JP3037926B2 - アルミホイール鋳造用アルミニウム合金 - Google Patents
アルミホイール鋳造用アルミニウム合金Info
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Description
るアルミニウム合金製ディスクホイールを鋳造するため
に使用される鋳造用合金に係り、低圧鋳造、溶湯鍛造又
は半溶融成形等に適したAl−Si−Mg系合金に関す
る。
でしかも機械加工後の仕上精度も高いため、自動車用部
品や各種機械部品の鋳造用材料として使用されている。
特に自動車の重要保安部品であるディスクホイールに
は、伸び値や耐衝撃性が要求されるので、例えばAC4
CH(JIS H5202 参照)からなる合金が多用さ
れている。このアルミニウム合金製ディスクホイール
(以下アルミホイールという)は、図1に示すようにタ
イヤが装着される薄肉状のリム部2と比較的厚肉状のデ
ィスク部3からなる本体1を有し、この本体は重量%で
(以下も同様)、Si6.5〜7.5%、Mg0.20
〜0.40%、残部がAlと不可避の不純物からなる組
成を有する合金を鋳造し(低圧鋳造が一般的)、500
〜550℃の温度で溶体化処理を施し、140〜160
℃の温度で時効処理を施した(T6処理)後、機械加工
を施すことによって製造される。
てマトリックスを形成するSi、Mg等を固溶したアル
ミニウム(α)とアルミニウム中に固溶できず晶出した
共晶Siとによって構成されている。鋳造後の溶体化処
理によって、共晶Siは針状から粒状に変化するが、そ
の際、Sr、NaおよびSb等の元素を選択し、添加す
ることにより、その効果を促進させることが一般的であ
る(改良処理)。しかしながらSrを用いてこの改良処
理を行う場合、Sbの混入により共晶Siの球状化が著
しく阻害される。現在は、改良処理にSrを用いること
が一般的となってきているが、十数年前まではSbを用
いることが多く、今でもSbを使用することがある。
ップとなったアルミホイールを購入し安価な材料として
使用する場合Sbが混入する可能性がある。特にSbを
用いて改良処理の効果を出す場合、重量比でSrの場合
の20〜30倍程度必要であり、Sbを用いて改良処理
されたスクラップは少量の混入で著しく影響を与える可
能性が高い。例えば各元素の含有量を正確に調整して製
造されたアルミホイールであっても、機械的性質にばら
つきを生じ、例えば靱性(特に伸び値)の低いものが発
生することがある。また、衝撃への耐久力が不十分なも
のが発生する。自動車用部品の中で最も衝撃を受ける部
材の一つであるため、衝撃への耐久力は特に重用視され
る。また市場より購入したアルミホイールを使用する場
合、Feの含有量が増加し靱性を低下させる傾向にある
ので、尚一層この改良処理が重要となる。
を有するアルミホイールを安価に得ることのできる鋳造
用合金を提供することである。
に、本発明は、重量%でSi6.5〜7.5%、Mg
0.2〜0.4%、Sb0.024%以下(0を含まな
い)、Sr0.003〜0.03%、かつ、Sb/Sr
比が0.1〜0.8で、残部が実質的にAlからなる組
成の合金をアルミホイールに用いる、という技術的手段
を採用した。これによりSbを含むアルミホイール等の
スクラップ材を原料の一部としても7J/cm2以上の
シャルピー衝撃値を有するアルミホイールを得ることが
可能である。
させる各成分の作用と含有量の限定理由は次の通りであ
る。Siの含有量は6.5〜7.5%(%は重量%、以
下同じ)とする。Siは流動性を良好にする作用がある
が、6.5%未満ではその効果が少なく、7.5%を越
えると鋳造欠陥が多くなり、且つ高い靱性が得られなく
なるからである。Mgの含有量は0.2〜0.4%とす
る。MgはSiと共にMg2Siを形成する。熱処理を
することによりこのMg2Siを均一に且つ微細に析出
させ、引張強さ、耐力を向上させるために添加される
が、0.2%未満ではその効果が無く、0.4%を越え
ると強さの向上は認められなくなり単に伸び値のみが低
下するからである。Srの含有量は0.003〜0.0
3%とする。Srは共晶Siの改良処理剤(共晶Siの
微細化と球状化)として使用されるが、0.003%未
満ではその効果が無く、0.03%を越えると鋳造性が
低下するからである。特に本発明では、SbとSrとの
比(Sb/Sr比)は0.8以下とする。Sb/Sr比
が0.8より大きいと、伸び値が低下して高い靱性が得
られないからである。またSb/Sr比の好ましい範囲
は0.1〜0.8である。Sr含有量およびSb/Sr
比より、Sb含有量は0.024%以下とする。
l」とはAl以外に、Cu、Fe、Ni、Zn、Ti、
Mn、Sn、Caを含有してもよいが、その含有量は次
の範囲とする。Cuはその含有量が多いと靭性を低下さ
せるので0.2%以下とする。Feの含有量は0.20
%以下とする。Feは通常のアルミニウム地金に不純物
として混入しているが、0.20%以上であると、Al
やSiと反応してAl−Fe化合物やAl−Si−Fe
化合物を晶出し、これらの金属間化合物の切欠効果によ
り、靱性が低下するからである。Niはその含有量が多
いと機械的性質を低下させるので、0.05%以下とす
る。Znはその含有量が多いと靭性(特に高温靱性)を
低下させるので、0.10%以下とする。Tiは結晶粒
を微細化させる効果を有するが、多いと靭性が低下する
ので、0.20%以下とする。Mnは、マトリックス中
に晶出する針状組織(Al−Fe−Si化合物)の粗大
化を抑制する作用を有するが、多いと機械的性質を低下
させるので、0.10%以下とする。Snは多いと靱性
を低下させるので、0.05%以下とする。Caは鋳造
性に悪影響を与えるので0.01%以下とする。
ルミホイールを製作する場合は、例えば、上述した組成
となるようにアルミニウム地金を溶解し、次いでこのア
ルミニウム合金溶湯を金型内に注入、凝固完了後金型か
ら取出し、T6処理、例えば溶体化処理{(500〜5
50℃)×(4〜10hr)}及び時効処理{(140
〜160℃)×(2〜7hr)}を施し、そして機械加
工を施すことによって得られる。
0.3%Mgをベースとした地金10種類を準備し、こ
れらを溶解し、脱滓及び脱ガスを行った後Srを添加
し、次いで150℃に予熱した舟形金型(JIS H5
202参照)に注湯して試験片の合金組成を表1に示
す。試料No.1〜4が本発明の例である。
化処理した後15℃の水中に投入して焼入れを行い、次
いで145℃で4hrの時効処理を行った。各試験片を
所定形状に加工してから引張試験を行った。(各試験片
当り3回)。結果を図2及び図3に示す。図2は引張強
度とSb/Sr比との関係を示す、図3は靭性を表す要
因の1つであるシャルピー衝撃値とSb/Sr比との関
係を示す。シャルピー衝撃試験はJIS規格B7722
に基づいて行った。また、図4は試料11、図5は試料
1、図6は試料3、図7は試料4、図8は試料5、図9
は試料6、図10は試料8のそれぞれの組織写真を示
す。
範囲で26〜29kgf/mm2の引張強度が得られ、
特にSb/Sr比が0.1〜2の範囲で27〜29kg
f/mm2の引張強度が得られることがわかる。
シャルピー衝撃値は4〜5.5J/cm2程度の値にと
どまるが、Sb/Sr比が0.8以下では、7J/cm
2以上のシャルピー衝撃値が得られた。図4〜7からS
b/Sr比が0.8以下の場合、共晶Siが良好な球状
を呈しているが、図8〜10からSb/Sr比が0.8
を超えると球状化が阻害されることがわかる。
l−Si−Mg系合金の各成分のみならず、Sb/Sr
の比率が特定の範囲にコントロールされているので、高
強度かつ高靱性のアルミホイール鋳造用合金を安価に得
ることができる。
る。
組織を示す光学顕微鏡写真である。
織を示す光学顕微鏡写真である。
織を示す光学顕微鏡写真である。
織を示す光学顕微鏡写真である。
織を示す光学顕微鏡写真である。
織を示す光学顕微鏡写真である。
組織を示す光学顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくともSbを含むスクラップ材を原
料の一部とするアルミホイール鋳造用合金であり、 重量%でSi6.5〜7.5%、Mg0.2〜0.4
%、Sb0.024%以下(0を含まない)、Sr0.
003〜0.03%、かつ、Sb/Sr比が0.1〜
0.8で、残部が実質的にAlからなる組成を有し、7
J/cm 2 以上のシャルピー衝撃値を有することを特徴
とするアルミホイール鋳造用合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10062092A JP3037926B2 (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | アルミホイール鋳造用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10062092A JP3037926B2 (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | アルミホイール鋳造用アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11241135A JPH11241135A (ja) | 1999-09-07 |
JP3037926B2 true JP3037926B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=13190075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10062092A Expired - Lifetime JP3037926B2 (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | アルミホイール鋳造用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3037926B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN102373350B (zh) * | 2010-08-07 | 2013-03-20 | 秦皇岛开发区美铝合金有限公司 | 高端轿车轮毂专用铝硅镁合金制备方法 |
CN101966575B (zh) * | 2010-11-13 | 2012-08-08 | 河南理工大学 | 铝合金车轮铸造工艺和热处理工艺 |
CN102912197B (zh) * | 2012-10-12 | 2015-09-30 | 宁波科达工贸有限公司 | 一种铝硅镁系铸造铝合金及其制备方法 |
CN106086546B (zh) * | 2016-08-26 | 2017-08-25 | 山东金马汽车装备科技有限公司 | 铝合金轮毂的低压铸造工艺 |
-
1998
- 1998-02-26 JP JP10062092A patent/JP3037926B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11241135A (ja) | 1999-09-07 |
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