JP2743709B2 - 押出し・鍛造用アルミニウム合金 - Google Patents

押出し・鍛造用アルミニウム合金

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JP2743709B2 JP4143405A JP14340592A JP2743709B2 JP 2743709 B2 JP2743709 B2 JP 2743709B2 JP 4143405 A JP4143405 A JP 4143405A JP 14340592 A JP14340592 A JP 14340592A JP 2743709 B2 JP2743709 B2 JP 2743709B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、展伸用合金に匹敵する
強度をもち、鍛造加工性及び耐摩耗性に優れたアルミニ
ウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間鍛造用素材のアルミニウム合金とし
て、6061,6066,6082等の6000番台の
Al−Mg−Si合金が従来から使用されている。なか
でも、6061合金は、最も多く鍛造材として使用され
ている。しかし、6061合金は、引張り強さが27〜
33kg/mm2 であり、いわゆる中強度部材としての
用途に制約される。
【0003】6000番台のアルミニウム合金は、熱間
鍛造によって強度を向上させ且つ所定形状に成形された
後、T6 等の熱処理が施されている。ところが、熱処理
によって加工組織の再結晶粒が粗大化し、強度,伸び等
の機械的性質が低下する。熱処理による再結晶粒の粗大
化は、特に50%以上の高加工率で鍛造されたものに顕
著に発生する。
【0004】そこで、特開平1−283337号公報で
は、Mn,Cr,Zr等を添加することにより結晶粒の
粗大化を抑制することが提案されている。所定量のM
n,Cr及びZrをAl−Mg−Si系のアルミニウム
合金に複合添加するとき、鍛造,熱処理等の工程におい
て結晶粒の成長が抑制され、微細な結晶組織をもつ材料
が得られるとされている。また、特開平3−6346号
公報では、Si,Cu,Mg,Mn,Be等の成分調整
を図ることにより、鍛造工程及び熱処理工程で変色がな
く、アルミニウム合金本来の色調をもつ鍛造用合金が紹
介されている。
【0005】この6010系等のアルミニウム合金は、
押出し工程を経て鍛造用素材にされるが、耐摩耗性に劣
り、ボルトを使用した締結や鋼製部材との接合に問題が
ある。たとえば、使用中に振動,衝撃,摺動等によって
アルミ部材と鋼製部材との間で摩擦や摩耗等が生じ、締
結部の緩み,抜け落ち,破損等が生じ易くなる。そのた
め、ボルト締結部等が多い自動車用部品としては、改良
の余地がある。耐摩耗性を改善するため、本発明者等
は、Al−Si系合金にSbを添加して半連続鋳造法に
よって凝固した鋳塊を押出し加工することが有効である
ことを見い出し、特開平1−268839号公報として
紹介した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Sb添加により組織を
微細化した特開平1−268839号公報のアルミニウ
ム合金は、耐摩耗性に優れるものの、6061合金に比
較して引張り強さ,疲労強度等が低く、高強度が必要と
される構造材としての使用に若干問題が残る。
【0007】他方、特開平3−6346号公報のアルミ
ニウム合金は、Sb添加に起因するものと推察される鍛
造品表面の変色をBe添加によって抑制することを狙っ
たものであり、機械的強度や加工性に対する改良が十分
でない。
【0008】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、Si,Sb,Fe,Ti,Mg,
B及びCuの間で成分バランスを図ることにより、展伸
用合金に匹敵する鍛造後のT6 処理材で33kg/mm
2 以上の引張り強さをもち、且つ伸びも13%以上と高
い鍛造加工性及び耐摩耗性に優れたアルミニウム合金を
提供することを目的とする。
【0009】本発明の押出し・鍛造用アルミニウム合金
は、その目的を達成するため、Si:3.5〜6.5重
量%,Sb:0.05〜0.15重量%,Fe:0.2
5重量%以下,Cu:0.5〜3.5重量%,Ti:
0.01〜0.1重量%,Mg:0.2〜0.6重量%
及びB:0.0005〜0.02重量%を含有し、残部
が実質的にAlの組成をもち、マトリックスに微細なA
Cuが分散析出していることを特徴とする。このア
ルミニウム合金は、更にMn:0.05〜0.5重量
%,Cr:0.05〜0.3重量%及びSr:0.00
1〜0.05重量%から選ばれた1種又は2種以上を含
有することができる。
【0010】
【作 用】Al−Si−Mg系合金は、図1に示すよう
にSi含有量に応じて引張り強さσB や伸びδ等の引張
り特性が変化する。すなわち、Si含有量が7重量%を
超えるとき、強度が向上するものの、伸びが低下する。
逆に、4重量%未満のSi含有量では、耐摩耗性が低下
する。また、伸びは、表1に示すように共晶Siが小さ
くなると増加する傾向を示し、Sbの添加によって向上
する。
【表1】
【0011】本発明においては、Si含有量4〜7重量
%の範囲で強度,伸び及び耐摩耗性を維持するために、
Cuの添加が最も有効であることを見い出した。添加さ
れたCuは、鋳造したままの状態ではマトリックスの中
に固溶しているが、その後の加工,熱処理等によって微
細なAl2 Cu析出物となってマトリックス中に析出
し、アルミニウム合金の強度や硬さを向上させる。
【0012】この点、同様な強化を狙って使用されるM
gは、マトリックスを固溶硬化する元素であることか
ら、Cuと異なり強度の向上が図られても、伸びや加工
性を著しく低下してしまう。したがって、加工性が要求
されるアルミニウム合金に対しては、Mgを多量添加す
ることはできない。更に、添加されたCuは、鋳塊状態
でもAl−Ti−Bによる微細化効果を助長すると共
に、押出し丸棒においても熱処理後の再結晶粒が粗大化
することを抑制する作用を呈する。これにより、強度を
上昇させ、且つ伸びの低下が防止される。
【0013】マトリックスの強度や硬さが増加すること
によって、耐摩耗性に大きな影響を与える共晶Si粒子
をマトリックス中に固定する力が大きくなる。そのた
め、相手材との摺動による共晶Si粒子の剥離が防が
れ、より高い耐摩耗性が得られる。しかも、Cu添加に
伴って鋳塊の冷却速度が徐冷側に移行し、共晶Siの晶
出から凝固までの時間が長くなる。その結果、共晶Si
粒子は、丸みを帯びた形状になると共に、鋳塊内での分
布も均一になる。これによっても、耐摩耗性の向上が図
られる。
【0014】Cu添加は、鍛造性に関しても好結果をも
たらし、特に変形能の一つの指標である肌荒れの低減に
寄与する。これは、Cu添加に起因したマクロ結晶粒微
細化作用だけではなく、Sbの複合添加による共晶Si
粒子の微細化作用が相俟つた(Cu+Sb)の相乗効果
によるものである。しかも、Sbの複合添加により、伸
びの向上も図られる。
【0015】以下、本発明アルミニウム合金の合金成分
及びその含有量を説明する。 Si: 良好な鋳造性を付与すると共に、耐摩耗性を向
上させる上で有効な合金元素である。Siを3.5〜
6.5重量%含有する本発明のアルミニウム合金は、ボ
ルト締結部が多い自動車用部品として有利である。Si
含有量が3.5重量%を下回ると、鋳造性が劣化するば
かりでなく、強度,耐摩耗性が低下する。他方、6.5
重量%を超える多量のSiを含有するとき、延び,靭性
等が劣化し、鍛造加工性が悪くなる。
【0016】Sb: 共晶Siを微細にする作用を呈
し、特に鋳造・鍛造用に使用されるアルミニウム合金の
伸びを改善する。また、押出し・鍛造加工においても、
溶体化処理時間の短縮がSb添加によって可能となる。
このようなSbの作用は、0.05重量%以上含有させ
るとき顕著に現れる。しかし、0.15重量%を超える
多量の添加は、脆いSb2 Mg3 等の金属間化合物の発
生を促進させ、アルミニウム合金の加工性を劣化させ
る。したがって、Sb含有量を0.05〜0.15重量
%の範囲に設定した。
【0017】Fe: 不純物としてアルミニウム合金に
混入する元素であるFeは、Al−Fe−Si系化合物
となってマトリックスに分散し、伸び,靭性,耐食性等
に悪影響を与える。したがって、Fe含有量は、少なけ
れば少ないほど好ましい。しかし、過度にFe含有量を
下げることは、合金の溶製を困難にする。そこで、Fe
含有量は、実質的な悪影響がみられない0.25重量%
に上限を設定した。
【0018】Cu: 本発明アルミニウム合金において
重要な役割を果す合金元素であり、伸びを低下させるこ
となく機械的強度,耐摩耗性等を改善する。Cu添加に
よる強度向上は、T6 等の熱処理によって析出するCu
Al2 に起因するものである。33kg/mm2 以上の
引張り強さを得るためには、0.5重量%以上のCuを
含有させることが必要である。アルミニウム合金の強度
は、Cu含有量に比例して上昇する。しかし、3.5重
量%を超えるCu含有量では、強度改善効果が飽和し、
反対に耐食性,靭性等を劣化させる原因となる。したが
って、Cu含有量は、0.5〜3.5重量%の範囲に設
定した。
【0019】Ti: 鋳塊の組織を微細にし、鋳塊の割
れ発生を防止すると共に、オレンジピール等の塑性加工
に伴う肌荒れが鍛造品の表面に発生することを防止する
作用を呈する。このような効果は、0.01重量%以上
のTiを含有されるとき顕著に現れる。しかし、0.1
重量%を超える多量のTiを添加するとき、TiB2
TiAl3 等の巨大な晶出物が発生し易くなり、鍛造加
工時の割れや切削加工時の表面疵を発生させる。また、
多量のTi含有により、靭性の劣化もみられる。したが
って、0.01〜0.1重量%の範囲にTi含有量を定
めた。
【0020】Mg: Cuと同様にアルミニウム合金の
強度を向上させる上で、必須の合金成分である。Mgを
添加した本発明アルミニウム合金においては、T6 等の
熱処理によって微細なMg2 Siがマトリックスに析出
し、強度を向上させる。Mg含有量が0.2重量%未満
では、Mg添加による強度改善効果がほとんどみられな
い。しかし、0.6重量%を超える多量のMgを含有さ
せると、析出硬化による強度改善効果が飽和するばかり
でなく、割れ感受性,靭性等が低下し、押出し,鍛造等
の加工性が悪くなる。そこで、Mg含有量は、0.2〜
0.6重量%の範囲に設定した。
【0021】B: Tiと同様に結晶粒の微細化に有効
な合金元素であり、0.0005重量%以上の含有量で
その効果がみられる。しかし、0.02重量%を超えて
Bを含有させると、巨大なTiB2 等の晶出物が発生し
易くなり、鍛造,切削等の加工性を低下させる。そこ
で、B含有量を0.0005〜0.02重量%の範囲に
設定した。
【0022】選択成分として添加されるCr,Mn及び
Srは、次の作用を呈する。 Cr: 押出し,鍛造及び後続する熱処理時に結晶粒の
成長を抑制し、熱処理後の組織を微細にする上で有効な
合金元素である。これにより、高い強度,伸び及び靭性
が確保される。この作用は、0.05重量%以上のCr
を含有させるとき顕著にみられる。しかし、0.3重量
%を超えて多量のCrを含有させると、Al−Si−F
e−Cr系等の硬くて脆い金属間化合物の析出量が多く
なり、加工性に悪影響を与える伸び,靭性等の低下がみ
られる。したがって、Crを含有させる場合には、その
含有量を0.05〜0.3重量%の範囲に定める。
【0023】Mn: Crと同様に結晶粒の粗大化を抑
制し、強度,伸び,靭性等を改良する合金元素である。
Mn添加の効果は、0.05重量%以上で顕著になる。
しかし、0.5重量%を超えてMnを含有させると、A
l−Si−Fe−Mn系等の硬くて脆い金属間化合物の
析出量が多くなり、加工性に悪影響を与える伸び,靭性
等の低下がみられる。したがって、Mnを含有させる場
合、その含有量を0.05〜0.5重量%の範囲に定め
る。
【0024】Sr: Sbと同様に共晶Siを微細化
し、衝撃値や伸びを向上させる上で有効な合金元素であ
る。また、溶体化処理時間の短縮や鍛造性の向上にも有
効に作用する。このようなSrの作用は、含有量が0.
001重量%以上のとき顕著に現れる。しかし、0.0
5重量%を超えてSrを含有させると、金属間化合物の
発生に起因した加工性の低下や、アルミニウム溶湯に対
するガス,介在物等の混入を促進させる。したがって、
Srを含有させる場合には、その含有量を0.001〜
0.05重量%の範囲に定める。
【0025】
【実施例】表2に示した成分及び塑性をもつ各種アルミ
ニウム合金を溶製し、半連続鋳造によって外径325m
m,長さ600mmのビレットを製造した。なお、表1
における本発明例1及び2は、それぞれ請求項1及び2
で特定されたアルミニウム合金に相当する。得られたビ
レットを510℃に4時間保持した後、更に400〜4
50℃に加熱し、直径45mmの丸棒を押し出した。
【0026】
【表2】
【0027】次いで、押出し材を温度450℃及び加工
率75%で熱間鍛造し、T6 熱処理を施した。鍛造後の
6 熱処理としては、510℃に4時間保持した後、水
冷し、48時間室温に放置し、170℃で10時間焼き
戻す熱履歴を採用した。熱処理が施された各試験片につ
いて結晶組織を観察し、粒径を測定した。また、引張り
強さ,耐力及び伸びを調査した。調査結果を表3に示
す。
【0028】更に、室温で行う冷間鍛造及び350℃,
400℃,450℃の各温度で行う熱間鍛造による据込
み試験によって鍛造品表面に肌荒れ現象を観察し、その
良否に基づいて押出し丸棒の鍛造性を評価した。このと
き使用した試験片としては、冷間鍛造試験用には押出し
丸棒を410℃に1時間保持した後で徐冷した焼鈍材
を、また熱間鍛造試験用には押し出したままの丸棒を使
用した。何れの試験にあっても、押出し丸棒から削り出
された直径14mm及び高さ26mmの円柱状の試験片
を使用した。これらの試験片を、25トンの油圧電気式
サーボパルサー試験機を使用し100mm/秒の速度で
5mmの厚さまで圧縮し、加工率(据込み率)80%に
おいて測定面の肌荒れ状態を観察した。据え込み鍛造に
よって再結晶が促進され、400〜500μmの粗い再
結晶粒が発生したものもあったが、本発明合金では何れ
も150〜350μmの細かい再結晶粒であり、鍛造時
の肌荒れ防止が効果的に抑えられていた。
【0029】表面状態の観察結果を、表3に併せ示す。
なお、表3において、鍛造品の測定面が平滑で且つ金属
光沢を保っているものを◎,やや凹凸があるものの金属
光沢が維持されているものを○,全周に凹凸が発生して
いるものを△,大きな深さの凹凸が形成され金属光沢を
失っているものを×,凹凸数が多く段差が激しく、しか
も一部に割れが発生しているものをXXとして評価した。
【0030】
【表3】
【0031】表3から明らかなように、本発明例1及び
2のアルミニウム合金は、何れも33kgf/mm2
上の高い引っ張り強度をもっており、しかも鍛造後の結
晶組織が細かく、肌荒れが発生した外観を呈するものは
皆無であった。これは、Sb及びCuの相乗効果に由来
するものと推察される。すなわち、Sb添加によって共
晶Siが微細化すると共に、Al−Ti−B系金属間化
合物による微細化効果がCu添加で促進され、これらが
相乗して優れた機械的特性及び加工性が呈せられる。し
かも、伸びδの低下が小さく、耐力σ0.2 が大幅に向上
している。
【0032】これに対し、比較合金7及び9では、Cu
無添加のために強度が出ておらず、比較合金8ではAl
−Ti−B及びCu無添加のために鍛造品の肌荒れが激
しくなっている。また、比較合金10では、Sb及びC
uを添加していないことから共晶Si及び再結晶粒であ
るマクロ粒子が共に粗く、強度,伸び及び肌荒れの全て
の点において本発明合金に劣っている。
【0033】耐摩耗性の評価試験には、乾式の大越式試
験機を使用し、相手材としてFC28の回転円板を用い
た。そして、荷重2.1kg,摩擦速度1.21m/
秒,2.24m/秒及び3,88m/秒で試験片を相手
材に摺擦し、FC28の回転円板によって削り取られた
試験片の量を算出し、算出結果を表4に示した。
【表4】
【0034】表4から明らかなように、試験番号2の本
発明合金では、Cu無添加の試験番号9の合金に比較し
て、何れの速度領域においても摩耗量が小さく、耐摩耗
性が6〜22%向上していることが判る。耐摩耗性が向
上する主たる理由は、次の二つである。 Cuの添加によってマトリックスの硬さ及び強度が
高くなり、結果として耐摩耗性に最も大きく影響する共
晶Siを固定化する力が大きくなり、摩擦によって剥離
されることが防止されること。 Cuの添加によって凝固速度が低くなり徐冷される
ため、Al−Ti−Bの効果がより顕著に発現され、鋳
塊の結晶粒が微細化及び均一化されることに加え、それ
らの結晶粒界で凝固する共晶Si自体も形状が丸みを帯
びて均一な分布になること。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、Sb,Ti,B等による結晶粒微細化作用及びC
u,Mg等によるマトリックス強化を利用し、これら合
金成分の間でバランスを図った合金設計を採用すること
により、押出し加工性,鍛造加工性に優れると共に、耐
肌荒れ性及び機械的特性が良好な押出し・鍛造用アルミ
ニウム合金を得ている。このアルミニウム合金は、従来
の鍛造用アルミニウム合金に比較して引張り強さ,耐力
等が大幅に向上しているため、たとえばボルト締結部等
が多数ある自動車用構造材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Al−Si−Mg系合金の引張り強さ及び伸
びに与えるSi含有量の影響を表したグラフ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−268839(JP,A) 特開 平3−166333(JP,A) 特開 昭63−259045(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:3.5〜6.5重量%,Sb:
    0.05〜0.15重量%,Fe:0.25重量%以
    下,Cu:0.5〜3.5重量%,Ti:0.01〜
    0.1重量%,Mg:0.2〜0.6重量%及びB:
    0.0005〜0.02重量%を含有し、残部が実質的
    にAlの組成をもち、T6処理後のマトリックスに微細
    なAl2 Cuが分散析出していることを特徴とする押出
    し・鍛造用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Si:3.5〜6.5重量%,Sb:
    0.05〜0.15重量%,Fe:0.25重量%以
    下,Cu:0.5〜3.5重量%,Ti:0.01〜
    0.1重量%,Mg:0.2〜0.6重量%,B:0.
    0005〜0.02重量%を含み、更にMn:0.05
    〜0.5重量%及び/又はCr:0.05〜0.3重量
    を含有し、残部が実質的にAlの組成をもち、T6処
    理後のマトリックスに微細なAl2 Cuが分散析出して
    いることを特徴とする押出し・鍛造用アルミニウム合
    金。
  3. 【請求項3】 Si:3.5〜6.5重量%,Sb:
    0.05〜0.15重量%,Fe:0.25重量%以
    下,Cu:0.5〜3.5重量%,Ti:0.01〜
    0.1重量%,Mg:0.2〜0.6重量%,B:0.
    0005〜0.02重量%を含み、更にSr:0.00
    1〜0.05重量%を含有し、残部が実質的にAlの組
    成をもち、T6処理後のマトリックスに微細なAl2
    uが分散析出していることを特徴とする押出し・鍛造用
    アルミニウム合金。
  4. 【請求項4】 Si:3.5〜6.5重量%,Sb:
    0.05〜0.15重量%,Fe:0.25重量%以
    下,Cu:0.5〜3.5重量%,Ti:0.01〜
    0.1重量%,Mg:0.2〜0.6重量%,B:0.
    0005〜0.02重量%を含み、更にMn:0.05
    〜0.5重量%及び/又はCr:0.05〜0.3重量
    %及びSr:0.001〜0.05重量%を含有し、残
    部が実質的にAlの組成をもち、T6処理後のマトリッ
    クスに微細なAl2 Cuが分散析出していることを特徴
    とする押出し・鍛造用アルミニウム合金。
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