JPWO2013122249A1 - デンプン加工品の改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デンプン加工品の湿式加熱における保水性改質方法の提供。【解決手段】こんにゃくマンナン粉換算で改質原料の0.1から1.0重量%を凝固成分であるアルカリ成分とともに水溶性分散剤に含ませ、加工穀物の原料中のタンパク質に対しこんにゃくマンナン粉を均一浸透させて、原料中に含まれるたんぱく質成分にこんにゃくマンナン成分を連結させ、網目保水構造を形成させ、加工穀物の水分バランスの崩れない改質加工を行う。改質された加工品は保水量の増大とともに嵩容積を増大させる。冷凍保存後水分移動がなく、加熱復元により調理時の水分バランスで復元される。【選択図】図1

Description

本発明は、穀類、麺類、芋類等のデンプン加工品の改質方法、特にそれを利用した改質炊飯米の提供、改質餅および改質団子の提供、各種改質麺類の提供、さらに、デンプン加工品の冷凍保存に適する改質方法の提供に関する。
穀物は人類の主食をなし、特に日本人は米飯、麺類、餅、団子、パンなど広範囲にわたってデンプン加工品を摂取する習慣にあり、調理済みデンプン加工品を再加熱して食することが多い。
例えば、麺類などの冷凍保存(レトルト食品)にあっては、冷凍庫により保冷して、家庭で喫食する時には熱湯により茹でたり、あるいは最近は電子レンジを用いて加熱復元すること(レンジアップ)が普及している。ところが、食品の冷凍には長期の保存に耐えることに重点が置かれ、食品と冷凍状態との定量的な関係や食品の解凍、加熱後の状態については、きめの細かい注意が払われ難かった。このため、電子レンジによりスパゲティ、ラーメンといった麺類を加熱復元する際には、解氷水が過度に生じてべたついたり、離水による麺類の乾燥が進行してぱさぱさやばりばりになったり、加熱むらが発生し、良好な食感が得られない不都合がある。これを避けるためには、例えば、麺類に特殊な処理を施す方法が提案されている(特許文献1)。また、生うどんを20時間ないし24時間かけて零下18℃ないし28度まで冷凍、保存した後、これを8℃ないし12℃の冷蔵条件で20時間から24時間保持して解凍した後常温下で放置し、茹で上げる調理方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、かかる方法では製造または調理工数が増加し、コスト上昇を招く。
また、団子、餅類では保湿保存性を持たせるため、米粉澱粉原料にアルファ化酵素および糖類を添加する傾向にあるが(特許文献3)、この添加剤の使用はダイエットに逆行するものとなっており、これに代わる改質加工方法の提供が望まれている。
他方、麺類の製造工程において先にこんにゃくを調整し、このこんにゃく塊を穀物粉と混練し加熱した後成形するこんにゃく入ダイエット麺類の製造方法(特許文献4)、小麦粉1.0kg、小麦グルテン1.5kg、澱粉3kgからなる原料粉にその約半分3kgのこんにゃく粉を加えて混練し、このこんにゃく糊に凝固剤を加えて湯浴させ、固化成形するこんにゃく麺の製造方法(特許文献5)などが提案されているが、ウドン麺、ラーメンとは異質で、加工麺というよりその食感はこんにゃくに近いのが欠点である。
特開平11−103805号公報 特許第3907590号公報 特許第4809467号公報 特許第2999144号公報 特許第4822541号公報
デンプン食品は、茹でるまたは蒸すなどの湿式加熱により加水と加熱の複合作業を行ってベータ澱粉をアルファ澱粉に変性させる作業であり、一旦アルファ化した澱粉は冷却によりベータ化して元のベータ澱粉に戻ると美味しさが損なわれるので食する時は再加熱して再度アルファ化する加熱復元処理が行われる。しかしながら、アルファ化した澱粉がベータ化するときに澱粉中の水分が結晶から離水して復元性が失われ、また、水分移行が伴って調理直後の食感が失われる。本発明者は、このような背景の下に、鋭意研究の結果、加熱調理したデンプン加工品の食感(例えば麺でいうコシ)の変動は加熱調理時の組織の水分配分、配置の変動に基づくもので、如何にして組織内の水分移動を固定保持するかが重要な課題であるとの観点から、鋭意研究の結果、通常、3〜5%の濃度で使用されるこんにゃくマンナン成分であるが、デンプン成分に対し1.0%未満、好ましくは0.8%以下、より好ましくはおよそ10分の1以下の0.5%以下という希薄な濃度で使用すると、加工食品の味覚を阻害することなく、デンプン中の、たんぱく質成分と絡らみ合い、加工穀物の湿式加熱の際の調理直後の保水構造が変動せず、粘弾性(いわゆる腰)が長時間維持され、冷凍保存後の解凍時にも保水構造の変動が少なく、再加熱により調理直後の食感が復元されることを見出した。
本発明はかかる新たな知見に基づき、各種デンプン加工品の改質を行い、麺類の改質加工、餅団子の改質加工、米飯の改質加工を実現しようとするものである。詳しくは、茹で上げ麺類では麺の味覚を害することなく、麺嵩を増量するとともに腰の長時間持続を実現し、また、冷凍麺類としては処理工数を複雑にすることなく、単に再茹で上げ、または電子レンジによる麺類の加熱復元により、麺類組織からの余分な離水を抑制して麺類の乾燥を防ぐとともに、麺類の解凍時にぱさぱさ感や加熱むらをなくし、調理したての美味しい状態で食することができる冷凍麺類に代表される冷凍デンプン加工品を提供し、さらに、団子の調製においてはアルファ化酵素および糖類を使用することなく、長期に粘弾性を保有させ、再加熱により保水構造の変動を抑制し、つきたての餅団子状態を再現でき、最後に炊飯では保水量及び嵩容積を増大させることができ、再加熱により炊き上げの炊飯米を提供することを課題とする。
本発明はデンプン加工品の原料中には幾らかのタンパク質を含むので、このタンパク質に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を均一浸透させるに、水溶性分散剤にこんにゃくマンナン成分換算で原料の0.1から1.0重量%を分散させ、凝固成分である弱アルカリ性成分とともに原料に含ませるか水中に含有させて加熱処理し、原料中に含まれるたんぱく質成分とともにこんにゃくマンナン成分を加水凝固させ、網目保水構造を形成させることを特徴とするデンプン加工品の改質方法にある。
本発明方法を用いると、製造した加工穀物は穀物固有のたんぱく質粒子にこんにゃくマンナン粒子が絡み合って網目保水構造が形成される一方、表層部にこんにゃくマンナン層が形成される。これにより網目保水構造は水分移動の少ない構造を形成することが可能となる。また、20%以上30%程度含水量を増加させ、嵩膨張させることもできる。また、改質された加工品は冷凍耐性に優れ、再加熱により水分移動を抑制し、調理仕立ての水分バランスで保水構造のアルファ化デンプン状態を再現する。したがって、洗米に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を水溶性分散剤とともにこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%を凝固成分である弱アルカリ性(pH10前後以下とするアルカリ性)成分とともに含有させた改質水中に浸漬させた後に炊飯するか、洗米に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を原料の0.1から1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%と凝固成分である弱アルカリ成分とを分散溶解させたpH10前後以下のアルカリ性の炊飯水を用いて炊飯すると、含水量を20%から30%増加させ、嵩増量して白色光沢のある炊飯米を形成でき、新たな改質炊飯米を提供できる。たんぱく質粒子とこんにゃくマンナン粒子とが絡み合って形成される網目保水構造は炊飯米の離水を抑制する一方、表層部のこんにゃくマンナン層が加熱復元時に内部に蒸気を閉じ込めるので、冷凍または冷蔵保存しても本発明にかかる炊飯米は加熱により調理仕立ての美味しい触感状態で食することができる。特に寿司はデンプンが白蝋化する冷凍に馴染まないが、本発明によれば、自然解凍による寿司米の復元を可能にする。
もち米から餅を調製する場合はもち米を少なくともこんにゃくマンナン粉を水溶性分散剤に分散させてこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%と凝固成分である弱アルカリ成分とともに含有させたpH9〜10前後の水中に浸漬させると、マンナン成分がもち米内に浸透するので、その後蒸し上げることにより含水量を30%程度増加させ、嵩増量させた白色光沢のある蒸し米を形成でき、これで餅を突き上げることにより30%以上嵩増加した餅を調製できるだけでなく、餅内ではたんぱく質粒子とこんにゃくマンナン粒子とが絡み合って形成される網目保水構造は餅内での保水性を高めると同時に水分移動を抑制する一方、表層部のこんにゃくマンナン層が加熱復元時に内部に蒸気を閉じ込めるので、冷凍または冷蔵保存しても加熱により調理したての水分保水構造を維持するので、美味しい触感状態で食することができる。
団子の場合は米粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を水溶性分散剤に分散させてこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%を凝固成分であるアルカリ成分とともに含有させたpH9〜10前後の水を20〜30%増量して加水し、これを茹で上げることにより30%以上嵩増加した団子を調製できるだけでなく、たんぱく質粒子とこんにゃくマンナン粒子とが絡み合って形成される網目保水構造は餅内での保水性を高めると同時に水分移動を抑制する一方、表層部のこんにゃくマンナン層が内部に水分を閉じ込めるので、長時間にわたり調理したての美味しい触感状態で食することができ、冷凍後の再加熱により調理直後の状態を復元可能である。
製麺に関しては原料小麦粉またはそば粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を水溶性分散剤に分散させてこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%を凝固成分であるアルカリ成分とともに含有させたpH9〜10前後の水を20〜30%余分に加水し、形成した生地を熟成させ、切断した生めんを茹で上げするか一旦乾燥させ、茹で上げると、含水量を30%程度増加させ、嵩増量させた光沢のある麺類を形成できる。たんぱく質粒子とこんにゃくマンナン粒子とが絡み合って形成される網目保水構造は麺内での保水性を高めると同時に麺内の水分移動を抑制して長時間麺のコシを保持する一方、表層部のこんにゃくマンナン層が加熱復元時に内部に蒸気を閉じ込めるので、冷凍または冷蔵保存後加熱により調理したての食感、特に麺のコシを保持し、美味しい触感状態で食することができる。したがって、コンビニや電子レンジ付き自動販売機(無人ドライブイン、会社や学校などに設置)で入手し易いスパゲティをはじめとするパスタ類、ラーメン、うどん、蕎麦などの麺類に適用し、ファストフード店など、誰でも簡単に、しかも短時間で均一に調理できる。なお、原料が小麦粉の油調理を伴う、油揚げ即席麺、パスタ、ピザ、お好み焼き、などいわゆる生地の腰を必要とする場合は、水溶性イオン化ミネラル成分を原料粉に対し2000〜5000ppmまで配合し、小麦加工製品に対しイオン化カルシウムを1000ppm以上残留させ、こんにゃくマンナンと小麦タンパクとが形成する網目構造の保水能力を高めるのが好ましい。ここで、水溶性ミネラルとは卵殻、貝殻、豚骨、牛骨、鶏がらなどの天然カルシウムを原料として調製するのが好ましいが、水溶性を付与するため、酸処理してイオン化し、これを乾燥固化して得るのが好ましい。具体的には、卵殻、貝殻、豚骨、牛骨、鶏がらなどの天然カルシウムを微粉砕し、発酵処理後未解離のカルシウム分を好ましくは食酢などで酸処理して溶解させ、加熱又は減圧蒸留して固形分を回収し、この回収物を加熱して有機物を蒸散させ、固化して調製するのが好ましい。また、デンプンの黄変をさけるためにこんにゃくマンナンの凝固はpH9以上10前後の柔らかい弱アルカリ条件下で凝固させるのが好ましく、重曹および炭酸カルシウムを併用することにより実現するのが好ましい。凝固対象のコンニャクマンナン20〜30重量%と残部デンプンで調製する水溶性分散剤に対し、重曹2〜5重量%および炭酸カルシウム(貝カルシウム)1〜5重量%を配合することにより、弱アルカリpH9〜10前後以下に調整するのが好ましい。さらに油調理を伴うデンプン加工品については天然カルシウムを酢酸処理により調製したイオン化カルシウム及び/又は有機酸カルシウムを併用することにより油調理の際の油吸収を50%までカットすることができることが見出されている。
こんにゃくマンナン成分と水溶性ミネラルを併用した場合の麺内部の構造の顕微鏡写真(1000倍)を示す図である。
本発明の改質加工方法は炭水化物を主成分とする広く加工穀物(デンプン加工品)の改質加工に適用できる。その改質加工方法は次の工程からなる。
a)製剤の調製工程:少なくともこんにゃくマンナン粉をデンプンを含む水溶性粉末に分散させてこんにゃくマンナン粉換算で加工原料に対し、0.1から1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%を配合する製剤を調製する。製剤中には凝固成分であるアルカリ成分を含ませる。水溶性分散剤に分散させて使用するのは原料へのこんにゃくマンナン成分の均一浸透性を高めるためである。水溶性分散剤は加工原料粉と同等のものを使用するのが原則であるが、別種のでんぷん粉を用い、各種水溶性食物繊維を併用してもよい。アルカリ成分としてはこんにゃくマンナンを弱アルカリ領域のおよそpH9〜10前後で凝固させるに必要な分量で、各種アルカリ成分が配合される。例えば、アルカリ成分としては、例えば典型的には水酸化カルシウム(水酸化カルシウムの懸濁液である石灰乳)が挙げられるが、こんにゃくマンナン成分を凝固させるために同等の効果を生じせしめる公知の添加材または薬品(例えば、アルギニン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸、及び/又は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸2ナトリウムなどの塩基性塩類)を使用するのが弱アルカリ領域のおよそpH9〜10前後するのに適当で、コンニャクマンナン20〜30重量%と残部デンプンからなる混合物に重曹2〜5重量%および炭酸カルシウム(貝カルシウム)1〜5重量%を併用し、pHを調整するのが好ましい。。なお、製剤を用いてこんにゃくマンナン成分を適当な粘度に凝固させるには、pH9を下回ると凝固性が弱く、pH10.5を超えると黄変性が現出するから、およそpH9〜10前後が適当である。その他必要に応じ各種水溶性添加剤が配合される。例えば、水溶性食物繊維、例えば、ベクチン、グアーガム(グアー豆酵素分解物)、アガロース又は寒天、ポリデキストロースを含む人工食物繊維、アルギン酸ナトリウム又は海草粉末、コンブ粉末、イヌリン又はキク科植物の根茎粉末、カラギーナンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を併用し、特にグルコマンナン又はこんにゃく粉末を主成分とし、適宜その他の水溶性食物繊維の保水構造形成能力を考慮して二成分以上を混合して用いることができる。
製剤の原料に対する配合量はこんにゃくマンナン粉は少量で多量の水分を吸収して凝固し、粘弾性を形成するので、加工穀物中のタンパク質に絡み合って良好な保水性及び粘弾性を付与するに適当な網目保水構造を形成させるには原料の0.1〜1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%を配合して製剤を調製するのが適当である。
b)加工穀物への含浸工程:原料中に含まれるたんぱく質成分とこんにゃくマンナン成分とを連結させ、粘弾性を有する網目保水構造を形成するにはこんにゃくマンナン成分を原料中のたんぱく質成分と接触させる必要があり、原料が米またはもち米のように固形の場合は洗米後に製剤を投入して調製した水溶液に浸漬して成分を浸透させるか、または製剤を投入した水溶液中で茹でることにより浸透させることができる。原料が粉体の場合はこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1〜1.0未満、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下の重量%を配合し、通常の標準添加水に対して20ないし30%増量して加水することにより生地を調製する。
c)加水調理工程:穀物の加工はパンの焼成以外は通常、 加熱水中で茹でることによりアルファ化処理することにより行われる。本発明ではアルファ化処理中に穀物中のタンパク質と浸透するこんにゃくマンナン成分との連結により網目保水構造による保水量の増大が起こり、嵩容量が増大する。保水量の増大は20%以上30%にも及び、嵩容量の増大は30%以上多いときには40%にも及ぶ。したがって、米の炊飯加工では炊飯水の量が標準の場合の150%から200%にも増量する必要がある点に留意する必要がある。また、原料粉に製剤を添加する場合は通常の生地調製に必要な加水に対し製剤による保水量の増大に見合う水分量をあらかじめ増量加水しておくのがよい。乾燥麺の場合は穀物中のタンパク質とこんにゃくマンナン成分との連結により網目保水構造に多数の気泡が形成されているので、茹で上げが早く、保水した網目構造が粘弾性を発揮するので、麺だれの発生が遅く、作り置きが可能となる。
d)要するに、本発明においては加工穀物のアルファ化処理において、保有するタンパク成分にこんにゃくマンナン成分を絡ませ、保水能力に優れ、粘弾性に優れる網目保水構造を形成することにあり、本発明の製剤を用いて1)浸漬水を調製し、2)原料を調製し、3)アルファ化処理の茹で水を調製し、希薄なマンナン成分を浸透させ、保有のタンパク成分とで網目保水構造を形成することにあり、1)から3)の各工程単独でマンナン成分の原料への浸透を行わせてもよいし、1)から3)の全工程でマンナン成分の原料への浸透を行わせてもよい。
炊飯方法
生米1kgを洗米し、炊飯水2,000mlを用意する。他方、こんにゃくマンナン粉20重量部とコメ粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳または貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製する。水2,000mlに生米1kgの1重量%に当たる水溶性粉末製剤10gを配合すると、pH10程度となるので、これを炊飯水とし、電気釜で炊飯する。炊飯後の比重は25%増しで嵩膨張30%程度となり、白色光沢に優れた炊飯米が調製された。通常、生米1kgに水2,000mlを炊飯水とすると、ドロドロのお粥状態となるが、本発明方法では粘弾性のある嵩高の炊飯米となることは驚くべきことである。本製品は冷凍保存されても、加熱復元性に優れる。
次いで、生米1kgを洗米し、水1,000mlを用意する。他方、こんにゃくマンナン粉10重量部とコメ粉90重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉10%の水溶性粉末製剤を調製する。水1,000mlに生米1Kgの2重量%に当たる水溶性粉末製剤20gを配合し、pH10.5の浸漬水とし、一晩この浸漬水に浸漬し、これを引き上げ、水1,500mlで炊飯する。炊飯後の比重は20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、実施例1と同様の白色光沢の炊飯米が調製された。本製品は冷凍保存されても、加熱復元性に優れる。
蒸し米の調製
もち米1kgを洗米し、水2,000mlを用意する。他方、こんにゃくマンナン粉20重量部とコメ粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製する。水2,000mlにもち米1Kgの1重量%に当たる水溶性粉末製剤10gを配合し、pH10の浸漬水とし、一晩この浸漬水に浸漬し、これを引き上げ、水蒸気で蒸し、蒸し米を調製してこれを餅つきする。この餅比重は全体で20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、白色光沢の餅が調製された。本製品は冷凍保存されても、加熱復元性に優れる。
団子の調製
こんにゃくマンナン粉20重量部とコメ粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水500mlに溶解し、上新粉1kgに加水してやや緩めの団子生地を準備し、これを茹で上げ、団子を調製する。調製された団子は全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、白色光沢の団子が調製された。本製品は冷凍保存されても、調理時の水分バランスを保持する加熱復元性に優れる。
パスタの調製
こんにゃくマンナン粉10重量部と強力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉10%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解し、小麦強力粉1kgに加水してパスタ生地を準備し、発酵させた後または発酵させず、切断して乾燥させる。これをこんにゃくマンナン粉10%の水溶性粉末製剤を添加し、pH9.5とした沸騰水で茹で上げると、同一径の従来の乾燥麺の半分の時間で茹で上がり、粘弾性が十分の茹で上げパスタを調製される。調製されたパスタは全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、白色光沢のパスタが調製された。本製品は冷凍保存されても、調理時の水分バランスを保持する加熱復元性に優れる。
本発明生麺からのうどん麺の調製
こんにゃくマンナン粉10重量部と薄力小麦粉90重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉10%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解し、小麦薄力粉1kgに20%増量して加水してうどん生地を準備し、発酵させた後または発酵させず、切断してこれを茹で上げ、茹で上げうどんを調製する。調製されたうどんは全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、白色光沢のうどんが調製された。本製品は冷凍保存されても、調理時の水分バランスを保持する加熱復元性に優れる。
本発明乾燥麺からのうどん麺の調製
こんにゃくマンナン粉20重量部と薄力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解し、小麦薄力粉1kgに20%増量して加水してうどん生地を準備し、発酵させた後または発酵させず、切断して乾燥させる。これをこんにゃくマンナン粉10%の水溶性粉末製剤を添加し、pH9.5とした沸騰水で茹で上げると、同一径の従来の乾燥麺の半分の時間で茹で上がり、粘弾性が十分の茹で上げうどんが調製される。調製されたうどんは全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、白色光沢のうどんが調製された。本製品は冷凍保存されても、調理時の水分バランスを保持する加熱復元性に優れる。
通常乾燥麺からのうどん麺の調製
こんにゃくマンナン粉20重量部と薄力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水2000mlに溶解し、pH9.5の茹で水を調製する。これに通常の乾燥麺200gを投入し、沸騰水で茹で上げると、うどん麺の茹で上げアルファ化処理とともに、粘弾性が十分の茹で上げうどんが調製される。調製されたうどんは全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、白色光沢のうどんが調製された。本製品は冷凍保存されても、調理時の水分バランスを保持する加熱復元性に優れる。
ラーメンの調製
こんにゃくマンナン粉20重量部と強力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解してpH9.5に調整し、ラーメン粉組成物1kgに20%増量して加水してラーメン生地を準備し、発酵させた後または発酵させず、切断してこれを茹で上げ、茹で上げラーメンを調製する。調製されたラーメンは全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、出前時間では出来上り時の麺の粘弾性(腰)を十分に保有するラーメンが調製された。
さらにデンプン粒子内の保水構造を強化するにはグルコマンナン又はコンニャク成分0.1〜1.0重量部に対し、5重量%含有イオン化ミネラル成分換算で0.5重量部以上5.0重量部(イオン化ミネラルで0.025〜0.25重量部)を添加することができるが、これに伴い、油吸収率を30%から50%までカットすることができる。有機酸カルシウム(例えば乳酸カルシウム)を5重量%含有イオン化ミネラル成分に代替して用いてコストを低減することができる。併用できる限度としては、5重量%含有イオン化ミネラル成分0.5重量部以上5.0重量部(イオン化ミネラルで0.025〜0.25重量部)に対し0.5重量部以上3.0重量部の比率で配合するのが好ましい。
そば麺の調製
こんにゃくマンナン粉10重量部と強力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉10%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解してpH9.5に調整し、そば粉1kgに20%増量して加水してそば生地を準備し、発酵させた後または発酵させず、切断してこれを茹で上げ、茹で上げそばを調製する。調製されたそばは全体で重量20%増しで嵩膨張25〜30%程度となり、6〜12時間は出来上り時の麺の粘弾性(腰)を十分に保有する画期的なそば麺が調製された。本製品は冷凍保存されても、調理時の水分バランスを保持する加熱復元性に優れる。
冷凍ピザの調製
こんにゃくマンナン粉20重量部と強力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解してpH9.5に調整し、ピザ生地組成物1kgに20%増量して加水してピザ生地を準備し、発酵させた後、ピザ生地上に各種具材を載せ、大きい場合は焼成して冷凍保存する。調製された冷凍ピザは、レンジ加熱調理により離水もなく、生地だれもなくパリっと焼き上げ復元することができる。
冷凍パンの調製
こんにゃくマンナン粉20重量部と強力小麦粉80重量部とアルカリ成分(石灰乳又は貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)適量部を混合してこんにゃくマンナン粉20%の水溶性粉末製剤を調製し、製剤20gを水200mlに溶解してpH9.5に調整し、ドライイーストまたはベイキングパウダーをやや増量調製したパン生地組成物1kgに20%増量して加水してパン生地を準備し、発酵させた後、焼成してパンを調製し、冷凍保存する。調製された冷凍パンは、調製時の水分配分が網目保水構造で維持され、レンジ加熱調理により離水もなく、水分移動もなくパリっと焼き上げ復元することができる。
冷凍寿司米の調整
生米を洗米し、洗米100重量部に対し従来加水140重量部にその30重量%追加し、加水して用意する。他方、こんにゃくマンナン粉30重量部、アルカリ成分(貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)5〜6重量部、米粉65重量部を混合してこんにゃくマンナン粉換算で30%水溶性粉末製剤を調製する。この水溶性粉末製剤を洗米100重量部に対し、1.0から1.5重量部添加混合し、pH9前後とする。これを、電気釜で炊飯する。炊飯後の比重は20%増しで嵩膨張25%程度となり、白色光沢に優れた炊飯米が調製された。これに適量のすし酢を添加混合して寿司米を調整する。他方、生米を洗米し、洗米100重量部に対し従来通り、140重量部の水を加水し、これを、電気釜で炊飯し、適量のすし酢を添加混合して寿司米を調整する。
両者を長期冷凍保存(6ヶ月)すると、従来の寿司炊飯米は水分の揮散が避けられず白蝋化するが、本発明の寿司炊飯米は内部に網目保水構造が形成されるためか、水分の揮散がほとんどなく長期冷凍保存(6ヶ月)可能で、解凍後も違和感なく喫食することができた。
揚げパンの調製
揚げパン原料100重量部にこんにゃくマンナン粉30重量部、アルカリ成分(貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)5〜6重量部、米粉65重量部を混合して調整したこんにゃくマンナン粉換算で30%水溶性粉末製剤を1.0から1.5重量部添加混合し、揚げパン生地を調製し、これを、植物油でフライし、揚げパンとする。揚げパンの比重は20%増しで嵩膨張25%程度となる。他方、上記水溶性粉末製剤を添加せず、調整した生地で揚げパンを調製する。本発明の揚げパンの嵩膨張は従来品の25%程度となる。
さらにデンプン粒子内の耐油構造を強化するにはグルコマンナン又はコンニャク成分0.1〜1.0重量部に対し、5重量%含有イオン化ミネラル成分換算で0.5重量部以上5.0重量部(イオン化ミネラルで0.025〜0.25重量部)を添加することにより、油吸収率を30%から50%までカットすることができる。有機酸カルシウム(例えば乳酸カルシウム)を5重量%含有イオン化ミネラル成分に代替して用いてコストを低減することができる。併用できる限度としては、5重量%含有イオン化ミネラル成分0.5重量部以上5.0重量部(イオン化ミネラルで0.025〜0.25重量部)に対し0.5重量部以上3.0重量部の比率で配合するのが好ましい。
チジミの調製
チジミ原料100重量部にこんにゃくマンナン粉30重量部、アルカリ成分(貝カルシウムと重曹の重量比1:1から1:3混合物)5〜6重量部、米粉65重量部を混合して調整したこんにゃくマンナン粉換算で30%水溶性粉末製剤を1.0から1.5重量部添加混合し、チジミ生地を調製し、これを、植物油で油調理し、揚げチジミとする。他方、上記水溶性粉末製剤を添加せず、調整した生地で揚げパンを調製する。本発明の揚げパンの嵩膨張は従来品の20〜25%程度となる。
さらにデンプン粒子内の耐油構造を強化するにはグルコマンナン又はコンニャク成分0.1〜1.0重量部に対し、5重量%含有イオン化ミネラル成分換算で0.5重量部以上5.0重量部(イオン化ミネラルで0.025〜0.25重量部)を添加することにより、油吸収率を30%から50%までカットすることができる。有機酸カルシウム(例えば乳酸カルシウム)を5重量%含有イオン化ミネラル成分に代替して用いてコストを低減することができる。併用できる限度としては、5重量%含有イオン化ミネラル成分0.5重量部以上5.0重量部(イオン化ミネラルで0.025〜0.25重量部)に対し0.5重量部以上3.0重量部の比率で配合するのが好ましい。
[本発明品の加熱復元性]
ビニールラップにより密封された実施例5で調製された冷凍スパゲティを出力500W、発振周波数2450MHの電子レンジ7(マイクロウエーブオーブン)で約4分30秒(3分30秒〜5分30秒)間加熱する。これにより、太さ1.4ミリメートルのスパゲティを6分間茹でたと同等の腰のあるスパゲティが復元できた。
すなわち、電子レンジにより表面に形成したこんにゃく層がスパゲティから水分の乾燥を防ぐとともに、内部網目保水構造はほとんど水分移動なく加熱されるので、スパゲティのべたつきがなくなる。このため、スパゲティの加熱時にぱさぱさ感や加熱むらをなくして劣化を防ぎ、湿潤状態が保たれ調理したての美味しい状態で食することができる。本製品は冷凍保存されても、加熱復元性に優れる。
なお、加熱復元時に、乾麺状態で重さ約100グラムの太さ1.5ミリメートルのスパゲティでは約9分、同様の重さの太さ1.7ミリメートルのスパゲティでは約13分かかるが、業務用の電子レンジ(出力1200W)を用いれば、いずれも1分から2分の短時間で済む。これによりスパゲティ(麺類一般)を調理して提供するまでの時間が大幅に短縮でき、作業性およびサービス性が著しく向上する。すなわち、調理時間は、麺類の太さに関係なく重さにより変わり、工場では多量に生産でき、小売りでは少量に分け、店舗、事務所や家庭で喫食するのに適する。
本発明によれば、炊飯米内部に米タンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された網目保水構造が形成され、保水されるとともに、炊飯米表面にこんにゃく層が形成され、保水量の増大とともに嵩容積が増大し、冷凍保存時の加熱復元性に優れることを特徴とする改質炊飯米を提供できる。
本発明によれば、炊飯米内部に米タンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された網目構造が形成され、保水されるとともに、炊飯米表面にこんにゃく層が形成され、冷凍または冷蔵保存され、冷凍保存時の加熱復元性に優れることを特徴とする保存炊飯米を提供できる。
本発明によれば、餅内部にタンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された粘弾性網目構造が形成され、保水されるとともに、餅表面にこんにゃく層が形成され、保水量の増大とともに嵩容積を増大させ、冷凍保存時の加熱復元性に優れることを特徴とする改質餅を提供できる。
本発明によれば、団子内部にタンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された粘弾性網目構造が形成されるとともに、団子表面にこんにゃく層が形成され、保水量の増大とともに嵩容積を増大させ、冷凍保存時の加熱復元性に優れることを特徴とする改質団子を提供できる。
本発明によれば、麺類内部にタンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された網目保水構造が形成され、保水されるとともに、麺表面にこんにゃく層が形成され、保水量の増大とともに嵩容積を増大させ、冷凍保存時の加熱復元性に優れることを特徴とする改質茹で麺、スパゲティをはじめとするパスタ類、ラーメン、うどん、蕎麦などの麺類を提供できる。
本発明によれば、麺類内部にタンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された粘弾性網目保水構造が形成されるとともに、麺表面にこんにゃく層が形成され、保水量の増大とともに嵩容積を増大させ、冷凍保存時の加熱復元性に優れることを特徴とする改質冷凍茹で麺を提供できる。
本発明によれば、麺類内部にタンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された網目保水構造が形成されるとともに、麺表面にこんにゃく層が形成され、乾燥させてなることを特徴とする改質乾麺を提供できる。
本発明によれば、内部に小麦タンパク質と絡んだこんにゃくマンナン成分で形成された網目保水構造が形成されるとともに、表面にこんにゃく層が形成され、調製時の水分バランスが保持されるので、調製時の状態をほじできる冷凍パン及び冷凍まんを提供できる。

Claims (12)

  1. デンプン加工品を湿式加熱するにあたり、でんぷん原料に少なくともこんにゃくマンナン成分を水溶性分散剤で分散させてこんにゃくマンナン成分換算で0.1から1.0重量%を含有させる工程と、原料中のこんにゃくマンナン成分を弱アルカリ性pH9〜10前後の条件下で湿式加熱する工程と、湿式加熱処理により原料中のでん粉をアルファ化するとともに、でん粉中に含まれるたんぱく質成分とこんにゃくマンナン成分とを連結させ、網目保水構造を形成する工程を含むことを特徴とするデンプン加工品の改質方法。
  2. デンプン加工品がたんぱく質を含む生米、穀類、パスタ、麺類、イモ類等の保形食品であって、原料食品を少なくともこんにゃくマンナン成分を原料の0.1から1.0重量%とデンプンを含む水溶性分散剤と弱アルカリ性凝固剤とを含有した水溶液中に浸漬した後、湯煎または蒸気加熱する請求項1記載の改質方法。
  3. 水洗した穀類に対し少なくともこんにゃくマンナン粉をでんぷんを含む水溶性粉末に分散させてこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を含有させた水中で浸漬処理した後、凝固成分である弱アルカリ成分を含有させ、弱アルカリ性pH9〜10前後とした水中で加熱し、炊き上げる請求項1記載の改質方法。
  4. デンプン加工品が炊飯米であって、標準炊飯水の50ないし100%増の水に、少なくともこんにゃくマンナン成分を原料の0.1から1.0重量%と水溶性分散剤と弱アルカリ性凝固剤とを含有した水溶液中で炊飯する請求項1記載の改質方法。
  5. 水洗した穀類に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を水溶性分散剤とともにこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%と凝固成分であるアルカリ成分とともに含有させ、弱アルカリ性pH9〜10前後の水溶液とし、該水溶液を炊飯水として湿式加熱する請求項1記載の改質方法。
  6. 原料のもち米に対し少なくともこんにゃくマンナン粉を水溶性分散剤にこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を分散させ、凝固成分であるアルカリ成分とともに溶解させた弱アルカリ性pH9〜10前後の水中に浸漬させた後蒸し上げる工程を含む請求項1記載の改質方法。
  7. 団子を製造するにあたり、上新粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉をこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を水溶性分散剤に分散させ、凝固成分であるアルカリ成分とともに溶解させ、弱アルカリ性pH9〜10前後の水を調製し、20〜30%増量して加水し、これを茹で上げる工程を含む請求項1記載の改質方法。
  8. スパゲティをはじめとするパスタ類、ラーメン、うどん、蕎麦などの麺類を製造するにあたり、原料小麦粉またはそば粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉をこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を水溶性分散剤に分散させ、凝固成分であるアルカリ成分とともに溶解させた弱アルカリ性pH9〜10前後の水を20〜30%余分に加水し、形成した生めんを茹で上げる請求項1記載の改質方法。
  9. スパゲティをはじめとするパスタ類、ラーメン、うどん、蕎麦などの麺類を製造するにあたり、原料小麦粉またはそば粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉をこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を水溶性分散剤に分散させ、凝固成分であるアルカリ成分とともに溶解させた弱アルカリ性pH9〜10前後の水を20〜30%余分に加水し、形成した生めんを一旦乾燥し、これを茹で上げる請求項1記載の改質方法。
  10. 請求項1から9の方法で改質した、網目保水構造を有するデンプン加工品を冷凍保存する工程を含むことを特徴とするデンプン加工品の改質保存方法。
  11. 冷凍ピザを製造するにあたり、原料小麦粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉をこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を水溶性分散剤に分散させ、凝固成分であるアルカリ成分とともに溶解させた弱アルカリ性pH9〜10前後の水を20〜30%余分に加水し、形成したピザ生地に具材を載せ、焼成した後または焼成しないでこれを冷凍することを特徴とする請求項10記載の改質保存方法。
  12. 冷凍パンを製造するにあたり、原料小麦粉に対し少なくともこんにゃくマンナン粉をこんにゃくマンナン粉換算で原料の0.1から1.0重量%を水溶性分散剤に分散させ、凝固成分であるアルカリ成分とともに溶解させた弱アルカリ性pH9〜10前後の水を20〜30%余分に加水し、形成したパン生地を発酵させ、焼成した後これを冷凍する請求項10記載の改質保存方法。
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