JPH0665732B2 - 伸び率に優れた加工用アルミニウム合金 - Google Patents

伸び率に優れた加工用アルミニウム合金

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JPH0665732B2
JPH0665732B2 JP63094408A JP9440888A JPH0665732B2 JP H0665732 B2 JPH0665732 B2 JP H0665732B2 JP 63094408 A JP63094408 A JP 63094408A JP 9440888 A JP9440888 A JP 9440888A JP H0665732 B2 JPH0665732 B2 JP H0665732B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、良好な耐摩耗性と高い伸び率を有する押出材
を得るのに適した、押出性に優れた加工用Al−Si−Mg系
アルミニウム合金に関するものである。
(従来の技術) アルミニウム合金は、軽量で加工性に優れているので各
種工業用材料に広く用いられている。ところでこのう
ち、建築、車両用材料に用いられるアルミニウム合金に
は、耐摩耗性が良好でその上衝撃吸収のための高い靭性
(伸び率)を有するアルミニウム合金材が求められてい
る。
良好な耐摩耗性を有し、且つ比較的伸び率のある鋳物用
アルミニウム合金として、AC4C鋳造用合金(Al−0.5〜
7.5%Si−0.20〜0.4%Mg)が知られているが、一般に鋳
物材は脆硬であって、押出成形加工等を経て得られる展
伸材に比べて伸び率が低い。このため合金中にナトリウ
ム、ストロンチウム、アンチモン等の接種剤を添加して
鋳造に際して合金組織中に晶出する共晶珪素を微細化
し、伸び率の向上を図っているが上記した建築、車両用
の用途に対して未だ十分に対応し得るような靭性を持っ
たアルミニウム合金材料が得られていない。
一方、展伸加工材を得るための加工用アルミニウム合金
において、上記したAC4C合金と同等以上の耐摩耗性を有
する合金としては、4032合金(Al−11.0〜13.5%Si−0.
50〜1.3%Cu−0.8〜1.3%Mg−0.50〜1.3%Ni)が知られ
ているが、この合金は押出加工性が低く、また耐食性も
上記AC4C合金より劣るものである。
このため、良好な押出加工性を有し、AC4C合金と同等ま
たはそれ以上の耐摩耗性を備え、且つ高い伸び率を有す
るバランスのとれた加工用アルミニウム合金の開発が要
望されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、アルミニウム合金材の建築、車両等への利用
に関しての上記した問題点に鑑みてなされたものであっ
て良好な耐摩耗性と高い伸び率を有するアルミニウム押
出材を得るのに好適で、且つ優れた押出加工性を有する
加工用アルミニウム合金を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた
結果、珪素を特定の含有量の範囲において含有するAl−
Si−Mg系合金に、ごく少量のアンチモンを加えて急冷凝
固した鋳塊は押出性が良好で、得られた押出材は良好な
耐摩耗性を有し、且つ熱処理を施すことによって高い伸
び率を付与することができることなどを見出し本発明を
完成した。
即ち、本発明は、重量換算でSi4.0〜8.0%、Mg0.2〜0.6
%、Sb0.05〜0.15%、Ti0.001〜0.1%、B0.0001〜0.01
%を含有し、さらに必要に応じてMn0.03〜0.6%およびC
r0.03〜0.3%の1種または2種を含有し、残部Alおよび
不純物からなり、共晶珪素のサイズが平均粒径で20μm
以下であることを特徴とする伸び率に優れた加工用アル
ミニウム合金である。
(作 用) 本発明の合金の含有成分およびその限定理由について説
明する。
Si4.0〜8.0% 珪素は、耐摩耗生を付与するための元素であって、その
含有量が下限値以下では効果が少なく、また上限値以上
となると、以下に述べるアンチモンを添加して急冷凝固
させることによって共晶珪素のサイズを微細なものとし
ても、その量的割合が多すぎるために加工性を低下させ
る。
Mg0.2〜0.6% マグネシウムは、珪素と共存させることによって熱処理
後Mg2Si化合物を形成して、合金の強度を高める作用を
有する元素であって、その含有量が下限値以下ではその
効果が少なく、また上限値以上になるとMg2Si化合物の
晶出物が粗大化し易く、そのため加工性の低下を招く。
Sb0.05〜0.15% アンチモンは、爾後の急冷凝固と相まって共晶珪素を微
細化して、押出加工性をを良好にするとともに、加工後
の合金材において熱処理後高い伸び率を付与するために
必要な元素であって、その含有量が下限値以下ではその
効果が少なく、上限値以上となるとMg−Sb系化合物が晶
出し、加工性を低下させる。なお、Siを含む鋳造用アル
ミニウム合金において、しばしば合金中に添加されアン
チモンと同様の共晶珪素の微細化効果を有するナトリウ
ム、ストロンチウムを本発明の合金に添加した場合に
は、微細化作用は発揮されるものの、微細化された共晶
珪素の分布に偏在を生じやすく、このため合金組織が不
均一になって押出加工性の低を招くので好ましくない。
Ti0.001〜0.1% B0.0001〜0.01% チタンおよびボロンは、鋳塊の鋳造組織を微細化し、鋳
造割れの発生を防止するための元素であって、その含有
量が下限値以下ではその効果が少なく、また上限値以上
となると鋳塊組織中にAl−Ti系化合物またはTi−B系化
合物の晶出物を生成し、この晶出物が材料の疲労亀裂起
点および亀裂伝播経路になって疲労強度の低下を招く。
Mn0.03〜0.6% Cr0.03〜0.3%の1種または2種 マンガンおよびクロムは、押出加工によって形成される
押出材および熱処理時の再結晶粒の粗大化を防止して高
い強度を有する押出材を得るために必要に応じて添加さ
れる元素であって、その含有量が共に下限値以下である
ときはその効果が少なく、また上限値以上になると脆硬
なAl−Cr系化合物またはAl−Si−Fe(Mn)系化合物の粗
大な晶出物を生成して押出材の伸び率を低下させる。
本発明においては上記した合金組成を有するアルミニウ
ム合金において、合金中に晶出している共晶珪素のサイ
ズを平均粒径で20μm以下にすることが必須の要件であ
る。共晶珪素のサイズをこのようなサイズにすることに
よって、本来押出加工が困難であるSi含有アルミニウム
合金において、その加工性を改善するとともに得られた
押出材における伸び率特性を向上させることができるの
である。
そして、このようなサイズの共晶珪素を含む組織の鋳塊
を得るためには、アンチモンの存在のもので合金溶湯の
凝固速度を0.5℃/秒以上とすることが必要である。そ
して凝固速度が早いほど共晶珪素のサイズおよび合金組
織が微細となるので好ましく、このような急冷凝固は通
常の連続水冷鋳造で得られる。
このようにして得られた鋳塊は、常法によって均質化処
理した後、良好な押出性を以て押出加工を行なうことが
でき、伸び率の高い押出材を得ることができる。また得
られた押出材における耐摩耗性も従来通り良好である。
さらにまた本発明の合金によって得られた押出材は共晶
珪素が微細化し、均一に分散しているため硫酸陽極皮膜
を施すと灰色の落着いた色調の美麗な着色材が得られる
ので建築材料として好適である。また本発明の合金は、
その伸び率が高い性質を利用して加工率の大きい冷間お
よび熱間鍛造加工を行なうことも可能である。
実施例1 第1表に示す合金番号1〜6は、本発明の押出加工用ア
ルミニウム合金であって、合金溶湯で常法によって溶製
した後、水冷鋳型を用いた連続水冷鋳造法で203mmφの
ビレットを鋳造して得られたものである。合金番号7〜
10は、比較のための合金であって、このうち7〜9は金
型を用いた重力鋳造法で100mmφのビレットを鋳造して
得たものである。合金番号10は、アンチモンを含有して
いない合金番号2に相当する合金であって、上記の合金
番号1〜6の場合と同様の条件で203mmφのビレットを
鋳造して得られたものである。このようにして鋳造した
各々のビレットの共晶珪素のサイズを第1表に示す。ま
た次に示す方法により各合金の押出性、得られた押出材
の耐摩耗性および機械的性質などの諸特性値を測定し
た。結果を第1表および第2表に示す。
第1表および第2表の結果から、共晶珪素のサイズが20
μm以下の本発明の合金は、押出加工性が良好で、得ら
れた押出材に熱処理を施したものは、耐摩耗性と中程度
以上の引張強さがあり、しかも伸び率の高い特性を有す
るものであることが判かる。
そして、これに対して共晶珪素サイズが20μm以上ある
比較例の合金は、たとえば合金番号7〜9に示すように
それぞれの合金組成が本発明における合金番号1〜3と
同じであっても、押出圧力が高く押出性において劣り、
しかも得られた押出材は熱処理後においても伸び率にお
いて劣ること、また合金番号10のようにアンチモンの含
有が無い合金は、それ以外は本発明における合金番号2
と同様の組成で、しかも同様の製造条件を経たとしても
本発明の合金2よりも押出性が低く、また押出材の機械
的性質中、特に伸び率の特性値がが著しく低いこと、即
ち本発明のアンチモンの添加によって得られた押出材に
おける伸び率は飛躍的に向上するものであることが判か
る。
実施例2 実施例1における合金番号1〜6の合金を実施例1と同
じ条件で鋳造し、押出加工して得られた押出材につい
て、据込鍛造率(100−鍛造後の試料の厚さ/鍛造前の
試料の厚さ×100)70%で鍛造を行なったところ亀裂等
の欠陥を生ずることなく容易に鍛造を行なうことができ
た。
また得られた鍛造材を520℃の温度に10時間保持して溶
体化処理し、次いで170℃の温度に5時間保持して焼戻
し処理した試料について、機械的性質ならびに再結晶粒
の平均粒径を測定した。測定結果を第3表に示す。
第3表の結果から、本発明(合金番号1〜6)による押
出材を使用して鍛造を行なっ場合には、得られたた鍛造
材は、同様に伸び率が高く、また特にマンガンおよびク
ロムの少なくとも1種を含有した合金(合金番号4〜
6)においては、マンガンおよびクロムを含有していな
い合金(合金番号1〜3)よりも引張強さにおいて一段
と大きい製品が得られることが判る。
(発明の効果) 以上述べたように、適量のアンチモンを加え且つ鋳造条
件を調整することによって、共晶珪素のサイズを20μm
以下になるようにした本発明によるAl−Si−Mg系加工用
アルミニウム合金は、押出性に優れ、得られた押出材は
熱処理を施すことによって中程度の強度と、この系の合
金に特有の良好な耐摩耗性を維持しつつ、しかも高い伸
び率を付与することができるので衝撃等に対して強く、
建築、車両分野に使用される各種部材用として好適であ
る。
また得られた押出材は伸び特性が優れているところか
ら、高い鍛造率をもって鍛造を行なうことができるので
複雑形状を持った部材製造用の素材としても使用するこ
とができるなどその利点は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審判の合議体 審判長 長瀬 誠 審判官 山岸 勝喜 審判官 寺本 光生 (56)参考文献 特開 昭61−110743(JP,A) 特開 昭62−149839(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量換算で、Si4.0〜8.0%、Mg0.2〜0.6
    %、Sb0.05〜0.15%、Ti0.001〜0.1%、B0.0001〜0.01
    %を含有し、残部A1および不純物からなり、共晶珪素の
    サイズが平均粒径で20μm以下であることを特徴とする
    伸び率に優れた加工用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】重量換算で、Si4.0〜8.0%、Mg0.2〜0.6
    %、Sb0.05〜0.15%、Ti0.001〜0.1%、B0.0001〜0.01
    %を含有し、さらにMn0.03〜0.6%およびCr0.03〜0.3%
    の1種または2種を含有し、残部A1および不純物からな
    り、共晶珪素のサイズが平均粒径で20μm以下であるこ
    とを特徴とする伸び率に優れた加工用アルミニウム合
    金。
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