JP3731911B2 - 表面性状の優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法およびアルミニウム合金製二輪車用フレーム - Google Patents

表面性状の優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法およびアルミニウム合金製二輪車用フレーム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、表面性状の優れたアルミニウム合金押出材、とくに二輪車のフレームなどの溶接構造材として適用され、陽極酸化処理(アルマイト処理)後の光輝性に優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法およびアルミニウム合金製二輪車用フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
オートバイフレームや自転車フレームなど二輪車用フレームには、軽量化の観点からアルミニウム合金押出材が多く使用されている。アルミニウム合金製二輪車用フレームは、アルミニウム合金押出材をアーク溶接により組み立てる溶接構造であり、通常、装飾性をもたせるためにアルマイト処理が施される。
【0003】
従来、例えばオートバイフレーム用アルミニウム合金としては、優れた強度、押出性、溶接性、耐応力腐食割れ性が要求されることから、JIS A 7N01合金あるいはJIS A 7003合金が用いられているが、これらの合金は、表面粗度やアルマイト処理後の光輝性などの表面性状が劣り、押出加工中あるいは押出加工直後に再結晶するために、押出材表面に粗粒組織(注:粗大成長した結晶組織が浮き出て観察される組織)が発生して表面性状を劣化させ、曲げ加工において肌荒れが生じ易いなどの難点がある。
【0004】
オートバイフレーム用アルミニウム合金として、Zn3 〜8 %、Mg0.4 〜1.8 %、Cu0.05〜0.4 %、Cr0.03〜0.12%、Zr0.05〜0.4 %を必須成分として含有し、選択成分として少量のMn、Ti、Bを含む合金が開発されている。(特開昭60-194041 号公報) しかしながら、この合金はCrを必須成分として含有するためにCr系の化合物が発生し、押出材の表面粗度を低下させるという問題点がある。
【0005】
Zn3 〜15%、Mg0.3 〜5 %、Cu0.05〜3 %を必須成分として含有し、選択成分として少量のZr、Mn、Cr、Ti、B、Vを含むオートバイリム用のアルミニウム合金も提案されている(特開平2-47235 号公報) が、この合金も、押出後の表面粗度が必ずしも良好ではなく、アルマイト処理後の光輝性にも問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、オートバイフレーム用アルミニウム合金押出材における上記従来の問題点を解消するために、Zn、Mg、Cuを基本成分として含むアルミニウム合金について、これらの必須成分およびその他の選択成分の組み合わせ、押出材の組織状態と、材料に要求される特性、とくに表面性状との関係について多面的な実験検討を行った結果としてなされたものであり、その目的は、強度、押出性、溶接性、耐応力腐食性に優れるとともに、表面粗度、アルマイト後の光輝性も良好で、オートバイフレームのみでなく、自動車バンパーやベッドのフレームなどの溶接構造用素材としても好適に使用できる表面性状の優れたアルミニウム合金押出材とその製造方法およびアルミニウム合金製オートバイフレームを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による表面性状の優れたアルミニウム合金押出材は、Zn:5.3〜6.3 %、Mg:0.5〜1.2 %、Cu:0.05 〜0.2 %、Mn:0.56 〜1.0 %、Zr:0.05 〜0.25%を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなり、(Mg+Cu)/Znの含有量比を0.10〜0.25としたアルミニウム合金押出材であって、該押出材の内部組織が繊維状組織であり、再結晶層の押出材表面からの深さが平均で150 μm 以下、押出材表面の平均粗さが1.0 μm 以下であることを構成上の特徴とする。
【0008】
また、アルミニウム合金押出材が、さらにV:0.01 〜0.15%、希土類金属:0.02 〜3.0 %のうちの1種以上を含むこと、アルミニウム合金押出材が、さらにTi:0.005〜0.1 %、B:0.0001 〜0.08%のうちの1種以上を含むこと、およびアルミニウム合金材が陽極酸化処理され、優れた光輝性をそなえていることを構成上の第2、第3および第4の特徴とする。
【0009】
本発明による表面性状の優れたアルミニウム合金押出材の製造方法は、上記のアルミニウム合金を、押出前に粒径が0.5 μm 以下のMn系化合物が合金マトリックス中に8 個/1 μm2以上分散するよう調整し、押出温度400 〜560 ℃、押出速度2 〜20m /分で押出加工することを特徴とし、本発明によるアルミニウム合金製オートバイフレームは、上記アルミニウム合金押出材からなり、表面に陽極酸化皮膜が形成され光輝性をそなえていることを特徴とする。
【0010】
本発明のアルミニウム合金押出材の含有成分の意義および含有範囲について説明すると、Znは合金の強度を向上させる最も重要な元素である。好ましい含有範囲は5.3 〜6.3 %で、5.3 %未満では強度向上の効果が十分でなく、含有量が6.3 %を越えると応力腐食割れが生じ易くなる。
【0011】
Mgは、Znと共存して強度を向上させる。好ましい含有範囲は0.5 〜1.2 %であり、0.5 %未満ではその効果が十分でなく、1.2 %を越えて含有すると、押出加工性が低下し、押出材の表面粗度が大きくなるとともに、耐応力腐食割れ性も低下する。さらに好ましい含有範囲は0.6 〜1.0 %であり、0.6 〜0.9 %の範囲で含有させるのが最も好ましい。
【0012】
Cuは主として耐応力腐食割れ性を向上させる元素である。好ましい含有量は0.05〜0.2 %の範囲であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.2 %を越えて含有すると、溶接時、溶接部に微細割れが生じ易くなる。
【0013】
Mnは、押出材の表面粗度およびアルマイト処理後の光輝性を向上させる元素である。好ましい含有範囲は0.56〜1.0 %で、0.56%未満では、Mn系化合物の析出分散量が少なく、押出ダイスとの潤滑性を十分に向上させることができないため、押出材の表面粗度が大きくなる。1.0 %を越えて含有すると、押出材の焼入れ感受性が高くなるため、十分な強度が得られなくなるおそれがある。さらに好ましい含有範囲は0.65〜0.9 %の範囲であり、0.65〜0.8 %の範囲で含有させるのが最も好ましい。
【0014】
Zrは、押出加工中あるいは押出加工直後の再結晶を抑制し、安定して繊維状内部組織を形成させ、粗粒組織の発生や曲げ加工時の肌荒れを防止する効果を有する。好ましい含有範囲は0.05〜0.25%であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.25%を越えると、押出加工性が低下し、押出材の表面粗度が大きくなる。さらに好ましい含有範囲は0.1 〜0.25%であり、0.1 〜0.20%の範囲で含有させるのが最も好ましい。
【0015】
選択成分として添加されるVおよび希土類金属は、合金の耐応力腐食割れ性を向上させるものであり、好ましくは、V: 0.01〜0.15%および希土類金属:0.02 〜3.0 %の範囲で添加する。それぞれ下限未満ではその効果が小さく、上限を越えると押出材の表面性状を低下させる傾向がある。なお、希土類金属は、上記の範囲の添加により合金の耐溶接割れ性をも高める効果も有する。
【0016】
TiおよびBは、組織を微細化して表面粗度を高める効果を有する。好ましい添加範囲は、Ti:0.005〜0.1 %、B:0.0001 〜0.08%であり、それぞれ下限未満ではその効果が小さく、上限を越えて添加されると、粗大晶出物が形成されて表面粗度が大きくなり易い。
【0017】
本発明のアルミニウム合金押出材に不可避的に含まれるFeおよびSiは、それぞれ0.20%以下に限定するのが好ましく、Feの含有量が0.20%を越えると、Fe系化合物の析出により押出材の表面粗度が大きくなるとともに、アルマイト処理後の光輝性が低下し易く、Siの含有量が0.20%を越えると、アルマイト皮膜の透明度が低下し光輝性がわるくなる。なお、本発明のアルミニウム合金押出材には、0.5 〜2.0 %の範囲のNiを添加して耐熱性を向上させ、0.1 〜2.0 %の範囲のPbを添加して切削性を向上させることができる。
【0018】
不可避的に含まれるCrについても、0.04%以下に限定し、さらに好ましくは0.02%以下に制限するのがよい。Crの含有量が多い場合にはCr系化合物が発生して押出材の表面粗度が大きくなり、アルマイト処理後の光輝性も低下し易くなる。
【0019】
また、本発明においては、必須合金成分として含有されるZn、MgおよびCuの量的関係を、(Mg+Cu)/Zn:0.10 〜0.25の範囲に限定することが必要であり、この範囲において表面性状に優れたアルミニウム合金押出材を得ることができる。上記の比は0.10未満では、Mgおよび/またはCuの含有量が低くなり過ぎ、強度や耐応力腐食割れ性がわるくなり、0.25を越えると表面粗度が大きくなり易い。
【0020】
さらに、本発明のアルミニウム合金押出材では、内部組織が繊維状組織であり、再結晶層の押出材表面からの深さが平均で150 μm 以下、押出材表面の平均粗さが1.0 μm 以下であることが要件となる。内部組織に再結晶組織の範囲が多くなると、耐応力腐食割れ性が低下するとともに、粗粒組織が発生して曲げ加工時に肌荒れが生じ易くなるため、再結晶層の範囲を押出材表面からの深さが平均で150 μm 以下となるよう調整することが必要となる。表面粗さが1.0 μm を越えると、オートバイリム、自動車バンパー、ベッドフレームなど装飾性を要求される用途への適用が難しくなる。
【0021】
本発明のアルミニウム合金押出材の製造方法について説明すると、前記の組成を有するアルミニウム合金を、通常の方法に従って溶解、連続鋳造してビレットを製造し、均質化処理、熱間押出を行い、それぞれの用途に応じて所定形状に成形加工を行ったのち時効処理し、あるいは成形加工に続いて溶接による組み立てを行ったのち時効処理し、最後に、通常はアルマイト処理を行う。
【0022】
上記の製造工程において、本発明では、押出加工前に粒径が0.5 μm 以下のMn系化合物が合金マトリックス中に8 個/1 μm2以上分散するよう調整し、押出温度400 〜560 ℃、押出速度2 〜20m /分で押出加工することによって、上記の特性、表面性状および組織状態をそなえたアルミニウム合金押出材を得ることができる。さらに好ましい押出温度は420 〜550 ℃であり、450 〜540 ℃の範囲が最も好ましい。
【0023】
押出加工前に粒径が0.5 μm 以下のMn系化合物が合金マトリックス中に8 個/1 μm2以上分散させることにより、押出加工時、材料とダイス間の潤滑特性が向上し、成形された押出材の表面性状が良好となる。上記Mn系化合物の析出分散度は、アルミニウム合金ビレットの合金組成に応じ、均質化処理条件を温度400 〜480 ℃、時間4 〜24時間の範囲で調整することにより得られる。さらに好ましい均質化処理温度は420 〜480 ℃であり、440 〜480 ℃が最も好ましい。なお、Mn系化合物は押出加工前は板状に析出し、合金材の押出加工に際してダイス潤滑性を高め、押出後は球状に変化する。
【0024】
さらに、所定の特性、表面性状および組織状態をそなえた本発明のアルミニウム合金押出材の製造は、材料組成に応じて押出温度および押出速度を組み合わせ、選定することにより達成される。押出温度が押し出される合金に対して高過ぎる場合には、とくにZr系の化合物が凝集粗大化するため、再結晶抑制効果が低下し、所望の組織状態を得ることができず、表面粗度が大きくなる。押出温度が低過ぎる場合には、押出材に空冷で焼きが入らず、強度が不十分となる。押出速度が早過ぎる場合は、加工熱により材料温度が上昇して押出温度の制御が困難となり易く、押出速度が低過ぎる場合は生産性がわるくなり好ましくない。
【0025】
【作用】
本発明においては、強度、押出性、溶接性、耐応力腐食割れ性に優れたAl−Zn−Mg−Cu系合金にMnおよびZrを添加し、(Mg+Cu)/Znの含有量比を所定範囲に限定することによって、押出材の表面性状を向上させアルマイト後の光輝性を高めるとともに、内部組織を範囲に制御して表面性状および加工性の安定化を図り、オートバイフレーム、自動車バンパー、ベッドフレームなど、上記特性に加え、装飾性も要求される用途に適したアルミニウム合金押出材が得られる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1
表1に示す組成を有するアルミニウム合金を常法により溶解し、半連続鋳造法により直径155mm の押出用ビレットを鋳造した。ビレットを470 ℃で6 時間均質化処理したのち、500 〜540 ℃の温度域に再加熱し、押出速度6m/ 分の条件で、ポートホール押出法により、外径22mm、内径18mmの環状に押出成形した。
【0027】
これらの押出材を冷却後、3日間自然時効させ、さらに100℃で3時間、ついで150℃で4時間の2段人工時効を施すことにより試験材とし、これら試験材について、引張強さ、表面粗度を測定し、硫酸溶液中でのアルマイト処理後の光輝性を目視により観察し、JIS H 8711に準拠した応力腐食割れ試験を行い、耐応力腐食割れ性を評価した。結果を表2に示す。なお、表2において、試験材No.5およびNo.7は参考例として示す。表2にみられるように、本発明に従って製造された試験材No.1〜4、6は、いずれも強度、耐応力腐食割れ性に優れ、表面粗度は小さく、アルマイト処理後に良好な光輝性を示した。
【0028】
【表1】
Figure 0003731911
【0029】
【表2】
Figure 0003731911
【0030】
比較例1
表3に示す組成を有するアルミニウム合金を実施例1と同様に溶解、鋳造、均質化処理を行ったのち、実施例1と同一の条件で押出成形、時効処理を行い、試験材を作製した。これらの試験材について、実施例1と同様の方法で引張強さ、表面粗度を測定し、アルマイト後の光輝性、耐応力腐食割れ性を評価した。結果を表4に示す。なお、表3において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
【0031】
【表3】
Figure 0003731911
【0032】
【表4】
Figure 0003731911
【0033】
表4に示されるように、試験材No.8はZn含有量が少ないため強度が十分でなく、試験材No.9はZn量が多いため、耐応力腐食性が劣る。試験材No.10 はMg量が低いため強度が不十分である。試験材No.11 は、Mgの含有量が多く、(Mg+Cu)/Znの比率も本発明の限定範囲を越えているため、表面粗度が大きく、耐応力腐食割れ性も劣る。試験材No.12 はCu量が少ないため耐応力腐食性が劣り、試験材No.13 はMn量が少ないため、Mn系析出物の分散量が少なくなって押出ダイスとの潤滑性が十分でなく、表面粗度が大きくなる。
【0034】
試験材No.14 はMnの含有量が多過ぎ、焼入れ感受性が高くなるため、強度が低く、試験材No.15 は(Mg+Cu)/Znの比率が高く、Zr量も本発明の範囲を越えているため、表面粗度、アルマイト処理後の光輝性が劣る。試験材No.16 は、Crに含有量が多いため表面粗度が大きくなり、試験材No.17 、No.18 はSi、Feが多く含まれるために光輝性が劣化する。試験材No.19 はJIS A 7N01に相当する合金材で、Zn、Mg、Mn量が本発明の範囲を外れ、Crも多く含まれているため、表面粗度が大きくアルマイト処理後の光輝性も劣る。試験材No.20 はJIS A 7003に相当する合金材で、Mn量が少なくFeの含有量が多いため、表面粗度およびアルマイト処理後の光輝性が劣る。
【0035】
実施例2
表1のNo.1およびNo.5のアルミニウム合金鋳塊を使用し、均質化処理条件、押出条件を変えて試験材を作製した。各試験材について、押出加工前のMn系化合物の個数、押出材の再結晶層の押出材表面からの平均深さを測定し、実施例1と同様に、引張強さ、表面粗度の測定を行い、アルマイト処理後の光輝性の観察、耐応力腐食割れ性の評価を行った。結果を表5、表6に示す。なお、表5において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
【0036】
【表5】
Figure 0003731911
【0037】
【表6】
Figure 0003731911
【0038】
表5および表6に示されるように、本発明に従って作製された試験材No.21 およにNo.22 はいずれも優れた強度、表面粗度、アルマイト処理後の光輝性および耐応力腐食割れ性を示したが、試験材No.23 は、合金組成に対する均質化処理温度が高過ぎるため、再結晶抑制効果が低下して全面再結晶組織となり、耐応力腐食性がわるい。試験材No.24 は、均質化処理温度が低過ぎるために押出加工前の合金マトリックス中のMn系化合物の析出量が少なく押出ダイスの潤滑が不十分となり、押出材の表面粗度およびアルマイト処理後の光輝性が劣る。試験材No.25 は、押出温度が高いためZr系化合物が凝集粗大化し、再結晶抑制効果が低下し再結晶層が多くなり、耐応力腐食割れ性を劣化させる。試験材No.26 は押出温度が低いため、十分な焼きが入らず、強度が劣っている。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、強度、押出性、溶接性、耐応力腐食性に加え、押出後の表面粗度およびアルマイト処理後の光輝性に優れたアルミニウム合金押出材およびその製造方法が提供される。本発明によるアルミニウム合金押出材は、装飾性を要求されるオートバイフレーム、自転車フレームのような二輪車用フレーム、自動車バンパー、ベッドのフレームなどの用途に好適である。

Claims (6)

  1. Zn:5.3〜6.3 %(質量%。以下同じ)、Mg:0.5〜1.2 %、Cu:0.05 〜0.2 %、Mn:0.56 〜1.0 %、Zr:0.05 〜0.25%を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなり、(Mg+Cu)/Znの含有量比を0.10〜0.25としたアルミニウム合金押出材であって、該押出材の内部組織が繊維状組織であり、再結晶層の押出材表面からの深さが平均で150 μm 以下、押出材表面の平均粗さが1.0 μm 以下であることを特徴とする表面性状の優れたアルミニウム合金押出材。
  2. アルミニウム合金押出材が、さらにV:0.01 〜0.15%、希土類金属:0.02 〜3.0 %のうちの1種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の表面性状の優れたアルミニウム合金押出材。
  3. アルミニウム合金押出材が、さらにTi:0.005〜0.1 %およびB:0.0001 〜0.08%のうちの1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜2記載の表面性状の優れたアルミニウム合金押出材。
  4. アルミニウム合金押出材が陽極酸化処理され、優れた光輝性をそなえていることを特徴とする請求項1〜3記載の表面性状の優れたアルミニウム合金押出材。
  5. 請求項1〜3記載のアルミニウム合金を、押出前に粒径が0.5 μm 以下のMn系化合物が合金マトリックス中に8 個/1 μm2以上分散するよう調整し、押出温度400 〜560 ℃、押出速度2 〜20m /分で押出加工することを特徴とする表面性状の優れたアルミニウム合金押出材の製造方法。
  6. 請求項1〜3記載のアルミニウム合金押出材からなり、表面に陽極酸化皮膜が形成され光輝性をそなえたアルミニウム合金製二輪車用フレーム。
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