JP2754399B2 - 即席冷凍麺 - Google Patents

即席冷凍麺

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JP2754399B2
JP2754399B2 JP1045833A JP4583389A JP2754399B2 JP 2754399 B2 JP2754399 B2 JP 2754399B2 JP 1045833 A JP1045833 A JP 1045833A JP 4583389 A JP4583389 A JP 4583389A JP 2754399 B2 JP2754399 B2 JP 2754399B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、凍結した麺を食せるように調理する際
に、麺の茹で湯を捨てることなく、そのままスープに使
用することができる即席冷凍麺に関するものである。
(従来の技術) 従来、例えば中華麺の調理では、生や半生の中華麺の
熱湯で茹でて、その茹で湯を捨てた後、別の用意したス
ープに、茹でた麺を入れて食している。
しかし、この方法では、調理が面倒で、スープを別に
用意する作業やエネルギーも無駄である。
これに対し、油揚げ即席麺やノンフライ即席麺では、
麺に熱湯を注いだり、鍋で湯を沸かし、これに麺を投入
して加熱する簡単な調理方法(1〜3分の調理)により
麺を食することが可能である。
しかし、上記のように簡単な調理方法で得られる即席
麺は、その食感が、前記調理による中華麺に比べ劣って
いるという欠点がある。
これに対し、即席性と良好な食感を追求して、冷凍し
た麺を使用する方法が台頭してきており、この冷凍麺
で、さらに調理の簡易性を得るために、茹でこぼしを必
要とせず、茹で湯をスープに使用する方法も提案されて
いる(実開昭58−85987号、実開昭59−139085号、実開
昭59−196089号)。
(発明が解決しようとする課題) 然し乍ら、従来の冷凍麺は、長期的な保存には優れて
いるものの、解凍や調理の際に麺がのびてしまったり、
麺組織が脆くなって、食感の弾力性が低下してしまうと
いう問題点がある。
また、茹で湯をこぼすことなく使用する場合にも、冷
凍麺を可食化するために、ガスコンロなどで加熱すると
きに、なべからの泡立ち、ふきこぼれが生じやすく、ま
た、調理水が濁ってしまうという問題点もある。このよ
うなふきこぼれなどの問題点は、特に、冷凍麺を調理可
能な包装容器に収容して流通させる商品において、この
包装容器を利用して調理する場合に顕著となる。
この発明は、上記問題点を解決することを基本的な目
的とし、調理が簡単で、即席性を有するとともに、食感
にすぐれた即席冷凍麺を提供するものである。
(課題を解決する為の手段) 上記課題を解決する為、本願発明の即席性を有する冷
凍麺について、第1の発明は、小麦粉100重量部に対
し、キサンタンガム0.05〜0.8重量部と、消泡性物質、
食用油脂、卵白から選ばれた少くとも1種0.1〜3.0重量
部とを含有することを特徴とする。
さらに、上記麺について、第2の発明は、小麦粉100
重量部に対し、キサンタンガムを0.05〜0.8重量部、消
泡性物質を0.1〜2.0重量部、食用油脂を0.1〜2.0重量
部、卵白を0.2〜3.0重量部を含有することを特徴とする
ものである。
なお、ここで冷凍麺とは、うどん、そば、中華麺、ス
パゲティー、ワンタンの皮、ギョーザの皮などを生のま
ま凍結、あるいは一旦、茹でたり蒸したりしてから凍結
したものを言うが、本発明では生のまま凍結させたもの
が望ましい。
前記冷凍麺には、上記所定量の小麦粉、キサンタンガ
ム、ならびに消泡性物質、食用油脂、卵白の少なくとも
一種の他に、例えば、食塩、アルコール、かん粉、大豆
粉、グルテン粉末、ガゼイン、増粘材、着色料、香料、
澱粉、膨張剤などを配合することも可能である。
上記冷凍麺は、上記した配合からなる原材料に、例え
ば小麦粉100重量部に対し、水28〜36重量部を添加して
公知の麺用ミキサーで混合して麺生地とすることにより
得られる。
なお、この混合は減圧下で行なうのが望ましく、例え
ば、真空ポンプなどと連結した脱気型ミキサーなどで20
0〜650mmHgの減圧下で行なう。また茹で処理前あるいは
凍結前に、麺帯、麺線の状態で1〜12時間熟成をとるこ
とが望ましい。
この麺生地を複合ロール、圧延ロールなどを用いて麺
帯とする。麺帯は所望の切刃にて細断し、麺線とする。
得られた麺線は、そのまま凍結して冷凍生麺としたり、
必要に応じて茹で処理、蒸し処理などを施してから凍結
して冷凍茹麺とすることができる。
上記冷凍麺は、例えば冷凍生麺の場合には、麺100重
量部に対し、水400〜800重量部を用意し、冷凍茹麺の場
合には、麺100重量部に対し、水300〜400重量部を用意
する。この水および麺を鍋内で加熱し、水が熱湯となっ
た状態で、1〜10分間加熱する。そして加熱終期または
加熱を終了して麺および湯を器に移した後に、粉末スー
プや濃縮スープを鍋や器に加えて食する。
なお、この水は凍結してあるものであってもよく、さ
らに所望により、スープを溶かした水や、これを凍結し
たものを用いることも可能である。
次に、上記冷凍麺における含有物について、以下に詳
述する。
麺に天然ガム類や合成糊期を添加することは知られて
いるが、本発明の冷凍麺に使用することができる物質
は、キサンタンガムである。麺にキサンタンガムを添加
する方法は既に知られている(特公昭56−5501号)が、
茹で湯の利用を可能とするためには、このキサンタンガ
ムに加え、後述する消泡性物質を特定の割合で併用する
ことが必要である。
ここで、キサンタンガムの含有量が0.05重量部未満で
あると、麺が脆くなったり、茹で湯が濁り、また、0.8
重量部を越えると麺の肌が荒れ、かたい食感となるた
め、0.05〜0.8重量部の範囲内とする。但し、望ましく
は0.1〜0.8重量部とする。
次に、消泡性物質、食用油脂、卵白から選択される消
泡性物質は、調理時の茹で湯の泡立ち、ふきこぼれを防
止するものである。具体的には、HLB(親水性−疎水性
バランス)3以下のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどの乳化剤、
シリコーン樹脂などが望ましい。
この消泡性物質は、特開昭57−22655号に示されるよ
うに、単独(乳化剤)の配合、塗布では十分な効果が得
られず、前記したキサンタンガムとの併用により、十分
な効果が得られることとなる。
ここで、消泡性物質の含有量は、0.1重量部未満であ
ると、前記した十分な効果が得られず、また、3.0重量
部を越えるとかたい食感となるので、0.1〜3.0重量部の
範囲内とする。
但し、望ましくは0.1〜2.0重量部とする。
次に、同じく選択的に用いられる食用油脂は、食感の
滑らかさ、麺の光沢、さらに消泡作用を果たすものであ
る。
この食用油脂としては、パーム油、大豆油、なたね
油、トウモロコシ油、米油、ラード、ヘッド、ショート
ニングなどの動植物油脂を用いることができ、粉末状、
液状、固体状であることを問わないものである。
この食用油脂の含有量は、0.1重量部未満であると、
効果が不十分であり、また、3.0重量部を越えると、麺
が切れやすくなるので、0.1〜3.0重量部の範囲内とす
る。
但し、望ましくは0.1〜2.0重量部の範囲内とする。
次に、同じく選択的に使用される卵白は、湯のびを遅
くするとともに、食感を滑らかにするものである。
次に、卵白は、卵白そのものを添加するほか、全卵の
状態で添加してもよく、生卵、凍結卵、粉末卵の如何を
問わず、使用することができる。
そして、卵白の配合量は、水分含有量が10〜15重量%
である卵白粉を基準として、その含有量が0.1重量部未
満であると食感の滑らかさに欠け、3.0重量部を越える
と食感が硬くなりすぎるので、0.1〜3.0重量部の範囲内
とする。
但し、望ましくは0.2〜3.0重量部の範囲内とする。
さらに、上記キサンタンガム、消泡性物質等の他に、
所望により添加し、又は第2の発明で必須である含有物
について説明する。
麺が中華麺である場合に添加するかん粉としては、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リ
ン酸2ナトリウム、リン酸3カリウム、リン酸3ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウムなどの1種又は2種以上を混
合したものを用いる。このかん粉は、水に溶かしたかん
水の状態で混合することも可能である。かん粉の含有量
は、0.1重量部未満であると、麺の弾力が不足し、ま
た、0.9重量部を越えると、かん水臭が強くなるので、
0.1〜0.9重量部の範囲内とするのが好ましい。
次に、アルコールはエチルアルコールなど、アルコー
ル分を有するものであればよく、その含有量は1.0重量
部未満であると消泡効果が少なく、また、3.0重量部を
越えると麺線が切れやすくなるので、1.0〜3.0重量部の
範囲内とする。
(作用) この発明によれば、前記冷凍麺は、解凍時に麺ののび
や食感の弾力性低下は見られず、さらにその解凍調理時
には茹で湯の濁りが少なく、透明感が損なわれない。そ
してこの茹で湯をそのままスープ又はスープ用の湯とし
て用いることができ、茹でこぼしが不要となり、調理が
簡略化される。しかも、得られた麺ならびにスープも非
常に美味で、従来の生麺と変わることのない食感が得ら
れる。
なお、麺生地の製造時に、減圧下の麺用原料粉を混合
すれば、麺生地の密度が増し、上記効果が増幅される。
(実施例1) 次に、この発明の一実施例を説明する。
第1表に示す配合により、中華麺用原材料を用意す
る。
上記原材料を脱気型ミキサーにより、600mmHgの減圧
下で15分間混合した。
混合した麺生地を複合ロール、圧延ロールで1.2mm厚
の麺帯とした。この麺帯を12時間熟成させてから切刃に
て切出し、麺線とした。
この麺線120gを−30℃まで急速凍結して本発明の即席
冷凍生中華麺を得た。
この即席冷凍生中華麺と熱湯500gとをアルミ製鍋に入
れ、ガスコンロにかけて4分間加熱調理した。調理後、
粉末中華スープ8gを加えて溶かし、ネギ、チャーシュ
ー、シナチクを上面に添えて食した。
なお、ガスコンロでの加熱解凍調理中に、泡立ちやふ
きこぼれ現象は見られなかった。また、調理後の茹で湯
はよく澄んで透明感があった。
さらに、得られた中華麺は弾力があって光沢もあり、
湯のびも遅かった。
(実施例2) 次に、他の実施例を以下に説明する。
この実施例では、第2表に示す配合で、そば用原材料
を用意した。
上記原材料を横型ミキサーにより、10分間混合した。
混合した麺生地を圧延した後、2時間熟成させてから
切刃にて切出し、麺線とした。
この麺線120gを茹でた後、−30℃まで急速凍結して本
発明の即席冷凍茹そばを得た。
この即席冷凍茹そばを熱湯450gとともに、アルミ製鍋
で1分間加熱解凍調理した。調理後、和風粉末スープ10
gを加えて溶かした。
なお、前記実施例と同様に、調理中に泡立ちやふきこ
ぼれ現象は見られなかった。また、茹で湯も透明感があ
り、得られたそばは弾力および光沢もあり、湯のびも遅
かった。
(実施例3) さらに、他の実施例を以下に説明する。
第3表に示す配合からなる2種類の原材料をミキサー
で混合した後、常法により生うどんを製造した。
この生うどんを−30℃まで凍結して本発明の即席冷凍
麺を得た。
この即席冷凍麺を熱湯とともに鍋に入れて解凍調理を
した。
解凍調理中に泡立ちやふきこぼれはなく、調理後の茹
で湯はよく澄んでいた。茹で湯はそのままスープに使用
することができ、これに和風濃縮スープを添加した。
得られたうどんは、前記実施例と同様に、弾力および
光沢があり、湯のびも遅かった。
(発明の効果) この発明によれば、小麦粉100重量部に対し、キサン
タンガムを0.05〜0.8重量部及び卵白0.1〜3.0重量部と
消泡性物質、食用油脂から選ばれた少くとも1種0.1〜
3.0重量部、或いはキサンタンガム0.05〜0.8重量部に消
泡性物質を0.1〜2.0重量部、食用油脂を0.1〜2.0重量部
及び卵白を0.2〜3.0重量部含有するので、解凍時におけ
る麺ののびや、弾力性の低下が防止される。また調理に
際しては、茹で湯の濁り、泡立ち、ふきこぼれなどがな
く、そのままスープに使用できるので、調理が簡単にな
り、得られた麺の食感とか、光沢も優れているなどの諸
効果がある。
さらに、即席冷凍麺についての第2の発明は、小麦粉
110重量部に対し、キサンタンガムを0.05〜0.8重量部、
消泡性物質を0.1〜2.0重量部、食用油脂を0.1〜2.0重量
部、卵白を0.2〜3.0重量部含有するので、麺の弾力性が
増すとともに、麺が切れにくくなり、また、食感がより
滑らかになるという効果がある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦粉100重量部に対し、キサンタンガム
    0.05〜0.8重量部及び卵白0.1〜3.0重量部を含有するこ
    とを特徴とした即席冷凍麺。
  2. 【請求項2】小麦粉100重量部に対し、キサンタンガム
    0.05〜0.8重量部及び卵白0.1〜3.0重量部と、消泡性物
    質、食用油脂から選ばれた少くとも1種0.1〜3.0重量部
    を含有することを特徴とした即席冷凍麺。
  3. 【請求項3】小麦粉100重量部に対し、キサンタンガム
    を0.05〜0.8重量部、消泡性物質を0.1〜2.0重量部、食
    用油脂を0.1〜2.0重量部、卵白を0.2〜3.0重量部を含有
    したことを特徴とする即席冷凍麺。
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