JPS626740B2 - - Google Patents

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JPS626740B2
JPS626740B2 JP3056383A JP3056383A JPS626740B2 JP S626740 B2 JPS626740 B2 JP S626740B2 JP 3056383 A JP3056383 A JP 3056383A JP 3056383 A JP3056383 A JP 3056383A JP S626740 B2 JPS626740 B2 JP S626740B2
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JP
Japan
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less
aluminum alloy
cold rolling
rolled
rolling
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JP3056383A
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JPS59157249A (ja
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Hideyoshi Kakui
Takashi Inaba
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
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Priority to US06/582,706 priority patent/US4753685A/en
Publication of JPS59157249A publication Critical patent/JPS59157249A/ja
Publication of JPS626740B2 publication Critical patent/JPS626740B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は成形加工用アルミニウム合金板条及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、特に成形
性に優れたキヤン用焼付硬化型アルミニウム合金
硬質板条及びその製造方法に関するものである。 一般に、アルミニウム合金のキヤン用材料とし
ては、キヤンボデイ用、キヤンエンド用、キヤン
タブ用があり、特にキヤンボデイ用アルミニウム
合金材料の要求される特性は、(1)絞り、再絞り性
に優れていること。(2)しごき加工性に優れている
こと。(3)耐スコーリング性に優れていること。(4)
ドーミング加工性に優れていること。(5)外観が美
しいこと。(6)ネツキング性に優れていること。(7)
フランジング性に優れていること。(8)深絞り耳が
低いこと。(9)耐圧性に優れていること。(10)座屈強
度に優れていること。(11)耐蝕性に優れていること
等である。 しかして、アルミニウム合金のキヤンボデイ用
材料においては、薄肉化による缶の軽量化をさら
に有効とするためには、缶壁の肉厚を座屈強度等
の缶強度において問題のない範囲で、できるだけ
薄くすることが必要である。そしてそのために
は、(1)しごき性の向上が必要であり、さらに、肉
厚の減少は伸びフランジ性を低下させるので、(2)
フランジング特性の向上が必要であり、また、キ
ヤンエンド用としては薄肉化の効果を上げるため
に、(3)リベツト成形性の向上が必要であり、ま
た、タブ用としてエンド用と同様の効果を上げる
ためには、(4)曲げ性の向上が必要である。 そして、上記の各項目のうちでも特に、フラン
ジング特性の向上とリベツト成形性の向上が必要
であり、この2つの特性は何れも微小範囲の伸
び、即ち、局部伸びが要求される成形には絶対必
要なものである。 本発明者は、以上説明したことから缶製造用の
アルミニウム合金について調査研究を行ない、素
材となるアルミニウム合金において応力集中を避
けるために通常のキヤン素材に含まれる金属間化
合物を制限することが必要であることを知見した
のである。しかしながら、キヤン素材のキヤンボ
デイのしごき加工においては上記金属間化合物は
加工中のダイスへアルミニウム合金が焼付く(ビ
ルドアツプ)のを防止する優れた効果があり、ま
た、適正なサイズの金属間化合物は再結晶時の核
となるので、結晶粒を例えば25μ以下とするのに
有効であるという点から金属間化合物は一定量以
上が均一に分散していることが望ましいことをも
見出したのである。 本発明は、上記に説明したようなアルミニウム
合金がキヤン用素材として優れていること、及
び、本発明者の数々の知見に基いてなされたもの
であり、即ち、キヤンボデイ用ばかりでなくキヤ
ンエンド用、キヤンタブ用のアルミニウム合金に
おいて特にしごき加工性、フランジング性、リベ
ツト性をより向上させて缶の軽量化をさらに可能
とすることができる成形加工用アルミニウム合金
板条及びその製造方法を提供するものである。 本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板条
及びその製造方法は、 (1) Fe0.25〜0.7wt%、Cu0.05〜0.5wt、Mg0.5〜
2.5wt%、Mn0.5〜2.0wt% を含み、かつ、 Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
0.27)≦3.0であり、残部実質的にAlからなるア
ルミニウム合金であつて、圧延板表面からみた
金属間化合物の面積占有率が0.5〜5%であ
り、かつ、各金属間化合物の大きさが45μ以下
であり、さらに、圧延板表面からみた結晶粒の
平均幅が25μ以下であることを特徴とする焼付
塗装硬化型キヤン用アルミニウム合金硬質板条
を第1の発明とし、 (2) Fe0.25〜0.7wt%、Cu0.05〜0.5wt、Mg0.5〜
2.5wt%、Mn0.5〜2.0wt% を含み、かつ、 Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
0.27)≦2.7であつて、残部実質的にAlからなる
アルミニウム合金を溶解後、100mm以上の厚さ
に鋳造し、その鋳塊を530℃以上で均熱処理を
施し、熱間圧延後冷間圧延を行ない、又は、行
なわず、400〜600℃の温度に100℃/分以上の
加熱速度で加熱し、加熱後直ちに、又は、10分
以内保持した後、100℃/時間以上の冷却速度
で150℃以下に冷却、平均結晶粒径を25μ以下
とすると共に焼付硬化に寄与する成分を固溶状
態とし、10%以上の冷間圧延を行ない、熱間圧
延、冷間圧延の合計圧延率を99%以上とし、そ
の最終板表面から見た金属間化合物の面積占有
率を0.5〜5.0%とし、かつ、各金属間化合物の
大きさを45μ以下とすることを特徴とする焼付
塗装硬化型キヤン用アルミニウム合金硬質板条
の製造方法を第2の発明とし、 (3) Fe0.25〜0.7wt%、Cu0.05〜0.5wt、Mg0.5〜
2.5wt%、Mn0.5〜2.0wt% を含み、かつ、 Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
0.27)=2.0〜3.0であり、残部実質的にAlから
なるアルミニウム合金を溶解後、50mm以下の厚
さに急冷連続鋳造を行ない、この鋳塊に熱間圧
延を行ない、又は、行なわず、このアルミニウ
ム合金板条鋳塊を300℃の温度で熱処理を行な
い、又は、行なわず、その後冷間圧延を行な
い、又は、行なわず、次に、400〜600℃の温度
に100℃/分以上の加熱速度で加熱し、加熱後
直ちに、又は、10分以内保持後、100℃/時間
以上の冷却速度で150℃以下に冷却し、平均結
晶粒径を25μ以下とすると共に焼付硬化に寄与
する成分を固溶状態に保ち、さらに、10%以上
の冷間圧延を行ない、熱間圧延、冷間圧延の合
計圧延率を90%以上とし、その最終板表面から
見た金属間化合物の面積占有率を0.5〜5.0%と
し、かつ、各金属間化合物の大きさが45μ以下
とすることを特徴とする焼付塗装硬化型キヤン
用アルミニウム合金硬質板条の製造方法を第3
の発明とする3つの発明よりなるものである。 本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板条
及びその製造方法について詳細に説明する。 先ず、本発明に係る成形加工用アルミニウム合
金板条についてその含有成分と成分割合を説明す
る。 FeはMnと共に(Fe・Mn)Al6の金属間化合物
を形成し、しごき加工時のダイスへの焼付を防止
するために必要な元素であり、含有量が0.2wt%
未満ではこの効果が少なく、また、0.7wt%を越
えて含有されると巨大化合物を形成し易くなる。
よつて、Fe含有量は0.2〜0.7wt%とする。 CuはMgと同時に含有させる必要があり、Mg
と共に溶体化により固溶してベーキング時に微細
なAl−Cu−Mg系析出物を生成して硬化させ、か
つ、強度を向上させる元素であり、含有量が
0.05wt%未満では上記の効果を期待できず、ま
た、0.5wt%を越えて含有されると上記した効果
は満足させるが、キヤンボデイ用材料として耐蝕
性が非常に劣化する。よつて、Cu含有量は0.05
〜0.5wt%とする。 MgはCuと共に同時に含有させる必要があり、
Cuと共に溶体化により固溶した後析出硬化し、
かつ、キヤンボデイ用材料として必要な強度を付
与するもので、Cu程耐蝕性を劣化させないので
多めに含有させることができ、含有量が0.5wt%
未満ではこの効果が少なく、高強度化による薄肉
軽量化には0.5wt%以上が必要であり、また、Mg
含有量が多くなると強度は向上するが、しごき加
工、張出し等の成形性が低下し、スコーリングが
発生し易くなるが、後述するMn含有による析出
物の耐スコーリング性を向上させる効果と相俟つ
てMg含有量を多くしてもキヤンボデイとして優
れた性質を発揮するが、含有量が2.5wt%を越え
ると、しごき性、張出し性等の成形性を低下さ
せ、また、スコーリングの発生が著しくなる。よ
つて、Mg含有量は0.5〜2.5wt%とする。 MnはCu、Mgとは異なり析出硬化には寄与し
ないが、Mgと共に強度を付与する重要な元素で
あり、また、MnはAlとMnAl6として析出するの
でスコーリングを防止し、MnはMgと同時に含有
されると熱処理後の再結晶において集合組織を安
定化して深絞り耳を安定にするものであり、含有
量が0.5wt%未満ではこの効果が期待できず、ま
た、Mn含有量が増加すると晶出物の量、大きさ
共に増大して、2.0wt%を越えて含有されると巨
大晶出物が発生し易くなり、しごき加工において
ピンホール、或いは、破断の原因となる。よつ
て、Mn含有量は0.5〜2.0wt%とする。 また、Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt
%×0.27)≦3.0とするのは、金属間化合物は晶出
物と析出物とに大きく分けられ、晶出物は鋳造に
おける凝固時に生成し、析出物は鋳造時に過飽和
となつたものが以後の熱処理時に固体中で生成す
るものであり、析出物は通常そのサイズは1μ以
下であり、サイズが小さいことから応力集中源と
しては特に問題とはならない。そして、晶出物を
さらに分類すると、液体中で凝固直前に生成され
る初晶化合物と凝固時の共晶化合物に分けられ、
特に初晶化合物は巨大化合物に成長し易く、工業
的レベルの鋳造においては溶湯の滞留等もあり、
実際面でも成長に対する生成温度の通過時間の影
響も大きいが、上記式を満足する範囲内であれ
ば、巨大化合物の発生を防止することができ成形
性の向上が図れるのである。 圧延板表面からみた金属間化合物の面積占有率
を0.5〜5%とするのは、0.5%未満ではしごき加
工中にダイスへの焼付が発生するという問題があ
り、また、5%を越えるとフランジング性、リベ
ツト性等の成形性が極端に低下し、しごき加工中
においてもピンホールが発生し易くなるからであ
る。 金属間化合物の大きさを45μ以下とするのは、
金属間化合物のサイズは後述する実施例において
説明するように長辺の長さが約40μ以上となると
フランジ割れが多発し、さらに、しごき加工時に
破断が発生し易くなるからである。しかし、工業
的レベルの大きな鋳塊から製造した圧延板におい
ては金属間化合物は無数に存在し、非常に小さな
確率においては大きな化合物も存在し得るのであ
る。よつて、金属間化合物の大きさは45μ以下と
する。 圧延板表面からみた結晶粒の平均幅を25μ以下
とするのは、キヤンボデイの薄肉化に当つて各種
成形性の低下、ベーキング後の高強度化によるネ
ツキング性の低下を補なうため、さらに、析出硬
化を助長するためであり、結晶粒径を小さくした
場合に成形性でも、張出し性、フランジング性、
しごき性が向上し、絞り性は薄肉化に問題となら
ないが、しわが発生し易くなる。しかしながら、
このしわは平均結晶粒径が25μ以下になると発生
し難くなる。また、平均結晶粒径が25μを越える
と従来のキヤンボデイ用材料と差がなくなり、薄
肉高強度化は困難となる。よつて、平均結晶粒径
は25μ以下とする。 次に本発明に係る成形加工用アルミニウム合金
板条の製造方法について説明する。 先ず、Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt
%×0.27)≦2.7であるアルミニウム合金を100mm
の厚さに鋳造する理由は、上式の値が小さい組成
になると各化合物のサイズは小さくなり、また、
その量も少なくなるのでフランジング性質にとつ
ては好ましいものであるが、この場合に工業的鋳
造方式である水冷を用いる方式においては、鋳造
厚さが一定以上に薄くなると凝固時に冷却速度が
大きくなり過ぎ、晶出物の生成が抑制され圧延後
の金属間化合物の占有面積が小さくなり過ぎて好
ましくない。よつて、鋳造厚さは100mm以上とす
るのである。 上記に説明した鋳塊を530℃以上の温度で均熱
処理を行なうが、この均熱温度が530℃未満で
は、MnAl6の析出物が非常に微細となり、かつ、
大量に析出するので圧延板の再結晶時点における
粒界移動を抑制し、再結晶温度を高めると共に結
晶粒を粗大化し、また、再結晶の集合組織が変化
し深絞りにおいて圧延方向に対し45゜方向の耳を
発生させ、さらに、しごき加工におけるスコーリ
ングが発生し易くなり、特にしごき加工性、深絞
り性をさらに向上させるために、530℃以上の温
度で均熱処理を行なうものである。 この均熱処理後の熱間圧延は、特に、熱間圧延
量、温度等を制御する必要はなく、通常の工業的
方法の熱間圧延でよく、その後必要に応じて冷間
圧延を行なつてから加熱(焼鈍)するのである。 この加熱は400〜600℃の温度で行なうのである
が、この加熱(焼鈍)により再結晶させ、再結晶
集合組織を形成し深絞り耳を小さくし、また、再
結晶により結晶粒を微細、かつ、均一にし、さら
に、Al−Cu−Mg系の析出硬化による焼付硬化を
得るためCuを溶体化固溶させるものであり、400
℃未満では溶体化の効果が得られず、温度が高い
程良いが、Cu含有量、保持時間等の兼ね合いも
あるが、430℃以上の温度が好ましく、また、高
温になる程再結晶粒が成長するようになり、600
℃を越えるとこの傾向が著しく結晶粒を25μ以下
とすることができなくなる。よつて、加熱温度は
400〜600℃とする。また、加熱温度は、結晶粒を
微細とするためと短時間処理により板表面の
MgOの生成を少なくするために急速加熱とする
必要があり、100℃/分以上としなければこの効
果が期待できない。 次に、保持時間は、特に結晶粒微細化の点から
制御する必要があり、即ち、高温処理であるから
保持時間は零でも充分に目的を達成できるが、加
熱温度範囲内の比較的低温の場合とか、或いは、
含有成分、成分割合、その他の製造条件によつて
は一定時間保持することが必要であるが、高温で
長時間保持すると再結晶粒が成長して結晶粒微細
化を著しく阻止する。よつて、保持時間は、零か
又は10分以内とするのである。 さらに、冷却速度は、析出硬化を得るには制御
する必要があり、即ち、ゆつくりした冷却速度の
場合には冷却段階で析出してベーキング時に充分
な析出硬化が得られず、また、冷却段階の比較的
低温においては析出物が小さく強度向上には寄与
するが、この場合しごき成形前に強度が高くなり
成形性を低下させる。このようなことから冷却速
度を大きくする必要があり、100℃/時間以上で
あればキヤンボデイ用材料として充分である。し
かし、これより大きい冷却速度ではよいが、コイ
ル状の冷却では空冷とするのがよい。さらに、冷
却することにより一定温度以下にしなければなら
ず、即ち、Al−Cu−Mg系の析出物が発生する温
度以下まで低下しないとベーキング前に析出して
しまうことになり、従つて、150℃以下に冷却す
る必要がある。 この冷却後の冷間圧延はキヤンボデイ用材料と
して必要な強度を得るためであり、Cu、Mg、
Mnの含有量に応じて冷間圧延率は異なるが、10
%未満では効果が期待できず、冷間圧延は10%以
上で行なうのである。 熱間圧延及び冷間圧延を行なう際の合計圧延率
を99%以上とするのは、鋳造の段階では金属間化
合物の粒界への偏析、そして、全体の量が多く、
最終圧延板表面からみた金属間化合物の面積占有
率を好ましい範囲とし、かつ、できるだけ均一に
分散させるためには熱間圧延と冷間圧延の合計圧
延率は99%以上とする必要がある。 次に、Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt
%×0.27)=2.0〜3.0であるアルミニウム合金を溶
解後50mm以下の厚さに急冷連続鋳造を行なうの
は、この上式の値が大きい場合に、鋳造厚さが厚
い場合及び/又は合計圧延率が小さい場合には、
金属間化合物の面積占有率が大きくなり過ぎるの
で好ましくなく、さらに、鋳造厚さを薄くしてコ
イル方式として生産性を高めるためには、上式の
範囲内においては鋳造厚さを50mm以下として凝固
時の冷却速度を速くしなければならず、そして、
連続鋳造方式においては上式の値値が2.0〜3.0で
あることが必要である。このように冷却速度が大
きい場合においては晶出物はサイズが小さいが数
は比較的多く、また、均一に分散する傾向を示す
のである。 従つて、これらのことから熱間圧延と冷間圧延
との合金圧延率は90%以上とすることにより適正
な面積占有率が得られるのである。 また、連続鋳造後の熱間圧延を行なつてからの
アルミニウム合金板条を必要に応じて300℃以上
の温度で熱処理を行なうのは、例えば、連続鋳造
のままのコイル等はコイル端部の耳割れが発生し
易く、その圧延性を改善するため、また、そうで
ない時でも、集合組織の制御のために行なう。 なお、上記で説明した、金属間化合物の面積占
有率は圧延板を圧延面より研磨して光学顕微鏡で
400倍の倍率で観察して求めたものである。 実施例 1 第1表に示す含有成分、成分割合のアルミニウ
ム合金を溶解後に400mmの大型鋳塊に鋳造し、こ
の鋳塊は560℃×6Hrの均熱処理後熱間圧延を行
なつて4mmとし、冷間圧延及び中間焼鈍を組合せ
て試験板厚を0.4mmとした。なお、含有成分、成
分割合が大きく異なるため、0.4mm厚さの時点で
略同一強度となる中間焼鈍位置を決め、中間焼鈍
は加熱速度500℃/分、到達温度500℃×30秒、冷
却速度500℃/分の条件で実施した。第2表に機
械的性質(No.4の仕上冷間圧延率は60%であ
る。)を示し、平均結晶粒径はすべて20μ以下で
あつた。
【表】
【表】
【表】 第2表に示すように、試験材は焼付後の強度が
向上{(2)−(1)}していることがわかる。 次に、これら試験材の金属間化合物(晶出物)
分布としごき性、伸びフランジ性の試験結果を第
1図、第2図、第3図に示す。 第1図に示すように、Fe wt%+(Mn wt%×
1.07)+(Mg wt%×0.27)の値が増加するに従つ
て大きな金属間化合物(昌出物)が生成し、ま
た、金属間化合物(晶出物)の面積占有率も増加
することがわかる。 第2図に金属間化合物(晶出物)と面積占有率
としごき性の関係を示してあるが、金属間化合物
の面積占有率が0.5%未満、また、5%を越える
と夫々しごき性が急激に低下することがわかる。
これは、光学顕微鏡400倍で観察した。 第3図は金属間化合物個数(n/300mm2)とフ
ランジ成形可能率(%)との関係を示すものであ
り、金属関化合物30μm以上(1/300mm2)の数と
伸びフランジ性(伸びフランジ率12%)との関係
が示され、金属間化合物の数が増加するに従つて
フランジ成形可能率が低下しており、Fe wt%+
(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×0.27)とよく対
応していることがわかる。 実施例 2 実施例1と同様な鋳塊を同じ条件で試験板を厚
さ0.3mmに作製した。そして、キヤンエンド材料
としての特性を試験するため、ベーキング後の強
度(σ0.2)を従来材料(5082合金)と略同程度
になるように仕上冷間圧延率を変えて作製した。
第3表にその結果を示す。 この第3表から、リベツト性(多段張出高さ)
はタブを取付ける上である高さ以上得られること
が要求されるが、このリベツト性も金属間化合物
分布に影響されており、金属間化合物は小さく、
かつ、量が少ない程良好な傾向にあることがわか
る。
【表】 実施例 3 実施例1において製造した鋳塊を再溶解して、
小型連続鋳造機を使用して、急冷しながら鋳塊厚
さ60mm、40mm、20mmの3種のものを作製し、その
後、400℃に加熱後熱間圧延して4mm厚とし、続
いて冷間圧延及び中間焼鈍を組合せて板厚0.4mm
とした。冷間圧延率は実施例1と同じで実施し、
中間焼鈍は500℃/分の加熱、冷却速度で到達温
度550℃×5分の条件で実施した。第4表に機械
的性質を示すが、急冷鋳塊のため固溶量が増加
し、圧延のままでの強度は高目になつている。な
お、第4表に示すのは鋳塊厚さ40mmのものである
が、20mm、60mmのものも同じ数値となつている。 次に、第4図、第5図、第6図、第7図に鋳塊
の厚さの相違(400mm……図では1、40mm……図
では2)による金属間化合物分布の比較を示す
が、40mm鋳塊1とすることにより、金属間化合物
最大長さ、量とも可成りの減少を示し、また、薄
肉鋳塊内では60mm厚になると金属間化合物の最大
長さが45μm以上のものが生じていることがわか
る。因に、第4図、第5図、第6図の横軸には、
Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
0.27)の値を示してあり、第7図ではこの値が
3.11であり、横軸は鋳塊厚さを示してある。ま
た、第5図においては光学顕微鏡400倍にて観察
したものであり、第6図の金属間化合物は30μm
以上のものである。
【表】
【表】 次に、本発明に係る成形加工用アルミニウム合
金板条のキヤンボデイ用材料及びエンド材料とし
ての特性について説明する。 ボデイ用材料としての特性試験(0.4mm)結果
を第5表に示す。しごき性(54%以上合格)、伸
びフランジ性(60%以上合格)の2特性から評価
すると、第5表のようになる(○:合格)。一
方、エンド材料としての特性(0.3mm、焼付け後
強度σ0.2を一定)は第6表のようになり、リベ
ツト性、タブ性からは、薄肉鋳塊はエンド材料に
対してはよい傾向に進むことがわかる。なお、こ
の試験で使用した時の平均結晶粒度は25μ以下で
あつた。このことから、薄肉鋳塊(50mm以下)の
場合には、Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg
wt%×0.27)の値は2〜3の範囲が良好なことが
わかる。
【表】
【表】
【表】 以上詳細に説明したように、本発明に係る成形
加工用アルミニウム合金板条及びその製造方法は
上記の構成を有しているものであるから、特にし
ごき加工性、フランジング性、リベツト性を向上
させ、キヤンボデイ用ばかりでなく、エンド用、
タブ用としても使用可能なものとした優れた効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図は実施例1を説明する
ための図、第4図、第5図、第6図、第7図は実
施例3を説明するための図である。 1〜400mm鋳塊、2〜40mm鋳塊、(1)乃至(7)〜合
金No.。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Fe0.25〜0.7wt%、Cu0.05〜0.5wt%、Mg0.5
    〜2.5wt%、Mn0.5〜2.0wt% を含み、かつ、 Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
    0.27)≦3.0であり、残部実質的にAlからなるアル
    ミニウム合金であつて、圧延板表面からみた金属
    間化合物の面積占有率が0.5〜5%であり、か
    つ、各金属間化合物の大きさが45μ以下であり、
    さらに、圧延板表面からみた結晶粒の平均幅が25
    μ以下であることを特徴とする焼付塗装硬化型キ
    ヤン用アルミニウム合金硬質板条。 2 Fe0.25〜0.7wt%、Cu0.05〜0.5wt%、Mg0.5
    〜2.5wt%、Mn0.5〜2.0wt% を含み、かつ、 Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
    0.27)≦2.7であり、残部実質的にAlからなるアル
    ミニウム合金を溶解後、100mm以上の厚さに鋳造
    し、その鋳塊を530℃以上で均熱処理を施し、熱
    間圧延後冷間圧延を行ない、又は、行なわず、
    400〜600℃の温度に100℃/分以上の加熱速度で
    加熱し、加熱後直ちに、又は、10分以内保持した
    後、100℃/時間以上の冷却速度で150℃以下に冷
    却し、平均結晶粒径を25μ以下とすると共に焼付
    硬化に寄与する成分を固溶状態とし、10%以上の
    冷間圧延を行ない、熱間圧延、冷間圧延の合計圧
    延率を99%以上とし、その最終板表面から見た金
    属間化合物の面積占有率を0.5〜5.0%とし、か
    つ、各金属間化合物の大きさを45μ以下とするこ
    とを特徴とする焼付塗装硬化型キヤン用アルミニ
    ウム合金硬質板条の製造方法。 3 Fe0.25〜0.7wt%、Cu0.05〜0.5wt%、Mg0.5
    〜2.5wt%、Mn0.5〜2.0wt% を含み、かつ、 Fe wt%+(Mn wt%×1.07)+(Mg wt%×
    0.27)=2.0〜3.0であり、残部実質的にAlからな
    るアルミニウム合金を溶解後、50mm以下の厚さに
    急冷連続鋳造を行ない、この鋳塊に熱間圧延を行
    ない、又は、行なわず、このアルミニウム合金板
    条鋳塊を300℃の温度で熱処理を行ない、又は、
    行なわず、その後冷間圧延を行ない、又は、行な
    わず、次に、400〜600℃の温度に100℃/分以上
    の加熱速度で加熱し、加熱後直ちに、又は、10分
    以内保持後、100℃/時間以上の冷却速度で150℃
    以下に冷却し、平均結晶粒径を25μ以下とすると
    共に焼付硬化に寄与する成分を固溶状態に保ち、
    さらに、10%以上の冷間圧延を行ない、熱間圧
    延、冷間圧延の合計圧延率を90%以上とし、その
    最終板表面から見た金属間化合物の面積占有率を
    0.5〜5.0%とし、かつ、各金属間化合物の大きさ
    が45μ以下とすることを特徴とする焼付塗装硬化
    型キヤン用アルミニウム合金硬質板条の製造方
    法。
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