JPH11139998A - ジアルキルナフタレンの製造法 - Google Patents

ジアルキルナフタレンの製造法

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JPH11139998A
JPH11139998A JP9302736A JP30273697A JPH11139998A JP H11139998 A JPH11139998 A JP H11139998A JP 9302736 A JP9302736 A JP 9302736A JP 30273697 A JP30273697 A JP 30273697A JP H11139998 A JPH11139998 A JP H11139998A
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oil
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alkylnaphthalene
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Toshio Tsutsui
井 俊 雄 筒
Takumi Sasaki
匠 佐々木
Yoshitaka Sato
藤 儀 隆 佐
Osamu Kubota
修 久保田
Shinichi Okada
田 伸 一 岡
Masami Fujii
井 正 己 藤
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Fuji Oil Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C15/00Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts
    • C07C15/20Polycyclic condensed hydrocarbons
    • C07C15/24Polycyclic condensed hydrocarbons containing two rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G2400/00Products obtained by processes covered by groups C10G9/00 - C10G69/14
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多量に存在する石油系原料からジアルキルナ
フタレンの製造方法を確立する。 【解決手段】 1)、2)、3)、4)の工程を含むジ
アルキルナフタレンの製造法。 1)ナフタレン及び/又はアルキルナフタレンを有意量
含有する原料油を接触水素化脱アルキル化反応させ、生
成ガスと生成油とを気液分離して生成油からナフタレン
及び/又はメチルナフタレンから主としてなる画分を分
離回収する工程。 2)1)で回収した画分を前処理精製工程を経ないで直
接にアルキル化剤またはトランスアルキル化剤と共に接
触アルキル化又は接触トランスアルキル化して、アルキ
ルナフタレンを製造する工程。 3)2)で得たアルキルナフタレンからジアルキルナフ
タレンを分離回収する工程。 4)3)でジアルキルナフタレンを分離回収した後の画
分の一部か全部を、1)の原料油の一部か全部及び/又
は2)のアルキル化剤またはトランスアルキル化剤の一
部か全部として、各工程へ戻す工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】[発明の背景]本発明は、ジ
アルキルナフタレンの製造法に関するものであり、更に
詳しくは、ナフタレンおよび/またはアルキルナフタレ
ンを有意量含有する原料油からジアルキルナフタレン
を、好ましくは石油の接触分解法により生じた分解軽油
の軽質画分分留物の循環油から2,6−ジアルキルナフ
タレンを、高純度、高収率で得るための製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】近年、ジアルキルナフタレンは、高性能ポ
リマーのモノマーの前駆体として注目されている。特
に、2,6−ジアルキルナフタレンは、高度な機械的特
性、耐熱性、耐薬品性、電気的特性、光学的特性が要求
されるエンジニアリングプラスチックとして注目されて
いるポリエチレンナフタレート(PEN)、および最近
脚光を浴びている全芳香族液晶ポリマー、を合成するた
めのモノマーの前駆体として極めて重要な物質である。
この為、各種工業分野から高純度で低廉価なジアルキル
ナフタレン、特に2,6−ジアルキルナフタレンの供給
が要求されている。
【0003】このジアルキルナフタレンは、コールター
ルや石油系原料油中に含まれているが、他の成分や不純
物も多量に含まれているため、直接分離する方法では、
収率が低く、コストが掛かり、またその後の化学合成に
適した高純度製品を得ることは、従来困難であった。
【0004】特に、工業界において通常使用されるナフ
タレン、メチルナフタレン、特にβ−メチルナフタレン
は、主としてコールタールから分離されているが、これ
らのものは、硫黄化合物、窒素化合物等の不純物を多量
に含んでいる。このため、従来では、これら不純物によ
る触媒の失活、不純物由来のアルキル化物の生成を抑制
するために、一般的に原料油の水素化脱硫や水素化脱窒
素などの前処理工程を行う必要があるが、原料油のアル
キル化工程を単に複雑化しコストを増大させ、さらには
ナフタレン環の水素化によるロスが生じる等の問題があ
った。
【0005】また、原料油には、ジアルキルナフタレン
の沸点と近似する沸点を有する多種類の炭化水素化合物
が多く、特にジアルキルナフタレンのみを分離抽出する
には技術的、経済的にも従来困難であった。
【0006】更には、原料のコールタールは、典型的に
は製鉄の高炉用コークス製造の副生物であるが、製鉄技
術の合理化により今後コールタールの生産量が大幅に縮
小される傾向にある。この為、このコールタールに代わ
る低廉価で入手容易な原料油の供給が今後更に要求され
る。
【0007】以上のことから、工業界では、ナフタレ
ン、メチルチフタレン、特にβ−メチルナフタレンをア
ルキル化させて、ジアルキルナフタレン、特に2,6−
ジアルキルナフタレン、なかでも2,6−ジメチルナフ
タレン、2,6−イソプロピルメチルナフタレン、2,
6−ジイソプロピルナフタレンを合成する合理的な方法
の確立が望まれているが、今だ十分に確立されていない
のが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
対して、多量に存在する石油系原料油からジアルキルナ
フタレン、特に2,6−ジアルキルナフタレンを製造す
る合理的な技術方法を提供するものである。特に、本発
明では、石油系原料油中に多量に含まれるナフタレンお
よび/またはアルキルナフタレン類を有効に活用するこ
とにより、そして好ましい態様ではアルキル化工程にお
ける触媒毒を除去することによって、製造工程全体とし
ての設備的、熱経済的合理性を高めた製造プロセスを確
立し、これにより高収率、高純度のジアルキルナフタレ
ンを低廉価で容易に製造できる製法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】[発明の概要] 〔要旨〕本発明は、上記課題を達成することを目的とす
るものである。即ち、本発明によるジアルキルナフタレ
ンの製造法は、下記の通りに定義される工程からなるこ
と、を特徴とするものである。 (1)第1工程 ナフタレンおよび/またはアルキルナフタレンを有意量
含有する原料油を接触水素化脱アルキル化反応させた
後、生成ガスと生成油とを気液分離してその生成油から
ナフタレンおよび/またはメチルナフタレンから主とし
てなる画分を分離回収する工程。 (2)第2工程 第一工程で回収したナフタレンおよび/またはメチルナ
フタレンから主としてなる画分を、その前処理精製工程
を経ないで直接に、アルキル化剤またはトランスアルキ
ル化剤と共に接触アルキル化または接触トランスアルキ
ル化に付して、アルキルナフタレンを製造する工程。 (3)第3工程 第2工程で得られたアルキルナフタレンからジアルキル
ナフタレンを分離回収する工程。 (4)第4工程 第3工程でジアルキルナフタレンを分離回収した後の画
分の少なくとも一部を、第1工程の原料油の少なくとも
一部および/または第2工程のアルキル化剤またはトラ
ンスアルキル化剤の少なくとも一部、として、それぞれ
の工程へ戻す工程。
【0010】〔効果〕本発明によるジアルキルナフタレ
ンの製造法は、原料油を水素化脱アルキル化する第1工
程、その生成物のナフタレン、メチルナフタレンを直
接、アルキル化(以下、本明細書中ではトランスアルキ
ル化するものも含む)する第2工程、第2工程のアルキ
ル化で得られたアルキルナフタレンからジアルキルナフ
タレンを分離回収する第3工程、およびジアルキルナフ
タレンを分離回収した後の残った画分を第1工程、第2
工程に戻す第4工程によって、経済的、合理的にジアル
キルナフタレンを製造することができるものであり、上
記先行技術に内包されている種々の問題点を解決するこ
とができるものである。
【0011】即ち、本発明によるジアルキルナフタレン
の製造法は、水素化脱アルキル化とアルキル化とを別々
に行う方法に比べて、目的生成物のジアルキルナフタレ
ン以外の副生成物であるアルキルナフタレンを原料とし
て再利用できるため、原料油に含まれるアルキルナフタ
レンの利用率を向上することができ、また高温流体のま
ま次の工程へ供給できることから各工程に必要な蒸留塔
や熱交換器などのプロセス機器の数を減らすことでき、
その結果、反応熱の供給、生成物の冷却などに要する用
役量を大幅に減少することができるものである。
【0012】また、本発明の製造法における水素化脱ア
ルキル化工程では、好ましくは水素化脱硫ないし水素化
脱窒素能力を持った水素化脱アルキル化触媒を使用する
ので、脱硫、脱窒素が十分に行われて、硫化水素やアン
モニアなどに転化し、これらは気液分離により生成油か
ら分離されるため、次工程のアルキル化工程での脱硫な
いし脱窒素工程を前置しなくても、アルキル化工程での
触媒の被毒が抑制される。
【0013】その結果、選択率および収率高くアルキル
化を行うことができるという利点、効果を有するもので
ある。
【0014】[発明の具体的な説明]本発明によるジア
ルキルナフタレンの製造法は、典型的には、原料油を水
素化脱アルキル化して生産物を回収する第1工程、第1
工程で得られたナフタレン等をアルキル化してアルキル
ナフタレンを製造する第2工程、第2工程で得られたア
ルキルナフタレンからジアルキルナフタレンを分離回収
する第3工程、および第3工程の副生成物を第1工程、
第2工程に戻す第4工程、を含んでなるものである。
【0015】〔本発明−第1工程〕 <反応装置>第1工程において使用される反応装置は、
固定層、移動層、流動層のいずれの方式の反応装置を使
用することができる。特に、熱伝導性が高く反応系の温
度が一定に保たれるため、水素化脱アルキル化反応のよ
うな反応熱の大きい反応も円滑に進行することができ、
また劣化した触媒の除去と、再生触媒や新触媒の供給と
を連続して行うことができる流動層方式が好ましい。流
動層方式の場合には、反応塔や再生塔から成る複数の流
動層として触媒を循環させる方式が望ましい。流動層方
式の場合には、濃厚層方式、ライザー方式等のいずれを
用いてもよい。
【0016】<原料>第1工程に供給される原料油は、
ナフタレンおよび/またはアルキルナフタレンを有意量
含有する油であればいずれのものであってもよく、一般
には、コールタール、石炭液化油、石油および/または
石油精製品の分解、改質生成油の留分、例えば石油の熱
分解法、ナフサ分解法、接触分解法、接触改質法、コー
キング法、デカーボナイジング法、ビスブレーキング
法、エチレン製造法等により生じた分解および/または
改質生成油の留分が用いられるが、これら上記の油また
は方法によって生じた留分に限定されるものではなく、
また1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0017】特に本発明において好ましい原料油は、上
記分解および改質生成油の留分のうち、沸点が170〜
300℃の範囲が好ましく、より好ましくは200〜2
90℃の範囲、もっとも好ましくは210〜280℃の
範囲のものである。もっとも好ましい原料油は、沸点が
210〜280℃の範囲内にあり石油の接触分解法によ
り生じた分解軽油の軽質画分分留物の循環油である。
【0018】尚、これらの原料油は、ベンゾチオフェン
類等の含硫黄化合物や、キノリン、インドール類等の含
窒素化合物、例えばフェノール、ベンゾフラン、ジベン
ゾフラン類等の含酸素化合物等の不純物を含んでいるも
のであってもよい。さらに、第3工程でジアルキルナフ
タレン分離回収後の画分の少なくとも一部を原料油とし
て使用することができる。
【0019】<水素化脱アルキル化触媒>第1工程にお
いて使用される触媒は、水素化脱アルキル活性を示す触
媒であればいずれのものであっても使用することがで
き、典型的には、下記に示すように有効金属成分を多孔
質構造を有する多孔質体に担持させた、また必要に応じ
て任意の成分を含有させた触媒が用いられる。
【0020】有効金属成分は、特にバナジウム(V)、
モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、コバルト(C
o)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ロジウム(R
h)、イリジウム(Ir)等の金属、あるいはこれら金
属の酸化物または硫化物などの化合物を使用することが
できるが、これらのものに限定されるものではなく、ま
た1種または2種以上のものを混合して使用してもよ
い。
【0021】触媒として使用される上記有効金属成分の
金属としての濃度は、好ましくは0.1〜30wt%の
範囲、より好ましくは0.2〜20wt%の範囲、もっ
とも好ましくは0.3〜15wt%の範囲、である。
【0022】多孔質構造を有する多孔質体には、典型的
にはアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、カオリン等が
挙げられるが、これらのものに限定されるものではな
く、また1種または2種以上からなるものが用いられ
る。特に好ましくはアルミナおよび/またはカオリンで
ある。また多孔質構造を有する多孔質体の細孔平均直径
は、好ましくは70〜3000オングストロームの範
囲、より好ましくは80〜2500オングストロームの
範囲、もっとも好ましくは90〜2000オングストロ
ームの範囲、であるものがよい。アルミナの細孔平均直
径は、一般に50〜500オングストロームであり、カ
リオンの細孔平均直径は、一般に100〜3100オン
グストロームである。
【0023】尚、この担体には、脱アルキル活性をさら
に高めるために、ゼオライトを含有していてもよい。
【0024】更には、任意の成分として、触媒の耐熱性
や選択性を高めるために、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、稀土類元素、等を添加物として含んでいてもよ
い。上記触媒のなかでも、本発明においては、水素水素
化脱アルキル化工程において脱硫、脱窒素等を十分に行
なうことにより、アルキル化工程での触媒の被毒を抑制
することで高収率、高選択的にアルキル化を行うことを
目的としていることから、水素化脱アルキル化と同時に
原料油の水素化脱硫を行える触媒、即ち原料油中の硫黄
の脱硫率が70%以上、好ましくは90%以上、より好
ましくは95%以上、となる触媒が望まれる。
【0025】この為、第1工程において使用される触媒
は、有効金属成分としてバナジウム(V)、モリブデン
(Mo)、クロム(Cr)の酸化物または硫化物を使用
し、この有効金属成分を担持する担体が多孔質構造を有
する多孔質体であって上記条件を満足するものがに好ま
しい。とりわけバナジウム(V)の酸化物V
(3.0<X<5.0)が特に好ましい。この触媒
は、触媒上にコークが析出しても脱硫性が特に高いとい
う特性を有する。
【0026】尚、第1工程において使用される触媒の形
態は、いずれのものであってもよいが、反応装置が流動
層を用いる場合には、良好な流動性を得るために実質的
に球形粒子であることが望ましい。また、使用済み触媒
は、例えば、通常用いられる手法により再生して、使用
することができる。
【0027】<第1工程の反応条件−温度>第1工程に
おける反応温度は、好ましくは450〜700℃の範
囲、より好ましくは500〜670℃の範囲、である。
この反応温度が、450℃未満であると水素化脱アルキ
ル転化率、脱硫率が低くなり、第2工程の原料となるナ
フタレン、メチルナフタレン等の生成物の収率、性状が
悪くなるからである。一方、700℃超過であると過剰
な水素化脱アルキル反応が起こり不必要な副反応が進行
して無用の副生成物が生じ、第2工程の原料となるナフ
タレン、メチルナフタレン等の生成物の収率と性状が悪
くなること、また高温反応に対応した耐温性装置が必要
となりコストの悪化を招くなどの問題が生じる。
【0028】<第1工程の反応条件−水素分圧>第1工
程における水素分圧は、好ましくは1〜50kgf/c
2の範囲、より好ましくは2〜40kgf/cm2の範
囲、もっとも好ましくは3〜30kgf/cm2の範
囲、である。この水素分圧が、1kgf/cm2未満で
あると水素化脱アルキル転化率、脱硫率が低く、かつ触
媒上のコークの生成が増大し、その結果第2工程の原料
となるナフタレン、メチルナフタレン等の生成物の収
率、性状が悪くなるからである。
【0029】一方、50kgf/cm2超過であると、
ナフタレン環の水素添加による水素化分解が生じ過剰な
ガスが生成され、その結果、選択性が低下し、第2工程
の原料となるナフタレン、メチルナフタレン等の生成物
の収率と性状が悪くなるとともに、無用の水素消費量が
増大するという問題が生じる。
【0030】<第1工程の反応条件−接触時間>第1工
程における接触時間は、好ましくは1〜35秒の範囲、
より好ましくは2〜30秒の範囲、である。この接触時
間が、1秒未満であると水素化脱アルキル転化率、脱硫
率が低く、その結果第2工程の原料となるナフタレン、
メチルナフタレン等の生成物の収率と性状が悪くなるか
らである。一方、35秒超過であると過剰な水素化脱ア
ルキル反応が起こり不必要な副反応が進行して無用の副
生成物が生じ第2工程の原料となるナフタレン、メチル
ナフタレン等の生成物の収率と性状が悪くなること、ま
た反応装置を大きくする必要性から経済上の負担を招く
などの問題が生じる。
【0031】<第1工程により製造される生産物の分離
回収>第1工程の水素化脱アルキル化工程により生じた
生産物から、ナフタレン、および/またはβ−メチルナ
フタレン、α−メチルナフタレン、β−およびα−メチ
ルナフタレンの混合物を分離回収する。分離回収工程
は、例えば、通常用いられる蒸留操作で行うことができ
る。
【0032】〔本発明−第2工程〕 <反応装置>第2工程において使用される反応装置は、
固定層、移動層、流動層のいずれかの方式の反応装置を
使用することができる。
【0033】<供給される原料>第2工程に供給される
原料は、第一工程で分離回収したナフタレン、および/
またはβ−メチルナフタレン、α−メチルナフタレン、
β−およびα−メチルナフタレンの混合物である。
【0034】<アルキル化触媒>第2工程において使用
されるアルキル化触媒(以下、本明細書中ではトランス
アルキル化剤も含むものとする)は、アルキル化活性を
示す触媒であればいずれのものであっても使用すること
ができ、液相アルキル化触媒、気相アルキル化触媒等の
いずれも使用できる。特に、この第2工程では、典型的
には、高温反応であるため、比較的低温で使用される液
相アルキル化触媒より気相アルキル化触媒を用いること
が好ましい。
【0035】使用される気相アルキル化触媒は、典型的
には、リン酸担持珪藻土またはシリカ、BF/Al
、ゼオライト、シリカアルミナ、TiO−MoO
、TiO、TiO−WO、MgO、MgO−
MnO−Ce、MgO−Al、Fe
−ZnO等が挙げられるが、特にこれらのものに限定さ
れるものではなく、また1種または2種以上の混合物と
して使用することができる。
【0036】特に好ましい触媒は、ゼオライト、シリカ
アルミナである。ゼオライトとしては、ゼオライト
(X、Y、L、USY、モルデナイト、ZSM−5)、
β‐ゼオライト等、が用いられる。尚、使用済み触媒
は、例えば、通常用いられる手法により再生して、使用
することができる。
【0037】<アルキル化剤>第2工程において使用さ
れるアルキル化剤(以下、本明細書中では、トランスア
ルキル化剤も含む)は、典型的にはアルケン、アルコー
ル、エステル、エーテル、ハロゲン化アルキル等が挙げ
られるが、これらのうちアルキル化、即ちメチル化、エ
チル化、イソプロピル化に用いることのできるアルキル
化剤であればいずれのものであってもこの第2工程に使
用することができる。
【0038】例えば、芳香族炭化水素としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基のいずれか1種を少なく
とも有するのようなものが好ましく、より好ましくは、
アルキル基を2個以上有するアルキルベンゼンおよび/
またはアルキルナフタレンである。
【0039】アルケンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブテン等のオレフィンが好ましく、よ
り好ましいものは、エチレン、プロピレンである。アル
コールとしては、メチル基、エチル基、イソプロピル基
のいずれか1種を少なくとも有するアルコールが好まし
く、より好ましいものは、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコールである。エステル、
エーテルとしては、メチル基、エチル基、イソプロピル
基のいずれか1種を有するエステル、エーテルが好まし
く、より好ましくは、ジメチルカーボネートが好まし
い。
【0040】さらに、第3工程でジアルキルナフタレン
分離回収後の画分の少なくとも一部をアルキル化剤とし
て使用することができる。
【0041】<第2工程の反応条件−温度>第2工程に
おける反応温度は、好ましくは200〜550℃の範
囲、より好ましくは230〜520℃の範囲、もっとも
好ましくは250〜490℃の範囲、である。この反応
温度が、200℃未満であるとアルキル化反応が進行せ
ずその結果ジアルキルナフタレンの収率が悪くなるから
である。一方、550℃超過であると過剰なアルキル化
反応が起こり不必要な副反応が進行して無用の副生成物
が生じその結果ジアルキルナフタレンの収率が悪くなる
こと、また高温反応に対応した耐温性装置が必要となり
コストの悪化を招くなどの問題が生じる。
【0042】特に、ジアルキルナフタレンの中で2,6
−ジアルキルナフタレンの収率を上げるには、的確な温
度条件を設定する必要性がある。アルキル化反応によっ
て導入されるアルキル基の位置が反応温度に著しく影響
するからである。
【0043】<第2工程の反応条件−圧力>第2工程に
おける反応圧力は、好ましくは1〜70kg/cm2
範囲、より好ましくは2〜50kg/cm2の範囲、で
ある。この反応圧力が、1kg/cm2未満であると触
媒上のコークの析出が多くなり、その結果として触媒の
活性低下が速くなるからである。一方、70kg/cm
2超過であると圧縮動力が過剰になり装置材料も高い耐
圧性を必要となるため経済性が低下するからである。
【0044】<本発明−第3工程>第2工程のアルキル
化工程により生じたアルキルナフタレンからジアルキル
ナフタレンを分離回収する。なお、分離回収工程は、例
えば、通常用いられる蒸留、吸着、晶析、等の精製操作
で行われる。
【0045】<本発明−第4工程>第3工程で、ジアル
キルナフタレン、または特定のジアルキルナフタレン異
性体、例えば2,6−ジアルキルナフタレンを分離回収
した後の画分の少なくとも一部を、第1工程の原料油の
少なくとも一部、および/または第2工程のアルキル化
剤の少なくとも一部、として、各工程へ戻すのがこの第
4工程である。これにより、アルキルナフタレン、特に
ジアルキルナフタレンを効率よく製造することができ
る。なお、各工程へ戻して供給する手段は、例えば、通
常用いられている手段、および供給経路によって行われ
る。
【0046】[本発明の工程概略]本発明によるアルキ
ルナフタレン、特にジアルキルナフタレンの一般的な製
造工程を図1を用いて説明する。なお、この工程は本発
明の製造方法の一形態を示すものであり、なんら本発明
の範囲を限定するものではない。
【0047】〔本発明−第1工程〕原料供給器11か
ら、原料油が水素ガスとともに反応器12に供給され
る。反応器12内部では、脱アルキル化触媒が水素ガス
により流動化して触媒流動層が形成されている。この反
応器12では、供給された原料油が、脱アルキル化触媒
下で水素化脱アルキル化されて目的物質であるナフタレ
ンおよび/またはメチルナフタレンを含有する生成物が
製造される。
【0048】反応器12上部から流出する高温の生成物
は、気液分離器と蒸留塔からなる分離器13に送られ
る。分離器13においては、この分離器13が有する気
液分離器で脱アルキル化生成物を水素ガスから冷却分離
して流出させた後、この脱アルキル化生成物をこの分離
器13が有する蒸留塔に送ってナフタレンおよび/また
はメチルナフタレンから主としてなる画分を分離回収す
る。
【0049】分離回収された当該画分をアルキル化工程
である第2工程にポンプ14で強制的に送られる。な
お、必要に応じて、原料供給器11と反応器12との間
のライン、および分離器13と反応器21との間のライ
ン、に蒸留器を数器備えてもよい。
【0050】〔本発明−第2工程〕第1工程で得られた
当該画分は、第2工程の反応器21に送られる。反応器
21の内部では、アルキル化触媒の固定層が形成されて
いる。この反応器21では、送られてきた当該画分と供
給器22から供給されるアルキル化剤とが、アルキル化
触媒下でアルキル化されて目的物質であるジアルキルナ
フタレンを含有する生成物が製造される。反応器21の
下部から流出する生成物は、分離器23に送られる。
【0051】〔本発明−第3工程〕分離器23に送られ
た生成物は、分離器23が有する、蒸留塔に送られて、
目的物質であるジアルキルナフタレンを分離回収して受
器24に送る。
【0052】〔本発明−第4工程〕第3工程の分離器2
3で、ジアルキルナフタレンを分離回収した後の画分の
少なくとも一部を、第1工程の原料油の少なくとも一
部、および/または第2工程のアルキル化剤の少なくと
も一部、として、分離器23からポンプ31を経て、そ
れぞれの工程へポンプ32、33、34、および供給ラ
イン等を用いて戻される。
【0053】以上の工程により、アルキルナフタレン、
特にジアルキルナフタレンを効率よく製造することがで
きる。
【0054】
【実施例】下記の実施形態及び実施例(比較例も含む)
は、本発明を更に詳細に説明するものである。従って、
下記の実施形態及び実施例は、本発明の内容を容易に理
解するために単に例示列挙したものであって、何ら本発
明の範囲を限定するものではない。
【0055】実施例1 〔第1工程−水素化脱アルキル化工程〕 <反応装置>反応装置は、流動層反応装置(内径2.8
cm)を使用した。
【0056】<原料>原料は、石油接触分解法により生
じた分解軽油の軽質画分分留油の循環油(沸点200〜
270℃)を使用した。この循環油は、原料供給器から
供給量150g/hで水素化脱アルキル化反応器に供給
した。この原料油中のナフタレンまたはアルキルナフタ
レンの濃度は、38.4wt%であり、硫黄含有量は、
600ppmであり、窒素含有量は、260ppmであ
った。これらの値は、超臨界クロマトグラフィーおよび
元素分析計を用いて測定したものである。
【0057】<脱アルキル化触媒>脱アルキル化触媒
は、平均細孔直径168オングストロームの多孔質アル
ミナ粒子に、酸化バナジウム(VないしV
の形態である)を有効金属成分として(バナジウム
(v)を3wt%)担持させたものであり、この触媒5
00ccを反応装置に充填した。この触媒の調製は、細
孔容積0.87cc/gの多孔質アルミナ100gあた
りメタバナジン酸アンモニウム6.9gを、シュウ酸1
5.0gを蒸留水に溶解させたシュウ酸水溶液78cc
に溶解させて含浸液を作成し、この含浸液を多孔質アル
ミナ粒子に含浸させて乾燥(95℃)させた後、熱分
解、水素還元をしたものである。
【0058】<反応条件>反応条件は、反応温度600
℃、水素分圧7kg/cm2、反応接触時間7秒であ
り、この条件で、水素ガス雰囲気中で水素化脱アルキル
反応を行った。
【0059】〔第1工程−水素化脱アルキル化〕水素化
脱アルキル反応器上部からから流出する高温の生成物
を、気液分離器と蒸留塔からなる脱アルキル化生成物分
離器に送って、気液分離器で脱アルキル化生成油98g
/hを水素ガスから冷却分離して流出させた。この脱ア
ルキル化生成油の一部を蒸留塔に送り、軽質油、ナフタ
レン、α−メチルナフタレン、β−メチルナフタレンを
それぞれ留出させた。このβ−メチルナフタレンの一部
を、冷却ぜずに、ポンプにより連続的に第2工程のアル
キル化工程に送った。
【0060】〔第2工程−アルキル化工程〕 <反応装置>反応装置は、固定層反応装置(内径1.7
cm)を使用した。
【0061】<供給量>第1工程で得られたβ−メチル
ナフタレンは、供給量3.0g/hでポンプによりアル
キル化反応器に供給した。
【0062】<アルキル化触媒>触媒は、USYゼオラ
イト触媒(東ソー製 HSZ−330HUD、SiO
/Alモル比が6.18)を使用し、この触媒
6.0gを反応装置に充填した。
【0063】<アルキル化剤>アルキル化剤は、1,
2,3,5−テトラメチルベンゼンを使用した。この
1,2,3,5−テトラメチルベンゼンは、アルキル化
剤供給器から供給した。供給量は、1,2,3,5−テ
トラメチルベンゼン/β−メチルナフタレンの重量比
が、1.0wt/wtとなるように行った。
【0064】<反応条件>反応条件は、反応温度400
℃、全圧0.2kg/cm2G、反応接触時間4.1秒
であり、この条件下でトランスアルキル化反応を行っ
た。
【0065】〔第3工程−ジアルキルナフタレンの分離
回収〕アルキル化反応器からトランスアルキル化反応生
成物を、蒸留器を有する分離器に送った。その蒸留器に
よりジメチルナフタレンを留出させて生成物として分離
し受器に回収した。得られたジメチルナフタレンを、ガ
スクロマトグラフィーにより異性体の分折を行った。こ
の結果は、下記の反応結果に合わせて記載した通りであ
る。
【0066】〔第4工程−各工程に目的生成物以外のア
ルキルナフタレンを戻す工程〕第3工程での分離器から
目的とする生成物であるジメチルナフタレン以外の副生
成物をこの分離器の下部からポンプにより送り出した。
送り出されたこの副生成物は、原料油と混合して使用す
る場合には水素化脱アルキル化反応器に、アルキル化剤
として使用する場合には脱アルキル化生成物分離器、お
よびアルキル化反応器に、ポンプによって供給した。
【0067】[反応結果]脱アルキル化工程では、生成
油の収率は55.3wt%であり、生成油中のナフタレ
ン、β−メチルナフタレン、α−メチルナフタレンの濃
度は、それぞれ、26.2wt%、19.3wt%、
8.0wt%であり、脱硫率は、98.9%であった。
この工程から得られたβ−メチルナフタレンの分析結果
は、純度98+wt%であり、硫黄含有量45ppmで
あり、窒素含有量7ppmであった。トランスアルキル
化工程での反応結果は、下記の比較例1と比較した表1
〜3に示した通りである。
【0068】比較例1 コールタールから分離製造された市販のβ−メチルナフ
タレン(硫黄含有量3000pmであり、窒素含有量2
100ppm)を原料油として、実施例1のアルキル化
工程と同じアルキル化反応装置、触媒、アルキル化剤、
反応条件、生成物分離操作、及び分析を行った。その結
果は、表1〜3に示した通りである。
【0069】 表1 転化率および生成油組成 実施例1 比較例1 転化率[%] 67.6 43.8 生成油組成[ mol%] 2環成分 54.9 52.8 単環成分 44.3 46.5 不明分 0.8 0.6 計 100.0 99.9 なお、表中において、転化率とは、100%−生成2環
成分中の原料成分の濃度(%)を意味する。また2環成
分とは、ナフタレンおよびアルキルナフタレンを、単環
成分とはアルキルベンゼンを意味するものである。
【0070】 表2 生成2環成分の組成 実施例1 比較例1 組成[ mol%] ナフタレン 8.0 4.6 β−メチルナフタレン 32.4 56.2 α−メチルナフタレン 13.7 23.9 ジメチルナフタレン 32.5 13.6 トリメチルナフタレン 11.5 1.7 テトラメチルナフタレン 1.8 0.0 計 99.9 100.0
【0071】 表3 生成ジメチルナフタレンの組成 実施例1 比較例1 組成[ mol%] 2,6−ジメチルナフタレン 18.8 17.9 2,7−ジメチルナフタレン 17.2 18.5 1,3−+1,7−ジメチルナフタレン 31.5 31.6 1,6−ジメチルナフタレン 16.6 16.1 1,5−+1,4−+2,3−ジメチルナフタレン 12.4 11.9 1,2−+1,8−ジメチルナフタレン 3.5 4.0 計 100.0 100.0
【0072】上記表1〜3の表から分かるように、本発
明の方法によれば、コールタール系原料を用いた従来の
方法に比較して、転化率が高く、生成油のジアルキルナ
フタレンの濃度、また生成油中の2,6−ジメチルナフ
タレンの濃度、が高いことが分かる。即ち、本発明の方
法によれば、トランスアルキル化触媒を被毒することな
く、効率的にトランスアルキル化を行うことができるこ
とが分かる。
【0073】実施例2 〔第1工程−水素化脱アルキル化工程〕 a)は、実施例1とすべて同じ条件で行った。 b)は、脱アルキル化触媒に使用する多孔質アルミナ粒
子の平均細孔直径が、78オングストロームである以外
のその他の条件は、実施例1とすべて同じ条件で行っ
た。
【0074】〔第2工程−アルキル化工程〕 a)、b)ともに以下の条件により行った。 <反応装置>反応装置は、実施例1と同じ固定層反応装
置を使用した。
【0075】<供給量>第1工程で得られたβ−メチル
ナフタレンは、供給量12.5g/hでポンプにより反
応器に供給した。
【0076】<アルキル化触媒>触媒は、アモルファス
シリカアルミナ(触媒化成製 High Alumin
a型、アルミナ含量30wt%)であり、この触媒32
ccを反応装置に充填した。
【0077】<アルキル化剤>アルキル化剤は、プロピ
レンを使用した。このプロピレンは、アルキル化剤供給
器から供給した。供給量は、プロピレン/β−メチルナ
フタレンのモル比が、1.1mol/molとなるよう
に行った。
【0078】<反応条件>反応条件は、反応温度300
℃、全圧3kg/cm2G、反応接触時間35.5秒で
あり、この条件下でアルキル化反応を行った。
【0079】〔第3工程−ジアルキルナフタレン生成物
の分離回収〕アルキル化反応器からアルキル化反応生成
物を、蒸留器を有する分離器に送った。その蒸留器によ
りモノイソプロピルメチルナフタレンを留出させて生成
物として分離し受器に回収した。得られたモノイソプロ
ピルメチルナフタレンを、極性カラムを用いたガスクロ
マトグラフィーおよびNMRにより異性体の分折を行っ
た。
【0080】〔第4工程−各工程に目的生成物以外のア
ルキルナフタレンを戻す工程〕実施例1と同じように第
3工程で得られたモノイソプロピルメチルナフタレン以
外のアルキルナフタレンを各工程に戻した。
【0081】[反応結果]脱アルキル化工程の反応結果
を表4に示す。またa)、b)ともに脱アルキル工程に
おける脱アルキル触媒のコーク量が約11wt%のとき
に得られたβ−メチルナフタレンを使用したときのイソ
プロピル化反応結果を、表5〜7に示す。
【0082】 表4 脱アルキル化工程の反応結果 a b 触媒上のコーク析出量 [wt%] 3.7 10.4 5.6 11.8(触媒重量に対するコーク重量) 脱硫率 97.9 98.8 96.8 93.9 β−メチルナフタレン性状 純度 98+ 98+ 98+ 98+ S含有量 30 31 32 105 N含有量 5 5 6 9
【0083】 表5 転化率および生成油組成 a b 転化率[%] 60.3 48.7 生成油組成[ mol%] イソプロピルナフタレン類 54.1 46.0 β−メチルナフタレン 39.7 51.3 その他 6.2 2.7 計 100.0 100.0
【0084】 表6 生成イソプロピル化メチルナフタレン
の組成物
組成[ mol%] イソプロピルメチルナフタレン 74.2
68.9 ジイソプロピルメチルナフタレン 24.3
28.6 トリイソプロピルメチルナフタレン 1.5
2.5 テトライソプロピルメチルナフタレン 0.0
0.0 計 100.0
100.0
【0085】 表7 生成イソプロピルメチルナフタレンの組成 a b 組成[ mol%] 2,6−イソプロピルメチルナフタレン 37.9 28.6 2,7−イソプロピルメチルナフタレン 27.9 22.9 1,4−イソプロピルメチルナフタレン 5.4 8.9 1,6−イソプロピルメチルナフタレン 6.4 9.8 1,3−+2,3−イソプロピルメチルナフタレン 8.9 13.1 その他のイソプロピルメチルナフタレン 13.5 16.7 計 100.0 100.0
【0086】本発明の方法によれば、転化率、生成イソ
プロピル化メチルナフタレン中のモノイソプロピルメチ
ルナフタレンの選択率、モノイソプロピルメチルナフタ
レン中の2,6−イソプロピルメチルナフタレンの選択
率、が高いことがわかる。即ち、本発明の方法によれ
ば、効率的にイソプロピル化を行うことができることが
わかる。また、脱アルキル工程で平均細孔直径の大きい
アルミナ粒子を用いたa)の方が、脱アルキル工程にお
いて触媒上のコーク量が増大しても安定した脱硫能を示
し、アルキル化工程での転化率、選択率ともに、より高
い値を示した。
【0087】
【発明の効果】上記、実施例から理解できるように、本
発明の製法は、反応工程における触媒の失活、反応率、
および選択率の低下という問題を克服して、高純度、高
収率、および低廉価なジアルキルナフタレンを製造する
ことができるものである。とくに、高度な機械的特性、
多熱性、耐薬品性、電気的特性、光学的特性が要求され
るエンジニアリングプラスチックとして注目されている
ポリエチレンナフタレート(PEN)、および最近脚光
を浴びている全芳香族液晶ポリマー、を合成するための
モノマーの前駆体として極めて重要な物質であるジアル
キルナフタレン、なかでも2,6−ジアルキルナフタレ
ンは、本発明によって容易にかつ、安定供給することが
でき、各種関連工業分野の要求を充足することできるも
のである。この点、前記[発明の概要]の項で述べた通
りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造のフローチャートを示す
ものである。
【符号の説明】
11原料油供給器 12水素化脱アルキル化反応器 13水素化脱アルキル化生成物分離器 14ポンプ 21アルキル化またはトランスアルキル化反応器 22アルキル化剤またはトランスアルキル化剤供給器 23アルキル化またはトランスアルキル化生成物分離器 24生成物受器 31ポンプ 32ポンプ 33ポンプ 34ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 4/18 C07C 4/18 6/12 6/12 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 久保田 修 千葉県袖ヶ浦市北袖1番地 富士石油株式 会社袖ヶ浦製油所内 (72)発明者 岡 田 伸 一 千葉県袖ヶ浦市北袖1番地 富士石油株式 会社袖ヶ浦製油所内 (72)発明者 藤 井 正 己 東京都中央区明石町8番1号 富士石油株 式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記、(1)、(2)、(3)、および
    (4)の工程を含んでなることを特徴とする、ジアルキ
    ルナフタレンの製造法。 (1)第1工程 ナフタレンおよび/またはアルキルナフタレンを有意量
    含有する原料油を接触水素化脱アルキル化反応させた
    後、生成ガスと生成油とを気液分離してその生成油から
    ナフタレンおよび/またはメチルナフタレンから主とし
    てなる画分を分離回収する工程。 (2)第2工程 第一工程で回収したナフタレンおよび/またはメチルナ
    フタレンから主としてなる画分を、その前処理精製工程
    を経ないで直接に、アルキル化剤またはトランスアルキ
    ル化剤と共に接触アルキル化または接触トランスアルキ
    ル化に付して、アルキルナフタレンを製造する工程。 (3)第3工程 第2工程で得られたアルキルナフタレンからジアルキル
    ナフタレンを分離回収する工程。 (4)第4工程 第3工程でジアルキルナフタレンを分離回収した後の画
    分の少なくとも一部を、第1工程の原料油の少なくとも
    一部および/または第2工程のアルキル化剤またはトラ
    ンスアルキル化剤の少なくとも一部、として、それぞれ
    の工程へ戻す工程。
  2. 【請求項2】前記原料油が、沸点が210〜280℃の
    範囲内にあり石油の接触分解法により生じた分解軽油の
    軽質画分分留物の循環油である、請求項1に記載された
    製造法。
  3. 【請求項3】前記(1)第1工程において、有効金属成
    分がバナジウム(V)、モリブデン(Mo)、クロム
    (Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金
    (Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)から
    選ばれる1種または2種以上の金属、および/またはこ
    れらの金属の酸化物または硫化物、を担体に担持させた
    水素化脱アルキル化触媒を用いて、水素化脱アルキル化
    を行う、請求項1、2に記載された製造法。
  4. 【請求項4】前記有効金属成分がバナジウム(V)、モ
    リブデン(Mo)、クロム(Cr)から選ばれる1種ま
    たは2種以上の金属、および/またはこれらの金属の酸
    化物または硫化物である、請求項3に記載された製造
    法。
  5. 【請求項5】前記有効金属成分がバナジウム(v)の酸
    化物V(ここで、xは3.0以上5.0未満の数
    である)である、請求項3に記載された製造法。
  6. 【請求項6】前記有効金属成分の金属としての濃度が
    0.1〜30wt%の範囲である、請求項3〜5に記載
    された製造法。
  7. 【請求項7】前記有効金属成分を担持する担体が多孔質
    構造を有する多孔質体である、請求項3〜6に記載され
    た製造法。
  8. 【請求項8】前記多孔質構造を有する多孔質体がアルミ
    ナ、シリカ、シリカアルミナ、カオリンのうち1種また
    は2種以上からなるものである、請求項7に記載された
    製造法。
  9. 【請求項9】前記多孔質構造を有する多孔質体がアルミ
    ナおよび/またはカオリンである、請求項7に記載され
    た製造法。
  10. 【請求項10】前記多孔質構造を有する多孔質体の平均
    細孔直径が、70〜3000オングストロームの範囲か
    らなる、請求項7〜9に記載された製造法。
  11. 【請求項11】前記触媒が、ゼオライト、アルカリ金
    属、アルカリ土類金属、稀土類金属を1種または2種以
    上をさらに含んでなるものである、請求項3〜10に記
    載された製造法。
  12. 【請求項12】前記(1)第1工程において、反応温度
    450〜700℃、水素分圧1〜50kg/cm2、反
    応接触時間1〜35秒の反応条件下で、水素化脱アルキ
    ル化を行う、請求項1〜11に記載された製造法。
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