JP2741199B2 - 高密度焼結鉄合金 - Google Patents
高密度焼結鉄合金Info
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Description
【発明の詳細な説明】
焼結材料の機械的及び物理的諸性質を良好ならしめる
ためには、当該材料の密度を出来るだけ高くすることが
重要であることは、よく知られている。鉄材料を焼結し
た場合の典型的な密度は、当該材料の理論密度の85%な
いし95%である。焼結材料の密度が理論密度に100%近
似するにつれて、機械的及び物理的性質上の改良向上は
劇的なものとなる。焼結後材料中に残留する細孔の数は
減少するが、このことは、当該材料が材料として特定の
組成について実現可能な最高の諸性質を有し得ると仮定
した場合、第一義的な目的となるべきものと認識され
る。 このような技術開発は、機械的強度が高く、耐摩耗性
や靭性が優れ又高温特性が高いために有用な鉄合金の製
造に関わることである。このような合金は、一般的には
炭素、クローム、モリブデン、タングステン、バナジウ
ム又選択的にはコバルトやニッケル及び可能ならばその
他、ニオブ、チタンやタンタル等のカーバイド形成性元
素などの元素混合鉄合金である。マンガンやケイ素は、
通常は出発材料中では不純物として存在する。これ等の
鉄合金としては、ある種のステンレス鋼や又高速工具鋼
を含む冷間及び熱間加工工具鋼がある。 鉄粉末から製造される材料の密度を高くするためにい
くつかの方法が、既に開発されているが、そのうちの幾
つかを以下に掲げる: (a)圧縮した金属粉末を合金の固相線温度に近似して
真空焼結すること。この方法は、高価な装置を必要とす
ること、処理量が比較的少ないこと又サイクルタイムが
長いことなどの欠点を有している。その結果、この方法
は、高付加価値製品の製造にのみ用いられているに過ぎ
ない。更には、焼結温度が極めて重要であり、典型的に
は±2℃に保持する必要がある。温度がもし低過ぎれ
ば、得られた材料の密度は、必要な高さに達せず、又温
度が高過ぎれば、材料の構造に変化が生起するため、幾
つかの問題が生じる。 (b)熱等方加圧法。この方法では、金属粒子間の焼結
を促進させるために、圧力と高温に同時に暴露する。こ
の方法は、装置が極めて高価で、真空焼結と同様に処理
量が相対的に小さく、そのため最終製品のコスト高くな
るという重大な欠点を有している。 (c)浸透法。材料中の残量細孔を出来るだけ少なくす
ることを確実にするために、浸透法という加工方法を用
いることが可能である。金属粉末をまず加圧圧縮し、次
いで必要とする温度で焼結し、細孔が未だ相互に連通し
ている材料を製造する。この材料を、次に多孔質の材料
の上又はその下に置いた浸透剤の融点以上の温度までに
再び加熱する。融解すると直ちに、この浸透剤は、毛管
作用によって細孔内部にまで移行するのである。母材の
焼結と浸透とを一つの加熱工程において組合せること
が、可能である。 浸透法の一つの欠点は、別個の浸透剤を正確な重量だ
け加圧圧縮して、多孔質の焼結材料の中の細孔に精確に
充填する必要がある、ということである。従って、この
方法で製造される構成成分のそれぞれについて、通常二
つ又はそれ以上の加圧圧縮成形物を製造せねばならず、
そのため製造コストが余分に掛かることになる。更に
は、細孔の幾つかが表面と相互に連通されなかった場
合、これ等細孔は充填されず、浸透加工工程が完了した
後でも残量する。高密度は実現されるとはいえ、尚当該
材料の理論密度の98−99%程度の高さであるのが普通で
ある。浸透法を利用したとしても、その応用には限界が
ある。 一つの焼結工程で可能な限り最大限理論密度に近接す
る材料に対する需要・要求が、未だ高いこと、並びに焼
結方法が低コストの操作であること、この二つのこと
は、明白である。更には、材料を製造する原料粉末は、
やはり低コストの冶金方法を用いて事前焼結された形状
に成形可能なものでなければならず、又主要装置として
高価な、高温ないし高圧容器を必要としないものでなけ
ればならない。好ましくは、これ等の粉末はそれ自体、
常法である水粉霧化法で製造可能でなければならず、又
不活性ガス粉霧化法又はその他の予備圧縮処理法で製造
される酸素含有量の低い粉末であってはならない。 焼結材料としては、現在では理論的に計算された密度
の少なくとも95%、通常は理論密度の98%以上のもの
が、既に開発されている。使用する鉄粉末は、酸素含有
料を低く抑えるために特別に気体粉霧化されるものであ
る必要はなく、通常の水粉霧化法で製造することが可能
である。又もう一つの利点は、このような水粉霧化法で
は、通常は粉体形状が不定形となり、その結果生成した
粉体は、金型内で圧縮した場合確実に相当程度の未焼結
強度を有することになる、ということである。このこと
は、とりもなおさず圧縮処理した粉末構成部品は、破け
たり又壊れたりする危険性が殆どない状態で取扱い可能
であることを意味する。 この粉末を、次にその他の添加混合物と混合し、スタ
ティックダイ(static die)で圧縮する。このように成
形された粉末圧縮体は、通常は常法のメシュベルト炉内
において15ないし60分間1060ないし1160℃までに加熱す
ることによって焼結する。過去のような加熱処理は、金
属粉末を酸化しない雰囲気、たとえば解離したアンモニ
ア、即ち露点が−20℃以下、好ましくは−40℃以下であ
る水素/窒素追雰囲気の中において行わなければならな
い。 焼結を行った後、圧縮体は、その構造を硬結から防止
する速度で冷却する。この段階では、このような焼結さ
れた材料の密度は、理論的に計算された密度の少なくと
も98%、恐らくは99%である筈であろう。このような材
料は、焼結温度からこれ等材料に関連する通常の硬結を
防止する速度で冷却せしめられるが、その焼結状態にあ
っては、必要に応じて機械処理して、成形することが出
来る。機械処理を行った後、この構成成分は、熱処理し
て優れた、魅力的な強度及び硬度特性を得ることが出来
る。 本発明の鉄材料は、重量パーセントとして以下のよう
な組成範囲を有する高速度鋼である。 C 0.6−2.5 Cr 2−8 MO 0.5−10 V 1−5 Co 0−12 W 1−20 Mn 0−2 Ni 0−2 Cu 4.5−20 P 0.4−1.2 Fe 残り ここで、炭素含有率%は、以下の範囲にある: 即ち、CCC%−0.01%ないしCCC%+0.3% (上式において、CCC%は、計算された炭素含有率であ
り、(CWE/20)−0.4に等しい。又CWEは、タグステン含
有率%+モリブデン含有率%の二倍+バナジウム含有率
%の6倍に等しい)又燐は、燐を2ないし14%含有する
銅燐化物から由来する。 焼結材料は、以下の方法で製造することが出来る: 合金処理された鉄をベースとする粉末を、銅を一切含
有しない溶融合金を水粉霧化することによって製造する
が、粉霧化された合金の組成は、銅燐化物、好ましくは
銅、銅合金粉末及び/又はグラファイトを更に添加混合
することによって、このような混合粉末の組成が必要と
される組成、即ち上記した組成範囲に収まる組成と合致
するような組成である。こうして粉霧化された鉄粉末
は、必要な炭素準位を有するか又は有さない状態で製造
することが可能である。尚、必要な炭素準位は、グラフ
アイトを添加することによって達成される。このような
炭素を粉霧化処理以前に溶解合金に添加すると、粉霧化
処理された粉末は、その他の粉末と混合し、製造プロセ
スの次の工程にて圧接されるに先立って、焼結して軟化
せしめる必要が、多分起り得るであろう。このような銅
燐化物は、燐含有率が2%ないし14%の範囲内にある
が、燐を6%ないし11%含有する合金、特に燐を8.4%
含有する共晶組成物を使用することがより良い。この共
晶組成物は、銅−燐系では最も融点の低い合金である。
銅−燐合金の組成が共晶組成に近接するればするほど、
それだけ一層融点の低い液相が、焼結時に形成され、ま
た焼結した場合、最終密度としては必要とされる高い密
度を得ることが一層容易となる。 このような混合粉末は又、必要に応じて加圧用潤滑油
と混合して、圧縮工程を容易にするが、この圧縮工程の
後、粉末は所定の形状に圧縮成形される。圧隙は、常法
による金型セットで、即ちたとえば油圧圧縮法によって
行ってもよい。このような圧縮プロセスの目的は、粉末
を少なくとも25tsi(380MPa)、好ましくは約40tsi(62
0MPa)である、出来るだけ一様なある圧力にかけること
であるはずである。こうすることによって、密度が、粉
末混合物の組成に依存して理論密度のほぼ65%ないし80
%の範囲にある取扱い可能な圧縮成形物が得られるであ
ろう。 圧縮成形の後、加圧用潤滑油は、低温熱加熱操作にお
いて除去してもよいが、またその替わりにこのような圧
縮成形物を露点が−20℃以下の、好ましくは−40℃の解
離したアンモニアの雰囲気中で操作される常法によるメ
ッシュベルト炉において焼結させることが出来る。焼結
は、典型的には15から60分であってもよい。 焼結を行った後、この圧縮成形物は、容積が減少する
ものの、密度は高くなっている筈であろう。但し、組成
及び焼結温度は、正しく選択済みであることを条件とす
る。組成及び焼結温度は、以下の指針に従って選択され
る。 圧縮した粉末は、焼結工程中に幾つかの液相が生成す
るため、高密度に焼結されるのである。これ等の相は、
合金粉末混合物の構成成分間での相互作用によって生成
するのであり、従ってこれ等の構成成分は、適宜調節し
て、焼結温度において精確な量の液相が生じるようにす
る。組成の選択が正しくなかったり又焼結温度が高過ぎ
たりしたために、液相が余りにも多く存在した場合、生
じた焼結圧縮体は、本来の圧縮形状が得られず、又ひず
みが生じるであろう。 更には、過剰の液相が、生じた焼結圧縮体から駆逐さ
れ、外表面上に滴下物として形成されることが、あり得
る。液相の量が組成の選択が正当でなかったため余りに
も少なすぎた場合、又は焼結温度が余りにも低すぎた場
合、圧縮された粉末は、必要とする高密度が得られない
であろう。 これ等の液相は焼結材料の高密度に直接関係するが、
存在する合金形成元素全ての分雑な相互作用によって形
成される。しかし、ある元素は、他の元素よりもより大
きな影響をおよぼすものがある。 炭素は、複雑な態様でクローム、燐、鉄及びモリブデ
ンと相互作用を及ぼし、その結果1050℃以上の温度で液
相を生じる。炭素は又、鉄、クローム、モリブデン、バ
ナジウム及びもし存在している場合はタングステンとも
相互作用を及ぼし、複雑なカーバイドを生成し、且つま
たこれ等の元素の全てと相互に作用し合って、生成した
材料の焼き入れ加工性を改良するのである。焼き入れ加
工性は、鉄材料の特性であって、高温度から比較的緩徐
に冷却することによって、焼き入れ処理することが可能
となる。このことは、工具鋼の熱処理においては重要で
あり、断面積の大きな構成成分をも容易に完全に焼き入
れ処理することを可能ならしめる。従って、確実に充分
に高温度の液相が存在することを確保するために、又材
料の焼き入れ加工性が所望のものとするとともに耐摩耗
性を得るための炭素相の量を得るために、充分な炭素が
存在することを確保するため、幾つかの限界を設ける。 クロームは、上記したように、特に鉄及び炭素と協働
して、焼結を促進させる高融点液相を形成する。更に
は、クロームは、材料の焼き入れ加工性を改良し、同時
に又材料中に存在する鉄やその他カーバイド形成性元素
と共に複雑なカーバイドを形成することが可能であり、
従って効果的なカーバイド安定剤である。このような組
成上の限界は、焼結のため充分な液相を生成せしめ、且
つ材料が良好な焼き入れ加工性を有すること及び材料中
に形成されたカーバイドが安定であることを確保するた
めに、設定するのである。下限は、効率的な焼結と焼き
入れ加工性を確保するためクローム2%に設定する。8
%以上のクロームでは、その効率は減少する。 燐は、上記したように、銅と協働し、又鉄と相互作用
を及ぼして、低融点の相を生成することが出来る。しか
しながら、その融点は、銅−燐系での融点ほど低いわけ
ではないのであって、通常はそれほど効果的ではない。
燐が0.4%以下である場合は、存在する液相が殆ど無
く、充分な焼結を行うことが出来ないのであり、又燐が
1.2%以上では、最終構造中の燐化物の量は、高すぎる
ことになり、焼結材料の機械的特性は、劣化し始める。 銅は、特に燐と相互作用し、融点が714℃までに下が
り得る低融点液相を形成する。鉄及びマンガンと協働し
て、銅は、鉄の焼結成分を浸透させるのに往々にして有
用である有益な液相を形成する。銅それ自体は、1083℃
において溶解し、且つ液状の銅を生じる。充分な液相を
得るためには、銅の含有量は、4.5ないし20%、好まし
くは4.5ないし15%の範囲内である。下限値は、燐を銅
−燐合金によって燐を導入する必要性で設け、又上限値
は、約20%以上では液相が余りにも多く生成するため、
それによって設定する。銅の添加が多すぎた場合は、過
剰分は、焼結圧縮体から駆逐されるとはいえ、焼結材料
の密度は尚極めて高いもので有り得る。しかしながら、
駆逐された銅の相が、焼結成分の外形をひずませること
になる。場合によっては、たとえば引き続き機械加工す
るための高密度ブランク(素材)を製造する場合におい
ては、重要ではない可能性があろう。 モリブデンは、高温液相の方向に寄与するものであ
る。又、鉄や炭素と共に複雑なカーバイドを形成し、合
金の焼き入れえ加工性を改善する。材料の焼き入れ加工
性と最終硬度とが所定通りとなるには、0.5%以上添加
する必要がある。通常は、10%までを添加すれば、熱処
理を行った後所望の硬度が得られる。その他の添加物
が、液相の生成のために寄与する程度は少ないものの、
一般に機械的特性を増大せしめるために存在する。 バナジウムも又、炭素と化合し、カーバイドを生成す
るが、やはり焼き入れ加工性を改善する。5%までのバ
ナジウムが、効果的である。 タングステンも又、鉄及び炭素と共に複雑なカーバイ
ドを形成するはずで、材料の鉄母材を強化して、その高
温機械的特性を改良する;従って、タングステン添加し
た合金は、高温用途で有用である。20%までのタングス
テンは、有効に添加してもよい。 コバルトは、やはり鉄母材を強化し、高温で使用に供
する必要がある材料に使われる。12%までのコバルト
は、有効に添加してもよい。 マンガンは、必須ではないものの、鉄合金粉末中に不
純物として又は銅合金粉末添加物として存在していても
よい。一般的に、マンガンは、鉄合金の焼結性を促進す
る。2%までのマンガンは、有用に添加してもよい。 ニッケルも同様に、必須の添加物ではないが、存在す
れば、焼き入れ加工性を改良するであろう。2%までの
ニッケルは、有用に添加してもよい。 カーバイド生成元素としてのモリブデン、バナジウム
やタングステンの代わりに又はそれ等の効果を補完する
ために、その他の代替可能なカーバイド生成元素も、使
用してもよい。 以下に、合金組成の幾つかとそれ等の効果的な焼結温
度とを説明するために、実施例を掲げる。 これ等実施例において製造された試料の大半は、呼び
寸で直径が1インチ(2.5cm)で、高さが0.5インチ(1.
3cm)である固形の円筒である。その他の試料は、直径
が1インチ(2.5cm)、口径が0.75インチ(1.9cm)そし
て高さが0.375インチ(0.95cm)から直径が2インチ
(2.5cm)、口径が1.25インチ(2.5cm)そして高さが0.
375インチ(0.95cm)までに渡るリングであった。これ
等は全て、メッシュベルト炉内において分野アンモニア
(露点が−40℃)雰囲気で焼結するか、又はスタティッ
クチューブ炉において真空焼結した。焼結温度は、30分
であり、焼結試料は全て炉で冷却した。メッシュベルト
炉においては、冷却は、1100−400℃の範囲では約27℃
/分であり、一方真空焼結炉においては、冷却は、同一
温度範囲では約100℃/分であった。実施例において、
使用した粉末は、以下の通りであった。 粉末A: 1.3%C、0.5%Co、4.2%Cr、0.1%Mn、5.9%Mo、0.5
%Ni、0.3%Si、2.9%V、6.0%Wを含有する鉄合金。 粉末B: 1.0%C、0.6%Co、4.3%Cr、6.2%Mo、0.4%Ni、0.3
%Si、2.8%V、6.0%Wを含有する鉄合金。 粉末C: 1.0%C、0.4%Co、4.3%Cr、0.2%Mn、5.8%Mo、0.3
%Ni、0.2%Si、3.9%V、5.8%Wを含有する鉄合金。 粉末D: 1.3%C、0.5%Co、4.1%Cr、0.2%Mn、5.6%Mo、0.3
%Ni、0.4%Si、2.9%V、6.0%Wを含有する鉄合金。 粉末E: 1.0%C、4.5%Co、4.1%Cr、5.0%Mo、0.4%Ni、0.3
%Si、1.9%V、6.2%Wを含有する鉄合金。 粉末F: 1.6%C、5.0%Co、4.4%Cr、0.2%Mn、0.6%Mo、0.1
%Ni、0.3%Si、4.7%V、12.4%Wを含有する鉄合金。 粉末G: 1.4%C、9.4%Co、4.2%Cr、0.2%Mn、3.2%Mo、0.1
%Ni、0.3%Si、2.9%V、8.9%Wを含有する鉄合金。 粉末H: 純粋なモリブデン粉末。 粉末I: 純粋な銅の粉末。 粉末J: 1.0%Mn、5.0%Feを含有する銅合金。 粉末K: 8.5%Pを含有する銅合金。 粉末L: 14.0%Pを含有する銅合金。 粉末M: ステアリン酸亜鉛の粉末。 粉末N: 硫化マンガンの粉末。 粉末AないしGは、全て高温焼結によって高密度、高
速鋼を製造するために使用される市販の材料であった。
知得する範囲においては、これ等は全て、水粉霧化され
且つ焼きなましされた粉末であり、粉末と同じ組成の溶
融合金から製造されたものである。 粉末J、K及びLも、水粉霧化法によって製造された
ものである。 全ての粉末は、前焼結した鉄合金粉末全体に渡って分
布が良好であることを確保するため、粒径が100メッシ
ュ(Tyler標準ふるい;0.15mm)までであったが、粉末K
及びLは、粒径が高々200メッシュ(0.07mm)まで、好
ましくは325メッシュ(0.04)までとした。 実施例1 89.9%A、9.4%K、0.7%Mなる比率で粉末を、常法
で混合した。40tsi(620MPa)にて加圧した時の密度
は、75.4%TD(理論密度)であり、1120℃又は1150℃で
焼結後は、焼結密度は、それぞれ95.1%TD及び97.8%TD
であった。 実施例2 実施例1を繰り返した。但し、粉末は、89.9%A、9.
4%K、6.4%I及び0.7%Mなる比率で用いた。40tsi
(620MPa)で加圧した密度は、75.5%TDあり、1120℃、
1150℃又は1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ9
8.5%TD、98.9%TD及び99.4%TDであった。 実施例3(比較例−過剰のCu) 実施例1を繰り返した。但し、73.7%A、9.4%K、1
6.4%I及び0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(6
20MPa)で加圧した密度は、78.5%TDであり、1120℃及
び1150℃で焼結後は、焼結密度は、何れも100%TDであ
った。この場合、焼結試料から若干の銅が駆逐された。 実施例4 実施例1を繰り返した。但し、83.3%A、11.8%K、
4.2%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、75.4%TDであり、1120℃又は1
150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ98.9%TD及び9
9.3%TDであった。 実施例5 実施例1を繰り返した。但し、83.7%A、7.1%K、
8.5%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、76.5%TDであったが、1120℃
又は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ97.3%TD
及び99.4%TDであった。 実施例6 実施例1を繰り返した。但し、85.8%A、7.1%K、
6.4I%、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620M
Pa)で加圧した密度は、76.8%TDであり、又1120℃又は
1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ94.3%TD及び
98.4%TDであった。 実施例7 実施例1を繰り返した。但し、83.5%A、9.4%K、
0.7%M、6.4%Iなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、76.2%TDであり、又1120℃又
は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ98.2%及び
99.4%TDであった。 実施例8(比較例−Cが不足) 実施例1を繰り返した。但し、89.9%B、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、76.3%TDであったが、1120℃、1150℃又
は1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ87.7%TD、
92.6%TD及び97.9%TDであった。 実施例9(比較例−Cが不足) 実施例1を繰り返した。但し、83.5%B、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、77.2%TDであり、又1120℃、1
150℃又は1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ90.
2%TD、97.7%及び97.9%TDであった。 実施例10 実施例1を繰り返した。但し、83.0%B、9.4%K、
6.4%I、0.7%M、0.5%グラファイトなる比率で粉末
を用いた。40tsi(620MPa)で加圧した密度は、77.7%T
Dであったが、1120℃又は1150℃で焼結後は、焼結密度
は、それぞれ98.5%TD及び98.6%TDであった。 実施例11(比較例−炭素が不足) 実施例1を繰り返した。但し、89.9%C、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、78.2%TDであったが、1120℃又は1150℃
で焼結後は、焼結密度は、それぞれ84.2%TD及び89.0%
TDであった。 実施例12(比較例−Cが不足) 実施例1を繰り返した。但し、83.5%C、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、79.6%TDであったが、1120℃
又は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ86.6%TD
及び95.0%TDであった。 実施例13 実施例1を繰り返した。但し、83.0%C、9.4%K、
6.4%I、0.7%M、0.5%グラファイトなる比率で粉末
を用いた。40tsi(620MPa)で加圧した密度は、78.9%T
Dであったが、1120℃又は1150℃で焼結後は、焼結密度
は、それぞれ94.1%TD及び99.1%TDであった。 実施例14 実施例1を繰り返した。但し、89.9%D、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、76.0%TDであったが、1120℃、1150℃及
び1175℃で焼結後は、密度は、それぞれ89.8%TD、95.8
%TDび99.4%TDであった。 実施例15 実施例1を繰り返した。但し、83.5%D、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、77.8%TDであったが、1120℃
又は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ96.8%TD
及び99.0%TDであった。 実施例16 実施例1を繰り返した。但し、89.9%E、9.4%K、
0.7%Mなる比率っで粉末を用いた。40tsi(620MPa)で
加圧した密度は、76.3%TDであったが、1120℃、1150℃
及びD1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ92.7%T
D、98.3%TD及び99.1%TDであった。 実施例17 実施例1を繰り返した。但し、83.5%E、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、73.9%TDであったが、1120℃
及び1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ97.0%TD
及び99.3%TDであった。 実施例18 実施例1を繰り返した。但し、89.9%F、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、73.9%TDであったが、1120℃、1150℃及
び1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ92.8%TD、
97.6%TD及び98.4%TDであった。 実施例19 実施例1を繰り返した。但し、83.5%F、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、75.2%TDであったが、1120℃
及び1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ97.8%TD
及び100%TDであった。 実施例20 実施例1を繰り返した。但し、89.9%G、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、75.8%TDであったが、1120℃及び1150℃
で焼結後は、焼結密度は、それぞれ96.8%TD及び99.6%
TDであった。 実施例21 実施例1を繰り返した。但し、83.5%G、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、76.6%TDであり、又1120℃及
び1150℃で焼結後は、焼結密度は、何れも100%TDであ
った。 実施例22 実施例1を繰り返した。但し、92.2%A、7.1%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、75.2%TDであったが、1150℃で焼結後
は、焼結密度は、82.1%TDであった。 実施例23(比較例−燐なし) 実施例1を繰り返した。但し、84.3%A、15%I、0.
7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加圧
した密度は、76.3%TDであったが、1120℃及び1175℃で
焼結後は、焼結密度は、それぞれ77.5%TD及び86.3%TD
であった。 実施例24 実施例1を繰り返した。但し、83.5%E、5.7%L、1
0.1%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、78.8%TDであったが、1120℃
及び1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ92.3%TD
及び98.3%TDであった。 上記実施例における焼結合金の計算組成は、第1表に
掲げてある。 実施例によって説明した通り、種々の添加及び焼結条
件によって多岐多様な効果が得られるが、それ等は以下
のようである。 銅添加の効果−実施例1、2、5及び3。8%Cu以下
では、密度は、低下の傾向を示し、又約20%以上では、
過剰の銅は、焼結合金から駆逐される。 燐添加の効果−実施例2、4及び23。燐が全く存在し
ない場合は、焼結密度は低くなる。燐含有料としては、
0.8%が、最適量である。 コバルトの効果−実施例9及び21。これ等実施例か
ら、コバルト含有量は広い限界値内にあればよく、然も
高密度が得られる、ということが判る。 モリブデンの効果−実施例13及び19。これ等の実施例
から、モリブデンの含有量は広い限界値内で変動可能で
あることが判る。 バナジウムの効果−実施例17及び19。これ等の実施例
から、バナジウム含有量も又広い限界値内で変動可能で
あることが判る。 タングステンの効果−実施例4及び19。これ等の実施
例2から、タングステン含有量は広い限界値内で変動可
能であり又高密度が得られることが判る。 燐添加の方式の効果−実施例17及び24。Cu−8.5%P
添加を含む材料は、Cu−14%P添加よりも高い密度が得
られる。 焼結温度の効果−実施例2及び8。焼結においてよく
知られている一般的な効果は、全般的に見て焼結温度が
高ければ高いほど、同じ焼結時間であればより高密度の
材料が得られる、ということである。 炭素の効果。炭素の効果は、炭素の含有量は、高密度
を実現する必要があるときは充分に制御せねばならない
ことが、既に公知であるので、別個に取扱いし、論議す
る必要がある。これ等の材料は全て、強力なカーバイド
形成剤である添加混合元素を有しており、即ちこれ等は
炭素と共に安定な化合物を形成する。炭素添加は、特に
燐添加を伴うと材料を高密度に焼結することを促進する
液相の形成に関与しているので、モリブデン、バナジウ
ムやタングステン添加物と一緒に化合物を生成するに必
要な量を上回る炭素が、材料中に含有されていなければ
ならない。簡単にするため、タングステン当量(CWE)
を、以下の式に基づいて全ての材料について計算し、算
定してある。 CWE=%W+2x%Mo+6x%V 計算炭素含有量(CCC%)を、次にCWEを用いて下記の
式によって算出することが出来る: CCC%=(CWE/20)−0.4 最低炭素含有量として約0.6%が必要であることが、
既に明らかになっている。 炭素含有量の効果の実例は、実施例12及び13;実施例
9及び10;並びに実施例2、9及び15に示されている
が、これ等実施例の組み合せは、炭素含有量は異なる以
外同様の類似した粉末組成を示している。炭素含有量が
最低CCC%以上であれば、高密度が得られる。又、炭素
含有量が余りにも低すぎると、焼結温度の効果が極めて
強くなる、ということに注目すべきである。実施例9及
び12を参照のこと。 以下の第II表には、幾つかの実施例から採取したデー
タであるが、炭素含有量を当該CCC%以上に保持する必
要性を具体的に示すものである。第III表は、その他の
実施例から得た相当するデータを示す。 第II表に示す材料は全て、8.6%(実施例16、18及び2
0)又は15%Cu(表中のその他の実施例)を含有する。 一旦正確な炭素含有量が決定されたのならば、当該材
料は、初期加圧密度についても極めて寛容度が大きい。
たとえば、実施例2の粉末混合物を、異なる初期密度に
まで加圧し、1120℃で焼結したところ、以下のような結
果が得られた。 初期密度、加圧時 最終密度、焼結時 %TD %TD 63.0 96.1 67.3 95.6 69.9 95.9 72.2 97.6 74.8 98.1 76.2 98.9 焼結後は、これ等の材料は、硬度が約55RA(ロックウ
エルA)ないし75RAであり、機械加工可能である。種々
の材料の構造は、高速工具鋼の母材として最も好適であ
る。なお、高速工具鋼は、C、Cr、V、Mo、W及びCo−
これ等の内幾つかは、結合してカーバイドを形成する−
の殆ど全てと銅がリッチな相の不連続な領域及び燐化物
相を少量含有する。これ等三つの主要構成成分の比率
は、出発粉末混合物の組成に依存する。このような構造
は、熱処理の影響を受け易く、高速工具鋼の熱処理とし
てよく知られている方法で熱処理することが出来る。 このような熱処理は、鉄合金の組成に依存し、一般的
な指導手引きは、一般数本から得ることが出来る。一般
的に言って、このような熱処理は、高温で溶液処理とそ
の後の焼結材料の高速工具鋼母材においてマルテンサイ
トが形成されるのを誘導するに充分早い速度で冷却する
ことから成る。熱処理に引き続いて、単一又は複数の焼
きもどしを行って、当該材料に所定の硬度と靭性とを生
じさせる。熱処理後、硬度として少なくとも78RAが実現
可能である。 上記した材料は、高温度において高密度であり、耐摩
耗性が優れ、又強度が高く、従って目下高速工具鋼が使
用されている全ての用途に適していると考えられる。こ
のような用途としては、たとえば成形バイト、ジグや取
付け具、耐摩耗性部品、バイト及び自動車エンジンの弁
座インサートなどの用途が、挙げられる。 焼結は又、真空中でも実施することが可能であり、ま
た焼結温度として1160℃以上であっても許容可能である
場合は、材料は、もっと高温で焼結することが出来る、
ということに注目すべきである。一般的に言って、燐と
銅の含有量を特定した領域範囲の下方に下げることによ
って、高密度を実現達成することが出来る。 必要に応じて、フリーの機械加工処理剤、たとえば硫
化マンガンなどを添加剤を添加して、機械加工・切削性
を改善する。通常は、約0.5%の量を添加する。 要約すれば、密度が少なくとも98%TDである高速工具
鋼材料が、出発材料の組成を、最終組成が特定した範囲
内に収まるような方法にて調節することによって、製造
すことが出来るのである。特に、炭素含有量は、最善の
結果を得るには少なくともCCC%に等しくなればならな
いのであって、また燐添加は、銅−8.5%燐合金からな
る添加物によってもっともよく実行することが出来る。
炭素、燐及び合金形成添加剤を組み合せることによっ
て、1160℃以下の温度で焼結しても高密度の達成が確保
されるのでる。このような材料を、次に従来製造されて
来た高速工具鋼に類似した方法で処理すれば、特にこの
ような用途に要求される硬度を得ることが出来るのであ
る。
ためには、当該材料の密度を出来るだけ高くすることが
重要であることは、よく知られている。鉄材料を焼結し
た場合の典型的な密度は、当該材料の理論密度の85%な
いし95%である。焼結材料の密度が理論密度に100%近
似するにつれて、機械的及び物理的性質上の改良向上は
劇的なものとなる。焼結後材料中に残留する細孔の数は
減少するが、このことは、当該材料が材料として特定の
組成について実現可能な最高の諸性質を有し得ると仮定
した場合、第一義的な目的となるべきものと認識され
る。 このような技術開発は、機械的強度が高く、耐摩耗性
や靭性が優れ又高温特性が高いために有用な鉄合金の製
造に関わることである。このような合金は、一般的には
炭素、クローム、モリブデン、タングステン、バナジウ
ム又選択的にはコバルトやニッケル及び可能ならばその
他、ニオブ、チタンやタンタル等のカーバイド形成性元
素などの元素混合鉄合金である。マンガンやケイ素は、
通常は出発材料中では不純物として存在する。これ等の
鉄合金としては、ある種のステンレス鋼や又高速工具鋼
を含む冷間及び熱間加工工具鋼がある。 鉄粉末から製造される材料の密度を高くするためにい
くつかの方法が、既に開発されているが、そのうちの幾
つかを以下に掲げる: (a)圧縮した金属粉末を合金の固相線温度に近似して
真空焼結すること。この方法は、高価な装置を必要とす
ること、処理量が比較的少ないこと又サイクルタイムが
長いことなどの欠点を有している。その結果、この方法
は、高付加価値製品の製造にのみ用いられているに過ぎ
ない。更には、焼結温度が極めて重要であり、典型的に
は±2℃に保持する必要がある。温度がもし低過ぎれ
ば、得られた材料の密度は、必要な高さに達せず、又温
度が高過ぎれば、材料の構造に変化が生起するため、幾
つかの問題が生じる。 (b)熱等方加圧法。この方法では、金属粒子間の焼結
を促進させるために、圧力と高温に同時に暴露する。こ
の方法は、装置が極めて高価で、真空焼結と同様に処理
量が相対的に小さく、そのため最終製品のコスト高くな
るという重大な欠点を有している。 (c)浸透法。材料中の残量細孔を出来るだけ少なくす
ることを確実にするために、浸透法という加工方法を用
いることが可能である。金属粉末をまず加圧圧縮し、次
いで必要とする温度で焼結し、細孔が未だ相互に連通し
ている材料を製造する。この材料を、次に多孔質の材料
の上又はその下に置いた浸透剤の融点以上の温度までに
再び加熱する。融解すると直ちに、この浸透剤は、毛管
作用によって細孔内部にまで移行するのである。母材の
焼結と浸透とを一つの加熱工程において組合せること
が、可能である。 浸透法の一つの欠点は、別個の浸透剤を正確な重量だ
け加圧圧縮して、多孔質の焼結材料の中の細孔に精確に
充填する必要がある、ということである。従って、この
方法で製造される構成成分のそれぞれについて、通常二
つ又はそれ以上の加圧圧縮成形物を製造せねばならず、
そのため製造コストが余分に掛かることになる。更に
は、細孔の幾つかが表面と相互に連通されなかった場
合、これ等細孔は充填されず、浸透加工工程が完了した
後でも残量する。高密度は実現されるとはいえ、尚当該
材料の理論密度の98−99%程度の高さであるのが普通で
ある。浸透法を利用したとしても、その応用には限界が
ある。 一つの焼結工程で可能な限り最大限理論密度に近接す
る材料に対する需要・要求が、未だ高いこと、並びに焼
結方法が低コストの操作であること、この二つのこと
は、明白である。更には、材料を製造する原料粉末は、
やはり低コストの冶金方法を用いて事前焼結された形状
に成形可能なものでなければならず、又主要装置として
高価な、高温ないし高圧容器を必要としないものでなけ
ればならない。好ましくは、これ等の粉末はそれ自体、
常法である水粉霧化法で製造可能でなければならず、又
不活性ガス粉霧化法又はその他の予備圧縮処理法で製造
される酸素含有量の低い粉末であってはならない。 焼結材料としては、現在では理論的に計算された密度
の少なくとも95%、通常は理論密度の98%以上のもの
が、既に開発されている。使用する鉄粉末は、酸素含有
料を低く抑えるために特別に気体粉霧化されるものであ
る必要はなく、通常の水粉霧化法で製造することが可能
である。又もう一つの利点は、このような水粉霧化法で
は、通常は粉体形状が不定形となり、その結果生成した
粉体は、金型内で圧縮した場合確実に相当程度の未焼結
強度を有することになる、ということである。このこと
は、とりもなおさず圧縮処理した粉末構成部品は、破け
たり又壊れたりする危険性が殆どない状態で取扱い可能
であることを意味する。 この粉末を、次にその他の添加混合物と混合し、スタ
ティックダイ(static die)で圧縮する。このように成
形された粉末圧縮体は、通常は常法のメシュベルト炉内
において15ないし60分間1060ないし1160℃までに加熱す
ることによって焼結する。過去のような加熱処理は、金
属粉末を酸化しない雰囲気、たとえば解離したアンモニ
ア、即ち露点が−20℃以下、好ましくは−40℃以下であ
る水素/窒素追雰囲気の中において行わなければならな
い。 焼結を行った後、圧縮体は、その構造を硬結から防止
する速度で冷却する。この段階では、このような焼結さ
れた材料の密度は、理論的に計算された密度の少なくと
も98%、恐らくは99%である筈であろう。このような材
料は、焼結温度からこれ等材料に関連する通常の硬結を
防止する速度で冷却せしめられるが、その焼結状態にあ
っては、必要に応じて機械処理して、成形することが出
来る。機械処理を行った後、この構成成分は、熱処理し
て優れた、魅力的な強度及び硬度特性を得ることが出来
る。 本発明の鉄材料は、重量パーセントとして以下のよう
な組成範囲を有する高速度鋼である。 C 0.6−2.5 Cr 2−8 MO 0.5−10 V 1−5 Co 0−12 W 1−20 Mn 0−2 Ni 0−2 Cu 4.5−20 P 0.4−1.2 Fe 残り ここで、炭素含有率%は、以下の範囲にある: 即ち、CCC%−0.01%ないしCCC%+0.3% (上式において、CCC%は、計算された炭素含有率であ
り、(CWE/20)−0.4に等しい。又CWEは、タグステン含
有率%+モリブデン含有率%の二倍+バナジウム含有率
%の6倍に等しい)又燐は、燐を2ないし14%含有する
銅燐化物から由来する。 焼結材料は、以下の方法で製造することが出来る: 合金処理された鉄をベースとする粉末を、銅を一切含
有しない溶融合金を水粉霧化することによって製造する
が、粉霧化された合金の組成は、銅燐化物、好ましくは
銅、銅合金粉末及び/又はグラファイトを更に添加混合
することによって、このような混合粉末の組成が必要と
される組成、即ち上記した組成範囲に収まる組成と合致
するような組成である。こうして粉霧化された鉄粉末
は、必要な炭素準位を有するか又は有さない状態で製造
することが可能である。尚、必要な炭素準位は、グラフ
アイトを添加することによって達成される。このような
炭素を粉霧化処理以前に溶解合金に添加すると、粉霧化
処理された粉末は、その他の粉末と混合し、製造プロセ
スの次の工程にて圧接されるに先立って、焼結して軟化
せしめる必要が、多分起り得るであろう。このような銅
燐化物は、燐含有率が2%ないし14%の範囲内にある
が、燐を6%ないし11%含有する合金、特に燐を8.4%
含有する共晶組成物を使用することがより良い。この共
晶組成物は、銅−燐系では最も融点の低い合金である。
銅−燐合金の組成が共晶組成に近接するればするほど、
それだけ一層融点の低い液相が、焼結時に形成され、ま
た焼結した場合、最終密度としては必要とされる高い密
度を得ることが一層容易となる。 このような混合粉末は又、必要に応じて加圧用潤滑油
と混合して、圧縮工程を容易にするが、この圧縮工程の
後、粉末は所定の形状に圧縮成形される。圧隙は、常法
による金型セットで、即ちたとえば油圧圧縮法によって
行ってもよい。このような圧縮プロセスの目的は、粉末
を少なくとも25tsi(380MPa)、好ましくは約40tsi(62
0MPa)である、出来るだけ一様なある圧力にかけること
であるはずである。こうすることによって、密度が、粉
末混合物の組成に依存して理論密度のほぼ65%ないし80
%の範囲にある取扱い可能な圧縮成形物が得られるであ
ろう。 圧縮成形の後、加圧用潤滑油は、低温熱加熱操作にお
いて除去してもよいが、またその替わりにこのような圧
縮成形物を露点が−20℃以下の、好ましくは−40℃の解
離したアンモニアの雰囲気中で操作される常法によるメ
ッシュベルト炉において焼結させることが出来る。焼結
は、典型的には15から60分であってもよい。 焼結を行った後、この圧縮成形物は、容積が減少する
ものの、密度は高くなっている筈であろう。但し、組成
及び焼結温度は、正しく選択済みであることを条件とす
る。組成及び焼結温度は、以下の指針に従って選択され
る。 圧縮した粉末は、焼結工程中に幾つかの液相が生成す
るため、高密度に焼結されるのである。これ等の相は、
合金粉末混合物の構成成分間での相互作用によって生成
するのであり、従ってこれ等の構成成分は、適宜調節し
て、焼結温度において精確な量の液相が生じるようにす
る。組成の選択が正しくなかったり又焼結温度が高過ぎ
たりしたために、液相が余りにも多く存在した場合、生
じた焼結圧縮体は、本来の圧縮形状が得られず、又ひず
みが生じるであろう。 更には、過剰の液相が、生じた焼結圧縮体から駆逐さ
れ、外表面上に滴下物として形成されることが、あり得
る。液相の量が組成の選択が正当でなかったため余りに
も少なすぎた場合、又は焼結温度が余りにも低すぎた場
合、圧縮された粉末は、必要とする高密度が得られない
であろう。 これ等の液相は焼結材料の高密度に直接関係するが、
存在する合金形成元素全ての分雑な相互作用によって形
成される。しかし、ある元素は、他の元素よりもより大
きな影響をおよぼすものがある。 炭素は、複雑な態様でクローム、燐、鉄及びモリブデ
ンと相互作用を及ぼし、その結果1050℃以上の温度で液
相を生じる。炭素は又、鉄、クローム、モリブデン、バ
ナジウム及びもし存在している場合はタングステンとも
相互作用を及ぼし、複雑なカーバイドを生成し、且つま
たこれ等の元素の全てと相互に作用し合って、生成した
材料の焼き入れ加工性を改良するのである。焼き入れ加
工性は、鉄材料の特性であって、高温度から比較的緩徐
に冷却することによって、焼き入れ処理することが可能
となる。このことは、工具鋼の熱処理においては重要で
あり、断面積の大きな構成成分をも容易に完全に焼き入
れ処理することを可能ならしめる。従って、確実に充分
に高温度の液相が存在することを確保するために、又材
料の焼き入れ加工性が所望のものとするとともに耐摩耗
性を得るための炭素相の量を得るために、充分な炭素が
存在することを確保するため、幾つかの限界を設ける。 クロームは、上記したように、特に鉄及び炭素と協働
して、焼結を促進させる高融点液相を形成する。更に
は、クロームは、材料の焼き入れ加工性を改良し、同時
に又材料中に存在する鉄やその他カーバイド形成性元素
と共に複雑なカーバイドを形成することが可能であり、
従って効果的なカーバイド安定剤である。このような組
成上の限界は、焼結のため充分な液相を生成せしめ、且
つ材料が良好な焼き入れ加工性を有すること及び材料中
に形成されたカーバイドが安定であることを確保するた
めに、設定するのである。下限は、効率的な焼結と焼き
入れ加工性を確保するためクローム2%に設定する。8
%以上のクロームでは、その効率は減少する。 燐は、上記したように、銅と協働し、又鉄と相互作用
を及ぼして、低融点の相を生成することが出来る。しか
しながら、その融点は、銅−燐系での融点ほど低いわけ
ではないのであって、通常はそれほど効果的ではない。
燐が0.4%以下である場合は、存在する液相が殆ど無
く、充分な焼結を行うことが出来ないのであり、又燐が
1.2%以上では、最終構造中の燐化物の量は、高すぎる
ことになり、焼結材料の機械的特性は、劣化し始める。 銅は、特に燐と相互作用し、融点が714℃までに下が
り得る低融点液相を形成する。鉄及びマンガンと協働し
て、銅は、鉄の焼結成分を浸透させるのに往々にして有
用である有益な液相を形成する。銅それ自体は、1083℃
において溶解し、且つ液状の銅を生じる。充分な液相を
得るためには、銅の含有量は、4.5ないし20%、好まし
くは4.5ないし15%の範囲内である。下限値は、燐を銅
−燐合金によって燐を導入する必要性で設け、又上限値
は、約20%以上では液相が余りにも多く生成するため、
それによって設定する。銅の添加が多すぎた場合は、過
剰分は、焼結圧縮体から駆逐されるとはいえ、焼結材料
の密度は尚極めて高いもので有り得る。しかしながら、
駆逐された銅の相が、焼結成分の外形をひずませること
になる。場合によっては、たとえば引き続き機械加工す
るための高密度ブランク(素材)を製造する場合におい
ては、重要ではない可能性があろう。 モリブデンは、高温液相の方向に寄与するものであ
る。又、鉄や炭素と共に複雑なカーバイドを形成し、合
金の焼き入れえ加工性を改善する。材料の焼き入れ加工
性と最終硬度とが所定通りとなるには、0.5%以上添加
する必要がある。通常は、10%までを添加すれば、熱処
理を行った後所望の硬度が得られる。その他の添加物
が、液相の生成のために寄与する程度は少ないものの、
一般に機械的特性を増大せしめるために存在する。 バナジウムも又、炭素と化合し、カーバイドを生成す
るが、やはり焼き入れ加工性を改善する。5%までのバ
ナジウムが、効果的である。 タングステンも又、鉄及び炭素と共に複雑なカーバイ
ドを形成するはずで、材料の鉄母材を強化して、その高
温機械的特性を改良する;従って、タングステン添加し
た合金は、高温用途で有用である。20%までのタングス
テンは、有効に添加してもよい。 コバルトは、やはり鉄母材を強化し、高温で使用に供
する必要がある材料に使われる。12%までのコバルト
は、有効に添加してもよい。 マンガンは、必須ではないものの、鉄合金粉末中に不
純物として又は銅合金粉末添加物として存在していても
よい。一般的に、マンガンは、鉄合金の焼結性を促進す
る。2%までのマンガンは、有用に添加してもよい。 ニッケルも同様に、必須の添加物ではないが、存在す
れば、焼き入れ加工性を改良するであろう。2%までの
ニッケルは、有用に添加してもよい。 カーバイド生成元素としてのモリブデン、バナジウム
やタングステンの代わりに又はそれ等の効果を補完する
ために、その他の代替可能なカーバイド生成元素も、使
用してもよい。 以下に、合金組成の幾つかとそれ等の効果的な焼結温
度とを説明するために、実施例を掲げる。 これ等実施例において製造された試料の大半は、呼び
寸で直径が1インチ(2.5cm)で、高さが0.5インチ(1.
3cm)である固形の円筒である。その他の試料は、直径
が1インチ(2.5cm)、口径が0.75インチ(1.9cm)そし
て高さが0.375インチ(0.95cm)から直径が2インチ
(2.5cm)、口径が1.25インチ(2.5cm)そして高さが0.
375インチ(0.95cm)までに渡るリングであった。これ
等は全て、メッシュベルト炉内において分野アンモニア
(露点が−40℃)雰囲気で焼結するか、又はスタティッ
クチューブ炉において真空焼結した。焼結温度は、30分
であり、焼結試料は全て炉で冷却した。メッシュベルト
炉においては、冷却は、1100−400℃の範囲では約27℃
/分であり、一方真空焼結炉においては、冷却は、同一
温度範囲では約100℃/分であった。実施例において、
使用した粉末は、以下の通りであった。 粉末A: 1.3%C、0.5%Co、4.2%Cr、0.1%Mn、5.9%Mo、0.5
%Ni、0.3%Si、2.9%V、6.0%Wを含有する鉄合金。 粉末B: 1.0%C、0.6%Co、4.3%Cr、6.2%Mo、0.4%Ni、0.3
%Si、2.8%V、6.0%Wを含有する鉄合金。 粉末C: 1.0%C、0.4%Co、4.3%Cr、0.2%Mn、5.8%Mo、0.3
%Ni、0.2%Si、3.9%V、5.8%Wを含有する鉄合金。 粉末D: 1.3%C、0.5%Co、4.1%Cr、0.2%Mn、5.6%Mo、0.3
%Ni、0.4%Si、2.9%V、6.0%Wを含有する鉄合金。 粉末E: 1.0%C、4.5%Co、4.1%Cr、5.0%Mo、0.4%Ni、0.3
%Si、1.9%V、6.2%Wを含有する鉄合金。 粉末F: 1.6%C、5.0%Co、4.4%Cr、0.2%Mn、0.6%Mo、0.1
%Ni、0.3%Si、4.7%V、12.4%Wを含有する鉄合金。 粉末G: 1.4%C、9.4%Co、4.2%Cr、0.2%Mn、3.2%Mo、0.1
%Ni、0.3%Si、2.9%V、8.9%Wを含有する鉄合金。 粉末H: 純粋なモリブデン粉末。 粉末I: 純粋な銅の粉末。 粉末J: 1.0%Mn、5.0%Feを含有する銅合金。 粉末K: 8.5%Pを含有する銅合金。 粉末L: 14.0%Pを含有する銅合金。 粉末M: ステアリン酸亜鉛の粉末。 粉末N: 硫化マンガンの粉末。 粉末AないしGは、全て高温焼結によって高密度、高
速鋼を製造するために使用される市販の材料であった。
知得する範囲においては、これ等は全て、水粉霧化され
且つ焼きなましされた粉末であり、粉末と同じ組成の溶
融合金から製造されたものである。 粉末J、K及びLも、水粉霧化法によって製造された
ものである。 全ての粉末は、前焼結した鉄合金粉末全体に渡って分
布が良好であることを確保するため、粒径が100メッシ
ュ(Tyler標準ふるい;0.15mm)までであったが、粉末K
及びLは、粒径が高々200メッシュ(0.07mm)まで、好
ましくは325メッシュ(0.04)までとした。 実施例1 89.9%A、9.4%K、0.7%Mなる比率で粉末を、常法
で混合した。40tsi(620MPa)にて加圧した時の密度
は、75.4%TD(理論密度)であり、1120℃又は1150℃で
焼結後は、焼結密度は、それぞれ95.1%TD及び97.8%TD
であった。 実施例2 実施例1を繰り返した。但し、粉末は、89.9%A、9.
4%K、6.4%I及び0.7%Mなる比率で用いた。40tsi
(620MPa)で加圧した密度は、75.5%TDあり、1120℃、
1150℃又は1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ9
8.5%TD、98.9%TD及び99.4%TDであった。 実施例3(比較例−過剰のCu) 実施例1を繰り返した。但し、73.7%A、9.4%K、1
6.4%I及び0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(6
20MPa)で加圧した密度は、78.5%TDであり、1120℃及
び1150℃で焼結後は、焼結密度は、何れも100%TDであ
った。この場合、焼結試料から若干の銅が駆逐された。 実施例4 実施例1を繰り返した。但し、83.3%A、11.8%K、
4.2%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、75.4%TDであり、1120℃又は1
150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ98.9%TD及び9
9.3%TDであった。 実施例5 実施例1を繰り返した。但し、83.7%A、7.1%K、
8.5%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、76.5%TDであったが、1120℃
又は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ97.3%TD
及び99.4%TDであった。 実施例6 実施例1を繰り返した。但し、85.8%A、7.1%K、
6.4I%、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620M
Pa)で加圧した密度は、76.8%TDであり、又1120℃又は
1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ94.3%TD及び
98.4%TDであった。 実施例7 実施例1を繰り返した。但し、83.5%A、9.4%K、
0.7%M、6.4%Iなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、76.2%TDであり、又1120℃又
は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ98.2%及び
99.4%TDであった。 実施例8(比較例−Cが不足) 実施例1を繰り返した。但し、89.9%B、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、76.3%TDであったが、1120℃、1150℃又
は1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ87.7%TD、
92.6%TD及び97.9%TDであった。 実施例9(比較例−Cが不足) 実施例1を繰り返した。但し、83.5%B、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、77.2%TDであり、又1120℃、1
150℃又は1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ90.
2%TD、97.7%及び97.9%TDであった。 実施例10 実施例1を繰り返した。但し、83.0%B、9.4%K、
6.4%I、0.7%M、0.5%グラファイトなる比率で粉末
を用いた。40tsi(620MPa)で加圧した密度は、77.7%T
Dであったが、1120℃又は1150℃で焼結後は、焼結密度
は、それぞれ98.5%TD及び98.6%TDであった。 実施例11(比較例−炭素が不足) 実施例1を繰り返した。但し、89.9%C、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、78.2%TDであったが、1120℃又は1150℃
で焼結後は、焼結密度は、それぞれ84.2%TD及び89.0%
TDであった。 実施例12(比較例−Cが不足) 実施例1を繰り返した。但し、83.5%C、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、79.6%TDであったが、1120℃
又は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ86.6%TD
及び95.0%TDであった。 実施例13 実施例1を繰り返した。但し、83.0%C、9.4%K、
6.4%I、0.7%M、0.5%グラファイトなる比率で粉末
を用いた。40tsi(620MPa)で加圧した密度は、78.9%T
Dであったが、1120℃又は1150℃で焼結後は、焼結密度
は、それぞれ94.1%TD及び99.1%TDであった。 実施例14 実施例1を繰り返した。但し、89.9%D、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、76.0%TDであったが、1120℃、1150℃及
び1175℃で焼結後は、密度は、それぞれ89.8%TD、95.8
%TDび99.4%TDであった。 実施例15 実施例1を繰り返した。但し、83.5%D、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、77.8%TDであったが、1120℃
又は1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ96.8%TD
及び99.0%TDであった。 実施例16 実施例1を繰り返した。但し、89.9%E、9.4%K、
0.7%Mなる比率っで粉末を用いた。40tsi(620MPa)で
加圧した密度は、76.3%TDであったが、1120℃、1150℃
及びD1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ92.7%T
D、98.3%TD及び99.1%TDであった。 実施例17 実施例1を繰り返した。但し、83.5%E、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、73.9%TDであったが、1120℃
及び1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ97.0%TD
及び99.3%TDであった。 実施例18 実施例1を繰り返した。但し、89.9%F、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、73.9%TDであったが、1120℃、1150℃及
び1175℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ92.8%TD、
97.6%TD及び98.4%TDであった。 実施例19 実施例1を繰り返した。但し、83.5%F、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、75.2%TDであったが、1120℃
及び1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ97.8%TD
及び100%TDであった。 実施例20 実施例1を繰り返した。但し、89.9%G、9.4%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、75.8%TDであったが、1120℃及び1150℃
で焼結後は、焼結密度は、それぞれ96.8%TD及び99.6%
TDであった。 実施例21 実施例1を繰り返した。但し、83.5%G、9.4%K、
6.4%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、76.6%TDであり、又1120℃及
び1150℃で焼結後は、焼結密度は、何れも100%TDであ
った。 実施例22 実施例1を繰り返した。但し、92.2%A、7.1%K、
0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加
圧した密度は、75.2%TDであったが、1150℃で焼結後
は、焼結密度は、82.1%TDであった。 実施例23(比較例−燐なし) 実施例1を繰り返した。但し、84.3%A、15%I、0.
7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620MPa)で加圧
した密度は、76.3%TDであったが、1120℃及び1175℃で
焼結後は、焼結密度は、それぞれ77.5%TD及び86.3%TD
であった。 実施例24 実施例1を繰り返した。但し、83.5%E、5.7%L、1
0.1%I、0.7%Mなる比率で粉末を用いた。40tsi(620
MPa)で加圧した密度は、78.8%TDであったが、1120℃
及び1150℃で焼結後は、焼結密度は、それぞれ92.3%TD
及び98.3%TDであった。 上記実施例における焼結合金の計算組成は、第1表に
掲げてある。 実施例によって説明した通り、種々の添加及び焼結条
件によって多岐多様な効果が得られるが、それ等は以下
のようである。 銅添加の効果−実施例1、2、5及び3。8%Cu以下
では、密度は、低下の傾向を示し、又約20%以上では、
過剰の銅は、焼結合金から駆逐される。 燐添加の効果−実施例2、4及び23。燐が全く存在し
ない場合は、焼結密度は低くなる。燐含有料としては、
0.8%が、最適量である。 コバルトの効果−実施例9及び21。これ等実施例か
ら、コバルト含有量は広い限界値内にあればよく、然も
高密度が得られる、ということが判る。 モリブデンの効果−実施例13及び19。これ等の実施例
から、モリブデンの含有量は広い限界値内で変動可能で
あることが判る。 バナジウムの効果−実施例17及び19。これ等の実施例
から、バナジウム含有量も又広い限界値内で変動可能で
あることが判る。 タングステンの効果−実施例4及び19。これ等の実施
例2から、タングステン含有量は広い限界値内で変動可
能であり又高密度が得られることが判る。 燐添加の方式の効果−実施例17及び24。Cu−8.5%P
添加を含む材料は、Cu−14%P添加よりも高い密度が得
られる。 焼結温度の効果−実施例2及び8。焼結においてよく
知られている一般的な効果は、全般的に見て焼結温度が
高ければ高いほど、同じ焼結時間であればより高密度の
材料が得られる、ということである。 炭素の効果。炭素の効果は、炭素の含有量は、高密度
を実現する必要があるときは充分に制御せねばならない
ことが、既に公知であるので、別個に取扱いし、論議す
る必要がある。これ等の材料は全て、強力なカーバイド
形成剤である添加混合元素を有しており、即ちこれ等は
炭素と共に安定な化合物を形成する。炭素添加は、特に
燐添加を伴うと材料を高密度に焼結することを促進する
液相の形成に関与しているので、モリブデン、バナジウ
ムやタングステン添加物と一緒に化合物を生成するに必
要な量を上回る炭素が、材料中に含有されていなければ
ならない。簡単にするため、タングステン当量(CWE)
を、以下の式に基づいて全ての材料について計算し、算
定してある。 CWE=%W+2x%Mo+6x%V 計算炭素含有量(CCC%)を、次にCWEを用いて下記の
式によって算出することが出来る: CCC%=(CWE/20)−0.4 最低炭素含有量として約0.6%が必要であることが、
既に明らかになっている。 炭素含有量の効果の実例は、実施例12及び13;実施例
9及び10;並びに実施例2、9及び15に示されている
が、これ等実施例の組み合せは、炭素含有量は異なる以
外同様の類似した粉末組成を示している。炭素含有量が
最低CCC%以上であれば、高密度が得られる。又、炭素
含有量が余りにも低すぎると、焼結温度の効果が極めて
強くなる、ということに注目すべきである。実施例9及
び12を参照のこと。 以下の第II表には、幾つかの実施例から採取したデー
タであるが、炭素含有量を当該CCC%以上に保持する必
要性を具体的に示すものである。第III表は、その他の
実施例から得た相当するデータを示す。 第II表に示す材料は全て、8.6%(実施例16、18及び2
0)又は15%Cu(表中のその他の実施例)を含有する。 一旦正確な炭素含有量が決定されたのならば、当該材
料は、初期加圧密度についても極めて寛容度が大きい。
たとえば、実施例2の粉末混合物を、異なる初期密度に
まで加圧し、1120℃で焼結したところ、以下のような結
果が得られた。 初期密度、加圧時 最終密度、焼結時 %TD %TD 63.0 96.1 67.3 95.6 69.9 95.9 72.2 97.6 74.8 98.1 76.2 98.9 焼結後は、これ等の材料は、硬度が約55RA(ロックウ
エルA)ないし75RAであり、機械加工可能である。種々
の材料の構造は、高速工具鋼の母材として最も好適であ
る。なお、高速工具鋼は、C、Cr、V、Mo、W及びCo−
これ等の内幾つかは、結合してカーバイドを形成する−
の殆ど全てと銅がリッチな相の不連続な領域及び燐化物
相を少量含有する。これ等三つの主要構成成分の比率
は、出発粉末混合物の組成に依存する。このような構造
は、熱処理の影響を受け易く、高速工具鋼の熱処理とし
てよく知られている方法で熱処理することが出来る。 このような熱処理は、鉄合金の組成に依存し、一般的
な指導手引きは、一般数本から得ることが出来る。一般
的に言って、このような熱処理は、高温で溶液処理とそ
の後の焼結材料の高速工具鋼母材においてマルテンサイ
トが形成されるのを誘導するに充分早い速度で冷却する
ことから成る。熱処理に引き続いて、単一又は複数の焼
きもどしを行って、当該材料に所定の硬度と靭性とを生
じさせる。熱処理後、硬度として少なくとも78RAが実現
可能である。 上記した材料は、高温度において高密度であり、耐摩
耗性が優れ、又強度が高く、従って目下高速工具鋼が使
用されている全ての用途に適していると考えられる。こ
のような用途としては、たとえば成形バイト、ジグや取
付け具、耐摩耗性部品、バイト及び自動車エンジンの弁
座インサートなどの用途が、挙げられる。 焼結は又、真空中でも実施することが可能であり、ま
た焼結温度として1160℃以上であっても許容可能である
場合は、材料は、もっと高温で焼結することが出来る、
ということに注目すべきである。一般的に言って、燐と
銅の含有量を特定した領域範囲の下方に下げることによ
って、高密度を実現達成することが出来る。 必要に応じて、フリーの機械加工処理剤、たとえば硫
化マンガンなどを添加剤を添加して、機械加工・切削性
を改善する。通常は、約0.5%の量を添加する。 要約すれば、密度が少なくとも98%TDである高速工具
鋼材料が、出発材料の組成を、最終組成が特定した範囲
内に収まるような方法にて調節することによって、製造
すことが出来るのである。特に、炭素含有量は、最善の
結果を得るには少なくともCCC%に等しくなればならな
いのであって、また燐添加は、銅−8.5%燐合金からな
る添加物によってもっともよく実行することが出来る。
炭素、燐及び合金形成添加剤を組み合せることによっ
て、1160℃以下の温度で焼結しても高密度の達成が確保
されるのでる。このような材料を、次に従来製造されて
来た高速工具鋼に類似した方法で処理すれば、特にこの
ような用途に要求される硬度を得ることが出来るのであ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも理論密度の95%を有し且つ重量百分率で
表した組成として、 炭素 0.6−2.5% クローム 2−8% 銅 4.5−20% モリブデン 0.5−10% 燐 0.4−1.2% タングステン 1−20% バナジウム 1−5% を含有し、残りは鉄及び2重量%以下の不純物である焼
結高速鋼であって、炭素、モリブデン、タングステン、
バナジウム含有量の間の関係は、炭素含有量%が、CCC
%−0.1%ないしCCC%+0.3%(式中CCC%は、計算され
た炭素含有量=(CWE/20)−0.4であり、又CWE=タング
ステン含有量%+モリブデン含有量%の2倍+バナジウ
ム含有量%の6倍)の範囲にあること及び該燐が2ない
し14%の燐を含有する銅燐化物から由来することを特徴
とする焼結高速鋼。 2.少なくとも理論密度の95%を有し且つ重量百分率で
表した組成として、 炭素 0.6−2.5% クローム 2−8% 銅 4.5−20% モリブデン 0.5−10% 燐 0.4−1.2% タングステン 1−20% バナジウム 1−5% を含み、更に、 コバルト 0.5−12% マンガン 0.1−2% ニッケル 0.1−2% のうち少なくとも1種類を含有し、残りは鉄及び2重量
%以下の不純物である焼結高速鋼であって、炭素、モリ
ブデン、タングステン、バナジウム含有量の間の関係
は、炭素含有量%が、CCC%−0.1%ないしCCC%+0.3%
(式中CCC%は、計算された炭素含有量=(CWE/20)−
0.4であり、又CWE=タングステン含有量%+モリブデン
含有量%の2倍+バナジウム含有量%の6倍)の範囲に
あること及び該燐が2ないし14%の燐を含有する銅燐化
物から由来することを特徴とする焼結高速鋼。 3.重量百分率で表した組成として、 炭素 0.8−1.5% クローム 3−4% 銅 8−15% モリブデン 3−5% 燐 0.6−0.8% タングステン 5−10% バナジウム 2−4% を含有し、残りは鉄及び2重量%以下の不純物である特
許請求の範囲第1項に記載された合金。 4.重量百分率で表した組成として、 炭素 0.8−1.5% クローム 3−4% 銅 8−15% モリブデン 3−5% 燐 0.6−0.8% タングステン 5−10% バナジウム 2−4% を含み、更に、 コバルト 0.5−8.5% マンガン 0.1−0.2% ニッケル 0.1−0.4% のうち少なくとも1種類を含有し、残りは鉄及び2重量
%以下の不純物である特許請求の範囲第2項に記載され
た合金。 5.密度が少なくとも理論密度の98%である特許請求の
範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載された合金。 6.該銅燐化物が6ないし11%の燐を含有する特許請求
の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載された合
金。 7.該銅燐化物が8ないし11%の燐を含有する特許請求
の範囲第6項に記載された合金。 8.該銅燐化物が8%の燐を含有する特許請求の範囲第
7項に記載された合金。 9.何れも粉霧化されて製造された、銅を含有しない鉄
合金粉末、銅燐化物粉末並びに選択的に、銅粉末、銅合
金粉末及び/又はグラファイトから構成される粉末混合
物で、該混合物は圧縮し次いで焼結して、重量百分率で
表した組成として、 炭素 0.6−2.5% クローム 2−8% 銅 4.5−20% モリブデン 0.5−10% 燐 0.4−1.2% タングステン 1−20% バナジウム 1−5% を含有し、残りは鉄及び2%以下の不純物であるような
焼結鉄合金とすることが可能であって、炭素、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム含有量の間の関係は、炭
素含有量%が、CCC%−0.1%ないしCCC%+0.3%(式中
CCC%は、計算された炭素含有量=(CWE/20)−0.4であ
り又CWE=タングステン含有量%+モリブデン含有量%
の2倍+バナジウム含有量%の6倍)の範囲にあること
及び該銅燐化物が2ないし14%の燐を含有することとを
特徴する粉末混合物。 10.何れも粉霧化されて製造された、銅を含有しない
鉄合金粉末、銅燐化物粉末並びに選択的に、銅粉末、銅
合金粉末及び/又はグラファイトから構成される粉末混
合物で、該混合物は圧縮し次いで焼結して、重量百分率
で表した組成として、 炭素 0.6−2.5% クローム 2−8% 銅 4.5−20% モリブデン 0.5−10% 燐 0.4−1.2% タングステン 1−20% バナジウム 1−5% を含み、更に、 コバルト 0.5−12% マンガン 0.1−2% ニッケル 0.1−2% のうち少なくとも1種類を含有し、残りは鉄及び2%以
下の不純物であるような焼結鉄合金とすることが可能で
あって、炭素、モリブデン、タングステン、バナジウム
含有量の間の関係は、炭素含有量%が、CCC%−0.1%な
いしCCC%+0.3%(式中CCC%は、計算された炭素含有
量=(CWE/20)−0.4であり又CWE=タングステン含有量
%+モリブデン含有量%の2倍+バナジウム含有量%の
6倍)の範囲にあること及び該銅燐化物が2ないし14%
の燐を含有することとを特徴する粉末混合物。 11.鉄合金粉末が、溶融した銅を含有しない鉄合金を
水粉霧化させて生成せしめた特許請求の範囲第9項又は
第10項に記載された粉末混合物。 12.いずれも粉霧化された銅を含有しない鉄合金粉
末、銅燐化物粉末並びに選択的に、銅粉末、銅合金粉末
及び/又はグラファイトとを混合し、該粉末混合物を圧
縮して成形製品とし、次いで前記製品を焼結することか
ら成る方法において、該粉末混合物が、重量百分率で表
した組成として、 炭素 0.6−2.5% クローム 2−8% 銅 4.5−20% モリブデン 0.5−10% 燐 0.4−1.2% タングステン 1−20% バナジウム 1−5% を含有し、残りは鉄及び2重量%以下の不純物である焼
結鉄合金を製造可能である組成を有する、焼結合金製品
を製造する方法であって、炭素、モリブデン、タングス
テン、バナジウム含有量の間の関係は、炭素含有量%
が、CCC%−0.1%ないしCCC%+0.3%(式中CCC%は、
計算された炭素含有量=(CWE/20)−0.4であり又CWE=
タングステン含有量%+モリブデン含有量%の2倍+バ
ナジウム含有量%の6倍)の範囲にあること及び該銅燐
化物が2ないし14%の燐を含有することを特徴とする焼
結合金製品製造方法。 13.いずれも粉霧化された銅を含有しない鉄合金粉
末、銅燐化物粉末並びに選択的に、銅粉末、銅合金粉末
及び/又はグラファイトとを混合し、該粉末混合物を圧
縮して成形製品とし、次いで前記製品を焼結することか
ら成る方法において、該粉末混合物が、重量百分率で表
した組成として、 炭素 0.6−2.5% クローム 2−8% 銅 4.5−20% モリブデン 0.5−10% 燐 0.4−1.2% タングステン 1−20% バナジウム 1−5% を含み、更に、 コバルト 0.5−12% マンガン 0.1−2% ニッケル 0.1−2% のうち少なくとも1種類を含有し、残りは鉄及び2重量
%以下の不純物である焼結鉄合金を製造可能である組成
を有する、焼結合金製品を製造する方法であって、炭
素、モリブデン、タングステン、バナジウム含有量の間
の関係は、炭素含有量%が、CCC%−0.1%ないしCCC%
+0.3%(式中CCC%は、計算された炭素含有量=(CWE/
20)−0.4であり又CWE=タングステン含有量%+モリブ
デン含有量%の2倍+バナジウム含有量%の6倍)の範
囲にあること及び該銅燐化物が2ないし14%の燐を含有
することを特徴する焼結合金製品製造方法。 14.焼結製品が硬結を防止する速度で冷却される特許
請求の範囲第12項又は第13項に記載された方法。 15.焼結製品を熱処理して、その硬度と強度とを増大
せしめる特許請求の範囲第12項ないし第14項のいずれか
に記載された方法。 16.粉末混合物を圧縮して、理論密度の65%ないし80
%の圧縮成形品にする特許請求の範囲第12項ないし第15
項のいずれかに記載された方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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