JPH1045644A - アルキレングリコールの製造方法 - Google Patents

アルキレングリコールの製造方法

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JPH1045644A
JPH1045644A JP8215918A JP21591896A JPH1045644A JP H1045644 A JPH1045644 A JP H1045644A JP 8215918 A JP8215918 A JP 8215918A JP 21591896 A JP21591896 A JP 21591896A JP H1045644 A JPH1045644 A JP H1045644A
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acid
catalyst
hydrogen peroxide
olefin
alkylene glycol
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JP8215918A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shoji
宏 庄司
Kazuhiro Imanishi
和宏 今西
Hideki Omori
秀樹 大森
Shigenobu Hozumi
重信 穂積
Koji Mizogami
康二 溝上
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なオレフィン類を出発原料とし、比較的
少量の水を用いる一段プロセスによりアルキレングリコ
ールを簡単で経済的に製造する方法を提供すること。 【解決手段】 オレフィン類からアルキレングリコール
を製造する方法において、オレフィン類に対して1〜5
モル倍の水の存在下に、触媒として酸化珪素−酸化チタ
ン系合成ゼオライトと酸触媒を使用し、オレフィン類に
対し0.05〜1モル倍の過酸化水素を反応させること
を特徴とするアルキレングリコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒として酸化珪
素−酸化チタン系合成ゼオライトと酸触媒を用い、オレ
フィン類から直接アルキレングリコールを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレングリコール、プロピレングリコ
ール等のアルキレングリコールは、ポリエステル、不凍
液、ポリエーテルポリオール、潤滑剤、界面活性剤等の
原料として広い用途に使用されている。 また、より炭
素数の多いアルキレングリコールは、化粧品基材、医農
薬中間体、プラスチック材料添加剤等の用途において有
用な物質である。
【0003】現在、工業的なアルキレングリコールの製
造法としては、アルキレンオキシドを過剰の水と150
〜200℃に加熱することにより水和する方法が一般的
であるが、その原料となるアルキレンオキシドはオレフ
ィンのエポキシ化により製造されている。 オレフィン
のエポキシ化とアルキレンオキシドの水和については種
々研究されているが、いずれにしても安価なオレフィン
を出発原料として考えた場合は2つの工程を経なければ
アルキレングリコールを製造することができず、製造プ
ロセスが複雑とならざるを得ない。
【0004】そこで、オレフィンを出発原料とし、一段
の反応で対応するアルキレングリコールを製造する方法
が研究され、例えば、超臨界状態で二酸化炭素を溶媒と
し分子状酸素を酸素源にオレフィンを酸化する方法(米
国特許第5210336号)や、ヘテロポリ酸を触媒と
し過酸化水素を用いて酸性下で酸化する方法(特公平5
−19532号)が報告されている。 しかしながら、
これらの方法では、得られるグリコールの収率が低かっ
たり、また、大量の水(オレフィンに対して約30倍モ
ル)を用いているため目的物が低濃度の水溶液としてし
か得られないという問題がある。
【0005】以上のように、オレフィンを出発原料とす
るアルキレングリコールの工業的に満足できる製造方法
はいまだに開発されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような状況に鑑み、安価なオレフィン類を出発原料と
し、比較的少量の水を用いる一段プロセスによりアルキ
レングリコールを簡単で経済的に製造する方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、オレフィ
ン類を酸化して対応するアルキレングリコールを製造す
るプロセスについて鋭意研究を行なった結果、酸素源と
して過酸化水素を使用し、触媒として、エポキシ化触媒
として知られている酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオラ
イト(特公平4−5028号公報等)と酸触媒を組み合
わせた系を用いることにより、一段の反応で、大量の水
を用いずに高選択的に目的物が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、オレフィン類からアル
キレングリコールを製造する方法において、オレフィン
類に対して1〜5モル倍の水の存在下に、触媒として酸
化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトと酸触媒を使用
し、オレフィン類に対し0.05〜1モル倍の過酸化水
素を反応させることを特徴とするアルキレングリコール
の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明方法によるアルキレングリコールの製造は、触媒
として酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトと酸触媒
を用い、オレフィン類とこれに対し所定量の水および過
酸化水素を一段で反応させることにより行われる。 こ
の反応における反応形式としては、回分式、半回分式、
または連続式のいずれも採用することができ、一般に知
られている反応形式を採用することができる。
【0010】本発明方法の出発原料であるオレフィン類
とは、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合(すなわ
ち、炭素−炭素二重結合)を有する有機化合物であり、
好ましくは、炭素数2〜9の鎖状オレフィン、炭素数5
〜8の環状オレフィン、炭素数4〜5のジエンまたは炭
素数8〜9のビニル基含有環式化合物である。 オレフ
ィン類は炭化水素基以外の置換基を含んでいてもよく、
例えば上記のような化合物の、カルボン酸、ケトン、ア
シル化物、エステル、酸無水物、エーテル、ヒドロキシ
化合物、チオール、ハロゲン化物、ニトロ化物、シアン
化物、アミノ化物を使用することもできる。
【0011】このようなオレフィン類の例としては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブ
テン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−
ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブ
テン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、2,4,4−トリメチル−1
−ペンテン、2,4,4−トリメチル−2−ペンテン、1
−ノネン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シ
クロヘキセン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレ
ン、ビニルシクロヘキサン、スチレン、α−メチルスチ
レン、β−メチルスチレン、アリルアルコール、塩化ア
リル、オルソビニルフェノール、メタビニルフェノー
ル、パラビニルフェノール等を挙げることができる。本
発明の方法では、これらの中でも特に、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、シクロ
ペンテンの使用が好ましい。
【0012】これらの出発原料の純度は特に制限される
ものではなく、不純物として他のオレフィン類やパラフ
ィン類を含むものでも使用することができ、さらには、
必要に応じて2種以上のオレフィン類を混合して反応に
供することもできる。
【0013】一方、本発明方法に用いる触媒は、酸化珪
素−酸化チタン系合成ゼオライトと酸触媒から構成され
るものである。
【0014】このうち、酸化珪素−酸化チタン系合成ゼ
オライトは、オレフィンのエポキシ化活性を有するもの
で、そのチタン含有量が0.001〜8重量%程度のも
のが好ましい。 より具体的には、TS−1と呼ばれる
MFI構造を有するチタノシリケート(例えば、特開平
6−9592号)、TS−2と呼ばれるMEL構造を有
するチタノシリケート(例えば、特開平6−9592
号)、チタン含有β型ゼオライト(例えば、Micro
porous Mater. 3, 259(199
4))、チタン含有MCM−41(例えば、J. Che
m. Soc., Chem.Commun., 147(19
94))、チタン含有MCM−48(例えば、触媒 3
7(6), 386(1995))、チタン含有アルミノ
フォスフェート(例えば、J. Chem. Soc., C
hem. Commun., 373(1995))、アト
ムプランティング法などによりチタンをゼオライト骨格
に挿入したゼオライト(例えば、特開平7−20673
6号)等が好ましく利用され、これらの中でも、特にT
S−1またはTS−2の使用が好ましい。
【0015】また、酸触媒としては、鉱酸、固体酸また
はスルホン酸を使用することができる。 代表的な鉱酸
の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、ピロリン酸、メタリ
ン酸、オルトリン酸、炭酸、ホウ酸等が、また代表的な
固体酸の例としては、モンモリロナイト、ヘクトライ
ト、バイデライト、ベントナイト、酸性白土、カオリ
ン、クラリット、フロリジン等の粘土鉱物、シリカ・ア
ルミナ、シリカ・マグネシア、シリカ・ボリヤ等の複合
酸化物、シリカゲルやアルミナに硫酸、リン酸、ヘテロ
ポリ酸を担持した担持触媒、モルデナイト、Y型ゼオラ
イト、ZSM−5型ゼオライト、L型ゼオライト、β型
ゼオライト等のゼオライト、陽イオン交換樹脂等が、更
に代表的なスルホン酸の例としては、エタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等がそれ
ぞれ挙げられる。 本発明方法では、これらの中でも、
塩酸、硫酸、硝酸、ピロリン酸、モンモリロナイト、酸
性白土、シリカアルミナ、シリカマグネシア、Y型ゼオ
ライト、ZSM−5型ゼオライトが好ましく、硫酸、ピ
ロリン酸、モンモリロナイトおよびZSM−5型ゼオラ
イトが特に好ましい。
【0016】これらの酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオ
ライトおよび酸触媒は、上記に例示したものの中から、
少なくとも一種以上を任意に組み合わせて使用する。
【0017】本発明方法において、原料オレフィン類に
対する酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトの使用量
は、それらの種類や、過酸化水素と水とオレフィンのモ
ル比などによっても異なり、一律に規定することはでき
ないが、回分式反応器の場合には通常0.0001〜1
0重量%程度、好ましくは0.002〜1重量%程度で
あり、さらに好ましくは0.005〜0.1重量%程度で
ある。 また、流通式反応器の場合には、重量基準の原
料オレフィン類の供給速度と酸化珪素−酸化チタン系合
成ゼオライトの重量との比(WHSV)として、通常
0.5〜500h-1程度、好ましくは2〜100h-1
度であり、さらに好ましくは5〜50h-1程度である。
【0018】また、原料オレフィン類に対する酸触媒の
使用量は、酸触媒の種類や、過酸化水素と水とオレフィ
ンのモル比などによっても異なり、一律に規定すること
はできないが、回分式反応器の場合には通常0.000
02〜10重量%程度、好ましくは0.0002〜1重
量%程度である。 また、流通式反応器の場合には、鉱
酸またはスルホン酸の使用量は通常0.001〜1重量
%程度、好ましくは0.003〜0.1重量%程度であ
り、固体酸の使用量は前述のWHSVとして、通常0.
5〜100h-1程度、好ましくは2〜100h-1程度で
あり、さらに好ましくは5〜50h-1程度である。
【0019】本発明方法で使用する過酸化水素は特に限
定されるものではなく、通常の過酸化水素水が利用でき
る他、本発明の反応条件範囲内で過酸化水素を発生でき
るような手段を講じても良い(例えば、特公昭56−4
7121号等)。 過酸化水素の濃度についても特に制
限されず、工業的に入手可能な濃度(通常は3〜60%
程度)のものでよい。
【0020】さらに、反応に使用する水についても特に
限定されることはなく、過酸化水素水に含まれる水の
他、工業用水、水道水、イオン交換水等を任意に使用す
ることができる。
【0021】本発明方法における、原料オレフィン類に
対する過酸化水素の使用量は、触媒の種類や量、水とオ
レフィンのモル比などによっても異なるが、オレフィン
1モル当たり過酸化水素として0.05〜1モルの範囲
であり、好ましくは0.1〜0.5モルの範囲である。
化学量論量以上で使用することもできるが、過酸化水素
が多い場合には副生物が多くなることから、実用上は化
学量論量以下で用いることが好ましい。
【0022】また、オレフィン類に対する水の量も、触
媒の種類や量、過酸化水素とオレフィンのモル比などに
よっても異なるが、オレフィン1モル当たり1〜5モル
の範囲であり、好ましくは1〜3モルの範囲である。
反応形式によっては化学量論量以下に減らすことも可能
であるが、水の量が少なすぎると副生物が多くなること
から、実用上は化学量論量以上を用いることが望まし
い。
【0023】本発明方法において、反応温度は、反応形
式や触媒の種類、使用量、過酸化水素と水とオレフィン
のモル比などによっても異なるが、通常20〜250℃
程度、好ましくは50〜150℃程度であり、さらに好
ましくは60〜100℃程度である。 また、反応圧力
も、反応形式や原料オレフィンの溶解度の向上を目的と
する有機溶剤の有無等によっても異なるが、通常0〜5
0kg/cm2・G程度、好ましくは2〜40kg/c
2・G程度であり、さらに好ましくは4〜35kg/
cm2・G程度である。
【0024】以上の如くして本発明方法は実施される
が、更に必要に応じて、オレフィン類の過酸化水素およ
び水に対する溶解度を上げるため、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等の
アルコール類、アセトニトリル等のニトリル化合物等の
水溶性の有機溶剤を系内に添加することができる。 こ
の有機溶剤の添加は有効な手段であり、これによりアル
キレングリコールの収率をさらに向上させることができ
る。
【0025】上記した範囲から選ばれた条件を採用して
本発明の方法を実施すれば、オレフィン類から直接アル
キレングリコールを効率よく製造することができる。
【0026】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらになんら制約されるものでは
ない。
【0027】参 考 例 1 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト触媒の製造:パ
イレックス製フラスコにテトラエトキシシラン 22.6
g、テトラブトキシチタン 3.54gおよびイソプロピ
ルアルコール 30mlをとり、撹拌しながら水酸化テ
トラプロピルアンモニウムの25%水溶液10gを30
分かけて滴下し、室温で1時間撹拌した後、水酸化テト
ラプロピルアンモニウムの25%水溶液30gと水 1
0gを撹拌しながら順次加えた。
【0028】ついで、この反応混合物を撹拌しながら5
0℃で2時間、80℃で2時間加熱した。 得られた無
色透明の溶液をステンレス製オートクレーブに移し、1
70℃で7日間加熱して結晶を形成させた。 この結晶
を遠心分離により母液から分離し、洗液が中性になるま
で蒸留水による洗浄を繰り返した後、110℃で4時間
乾燥し、空気中550℃で6時間焼成した。
【0029】得られた酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオ
ライトは、粉末X線解析からMFI構造を有するTS−
1であることがわかり、この化学組成を蛍光X線分析法
(ガラスビード法)で測定したところ、酸化珪素と酸化
チタンの合計に対する酸化チタンの割合は7.9モル%
(チタン含有量6.1重量%)であった(以下、この触
媒を「触媒A」と称す)。
【0030】参 考 例 2 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト担持触媒の製
造:参考例1で得られた酸化珪素−酸化チタン系合成ゼ
オライト 50gと結合剤として20重量%ポリビニル
アルコール水溶液 150gを室温で1時間混合撹拌
し、スラリー溶液を調製した。 次に、直径1.8〜2.
0mmの球形シリカゲル(富士シリシア化学(株)製キ
ャリアクト10)250gを遠心流動型造粒装置(フロ
イント産業(株)製CF360S)上で転動させ、上記
スラリー溶液を5ml/分で吹き付けた。 噴霧終了
後、80℃で20時間乾燥させ、300℃で2時間仮焼
成を行い、550℃で2時間焼成を行った。 これによ
り、球形シリカゲル1g当たり、酸化珪素−酸化チタン
系合成ゼオライトが0.14gの量で担持された触媒が
得られた(以下、この触媒を「触媒B」と称す)。
【0031】参 考 例 3 H−ZSM−5触媒の製造:Si/Al/Na/H2
/OH-/テトラプロピルアンモニウムイオン=1/0.
02/0.1/40/0.1/0.1(モル比)の混合ゲ
ルを、ステレンス製オートクレーブに移し、160℃で
18時間加熱して結晶を形成させた。 この結晶を遠心
分離により母液から分離し、洗液が中性になるまで蒸留
水による洗浄を繰り返した後、110℃で16時間乾燥
し、空気中530℃で18時間焼成した。
【0032】得られたZSM−5結晶1gに対し0.6
規定の塩酸100gを用いて室温で18時間撹拌した
後、洗液が中性になるまで蒸留水による洗浄を繰り返
し、110℃で16時間乾燥して、H−ZSM−5を調
製した。 このH−ZSM−5の化学組成を蛍光X線分
析法(ガラスビード法)で測定したところ、Si/Al
原子比は46であり、Naは0.01重量%以下であっ
た(以下、この触媒を「触媒C」と称す)。
【0033】参 考 例 4 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト・H−ZSM−
5担持触媒の製造:参考例1で得られた触媒Aの25g
と参考例3で得られた触媒Cの25gを用いて、参考例
2と同様にして、シリカゲルに酸化珪素−酸化チタン系
合成ゼオライトとH−ZSM−5を担持せしめた。 こ
れにより、球形シリカゲル1g当たり、酸化珪素−酸化
チタン系合成ゼオライトが0.06g、H−ZSM−5
が0.09gの量で担持された触媒が得られた(以下、
この触媒を「触媒D」と称す)。
【0034】比 較 例 内容積30mlのステンレス製オートクレーブに参考例
1の触媒Aの粉末 0.2g、30%過酸化水素水 3.7
g(過酸化水素として33mモル)、水 3.6g(過酸
化水素水の水を含め343mモル)、プロピレン 7.5
g(179mモル)を仕込み、反応温度70℃、反応圧
力30kg/cm2・Gで2時間反応させた。
【0035】反応終了後、ヨードメトリー滴定法により
過酸化水素の転化率を求め、ガスクロマトグラフィーに
より反応生成物の定量分析を行った結果、該反応条件下
における過酸化水素転化率は66%、プロピレングリコ
ールの選択率は70.1%、ジプロピレングリコール
(2量体)選択率は7.8%、プロピレンオキシド選択
率は20.0%であった。 なお、アルキレングリコー
ル、2量体およびアルキレンオキシドの選択率は、転化
した過酸化水素を基準に算出したモル%である(以下の
実施例においても同じ)。
【0036】実 施 例 1 反応系にピロリン酸 0.1gを添加したこと以外は比較
例と同様の方法により反応を行った。 その時の過酸化
水素転化率は89%、反応生成物中のプロピレングリコ
ールの選択率は89.2%、2量体選択率は9.7%、プ
ロピレンオキシドの選択率は0.1%であった。
【0037】実 施 例 2 ピロリン酸に代えて濃硫酸 0.05gを添加したこと以
外は比較例と同様の方法により反応を行った。 その時
の過酸化水素転化率は95%、プロピレングリコールの
選択率は88.3%、2量体選択率は10.4%、プロピ
レンオキシドの選択率は0.2%であった。
【0038】実 施 例 3 50mlの耐圧ガラス製反応容器に触媒Aの粉末 0.1
g、モンモリロナイト(Aldrich社製モンモリロ
ナイトKSF)0.1g、60%過酸化水素水2g(過
酸化水素として35mモル)、水 3.6g(過酸化水素
水の水を含め244mモル)、プロピレン 9g(21
4mモル)およびアセトン 5gを仕込み、反応温度7
0℃、反応圧力5kg/cm2・Gで3時間反応させ
た。 その時の過酸化水素転化率は95%、プロピレン
グリコールの選択率は90.3%、2量体選択率は9.2
%であった。
【0039】実 施 例 4 固定床流通式反応装置の触媒床に参考例2の触媒Bを8
g詰め、プロピレンを8g/h(190mモル/h)、
ピロリン酸0.04mモル/gを含む10%過酸化水素
水を9g/h(過酸化水素水26mモル/h、水450
mモル/h)で導入し、反応温度70℃、反応圧力26
kg/cm2・Gで反応を行った。
【0040】得られた反応液を氷冷しながらトラップ
し、生成物の確認および定量を行ったところ、過酸化水
素転化率は97%、プロピレングリコールの選択率は9
5.0%、2量体選択率は4.8%であった。
【0041】実 施 例 5 実施例4と同様の反応装置を用い、触媒として参考例4
の触媒Dを8g詰め、プロピレンを9g/h(214m
モル/h)、30%過酸化水素水/アセトン(重量比6
/4)混合溶液を17.5g/h(過酸化水素93mモ
ル/h、水408mモル/h)で導入し、反応温度 8
0℃、反応圧力 30kg/cm2・Gで反応を行った。
【0042】反応液の回収、分析を実施例4と同様に行
ったところ、過酸化水素転化率は94%、プロピレング
リコールの選択率は93.8%、2量体選択率は6.1%
であった。
【0043】実 施 例 6 50mlの耐圧ガラス製反応容器に触媒Aの粉末 0.1
g、触媒Cの粉末 0.1g、30%過酸化水素水 1.1
g(過酸化水素として10mモル)、水 0.9g(過酸
化水素水の水を含め93mモル)、アセトン 24g、
1−ブテン 3.4g(61mモル)を仕込み、反応温度
70℃、反応圧力 5kg/cm2・Gで2時間反応さ
せた。 その時の過酸化水素転化率は91%、1,2−ブ
タンジオールの選択率は90.1%であった。
【0044】実 施 例 7 1−ブテンに代えてトランス−2−ブテンを用いた以外
は実施例6と同様に反応を行った。 その時の過酸化水
素転化率は95%、2,3−ブタンジオールの選択率は
89.0%であった。
【0045】実 施 例 8 1−ブテンに代えてイソブテンを用いた以外は実施例6
と同様に反応を行った。 その時の過酸化水素転化率は
94%、2−メチル−1,2−ブタンジオールの選択率
は92.4%であった。
【0046】実 施 例 9 1−ブテンに代えてシクロペンテン 4.1g(60mモ
ル)を用いた以外は実施例6と同様に反応を行った。そ
のときの過酸化水素転化率は85%、1,2−シクロペ
ンタンジオールの選択率は92.1%であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、安価なオレ
フィン類を出発原料とし、一段のプロセスで目的とする
アルキレングリコールを高選択率、高収率で得られるた
め、従来法に比較して、より簡単で経済的に製造するこ
とができる。 さらに、使用する水の量が低減できるこ
とから、反応生成物の精製が容易であるという利点があ
る。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/16 B01J 27/16 Z 29/89 29/89 Z C07C 29/03 9155−4H C07C 29/03 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン類からアルキレングリコール
    を製造する方法において、オレフィン類に対して1〜5
    モル倍の水の存在下に、触媒として酸化珪素−酸化チタ
    ン系合成ゼオライトと酸触媒を使用し、オレフィン類に
    対し0.05〜1モル倍の過酸化水素を反応させること
    を特徴とするアルキレングリコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト
    が、チタン含有量0.001〜8重量%のものである請
    求項第1項記載のアルキレングリコールの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト
    が、MFI構造を有するTS−1またはMEL構造を有
    するTS−2である請求項第1項または第2項記載のア
    ルキレングリコールの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸触媒が、塩酸、硫酸、硝酸、ピロリン
    酸、モンモリロナイト、モルデナイト、酸性白土、シリ
    カアルミナ、Y型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト
    および陽イオン交換樹脂から選ばれたものの少なくとも
    一種である請求項第1項ないし第3項のいずれかの項記
    載のアルキレングリコールの製造方法。
  5. 【請求項5】 オレフィン類が、炭素数2〜9の鎖状オ
    レフィン、炭素数5〜8の環状オレフィン、炭素数4〜
    5のジエンまたは炭素数8〜9のビニル基含有環式化合
    物である請求項第1項ないし第4項のいずれかの項記載
    のアルキレングリコールの製造方法。
  6. 【請求項6】 オレフィン類が、エチレン、プロピレ
    ン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテンまたはシクロ
    ペンテンである請求項第1項ないし第5項のいずれかの
    項記載のアルキレングリコールの製造方法。
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