JPH11139999A - イソプロピルメチルナフタレンの製造法 - Google Patents

イソプロピルメチルナフタレンの製造法

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JPH11139999A
JPH11139999A JP30314397A JP30314397A JPH11139999A JP H11139999 A JPH11139999 A JP H11139999A JP 30314397 A JP30314397 A JP 30314397A JP 30314397 A JP30314397 A JP 30314397A JP H11139999 A JPH11139999 A JP H11139999A
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isopropylmethylnaphthalene
methylnaphthalene
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alkylation
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Toshio Tsutsui
井 俊 雄 筒
Takumi Sasaki
匠 佐々木
Yoshitaka Sato
藤 儀 隆 佐
Osamu Kubota
修 久保田
Shinichi Okada
田 伸 一 岡
Masami Fujii
井 正 己 藤
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Fuji Oil Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
    • C07C2/54Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition of unsaturated hydrocarbons to saturated hydrocarbons or to hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring with no unsaturation outside the aromatic ring
    • C07C2/64Addition to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C2/66Catalytic processes

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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物の少ないβ−メチルナフタレンからイ
ソプロピルメチルナフタレンを製造する合理的な技術方
法を確立すること。 【解決手段】 原料油としてβ−メチルナフタレンを使
用し、反応温度が200〜490℃、全圧が1〜50k
g/cm2、反応接触時間が2〜90秒において、イソ
プロピル化反応およびアルキル化反応を行うことによ
る、イソプロピルメチルナフタレンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】[発明の背景]本発明は、イソプロピルメ
チルナフタレンの製造法に関するものであり、更に詳し
くは、β−メチルナフタレンを原料油として、触媒下
で、所定の反応温度、全圧、および気相接触時間との組
合せにより転化率、選択率よく反応させることにより、
イソプロピルメチルナフタレン、特に2,6−イソプロ
ピルメチルナフタレンを、高純度、高収率で得るための
製造法に関するものである。
【0003】
【従来技術】イソプロピルメチルナフタレンは、各種化
学物質の前駆体として有用な物質である。なかでも、近
年、2,6−イソプロピルメチルナフタレンは、酸化反
応により2,6−ナフタレンジカルボン酸や2−ヒドロ
キシ−6−ナフタレンカルボン酸とすることができるた
め、高性能ポリマーのモノマーの前駆体として注目され
ている。特に、高度な機械的特性、耐熱性、耐薬品性、
電気的特性、光学的特性が要求されるエンジニアリング
プラスチックとして注目されているポリエチレンナフタ
レート(PEN)、および最近脚光を浴びている全芳香
族液晶ポリマー、を合成するためのモノマーの前駆体と
して極めて重要な物質と位置付けられている。この為、
各種工業分野から高純度で低廉価なイソプロピルメチル
ナフタレン、特に2,6−イソプロピルメチルナフタレ
ンの供給が要求されている。
【0004】従来、イソプロピルメチルナフタレン、特
に2,6−イソプロピルメチルナフタレンを製造、供給
するという手段として、メチルナフタレンをプロピレン
によりイソプロピル化して2,6−イソプロピルメチル
ナフタレンを含むイソプロピル化物を得る方法が開示さ
れている(必要であれば、特開昭63−第243043
号明細書の記載を参照されたい)。
【0005】この方法では、確かにイソプロピル化物を
得るという目的を達成しうるが、メチルナフタレンのイ
ソプロピル化物中のイソプロピルメチルナフタレン(即
ち、モノイソプロピルメチルナフタレン)の選択率は低
く、またイソプロピルメチルナフタレン中の2,6−イ
ソプロピルメチルナフタレンの選択率も低いため、合理
的な2,6−イソプロピルメチルナフタレンを製造する
には困難であった。また、上記先行技術においては、固
体酸触媒を用いるメチルナフタレンのイソプロピル化に
対する反応条件、即ち、反応温度、圧力、反応接触時間
等の反応条件については、固体酸触媒を用いる反応の一
般的な条件を開示しているに過ぎず、反応接触時間につ
いても極めて広範囲な条件を記載したものとなっている
(必要であれば、特開昭63−第243043号明細書
第9頁の「固体酸触媒を用いる場合の反応条件」の記載
を参照されたい)。従って、固体酸触媒を用いるイソプ
ロピル化反応における、反応温度、圧力、接触時間等の
反応条件の適切な組合せについては、何ら教示、示唆さ
れていない。
【0006】以上のことから、イソプロピルメチルナフ
タレン、特に2,6−イソプロピルメチルナフタレンを
選択性高く、また合理的に製造する方法の確立が従来よ
り望まれているが、今だ十分に確立されていないのが現
状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
対して、β−メチルナフタレンを原料とし、イソプロピ
ルメチルナフタレン、特に2,6−イソプロピルメチル
ナフタレンを選択性高く、製造する合理的な技術方法を
提供するものである。特に、本発明では、原料油である
β−メチルナフタレンをイソプロピル化する際に、適切
な触媒下で、反応温度、全圧、および気相接触時間を適
切な条件で組み合わせることにより、生成されたイソプ
ロピル化物中のイソプロピルメチルナフタレン、特に
2,6−イソプロピルメチルナフタレンを従来技術に比
べて著しく高い選択率で製造でき、その結果、高収率
で、高純度な2,6−イソプロピルメチルナフタレンを
低廉価で容易に提供することができる製造法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】[発明の概要] 〔要旨〕本発明は、上記課題を達成することを目的とす
るものである。即ち、本発明によるイソプロピルメチル
ナフタレンの製造法は、原料油としてβ−メチルナフタ
レンを使用し、反応温度が200〜490℃、反応全圧
が1〜50kg/cm2、気相接触時間が2〜90se
cにて、イソプロピル化反応およびアルキル化反応を行
うことによること、を特徴とするものである。
【0009】〔効果〕本発明によるイソプロピルメチル
ナフタレンの製造法は、原料油としてβ−メチルナフタ
レンを使用し、適切な反応条件の組合せによって、イソ
プロピル化反応およびアルキル化(以下、本明細書中で
は、トランスアルキル化をも含むものとする)反応させ
ることにより、経済的、合理的にイソプロピルメチルナ
フタレンを製造するものであり、上記先行技術に内包さ
れている種々の問題点を解決することができるものであ
る。
【0010】即ち、本発明による、イソプロピルメチル
ナフタレン、特に2,6−イソプロピルメチルナフタレ
ンの製造法は、イソプロピル化反応とアルキル化反応と
を別々に行う方法に比べて、目的生成物のイソプロピル
メチルナフタレンを1つの反応の場において生成するこ
とができ、原料油であるβ−メチルナフタレンの利用率
を向上することができる。このこため、各工程に必要な
蒸留塔や熱交換器などのプロセス機器の数を減らすこと
でき、その結果、反応熱の供給、生成物の冷却などに要
する用役量を大幅に減少することができるものである。
【0011】また、本発明の製造法における反応条件に
おいて、反応温度、気相接触時間、および全圧を適切に
組み合わせることにより、モノイソプロピルメチルナフ
タレンの選択率(モノイソプロピルメチルナフタレン/
全イソプロピル化メチルナフタレン)を高めること、お
よび2,6−体選択性(2,6−イソプロピルメチルナ
フタレン/全イソプロピルメチルナフタレン)を高める
ことができる。その結果、収率、選択率、および純度の
高いイソプロピルメチルナフタレン、特に2,6−イソ
プロピルメチルナフタレンを製造することができるとい
う利点、効果を有するものである。
【0012】[発明の具体的な説明]本発明によるイソ
プロピルメチルナフタレン、特に2,6−イソプロピル
メチルナフタレンの製造法は、典型的には、原料油とし
てβ−メチルナフタレンを使用し、適切な反応条件の組
合せによって、イソプロピル化反応およびトランスアル
キル化反応させることによりイソプロピルメチルナフタ
レン、特に2,6−イソプロピルメチルナフタレンを製
造するものである。
【0013】[本発明の工程〕 <反応装置>本発明において使用される反応装置は、固
定層、移動層、流動層のいずれかの方式の反応装置を使
用することができる。
【0014】<供給される原料>本発明に使用される原
料油は、β−メチルナフタレンである。このβ−メチル
ナフタレンは、コールタール、石油、石油精製品等の分
解、改質生成油の留分を蒸留したもの、その他化学合成
により製造されたもの、等が用いられるが、これらのも
のに限定されるものではなく、また1種または2種以上
の混合物として使用することができる。
【0015】特に本発明において好ましい原料油である
β−メチルナフタレンは、上記原料油中、硫黄含有量、
窒素含有量が低いものがよい。より具体的には、原料油
であるβ−メチルナフタレン中、硫黄含有量が200p
pm以下のもの、および窒素含有量が50ppm以下の
ものであり、より好ましくは硫黄含有量が100ppm
以下のもの、および窒素含有量が30ppm以下のもの
のである。
【0016】これら不純物の含有量が低ければ、アルキ
ル化用の触媒の失活、不純物由来のアルキル化物の生成
を抑制することができ、また、これら不純物の除去を行
うための前処理工程を排除することができるので反応工
程の複雑化に伴うコストの増大を防止することができ
る。
【0017】<アルキル化触媒>本発明において使用さ
れるアルキル化用の触媒(以下、本明細書中ではトラン
スアルキル化用のものも含むものとする)は、アルキル
化活性を示す触媒であればいずれのものであっても使用
することができ、液相アルキル化用の触媒、気相アルキ
ル化用の触媒等のいずれのものも使用できる。特に、本
発明では、典型的には、高温反応であるため、比較的低
温で使用される液相アルキル化用の触媒より気相アルキ
ル化用の触媒を用いることが好ましい。
【0018】使用される気相アルキル化用の触媒は、典
型的には、リン酸担持珪藻土またはシリカ、BF/A
、ゼオライト、シリカアルミナ、TiO−M
oO、TiO、TiO−WO、MgO、Mg
O−MnO−Ce、MgO−Al、Fe
−ZnO等が挙げられるが、特にこれらのものに限
定されるものではなく、また1種または2種以上の混合
物として使用することができる。
【0019】特に好ましい触媒は、ゼオライト、シリカ
アルミナなどの固体酸触媒である。ゼオライトとして
は、ゼオライト(X、Y、L、USY、モルデナイ
ト)、β‐ゼオライト、等が適している。シリカアルミ
ナとしては、HA(High Alumina)タイプ
またはLA(Low Alumina)タイプのアモル
ファスシリカアルミナ、等が適している。尚、使用済み
触媒は、例えば、通常用いられる手法により再生して、
使用することができる。
【0020】<アルキル化剤>本発明において使用され
るアルキル化剤(以下、本明細書中では、トランスアル
キル化剤も含む)は、典型的にはアルケン、アルコー
ル、エステル、エーテル、ハロゲン化アルキル等が挙げ
られるが、これらのうち本発明のイソプロピル化に用い
ることのできる好ましいアルキル化剤であればいずれの
ものであっても使用することができる。
【0021】例えば、芳香族炭化水素としては、イソプ
ロピル基を少なくとも1種有するものが好ましく、より
好ましくは、イソプロピル基を1個以上有するベンゼン
および/またはナフタレンである。アルケンとしては、
好ましいものは、プロピレンである。アルコールとして
は、イソプロピル基を少なくとも1種有するアルコール
が好ましく、より好ましいものは、イソプロピルアルコ
ールである。
【0022】<反応条件−温度>本発明における反応温
度は、好ましくは200〜490℃の範囲、より好まし
くは250〜470℃の範囲、もっとも好ましくは27
0〜450℃の範囲、である。この反応温度が、200
℃未満であるとモノイソプロピルメチルナフタレンの選
択率(モノイソプロピルメチルナフタレン/全イソプロ
ピル化メチルナフタレン)を高くすること、および2,
6−体選択性(2,6−イソプロピルメチルナフタレン
/全イソプロピルメチルナフタレン)を高くすることが
困難となるからである。
【0023】これは、反応温度が200℃未満である
と、生成した全イソプロピル化メチルナフタレンと未反
応のβ−メチルナフタレンとの間でトランスアルキル化
反応が進行しにくくなり、モノイソプロピルメチルナフ
タレンの選択性が減少すると考えられること、および
2,6−体以外の異性体から2,6−体への異性化は分
子間の異性化反応と考えられるが、トランスアルキル化
が進行しにくいと2,6−体選択性が減少すると考えら
れることによるものである。
【0024】一方、490℃超過では、原料のβ−メチ
ルナフタレンが異性化されてα−メチルナフタレンが生
成される量が多くなり、その結果、モノイソプロピルメ
チルナフタレンの選択性、および2,6−体選択性が悪
くなる。なお、この場合、生成物からα−メチルナフタ
レンを分離して反応器にフィードすれば、β−メチルナ
フタレンへの異性化を経て、2,6−イソプロピルメチ
ルナフタレンを生成することができるが、1パス反応で
の2,6−イソプロピルメチルナフタレンの収率は減っ
てしまい、その結果収率を上げるために反応器を大きく
しなければならないという問題が生じる。
【0025】<反応条件−気相接触時間>本発明におけ
る気相接触時間は、好ましくは2〜90秒の範囲、より
好ましくは3〜40秒の範囲、である。この接触時間
が、2秒未満であるとイソプロピル化、トランスアルキ
ル化が十分に行われず、その結果モノイソプロピルメチ
ルナフタレンの選択性、および2,6−体選択性が悪く
なるからである。一方、90秒超過であると不必要な副
反応が進行して、その結果モノイソプロピルメチルナフ
タレンの収率性、および2,6−体の収率が悪くなるこ
と、更に反応に耐えうるように反応装置を大きくする必
要性から経済上の負担を招くなどの問題が生じる。ここ
で、気相接触時間とは、とくに気相反応での接触時間を
定義したものであり、具体的には、気相接触時間(秒)
=触媒相体積(cc)/反応条件における反応物の気相
流量(cc/秒)で定義されるものである。
【0026】<反応条件−圧力>本発明における圧力
は、好ましくは1〜50kg/cm2の範囲、より好ま
しくは1〜40kg/cm2の範囲、である。この反応
圧力が、1kg/cm2未満であると触媒上のコークの
析出が多くなり、その結果として触媒の活性低下が速く
なるからである。一方、50kg/cm2超過であると
圧縮動力が過剰になり装置材料も高い耐圧性を必要とな
るため経済性が低下するからである。
【0027】<反応条件−組合せ>以上の反応条件を適
切に組み合わせることによりイソプロピル化とトランス
アルキル化を同一の反応の場で行うことができる。本発
明における反応条件の適切な組合せは、好ましくは、反
応温度が200〜490℃、全圧が1〜50kg/cm
2、気相接触時間が2〜90secであり、より好まし
くは、前記反応温度が250〜470℃、前記全圧1〜
40kg/cm2、前記気相接触時間が3〜40sec
である。この場合、上記1パス転化率は、20〜80%
が好ましく、より好ましくは40〜75%である。
【0028】<分離回収>本発明のアルキル化工程によ
り生じた生成物からイソプロピルメチルナフタレン、特
に2,6−イソプロピルメチルナフタレンを分離回収す
る。工程分離回収工程は、例えば、通常用いられる蒸
留、吸着、晶析、等の精製操作で行われる。
【0029】<任意の工程>尚、最終生産物であるイソ
プロピルメチルナフタレン、特に2,6−イソプロピル
メチルナフタレンの収率を上げるために生産物からβ−
メチルナフタレン、アルキル化剤を分離回収したものを
イソプロピル化、およびアルキル化反応工程にフィード
させる工程を任意の工程として行うことができる。
【0030】[本発明の工程概略]本発明によるイソプ
ロピルメチルナフタレン、特に2,6−イソプロピルメ
チルナフタレンの一般的な製造工程を図1を用いて説明
する。なお、この工程は本発明の製造方法の一形態を示
すものであり、なんら本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0031】〔本発明の製造工程〕原料供給器11から
原料油であるβ−メチルナフタレンが反応器12に供給
される。反応器12内部では、アルキル化用の触媒の固
定層が形成されている。この反応器12では、供給され
た原料油であるβ−メチルナフタレンが、供給器13か
ら供給されるアルキル化剤と、アルキル化用の触媒下で
イソプロピル化およびトランスアルキル化されてイソプ
ロピルメチルナフタレンを含有する生成物が製造され
る。製造されたイソプロピルメチルナフタレンを含有す
る生成物は、分離器14に送られる。分離器14に送ら
れた生成物は、分離器14が有する、蒸留塔、吸着器、
晶析器、の各機器に送られて、目的物質であるイソプロ
ピルメチルナフタレン、特に2,6−イソプロピルメチ
ルナフタレンを分離回収して受器24に送られる。以上
の工程により、イソプロピルメチルナフタレン、特に
2,6−イソプロピルメチルナフタレンを効率よく製造
することができる。
【0032】
【実施例】下記の実施形態及び実施例(比較例も含む)
は、本発明を更に詳細に説明するものである。従って、
下記の実施形態及び実施例は、本発明の内容を容易に理
解するために単に例示列挙したものであって、何ら本発
明の範囲を限定するものではない。
【0033】実施例1 〔本発明のアルキル化反応〕 <反応装置>反応装置は、固定層反応装置(内径1.7
cm)を使用した。
【0034】<供給量>原料油であるβ−メチルナフタ
レンは、供給量12.5g/hでポンプによりアルキル
化反応器に供給した。
【0035】<アルキル化用の触媒>触媒は、アモルフ
ァスシリカアルミナ(触媒化成製 High Alum
ina型、アルミナ含量30wt%)であり、この触媒
32ccを反応装置に充填した。
【0036】<アルキル化剤>アルキル化剤は、プロピ
レンを使用した。このプロピレンは、アルキル化剤供給
器から供給した。供給量は、プロピレン/β−メチルナ
フタレンのモル比が、1.1mol/molとなるよう
に行った。
【0037】<反応条件>反応条件は、反応温度300
℃、全圧3kg/cm2G、気相接触時間35.5秒で
あり、この条件下でアルキル化反応を行った。
【0038】<イソプロピルメチルナフタレン生成物の
分離回収>アルキル化反応器からアルキル化反応生成物
を、蒸留器を有する分離器に送った。その蒸留器により
モノイソプロピルメチルナフタレンを留出させて生成物
として分離し受器に回収した。得られたモノイソプロピ
ルメチルナフタレンを、極性カラムを用いたガスクロマ
トグラフィーおよびNMRにより異性体の分折を行っ
た。
【0039】[反応結果]本発明によるアルキル化反応
の結果は、従来技術である特開昭63−243043号
明細書第25頁〜27頁に記載されている実施例1との
比較において、表1、2に示す通りである。表中、MN
はメチルナフタレンを、β−MNはβ−メチルナフタレ
ンを、IPMNはイソプロピルメチルナフタレンを、そ
れぞれ意味するものである。これは後の表3においても
同じである。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 表1、2から、本発明の方法によれば、転化率が低めで
あるにも拘わらずモノイソプロピルメチルナフタレンの
収率が高く、モノイソプロピルメチルナフタレンの選択
性が著しく高いことが分かる。また、生成されたモノイ
ソプロピルメチルナフタレン中の2,6−イソプロピル
メチルナフタレンの選択率、収率ともに著しくが高いこ
とがわかる。
【0042】実施例2 上記実施例1の反応条件のうち、反応温度および気相接
触時間を、(250℃、35.2秒)、(300℃、3
5.9秒)、(350℃、35.5秒)、(400℃、
5.9秒)として他の条件は実施例と同じくしてアルキ
ル化反応をさせた。その結果は、実施例1での反応温度
および気相接触時間とともに表3に記載する通りであ
る。
【0043】
【表3】
【0044】表3から、β−メチルナフタレンのイソプ
ロピル化、およびトランスアルキル化反応における転化
率、選択率に対して反応温度と気相接触時間が著しく影
響を及ぼすことが理解できる。特に先行技術と比較して
も反応温度と気相接触時間とを適切に選択することによ
りイソプロピル化、およびトランスアルキル化とを同一
の反応の場で行うことができることが理解できる。従っ
て、本発明の明細書に記載した反応温度と気相接触時間
との適切な組合せによれば高転化率、高選択率、および
高収率でイソプロピルメチルナフタレン、特に2,6−
イソプロピルメチルナフタレンが製造することができる
ことができることがわかる。
【0045】
【発明の効果】上記、実施例から理解できるように、本
発明の製法は、アルキル化反応における反応温度、気相
接触時間の適切な組合せにより、高純度、高収率、およ
び低廉価なイソプロピルメチルナフタレン、特に2,6
−イソプロピルメチルナフタレンを製造することができ
るものである。とくに、高度な機械的特性、多熱性、耐
薬品性、電気的特性、光学的特性が要求されるエンジニ
アリングプラスチックとして注目されているポリエチレ
ンナフタレート(PEN)、および最近脚光を浴びてい
る全芳香族液晶ポリマー、を合成するためのモノマー前
駆体として極めて重要な物質である2,6−イソプロピ
ルメチルナフタレン、なかでも2,6−イソプロピルメ
チルナフタレンは、本発明によって容易にかつ、安定供
給することができ、各種関連工業分野の要求を充足する
ことできるものである。この点、前記[発明の概要]の
項で述べた通りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造のフローチャートを示す
ものである。
【符号の説明】
11 原料油供給器 12 アルキル化またはトランスアルキル化反応器 13 アルキル化剤供給器 14 アルキル化生成物分離器 15 生成物受器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 修 千葉県袖ヶ浦市北袖1番地 富士石油株式 会社袖ヶ浦製油所内 (72)発明者 岡 田 伸 一 千葉県袖ヶ浦市北袖1番地 富士石油株式 会社袖ヶ浦製油所内 (72)発明者 藤 井 正 己 東京都中央区明石町8番1号 富士石油株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料油としてβ−メチルナフタレンを使用
    し、反応温度が200〜490℃、全圧が1〜50kg
    /cm2、気相接触時間が2〜90秒において、イソプ
    ロピル化反応およびアルキル化反応を行うことによる、
    イソプロピルメチルナフタレンの製造法。
  2. 【請求項2】前記反応温度が250〜470℃、前記全
    圧1〜40kg/cm2、前記気相接触時間が3〜40
    秒である、請求項1に記載された製造法。
  3. 【請求項3】前記原料油であるβ−メチルナフタレン
    が、硫黄含有量が200ppm以下、および窒素含有量
    が50ppm以下のものである、請求項1、2に記載さ
    れた製造法。
  4. 【請求項4】前記イソプロピル化反応およびアルキル化
    反応が、アルミナ、シリカ、ゼオライト、シリカアルミ
    ナなどの固体酸触媒の下で行われる、請求項1〜3に記
    載された製造法。
JP30314397A 1997-11-05 1997-11-05 イソプロピルメチルナフタレンの製造法 Pending JPH11139999A (ja)

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