JP2726679B2 - 重合体水性分散液の製造方法 - Google Patents

重合体水性分散液の製造方法

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JP2726679B2 JP63228895A JP22889588A JP2726679B2 JP 2726679 B2 JP2726679 B2 JP 2726679B2 JP 63228895 A JP63228895 A JP 63228895A JP 22889588 A JP22889588 A JP 22889588A JP 2726679 B2 JP2726679 B2 JP 2726679B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水性分散液の製造方法、更に詳しくは水分散
性ポリウレタンとビニル重合体とを含有する水性重合体
分散液の製造方法に関する。
ポリウレタンの水性分散液はよく知られており、例え
ば塗膜(coating)やフィルム(film)の製造に使用さ
れる。
水性媒質系へのポリウレタンの分散はポリウレタン外
部の界面活性剤の使用によって、又はポリウレタン自体
を自己分散性にするためにポリウレタン分子中に適当な
イオン性もしくは非イオン性の基を内部分散剤として含
有させることによって達成されている。すなわち、例え
ば米国特許第4066591号公報には、陰イオン性の塩の基
を含み且つイソシアネート基を末端基とするポリウレタ
ンプレポリマーを水性媒体に分散させ、次いでこの分散
させたプレポリマーを活性水素含有の鎖延長剤と反応さ
せることによって得られるポリウレタン水性分散液が記
載されている。
ポリウレタン分散液にビニル単量体を配合することに
よってポリウレタン分散液の性質を改質することもまた
提案されている。幾つかの特許、例えば米国特許第3705
164号、同第4198330号及び同第4318833号には陰イオン
性の塩の基を含むポリウレタンの水性分散液の存在下で
1種又はそれ以上のビニル単量体を重合させることによ
ってその場所でビニル重合体を生成させる方法が記載さ
れている。そのポリウレタンプレポリマーは、該プレポ
リマーの粘度を低下させる作用をもつ及び/又は水に該
プレポリマーの分散を促進させる作用をもつ有機溶媒の
存在下で生成されるか又はその後に該有機溶媒で希釈さ
れる場合もある。該溶媒は次いで米国特許第3705164号
公報に記載のように蒸留することによって分散液から除
去し得るが、これは面倒な操作である。あるいは、前記
の有機溶媒は米国特許第4318833号公報に記載のように
残留させることもあるが、これは最終生成物及び/又は
環境に悪影響を及ぼす可能性がある。
欧州特許出願公開第189945A号公報に記載の方法にお
いては、ポリウレタンプレポリマーをビニル単量体の存
在下で生成させ、それによって、従来必要とされた溶媒
の使用を回避している。この場合、ビニル単量体にとか
したプレポリマーの溶液を次に水に分散させ、該プレポ
リマーを鎖延長させ、そしてビニル単量体を慣用のフリ
ーラジカル触媒を使用して懸濁重合を行なわせている。
しかしながら、この方法は完全に満足するものではな
く、あるプレポリマー及びビニル単量体の疎水性が不安
定な又はゲル化した分散液を生成させるようになる。更
に、ビニル共重合体を生成させる場合には、重合方法の
回分性(batch nature)の為に共重合体の組成分布に対
する制御が成し得ない。このことは、用いた共単量体の
反応性比がビニル単量体にとって十分に調和していない
場合には、これが著しい問題となる。
本発明者らは今般、選択された量(良好な分散液の製
造に適当な粘度を与えるのに十分である)のビニル単量
体中に陰イオン性の基を有するポリウレタンプレポリマ
ーをとかした溶液を水性媒体中に分散させた水性分散液
を生成させ、次いで、ビニル単量体の追加後にビニル単
量体をフリーラジカル重合によって重合させる手段か、
あるいはビニル単量体の慣用の乳化重合の間に更にビニ
ル単量体の追加を行いながらビニル単量体を慣用の乳化
重合法によって重合させる手段かのいずれかによって、
ビニル単量体を重合させると、優れた分散液が得られる
ことを見出した。更にまた、プレポリマー分散液調製工
程でも、またビニル単量体の重合段階でも界面活性剤の
添加は必要としないことを見出した。
従って、本発明によれば、陰イオン性の水分散性ポリ
ウレタンとビニル重合体とを10:90〜90:10の重量比で含
有するが界面活性剤を含まない重合体水性分散液の製造
方法であって、 (A)少なくとも1種のビニル単量体中に、陰イオン性
で水分散性のイソシアネート基を末端基とするポリウレ
タンを溶解させた溶液を形成させ、 (B)得られた溶液を水性媒体に分散させついで (C)前記ポリウレタンを連鎖延長させる工程を行い;
ついで (D)ビニル単量体を更に添加し、 (E)該ビニル単量体の重合を開始させる工程を行うか
又は、 (F)工程(C)の後、前記ビニル単量体の重合を開始
させ、 (G)この重合を行う間に、ビニル単量体を更に添加す
る工程を行うことを特徴とする界面活性剤を含まない重
合体水性分散液の製造方法が提供される。
好ましい分散液は前記の水分散性ポリウレタンと前記
のビニル単量体とを20:80〜80:20の重量比で含有する。
前記の陰イオン性で水分散性のイソシアネート基を末
端基とするポリウレタンは水分散性を付与する酸性残基
を有するポリウレタンプレポリマーである。そのような
プレポリマー及びそれらの製造法は前記の先行技術文献
に詳しく記載されている。
酸性中心を有するポリウレタンプレポリマーとしては (i)有機ポリイソシアネートと、 (ii)500〜6000の分子量を有する高分子量ポリオール
と、 (iii)少なくとも1個の酸性基と、イソシアネートに
対して酸性基よりも反応性である少なくとも2個の基と
を有してイソシアネートと反応性の化合物と、所望なら
ば (iv)500より以下の分子量を有する低分子量ポリオー
ルとのイソシアネート基を末端基とする反応生成物が挙
げられる。
前記のプレポリマーの製造に使用されるポリイソシア
ネートは脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシ
アネート、アラルキルポリイソシアネート、又は芳香族
ポリイソシアネートである。適当なポリイソシアネート
の具体例としてはエチレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、p−
キリシレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソ
シアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−ト
ルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネー
ト及び1,5−ナフチレンジイソシアネートが挙げられ
る。ポリイソシアネートの混合物が使用し得、又ウレタ
ン、アロファネート、尿素、ビュレット、カルボイミ
ド、ウレトンイミン又はイソシアヌレート残基で変性さ
れたポリイソシアネートも使用し得る。
前記のプレポリマーの製造に使用し得る500〜6000の
範囲の分子量を有する高分子量ポリオールとしては特に
ジオール及びトリオール並びにそれらの混合物が挙げら
れるが、それよりも高官能性のポリオールも、例えばジ
オールとの混合物の少量成分として使用し得る。
前記の高分子量ポリオールはポリウレタンの製造に使
用されるか又は使用のために提案された高分子量ポリオ
ールの化学分類のいずれかに属し得る。特に、前記の高
分子量ポリオールはポリエスエルポリオール、ポリエス
テルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
チオエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオー
ル、ポリアセタールポリオール、ポリオレフィンポリオ
ール又はポリシロキサンポリオールであり得る。好まし
いポリオールの分子量は700〜3000が好ましい。
使用し得るポリエステルポリオールとしては、多価ア
ルコール例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオール、フランジメタノール、シク
ロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロー
ルプロパン又はペンタエリスリトールあるいはそれらの
混合物と、ポリカルボン酸特にジカルボン酸又はそれら
のエステル生成誘導体、例えばコハク酸、グルタル酸及
びアジピン酸もしくはそれらのメチルエステル、無水フ
タル酸又はテレフタル酸ジメチル、との水酸基を末端基
とする反応生成物が挙げられる。ラクトン類、例えばカ
プロラクトンをポリオールと一緒に重合させることによ
って得られるポリエステルポリオールも使用し得る。ポ
リエステルアミドポリオールはアミノアルコール例えば
エタノールアミンをポリエステル化混合物中に混在させ
ることによって得られる。
使用し得るポリエーテルポリオールとしては環状酸化
物例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はテ
トラピドロフランの重合によってあるいは多官能性開始
剤例えば水、エチレングリコール、プロピンレングリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール又はビスフェノールAに前記の酸化物の
1種又はそれ以上を添加することによって得られる生成
物が挙げられる。特に有用なポリエーテルポリオールと
してはポリオキシプロピレンジオール及びトリオール、
適当な開始剤にエチレンオキシドとプロピレンオキシド
を同時に又は連続的に添加することによって得られるポ
リ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ジオール又は
トリオール並びにテトラヒドロフランの重合によって得
られるポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げら
れる。
使用し得るポリチオエーテルポリオールとしてはチオ
ジグリコールを単独で縮合させるか又は他のグリコー
ル、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノアルコー
ルもしくはアミノカルボン酸と一緒に縮合さるせるかい
ずれかで縮合させることによって得られる生成物が挙げ
られる。
使用し得るポリカーボネートポリオールとしてはジオ
ール、例えば1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール
又はテトラエチレングリコールをジアリールカーボネー
ト例えばジフェニルカーボネートと、あるいはホスゲン
と反応させることによって得られる生成物が挙げられ
る。
使用し得るポリアセタールポリオールはグリコール例
えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール又
はヘキサンジオール、とホルムアルデヒドを反応させる
ことによって製造されるものが挙げられる。適当なポリ
アセタールポリオールは環状アセタールを重合させるこ
とによっても製造し得る。
適当なポリオレフィンポリオールとしては水酸基を末
端基とするブタジエンホモポリマー及びコポリマーが挙
げられる。
前記のプレポリマーの製造に随意に使用し得る500以
下の分子量を有する有機ポリオールとしてはジオール類
やトリオール類及びそれらの混合物が挙げられるが、さ
らに高い官能性のポリオールも使用し得る。このような
低分子量ポリオールの具体例としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、シクロ
ヘキサンジメタノール、フランジメタノール、グリセロ
ール及びそのようなポリオールとプロピレンオキシド及
び/又はエチレンオキシドとの分子量499迄の反応生成
物が挙げられる。
酸性中心を有するプレポリマーの製造に使用し得る酸
性基を有するイソシアネートと反応性の化合物としては
カルボキシル基を含有するジオール及びトリオール、例
えば次式 (式中、Rは水素原子又はアルキル基である)のジヒド
ロキシアルカン酸が挙げられる。好ましいカルボキシル
基を含有するジオールは2,2−ジメチロールプロピオン
酸である。所望ならばカルボキシル基を含有するジオー
ル又はトリオールはプレポリマーに組み入れる前にジカ
ルボン酸との反応によってポリエステル中に組み入れる
こともできる。有用な化合物としては米国特許第446073
8号公報に記載されているフマレートポリエステルグリ
コールが挙げられる。他の有用な酸性基を含有する化合
物としてはアミノカルボン酸類例えばリシン、シスチ
ン、3,5−ジアミノ安息香酸及びスルホン酸類例えば4,6
−ジアミノベンゼン−1,3−ジスルホン酸が挙げられ
る。
前記の非イオン性且つ水分散性のイソシアネート基を
末端基とするポリウレタンプレポリマーは常法で化学量
論的に過剰量の前記の有機ポリイソシアネートを500〜6
000の範囲の分子量を有する前記の高分子量ポリオール
及び他の必要とされるイソシアネートと反応性の化合物
とを実質的に無水の条件下で約30℃〜約130℃の範囲の
温度でイソシアネート基と水酸基の間の反応が実質的に
完結するまで反応させることによって製造し得る。前記
のポリイソシアネートと活性水素含有成分は水酸基の数
に対するイソシアネート基の数の比が1.1:1〜6:1の範囲
好ましくは1.5:1〜3:1の範囲内にあるような比率で反応
させるのが適当である。
所望ならば、触媒他ジブチル錫ジラウレートやオクタ
ン酸第一錫がプレポリマーの生成を促進するために使用
できる。
ビニル単量体中の水分散性ポリウレタンプレポリマー
の溶液は前記のプレポリマーに1種又はそれ以上のビニ
ル単量体を加えることによってあるいは好ましくは1種
又はそれ以上のビニル単量体の存在下で前記のプレポリ
マーを生成させることによって製造し得る。
前記のプレポリマーを溶解する適当なビニル単量体は
1種又はそれ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を含
有する。
有機溶媒と共に固体状の単量体を使用する可能性を除
外されないが、好ましい単量体はプレポリマー生成の温
度条件下では液状である。イソシアネート基又はイソシ
アネート基と反応性の基を含まない単量体を使用するこ
ともまた好ましい。
すなわち、適当な単量体としてはエチレン性の不飽和
炭化水素類、エステル類及びエーテル類、特にアクリル
酸及びメタクリル酸のエステル類、ビニルアルコールの
エステル類及びエーテル類、並びにスチレンが挙げられ
る。具体的な例としてはブタジエン、イソプレン、スチ
レン、置換スチレン類、アクリル酸やメタクリル酸やマ
レイン酸の低級アルキル(C1-6)エステル類、酢酸ビニ
ル、酪酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリル酸アリル、ビニルメ
チルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチル
エーテル、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、ヘキサンジオールアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙
げられる。遊離酸は分散を不安定にするので使用すべき
でない。
前記のプレポリマー/ビニル単量体溶液は当該技術分
野で周知の方法を使用して水に分散させることができ
る。該溶液は撹拌しながら水に加えるか、又は水を該溶
液にかき混ぜるのが好ましい。
該プレポリマーと反応させる活性水素を有する鎖延長
剤としてはポリオール、アミノアルコール、アンモニ
ア、1級もしくは2級の脂肪族、脂環式、芳香族、アラ
ルキル系もしくは複素環式のアミン特にジアミン、ヒド
ラジン又は置換ヒドラジンが好ましい。水溶性の鎖延長
剤が好ましく、水自体が有効であり得る。
本発明に有効な適当な鎖延長剤の具体例としてはエチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ピ
ペラジン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、トリス
(2−アミノエチル)アミン、3,3′−ジニトロベンジ
ジン、4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリン)、
3,3′−ジクロロ−4,4′−ビフェニルジアミン、2,6−
ジアミノピリジン、4,4′−ジアミノフェニルメタン、
メタンジアミン、m−キシリレンジアミン、イソホロン
ジアミン及びジエチレントリアミンとアクリル酸エステ
ル又はその加水分解生成物との付加物が挙げられる。
またヒドラジンのような化合物;アセトアジンのよう
なアジン類;置換ヒドラジン例えばジメチルヒドラジ
ン、1,6−ヘキサメチレン−ビス−ヒドラジン、カルボ
ヒドラジン;ジカルボン酸及びスルホン酸のヒドラジン
類例えばアジピン酸モノ−もしくはジヒドラジド、シュ
ウ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸
ジヒドラジド、1,3−フェニレンジスルホン酸ジヒドラ
ジド、ω−アミノカプロン酸ジヒドラジド、ラクトンと
ヒドラジンとの反応によって得られるヒドラジン例えば
γ−ヒドロキシブチリックヒドラジド、ビス−セミカル
バジド、グリコール類例えば前記のグリコール類のいす
れか、のビス−ヒドラジドカルボン酸エステルも挙げら
れる。
鎖延長剤が水以外のもの例えばジアミン又はヒドラジ
ンである場合には、鎖延長剤をプレポリマーとビニル単
量体との水性分散液に加え得、あるいは該プレポリマー
と該単量体とが水性媒体に加えられる場合には鎖延長剤
は水性媒体中に前もって存在させ得る。
鎖延長反応は高温、低温又は室温で行なうことができ
る。都合のよい温度は約5゜〜95℃より好ましくは約10
℃〜約45℃である。
鎖延長剤の使用量は前記のプレポリマー中のフリーNC
O基にたいしてほぼ当量であるべきであり、該プレポリ
マー中のNCO基に対する鎖延長剤の活性水素の比は好ま
しくは0.7〜2.00:1の範囲が好ましい。もちろん、鎖延
長剤として水を使用する場合には、鎖延長剤及び分散媒
体として両方の働きをする水がフリーNCO基に対して大
過剰存在するので前記のような比は適用できない。
プレポリマー中に存在する酸性基を陰イオン性の基に
転化させるには、水性分散液を生成させる前に、後に又
は生成時に該酸性基を中和することによって行ない得
る。適当な中和剤としては第3級アミン類例えばトリエ
チルアミンが挙げられる。
ビニル単量体又は複数種の単量体の重合は2つの方法
のいずれか1つで行なうことができる。
第1の方法においては、追加の単量体(同一の又は異
なるビニル単量体又は単量体混合物)が加えられ、ポリ
ウレタンを膨潤し得る。次いで、該単量体を慣用のラジ
カル開始剤法を使用して重合させ得る。プレポリマーの
溶媒として使用する単量体の量は全単量体に対し1.5〜9
5重量%、好ましくは2.5〜80重量%、より好ましくは7
〜50重量%が適当である。
第2の方法においては、同一又は異なるビニル単量体
又は単量体混合物からなるビニル単量体希釈剤又は供給
物の重合は完全になる迄続けられる。プレポリマーの溶
媒として使用する単量体の量は第1の方法について示し
たものである。
いずれの重合方法においても、添加し、重合させ得る
ビニル単量体としては前記したものが挙げられる。官能
性の単量体、例えばヒドロキシアルキルアクリレートや
ヒドロキシアルキルメタアクリレートもまた、この段階
で加え得る。なぜならばプレポリマーの遊離イソシアネ
ート基が鎖延長剤と反応するからである。
適当なラジカル開始剤としては水相と有機相の間を分
ける混合物例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、イソ
アスコルビン酸及びFe・EDTAの組合せが挙げられる。
本発明の方法によって製造される水性重合体分散液は
乳化剤又は有機溶媒が存在しないのにもかかわらず長期
間安定である。所望ならば少量の乳化剤及び/又は溶媒
を分散液に含有させ得る。
本発明の方法によって製造される分散液は被覆組成物
として使用し得、木材、金属、ガラス、布、皮革、紙、
プラスチック、フォーム等を含めどんな支持体にも、は
け塗り、浸漬、流れ塗、吹付け等を含む慣用の方法で適
用し得る。該被覆組成物から得られる皮膜は複合材製品
の製造に接着材として使用し得る。
本発明を以下の実施例により例証するが実施例によっ
て限定されるものではない。実施例中の部及び%は全て
重量である。
実施例1 以下の各成分を用いてプレポリマー溶液を製造した。
部 イソホロンジイソシアネート 33.9 ジメチロールプロピオン酸 6.0 ポリカーボネートジオール 58.9 トリメチロールプロパン 0.6 シクロヘキサンジメタノール 0.6 メタクリル酸メチル 42.8 次いで、得られたプレポリマー溶液を界面活性材を使
用しないでトリエチルアミンで中和し、水に分散させ、
エチレンジアミンで鎖延長させた。
得られたポリウレタン分散液にメタクリル酸メチル9
7.2部とアクリル酸ブチル93部を含む単量体混合物を加
え、膨潤させた。
t−ブチルヒドロペルオキシドとイソアスコルビン酸
を使用して重合を行なった。
得られた分散液は半透明であり、低粘度を有し、少量
の沈降物を含んでいた。
実施例2 実施例1に記載したようにしてポリウレタン分散型を
製造した。重合はt−ブチルヒドロペルオキシドを使用
して開始させた。重合の間にメタクリル酸メチル97.2部
とアクリル酸ブチル93部を含む単量体混合物を重合に供
した。
得られた重合体分散液も半透明であり、低粘度であり
少量の沈降物を有していた。
比較例C1 以下の各成分からプレポリマー溶液を製造した。
部 イソホロンジイソシアネート 33.9 ジメチロールプロピオン酸 6.0 ポリカーボネートジオール 58.9 トリメチロールプロパン 0.6 シクロヘキサンジメタノール 0.6 メタクリル酸メチル 140 アクリル酸ブチル 93 次いで得られたプレポリマー溶液をトリエチルアミン
で中和し、水に分散させ固形(単量体を含む)35%に
し、そしてエチレンジアミンで鎖延長させた。
得られた生成物は粗い粒径と重い沈降物を有する白濁
した分散液であった。3日後に相分離が起こった。
1日後にt−ブチルヒドロペルオキシドとイソアスコ
ルビン酸を用いた重合開始では重合の初期に凝固を生じ
てしまった。
実施例3 A.ポリウレタンの製造 温度計、機械式撹拌機、冷却器、乾燥空気又は窒素シ
ール及び加熱マントルを備えた4口丸底フラスコ中で以
下の各成分を使用してウレタンプレポリマーを製造し
た。
部 イソホロンジイソシアネート 525.00 テラタン(Terathane)−1000 635.33 ジメチロールプロピオン酸 81.25 1,4−シクロヘキサンジメタノール 8.43 触媒;フェロ(Ferro)820 0.15 (錫を基剤とする触媒) アクリル酸ブチル 313.85 反応抑制剤:トパノール(Topanol)0 0.63 フェロ820は半量をジイソシアネートとポリオールの
混合物を加熱する前に加え、残量を反応温度で1時間後
に加えた。反応の前に前記のアクリル酸ブチルの139.56
部を加え、残部な反応後に得られたプレポリマーを希釈
するために使用した。反応抑制剤はアクリル酸ブチルに
対して同様に分割した。総反応時間は2時間を要し、反
応温度は90〜95℃に維持した。残存NCO含量は5.59%
(理論量5.64%)であった。
得られたプレポリマーは50〜60℃で0.5時間トリエチ
ルアミン60.13部を混合することによって中和した。中
和したプレポリマーは脱イオン水3071.69部に60分間で
分散させた。分散後、ヒドラジン1水和物44.17部を加
え、NCO基を末端基とするプレポリマーを鎖延長させ
た。得られたポリウレタン分散液はpH7.8、25℃でのブ
ルックフィールド粘度37mPas及び固形分27.3%であっ
た。
(上記のテラタン−1000はポリテトラメチレングリコ
ールである。) B.ウレタン−ビニル単量体の製造 ウレタン−アクリル重合体の比40:60を有する重合体
分散液を製造するためにラジカル重合を以下の方法を使
用して行なった。
前記と同様の装置に窒素シール下に前記の分散液113
6.19部、脱イオン水508.66部及びtert−ブチルヒドロペ
ルオキシド2.25gを入れた。この分散液に以下の表に記
載した単量体供給物(feed)の10%とイソアスコルビン
酸の2%水溶液を加えた(アンモニアでpH7〜9に中和
した)。75℃に加熱の後に、単量体供給物の残部を60分
間にわたって加えた。温度は75±2℃に75分間維持し
た。イソアスコルビン酸の供給を完了した後、反応媒体
は冷却する前に80〜82℃で0.5時間、後反応(postreact
ion)を行なった。
単量体供給物: 部 メタクリル酸メチル 301.95 メタクリル酸ブチル 58.05 アクリル酸ブチル 15.00 ジメチルエタノールアミン 0.45 得られたポリウレタン−アクリル重合体は次の測定値
(specification)すなわち遊離単量体含量0.02%、沈
降物0.14%、pH8.0、25℃でのブルックフィールド粘度1
60mPas及び含有固形分37.5%を示した。最低皮膜形成温
度は20℃より低かった。最終生成物は青白色、ほとんど
半透明の外観を有し、1mmの透過長さ(path length)を
使用して650nmでの分光測定の吸光度測定値は5.1であっ
た。50℃で4週間の貯蔵試験の後に、若干の粘度上昇が
認められた。ガラス板上の30ミクロンの塗り厚を有する
皮膜流延(cast)乾燥物はケーニッヒ(Knig)硬度1
36secを示した。エタノールとメチルエチルケトンの往
復摩擦(double reb)はそれぞれ43回(43×)と155回
(155×)であった。
実施例4 A.ポリウレタンの製造 ポリウレタン分散液の製造は実施例3の方法と同様の
方法で行ない、プレポリマーはポリカーボネートジオー
ル及びトリオールを基剤とするものであり、メタクリル
酸メチルは反応性希釈剤として使用した。
プレポリマー成分: 部 イソホロンジイソシアネート 536.32 パーマノール(Permanol) 930.68 KM−10−122(OH=55.49mg KOH/g) ジメチロールプロピオン酸 94.80 トリメチロールプロパン 9.48 1,4−シクロヘキサンジメタノール 8.89 フェロ820(錫を基剤にした触媒) 0.19 メタクリル酸メチル 678.21 トパノール0 反応抑制剤 1.36 プレポリマー反応は3時間を要した。メタクリル酸メ
チル中の90%溶液は反応時間1時間後及び2時間後には
80%及び70%迄更に希釈された。
ポリウレタン分散液の製造成分 部 プレポリマー 685.71 トリエチルアミン 21.28 脱イオン水 1260.02 エチレンジアミン 20.73 低粘度で半透明のウレタン分散液は固形分25.3%、沈
降物<0.02%を含むことが認められた。
B.ウレタン−ビニル重合体の製造 成 分: 部 ポリウレタン分散液 372.70 脱イオン水 265.87 tert−ブチルヒドロペルオキシド 1.31 1%イソアスコルビン酸水溶液 63.80 メタクリル酸メチル 87.43 アクリル酸ブチル 84.00 ジメチルエタノールアミン 0.21 ウレタン−ビニル重合体の比は30:70であった。
分析値: 固形分 34.3 % pH 7.7 粘度(25℃) 10 mPas 沈降物 <0.02% 外 観 青白色 吸光度(650nm) 31 最低皮膜形成温度 <15 ℃ 皮膜物性: ケーニッヒ硬度 78sec エタノール往復摩擦 18回 MEK往復摩擦 48回 実施例5 実施例4に記載のラジカル重合用の処方(recipe)の
ウレタン分散液と他の成分とを使用してポリウレタン−
ビニル重合体を製造した。
しかしながら、ラジカル重合方法は以下のようにして
行なった。
最初に、希釈したポリウレタン分散液に単量体混合物
を加え、次いでtert−ブチルヒドロペルオキシドと10%
イソアスコルビン酸溶液を加えた。
更に40℃でイソアスコルビン酸溶液を供給すると反熱
反応を生じ、ピーク温度79℃になった。供給時間30分及
び80〜82℃で30分の後反応の後には、遊離の単量体含量
は0.02%であった。
他の分析値は次の通りであった。
固形分 34.3 % pH 7.9 粘度(25℃) 10 mPas 沈降物 <0.02% 外 観 青白色 吸光度 24 最低皮膜形成温度 23 ℃ ウレタン−ビニル重合体の比は30:70であった。
比較例C2 実施例4に記載したポリウレタンプレポリマーを最終
のウレタン−ビニル重合体の比が30:70になるようにメ
タクリル酸メチルとアクリル酸メチルとで希釈した。こ
のプレポリマーを分散させる処方は以下の通りであっ
た。
部 ポリウレタンプレポリマー 285.71 メタクリル酸メチル 194.29 アクリル酸メチル 186.67 トリエチルアミン 8.87 脱イオン水 1245.27 エチレンジアミン 8.64 前記のプレポリマー一重合体混合物を中和し、分散さ
せ、次いで鎖延長させると粗い粒径と多量の沈降物を有
する白濁した混合物を生じた。単量体を含めた固形分は
35%であった。3日後に相分離が起こった。
この生成物を1日後にラジカル重合に供した。最初に
tert−ブチルヒドロペルオキシドを加え、次いで40℃で
イソアスコルビン酸を供給しても発熱反応が起こらず、
60℃に加熱しても発熱反応が起こらなかった。最終的に
反応時間75分後に、混合物はゲル化した。
実施例6 A.ポリウレタンの製造 方法は実施例3と同様に行なった。しかしながら、ウ
レタン重合体はトリオールと4官能性アミンで変性し
た。プレポリマーはアクリル酸ブチル134.63gの存在下
で製造した。残りのアクリル酸ブチルとアクリロニトリ
ルはプレポリマー反応の完結後でしかも分散工程の前に
希釈のために使用した。エチレンジアミンとトリエチレ
ンテトラミンは鎖延長剤として使用した。
プレポリマー成分: 部 イソホロンジイソシアネート 512.69 Terathane−1000 595.80 (OH=114.3mg KOH/g) ジメチロールプロピオン酸 78.00 トリメチロールプロパン 13.51 フェロ820(錫を基剤にした触媒) 0.14 アクリル酸ブチル 150.74 アクリロニトリル 150.74 反応抑制剤トパノール0 0.60 プレポリマーは5.16%のNCO基(理論量5.73%)を含
んでいた。
ポリウレタン分散液製造成分: 部 プレポリマー 1502.22 トリエチルアミン 57.73 脱イオン水 3416.47 エチレンジアミン 51.39 トリエチレンテトラミン 6.42 得られたポリウレタン分散液は半透明の外観を示し
た。固形分は25%であった。
B.ウレタン−ビニル重合体の製造 実施例3に記載した方法に従って、以下の各成分を重
合に使用した。
部 ポリウレタン分散液 670.24 脱イオン水 203.36 tert−ブチルヒドロペルオキシド 1.50 1%イソアスコルビン酸水溶液 72.75 アクリル酸ブチル 52.00 メタクリル酸メチル 84.00 アクリロニトリル 52.00 メタクリル酸アリル 12.00 ジメチルエタノールアミン 0.24 0.60%の遊離の単量体がまだ存在していたので、過硫
酸アンモニウムを用いた、後反応が必要であった。
従って、10%過硫酸アンモニウム溶液(pH8にアンモ
ニアで中和した)4.67gを加え、反応混合物を90〜92℃
に加熱し、この温度で0.5時間保持した後に冷却した。
この時の遊離の単量体は0.06%であった。
ポリウレタン−ビニル重合体の比は40:60であった。
得られた分散液の分析値は以下の通りであった。
固形分 35.2 % pH 8.0 粘度(25℃) 600 mPas 沈降物 0.30% 最低皮膜形成温度 16 ℃ 外 観 青白色 吸光度(650nm) 31 50℃での貯蔵安定性は不十分であり、第3週目に重合
体がゲル化した。しかしながら、室温では分散液は1年
以上も安定であった。
皮膜特性: ケーニッヒ硬度 144sec エタノール往復摩擦 15回 MEK往復摩擦 20回 実施例7 本実施例は実施例6に記載と同一のポリウレタン分散
液、同一の比率での同一成分及び類似のラジカル重合の
使用によるウレタン−ビニル重合体の製造を説明する
が、連続的な単量体の供給は最初はアクリロニトリルを
第2番目にはメタクリル酸アリルの90%を導入に使用し
た。
ラジカル重合用の処方: 部 ポリウレタン分散液 670.24 脱イオン水 203.36 tert−ブチルヒドロペルオキシド 1.50 1%イソアスコルビン酸水溶液 72.75 最初の単量体供給: アクリル酸ブチル 30.40 メタクリル酸メチル 58.80 アクリロニトリル 52.00 メタクリル酸アリル 1.20 ジメチルエタノールアミン 0.17 第2番目の単量体供給: アクリル酸ブチル 21.60 メタクリル酸メチル 25.20 メタクリル酸アリル 10.80 ジメチルエタノールアミン 0.07 ウレタン−ビニル重合体の比は40:60であった。
最初の単量体供給量:2番目の単量体供給量の比は70:3
0であった。
分析値: 固形分 35.1 % pH 8.5 粘度(25℃) 111 mPas 沈降物 0.08% 遊離の単量体 0.02% 最低皮膜形成温度 16 ℃ 外 観 青白色 吸光度(650nmで) 25 貯蔵安定性(25℃で4週間) 良 好 皮膜特性: ケーニッヒ硬度 135sec エタノール往復摩擦 20回 MEK往復摩擦 31回 実施例8 ポリウレタン−ビニル重合体は実施例3に記載したよ
うなポリウレタン分散液に基づき、アクリル酸部分はス
チレンに部分的に変更した。ウレタン−ビニル重合体の
比は50:50であった。
ラジカル重合用処方: ポリウレタン分散液 1340.20 (30.0%固形分) 脱イオン水 245.75 tert−ブチルヒドロペルオキシド 2.46 1%イソアスコルビン酸水溶液 116.78 スチレン 141.51 メタクリル酸メチル 117.92 アクリロニトリル 35.38 分析値: 固形分 35.4 % pH 8.0 粘度(25℃) 19 mPas 沈降物 0.02% 遊離の単量体 0.40% 最低皮膜形成温度 <15 ℃ 吸光度(650nm) 19 外 観 青白色 皮膜特性: ケーニッヒ硬度 101sec エタノール往復摩擦 10回 MEK往復摩擦 10回 実施例9 ポリウレタン−ビニル重合体は実施例3に記載したよ
うなポリウレタン分散液に基づき、アクリル酸部分は実
施例8のようにスチレンで部分的に変更したが、ポリウ
レタン−ビニル単量体の比は20:80であった。
ラジカル重合用処方: 部 ポリウレタン分散液 496.72 (固形分30.0%) 脱イオン水 778.30 tert−ブチルヒドロペルオキシド 3.64 1%イソアスコルビン酸水溶液 175.00 スチレン 209.79 メタクリル酸メチル 174.83 アクリロニトリル 52.45 アクリル酸ブチル 109.24 分析値: 固形分 35.7 % pH 7.7 粘度(25℃) 16 mPas 沈降物 0.03% 遊離の単量体 0.25% 最低皮膜形成温度 43 ℃ 吸光度 31 外 観 青白色 皮膜特性: ケーニッヒ硬度 180sec エタノール往復摩擦 30回 MEK往復摩擦 30回 実施例10 A.ポリウレタンの製造 実施例1の方法に従って、ポリエステルジオールベー
スのポリウレタンを製造した。プレポリマーはアクリル
酸ブチル−トパノールO溶液で希釈したがプレポリマー
の製造が終る迄は希釈しなかった。
プレポリマー成分: 部 イソホロンジイソシアネート 1561.44 ルコ(Ruco)S−1063−120ポリエステル 1542.33 (OH=116.7mg KOH/g) ジメチロールプロピオン酸 218.24 1,4−シクロヘキサンジメタノール 38.68 フェロ830(触媒) 0.40 アクリル酸ブチル 839.77 トパノール0(反応抑制剤) 1.68 得られたプレポリマーは6.51%のNCO基(理論値:7.04
%NCO基)を含有していた。
ポリウレタン分散液の製造処方: プレポリマー 3200.00 トリエチルアミン 123.00 脱イオン水 5523.33 エチレンジアミン 134.14 ポリウレタン分散液の分析値: 固形分 26.0 % pH 7.5 粘度(25℃) 28 mPas 沈降物 0.08% 外 観 青白色 B.ウレタン−ビニル重合体の製造 実施例3に従ってラジカル重合を行なった。しかし、
イソアスコルビン酸還元剤はホルムアルデヒドスルホキ
シル酸ナトリウムに置き換えた。
以下の処方を使用した。
ポリウレタン分散液 1067.41 脱イオン水 455.06 tert−ブチルヒドロペルオキシド 2.62 1%ホルムアルデヒド 126.00 スルホキシル酸ナトリウム水溶液 メタクリル酸メチル 280.94 メタクリル酸ブチル 54.01 アクリル酸ブチル 13.96 ウレタン−ビニル重合体の比は40:60であった。
分析値: 固形分 34.6 % pH 8.1 粘度(25℃) 9 mPas 沈降物 0.10% 遊離の単量体 0.12% 最低皮膜形成温度 39 ℃ 吸光度(650nm) 25 外 観 濁った白色 皮膜特性: ケーニッヒ硬度 163sec エタノール往復摩擦 30回 MEK往復摩擦 120回 実施例11 A.ポリウレタンの製造 実施例3に記載のようにしてポリカプロラクトンジオ
ールと4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソ
シアネートをベースにしたポリウレタンを製造した。ア
クリル酸ブチルと触媒はプレポリマーの製造を始める前
に加えた。反応温度は80〜85℃で2時間保持した。
プレポリマー成分: 4,4′−メチレンビス 597.36 (シクロヘキシル)ジイソシアネート ポリカプロラクトンジオール 846.64 (OH=92.7mg KOH/g) ジメチロールプロピオン酸 76.00 フェロ860(錫ベース触媒) 0.58 アクリル酸ブチル 379.40 トパノール0(反応抑制剤) 0.75 得られたプレポリマーは4.20%のNCO基(理論値4.42
%)を含有していた。
ウレタン分散液の製造処方: 部 プレポリマー 600.00 トリエチルアミン 17.34 脱イオン水 1405.54 ヒドラジン1水和物 13.90 ポリウレタン分散液の分析値: 固形分 23.5% pH 8.6 沈降分 <0.02 粘度(25℃) 36mPas 外 観 無色、半透明 B.ウレタン−ビニル重合体の製造 実施例3に従ってラジカル重合を行なった。
処 方: 部 ポリウレタン分散液 1412.40 脱イオン水 213.73 tert−ブチルヒドロペルオキシド 2.21 1%イソアスコルビン酸水溶液 106.00 メタクリル酸メチル 258.58 メタクリル酸ブチル 7.08 得られたウレタン−ビニル重合体の比は50:50であっ
た。
分析値: 固形分 33.5 % pH 8.0 粘度(25℃) 17 mPas 沈降物 <0.02% 遊離の単量体 0.11% 最低皮膜形成温度 31 ℃ 吸光度 7.7 外 観 青白色 皮膜特性: ケーニッヒ硬度 150sec エタノール往復摩擦 140回 MEK往復摩擦 >200回 実施例12 A.ポリウレタンの製造 ポリウレタンはトルエンジイソシアネート(2,4′−
異性体と2,6′−異性体の比が80:20)とジフェニルメタ
ンジイソシアネート(4,4′−異性体と2,4′−異性体の
比が75:25)を基剤とした。
プレポリマーの製造処方: 部 トルエンジイソシアネート 246.00 ジフェニルメタンジイソシアネート 246.00 テラタン−100ポリエーテルジオール 579.24 (OH=114.3mg KOH/g) 1,4−シクロヘキサンジメタノール 8.76 ジメチロールプロピオン酸 120.00 アクリル酸ブチル 133.33 メタクリル酸メチル 266.67 スチレン 400.00 トパノール0(反応抑制剤) 1.60 ウレタンプレポリマーは最初にジイソシアネート溶液
にポリエーテルジオールと1,4−シクロヘキシルジメタ
ノールの混合物を1時間で供給し、次いで反応温度を50
〜55℃に維持した。手順は温度を55〜60℃に保ちながら
ジメチロールプロピオン酸を1時間で加えることにより
行なった。反応混合物を55〜60℃で更に6時間、65〜60
℃で2時間保持した。一方、該混合物は反応時間3、9
及び10時間後にアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル
及びスチレンで希釈した。その時のNCO含量は3.73%
(理論量3.25%)であった。
ウレタン分散液はトリエチルアミン26.05部、ヒドラ
ジン1.04部及び水を841.8部を含有する水相にプレポリ
マー400.00部を1時間で加えることによって製造した。
残りのヒドラジン0.35部も同時に室温で1時間で供給し
た。
ポリウレタン分散液の分析値: 固形分 24.1 % pH 8.2 粘度(25℃) 900 mPas 沈降物 0.04% 吸光度 19 外 観 青白色 B.ウレタン−ビニル重合体の製造 実施例3に記載の方法に従ってラジカル重合を行なっ
た。
処 方: ポリウレタン分散液 851.75 脱イオン水 309.62 tert−ブチルヒドロペルオキシド 1.25 1%アスコルビン酸水溶液 60.00 スチレン 88.60 メタクリル酸メチル 15.56 アクリロニトリル 18.00 アクリル酸ブチル 11.10 得られたウレタン−ビニル重合体の比は50:50であっ
た。
分析値: 固形分 30.1 % pH 8.1 粘度(25℃) 29 mPas 沈降物 0.40% 遊離の単量体 0.20% 吸光度 143 外 観 わずかに濁った 黄白色 皮膜特性: ケーニッヒ硬度 136sec エタノール往復摩擦 >200回 MEK往復摩擦 80回 実施例13 A.ポリウレタンの製造 実施例3の方法と同様の方法でウレタンプレポリマー
を製造したが、エチレンジアミンと4官能性アミンで部
分的に変えた。アクリル酸ブチル中の90%プレポリマー
はプレポリマー製造後に更に80%に希釈した。
プレポリマーの成分: 部 イソホロンジイソシアネート 672.00 テラタン−1000ポリエーテル 813.22 (OH=114.3mg KOH/g) ジメチルロールプロピオン酸 104.00 1,4−シクロヘキサンジメタノール 10.78 フェロ820(触媒) 0.20 アクリル酸ブチル 400.00 トパノール0(反応抑制剤) 0.80 得られたプレポリマーは5.62%のNCO基(理論値5.64
%)を含有していた。
ポリウレタン分散液の製造処方: 部 プレポリマー 600.00 トリエチルアミン 23.08 脱イオン水 1212.89 エチレンジアミン 19.13 トリエチレンテトラミン 2.39 ポリウレタン分散液の分析値: 固形分 27.5 % pH 7.7 粘度(25℃) 27 沈降物 >0.02% 吸光度(650nm) 2.1 外 観 半透明 B.ウレタン−ビニル重合体の製造 ラジカル重合はアゾビズ(イソブチロニトリル)開始
剤に基づいて行なった。フタル酸ジアリルを2官能性成
分として加えた。
方法は以下の通りであった。
前記の開始剤を含む単量体混合物を、希釈したポリウ
レタン分散液に反応温度を80±2℃に保ちながら1時間
で供給した。90±2℃で0.5時間、後反応の後に、遊離
の単量体含有量は0.02%であった。
ラジカル重合の処方: 部 ウレタン分散液 483.73 脱イオン水 162.24 アゾビズ(イソブチロニトリル)0.75 アクリル酸ブチル 2.24 メタクリル酸ブチル 12.50 メタクリル酸メチル 78.39 フタル酸ジアリル 0.63 得られたウレタン−ビニル重合体の比は50:50であっ
た。
分析値: 固形分 32.3 % pH 8.6 粘度(25℃) 82 沈降物 1.0 % 遊離の単量体 0.02% 吸光度(650nm) 18 外 観 青白色 実施例14 A.ポリウレタンの製造 実施例3に記載したようにしてテラタン−2000ポリエ
ーテルジオールと4,4′−メチレンビス(シクロヘキシ
ル)ジイソシアネートを基剤とするウレタンプレポリマ
ーを製造した。触媒はプレポリマーを製造する前に全量
を加え、メタクリル酸メチルはプレポリマーの製造終了
後に加えた。
プレポリマー成分: 部 4,4′−メチレンビス 1266.15 (シクロヘキシル)ジイソシアネート テラタン−2000ポリエーテルジオール 1693.85 (OH=56.7mg KOH/g) ジメチロールプロピオン酸 240.00 フェロ860(錫を基剤にした触媒) 1.23 メタクリル酸メチル 799.98 トパノール0(反応抑制剤) 1.60 得られたプレポリマーは4.36%のNCO基(理論値4.47
%)を含有していた。
ポリウレタン分散液の製造処方: プレポリマー 3100.00 トリエチルアミン 138.97 脱イオン水 6403.72 ヒドラジン1水和物 71.69 ポリウレタン分散液の分析値: 固形分 26.1 pH 8.3 粘度(25℃) 19 mPas 沈降物 0.02% 吸光度(650nm) 0.1 外 観 清澄、半透明 B.ウレタン−ビニル重合体の製造 ウレタン−ビニル重合体の比70:30を有するラジカル
重合を以下のように行なった。
t−ブチルヒドロペルオキシド0.34部と脱イオン水
(pH8.0)の22.90部のジメチルエタノールアミン(DME
A)中和混合物を反応器中の前記のウレタン分散液500部
と混合した。脱イオン水17.00部に溶解したイソアスコ
ルビン酸0.17部をDMEAでpH=8.0迄中和した。この混合
物の10%を反応相に加えた。この反応混合物を85℃迄加
熱した。反応混合物が75℃に達したときに単量体の供給
を開始した。単量体混合物の総供給時間は15分であっ
た。単量体の供給と同時に残りのイソアスコルビン酸溶
液を供給した。この供給は30分間で終わった。この供給
の完了後、混合物を85℃で更に30分間保ち、その後反応
器を85℃で30分間ストリッピング(strip)した。
70/30の比のウレタン/アクリル酸エステル重合体分
散液の分析値は以下の通りであった。
固形分 33.0 pH 7.7 粘度(25℃) 30 沈降物 <0.02% 最低皮膜形成温度 <15 外 観 青白色
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジエラルデユス・コルネリス・オーヴエ ルベーク オランダ国・5140・エイ・シイ・ワール ウイク・スルイスウエグ・10・ポリヴイ ニル・ケミー・オランダ・ベスローテ ム・ベンノツトシヤツプ内 (56)参考文献 特開 昭50−3159(JP,A) 特開 昭63−23972(JP,A) 特開 平1−168756(JP,A) 特開 昭62−34944(JP,A) 特開 昭59−138211(JP,A) 特開 昭59−113053(JP,A) 特開 平1−104613(JP,A) 欧州公開189945(EP,A1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰イオン性の水分散性ポリウレタンとビニ
    ル重合体とを10:90〜90:10の重量比で含有するが界面活
    性剤を含まない重合体水性分散液の製造方法であって、 (A)少なくとも1種のビニル単量体中に、陰イオン性
    で水分散性のイソシアネート基を末端基とするポリウレ
    タンを溶解させた溶液を形成させ、 (B)得られた溶液を水性媒体に分散させついで (C)前記ポリウレタンを連鎖延長させる工程を行い;
    ついで (D)ビニル単量体を更に添加し、 (E)該ビニル単量体の重合を開始させる工程を行うか
    又は、 (F)工程(C)の後、前記ビニル単量体の重合を開始
    させ、 (G)この重合を行う間に、ビニル単量体を更に添加す
    る工程を行うことを特徴とする界面活性剤を含まない重
    合体水性分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】形成された分散体は前記水分散性ポリウレ
    タンとビニル重合体とを20:80〜80:20の重量比で含有す
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】陰イオン性で水分散性のイソシアネート基
    を末端基とする前記ポリウレタンが (i)有機ポリイソシアネートと、 (ii)500〜6000の分子量を有する高分子量ポリオール
    と、 (iii)少なくとも1個の酸性基と、イソシアネートに
    対して酸性基よりも反応性である少なくとも2個の基と
    を有してイソシアネートと反応性の化合物と、所望なら
    ば (iv)500以下の分子量を有する低分子量ポリオールと
    の反応生成物である請求項1又は2に記載の方法。
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