JPH08143493A - オレフィンの接触水和方法 - Google Patents

オレフィンの接触水和方法

Info

Publication number
JPH08143493A
JPH08143493A JP6280408A JP28040894A JPH08143493A JP H08143493 A JPH08143493 A JP H08143493A JP 6280408 A JP6280408 A JP 6280408A JP 28040894 A JP28040894 A JP 28040894A JP H08143493 A JPH08143493 A JP H08143493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
heteropolyacid
catalyst
atom
cation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6280408A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Inoue
薫 井上
Masao Iwasaki
正雄 岩崎
Naohiro Ueda
直浩 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP6280408A priority Critical patent/JPH08143493A/ja
Publication of JPH08143493A publication Critical patent/JPH08143493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレン、プロピレン等のオレフィンを触媒
存在下に水と接触させてアルコールを製造する方法を提
供する。 【構成】 ヘテロポリ酸の有するプロトンの一部を、ア
ルカリ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも
1種のカチオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニ
ウム金属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のカチオンで交換された部分
中和ヘテロポリ酸をケイ素アルコキシドの加水分解生成
物から誘導されたシリカゲル中に分散し、更にシリコー
ンコーティングした固体触媒の存在下に、反応器に原料
として水、およびエチレン、プロピレン等のオレフィン
を仕込み反応させることにより、オレフィンに対応する
アルコール類を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィンの水和によ
りアルコール類を製造する新規な方法に関する。更に詳
しくは、触媒として、高活性化されたヘテロポリ酸を触
媒として用いることを特徴とするオレフィンの直接水和
反応によるアルコール類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィンの直接水和反応による
アルコール類の製造方法としては、気相反応による製造
方法及び液相反応による製造方法が工業的に実施されて
いる。気相反応による製造方法としては、例えば、特開
平3-207728号においてはマクロポーラス型陽イオン交換
樹脂を触媒として用いており、特開昭55-124541号で
は、酸性層状粘土化合物を触媒として用いている。更に
広く工業化されている方法としては特開昭53-84096号、
特開昭52-133095号、 特公昭51-44915号等で開示されて
いるリン酸を担体に担持した触媒を用いている。これ
ら、気相反応による製造方法は、一般的に高温領域で反
応を実施しており、更にプロピレンの転化率も低い。従
って、反応器単位体積当たりのアルコール類の生成量が
極めて低く、且つ未反応オレフィンを大量にリサイクル
する必要があり、設備的にもエネルギー的にも有利な方
法とは言えない。これに加えて広く工業的に実施されて
いる担持リン酸触媒で製造する方法では反応とともに触
媒成分であるリン酸の飛散等による触媒の性能低下とい
った問題点も有している。
【0003】ここにおいて、気相法におけるアルコール
類の生産性の低さ、未反応オレフィンの大量循環といっ
た欠点を克服する方法として、一方の原料である水を液
体状態としてオレフィンと接触させる、いわゆる液相反
応も広く知られている。例えば、均一触媒として特公昭
43-8104号、特公昭43-16123号には芳香族スルホン酸が
記載されている。また、特公昭49-166号 、特公昭50-35
051号、特公昭49-36204号、特開昭53-9746号等ではヘテ
ロポリ酸が記載されている。しかしながら、これら均一
系触媒は、触媒と反応物(特に原料の一つである水)か
らの分離回収が煩雑となり、これに関わるエネルギーが
多大となる欠点がある。加えて、これら酸触媒が液相に
均一に溶解するため、反応器等の装置と液接触をするこ
とから、装置内壁の腐蝕の恐れがあり、高価な装置材質
の使用を余儀なくされ、経済的とは言えない。このこと
から液相反応において、固体不均一系の触媒が上記均一
系触媒の欠点を補うために用いられている。例えば、特
公昭44-26656号、特開昭49-117412号、 特開昭61-23074
4号、 特公昭58-7614号、 特公昭63-102121号 等におい
ては強酸性型陽イオン交換樹脂を触媒として用いてい
る。また、特開平3-502321号、特開平3-503175号、特開
平1-246234号、特開平1-246233号、特開昭63-218251号
等においてはゼオライト触媒を用いている。強酸性陽イ
オン交換樹脂触媒は上記液相均一触媒に比較して低温、
低圧(150℃前後、100気圧前後)の反応条件で使
用しており高い活性を有する。しかしながら、陽イオン
交換樹脂自体の耐熱温度は100℃程度であり、150
℃で使用することは現実的には、恒常的な触媒の劣化を
伴いながら反応を進行させており、スルホン酸基等の酸
性成分が分解脱離し、反応液中への流出は免れない。従
って、触媒活性が大幅に低下すると共に、液相均一触媒
と同様、流出した酸性成分による装置腐蝕の恐れがあ
り、反応装置は対腐蝕性の高い高価な材質を使用せねば
ならず、経済的に不利である。加えて、上記陽イオン交
換樹脂は機械的強度が低く、破壊しやすい問題点もあ
る。
【0004】これに対し、ゼオライト系の固体不均一触
媒においては、触媒活性が不十分であり、強酸性陽イオ
ン交換樹脂ほどの触媒活性は望めなく、アルコール類の
収率を高めるためには、高い反応温度を必要とする。し
かしながら、ゼオライト化合物はオレフィンの水和反応
条件のように、水の液相状態での存在下で、高温に加熱
することは、明らかにゼオライトの分解を促進する。従
って、好ましい生成速度でアルコール類を製造すること
は、現実的に不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
と水との直接接触水和反応によりアルコール類を製造す
るにあたり、液相反応における平衡的有利性等の生産性
の高さに注目し、且つ液相反応における固体不均一触媒
の有利性に注目し、従来の液相における固体不均一触媒
の持つ欠点を克服すべく鋭意検討した結果、オレフィン
の接触水和反応によりアルコール類を製造する方法にお
いて、ヘテロポリ酸の有するプロトンの一部をアルカリ
金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
カチオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金
属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ば
れた少なくとも1種のカチオンで交換された部分中和ヘ
テロポリ酸をケイ素アルコキシドの加水分解生成物から
誘導されたシリカゲル中に分散し、更にシリコーンコー
ティングしたものを固体不均一触媒として用いることに
より、従来固体不均一触媒の欠点であった、触媒の熱分
解による酸性成分の脱離分解のない安定で且つ高い活性
を有する触媒となることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0006】即ち、本発明の目的は、オレフィンの直接
水和反応において、液相で高効率でアルコール類を製造
し、且つ触媒と反応液の分離が容易であり、更に装置を
腐食すること無く実施可能な製造方法を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、該水和反応を気相及
び液相何れの反応形態においても、広い温度範囲で活性
低下すること無く実施可能な触媒を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、オレフ
ィンの接触水和反応によりアルコール類を製造する方法
において、ヘテロポリ酸の有するプロトンの一部を、ア
ルカリ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも
1種のカチオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニ
ウム金属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のカチオンで交換された部分
中和ヘテロポリ酸をケイ素アルコキシドの加水分解生成
物から誘導されたシリカゲル中に分散し、更にシリコー
ンコーティングしたものを触媒として用いることを特徴
とするアルコール類の製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる、オレフィンとは、脂肪族炭化水素化合物で
少なくとも1個以上の炭素炭素二重結合を有する、直鎖
若しくは分枝のモノオレフィン、ポリオレフィンであ
る。またこれらのオレフィンは置換基として、ハロゲン
元素、水酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボ
ニル基、アセトキシ基、芳香族基、カルボキシル基、メ
ルカプト基等を有しているものでも差し支えない。好ま
しくは、炭素数2〜10の脂肪族オレフィンである。具
体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−
メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等の直鎖
または分枝ペンテン類、1−ヘキセン、2−ヘキセン、
3−ヘキセン、メチルペンテン類等の直鎖または分枝ヘ
キセン類、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン等
のポリオレフィン類等が例示される。更に、シクロペン
テン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチル
シクロヘキセン、シクロオクテン、メチルシクロオクテ
ン類、シクロペンタジエン類、シクロヘキサジエン類、
シクロオクタジエン類等の脂環式オレフィン類を使用す
ることも可能である。より好ましくは、オレフィンが、
炭素数2以上6以下の低級オレフィンよりなる群から選
ばれた少なくとも一種であるものである。 更に好まし
くは、オレフィンがエチレンまたはプロピレンである。
本発明においてはこれらの一種もしくは二種以上を反応
に供する。また、本発明において使用するオレフィンの
純度は特に限定されることはなく、一般試薬純度、工業
純度もしくはアルカン等で希釈されたオレフィンも使用
することが可能である。
【0009】本発明は、上記オレフィンと水とを、ヘテ
ロポリ酸の有するプロトンの一部を、アルカリ金属カチ
オンよりなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオン
と、更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオ
ンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少な
くとも1種のカチオンで交換された部分中和ヘテロポリ
酸をケイ素アルコキシドの加水分解生成物から誘導され
たシリカゲル中に分散し、更にシリコーンコーティング
したものの存在下に接触させてアルコール類を製造す
る。本発明で製造されるアルコール類は、オレフィン類
に水が付加したものである。
【0010】本発明でプロトンの一部をアルカリ金属カ
チオンよりなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオ
ンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチ
オンおよびスズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少
なくとも1種のカチオンで交換するに使用されるヘテロ
ポリ酸とは、一般式:Hf(M2c(M3d(O)e(式
中Hは水素原子を表し、M2はヘテロポリ酸の中心原子
を表し、M3はポリ酸を構成している金属原子を表しそ
の一部が他の金属原子と交換されていてもよい、またO
は酸素原子を表す。更にfは10以下の正の整数、cは
1または2、dは10以上30以下の整数、eは100
以下の正の整数である。)で表される酸化物複合体であ
り、複合酸化物酸である。また本発明でいうこれらの酸
のプロトンの一部をアルカリ金属カチオンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の金属カチオン、と更にチタ
ン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ
金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の
金属カチオンによりプロトンの一部を交換し部分中和し
た、複合金属酸化物酸の酸性塩は通常、一般式:H
a(M1b(M2c(M3d(O)e(式中Hは水素原子
を表し、M1はヘテロポリ酸の有する水素原子と交換さ
れた原子であり、アルカリ金属原子よりなる群から選ば
れた少なくとも1種と、チタン金属、ジルコニウム金属
およびスズ金属よりなる群から選ばれた少なくとも1種
の混合金属原子を表し、M2はヘテロポリ酸の中心原子
を表し、M3はポリ酸を構成している金属原子を表しそ
の一部が他の金属原子と交換されていてもよい、またO
は酸素原子を表す。更にaは10未満の正の数、bは1
0未満の正の数であり且つ、a+bが10以下の正の整
数である。cは1または2、dは10以上30以下の整
数、eは100以下の正の整数である。)で表される部
分中和ヘテロポリ酸である。この中で、M2がPもしく
はSi原子、M3がW及びMo原子よりなる群から選ば
れた少なくとも1種であり、c=1、d=12である一
般式H3PWnMo(12-n)40、H4SiWnMo(12-n)
40(式中、nは0または12以下の正の整数であり、H
は水素原子、Pはリン原子、Siはケイ素原子、Moは
モリブデン原子、Wはタングステン原子、Oは酸素原子
を表す。)で表されるヘテロポリ酸のプロトンを、アル
カリ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一
種の金属カチオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコ
ニウム金属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群
から選ばれた少なくとも一種の金属カチオンで一部を交
換したヘテロポリ酸類が入手し易いものとして例示さ
る。
【0011】具体的に例示すれば、分子式もしくは示性
式でH3PW12O40、H3PW11MoO40、H3PW10Mo2O40、H3PW9Mo3
O40、H3PW8Mo4O40、H3PW7Mo5O40、H3PW6Mo6O40、H3PW5M
o7O40、H3PW4Mo8O40、H3PW3Mo9O40、H3PW2Mo10O40、H3P
WMo11O40、H3PMo12O40、H4SiW12O40、H4SiMo12O40、H4S
iW2Mo10O40、H3PV2Mo10O40等で表されるヘテロポリ酸の
プロトンの一部を、アルカリ金属カチオンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の金属カチオンと更にチタン
金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金
属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の金
属カチオンで交換した部分中和ヘテロポリ酸である。本
発明でいうアルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ルビジウム、セシウムであり、カリウム、ルビジ
ウム、セシウムをアルカリ金属カチオンとして部分中和
に使用することで上記部分中和ヘテロポリ酸は水等の溶
媒に不溶性の塩を形成し、後述する珪素アルコキシドの
加水分解生成物よりなるシリカゲル中に分散する場合に
大量分散することが可能であり好ましい。ヘテロポリ酸
のプロトンを、アルカリ金属カチオン、チタン金属カチ
オン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金属カチオ
ンで交換する方法については、本発明では特に限定はさ
れなく、実質的にこれら金属イオンで交換された形態が
得られるならば如何なる方法で行っても差し支えない
が、実施し易い方法として例示すれば、これら金属の水
酸化物、炭酸塩、酢酸塩等の水溶液とヘテロポリ酸水溶
液を混合撹拌した後、蒸発乾固等により単離する、また
はチタンもしくはジルコニウムのアルコキサイドのアル
コール溶液とヘテロポリ酸のアルコール溶液を混合し、
攪拌した後蒸発乾涸等により単離する等の方法が挙げら
れる。
【0012】本発明においてプロトンの一部をアルカリ
金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の
金属カチオンと、更にチタン金属カチオン、ジルコニウ
ム金属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群から
選ばれた少なくとも一種の金属カチオンと交換したヘテ
ロポリ酸を使用する際のプロトンのこれら金属カチオン
との交換率については実質的には完全に中和しない限り
(ヘテロポリ酸中にプロトンが残存している状態)は差
し支えないが、好ましくは無交換ヘテロポリ酸のプロト
ンを基準に95%以下、更に好ましくは85%以下に交
換することが推奨される。余りに交換率が高ければ、触
媒として作用するプロトン量が減少し、触媒の活性を低
下させることもある。
【0013】本発明では上記部分中和ヘテロポリ酸がケ
イ素アルコキシドの加水分解生成物から誘導されたシリ
カゲル中に分散し、更にこの表面をシリコーンによりコ
ーティングした固定化された部分中和ヘテロポリ酸を触
媒として使用する。部分中和ヘテロポリ酸のケイ素アル
コキシドの加水分解生成物から誘導されたシリカゲル中
に分散する方法は特に限定はされなく、実質的に該部分
中和ヘテロポリ酸がケイ素アルコキシドの加水分解によ
って生成したシリカゲル中に分散される方法であるなら
ば如何なる方法を採用しても差し支えないが、実施し易
い方法としては、例えば、アルコール類中にケイ素アル
コキシドを所定量溶解させた後、溶解した、もしくは不
溶化している所定量の部分中和ヘテロポリ酸をこの溶液
中に溶解もしくは懸濁させ機械撹拌しながら所定量の水
を添加し加水分解を行う。この時、必要であるならば加
熱処理を行うことも差し支えない。加水分解が完了した
後、生成した部分中和ヘテロポリ酸の分散したシリカゲ
ルは濾過洗浄し、さらにこの濾別固体を乾燥しアルコー
ル類を除去した後、水中に懸濁させ加熱洗浄を行った後
濾過し乾燥脱水し更に、電気炉中で加熱処理を行ったも
のをシリコーンコーティングすることが好ましいが、乾
燥脱水したものをシリコーンコーティングしても差し支
えない。
【0014】ここにおいて、本発明で使用するケイ素ア
ルコキシドとは一般式;(RO)4Si(式中、Rは置
換または無置換の炭化水素基であり、同一の基でも、各
々異なる基でも差し支えない。)で表されるケイ酸エス
テル類である。この時、Rは好ましくは炭素数1〜10
の脂肪族飽和炭化水素基、炭素数15以下の脂環式炭化
水素基もしくは炭素数15以下の芳香族炭化水素基等が
好ましい。更に、これらRが置換基として、アルキル、
ハロゲン元素、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シ
アノ基、水酸基等を有していても差し支えない。具体的
に入手し易いケイ素アルコキシドとして例示すれば、メ
チルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリ
ケート、フェニルシリケート、シクロヘキシルシリケー
ト等が挙げられる。また、加水分解をアルコール類溶媒
中で実施する場合には、上記式のアルコキシ基(RO)
4が全部もしくは一部、塩素、臭素、沃素で置換されて
いるものも本発明では使用することが出来る。(これら
はアルコール類との反応により(RO)4Siを生成す
るので。) 従って、四塩化ケイ素等も使用することが
可能である。
【0015】本発明で使用する部分中和ヘテロポリ酸の
シリカゲル中への分散量については、特にその量を限定
するものではないが、好ましくはシリカゲル/部分中和
ヘテロポリ酸の重量比で、0.1〜10の範囲であり、
特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。余りにシ
リカゲルの量が少ないと、実質的に部分中和ヘテロポリ
酸が分散されなく有効な固体不均一触媒を提供すること
が困難となる。また余りにシリカゲル量が多ければ、部
分中和ヘテロポリ酸の触媒作用を阻害する恐れがある。
【0016】ここにおいて、本発明を実施するに当た
り、シリカゲル中に分散された部分中和ヘテロポリ酸を
シリコーンコーティングする方法は特に限定はされな
く、シリカゲル中に分散された部分中和ヘテロポリ酸の
表面に担持される方法であるならば如何なる方法で実施
しても差し支えないが、実施し易い方法として例示すれ
ば、上記調製法等によって得られたシリカゲル中に分散
された部分中和ヘテロポリ酸を粉末状とし、これにコー
ティングに使用するシリコーン化合物を必要量加え、よ
く混合した後、加熱処理を行う。この際に、シリコーン
コーティングを均一に行うため、必要であるならばヘキ
サン等の有機溶媒にシリコーンを溶解させて上記シリカ
ゲル中に分散された部分中和ヘテロポリ酸粉末と混合す
ることも推奨される。
【0017】本発明でシリコーンコーティングに使用さ
れるシリコーン化合物としては一般式:−(OSi
(R)2n−(式中、Siはケイ素原子、Oは酸素原
子、Rは水素原子または炭化水素基であり、ここにおい
てRは同時に総てが水素原子である場合はなく、nは5
以上の整数である。)で表される有機ポリシロキサン化
合物である。ここにおいてRは同一の基でも、異なる基
であっても差し支えない。更に好ましくは、Rの一部が
水素原子である有機ポリシロキサン化合物であり、特に
Rの5%〜50%が水素原子である有機ポリシロキサン
化合物を使用することが好ましい。このときRがメチ
ル、エチルまたはフェニル基であるポリシロキサンが入
手し易いものとして例示される。具体的には、Rがメチ
ル基で、部分的にメチル基が水素原子と置換したポリシ
ロキサン(シリコーン)としては信越化学社のシリコー
ンオイルである、KF−99等が挙げられる。本発明に
おいて、アルカリ金属カチオンよりなる群から選ばれた
少なくとも1種のカチオンと、更にチタン金属カチオ
ン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金属カチオン
よりなる群から選ばれたカチオンにより部分中和された
ヘテロポリ酸をケイ素アルコキシドの加水分解生成物か
ら誘導されるシリカゲル中に分散させた固体へのシリコ
ーン処理に使用するシリコーン量は特に限定はされない
が、好ましくはシリカゲル中に分散させた部分中和ヘテ
ロポリ酸の固体重量の0.001〜2倍重量、更に好ま
しくは0.01〜0.5倍重量使用してコーティングす
ることが推奨される。余りに少量のコーティングでは実
質的にコーティングの効果は僅かであり、余りに多すぎ
れば触媒そのものの活性を阻害する恐れがある。
【0018】本発明を実施するにあたり、原料であるオ
レフィンと水の使用量(量比)は特に限定はされない
が、好ましくは水/オレフィンのモル比で0.1〜50
の範囲、更に好ましくは0.3〜30の範囲で実施する
ことが推奨される。余りに水の量が少なければ、原料オ
レフィンの高い転化率を達成することは困難であり、ま
た余りに水の量が多ければ、オレフィンの転化率を高め
ることは出来るが、必要以上に水を用いるため反応器が
過大となり、また水の大量循環が必要であり、効率的に
製造し得ないためである。
【0019】また、本発明を実施する際に、使用する触
媒量も特に限定はされないが、例えば、反応をバッチ方
式で実施する場合には、好ましくは原料となる水に対し
て、シリカゲル中に含有されるヘテロポリ酸の重量パー
セントで0.001〜100重量パーセント、更に好ま
しくは0.1〜50重量パーセントで行うことが推奨さ
れる。あまりに少量の触媒を使用することは、実質的に
反応速度を極端に低下させ、効率上問題となり、また、
あまりに大量の触媒を使用すれば、反応液等の攪拌効率
を低下させトラブルを生じる原因となる恐れがあるため
である。
【0020】反応温度は、特に限定されないが、好まし
くは0〜500℃、更に好ましくは30〜300℃の範
囲である。反応温度が極端に低すぎると、オレフィン
(反応試剤)の転化率が低い、言い換えれば極端に反応
速度が低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、
反応温度が500℃以上で実施すれば、好ましからざる
副反応等が進行し副生成物の増大や、原料であるオレフ
ィン、更に生成物であるアルコール類の安定性にも好ま
しくなく、反応選択率の低下をもたらし経済的ではな
い。
【0021】反応は減圧、加圧および常圧の何れの状態
で実施する事も可能である。反応効率(単位体積あたり
の反応効率)の観点から余りに低い圧力で実施する事は
好ましくない。また、反応装置等の設備的な経済性の観
点から余りに高い圧力で実施する事も好ましくない。通
常好ましい圧力範囲は0.5〜500気圧であり、更に
好ましくは1.0〜300気圧である。しかしながら本
発明はこれらの圧力範囲のみに限定されるものではな
い。
【0022】また、反応は液相、気−液相または気相の
何れの状態で実施する事も可能であが、生産性、反応器
の規模の観点から、少なくとも水の一部が液体状態で実
施することが好ましい。しかしながら本発明においては
これに限定されることはない。
【0023】本発明を実施するに当たり、反応系内に触
媒および反応試剤に対して不活性な、溶媒もしくは気体
を添加して、希釈した状態で行う事も可能である。具体
的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素類、窒素、
アルゴン、ヘリウム、等の不活性気体等が例示される。
【0024】本発明は、通常のバッチ反応、一部の原料
もしくは触媒等を連続的に供給するようなセミバッチ反
応又は流通連続反応の何れの反応方法においても実施可
能である。また、反応原料および触媒等の各成分の添加
順序および添加方式等、特に制限される事はない。更
に、触媒充填方式としては、固定床、流動床、懸濁床、
棚段固定床等種々の方式が採用され、何れの方式で実施
しても差し支えない。反応時間(流通反応においては滞
留時間もしくは触媒接触時間)は特に限定されないが、
通常0.1秒〜30時間、好ましくは0.5秒〜15時
間である。
【0025】反応後、反応生成物を必要であるならば、
前記触媒等から濾過分離、抽出、留去等の通常の分離方
法によって分離回収する事ができる。目的生成物である
アルコール類は上記分離回収回収物から溶媒抽出、蒸
留、アルカリ処理、酸処理等の逐次的な処理方法、或い
は、これらを適宜組み合わせた操作等の通常の分離、精
製法によって分離、精製し取得する事ができる。また、
未反応原料は回収して、再び反応系へリサイクルして使
用する事もできる。
【0026】バッチ式反応の場合、反応後に反応生成物
を分離して回収された触媒はそのまま、又はその一部も
しくは全部を再生した後、繰り返して触媒として反応に
再度、使用する事もできる。
【0027】固定床又は流動床流通連続反応方式で実施
する場合には、反応に供する事によって、一部又は総て
が失活もしくは活性低下した触媒は、反応を中断後再生
して反応に供する事もできるし、また、連続的もしくは
断続的に触媒の一部を抜き出し、再生後、再び反応器へ
リサイクルして、再使用する事もできる。更に、新たな
触媒を連続的又は断続的に反応器に供給する事もでき
る。移動床式流通連続反応、もしくは均一触媒流通反応
方式で実施する際には、バッチ式反応と同様に触媒を分
離、再生して再使用する事ができる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により、更に具体的に説
明する。しかしながら、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。 触媒調製 (1)ヘテロポリ酸のアルカリ金属カチオン及びチタン
金属カチオンもしくはジルコニウム金属カチオンの複合
金属カチオンによる部分中和塩のシリカゲル中への分散 予め、結晶水含有量を測定したヘテロポリ酸を所定量純
水中に溶解し、これを室温で撹拌しながら、所定量の炭
酸アルカリを溶解した水溶液を、滴下方法により添加し
た。滴下開始と同時に溶液中に白色固体が析出した。滴
下完了後、更に3時間撹拌を継続した後水を減圧溜去し
て白色固体を得た。この固体を乾燥器中100℃で脱水
した後、電気炉中350℃、3時間の加熱処理を行い、
プロトンの所定量をアルカリ金属カチオンで交換したア
ルカリ金属部分中和ヘテロポリ酸を調製した。得られた
アルカリ金属部分中和ヘテロポリ酸をエタノール中に懸
濁させた。この懸濁液中に攪拌しながら所定量のチタン
イソプロポキサイド(Ti(Opr)4)またはジルコニウムイ
ソプロポキサイド(Zr(Opr)4)をエタノールに溶解した
溶液を室温で滴下した。滴下終了後、更に3時間攪拌を
継続した後、減圧下に溶媒等を溜去させて白色固体を得
た。この固体を乾燥器中100℃で乾燥した後、電気炉
中350℃、3時間の加熱処理を行い、プロトンの所定
量をアルカリ金属カチオンと更にチタン金属カチオンも
しくはジルコニウム金属カチオンによる部分中和ヘテロ
ポリ酸を調製した。この部分中和ヘテロポリ酸固体の所
定量を、所定量のエチルシリケートを溶解したエタノー
ル中に加え、懸濁させた。この懸濁液を40℃で1時間
攪拌した後、この温度で仕込んだエチルシリケートに対
して、モル比で6倍モル量の純水を懸濁液中に攪拌しな
がら滴下した。滴下完了後、懸濁液の温度を80℃に上
昇させ、この温度で更に24時間攪拌を行った。加熱攪
拌終了後、この懸濁液からアルコール類、水等の液体成
分を減圧溜去し、更に100℃で残固体を乾燥した。乾
燥固体を、80℃の純水中で9時間攪拌洗浄し、更に濾
過洗浄して、濾別固体を得た。この固体を100℃で加
熱脱水した後、電気炉中300℃で加熱処理を行いシリ
カに分散されたアルカリ金属カチオンと更にチタン金属
カチオンもしくはジルコニウム金属カチオンでプロトン
の所定量を交換されたシリカに分散された部分中和ヘテ
ロポリ酸を得た。このとき、シリカゲル中に分散された
部分中和ヘテロポリ酸は理論計算量生成し、ロスは認め
られなかった。これらを表1に掲げた。
【0029】(2)ヘテロポリ酸のアルカリ金属カチオ
ン及びスズ金属カチオンの複合金属カチオンによる部分
中和塩のシリカゲル中への分散 予め、結晶水含有量を測定したヘテロポリ酸を所定量純
水中に溶解し、これを室温で撹拌しながら、所定量の炭
酸アルカリを溶解した水溶液を、滴下方法により添加し
た。滴下開始と同時に溶液中に白色固体が析出した。滴
下完了後、更に3時間撹拌を継続した後水を減圧溜去し
て白色固体を得た。この固体を乾燥器中100℃で脱水
した後、電気炉中350℃、3時間の加熱処理を行い、
プロトンの所定量をアルカリ金属カチオンで交換したア
ルカリ金属部分中和ヘテロポリ酸を調製した。得られた
アルカリ金属部分中和ヘテロポリ酸をエタノール中に懸
濁させた。この懸濁液中に攪拌しながら所定量の酢酸ス
ズ(Sn(OAc)2)水溶液を室温で滴下した。滴下終了後、
更に3時間攪拌を継続した後、減圧下に溶媒等を溜去さ
せて白色固体を得た。この固体を乾燥器中100℃で乾
燥した後、電気炉中350℃、3時間の加熱処理を行
い、プロトンの所定量をアルカリ金属カチオンと更にス
ズ金属カチオンによる部分中和ヘテロポリ酸を調製し
た。この部分中和ヘテロポリ酸固体の所定量を、所定量
のエチルシリケートを溶解したエタノール中に加え、懸
濁させた。この懸濁液を40℃で1時間攪拌した後、こ
の温度で仕込んだエチルシリケートに対して、モル比で
6倍モル量の純水を懸濁液中に攪拌しながら滴下した。
滴下完了後、懸濁液の温度を80℃に上昇させ、この温
度で更に24時間攪拌を行った。加熱攪拌終了後、この
懸濁液からアルコール類、水等の液体成分を減圧溜去
し、更に100℃で残固体を乾燥した。乾燥固体を、8
0℃の純水中で9時間攪拌洗浄し、更に濾過洗浄して、
濾別固体を得た。この固体を100℃で加熱脱水した
後、電気炉中300℃で加熱処理を行いシリカゲル中に
分散されたアルカリ金属カチオンと更にスズ金属カチオ
ンでプロトンの所定量を交換されたシリカに分散された
部分中和ヘテロポリ酸を得た。このとき、シリカに分散
されたヘテロポリ酸は理論計算量生成し、ロスは認めら
れなかった。これらを表1に掲げた。
【0030】(3)シリカゲル中に分散された部分中和
ヘテロポリ酸をシリコーンコーティングした触媒 上記(1)または(2)の処方で有られたシリカゲル中
に分散された部分中和ヘテロポリ酸粉末10gを所定量
のシリコーンオイル(KF−99、信越化学社製)をヘ
キサン20mlに溶解した溶液中に懸濁させ、充分攪拌
接触を行った。その後、室温、減圧下にヘキサンを除去
し、固体を乾燥後、この固体を電気炉中200℃、3時
間の加熱処理を行ったものをそれぞれ触媒として用い
た。これらを表2に掲げた。
【0031】部分中和ヘテロポリ酸のプロトン交換率 (1)アルカリ金属カチオンとの交換率 交換に使用したヘテロポリ酸の有するプロトンの総量に
対する交換に使用したアルカリ金属カチオンの総量の比
を交換率とした。従って、例えばドデカタングストリン
酸(H3PW12O40) を炭酸アルカリによりアルカリ金属と
交換する場合には、交換に使用した H3PW12O40 がAミ
リモルであり、炭酸アルカリがBミリモルの場合には以
下の算式で交換率を求めた。 交換率(%)=100×(2B/3A) (2)チタン若しくはジルコニウム金属カチオンとの交
換率 交換に使用したヘテロポリ酸の有するプロトンの総量に
対する交換に使用したチタン若しくはジルコニウム金属
カチオンの総量の4倍との比を交換率とした。これは交
換に使用した金属の原子価(この場合は4価)1価に対
して1プロトンが交換するとした。従って、例えばドデ
カタングストリン酸(H3PW12O40) をチタン若しくはジ
ルコニウムイソプロポキサイドによりチタン若しくはジ
ルコニウム金属カチオンと交換する場合には、交換に使
用した H3PW12O40 がAミリモルであり、金属イソプロ
ポキサイドがBミリモルの場合には以下の算式で交換率
を求めた。 交換率(%)=100×(4B/3A) (3)スズ金属カチオンとの交換率 交換に使用したヘテロポリ酸の有するプロトンの総量に
対する交換に使用したスズ金属カチオンの総量の2倍と
の比を交換率とした。従って、例えばドデカタングスト
リン酸(H3PW12O40) を酢酸スズによりスズ金属と交換
する場合には、交換に使用した H3PW12O40 がAミリモ
ルであり、酢酸スズがBミリモルの場合には以下の算式
で交換率を求めた。 交換率(%)=100×(2B/3A) 従って、混合金属カチオンとの交換率は、それぞれ上記
計算式を個々に適用し、この和を交換率とした。
【0032】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── ヘテロホ゜リ酸 フ゜ロトン交換率(%) シリカ/ヘテロホ゜リ酸 HA No (交換前) 重量比(#) ──────────────────────────────────── H3PW12O40 50.0(Cs) 33.3(Ti) 1/1 HA−1 H3PW12O40 50.0(Cs) 33.3(Ti) 1/0.6 HA−2 H3PW12O40 50.0(Cs) 33.3(Ti) 1/1.5 HA−3 H3PW12O40 50.0(K) 33.3(Ti) 1/1 HA−4 H3PW12O40 50.0(Rb) 33.3(Ti) 1/1 HA−5 H3PW12O40 50.0(Cs) 33.3(Zr) 1/1 HA−6 H3PW12O40 50.0(Cs) 33.3(Sn) 1/1 HA−7 H3PW12O40 30.0(Cs) 53.3(Ti) 1/1 HA−8 H3PW12O40 30.0(Cs) 20.0(Ti) 1/1 HA−9 H4SiW12O40 30.0(Cs) 20.0(Ti) 1/1 HA−10 H4SiMo12O40 30.0(Cs) 20.0(Ti) 1/1 HA−11 H3PMo12O40 50.0(Cs) 33.3(Ti) 1/1 HA−12 H3PW11MoO40 50.0(Cs) 33.3(Ti) 1/1 HA−13 H3PW12O40 83.3(Cs) 1/1 HA−14 ──────────────────────────────────── (#)カチオン交換後のヘテロポリ酸重量とシリカとしての重量比較
【0033】
【表2】 表2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ HA HA/シリコーン 触媒 重量比(##) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ HA−1 1/0.0 触媒1 HA−1 1/0.1 触媒2 HA−1 1/0.15 触媒3 HA−1 1/0.03 触媒4 HA−2 1/0.1 触媒5 HA−3 1/0.1 触媒6 HA−4 1/0.1 触媒7 HA−5 1/0.1 触媒8 HA−6 1/0.1 触媒9 HA−7 1/0.1 触媒10 HA−8 1/0.1 触媒11 HA−9 1/0.1 触媒12 HA−10 1/0.1 触媒13 HA−11 1/0.1 触媒14 HA−12 1/0.1 触媒15 HA−13 1/0.1 触媒16 HA−14 1/0.1 触媒17 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (##) シリカゲル中へ分散した部分中和ヘテロポリ酸の重量とコーティング 処理に使用したシリコーンオイルとの重量比
【0034】実施例1〜15 70mlのオートクレーブ中に触媒2〜16のいずれか
を部分中和ヘテロポリ酸(総て無水重量として)の重量
換算で2.0g、更に水24.0g(1.33mol)
を仕込んだ後、プロピレン12.0g(0.285mo
l)を圧入して140℃、5時間、加熱撹拌し反応を行
った。反応終了後、オートクレーブを冷却し放圧後、反
応液をガスクロマトグラフ法によって分析した。この結
果、イソプロピルアルコールは表3に示したように、収
率良く生成したことが確認された。尚、この時総ての実
施例において、副生成物である、イソプロピルエーテル
の生成は確認されなかった。更に反応終了後の触媒は、
総て反応容器底部に沈降しており、容易に分離できた。
【0035】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 触媒 iPA収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 触媒2 22.2 実施例2 触媒3 19.8 実施例3 触媒4 15.2 実施例4 触媒5 18.3 実施例5 触媒6 17.7 実施例6 触媒7 18.8 実施例7 触媒8 21.0 実施例8 触媒9 20.9 実施例9 触媒10 20.4 実施例10 触媒11 24.9 実施例11 触媒12 23.8 実施例12 触媒13 17.3 実施例13 触媒14 18.7 実施例14 触媒15 17.6 実施例15 触媒16 16.9 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;収率は仕込みプロピレン基準
【0036】比較例1 触媒として、H3PW1240 のプロトンの50.0%を
Csカチオンで、更に33.3%をチタンカチオンで交
換し、シリカゲルと1/1重量比となるようにシリカゲ
ル中に分散させたのみでシリコーンコーティングしなか
った触媒(触媒1)を、部分交換ヘテロポリ酸重量とし
て2.0g使用した以外は総て実施例1と同一の条件で
反応を行った。この結果、イソプロピルアルコールの収
率は仕込みプロピレン基準で9.1%であり、ジイソプ
ロピルエーテルの生成は認められなかった。このことか
ら、本発明の触媒はシリコーンコーティングされている
ことで触媒活性が極めて高いことが分かる。
【0037】比較例2 触媒としてH3PW12O40 のプロトンの83.3%をCsカ
チオンで交換し、シリカ/部分交換ヘテロポリ酸の重量
比が1/1となったもの(HA−14)をHA−14/
シリコーン重量比が1/0.1となるようにシリコーン
コーティングした触媒(触媒17)に代えた以外は総て
実施例1と同一の条件で反応を行った。この結果iPA
の収率は16.6%であった。このことからアルカリ金
属と、チタン、ジルコニウムまたはスズカチオンとの複
合部分中和ヘテロポリ酸を用いることが有効であること
が分かる。
【0038】実施例16 反応温度を、160℃、反応時間を3時間とした以外は
総て実施例1と同一の条件で反応を行った。この結果、
イソプロピルアルコールおよびイソプロピルエーテルは
仕込みプロピレン基準でそれぞれ26.7%および0.
5%であった。
【0039】実施例17 水の仕込み量を36.0gとした以外は総て実施例1と
同一の条件で反応を実施した。この結果、イソプロピル
アルコールの収率は35.9%であり、副生成物となる
ジイソプロピルエーテルの生成は認められなかった。
【0040】実施例18〜21 プロピレンの仕込み量を6gとし、反応温度、および反
応時間をそれぞれ表4に掲げた如く変更した以外は総て
実施例17と同一の条件で反応を実施した。この結果、
イソプロピルアルコールおよびジイソプロピルエーテル
の収率は、表4に掲げたごとく生成した。
【0041】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 反応温度 反応時間 収率(プロピレン基準) (℃) (時間) iPA DiPE ──────────────────────────────────── 実施例18 160 2.0 48.2 0.3 実施例19 180 1.0 60.3 0.4 実施例20 200 0.5 71.3 0.6 実施例21 230 0.1 81.7 0.9 ──────────────────────────────────── iPA=イソプロピルアルコール;DiPE=ジイソプロピルエーテル:
【0042】実施例22 実施例20の条件で反応を行い、反応終了後触媒のみ反
応器に残し、反応液のみ分離回収して、分析した。その
後、反応器に残した触媒を新たに実施例20と同一量の
水およびプロピレンを仕込み、実施例20と同一の反応
条件で、反応を繰り返した。この操作を合計5回繰り返
した。結果は表5に示したように、繰り返しによる、反
応成績の低下は認められず、触媒はこの温度、条件で安
定であることが分かる。
【0043】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 反応回 収率(%) iPA DiPE ──────────────────────────────────── 1回目 71.5 0.5 2回目 71.9 0.6 3回目 70.8 0.5 4回目 72.2 0.7 5回目 71.7 0.6 ──────────────────────────────────── 収率は仕込みプロピレン基準である。
【0044】比較例3 触媒を陽イオン交換樹脂であるアンバーリスト15を
2.0gとした以外は実施例22と同様にして繰り返し
を行った。繰り返し5回目の反応成績は、イソプロピル
アルコールの収率は微量であり、分析測定限界以下とな
った。明らかに、触媒は劣化したことが分かる。
【0045】実施例23〜24 プロピレンをエチレンまたは1−ブテンに代え、それぞ
れ0.285モル仕込んだ以外は総て実施例16と同一
の条件で反応を行った。結果は表6に示したようにそれ
ぞれのオレフィンでも収率良く、アルコール類が生成し
た。尚、表6中の収率は総て仕込みオレフィン基準であ
る。また、生成したアルコール類は、エチレンからはエ
タノール、1−ブテンからは2−ブタノールである。
【0046】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── オレフィン アルコール類収率(%) ──────────────────────────────────── 実施例23 エチレン 24.9 実施例24 1−ブテン 27.4 ────────────────────────────────────
【0047】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)オレフィンを直接水和して、アルコール類を収率
および選択率良く製造することができる。 (2)従来の方法に比較して、アルコール類を低温、低
圧の温和な条件でも直接水和して製造することができ
る。加えて反応装置等の腐蝕の殆どない条件で実施する
事ができる。 (3)工業上重要なアルコール類を安全上、プロセス
上、経済上著しく優位に生産することができる。 (4)触媒の熱分解を防ぎ、反応液の中和処理を省いて
アルコール類を製造することができる。 (5)安定なアルコール類製造用固体不均一触媒を提供
できる。 上述のように、本発明によって工業上著しく優れたオレ
フィンの水和によるアルコール類の製造方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 33/02 9155−4H // C07B 61/00 300

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンの接触水和反応によりアルコ
    ール類を製造する方法において、ヘテロポリ酸の有する
    プロトンの一部を、アルカリ金属カチオンよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種のカチオンと、更にチタン金
    属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよびスズ金属
    カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも1種のカチ
    オンで交換された部分中和ヘテロポリ酸をケイ素アルコ
    キシドの加水分解生成物から誘導されたシリカゲル中に
    分散し、更にシリコーンコーティングしたものを触媒と
    して用いることを特徴とするアルコール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 部分中和ヘテロポリ酸が一般式H
    a(M1b(M2c(M3d(O)e:(式中Hは水素原
    子を表し、M1はヘテロポリ酸の有する水素原子と交換
    された原子であり、アルカリ金属原子よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種と、チタン金属、ジルコニウム金
    属およびスズ金属よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の混合金属原子を表し、M2はヘテロポリ酸の中心原
    子を表し、M3はポリ酸を構成している金属原子を表し
    その一部が他の金属原子と交換されていてもよい、また
    Oは酸素原子を表す。更にaは10未満の正の数、bは
    10未満の正の数であり且つ、a+bが10以下の正の
    整数である。cは1または2、dは10以上30以下の
    整数、eは100以下の正の整数である。)で表される
    部分中和ヘテロポリ酸である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 部分中和ヘテロポリ酸が一般式:H3
    (n)Mo(12-n)40、 H4SiW(n)Mo(12-n)40
    (式中、nは0または12以下の正の整数であり、Hは
    水素原子、Pはリン原子、Siはケイ素原子、Moはモ
    リブデン原子、Wはタングステン原子、Oは酸素原子を
    表す。)で表されるヘテロポリ酸のプロトンの一部を、
    アルカリ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくと
    も一種のカチオンと更にチタン金属カチオン、ジルコニ
    ウム金属カチオンおよびスズ金属カチオンよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも一種のカチオンにより交換し部分
    中和したヘテロポリ酸よりなる群から選ばれた少なくと
    も一種以上である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属がカリウム、セシウム及び
    ルビジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    り、部分中和したヘテロポリ酸が水に不溶なヘテロポリ
    酸である請求項1、2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 オレフィンの接触水和反応を水が液体状
    態で存在する条件下に行う請求項1、2、3または4記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 オレフィンが炭素数2以上6以下の低級
    オレフィンよりなる群から選ばれた少なくとも一種であ
    る請求項1、2、3、4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】 オレフィンがエチレンまたはプロピレン
    である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 シリコーンコーティングがヘテロポリ酸
    の有するプロトンの一部を、アルカリ金属カチオンより
    なる群から選ばれた少なくとも1種のカチオンと、更に
    チタン金属カチオン、ジルコニウム金属カチオンおよび
    スズ金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種のカチオンで交換された部分中和ヘテロポリ酸をケイ
    素アルコキシドの加水分解生成物から誘導されたシリカ
    ゲル中に分散させたものの表面にシリコーン化合物を付
    着させることである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 シリコーン化合物が部分的にケイ素−水
    素結合を有する有機ポリシロキサンである請求項8記載
    の方法。
JP6280408A 1994-11-15 1994-11-15 オレフィンの接触水和方法 Pending JPH08143493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6280408A JPH08143493A (ja) 1994-11-15 1994-11-15 オレフィンの接触水和方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6280408A JPH08143493A (ja) 1994-11-15 1994-11-15 オレフィンの接触水和方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08143493A true JPH08143493A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17624627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6280408A Pending JPH08143493A (ja) 1994-11-15 1994-11-15 オレフィンの接触水和方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08143493A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7148387B2 (en) 2003-05-28 2006-12-12 Mitsui Chemicals, Inc. Process for producing hydroxyl group-containing compound
WO2007052505A1 (ja) * 2005-11-01 2007-05-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation イソブテン及び第3級ブタノールの製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7148387B2 (en) 2003-05-28 2006-12-12 Mitsui Chemicals, Inc. Process for producing hydroxyl group-containing compound
WO2007052505A1 (ja) * 2005-11-01 2007-05-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation イソブテン及び第3級ブタノールの製造方法
JP2013006864A (ja) * 2005-11-01 2013-01-10 Asahi Kasei Chemicals Corp イソブテン及び第3級ブタノールの製造方法
JP5240988B2 (ja) * 2005-11-01 2013-07-17 旭化成ケミカルズ株式会社 イソブテン及び第3級ブタノールの製造方法
US8637716B2 (en) 2005-11-01 2014-01-28 Asahi Kasei Chemicals Corporation Processes for production of isobutene and tertiary butanol
US9145342B2 (en) 2005-11-01 2015-09-29 Asahi Kasei Chemicals Corporation Processes for production of isobutene and tertiary butanol
US9919283B2 (en) 2005-11-01 2018-03-20 Asahi Kasei Chemicals Corporation Processes for production of isobutene and tertiary butanol

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20050048655A (ko) 올레핀에 황화수소를 첨가하여 알킬 메르캅탄을 제조하는촉매적 방법
JPWO2005085224A1 (ja) 環状カーボネート類の製造方法
JPH01149746A (ja) ビスフェノールaの製造方法
JP3568225B2 (ja) アルキレンカーボネートの製造方法
US6072090A (en) Olefin hydration process
JPH02169529A (ja) クメンヒドロペルオキシドからフェノール及びアセトンを製造する方法
US4357479A (en) Production of alcohols
JPH08143493A (ja) オレフィンの接触水和方法
EP0259105A2 (en) Proton catalysed reactions
US20100197978A1 (en) IPA From Propylene Using Mixed Metal Oxides
EP0691321B1 (en) Process for catalytic hydration of olefins
JPH07118186A (ja) オレフィンの接触水和方法
CA1288439C (en) Method of synthesizing esters
JPH08151339A (ja) オレフィンの接触水和方法
JPH0782184A (ja) オレフィンの接触水和方法
JP3360759B2 (ja) オレフィンの接触水和方法
JPH07242578A (ja) オレフィンの接触水和方法
JPH06279396A (ja) チオール基含有カルボン酸エステル類の製造方法
JP4395695B2 (ja) イオン交換樹脂の使用方法
JPH0231695B2 (ja)
JPH1045644A (ja) アルキレングリコールの製造方法
JP3360761B2 (ja) オレフィンの接触水和方法
EP0968166B1 (en) Process for the manufacture of carboxylic acids
JPS6358811B2 (ja)
US3205244A (en) Improved catalytic synthesis of carboxylic acids from olefins, carbon monoxide and water