
【0064】
【表15】 表15 ──────────────────────────────────── 触媒 iPA収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例50 触媒41 13.3 実施例51 触媒42 15.0 実施例52 触媒43 14.2 実施例53 触媒44 10.4 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;収率は仕込みプロピレン基準
【0065】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)オレフィンを直接水和して、アルコール類を収率
および選択率良く製造することができる。 (2)従来の方法に比較して、アルコール類を低温、低
圧の温和な条件でも直接水和して製造することができ
る。加えて反応装置等の腐蝕の殆どない条件で実施する
事ができる。 (3)工業上重要なアルコール類を安全上、プロセス
上、経済上著しく優位に生産することができる。 (4)触媒の熱分解を防ぎ、反応液の中和処理を省いて
アルコール類を製造することができる。 (5)安定なアルコール類製造用固体不均一触媒を提供
できる。上述のように、本発明によって工業上著しく優
れたオレフィンの水和によるアルコール類の製造方法を
提供することができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンの接触水和反応によりアルコ
    ール類を製造する方法において、炭化水素基を有する有
    機高分子シロキサン中に分散させたヘテロポリ酸を触媒
    として用いることを特徴とするアルコール類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 炭化水素基を有する有機高分子シロキサ
    ンが、ケイ素原子に結合した炭化水素基を1以上3以下
    有する炭化水素基置換の、アルコキシシランもしくはハ
    ロゲン化シランの少なくとも1種のシラン化合物の加水
    分解により得られる有機高分子シロキサンである請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 炭化水素基を有する有機高分子シロキサ
    ンが、ケイ素原子に結合した炭化水素基を1以上3以下
    有する炭化水素基置換の、アルコキシシランもしくはハ
    ロゲン化シランの少なくとも1種のシラン化合物と、テ
    トラアルコキシシラン、テトラハロゲン化シランおよび
    アルコキシハロゲン化シランよりなる群から選ばれた少
    なくとも1種のシラン化合物との混合シラン化合物の加
    水分解生成物である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素基が、炭素数1以上15以下の
    脂肪族飽和炭化水素基、脂環式飽和炭化水素基または芳
    香族炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも一種
    の炭化水素基である請求項1、2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 ヘテロポリ酸が、一般式 Ha(M1b(M2c(M3d(O)e:(式中Hは水素
    原子、M1はヘテロポリ酸の水素原子と交換された原
    子、M2はヘテロポリ酸の中心原子、M3はポリ酸を構成
    している金属原子を表し、その一部が他の金属原子と交
    換されてもよい。Oは酸素原子を表す。更にaは10以
    下の正の数、bは0若しくは10未満の正の数、cは1
    または2、dは10以上30以下の整数、eは100以
    下の正の整数である。)で表されるヘテロポリ酸である
    請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 M2 が、元素記号でP、Si、Bまたは
    Geで表される元素よりなる群から選ばれた少なくとも
    1種の元素である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 ヘテロポリ酸が、アルカリ金属カチオン
    によりプロトンの一部を交換し部分中和したヘテロポリ
    酸である請求項1、5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 ヘテロポリ酸が、チタン金属カチオン、
    ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金属カチオンより
    なる群から選ばれた少なくとも一種のカチオンによりプ
    ロトンの一部を交換し部分中和したヘテロポリ酸である
    請求項1、5または6記載の方法。
  9. 【請求項9】 ヘテロポリ酸が、アルカリ金属カチオン
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種のカチオンと、
    更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンお
    よびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくと
    も一種のカチオンによりプロトンの一部を交換し部分中
    和したヘテロポリ酸である請求項1、5または6記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 ヘテロポリ酸のプロトンのカチオンに
    よる交換率が、ヘテロポリ酸の有する全てのプロトンに
    対して95%以下である請求項1、5、6、7、8また
    は9記載の方法。
  11. 【請求項11】 ヘテロポリ酸が、一般式:H3PW(n)
    Mo(12-n)40、 H4SiW(n)Mo(12-n)40(式
    中、nは0または12以下の正の整数であり、Hは水素
    原子、Pはリン原子、Siはケイ素原子、Moはモリブ
    デン原子、Wはタングステン原子、Oは酸素原子を表
    す。)で表されるヘテロポリ酸;およびこれらのヘテロ
    ポリ酸のプロトンの一部を、アルカリ金属カチオンより
    なる群から選ばれた少なくとも一種のカチオン、チタン
    金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金
    属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のカ
    チオンにより交換し部分中和したヘテロポリ酸;および
    これらのヘテロポリ酸のプロトンの一部を、アルカリ金
    属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のカ
    チオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金属
    カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれ
    た少なくとも一種のカチオンにより交換し部分中和した
    ヘテロポリ酸よりなる群から選ばれた少なくとも一種以
    上である請求項1、5、7、8、9または10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 アルカリ金属カチオンが、カリウム金
    属カチオン、セシウム金属カチオン及びルビジウム金属
    カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種であ
    り、部分中和したヘテロポリ酸が水に不溶なヘテロポリ
    酸である請求項7、9または11記載の方法。
  13. 【請求項13】 オレフィンの接触水和反応を、水が液
    体状態で存在する条件下に行う請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】オレフィンが、炭素数2以上6以下の低
    級オレフィンよりなる群から選ばれた少なくとも一種で
    ある請求項1、5、11または12記載の方法。
  15. 【請求項15】オレフィンがエチレンまたはプロピレン
    である請求項14記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7148387B2 (en) 2003-05-28 2006-12-12 Mitsui Chemicals, Inc. Process for producing hydroxyl group-containing compound
JP2016153392A (ja) * 2011-08-10 2016-08-25 サウジ アラビアン オイル カンパニー 一体型膜反応器を用いたオレフィン水和プロセス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7148387B2 (en) 2003-05-28 2006-12-12 Mitsui Chemicals, Inc. Process for producing hydroxyl group-containing compound
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