JPH0665666A - 高靱性、高強度アルミニウム合金鋳物 - Google Patents

高靱性、高強度アルミニウム合金鋳物

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JPH0665666A
JPH0665666A JP24729792A JP24729792A JPH0665666A JP H0665666 A JPH0665666 A JP H0665666A JP 24729792 A JP24729792 A JP 24729792A JP 24729792 A JP24729792 A JP 24729792A JP H0665666 A JPH0665666 A JP H0665666A
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Japan
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casting
strength
toughness
aluminum alloy
wall thickness
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JP24729792A
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Ryoichi Shibata
良一 柴田
Rikizo Watanabe
力蔵 渡辺
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミホイールや懸架装置部品などの自動車
部品として、厚肉部の冷却速度が遅い状態においても、
機械的性質の劣化が少なく、特に靱性に優れるアルミニ
ウム合金鋳物を得る。 【構成】 一部に肉厚20mm以上を有する高靱性、高
強度アルミニウム合金鋳物であり、重量%で、Si:4
〜8%、Mg:0.2〜0.6%、Fe:0.1%未
満、Mn:0.4%以下、残部がAlおよび不可避不純
物からなり、Si(%)×Mg(%):1.0〜4.2
とし、鋳造後にT6処理を施す。そして、一部の組織中
の鋳造欠陥率を0.1〜1.0%、当該部分の機械的性
質の強度指標[3×引張強さ(N/mm2 +40×伸び
(%)]の値を1100以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靱性に優れかつ高い抗
張力を有し、自動車用のアルミホイールや足廻り鋳物部
品等の、強度を必要とする部材に使用されるアルミニウ
ム合金鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の強度部材として使用されるア
ルミニウム合金鋳物は、強度、安全性が重要であり、鋳
物の健全性はもちろん、靱性、とくに耐衝撃性、高い伸
び、耐力、および高い抗張力を有する等、良好な機械的
性質が要求される。
【0003】こうした機械的性質を比較的満足するもの
として、Al−Si−Mg系の(JIS)AC4CH合
金がある。AC4CH合金は、Si:7%前後、Mg:
0.3%前後、Fe:0.2%程度を含み、鋳造性が良
好であり、また、特に溶湯温度を低温にして鋳型に鋳造
する場合や、鋳物の薄肉部など冷却速度が大きいところ
では、機械的性質が比較的良好である。そして、このA
C4CH合金は、自動車用のアルミホイール、懸架装置
部品としてのクロスメンバーおよびナックルハウジング
など、強度、靱性を必要とする鋳物部品に使用されてき
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アルミホイールや、ク
ロスメンバー、ナックルハウジングなどの自動車用部品
には、複雑形状の部分がある。そのため、鋳造時の金型
温度を200℃以上、望ましくは300℃以上と高くし
て、湯流れ性を確保している。しかし、金型温度を上げ
ると、冷却速度の遅い鋳物の厚肉部では、鋳造欠陥が発
生しやすく、また、粗大な晶出物も発生しやすい。
【0005】アルミニウム合金の結晶粒界への粗大なA
l、Si、Fe、Mgの2種以上を含む化合物の晶出物
の例を図13に示し、図14(A)から図14(D)に
は、晶出物の種々の形態を拡大して示す。図14(A)
は針状晶出物(Al−Si−Fe系)、図14(B)は
スケルトン状晶出物(Al−Si−Fe系)、図14
(C)はAl−Si−Mg−Fe系晶出物、図14
(D)は羽毛状晶出物(Al−Si−Ti系)である。
このような晶出物が発生すると、引け巣やピンホールな
どの鋳造欠陥と併せて機械的性質、特に伸びが著しく低
下する。上述の通り、アルミニウム合金鋳物の厚肉部な
ど、冷却速度が遅い部分では、機械的性質が悪くなって
いた。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決し、
アルミホイールや懸架装置部品などの自動車部品とし
て、厚肉部の冷却速度が遅い状態においても、機械的性
質の劣化が少なく、特に靱性に優れるアルミニウム合金
鋳物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに鋭意研究の結果、本発明者は、Al−Si−Mg系
のアルミニウム合金に対して、共晶Siの改良処理を行
い、含有Feを少なくし、かつ、Si、Mgに対して、
Si(%)×Mg(%)を最適に選択し、鋳造後T6処
理することにより、鋳造欠陥が厚肉部位において多少発
生しても、信頼性が高く、特に靱性の高いアルミニウム
合金鋳物が得られることを見いだした。
【0008】即ち、本発明の高靱性、高強度アルミニウ
ム合金鋳物は、少なくとも一部に肉厚20mm以上を有
し、重量%にて、Si:4〜8%、Mg:0.2〜0.
6%、Fe:0.1%未満、Mn:0.4%以下、か
つ、Si(%)×Mg(%):1.0〜4.2とし、残
部Alおよび不可避不純物からなり、鋳造後にT6処理
を施されることを特徴とする。
【0009】本発明の高靱性、高強度アルミニウム合金
鋳物は、一部の組織中の鋳造欠陥が0.1〜1.0%、
かつ、当該部分の機械的性質の強度指標[3×引張強さ
(N/mm2 )+40×伸び(%)]の値が1100以
上である。
【0010】また、本発明の高靱性、高強度アルミニウ
ム合金鋳物は、冷却速度の遅い部分でのDAS2が30
μm以上である。
【0011】そして、本発明は自動車用部品に適用で
き、特にアルミホイールやクロスメンバー、ナックルハ
ウジングの懸架装置部品に適している。
【0012】
【作用】本発明における各組成範囲および数値の限定理
由を説明する。 (1) Si(シリコン):4〜8% Siは、鋳造性を左右する元素であり、4%未満では鋳
造性が悪く、大きな外引けを生じる。しかし、8%を越
えると、共晶の量が増加して靱性が低下する。共晶のS
iは改良処理を行うことにより、片状から球状に変える
ことで高い強度と靱性を得ることができる。このため、
Siの含有量は、4〜8%とする。
【0013】(2) Mg(マグネシウム):0.2〜
0.6% Mgは、T6熱処理により、Siと結合してMg2 Si
が基地中に分散し、強度を向上させるのに有効である。
0.2%未満ではその効果が小さく、0.6%以上では
共晶部にAl、Mg、Si、Feを主体とする化合物を
晶出して靱性を阻害する。このためMgの含有量は、
0.2〜0.6%とする。
【0014】(3) Fe(鉄):0.1未満、好まし
くは0.07%以下 Feは、靱性を阻害する要因として知られている。冷却
速度の遅い部分がある鋳物は、Al、Si、Mg、Fe
を含む化合物が晶出し、靱性を阻害する。このためFe
含有量は、0.1%未満、好ましくは0.07%以下と
する。
【0015】(4) Mn(マンガン):0.4%未満 Mnは、上記のFeを含む晶出化合物の形状を、やや丸
みを持たせるために添加する。0.4%以上では、Mn
を含む化合物が晶出して靱性が低下する。このため、M
n含有量は、0.4%未満とする。
【0016】(5) Si(%)×Mg(%):1.0
〜4.2、好ましくは、1.2〜3.6 本発明において、SiとMgは図1に示す関係を有す
る。図1で、Si(%)×Mg(%)の値が4.2を越
えて大きいと、共晶部にAl、Si、Mgを主体とする
化合物を晶出して、靱性を阻害する。一方、Si(%)
×Mg(%)の値が1.0未満では、基地の強度が低下
する。このため、Si(%)×Mg(%)は、1.0〜
4.2、好ましくは、1.2〜3.6とする。
【0017】(6)T6熱処理 一部に肉厚20mm以上を有し、上記化学成分で鋳造し
た鋳物を、溶体化温度500〜550℃で2〜8時間保
持後、好ましくは140〜180℃の温度で4〜15時
間にわたり水冷または湯冷して時効硬化させる処理を行
う。
【0018】(7)欠陥率:0.1〜1.0% 欠陥率が0.1%を超えると通常のAC4CH合金では
靱性が低下するが、本発明では靱性の低下が少ない。し
かし、欠陥率が1.0%以上では本発明でも靱性が低下
する。従って、欠陥率の範囲は、0.1〜1.0%とす
る。
【0019】(8)強度指標[3×引張強さ(N/mm
2 )+40×伸び(%)]:1100以上 強度部品は、機械的性質の伸びと引張強さの双方を必要
とする。しかし、一般に、伸びと引張強さの値を大きく
して両立させることは難しい。そこで、本発明者は、
(係数)×(引張強さ)と(係数)×(伸び)の和があ
る値以上にあれば、部品に衝撃が加わった場合でも、靱
性と強度を確保できることを見いだし、これを強度指標
とした。本発明で強度指標は、[3×引張強さ(N/m
2 )+40×伸び(%)]とし、その値を1100以
上とする。
【0020】(9)鋳物の冷却速度の遅い部分でのDA
S2:30μm以上 本発明の高靱性、高強度アルミニウム合金鋳物は、鋳物
の冷却速度の遅い部分でのDAS2が30μm以上あっ
ても、強度指標1100以上を有する。
【0021】上記組成範囲および構成のほかに、H2
(水素)を0.4%以下にして、アルミニウム合金鋳物
の溶体化処理時のふくれの発生や内部へのピンホールの
発生を抑止する。
【0022】また、Ti(チタン)を0.2%以下、ま
たさらに、B(ボロン)を0.2%以下添加して、マク
ロ結晶粒を微細化してもよい。
【0023】更に、改良処理として、溶湯に小量のN
a、Sr、Sb等を加えて、共晶基地中のSi形状を球
状微細化し機械的強度を向上する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 (実施例1)表1に示す化学組成の溶湯を調整後、精
錬、脱ガス処理を行い、鋳型に注湯して、図12に示す
階段状の試験片を鋳造した。
【0025】Fe含有量は、実施例と比較例とで0.1
%未満を境に差をつけ、実施例101と102は、それ
ぞれFe:0.04%、0.05%、比較例501と5
02は、Fe:0.14%、0.13%とした。
【0026】
【表1】番号 化学組成 Si Mn Mg Fe Ti Sr H2 Si×Mg (%) (%) (%) (%) (%) (ppm) (ml/100g) 実施例 101 6.20 0.01 0.43 0.04 0.16 75 0.14 2.67 102 7.16 0.01 0.28 0.05 0.13 67 0.12 2.00 比較例 501 5.24 0.01 0.39 0.14 0.13 77 0.16 2.04 502 7.12 0.01 0.31 0.13 0.17 67 0.12 2.21
【0027】鋳造後、階段状試験片の各厚さ毎に評価用
テストピースを作製し、それぞれ機械的性質、強度指
標、欠陥率、DAS−2を測定した。その結果を表2に
示す。
【0028】
【表2】 番号 厚さ 伸び 引張強さ 強度指標 欠陥率 DAS2 (mm) (%) (N/mm2 ) (%) (μm) 実施例 101 4 14.1 325 1539 0.08 22 8 13.6 318 1498 0.09 28 12 13.3 312 1468 0.12 36 20 12.3 315 1437 0.19 43 30 10.7 306 1346 0.25 48 50 10.2 301 1311 0.33 53 実施例 102 4 11.8 309 1399 0.09 20 8 10.3 300 1312 0.13 25 12 10.1 284 1256 0.16 32 20 9.9 268 1200 0.19 41 30 8.6 266 1142 0.26 43 50 8.3 263 1121 0.40 48 比較例 501 4 8.3 321 1295 0.07 25 8 7.1 311 1217 0.09 29 12 5.8 305 1147 0.14 38 20 4.2 283 1017 0.29 43 30 4.5 288 1044 0.32 47 50 3.9 282 1002 0.34 52 比較例 502 4 8.2 316 1276 0.05 20 8 7.5 303 1209 0.08 27 12 6.1 299 1141 0.11 35 20 5.9 271 1049 0.21 41 30 5.2 270 1018 0.24 45 50 5.3 273 1031 0.31 51
【0029】表2で、実施例101、102および比較
例501、502の機械的性質の引張強さと伸びは、薄
肉部の4mm〜12mmでは良好であるが、肉厚の増加
とともに低下している。
【0030】しかし、実施例101、102は、肉厚が
20mmから、30mm、50mmと増加しても、伸び
の低下が少なく、強度指標[3×引張強さ(N/mm2
+40×伸び(%)]の値が1100以上あり、総合的
に強度を有していることがわかる。
【0031】一方、比較例501、502は、肉厚が増
えると伸びが減少し、肉厚20mmでの強度指標の値は
1050以下となり、総合的な強度が不足している。
【0032】以上、表2の実施例101、102および
比較例501、502の結果を纏めて、図7から図10
に示す。図7は鋳物肉厚と引張強さの関係、図5は鋳物
肉厚と伸びの関係、図6は鋳物肉厚とDAS2の関係、
図7は鋳物肉厚と欠陥率の関係を示す図である。
【0033】図7で、実施例と比較例とも鋳物肉厚の増
加とともに、引張強さが270N/mm2 程度に低下し
ている。しかし、図8の鋳物肉厚と伸びの関係で示すよ
うに、実施例は伸びが8%以上あり、鋳物肉厚の増加に
対して伸びの低下が少ない。これに対し、比較例は肉厚
の増加とともに伸びが4%近くに低下している。
【0034】図9に示す鋳物肉厚とDAS2との関係図
では、鋳物肉厚の増加につれて、実施例および比較例と
もDAS2が同じように大きくなっている。また、図1
0の鋳物肉厚と欠陥率との関係図では、実施例および比
較例とも同じように、肉厚の増加とともに、欠陥率も増
加している。
【0035】以上、実施例は、DAS2および欠陥率に
ついては比較例と同様であるが、引張強さおよび伸びか
らなるの総合的な強度を示す強度指標において優れてい
る。
【0036】なお、図5は実施例101の肉厚20mm
部の金属組織写真であり、欠陥率は0.3%、DAS2
は42μmであった。また、図6は同じく実施例111
の肉厚50mmの金属組織写真であり、欠陥率は0.3
5%。DAS2は50μmであった。
【0037】(実施例2)実施例1と同様に図12の階
段状試験片を金型にて鋳造した。表3に、肉厚20mm
部分での実施例103から110の化学組成の分析結果
を示す。
【0038】
【表3】 番号 化学組成 Si Mn Mg Fe Ti Sr H2 Si×Mg (%) (%) (%) (%) (%) (ppm) (ml/100g) 実施例 103 4.02 0.01 0.53 0.04 0.16 58 0.17 2.13 104 4.89 0.01 0.73 0.04 0.14 83 0.17 3.56 105 5.18 0.01 0.20 0.04 0.15 67 0.15 1.03 106 5.31 0.01 0.49 0.04 0.16 91 0.13 2.60 107 6.12 0.01 0.29 0.04 0.14 62 0.15 1.77 108 6.94 0.01 0.50 0.05 0.14 72 0.14 3.47 109 7.16 0.01 0.28 0.05 0.13 67 0.12 2.00 110 7.96 0.01 0.21 0.05 0.16 88 0.19 1.67
【0039】次に、実施例1と同様に評価用テストピー
スを作製し、機械的性質、強度指標、欠陥率およびDA
S2を調査した。その結果を表4に示す。
【0040】
【表4】 番号 評価試験結果 伸び 引張強さ 強度指標 欠陥率 DAS2 (%) (N/mm2 ) (%) (μm) 103 8.2 279 1165 0.53 45 104 4.3 310 1102 0.40 45 105 5.1 305 1119 0.39 52 106 6.4 313 1195 0.33 48 107 11.3 272 1268 0.25 45 108 7.1 310 1214 0.18 44 109 9.9 268 1200 0.19 41 110 10.5 257 1191 0.19 45
【0041】一方、Fe量が0.1%以上の表5に示す
比較例503〜510評価用テストピースを作製し、実
施例103〜110と同様に評価試験を行った。評価試
験の結果を表6に示す。表5および表6より、比較例5
03および509は、Siが低すぎ、かつFeが高いた
め、強度指標が1079、1047と低くなっている。
また、比較例504、505、506および508は、
Fe含有量が高く靱性を阻害して、結果として、強度指
標をそれぞれ999、1065、1041および104
9と低くなっている。また、比較例507は、Mgが低
く、Feが高く、Si×Mgが小さいため、強度指標が
1057と低くなっている。そして、比較例510は、
Siが多いがMgが低すぎるためSi×Mgが小さす
ぎ、またFeが高すぎるため、強度指標は1006と低
くなっている。
【0042】
【表5】 番号 化学組成 Si Mn Mg Fe Ti Sr H2 Si×Mg (%) (%) (%) (%) (%) (ppm) (ml/100g) 比較例 503 3.23 0.01 0.41 0.14 0.14 81 0.17 1.32 504 4.13 0.01 0.49 0.14 0.17 72 0.14 2.02 505 5.05 0.01 0.21 0.14 0.15 65 0.12 1.06 506 6.08 0.01 0.29 0.13 0.14 67 0.18 1.76 507 6.89 0.01 0.09 0.14 0.14 62 0.15 0.62 508 7.15 0.01 0.41 0.13 0.16 72 0.15 2.93 509 8.11 0.01 0.21 0.14 0.16 68 0.14 1.70 510 8.87 0.01 0.11 0.14 0.15 65 0.12 0.97
【0043】
【表6】 番号 評価試験結果 伸び 引張強さ 強度指標 欠陥率 DAS2 (%) (N/mm2 ) (%) (μm) 比較例 503 6.8 269 1079 0.51 48 504 3.9 281 999 0.44 41 505 6.9 263 1065 0.23 39 506 6.6 259 1041 0.21 39 507 8.5 239 1057 0.22 41 508 5.6 275 1049 0.24 46 509 6.9 257 1047 0.21 43 510 7.0 242 1006 0.22 41
【0044】図11は、前記表3〜表6の実施例および
比較例を、Fe含有量レベルごとに、評価数を増やして
纏めたものであり、図11(A)はFe:0.04%レ
ベル、(B)は0.09%レベル、(C)は0.14%
レベルを示す。図11(A)、(B)で、Si、Mg、
Si×Mgが本発明範囲外の比較例(×印で示す)で
は、強度指標を示す直線より下側にあり、強度指標が不
足している、本発明実施例の(●印で示す)ものは、い
ずれも強度指標を満足している。一方、図11(C)の
Feが本発明範囲外は強度指標が不足している。
【0045】(実施例3)図2に示す一部に肉厚20m
m以上を持つアルミホイールを低圧鋳造法で鋳造した。
化学成分は、表7に示す通りである。本発明の範囲の実
施例111と、Fe含有量のみが本発明範囲の0.1%
を越えた比較例511に分け鋳造した。
【0046】
【表7】 番号 化学組成 Si Mn Mg Fe Ti Sr H2 Si×Mg (%) (%) (%) (%) (%) (ppm) (ml/100g) 実施例 111 5.87 0.01 0.44 0.04 0.16 92 0.15 2.58 比較例 511 7.05 0.01 0.36 0.13 0.17 72 0.15 2.53
【0047】次に、アルミホイールを鋳造後、鋳造時肉
厚が25mmのスポーク部(略号”S”で示す)と、同
じく肉厚が25mmのディスク部(略号”D”で示
す)、肉厚が10mmのフロントフランジ部(略号”
F”で示す)、肉厚が10mmのリヤフランジ部(略
号”R”で示す)を切断してテストピースを作製し、伸
び、引張強さ、強度指標、欠陥率、DAS2を調査し
た。その結果を表8に示す。
【0048】
【表8】 評価試験結果 部位 肉厚 伸び 引張強さ 強度指標 欠陥率 DAS2 (mm) (%) (N/mm2 ) (%) (μm) 実施例 111 S 25 8.3 301 1235 0.48 47 D 25 7.6 298 1198 0.53 54 R 10 10.8 306 1350 0.31 25 F 10 12.1 313 1423 0.27 22 比較例 511 S 25 5.1 256 972 0.31 46 D 25 4.8 251 945 0.24 53 R 10 7.9 281 1159 0.24 23 F 10 8.9 286 1214 0.26 22
【0049】表8で、実施例111は、肉厚が25mm
のスポーク部(S)およびデザイン部(D)が、欠陥率
0.1以上、DAS230μm以上でも、強度指標が1
100以上ある。実施例111は、厚肉の部分でも十分
強度を有していることを示している。十分強度を有する
ので、自動車用強度部品として安全であり、安全が確保
できれば、軽量化も可能である。
【0050】これに対し、比較例511は、肉厚が25
mmのスポーク部(S)およびデザイン部(D)での強
度指標が1100以下であり、実施例に比較し、まだ強
度が不足している。
【0051】(実施例3)図3に示す一部に肉厚20m
m以上を有するサスペンション部品のリヤハウジング
を、溶湯鍛造法で金型で鋳造した。化学成分は、表9に
示す本発明の範囲の実施例112と、Fe含有量のみが
本発明範囲の1.0%を越えた比較例512に分け鋳造
した。サスペンションを鋳造後、鋳造時肉厚が25mm
のA、B、Cを切断してテストピースを作製し、伸び、
引張強さ、強度指標、欠陥率、DAS2を調査した。そ
の結果を表10に示す。
【0052】
【表9】 番号 化学組成 Si Mn Mg Fe Ti Sr H2 Si×Mg (%) (%) (%) (%) (%) (ppm) (ml/100g) 実施例 112 5.98 0.01 0.43 0.04 0.16 75 0.14 2.57 比較例 512 6.98 0.01 0.35 0.14 0.15 77 0.12 2.44
【0053】
【表10】番号 評価試験結果 部位 肉厚 伸び 引張強さ 強度指標 欠陥率 DAS2 (mm) (%) (N/mm2 ) (%) (μm) 実施例 112 A 25 9.3 286 1230 0.53 47 B 25 10.1 299 1301 0.55 52 C 25 8.2 293 1207 0.61 51 比較例 512 A 25 5.3 268 1016 0.48 43 B 25 4.9 275 1021 0.52 47 C 25 5.6 266 1022 0.46 51
【0054】表11で、実施例112は、肉厚が25m
mのA、B、C部位の強度指標が1100以上あり、厚
肉の部分でも十分強度を有していることを示している。
十分強度を有するので、自動車用強度部品として安全で
あり、軽量化も可能である。これに対し、比較例512
は、肉厚が25mmのA、B、C部位での強度指標が1
100以下であり、本発明の実施例に比較し、まだ強度
が不足している。
【0055】本発明は、図4に示す一部に肉厚20mm
以上を有する自動車用クロスメンバーのも適用しても十
分強度を有し、自動車用強度部品として安全であり、軽
量化も可能である。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明の通り、少なくとも一部
に肉厚20mm以上を有し、重量%にて、Si:4〜8
%、Mg:0.2〜0.6%、Fe:0.1%未満、M
n:0.4%以下、残部Alおよび不可避不純物からな
り、かつ、Si(%)×Mg(%):1.0〜4.2と
し、鋳造後にT6処理を施す本発明の高靱性、高強度ア
ルミニウム合金鋳物は、引張強さ、伸びを含めた総合の
強度指標が高く、信頼性に優れている。このため、アル
ミホイール、ナックルハウジング、クロスメンバー等の
特に靱性を要求される自動車用部品に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSi、Mgの含有範囲およびSiとM
gとの関係を示す図である。
【図2】本発明の一実施例を示すアルミホイールの側面
図および正面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すナックルフランジの正
面図である。
【図4】本発明一実施例のクロスメンバーの見取り図で
ある。
【図5】実施例101の肉厚20mm部の金属組織写真
を示す。
【図6】実施例101の肉厚50mm部の金属組織写真
を示す。
【図7】実施例と比較例との鋳物肉厚と引張強さとの関
係を示す図である。
【図8】実施例と比較例との鋳物肉厚と伸びとの関係を
示す図である。
【図9】実施例と比較例との鋳物肉厚とDAS2との関
係を示す図である。
【図10】実施例と比較例との鋳物肉厚と欠陥率との関
係を示す図である。
【図11】表3〜表6の実施例および比較例を、Fe含
有量レベルごとに、強度指標を纏めた図である。
【図12】階段状の試験片を示す見取り図である。
【図13】アルミニウム合金の結晶粒界への粗大なA
l、Si、Fe、Mgの2種以上を含む化合物の晶出物
の金属組織写真である。
【図14】(A)は針状晶出物(Al−Si−Fe
系)、(B)はスケルトン状晶出物(Al−Si−Fe
系)、(C)はAl−Si−Mg−Fe系晶出物、
(D)は羽毛状晶出物(Al−Si−Ti系)を示す金
属組織写真である。
【符号の説明】
A:アーム部 B:アーム部 C:取付
部 D:ディスク部 F:フロントフランジ部 R:リヤ
フランジ部 S:スポーク部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に肉厚20mm以上を有
    し、重量%で、Si:4〜8%、Mg:0.2〜0.6
    %、Fe:0.1%未満、Mn:0.4%以下、残部が
    Alおよび不可避不純物からなり、Si(%)×Mg
    (%):1.0〜4.2であり、鋳造後にT6処理が施
    されたことを特徴とする高靱性、高強度アルミニウム合
    金鋳物。
  2. 【請求項2】 一部の組織中の鋳造欠陥率が0.1〜
    1.0%であり、当該部分の機械的性質の強度指標[3
    ×引張強さ(N/mm2 +40×伸び(%)]の値が1
    100以上であることを特徴とする請求項1記載の高靱
    性、高強度アルミニウム合金鋳物。
  3. 【請求項3】 鋳物の冷却速度の遅い部分での2次デン
    ドライトアームスペーシング(以下「DAS2」とい
    う)が30μm以上であることを特徴とする請求項1お
    よび2記載の高靱性、高強度アルミニウム合金鋳物。
  4. 【請求項4】 自動車用部品であることを特徴とする請
    求項1及至3記載の高靱性、高強度アルミニウム合金鋳
    物。
  5. 【請求項5】 アルミホイールであることを特徴とする
    請求項4記載の高靱性、高強度アルミニウム合金鋳物。
  6. 【請求項6】 懸架装置部品であることを特徴とする請
    求項4記載の高靱性、高強度アルミニウム合金鋳物。
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