JP4511156B2 - アルミニウム合金の製造方法と、これにより製造されるアルミニウム合金、棒状材、摺動部品、鍛造成形品および機械加工成形品 - Google Patents

アルミニウム合金の製造方法と、これにより製造されるアルミニウム合金、棒状材、摺動部品、鍛造成形品および機械加工成形品 Download PDF

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Description

本発明は、自動車他に用いる摺動部品であって陽極酸化皮膜の硬さ及び厚さを必要とされ、且つクラックが発生せず、耐摩耗性が要求される部品を提供することができるアルミニウム合金の製造方法と、これにより製造されるアルミニウム合金、棒状材、摺動部品、鍛造成形品および機械加工成形品に関する。
従来より、自動車部品の中でも特にADC12、AC4C、A390、Al−Si系の鋳物材や、A4032合金のAl−Si系展伸材用の合金では、押出材、鍛造材をT6処理後機械加工後、陽極酸化処理を施した後、部品として使用されている。
Al−Si系の鋳物材及びAl−Si系展伸材用の合金では、耐摩耗性、強度向上のためCu、Mgの含有量を調整している。
上記の合金材は耐摩耗性及び強度向上を目的とし、Cuが多く含まれているが、陽極酸化処理皮膜の厚さ及び硬さを出す事が難しいとされている。
また、不純物としてNiを0.05%未満に制限した提案もなされている(特許文献1など)。
特許文献1はSi:6〜12%(重量%以下同じ)、Fe:0.1〜1.0%、Cu:1.0〜5.0%、Mn:0.1〜1.0%、Mg:0.4〜2.0%、Ti:0.01〜0.3%、Sr:0.005〜0.2%を含有し、不純物としてNiを0.05%未満に制限し、残部Al及び不純物からなり、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の平均粒径が1.5〜5.0μmであり、該平均粒径の共晶Si粒子が5000個/mm2以上10000個/mm2未満存在していることを特徴としている。
特開平10−204566号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の材料は陽極酸化処理時の皮膜の硬さが低く、具体的にはHv310〜370程度に過ぎないものであった。
したがって、従来のAl−Si系合金では、陽極酸化処理をせずに使用する部品が主力であり、陽極酸化皮膜を必要とする部品では、皮膜が形成されることができれば皮膜硬さを要求されないような部品(箇所)に適用されており、著しく適用に制限があり、市場の要求に応えることが困難とされていた。
尚、陽極酸化処理性の良い6000系合金及び5000系合金においては、皮膜を30μm以上施した場合、皮膜にクラックが発生し、使用に適さない状態となる。
そこで、本発明は、自動車他に用いる摺動部品であって陽極酸化皮膜の硬さ及び厚さを必要とされ、且つクラックが発生せず、耐摩耗性が要求される部品を提供することができるアルミニウム合金の製造方法と、これにより製造されるアルミニウム合金、棒状材、摺動部品、鍛造成形品および機械加工成形品を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、Al−Si系アルミニウム合金とその表面に形成される陽極酸化皮膜の特性について鋭意研究をおこないその知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
本発明は、まず、形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となるように陽極酸化処理することを特徴とするアルミニウム合金の製造方法である。
また、形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.8〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上となるように陽極酸化処理することを特徴とするアルミニウム合金の製造方法である。
また、上記陽極酸化皮膜構成を実現するための具体的な母材(鋳塊)の組成並びに性状は、Si:5〜12%(質量%以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%を含有し、残部Al及び不純物からなり、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm2以上40000個/mm2未満存在するように、連続鋳造方式で鋳造して得られる。特に、この連続鋳造方式において、初晶Siの状態は、鋳塊の外周から鋳造径の半径の20%以下の位置まで不存在であり、平均粒径が30μm以下、面積占有率が0.8%以下となるようにする。
また、溶湯温度および鋳造速度を制御することで凝固速度を速めた連続鋳造方式で鋳造して鋳塊を得ることも好ましい。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Si:9〜12%の場合に共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで80%以上を占めることが好ましい。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Cuを実質的に含有しないことが好ましい。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有することが好ましい。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有することが好ましい。
また、上記連続鋳造方式で鋳造する鋳塊は、棒状材であることが好ましい。
また、上記連続鋳造方式で鋳造する鋳塊は、棒状材であって、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工を行う前に、棒状材を押出し加工又は押出し、引抜き加工することが好ましい。
また、本発明は、上記製造方法により製造されることを特徴とするアルミニウム合金である。
また、本発明は、上記製造方法により製造されることを特徴とする棒状材である。
また、本発明は、上記製造方法により製造されることを特徴とする摺動部品である。
また、本発明は、上記製造方法により製造されることを特徴とする鍛造成形品である。
また、本発明は、上記製造方法により製造されることを特徴とする機械加工成形品である。
なお、上記製造方法により製造されたアルミニウム合金は、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.8〜5.5μmの幅で存在させ、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上とした陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金となる。
また、陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品となる。
このほか、本発明は、上記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、陽極酸化処理するものである。
勿論本発明における陽極酸化皮膜はクラックを発生することがない。尚、上記皮膜厚さや皮膜硬さは、単なる目標品質などではなく、陽極酸化皮膜中の共晶Si粒子の粒径分布とCu量の制限に着目し、且つ制御することにより、達成し得るものである。
本発明は、陽極酸化処理により形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在するアルミニウム合金の製造方法であって、自動車の部品やその他陽極酸化皮膜の硬さ及び厚さを必要とされ、且つクラックが発生せず、耐摩耗性が要求される部品に好適に利用することができる硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
また、このアルミニウム合金は、特殊な陽極酸化処理をしなくても十分な硬さが得られるので、陽極酸化処理をせずに使用する部品にも適用できる。
また、陽極酸化処理により形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.8〜5.5μmの幅で存在するアルミニウム合金の製造方法であって、より硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
特に、上記陽極酸化皮膜構成を実現するための具体的な母材(鋳塊)の組成並びに性状は、Si:5〜12%(質量%以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%含有し、残部Al及び不純物からなり、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm2以上40000個/mm2未満存在し、さらにより硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。初晶Siの状態は、鋳塊の外周から鋳造径の半径の20%以下の位置まで不存在であり、平均粒径が30μm以下、面積占有率が0.8%以下であり、陽極酸化処理時に電流の流れが一定となって、皮膜厚さが均一となり、皮膜に緻密性が増して、十分な皮膜硬度が得られる。
また、溶湯温度および鋳造速度を制御することで凝固速度を速めた連続鋳造方式で鋳造して鋳塊を得ることで、所望の共晶Siの発生状態を得られる。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Si:9〜12%の場合に共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで80%以上を占めれば、さらにより硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Cuを実質的に含有しないようにすれば、さらに陽極酸化処理性が向上し、さらにより硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を提供することができる。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有すれば、Mn,Cr,Zr,Vの含有により、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系,Al−Cr系やAl−Cr−Fe−Si系,Al−Zr系,Al−V系の粒子を析出して再結晶粒を微細化し、加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を成形できる。また、Mn,Cr,Zr,Vの含有は、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系,Al−Cr系やAl−Cr−Fe−Si系,Al−Zr系,Al−V系の粒子を析出し、摺動部品の成形後の熱処理での再結晶を抑制し、摺動部品の延性、靭性を向上する。
また、上記母材(鋳塊)の組成は、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有すれば、Ti,Bを含有する場合には、鋳塊の組織を微細化し、鋳造時の鋳塊割れを防止するので、本発明のアルミニウム合金を安定して鋳造することができ、さらに、鋳塊の加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を成形することができる。Srを含有する場合には、共晶Si粒子の微細化し、本発明のアルミニウム合金の延性、靭性を向上することができる。
連続鋳造法で鋳造された鋳塊が棒状材であれば、このアルミニウム合金から硬さに優れ耐摩耗性を有する摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
連続鋳造法で鋳造された棒状材を押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工を行う前に、押出し加工又は押出し、引抜き加工すれば、後工程が、鍛造工程を省略または加工率の小さな鍛造工程であっても、充分な加工率が得られるので、本発明のアルミニウム合金の延性、靭性を向上する。また、連続鋳造法では得られにくいφ20以下の棒材などが得られやすい。
そして、上記製造方法により製造されたアルミニウム合金は、これを用いた成形品が、硬さに優れ耐摩耗性を有するアルミニウム合金となる。
上記製造方法により製造された棒状材は、これを用いた成形品が、硬さに優れ耐摩耗性を有する成形品となる。
上記製造方法により製造された摺動部品は、硬さに優れた陽極酸化皮膜を有する耐摩耗性に優れた摺動部品となる。
上記製造方法により製造された鍛造成形品は、この鍛造成形品から硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を有する摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造できる。
上記製造方法により製造された機械加工成形品は、この機械加工成形品から硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を有する摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造できる。
なお、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とした本発明により製造されるアルミニウム合金は、陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金製品となる。
陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.8〜5.5μmの幅で存在させ、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上とした本発明により製造されるアルミニウム合金は、陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金製品となる。
そして、本発明に係るアルミニウム合金の製造方法では、前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金製品を容易に製造することができる。
また、前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品を容易に製造することができる。
Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有し、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有するアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とした摺動部品を製造する。
まず、本発明に用いるアルミニウム合金について説明する。本発明に好適に用いられるアルミニウム合金の組成は、Si:5〜12%(質量%、以下同じ,好ましくは5〜11%)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満(好ましくは0.5%未満、より好ましくは実質含有しない)、Mg:0.3〜1.5%(好ましくは0.4〜1%)、残部Al及び不純物である。
Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有することが好ましい。
Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有することが好ましい。
このような組成のアルミニウム合金は、加工性や陽極酸化処理性に優れ、前述の陽極酸化皮膜の硬さ(Hv400以上)を保持することが可能となる。
また、特殊な陽極酸化処理をしなくても十分な硬さが得られるので、陽極酸化処理をせずに使用する部品にも適用できる点からも好ましい。
特にSiはMgと共存してMg2Si粒子を析出してアルミニウム合金の強度を向上させ、共晶Siの分布により強度、耐摩耗性を高める。このSiの含有範囲は5〜12%、好ましい含有範囲は5〜11%であり、5%未満ではその効果が小さく12%を超えると、初晶Siが析出して陽極酸化処理性に悪い影響が表われる。
Feは、0.1〜1%(好ましくは0.1〜0.5%,より好ましくは0.21〜0.3%)を含有するのが好ましい。Al−Fe系やAl−Fe−Si系の粒子を析出させ、摺動部品の成形後の熱処理処理での再結晶を抑制し、摺動部品の延性、靭性を向上するからである。また、押出材では押出加工時に再結晶粒を微細化し、後工程の鍛造加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を加工することができる。0.1%未満の含有量ではこの効果が小さく、1%を超えるとAl−Fe系やAl−Fe−Si系粗大晶出物が増加して陽極酸化処理性に悪い影響が表われ、アルミニウム合金の延性、靭性を低下させる。
Cuは1%未満(より好ましくは0.9%以下,さらに好ましくは0.5%未満)含有させるか、或いは実質的に含有させないことが好ましい。
Cuの含有はCuAl2粒子を析出してアルミニウム合金の強度と硬さに寄与するが、Cuの含有量が1%以上では、陽極酸化皮膜の硬さが低下する。より皮膜の硬さを増加するのに好ましくは0.5%未満、より好ましくは実質的に含有させない。
Cuは陽極酸化処理の際に溶解するが、溶解したCuイオンは貴な金属イオンのため再びアルミニウム合金母材の表面にCuが析出し、陽極酸化皮膜が形成し難く皮膜の緻密性も低下する。Cu量を抑制することで、陽極酸化皮膜の成形性と緻密性を向上し、皮膜硬さを向上することができる。
Mnの含有はAl−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系の粒子を析出して再結晶粒を微細化し、加工性を向上させる。このMnの含有範囲は0.1〜1%、好ましくは0.5〜0.8%であり、0.1%未満ではその効果が小さく、1%を超えると粗大晶出物が増加して陽極酸化処理性に悪い影響が表われる。
Mgの含有はSiと共存してMg2Si粒子を析出してアルミニウム合金の強度に寄与し、このMgの好ましい含有範囲は0.3〜1.5%、好ましくは0.4〜1%であり、0.3%未満では効果が小さく、1.5%を越えると加工性が低下する。
Mn:0.1〜1%(好ましくは0.2〜0.4%)、Cr:0.04〜0.3%(好ましくは0.15〜0.25%)、Zr:0.04〜0.3%(好ましくは0.1〜0.2%)、V:0.01〜0.1%(好ましくは0.05〜0.1%)、のうちの1種又は2種以上を含有することは、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系,Al−Cr系やAl−Cr−Fe−Si系,Al−Zr系,Al−V系の粒子を析出し、摺動部品の成形後の熱処理処理での再結晶を抑制し、摺動部品の延性、靭性を向上する。また、押出材では押出し加工時に再結晶粒を微細化し、後工程の鍛造加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を加工することができる。Mnの含有量が0.1%未満、Crが0.04%未満、Zrが0.04%未満、Vが0.01%未満ではその効果が小さく、Mnの含有量が1%を超え、Crが0.3%を超え、Zrが0.3%を超え、Vが0.1%を越えると粗大な晶出物が増加して陽極酸化処理性に悪い影響が表われ、アルミニウム合金の延性、靭性を低下せさる。
Ti:0.01〜0.3%(好ましくは0.01〜0.2%,より好ましくは0.002〜0.1%)、B:0.0001〜0.05%(好ましくは0.005〜0.1%)、Sr:0.001〜0.2%(好ましくは0.005〜0.1%,より好ましくは0.005〜0.05%)のうち1種又は2種以上を含有することは以下の理由で望ましい。即ちTi,Bの含有は鋳塊の組織を微細化し、鋳造時の鋳塊割れを防止し、さらに鋳塊の加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を成形することができる。0.01%未満ではその効果が小さく、0.3%を超えると巨大な金属間化合物が晶出して加工性や陽極酸化処理性に悪い影響が表われる。また、Srの含有は共晶Siを微細化し、加工性及び陽極酸化処理性を向上する。0.001%未満ではその効果が小さく、0.2%を超えても効果が低下する。
Niは、0.1%以下であることが好ましい。
本発明においては、陽極酸化皮膜中における共晶Si粒子の分布が極めて重要であることを見出し、これを制御することにより、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とすることができ、クラックを発生させることもないことを見出した。
そのためには、合金マトリックス中における共晶Siの分散状態を均一に特定することが重要であり、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を存在させ、皮膜硬さに優れ、皮膜厚さを厚くしてもクラックが発生しないものとなる。
具体的には合金マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径は、0.4〜5.5μm(好ましくは0.8〜5.5μm)である。その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上(好ましくは80%以上)を占め、尚かつマトリックス中に4000個/mm2以上40000個/mm2未満(より好ましくは10000個/mm2以上38000個/mm2未満)存在させることが好ましくは必要である。
尚、「共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μm」とは、実質的な粒径分布が0.4〜5.5μmということであり、例えば95%以上、好ましくは98%以上が0.4〜5.5μmの範囲ということである。
上述のように陽極酸化皮膜中における共晶Si粒子の粒径は0.4〜5.5μmであるが、粒径が0.4μm、特に0.3μm未満の粒径では陽極酸化処理時浴電圧が高くなり、陽極酸化に対する抵抗が大きくなり電流が流れにくくなって皮膜形成が困難となる。粒径が5.6μm、特に6.0μmを越えると、陽極酸化処理性が低下する原因となり、皮膜の面粗度が悪くなる。
また、上述のように共晶Si粒子の粒径の大きさが0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占めるが、60%未満、特に50%以下の場合には陽極酸化処理時に電流の流れやすい部分と流れにくい部分の差が大きくなって電流の流れが一定でないため皮膜厚さが不均一となる。
特に工業的に利用用途が広いSi:9〜12%(特に10.5±0.5%)の場合には80%以上が好ましい。
共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさのものが合金マトリックス中に4000個/mm2以上40000個/mm2未満であるものは、陽極酸化処理時に電流の流れが一定となるので、皮膜厚さ均一となる。アルミニウム合金マトリックス中に分散する共晶Si粒子はマトリックスより電流が流れ難いが、これを抑えることができるため、陽極酸化皮膜が均一に形成することができる。さらに、共晶Siが陽極酸化皮膜処理の際に溶解せずに皮膜中に残留するのを低減させ、皮膜中に残留した共晶Si粒子の周囲の皮膜の緻密性が低下するのを抑えることができるので、皮膜硬度の低下を抑えることができる。
より具体的には、前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式例えば気体加圧ホットトップ連続鋳造方式で鋳造した鋳塊を、均質化処理した後、そのまま機械加工するか、或いは押出し加工、鍛造加工、機械加工等の加工を適宜に選択して行う。さらに陽極酸化処理を行なうことにより、陽極酸化皮膜硬さに優れ、皮膜を厚くしてもクラックが発生しないアルミニウム合金製品を得ることができる。
合金中の共晶Siの発生状態は、所定の組成の合金溶湯を連続鋳造方式で凝固させる時に、溶湯温度や鋳造速度の影響を受ける。
そこで、共晶Si粒径が0.4〜5.5μmの幅となるように、溶湯温度や鋳造速度を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。また、共晶Si粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上となるように、溶湯温度や鋳造速度を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。
但し、本発明のアルミニウム合金ではCuが少なく、凝固時の固液共存領域が少なくなり、凝固しやすくなるため、凝固速度を従来より速めに制御する必要がある。例えば鋳造径φ72mmの場合の凝固速度は200〜350[mm/分]とすることが望ましい。
気体加圧ホットトップ連続鋳造方式は溶湯とモールド間を気体加圧しているため鋳造速度を速くすることができるので、共晶Siの粒径を所定の状態に制御した本発明のアルミニウム合金を容易に製造することができるので好ましい。
合金中の共晶Siの発生状態は、均質化処理時に、均質化温度や均質化時間の影響を受け、共晶Siの粒径を制御するとともに共晶Si粒子の形状も制御する。
そこで、共晶Si粒径が0.4〜5.5μmの幅で共晶Si粒子が粒状となるように、均質化温度や均質化時間を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。また、共晶Si粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上で共晶Si粒子が粒状となるように、均質化温度や均質化時間を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。
共晶Si粒子が粒状となることで、均質化処理前の針状形状より鋳塊の加工性が向上する。さらに陽極酸化処理性も向上する。
均質化処理は、上記条件を満足する範囲で特に限定するものではないが、例えば450℃以上500℃未満(より好ましくは480℃以上)の温度で4時間以上行えば良い。
初晶Siは、以下のような状態(粒子分布位置,平均粒径,面積占有率)であるか、或いは陽極酸化処理を施し、摺動部となる鋳塊の外周部に実質的に存在しないことが好ましい。陽極酸化処理する部分に初晶Siが存在すると、陽極酸化処理時に電流の流れが一定とならず、皮膜厚さ不均一となり、皮膜に緻密性の低下し、皮膜硬度が低下する。
初晶Siの粒子分布位置:鋳塊の外周から鋳造径の半径の20%以下の位置までに初晶Siがないこと(面積占有率0.2%以下)。
初晶Siの平均粒径:30μm以下。
初晶Siの面積占有率:0.8%以下。
例えばSi量を12%以下とし、気体加圧ホットトップ連続鋳造時、気体加圧量や鋳造速度や溶湯温度の条件を制御すれば初晶Siの上記の状態を得ることができるため好ましい。
前記アルミニウム合金を連続鋳造方式で鋳造したビレット鋳塊を均質化処理した後、そのまま機械加工するか、或いは押出し加工、鍛造加工、機械加工等の加工を適宜に選択して行うが、棒状材を作製した後、その棒状材からさらに所定の形状を有する成形品を作製するようにしてもよい。
棒状材から成形品を作製するには、機械加工、鍛造加工などを適宜に組み合わせて施すことができるが、鍛造加工の前又は機械加工の前に、押出し加工又は引抜き加工を施すことが好ましい。押出し加工又は引抜き加工を施されたものは、延性が向上し、加工性や製品の延性の点で好ましい。また、直径20mm以下の丸棒は連続鋳造方式では得られにくいが、押出し又は引抜き加工では容易に得られる。
押出し加工は、特に限定するものではないが、例えば2500t押出機を用いて押出し速度を最高8m/minで行えば良い。
成形品に施す陽極酸化処理は、特に限定するものではないが、例えば電解浴として15wt%硫酸を使用して行えば良い。
皮膜厚さは、浴温、電圧、時間を調整することにより、所定の厚さのものを得ることができる。
本発明のアルミニウム合金及びそれを用いて作製した摺動部品は、母材部分が硬く皮膜の耐摩耗性が向上しているので、より厳しい摺動箇所に用いることができ、例えば以下の用途を挙げることができる。
(a)スクロール、ピストンなどの空調機器用コンプレッサー部品
(b)自動車のエアサスペンション用コンプレッサーピストン
(c)スプール,スリーブなどの自動車のエンジン,トランスミッション,ABS用油圧部品
(d)自動車のブレーキマスターシリンダーピストン/キャリパーピストン
(e)自動車のクラッチシリンダーピストン
(f)自転車のブレーキキャリパーボディ
そして、得られた耐摩耗性アルミニウム合金は、その用途を限定するものではないが、自動車部品の中でも、ブレーキキャリパーピストン及びエアサスペンション用コンプレッサーピストン、その他皮膜硬さを必要とし、クラックのない皮膜を望む部品に好適に利用することができる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
<試験1>
〔実施例1〕
表1に示す組成を有するアルミニウム合金を気体加圧ホットトップ連続鋳造方式でビレット(直径8インチ)を鋳造し、このビレット鋳塊を490℃で12時間均質化処理した後、間接押出機を用いて押出し加工を行ない、直径44mmの押出棒を作成し、常法に従ってT6処理を施し、この押出棒を試験材として、以下に示す基準にて陽極酸化処理性、皮膜硬さ、皮膜のクラック発生の有無、耐摩耗性、機械的性質について評価した。また試験材断面並びに陽極酸化皮膜中の共晶Si粒子及び粒径の大きさ分布状態についても画像解析装置を用いて以下に示す条件にて測定した。
測定はサンプルを任意の大きさに切断し、このサンプルを研磨用の樹脂に埋め込み、共晶Si粒子を測定可能な範囲までミクロ研磨を行い測定した。
測定条件:光学顕微鏡に接続したルーゼックス,画面上の倍率:1240倍,20視野連続測定結果より算出
皮膜厚さ:44〜47μm
尚、表1において、本発明における条件を外れたものには下線を付した。
<試験1の評価>
「陽極酸化処理性」
押出棒の押出方向に垂直な断面を、切削加工にて表面粗さを一定にした平滑な面とし、評価用サンプルとした。
陽極酸化処理条件として、電解浴として15wt%硫酸を使用し、サンプル表面に目標40μm厚さで、陽極酸化皮膜が形成されるように、浴温、電圧、時間を設定して陽極酸化処理を行なった。
得られた評価サンプルの断面を観察し、任意の10mm長さで膜厚を測定し、実際に形成された膜の平均膜厚により陽極酸化処理性を評価した。尚、同一条件でより厚い膜が形成されたものが陽極酸化処理性が良い。結果は表3に示した。
○ : 平均膜厚40μm以上
× : 平均膜厚33μm以下
△ : ○と×の間
「皮膜硬さ」
陽極酸化処理をした評価サンプルを任意の大きさに切断し、樹脂に埋め込み陽極酸化皮膜硬さが測定可能な範囲までミクロ研磨を施し、皮膜の硬さを測定し評価した。結果は表3に示した。
○ : 平均膜厚硬さ、HV:400以上
× : 平均膜厚硬さ、HV:330以下
△ : ○と×の間
「耐摩耗性」
大越式摩耗試験機を用いて摩耗速度1m/s、摩耗距離200m、荷重3.2kg、相手材S50C(HV750)の条件で試験を行ない、比摩耗量で比較した。結果は表2に示した。
○ : 6.0×10-7mm2/kg未満
× : 9.0×10-7mm2/kg超
△ : 6.0〜9.0×10-7mm2/kg
「皮膜のクラック」
陽極酸化処理をした評価サンプルを光学顕微鏡で表面状態を観察し、クラックの有無を確認し評価した。結果は表3に示した。
○ : 皮膜にクラック無し
× : 皮膜にクラック有り
「機械的性質」
押出棒材の押出方向に平行に棒材の中央部よりJIS4号試験片を採取し、引張試験を行なった。好ましい値である引張強さ:310(N/mm2)、耐力:230(N/mm2)を合格基準とした。結果は表2に示した。
〔実施例2〜13,比較例1〜10〕
表1に示した組成とした以外は実施例1と同様である。陽極酸化皮膜の形成条件は実施例1と同じである。
表2及び表3より明らかなように、本発明の実施例1〜13は、何れも陽極酸化処理性及び皮膜硬さ、皮膜のクラック発生無し、耐摩耗性に優れ、機械的性質についても310(N/mm2)を越える引張強さ、230(N/mm2)を越える耐力を備えていた。
これに対し、比較例1ではSi量が少ないため、耐摩耗性で劣っていた。さらに、比較例1,2,4,5,8では、Cu量が多く、陽極酸化処理性が劣り、皮膜硬さも劣っていた。
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<試験2>(ホットトップ連続鋳造棒材、ホットトップ連続鋳造棒材+鍛造)
表5に示す組成を有するアルミニウム合金を特公昭54−42827号公報にて開示されている気体加圧ホットトップ連続鋳造方式でφ72mm棒材を鋳造し、その後、棒材を490℃で4時間均質化処理し、表6に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)したものを試験材とし、又は連鋳(連続鋳造)棒材を同様に均質化処理後、鋳肌部を面削除去し、所定の長さに切断し、焼鈍処理し、ボンデ処理した後、最外径68mm、その内径52mm、内側の外径32mm、その内径15mm、高さ40mm、底厚10mmの2重カップ状に鍛造し、表8に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)を施した鍛造品を試験材として、さらに機械加工後に、以下に示す基準にて陽極酸化処理性、皮膜硬さ、皮膜のクラック発生の有無、耐摩耗性、機械的性質について評価した。また試験材断面並びに陽極酸化皮膜中の共晶Si粒子及び粒径の大きさ分布状態についても画像解析装置を用いて以下に示す条件にて測定した。
測定はサンプルを任意の大きさに切断し、このサンプルを研磨用の樹脂に埋め込み、共晶Si粒子を測定可能な範囲までミクロ研磨を行い測定した。
測定条件:画像処理装置の画面上の倍率:1240倍,20視野連続測定結果より算出
皮膜厚さ:25〜47μm
尚、表5において、本発明における条件を外れたものには下線を付した。
<試験3>(水平連続鋳造棒材、水平連続鋳造棒材+鍛造)
表5に示す組成を有する特開昭61−33735号公報にて開示されている水平連続鋳造法によっでφ30mm棒材を鋳造し、その後、棒材を490℃で4時間均質化処理し、表20に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)したものを試験材とし、又は連鋳棒材を同様に均質化処理後、鋳肌部を面削除去し、所定の長さに切断し、焼鈍処理し、ボンデ処理した後、外径32mm、内径15mm、高さ27mm、底厚8mmのカップ状に鍛造し、表8に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)を施した鍛造品を試験材として、さらに機械加工後に、以下に示す基準にて陽極酸化処理性、皮膜硬さ、皮膜のクラック発生の有無、耐摩耗性、機械的性質について評価した。また試験材断面並びに陽極酸化皮膜中の共晶Si粒子及び粒径の大きさ分布状態についても画像解析装置を用いて以下に示す条件にて測定した。
測定はサンプルを任意の大きさに切断し、このサンプルを研磨用の樹脂に埋め込み、共晶Si粒子を測定可能な範囲までミクロ研磨を行い測定した。
測定条件:画像処理装置の画面上の倍率1240倍,20視野連続測定結果より算出
皮膜厚さ:25〜47μm
尚、表5において、本発明における条件を外れたもの(比較例)には下線を付した。
<試験4>(押出材/引抜材、押出材/引抜材+鍛造)
表5に示す組成を有するアルミニウム合金を特公昭54−42827号公告にて開示されている気体加圧ホットトップ連続鋳造方式でビレット(直径8インチ)を鋳造した。その後このビレット鋳塊を490℃で4時間均質化処理した。その後、鋳塊を350℃に加熱後、間接押出機を用いて押出し加工を行ない、直径32mmの押出棒を作成し、表20に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)を施した押出棒を試験材とし、又は同間接押出を行った押出棒を直径39.2mmに引抜き、表6に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)を施した引抜棒を試験材とし、又は、同押出棒から直径39.2mmに引抜いた引抜棒を所定の長さに切断し、焼鈍処理し、ボンデ処理した後、外径32mm、内径15mm、高さ27mm、底厚8mmのカップ状に鍛造し、表8に示す条件で常法に従ってT6処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに180〜190℃、5〜6Hrの時効処理)を施した鍛造品を試験材として、機械加工した後に、以下に示す基準にて陽極酸化処理性、皮膜硬さ、皮膜のクラック発生の有無、耐摩耗性、機械的性質について評価した。また試験材断面並びに陽極酸化皮膜中の共晶Si粒子及び粒径の大きさ分布状態についても画像解析装置を用いて以下に示す条件にて測定した。
測定はサンプルを任意の大きさに切断し、このサンプルを研磨用の樹脂に埋め込み、共晶Si粒子を測定可能な範囲までミクロ研磨を行い測定した。
測定条件:画像処理装置の画面上の倍率1240倍,20視野連続測定結果より算出
皮膜厚さ:25〜47μm
尚、表5において、本発明における条件を外れたものには下線を付した。
<試験2〜4の評価>
「陽極酸化処理性」
押出棒の押出方向に垂直な断面を、切削加工にて表面粗さを一定にした平滑な面とし、評価用サンプルとした。
陽極酸化処理条件として、電解浴として15wt%硫酸を使用し、サンプル表面に目標30μm厚さで、陽極酸化皮膜が形成されるように、浴温、電圧、時間を設定して陽極酸化処理を行なった。
得られた評価サンプルの断面を観察し、任意の10mm長さで膜厚を測定し、実際に形成された膜の平均膜厚により陽極酸化処理性を評価した。尚、同一条件でより厚い膜が形成されたものが陽極酸化処理性が良い。結果は、鍛造処理をしていないものについては表7に、鍛造処理したものについては表9に示した。
○: 平均膜厚30μm以上
×: 平均膜厚30μm未満
尚、前記試験1では目標厚さを40μmとしたが、この試験2〜4ではサンプル総数が多いため、目標厚さを30μmとした。そのため、評価基準も上記のとおりとした。
「皮膜硬さ」
陽極酸化処理をした評価サンプルを任意の大きさに切断し、樹脂に埋め込み陽極酸化皮膜硬さが測定可能な範囲までミクロ研磨を施し、皮膜の硬さを測定し評価した。結果は鍛造処理をしていないものについては表6に、鍛造処理したものについては表8に示した。
「耐摩耗性」
大越式摩耗試験機を用いて摩耗速度1m/s、摩耗距離200m、荷重3.2kg、相手材S50C(Hv750)の条件で試験を行ない、比摩耗量で比較した。結果は鍛造処理をしていないものについては表6に、鍛造処理したものについては表8に示した。
○ : 6.0×10-7mm2/kg未満
× : 9.0×10-7mm2/kg超
△ : 6.0〜9.0×10-7mm2/kg
「皮膜のクラック」
陽極酸化処理をした評価サンプルを10倍以上の拡大鏡を通して目視で表面状態を観察し、クラックの有無を確認し評価した。結果は鍛造処理をしていないものについては表7に、鍛造処理したものについては表9に示した。
結果は表3に示した。
○ : 皮膜にクラック無し
× : 皮膜にクラック有り
「機械的性質」
棒材の長手方向に平行に棒材の中央部よりJIS4号試験片を採取し、引張試験を行なった。好ましい値である引張強さ:310(N/mm2)、耐力:230(N/mm2)を合格基準とした。結果は表6に示した。
「製品試験;ブレーキキャリパーピストン」
表1に示す組成を有する実施例101〜104,121〜125,141〜144,150〜153の連鋳材及び押出材、引抜材、さらにこれらの鍛造品(実施例201〜204,221〜225,241〜244,250〜253)を機械加工にてブレーキキャリパーピストンを作成し、常法に従ってT6処理を施し、表面に38μm以上の陽極酸化皮膜を形成した。このブレーキキャリパーピストンを4輪車のブレーキマスターシリンダーに組み込み、ブレーキ作動を繰り返して焼き付きやロックの状況を調べた。比較のために、表1に示す組成を有する比較例101,104,108,109,111,114,115,118〜120,124〜126のアルミニウム合金を用いてブレーキキャリパーピストンを同様に試験した。
その結果、一般的な規格である50万回のブレーキ作動では、実施例101〜153、実施例201〜253のブレーキキャリパーピストンも比較例も問題を生じなかった。その後もブレーキ作動回数を増やして試験を継続したところ、100万回では比較例で筋状の傷が発生したが、実施例11〜153、実施例201〜253のブレーキキャリパーピストンでは全く傷が発生しなかった。また、表1に示す組成を有する比較例125,126のアルミニウム合金を用いたものは、表面にクラックが発生していたので、試験に供することができなかった。
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(a)スクロール、ピストンなどの空調機器用コンプレッサー部品
(b)自動車のエアサスペンション用コンプレッサーピストン
(c)スプール,スリーブなどの自動車のエンジン,トランスミッション,ABS用油圧部品
(d)自動車のブレーキマスターシリンダーピストン/キャリパーピストン
(e)自動車のクラッチシリンダーピストン
(f)自転車のブレーキキャリパーボディ
等、に用いることができ、特にブレーキキャリパーピストン及びエアサスペンション用コンプレッサーピストン、その他皮膜硬さを必要とし、クラックのない皮膜を望む部品に好適に利用することができる。

Claims (14)

  1. Si:5〜12%(質量%以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%を含有し、残部Al及び不純物からなる組成のアルミニウム合金を、鋳塊の外周から鋳造径の半径の20%以下の位置まで不存在であり、平均粒径が30μm以下、面積占有率が0.8%以下となる初晶Siの状態を得るように、かつ、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在するように、連続鋳造方式で鋳造して鋳塊を得、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となるように陽極酸化処理する、ことを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
  2. Si:5〜12%(質量%以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%を含有し、残部Al及び不純物からなる組成のアルミニウム合金を、溶湯温度および鋳造速度を制御することで凝固速度を速めるとともに、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在するように、連続鋳造方式で鋳造して鋳塊を得、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となるように陽極酸化処理する、ことを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
  3. 前記陽極酸化処理を、形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径が0.8〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上となるように行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  4. 前記アルミニウム合金の組成中Si9〜12%の場合に、前記マトリクス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで80%以上を占めることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法の製造方法。
  5. 前記アルミニウム合金の組成において、Cuを実質的に含有しないことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  6. 前記アルミニウム合金の組成において、Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  7. 前記アルミニウム合金の組成において、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  8. 前記連続鋳造方式で鋳造する鋳塊が棒状材であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  9. 前記連続鋳造方式で鋳造した鋳塊が棒状材であって、前記押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工を行う前に、前記棒状材を押出し加工又は押出し、引抜き加工することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法により製造されることを特徴とするアルミニウム合金。
  11. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法により製造されることを特徴とする棒状材。
  12. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法により製造されることを特徴とする摺動部品。
  13. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法により製造されることを特徴とする鍛造成形品。
  14. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法により製造されることを特徴とする機械加工成形品。
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