JP2745421B2 - 織機の同期ずれ防止装置 - Google Patents

織機の同期ずれ防止装置

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JP2745421B2 JP14922489A JP14922489A JP2745421B2 JP 2745421 B2 JP2745421 B2 JP 2745421B2 JP 14922489 A JP14922489 A JP 14922489A JP 14922489 A JP14922489 A JP 14922489A JP 2745421 B2 JP2745421 B2 JP 2745421B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、織機の開口選択装置またはよこ糸選択装置
に関し、特に、織機の電源遮断中に、それらの位相のず
れ、すなわち相互間の同期ずれを防止する装置に関す
る。
〔従来の技術〕
製織時の織物組織は、織機の主軸に対するたて糸の開
口選択装置の開口選択パターン、またはよこ糸選択装置
のよこ糸選択パターンとによって決定される。これらの
選択装置が製織中に織機の主軸の回転と同期している限
り、よこ糸の選択パターンのずれ、たて糸の開口選択パ
ターンのずれなどは、起こり得ず、織物組織は、常に所
定の組織となる。
〔従来技術の課題〕
しかし、電源遮断時に、よこ糸選択パターンと開口選
択パターンとの不一致による選択ずれ、よこ糸選択パタ
ーンもしくは開口選択パターンと実際の織物組織との不
一致による組織ずれ、または開口選択装置が専用のモー
タで駆動される場合に、織機の主軸と開口選択装置の駆
動軸との不一致による軸ずれが起きると、同期ずれが発
生する。
まず、よこ糸選択パターンと開口選択パターンとの不
一致つまり選択ずれは、特開昭57−205553号公報に見ら
れるように、よこ糸選択装置および開口選択装置のうち
いずれか一方を電気的な装置とし、また他方を機械的な
装置によって構成したときに発生する。すなわち、パタ
ーンカードなどの機械的な選択装置は、織機の主軸に機
械的に連結されており、そこから回転力を取り入れて、
機械的な選択指令を発生していく。また、CPUやメモリ
などの電気的な選択装置は、織機の主軸と機械的に連結
されておらず、その回転量と同期するように、電気的に
連動関係にある。そして、一般的に電気的選択装置は、
特開昭57−205553号の発明に見られるように、織機の停
止過程で、電源の遮断と同時に再起動に備えて電源遮断
時の選択信号を記憶している。ところが、この織機の停
止過程で、織機の主軸の慣性回転によって、または織機
の停止中の調整段階で、主軸の手回し回転操作などによ
って織機の主軸が正転方向または逆転方向に回転するに
もかかわらず、電気的な選択装置は、織機の電源遮断時
の選択信号を保持したままである。この結果、よこ糸選
択パターンと開口選択パターンとの位相上で、同期ずれ
が発生する。
そこで、織工は、織機の電源の復帰後、電気的選択装
置の出力すなわち選択信号を判読し、また機械的選択装
置の実際の選択パターンを確認することによって、両者
の同期ずれをなくするための操作を施す。しかし、この
操作は、非常に困難で、面倒であり、多くの時間を費や
すため、稼動率を低下させる結果となる。また、この操
作が間違えば、再起動後の製織過程で、不良の織物が製
織されることになる。
次に、各選択パターンと実際の織物組織との不一致つ
まり組織ずれは、次の場合に発生する。すなわち、織機
の電源遮断による停止過程での織機の慣性回転、または
電源遮断状態での装置調整時の織機の回転により、各選
択装置の出力する選択パターンと実際の織物組織とがず
れてしまう。例えば停電時の織機の惰性回転中は、一般
的に電気制御可能なよこ入れバルブは閉じており、この
間はよこ入れされない。このため、停電時に、織機の主
軸は、回転系の慣性回転によって、進むにもかかわら
ず、織物の組織は、電源の遮断時の状態を保持したまま
となっている。また、電源遮断状態での装置調整時に、
よこ入れせずに織機を回転させることができる。この結
果、各選択パターンと織物組織との間に組織上のずれが
発生することになる。
そこで、織工は、ともに電気的装置の場合には、電源
の復帰後に、またともに機械的装置の場合には、電源復
帰前または復帰後に、各選択装置の出力している選択信
号を判読し、また実際の織物の組織を確認することによ
り、両者のずれをなくする操作を施す。この操作もまた
非常に困難で面倒であるため、操作に時間がかかり、稼
動率が低下するほか、操作ミスによって不良織物の発生
にもつながる。
さらに、織機の主軸と開口装置の駆動軸との不一致に
よる軸ずれは、以下の場合に発生する。すなわち、開口
選択装置が織機の原動モータと別の専用のモータで駆動
されるとき、前記選択ずれや組織ずれの問題に加えて、
織機の主軸と開口装置の駆動軸との間でずれが発生す
る。すなわち、電源遮断しての停止時に織機の主軸と開
口装置の駆動軸とのそれぞれの慣性回転量が異なるこ
と、また電源遮断後の織機の停止中の装置の調整時に一
方の軸のみを単独で回転させると、結果的に主軸と駆動
軸との間に回転位相上のずれが発生する。なお、このよ
うな同期ずれは、機械式の1色のよこ入れの場合にも発
生する。
そこで、織工は、電源復帰後、両者の軸のずれ、選択
ずれおよび組織ずれをなくする操作を行うことになる。
このときにも、やはり前記と同様の問題がある。
次の表は、よこ糸選択パターンと開口選択パターンと
の不一致を選択ずれとし、各選択パターンと実際の織物
組織とのずれを組織ずれとし、さらに織機の主軸と開口
選択装置の駆動軸との不一致を軸ずれと表現し、各種の
よこ糸選択装置と各駆動方式の開口選択装置との間での
同期ずれの態様を表している。
なお、開口選択装置の場合は、その開口選択装置の駆
動軸が織機主軸に連結されているものと、その駆動軸が
織機主軸とは別の専用の駆動モータに連結されているも
のとがあるので、これらをそれぞれ「主軸駆動」、「専
用駆動」と表現している。
〔発明の目的〕 したがって、本発明の目的は、織機の電源の遮断にと
もなうよこ糸選択パターンと開口選択パターンとの不一
致を防止し、選択ずれ修正操作を容易にすること、電源
遮断にともない各選択パターンと織物組織との不一致に
よる組織ずれを修正する操作を容易にすること、さらに
織機の主軸と開口選択装置の駆動軸との不一致を修正す
る操作を容易にし、軸ずれの発生を未然に防止すること
である。
〔発明の解決手段〕
上記目的のもとに、本発明は、織機の主軸と、開口選
択装置と、よこ糸選択装置との間で同期ずれを起こす可
能性のある織機を対象とし、タイミング発生手段、正逆
判別手段および計数手段により、同期ずれ防止装置を構
成し、これらを織機の電源遮断に備えてバックアップ電
源で駆動可能とし、織機の電源遮断時での主軸の慣性回
転や、織機の電源遮断中での手回し操作による回転の回
転量を正方向または逆方向別に加減算的に計数し、その
計数値を再起動時まで記憶するか、または表示手段によ
って視覚的に確認できるようにしている。
〔発明の作用〕
織機の運転中の電源遮断時に、またはその後の遮断
(織機の停止)中に、タイミング発生手段は、バックア
ップ電源により動作し、織機の主軸の慣性回転や手回し
回転に応じて回転方向の判別可能なタイミング信号を発
生している。正逆判別手段は、上記タイミング信号の発
生位相や角度値の増減から主軸の回転方向を判別し、そ
の回転量に応じてパルスを発生し、これを計数手段に送
る。計数手段は、そのパルスを回転方向に応じて計数
し、その数を保持するか、表示手段により表示させる。
このため、織機の運転中の電源遮断によって、織機の主
軸が惰性回転を伴って停止したり、織機の停止中に、主
軸が手回し操作によっていずれかの方向に駆動されて
も、電源復帰後、織機の再起動に際し、織工は、計数値
から選択ずれ、組織ずれ、軸ずれを視覚的に確認できる
状態にあり、それを手掛りとしてよこ糸選択装置、開口
選択装置および主軸の間で回転位相を一致させる方向に
容易に修正できることになる。
したがって、織機の再起動時に、同期ずれの発生が確
実に防止できる。
〔実施例1〕 この実施例は、よこ糸選択パターンと開口選択パター
ンとの選択ずれを防止する例である。
第1図Aのように、同期ずれ防止装置1は、織機の主
軸2と連動する機械的な選択装置3と電気的な選択装置
4との間の選択パターンの選択ずれを防止するために、
電気的な選択装置4の構成要素のうち、タイミング検出
手段5、正逆判別手段6および計数手段7、さらに織機
の電源遮断に備えて、これらをバックアップするため
に、バックアップ電源8および遮断検出器11によって構
成されている。ここで、電気的な選択装置4が電気式よ
こ糸選択装置であるとき、機械的な選択装置3は、機械
式開口選択装置であり、また電気的な選択装置4が電気
式開口選択装置であるとき、機械的な選択装置3は、機
械式よこ糸選択装置または1色のよこ入れ装置として構
成される。そして、この電気的な選択装置4内の選択指
令器13は、電気的な駆動増幅器9を介し選択操作器10に
接続されている。
なお、タイミング検出手段5は、近接スイッチまたは
エンコーダで構成されており、タイミング信号としてそ
れぞれ2相信号または角度信号を発生する。また、正逆
判別手段6は、ハードウエアまたはソフトウエアのいず
れでも実現でき、タイミング検出手段5からの2相信号
の発生位相により主軸2の正転方向または逆転方向を識
別するか、タイミング検出手段5からの角度信号の角度
の増減により正転方向または逆転方向を識別し、所定の
角度位置で、回転方向に応じたパルスを発生する。そし
て、計数手段7は、アップダウン型式のカウンタによっ
て構成するか、またはソフトウエア(カウントプログラ
ム)手段によって構成し、タイミング検出手段5からの
パルスを計数し、選択ステップ信号を発生する。選択指
令器13は、ソフトウエアによって構成され、計数手段7
からの選択ステップ信号を入力し、予め、選択指令器13
内のメモリに記憶されている選択パターンに従って、選
択ステップに対応した選択信号を出力する。
通常の製織運転時に、機械的な選択装置3は、織機の
主軸2の回転と連動し、選択パターンを順次更新させて
いく。これと同時に、タイミング検出手段5は、主軸2
の回転を検出し、所定の回転角度でタイミング信号を発
生し、正逆判別手段6に送り込んでいる。正逆判別手段
6は、正転方向の回転に応じてパルスを発生し、計数手
段7の計数値をタイミング信号の発生毎に増加方向に更
新させ、その計数値を選択指令器13に送り込んでいる。
したがって、この選択指令器13は主軸2の回転と同期し
て、選択信号を所定の選択パターンで発生し、駆動増幅
器9を介し選択操作器10を駆動していく。このようにし
て、2つの選択装置3、4は、織機の主軸2に同期した
状態で、開口選択パターンおよびよこ糸選択(1色のよ
こ入れを含む)パターンを更新していくことになる。な
お、この実施例では、タイミング検出手段5、正逆判別
手段6および計数手段7は、ハードウェアで構成され、
選択指令器13は、CPUによるソフトウェアで構成されて
いる。
停電または業務終了により、織機の電源が遮断される
と、電源の遮断検出器11は、その状態を検出し、少なく
ともタイミング検出手段5、正逆判別手段6および計数
手段7にバックアップ電源8から電力Pを供給する。こ
の結果、同期ずれ防止装置1は、織機の電源遮断状態の
後においても、このバックアップ電源8によって動作で
きる状態に設定される。
通常、この電源遮断の時点で、機械式の選択装置3
は、慣性回転中の主軸2と連動し、選択パターンのステ
ップを例えば2ステップだけ進めた状態で停止する。こ
れに対応し、同期ずれ防止装置1は、バックアップ電源
8の電力Pによって、主軸2の慣性回転を検出し、正常
な製織運転中と同様に、計数手段7の計数値、すなわち
選択ステップ信号を主軸2の回転量に応じて、同じく2
ステップだけ増加させる。電気的な選択装置4の選択指
令器13は、電源復帰後に、その計数手段7からの選択ス
テップ信号を入力して、これに対応した選択信号を出力
する。したがって、この電源遮断にともなう織機の主軸
2の停止過程で、機械的な選択装置3と電気的な選択装
置4との間で、選択パターンの不一致、つまり選択ずれ
は、発生しない。
次に、電源遮断中に、織工が織機の主軸2を手回しに
よっていずれかの方向に回転したとき、機械的な選択装
置3は、その主軸2の回転量に連動して選択状態を変化
させていく。また、バックアップ電源8の電力Pによっ
てタイミング検出手段5は、主軸2の回転方向に応じた
位相のタイミング信号を発生しているため、正逆判別手
段6は、位相のずれから回転方向を判別し、回転方向に
対応したパルスにより、計数手段7の計数値をタイミン
グ信号の発生毎に増減方向に変化させる。したがって、
電気的な選択装置4の選択指令器13は、電源復帰後に、
その計数手段7の計数値を入力して、選択信号を選択パ
ターンにもとづいて、機械的な選択装置3と同期した状
態で発生できる状態にある。この結果、停止中の手回し
操作にもかかわらず、選択装置3、4との間で選択パタ
ーンの選択ずれは生じない。
次に、第1図BおよびCは、この実施例の変形例を示
している。
まず、第1図Bは、選択指令器13の機能に加え計数手
段7の機能をもCPUで実現させたものである。すなわ
ち、CPUは、ソフトウェア上の計数手段12によって、正
逆判別手段6の出力パルスを計数する。バックアップ電
源8は、ソフトウェア上の計数手段12をバックアップす
るために、CPU全体をバックアップしている。この例に
よれば、計数手段7をCPUのソフトウェア上で実現する
ようにしているので、装置をコンパクトに構成すること
ができる。反面、CPU全体をバックアップすることにな
るので、前記第1図Aの実施例よりも大きい容量のバッ
クアップ電源8が必要になる。
次に第1図Cの変形例は、ソフトウェア上の計数手段
12とは別に、さらにハードウェアで構成された計数手段
7を設けたものである。この計数手段7は、計数手段12
と同様、正逆判別手段6からの出力パルスを計数してお
り、バックアップ電源8からバックアップされている。
一方、CPUによる計数手段12は、バックアップされてい
ない。したがって、織機の電源遮断後から電源復帰まで
の期間で、同期ずれ防止装置1の内部のバックアップさ
れている計数手段7によって、主軸2の回転量が計数さ
れ、この計数手段7の記憶内容は、電源の復帰後、電源
が投入されたことを検出する電源投入検出手段14によっ
て、設定手段15を介し、選択装置4の内部のCPUによる
計数手段12に設定される。したがって、この実施例で
は、バックアップ電源8のバックアップ対象は、前記第
1図Aと同様、タイミング検出手段5、正逆判別手段6
および計数手段7であり、バックアップ電源8は、小さ
な容量で済む。なお、この実施例において、電源投入検
出手段14および設定手段15を省略し、単に、計数手段7
の計数値を表示するのみとし、電源復帰後、人が表示値
を計数手段12に設定するようにしてもよい。
これらの実施例の場合に、停電時または電源遮断後の
装置の調整時に、よこ糸選択パターンと開口選択パター
ンとの間での選択ずれの発生を防止でき、この選択ずれ
修正のための面倒な操作が不要になる。また、操作ミス
などがあり得ないため、不良織物の発生もなくなる。
〔実施例2〕 この実施例は、全ての型式の選択装置3、4を対象と
し、よこ糸選択パターンもしくは開口選択パターンと実
際の織物組織との不一致による組織ずれを修正する操作
を容易にするために、同期ずれ防止装置1の内部に表示
手段17を計数手段7の後段に組み込んだ例である。
まず、第2図Aに示すように、織機の電源が遮断され
た時点で、遮断検出器11は、各部に電力Pを供給すると
ともに、遮断中“H"レベルの信号を断続的に発生し、ゲ
ート手段16を開放状態に設定する。したがって、電源の
遮断後の主軸2の慣性回転や、停止中の主軸2の手回し
回転の回転量は、計数手段7によって計数され、電源復
帰後に、表示手段17によって直接表示される。したがっ
て、再起動に際し、織工は、この表示内容に応じて選択
装置3、4の選択パターンの発生ステップを実際の織物
組織に整合させることによって、組織ずれのない状態で
再起動可能な状態に設定できる。なお、電源遮断中にも
表示機能を確保するために、表示手段17をバックアップ
電源8でバックアップしてもよい。
次に、第2図Bの具体例は、計数手段7を織機の電源
投入中から動作させ、電源遮断時に、遮断検出器11によ
りバックアップ対象にバックアップ電源8を接続すると
ともに、遮断検出器11の“H"レベルの信号により計数手
段7の計数値を遮断時の値として記憶手段18に記憶させ
る。そして、織機の電源遮断後の主軸2の慣性回転や、
織機の停止中の手回し回転量は、計数手段7によって断
続的に計数され、電源復帰後に、減算手段19によって電
源遮断時に記憶した計数値と現在の計数値との差として
表示手段17により表示される。
電源復帰後に、織工は、減算手段19によって算出され
た両計数値の差を表示内容から読み取るか、減算手段19
のないときに、電源遮断時の計数値と電源復帰までの計
数値との差を計算により求め、差の値を考慮しながら選
択装置3、4の選択パターンのステップを差のステップ
分だけ前進または後退させて、各選択パターンと織物組
織との組織ずれを修正する。
次に第2図Cは、前記第1図の実施例と同様、電気的
な選択装置4を構成しているタイミング検出手段5、正
逆判別手段6および計数手段7を、そのまま兼用して同
期ずれ防止装置1を構成したものである。また、第2図
Dは、前記の第1図Aから第1図Bへ変形したのと同様
の意図で、第2図Cのハードウェアで構成された計数手
段7をCPUのソフトウェア上で計数手段12として実現さ
せたものである。さらに、第2図Eは、前記の第1図B
から第1図Cへ変形したのと同様の意図で、第2図Dの
ソフトウェア上の計数手段12とは別に、さらにハードウ
ェアで構成した計数手段7を設けたものである。これら
第2図C、DおよびEの例で、計数値の記憶、減算およ
び表示機能は、第2図Bの例と同じである。
この実施例で、選択ずれ、軸ずれ、組織ずれの修正
は、表示内容にもとづいて、主軸2を所定の方向に回転
させることによって、簡単に、しかも誤認などもなくで
きる。
〔実施例3〕 この実施例は、開口用の選択装置4を専用駆動電気式
(モータ駆動式)で構成し、電源遮断中の主軸2の回転
量と開口用の選択装置4の開口駆動軸20との回転量をそ
れぞれ計数し、それらの計数値の差を表示する例であ
る。この実施例の場合に、他方の選択装置3は、電気式
よこ糸選択装置、機械式よこ糸選択装置あるいは1色よ
こ入れ装置として構成される。
第3図Aに示すように、同期ずれ防止装置1は、主軸
2の第1タイミング検出系と別に、開口駆動軸20の第2
タイミング検出系として、タイミング検出手段21、正逆
判別手段22および計数手段23を備えている。
電源遮断時に、遮断検出器11は、各部にバックアップ
電源8から電力Pを供給するとともに、その時点から電
源復帰時点まで“H"レベルの信号を発生して、ゲート手
段16、24を開放状態とする。したがって、電源遮断後か
ら、電源復帰時点まで、計数手段7は、前記実施例と同
様に、主軸2の回転方向に応じてその回転量を計数して
いく。同様に、計数手段23は、その期間で、開口駆動軸
20の回転方向および回転量を計数していく。そして織機
の電源復帰後に、表示手段17は、計数手段7、23の計数
値をそれぞれ個別に表示するか、またはそれらの計数手
段7、23の計数値の差を減算手段19によって求め、その
差を表示する。
電源復帰後に、織工は、表示手段17から主軸2の回転
量および開口駆動軸20の回転量を表示手段17から読み取
ってそれらの差を計算するか、または減算手段19の表示
内容からそれらの回転量の差を確認して、いずれかの軸
を正転または逆転方向に回転させることによって、両軸
のずれを修正できることになる。
さらに、第3図Bに示す実施例のように、前記第2図
Aから第2図Bへ変形したのと同様の意図で、記憶手段
18、27を設けるようにしてもよい。
〔他の実施例〕
以上の修正操作は、織工によって行われているが、電
源復帰後に、所定の指令にもとづいて自動的に必要な量
だけ主軸または開口駆動軸を回転させる装置によって自
動的に実現することもできる。
〔発明の効果〕
本発明では、製織運転中の電源遮断時に、電気的な選
択装置がただちに動作を停止するのに対し、主軸が慣性
回転によって回転したり、あるいは織機の調整にともな
って主軸または開口駆動軸が手回しによって回転された
結果、選択ずれ、軸ずれあるいは組織ずれが発生したと
しても、これらの同期ずれの修正に必要な少なくとも主
軸のタイミング検出手段、正逆判別手段、および計数手
段などがバックアップ電源によって動作できる状態にあ
る。このため、電源遮断後から電源復帰までの織機の主
軸や開口駆動軸などの回転方向および回転量が計数さ
れ、かつ表示されるため、再起動に際しても同期ずれの
修正操作が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
第1図A、B、Cは実施例1のブロック線図、第2図
A、B、C、D、Eは実施例2のブロック線図、第3図
A、Bは実施例3のブロック線図である。 1……同期ずれ防止装置、2……主軸、3、4……選択
装置、5……タイミング検出手段、6……正逆判別手
段、7……計数手段、8……バックアップ電源、11……
遮断検出器、14……電源投入検出手段、17……表示手
段、18……記憶手段、19……減算手段、20……開口駆動
軸、21……タイミング検出手段、22……正逆判別手段、
23……計数手段、25、26……減算手段。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】織機の電源遮断中に、織機の主軸(2)に
    対して同期ずれを起こす可能性のある選択装置(3、
    4)において、主軸(2)の回転を検出して回転方向の
    判別可能なタイミング信号を発生するタイミング検出手
    段(5)と、このタイミング信号により主軸(2)の回
    転方向を判別して回転方向に応じたパルスを発生する正
    逆判別手段(6)と、この正逆判別手段(6)からのパ
    ルスを加減算的に計数する計数手段(7)と、織機の電
    源遮断中に少なくとも上記タイミング検出手段(5)、
    正逆判別手段(6)および計数手段(7)に電力を供給
    するバックアップ電源(8)とからなることを特徴とす
    る織機の同期ずれ防止装置(1)。
  2. 【請求項2】織機の主軸(2)の回転を検出して回転方
    向の判別可能なタイミング信号を発生するタイミング検
    出手段(5)と、このタイミング信号により主軸(2)
    の回転方向を判別して回転方向に応じたパルスを発生す
    る正逆判別手段(6)と、この正逆判別手段(6)から
    のパルスを加減算的に計数する計数手段(7)と、上記
    計数手段(7)の計数値を表示する表示手段(17)と、
    織機の電源遮断中に少なくとも上記タイミング検出手段
    (5)、正逆判別手段(6)および計数手段(7)に電
    力を供給するバックアップ電源(8)とからなることを
    特徴とする織機の同期ずれ防止装置(1)。
  3. 【請求項3】織機の主軸(2)の回転と同期し専用のモ
    ータで駆動される開口用選択装置(4)において、主軸
    (2)の回転を検出して回転方向の判別可能なタイミン
    グ信号を発生するタイミング検出手段(5)と、このタ
    イミング信号により主軸(2)の回転方向を判別して回
    転方向に応じたパルスを発生する正逆判別手段(6)
    と、この正逆判別手段(6)からのパルスを加減算的に
    計数する計数手段(7)と、上記開口用選択装置の開口
    駆動軸(20)の回転を検出して回転方向の判別可能なタ
    イミング信号を発生するタイミング検出手段(21)と、
    このタイミング信号により開口駆動軸(20)の回転方向
    を判別して回転方向に応じたパルスを発生する正逆判別
    手段(22)と、この正逆判別手段(22)からのパルスを
    加減算的に計数する計数手段(23)と、上記計数手段
    (7、23)の計数値を表示する表示手段(17)と、織機
    の電源遮断中に少なくとも上記タイミング検出手段
    (5、21)、正逆判別手段(6、22)および計数手段
    (7、23)に電力を供給するバックアップ電源(8)と
    からなることを特徴とする織機の同期ずれ防止装置
    (1)。
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