JP2711452B2 - 色再現性の優れたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
色再現性の優れたハロゲン化銀写真感光材料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、直接観察用のハロゲン化銀カラー写真感光
材料に関し、特に色再現性にすぐれた直接観察用カラー
写真感光材料に関する。本発明は例えば、プリント用ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料などの直接観察用の感光
材料に好適に適用することができる。 〔発明の背景〕 よく知られているように、通例のハロゲン化銀カラー
写真法においては、色形成カプラーを内臓するハロゲン
化銀写真感光材料をパラフェニレンジアミン系発色現像
主薬などを用いて現像することにより、酸化された現像
主薬と該色形成カプラーをカップリングさせ、色素を形
成して色画像を得ている。 カラー画像を得るプロセスのうち、減色法による現在
のプロセスにおいては、カラーネガとよばれる撮影用感
光材料に撮影、記録した後に上記の発色現像法を用いて
現像を行うことによりネガ像を一たん得、そののちこれ
をプリンターによってカラーペーパー上にプリントする
という手順をとるのが一般的である。 カラーネガ感光材料においては、例えば通常、400〜5
00nm、500〜600nm、600〜700nmの各波長域に分光増感さ
れた3種のハロゲン化銀乳剤層中に、それぞれイエロー
カプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーを含有さ
せて、多層構成がとられている。すなわち青に感光した
部分ではイエロー色素が、緑に感光した部分ではマゼン
タの色素が、また赤に感光した部分ではシアン色素がそ
れぞれ形成されて、いわゆるネガ像が形成される。この
ようなネガ像を得た後に、やはりイエローカプラーを含
有する青感光層、マゼンタカプラーを含有する緑感光
層、そしてシアンカプラーを含有する赤感光層から成る
カラーペーパー上にプリントして、カラー画像を得るの
が一般的である。 しかしながらカラー写真に用いられる色素は、減色法
において理想的とされるブロック型色素、つまり特定の
波長域にのみ感光性を有するものと異なり、スペクトル
の他の領域にかなりの不整吸収を持ち、従って吸収して
ほしくない光に対しても一部光を吸収するために、この
ままでは十分な色再現ができない。このため例えばカラ
ーネガフィルムにおいてはこの不整吸収を補正するため
のカラードカプラーを用いたマスキングなどが行われ、
これにより良好な色再現性の実現を図っている。 また、さらに減色法三原色の原理と人間の眼の性質に
基づく負の分光感度補正を行ったり、純色を強調したり
するためにインターイメージ効果を使ったりしている。 このようにカラーネガ感光材料においては、種々の色
補正手段が用いられているが、上記の如く種々補正して
記録したオリジナルの信号も、カラーペーパーにプリン
トする時、従来のカラーペーパー自身には色補正機能が
全く備わっていないために、結局システム全部の色再現
性がここで劣化してしまうという問題点が残る。 また、さらに減色法三原色の原理と人間の眼の性質に
基づく負の分光感度補正を行ったり、純色を強調したり
するためにインターイメージ効果を使ったりしている。 このようにカラーネガ感光材料においては、種々の色
補正手段が用いられているが、上記の如く種々補正して
記録したオリジナルの信号も、カラーペーパーにプリン
トする時、従来のカラーペーパー自身には色補正機能が
全く備わっていないために、結局システム全部の色再現
性がここで劣化してしまうという問題点が残る。 また、カラー複写機やその他の分野において用いられ
ているダイレクトポジ感光材料も、それ自身を使用者が
観るための直接観察用の感光材料であるので、カラーネ
ガ感光材料等で使われているカラードカプラー等による
マスキング技術が使えないため、充分な色再現性を有し
ているとはいえず改良が望まれている。 さらにこれらの直接観察用感光材料は、そのハロゲン
化銀成分として実質的に塩化銀、塩臭化銀などを含有す
るものを用いているので、従来カラーネガフィルムにお
いて画質向上のため用いられているDIRカプラーは、該
感光材料の現像速度を遅らせてしまったり、また現像速
度が迅速な場合あまり効果が出なかったりして、使用が
難しい。このように実質的に上記塩化銀等を含有する感
光材料に対しては、有効なマスキング手段がないという
のが実情であった。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、実質的に塩化銀、塩臭化銀、または
塩沃臭化銀からハロゲン化銀を含有する感光材料につい
て、その色再現性を大幅に向上できるようにして、すぐ
れた色再現性をもつ直接観察用のハロゲン化銀写真感光
材料を提供することである。 〔発明の構成及び作用〕 上記本発明の目的は、支持体上に少なくとも一層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有する直接観察用のハロゲン化銀写
真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が実質的に
塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀からなるハロゲン化銀を
含有し、かつ前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層
に、下記一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプラー
の少なくとも1つを含有するとともに、前記ハロゲン化
銀乳剤層の少なくとも一層に、後記する一般式〔M−
I〕で表されるマゼンタカプラーの少なくとも1つを含
有し、更に写真構成層のいずれかの少なくとも1層に下
記一般式〔I〕で表される現像主薬の酸化生成物と反応
して該酸化物をスカベンジし得る化合物、あるいはその
前駆体を放出し得る化合物(以下「DSR化合物」と称す
る)の少なくとも1つを含有することを特徴とする直接
観察用のハロゲン化銀写真感光材料によって、達成され
る。 本発明の感光材料は、上記DSR化合物がもたらすイン
ターイメージ効果により、例えば減色法を用いたネガ−
ポジシステムにおいて、すぐれた色再現性を実現するこ
とができ、またカラー複写用の直接ポジ型感光材料に適
用して、すぐれた色再現性を得ることができる。 一般式〔Y−I〕 [式中、Ry1はアルキル基またはシクロアルキル基を
表し、Ry2はアルキル基、シクロアルキル基、アシル基
またはアリール基を表し、Ry3はベンゼン環に置換可能
な基を表す。nは0または1を表す。Ry4はカルボニル
またはスルホニル単位を有する結合基を1つ含む有機基
を表し、Jは (Ry5は水素原子、アルキル基、アリール基または複素
環基を表す。)を表す。Xy1は発色現像主薬の酸化体と
の反応により離脱しうる基を表す。] 一般式〔I〕 CoupTimelSC [式中、Coupは、発色現像主薬酸化体との反応により
(TimelSCを放出し得るカプラー残基を表し、Time
は、Coupから放出された後、SCを放出することができる
タイミング基を表し、SCはCoupから放出された後、発色
現像主薬酸化体を酸化還元反応またはカップリング反応
によりスカベンジし得る発色現像主薬酸化体のスカベン
ジャーを表し、lは0または1を表す。] 本発明において、DSR化合物は、いずれかの写真構成
層、好ましくはいずれかの乳剤層中に含有されることに
より、現像時にイメージワイズに酸化された現像主薬と
カップリング反応する化合物、もしくは酸化された現像
主薬と酸化還元反応する化合物を放出し、自層で現像の
結果生成する酸化された現像主薬と反応することにより
自層で色素形成を抑える働きがある。これにより自層の
ガンマが低下するとともに、酸化された現像主薬をスカ
ベンジする化合物は、これらの自層での効果に加えて、
他層に拡散して他層での発色反応を抑える作用をもつ。 この作用により、例えばマゼンタ層にDSR化合物を加
えた場合、マゼンタが発色した時には該マゼンタ層での
マゼンタ色素濃度に比例してシアン層のシアン色素の発
色を抑えることができ、これにより、マゼンタ色素が本
来の緑領域以外にもっている例えば赤の吸収を抑え、マ
スキング作用を行うと考えられる。中でもマゼンタ層に
DSR化合物を含有させ、マゼンタ層から他の層へインタ
ーイメージ効果をかけてやることが、赤〜紫系統の色再
現には好ましく、純度の高い赤の形成に特に効果があ
る。 またシアン層にDSR化合物を含有させることも好まし
く、例えばシアン層からマゼンタ層へ同様にインターイ
メージをかけてやることも、青系統の色再現に特に効果
が大きい。同様にして、放出された現像主薬酸化体をス
カベンジする化合物の拡散度を高めてやることにより、
シアン層からイエロー層へ、また逆にイエロー層からマ
ゼンタ層、シアン層へとインターイメージをかけてやる
ことも可能であり、本発明は種々の態様で使用できる。 なおインターイメージ効果を生ぜしめる素材として、
沃素含有ハロゲン化銀乳剤やDIRカプラー等を用いるこ
ともできるが、これらは現像抑制剤を放出するために現
像を全体に遅らせてしまうので、近年の処理の迅速化と
いう要請には反する。よって迅速処理が要される感光材
料については、使用しにくい。またこれら迅速処理を要
する重層感光材料は、その各層の現像をバランスよく停
止させることが難しいので、これらの現像抑制剤の放出
によるマスキングは、このような感光材料への適用は困
難である。 実質的に塩化銀、塩臭化銀、または塩沃臭化銀から成
る感光材料において、現像主薬の酸化生成物をスカベン
ジし得る化合物、もしくはこれらの前駆体(プレカーサ
ー)を放出しうる化合物を用いる本発明は、きわめて効
果的である。 即ち本発明者等は、DSR化合物を、特定の構造を有す
るイエローカプラーと併用することにより、非常に大き
なインターイメージ効果が得られ、更に色再現性も相乗
的に向上することを見出し、本発明に至ったものであ
る。 以下本発明について、更に詳細に説明する。 まず、前記一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプ
ラーについて説明する。 前記一般式〔Y−I〕において、Ry1で表されるアル
キル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基、ドデシル基等が挙げられる。こ
れらRy1で表されるアルキル基には更に置換基を有する
ものも含まれ、置換基としては例えばハロゲン原子、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
スルホニル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基が挙げられる。 Ry1で表されるシクロアルキル基としては、シクロプ
ロピル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げ
られる。 Ry1として好ましくは、分岐のアルキル基である。 一般式〔Y−I〕において、Ry2で表されるアルキル
基、シクロアルキル基としてはRy1と同様の基が挙げら
れ、アリール基としては、例えばフェニル基が挙げられ
る。これらRy2で表されるアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基にはRy1と同様の置換基を有するものも
含まれる。また、アシル基としては例えば、アセチル
基、プロピオニル基、ブチニル基、ヘキサノイル基、ベ
ンゾイル基等が挙げられる。 Ry2として好ましくは、アルキル基、アリール基であ
り、更に好ましくはアルキル基である。 一般式〔Y−I〕において、Ry3で表されるベンゼン
環に置換可能な基としては、ハロゲン原子(例えば塩素
原子)、アルキル基(例えばエチル基、i−プロピル
基、t−ブチル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ
基)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基)、
アシルオキシ基(例えばメチルカルボニルオキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセトア
ミド基、フェニルカルボニルアミノ基)、カルバモイル
基(例えばN−メチルカルバモイル基、N−フェニルカ
ルバモイル基)、アルキルスルホンアミド基(例えばエ
チルスルホニルアミノ基)、アリールスルホンアミド基
(例えばフェニルスルホニルアミノ基)、スルファモイ
ル基(例えばN−プロピルスルファモイル基、N−フェ
ニルスルファモイル基)及びイミド基(例えばコハク酸
イミド基、グルタルイミド基)などが挙げられる。nは
0または1を表す。 一般式〔Y−I〕において、Ry4はカルボニルまたは
スルホニル単位を有する結合基を1つ含む有機基を表
す。 カルボニル単位を有する基としては、エステル基、ア
ミド基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基等が
挙げられ、スルホニル単位を有する基としては、スルホ
ン基、スルホンアミド基、スルファモイル基、アミノス
ルホンアミド基等が挙げられる。 を表し、Ry5は水素原子、アルキル基、アリール基また
は複素環基を表わす。 Ry5で表されるアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ドデシル基等が
挙げられる。またRy5で表されるアリール基としては、
フェニル基またはナフチル基等が挙げられる。 これらRy5で表されるアルキル基、アリール基または
複素環基は、置換基を有するものも含まれる。 一般式〔Y−I〕において、Xy1は発色現像主薬の酸
化体との反応により離脱しうる基を表すが、例えば下記
一般式〔Y−II〕または〔Y−III〕で表される基を表
す。 −ORy6 〔Y−II〕 一般式〔Y−II〕において、Ry6は置換基を有するも
のも含むアリール基またはヘテロ環基を表す。 一般式〔Y−III〕において、Zy1は窒素原子と共同
して5乃至6員環を形成するのに必要な非金属原子群を
表す。ここで非金属原子群を形成するのに必要な原子団
としては、例えばメチレン、メチン、置換メチン、C
=O、−NH−、−N=、−O−、−S−、−SO2−等が
挙げられる。 前記一般式〔Y−I〕で表される2当量イエローカプ
ラーはR1、R3またはR4部で結合してビス体を形成し
てもよい。 本発明の2当量イエローカプラーとして好ましいもの
は、下記一般式〔Y−IV〕で表される。 一般式〔Y−IV〕 一般式〔Y−IV〕において、Ry1、Ry2、Ry3及びJ
は一般式〔Y−I〕におけるRy1、Ry2、Ry3及びJと
同様の基を表す。nは0または1を表す。Ry7はアルキ
レン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリ
ーレンアルキレン基または−A−Vy1−B−(A及びB
はそれぞれ、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン
アリーレン基またはアリーレンアルキレン基を表し、V
y1は−O−、−S−等の2価の連結基を表す。)を表
し、Ry8はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
またはヘテロ環基を表す。Pはカルボニルまたはスルホ
ニル単位を有する結合基を表す。Xy2はXy1と同義であ
る。 前記一般式〔Y−IV〕において、Pはカルボニルまた
はスルホニル単位を有する結合基を表すが、好ましくは
下記群〔Y−V〕で示される基を表す。 群〔Y−V〕 式中、Ry′及びRy″は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基を表し、Ry′及びRy″は同じでも
異なっていてもよい。 Ry′及びRy″で表される基としは、前記Ry5と同様
の基を挙げることができ、また、これらの基にはRy5と
同様の置換基を有するものも含まれる。Ry′及びRy″
として好ましくは水素原子である。 前記一般式〔Y−IV〕において、Xy2はカップリング
離脱基であるが、好ましくは下記一般式〔Y−VI〕〜
〔Y−XII〕で表される基を表す。 R29はカルボキシル基、エステル基、アシル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ
基または前記Ry3で示された基と同様の置換基を表し、
lは1〜5の整数を表す。lが2以上のときRy9は同じ
であっても異なっていてもよい。 Ry10、Ry11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、カ
ルボン酸エステル基、アミノ基、アシルアミノ基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルス
ルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスル
ホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルボン酸
基を表し、これらの基は同じであっても異なっていても
よい。また、Ry10及びRy11で環を形成してもよい。 Zy2、Zy3はヘテロ原子を表し、Ry12、Ry13、R
y14は上記Ry10及びRy11と同様の基を表す。 R35はアルキル基、アリール基、アルキルカルボニル
基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基また
はアリールスルホニル基を表す。 Yyはヘテロ原子(例えば、−NH−、−N=、−O−、
−S−など)、スルホニル基、カルボニル基または で示される炭素原子を表し、Zy4は−Yy−N−CO−と
共同して5乃至6員環を形成するのに必要な非金属原子
群を表す。 Ry16、Ry17、Ry18は、前記Ry10及びRy11と同様
な基を表す。また、Ry16、Ry17、Ry18は、Zy4の一
部と共同して環を形成してもよい。 前記一般式〔Y−IV〕で表される2当量イエローカプ
ラーはRy1、Ry3またはバラスト基で結合してビス体を
形成してもよい。 次に本発明に用いられる一般式〔Y−I〕で表される
イエローカプラーの代表的具体例を示すが、本発明はこ
れによって限定されるものではない。 本発明に係る一般式〔Y−I〕で表されるイエローカ
プラーは従来公知の方法により合成することができる
が、特に特願昭61-269216号明細書第27〜33頁の合成方
法に従って合成することができる。 本発明に係るイエローカプラーは1種または2種以上
を組み合わせて用いることができ、また別の種類のイエ
ローカプラーと併用することもできる。 また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料においては
ハロゲン化銀1モル当たり本発明に係るイエローカプラ
ーを10〜300g添加することが好ましいが、必要に応じて
適宜変更することができる。 また、本発明の感光材料にシアンカプラーを含有させ
る場合についても、シアンカプラーとしては目的に応じ
て任意のものを用いることができるが、次の一般式〔PC
−I〕または〔PC−II〕で表されるシアンカプラーを好
ましく用いることができる。 一般式〔PC−I〕は次に示すものである。 一般式〔PC−I〕 (式中、R11は炭素原子数2〜6のアルキル基を表わ
す。R12はバラスト基を表わす。Z10は水素原子または
発色現像主薬の酸化体との反応により離脱可能な原子も
しくは基を表わす。) R11で表わされるアルキル基は直鎖でも分岐でもよ
く、置換基を有するものも包含する。R12で表わされる
バラスト基は、カプラーが適用される層からカプラーを
実質的に他層へ拡散できないようにするのに十分なかさ
ばりをカプラー分子に与えるところの大きさと形状を有
する有機基である。 該バラスト基として好ましいものは下記一般式で表わ
されるものである。 R13は炭素原子数1から12のアルキル基を表わし、Ar
は、フェニル基等のアリール基を表わし、このアリール
基は置換基を有するものを包含する。 次に一般式〔PC−I〕で表わされるカプラーの具体例
を示すが、これらに限定されるものではない。 一般式〔PC−I〕 これらを含め、本発明の好ましい態様において用いる
ことのできるシアンカプラーの具体例は、特公昭49-115
72号、特開昭61-3145号、同61-96522号、同61-9653号、
同61-39045号、同61-50136号、同61-99141号、同61-105
545号などに記載されている。 前記一般式〔PC−I〕で示されるシアン色素形成カプ
ラーは、通常ハロゲン化銀Iモル当り1×10-3モル〜1
モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で
用いることができる。 次に一般式〔PC−II〕について述べる。 一般式〔PC−II〕 〔式中、R21はアルキル基またはアリール基を表わ
す。R22はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
または複素環基を表わす。R23は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基またはアルコキシ基を表わす。またR23
はR21と共同して環を形成しても良い。Z20は水素原子
または芳香族第1級アミン系発色現像主薬の酸化体との
反応により離脱可能な基を表わす。〕 前記一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラーに
おいて、R21で表わされるアルキル基としては、炭素数
1〜32のものが好ましく、これらの直鎖でも分岐でもよ
く、置換基を有するものも含む。 R21で表わされるアリール基としてはフェニル基が好
ましく、置換基を有するものも含む。 R22で表わされるアルキル基としては炭素数1〜32の
ものが好ましく、これらのアルキル基は直鎖でも分岐で
もよく、また置換基を有するものも含む。 R22で表わされるシクロアルキル基としては炭素数3
〜12のものが好ましく、これらのシクロアルキル基は置
換基を有するものも含む。 R22で表わされるアリール基としてフェニル基が好ま
しく、置換基を有するものも含む。 R22で表わされる複素環基としては5〜7員のものが
好ましく、置換基を有するものを含み、又縮合していて
もよい。 R23は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはア
ルコキシ基を表わし、該アルキル基及び該アルコキシ基
は置換基を有するものを含むが、R23は好ましくは水素
原子である。 また、R21とR22が共同して形成する環としては5〜
6員環が好ましく、その例としては、 等が挙げられる。 一般式〔PC−II〕においてZ20で表わされる発色現像
主薬の酸化体との反応により離脱可能な基としては、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
オキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、スル
ホニルアミノ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基及びイミド基など(それ
ぞれ置換基を有するものを含む)が挙げられるが、好ま
しくは、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシ
基である。 上述のシアンカプラーのうち特に好ましいものは、下
記一般式〔PC−II−A〕で示されるものである。 一般式〔PC−II−A〕 式中、RA1は少なくとも1個のハロゲン原子で置換さ
れたフェニル基を表わし、これらのフェニル基は、さら
にハロゲン原子以外の置換基を有するものを含む。RA2
は前記一般式〔PC−II〕のR21と同義である。XAはハ
ロゲン原子、アリールオキシ基またはアルコキシ基を表
わし、置換基を有するものを含む。 以下に一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラー
の代表的具体例を示す。 一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラーの具体
例としては、更に例えば、特願昭61-21853号明細書第26
頁〜35頁、特開昭60-225155号公報第7頁左下の欄〜10
頁右下の欄、特開昭60-222853号公報第6頁左上の欄〜
8頁右下の欄及び特開昭59-185335号公報第6頁左下の
欄〜9頁左上の欄に記載された2,5−ジアシルアミノ系
シアンカプラーを含み、これらの明細書及び公報に記載
されている方法に従って合成することができる。 一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラーは赤感
光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられ、その添加量はハロ
ゲン化銀1モル当たり2×10-3〜8×10-1モルが好まし
く、特に好ましくは1×10-2〜5×10-1モルの範囲であ
る。 本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、そのハロゲン
化銀乳剤層の少なくとも一層に、一般式〔M−I〕で表
されるマゼンタカプラーの少なくとも1つを含有する。 一般式〔M−I〕は次に示すものである。 一般式〔M−I〕 一般式〔M−I〕中、Zは含窒素複素環を形成するに
必要な非金属原子群を表し、該Zにより形成される環は
置換基を有してもよい。 Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる基を表す。 またRは水素原子または置換基を表す。 Rの表す置換基としては特に制限はないが、代表的に
は、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、ス
ルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニ
ル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他に
ハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素
環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、
カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、
アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イ
ミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカ
ルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素
環チオの各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水
素化合物残基等も挙げられる。 Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のも
のが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。 Rで表されるアリール基としては、フェニル基が好ま
しい。 Rで表されるアシルアミノ基としては、アルキルカル
ボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げ
られる。 Rで表されるスルホンアミド基としては、アルキルス
ルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙
げられる。 Rで表されるアルキルチオ基、アリールチオ基におけ
るアルキル成分、アリール成分は、上記Rで表されるア
ルキル基、アリール基が挙げられる。 Rで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜32の
もの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐で
もよい。 Rで表されるシクロアルケニル基としては、炭素数3
〜12、特に5〜7のものが好ましい。 Rで表されるスルホニル基としては、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基等; スルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基等; ホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコ
キシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリ
ールホスホニル基等; アシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカ
ルボニル基等; カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、ア
リールカルバモイル基等; スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基等; アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ
基、アリールカルボニルオキシ基等; カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイル
オキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等; ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等; スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモ
イルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等; 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的
には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するも
のが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール
−6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシ
ルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド
基等; スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン−
1−イル等; 有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン
−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。 Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し
うる基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、
複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、
アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、(R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義で
あり、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキ
ル基または複素環基を表す。)等の各基が挙げられる
が、好ましくはハロゲン原子、特に塩素原子である。 またZまたはZ′により形成される含窒素複素環とし
ては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環
またはテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有しても
よい置換基としては前記Rについて述べたものが挙げら
れる。 一般式〔M−I〕で表されるものは更に具体的には例
えば下記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕により表され
る。 一般式〔M−II〕 一般式〔M−III〕 一般式〔M−IV〕 一般式〔M−V〕 一般式〔M−VI〕 一般式〔M−VII〕 前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕においてR1〜R
8及びXは前記R及びXと同義である。 また、一般式〔M−I〕の中でも好ましいのは、下記
一般式〔M−VIII〕で表されるものである。 一般式〔M−VIII〕 式中R1,X及びZ1は一般式〔M−I〕におけるR,X及
びZと同義である。 前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕で表されるマゼ
ンタカプラーの中で特に好ましいものは、一般式〔M−
II〕で表されるマゼンタカプラーである。 前記複素環上の置換基R及びR1として最も好ましい
のは、下記一般式〔M−IX〕により表されるものであ
る。 一般式〔M−IX〕 式中R9,R10及びR11は、それぞれ前記Rと同義であ
る。 また、前記R9,R10及びR11の中の2つ例えばR9とR
10は結合して飽和または不飽和の環(例えばシクロアル
カン、シクロアルケン、複素環)を形成してもよく、更
に該環にR11が結合して有橋炭化水素化合物残基を構成
してもよい。 一般式〔M−IX〕の中でも好ましいのは、(i)R9
〜R11の少なくとも2つがアルキル基の場合、(ii)R
9〜R11の中の1つ例えばR11が水素原子であって、他
の2つR9とR10が結合して根元炭素原子と共にシクロ
アルキルを形成する場合、である。 更に(i)の中でも好ましくは、R9〜R11の中の2
つがアルキル基であって、他の1つが水素原子またはア
ルキル基の場合である。 また、一般式〔M−I〕におけるZにより形成される
環及び一般式〔M−VIII〕におけるZ1により形成され
る環が有してもよい置換基、並びに一般式〔M−II〕〜
〔M−VI〕におけるR2〜R8として下記一般式〔M−
X〕で表されるものが好ましい。 一般式〔M−X〕 −R1−SO2−R2 式中R1はアルキレン基を、R2はアルキル基、シクロ
アルキル基またはアリール基を表す。 R1で示されるアルキレン基は、好ましくは直鎖部分
の炭素数が2以上、より好ましくは3ないし6であり、
直鎖,分岐を問わない。 R2で示されるシクロアルキル基としては、5〜6員
のものが好ましい。 以下に一般式〔M−I〕で示されるマゼンタカプラー
の代表的具体例を示す。但し、下記例示に限定されるも
のではない。 以上のマゼンタカプラーの代表的具体例の他に、一般
式〔M−I〕で示されるマゼンタカプラーの具体例とし
ては、特願昭61-9791号明細書の第66頁〜122頁に記載さ
れている化合物の中で、No.1〜4,6,8〜17,19〜24,26〜4
3,45〜59,61〜104,106〜121,123〜162,164〜223で示さ
れる化合物を挙げることができる。 また前記カプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル
・ソサイアティ(Journal of the Chemical Societ
y),パーキン(Perkin)I(1977),2047〜2052、米国
特許3,725,067号、特開昭59-99437号、同58-42045号、
同59-162548号、同59-171956号、同60-33552号、同60-4
3659号、同60-172982号及び同60-190779号等を参考にし
て合成することができる。 一般式〔M−I〕で示されるマゼンタカプラーは、通
常ハロゲン化銀1モル当り1×10-3モル〜1モル、好ま
しくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いること
ができる。 また一般式〔M−I〕で示されるカプラーは、他の種
類のマゼンタカプラーと併用することもできる。 次に、本発明において用いる現像主薬の酸化生成物と
反応して該酸化生成物をスカベンジし得る化合物、ある
いはその前駆体を放出し得る化合物(DSR化合物)につ
いて説明する。該DSR化合物は一般式〔I〕によって表
わされる。 一般式〔I〕 CoupTimelSC 一般式〔I〕において、Coupは、発色現像主薬酸化体
との反応により(TimelSCを放出し得るカプラー残基
を表し、Timeは、Coupより放出された後、SCを放出する
ことができるタイミング基を表し、SCは、Coupから放出
された後、発色現像主薬酸化体を酸化還元反応またはカ
ップリング反応によりスカベンジし得る発色現像主薬酸
化体のスカベンジャーを表し、lは0または1を表す。 更に上記化合物を具体的に説明すると、一般式〔I〕
においてCoupで表されるカプラー残基は、一般にイエロ
ーカプラー残基,マゼンタカプラー残基,シアンカプラ
ー残基,または実質的に無色のカプラー残基であり、好
ましくは下記一般式〔II〕ないし〔IX〕で表されるカプ
ラー残基である。 上記一般式〔II〕におけるR1はアルキル基、アリー
ル基、アリールアミノ基を表し、R2はアリール基、ア
ルキル基を表す。 上記一般式〔III〕において、R3はアルキル基,アリ
ール基を表し、R4は、アルキル基、アシルアミノ基、
アリールアミノ基、フェニルウレイド基、アルキルウレ
イド基を表す。 上記一般式〔IV〕において、R4は一般式〔III〕のR
4と同義であり、R5はアシルアミノ基,スルホンアミド
基,アルキル基,アルコキシ基,ハロゲン原子を表す。 更に上記一般式〔V〕及び〔VI〕における置換基R7
は、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アリー
ルアミノ基、アルコキシ基、フェニルウレイド基、アル
キルウレイド基を表し、R6はアルキル基,アリール基
を表す。 上記一般式〔VII〕におけるR9はアシルアミノ基、カ
ルバモイル基、フェニルウレイド基を表し、R8はハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基を表す。 上記一般式〔VIII〕において、R9は一般式〔VII〕に
おけると同義であり、R10はアミノ基,置換アミノ基,
炭酸アミド基,スルホンアミド基,ヒドロキシル基を表
す。 上記一般式〔IX〕において、R11はニトロ基、アシル
アミノ基、コハク酸イミド基、スルホンアミド基、アル
コキシ基、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基を表わ
す。 また、上記一般式〔VII〕及び〔IX〕におけるnは0
ないし2の整数を表し、上記一般式〔VIII〕におけるm
は0または1の整数を表す。 更に上記各基は置換基を有しないもの及び置換基を有
するものの双方を含み、置換基を有する場合の好ましい
置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、
スルホンアミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
アルキル基、アルコキシ基、カルボニルオキシ基、アシ
ルアミノ基、アリール基から任意に選ばれるものであ
る。 上記各一般式におけるR1ないしR11の呈する親油性
は目的に応じて任意に選ぶことができ、通常の画像形成
カプラーの場合、R1ないしR11の炭素原子数の総和は1
0ないし60が好ましく、更に好ましくは15ないし30であ
る。 一方、発色現像により生成する色素が感光材料中を適
度に移動する移動性色素形成カプラーの場合、該R1な
いしR11の炭素原子数の総和は15以下が好ましい。 また実質的に無色のカプラーの場合には15以下が好ま
しく、更にR1ないしR11の置換基として少なくとも一
つのカルボキシル基、アリールスルホンアミド基,アル
キルスルホンアミド基を有することが好ましい。 尚、実質的に無色のカプラー残基とは、色素形成反応
後感光材料から処理液中に流出するか、処理液中の成分
と反応して色素が漂白されるなどして現像処理後色像が
残らないものを意味し、それぞれ流出性色素形成カプラ
ー,漂白性色素形成カプラーとして知られている。 前記一般式〔I〕において、Timeで表されるタイミン
グ基は、好ましくは下記一般式〔X〕、〔XI〕または
〔XII〕で示される。 一般式〔X〕 式中、Bはベンゼン環またはナフタレン環を完成する
のに必要な原子群を表わし、Yは−O−、−S−または を表わし、一般式〔I〕のカップリング成分COUPの活性
点に結合しており、R12、R13及びR14は水素原子、ア
ルキル基またはアリール基を表し、また はYに対しオルト位またはパラ位に置換されており、C
に結合している。 一般式〔XI〕 式中、Y、R12、R13は各々前記一般式〔X〕におけ
ると同様であり、R15は水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アシル基、スルホン基、アルコキシシカルボニル
基または複素環残基を表わし、R16は水素原子、アルキ
ル基、アリール基、複素環残基、アルコキシ基、アミノ
基、酸アミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基またはシアノ基
を表す。 また、前記一般式〔XI〕で表わされるタイミング基
は、前記一般式〔X〕におけると同様に、Yが前記カッ
プリング成分Coupの活性点に、 でもってSCに結合している。 次に分子内吸核置換反応によりSCを放出するTime基と
して、下記一般式〔XII〕で示されるものがある。 一般式〔XII〕 −Nu−D−E−Z 式中、Nuは電子の豊富な酸素、硫黄または窒素原子等
を有している求核基を表し、カップリング成分Coupのカ
ップリング位に結合しており、Eは電子の不十分なカル
ボニル基、チオカルボニル基、ホスフィニル基、チオホ
スフィニル基を表わし、この求電子基EはSCのヘテロ原
子と結合しており、DはNu及びEを立体的に関係づけて
いて、カップリング成分CoupからNuが放出された後、3
員環ないし7員環の形成を伴う分子内求核置換を破り、
かつそれによってSCを放出することのできる結合基を表
す。 一般式〔I〕における、SCで表わされる発色現像主薬
酸化体のスカベンジャーは、酸化還元型のものとカップ
リング型のものがある。 一般式〔I〕において、SCが酸化還元反応によって発
色現像主薬酸化体をスカベンジする時には、該スカベン
ジャーは発色現像主薬酸化体を還元し得る基であり、例
えばAngew.Chew.Int.Ed.,17 875-886(1978)、The The
ory of the Photographic Proces第4版(Macmillan社1
977)11章、特開昭59-5247号等に記載された還元剤が好
ましく、また現像時にそれら還元剤を放出できる前駆体
であってもよい。具体的には発色現像主薬酸化体と反応
する時、−OH基、−NHSO2R基、−NH2基、−NHR基、 (式中、R,R′はアルキル、シクロアルキル、アルケニ
ル、アリール基を表す)を少なくとも2つ有するアリー
ル基,ヘテロ環基が好ましく、中でもアリール基が好ま
しく、フェニル基が更に好ましい。SCの親油性は、上記
一般式〔II〕ないし〔IX〕で表されたカプラーと同様に
目的に応じて任意に選ばれるが、本発明の効果を最大限
に発揮するためには好ましくはSCの炭素数の総和は6〜
50、より好ましくは6〜30、更に好ましくは6〜20であ
る。 SCがカップリング反応により発色現像主薬酸化体をス
カベンジするものである時には、該SCは実質的に無色の
カプラー残基であり、前述の流出性色素形成カプラー、
漂白性色素形成カプラー及び反応活性点に非離脱性の置
換基を有し色素を形成しないWeissカプラー等を利用す
ることができる。 一般式〔I〕の表すCouptimelSCの具体的化合物
としては、例えばBP第1546837号明細書、特開昭52-1506
31号、同57-111536号、同57-111537号、同57-138636
号、同60-185950号、同60-203943号、同60-213944号、
同60-214358号、同61-53643号、同61-84646号、同61-86
751号、同61-102646号、同61-102647号、同61-107245
号、同61-113060号、同61-231533号、同61-233741号、
同61-236550号、同61-236551号、同61-238057号、同61-
240240号、同61-249052号公報等に記載されたものがあ
る。 SCとして酸化還元型スカベンジャーを好ましく用いる
ことができ、この場合には発色現像主薬酸化体を還元す
ることによってSCを再利用することができる。 次に上記一般式〔I〕で表されるDSR化合物を例示す
るが、本発明は下記化合物に限定されるものではない。 本発明は、各種の直接観察用のハロゲン化銀写真感光
材料に適用することができる。例えば直接観察の対象と
なるカラーペーパー、ダイレクトポジペーパー、ダイレ
クトポジフィルムなどに好適に用いることができる。 本発明をカラーペーパーに具体化する場合、通常のネ
ガ型ハロゲン化銀乳剤を用いることができる。またダイ
レクトポジペーパーに具体化する場合、好ましいのは、
表面がカブらされていない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤
を用いることである。該乳剤は、光カブリ法により、あ
るいは該形成剤と併用して、用いられる。これらの感光
材料は、カラーネガフィルムの様に色補正機能を自分自
身で有していないために、色材であるイエロー、マゼン
タ、シアンの各発色色素のもつ不整吸収による色のずれ
を補正することができず、よって本来の色再現を悪化さ
せているが、このようなものに本発明は効果的である。
特にネガによる補正もきかない直接撮影のためのダイレ
クトポジ感光材料においては、本発明のもたらすインタ
ーイメージ効果を用いたマスキングは、色再現上効果が
大きい。 本発明において、上記DSR化合物は、感光性ハロゲン
化銀乳剤層及び/または非感光性の写真構成層に添加す
ることができるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層に添加す
るのが好ましい。 DSR化合物は、同一層に2種以上を含んでもよい。ま
た同じDSR化合物を、異なる2つ以上の層に含んでもよ
い。 これらのDSR化合物は、一般に乳剤層中の銀1モル当
り1×10-3〜5モル用いることが好ましい、より好まし
くは1×10-2〜5×10-1モルを用いることである。 これらのDSR化合物をハロゲン化銀乳剤中または他の
写真構成層塗布液中に含有せしめるには、該DSR化合物
がアルカリ可溶性である場合には、アルカリ性溶液とし
て添加してもよく、油溶性である場合には、例えば米国
特許第2,322,027号、同第2,801,170号、同第2,801,171
号、同第2,272,191号及び同第2,304,940号各明細書に記
載の方法に従って該DSR化合物を高沸点溶媒に、必要に
応じて低沸点溶媒を併用して溶解し、微粒子状に分散し
てハロゲン化銀乳剤または他の写真構成層塗布液中に添
加するのが好ましい。このとき必要に応じて他のハイド
ロキノン誘導体、紫外線吸収剤、褐色防止剤等を併用し
てもさしつかえない。また2種以上のDSR化合物を混合
して用いてもさしつかえない。さらに本発明において好
ましいDSR化合物の添加方法を詳述するならば、1種ま
たは2種以上の該DSR化合物を必要に応じて他のカプラ
ー、ハイドロキノン誘導体、褐色防止剤や紫外線吸収剤
等と共に有機酸アミド類、カルバメート類、エステル
類、ケトン類、尿素誘導体、エーテル類、炭化水素類
等、特にジ−n−ブチルフタレート、トリ−クレジルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、ジ−イソオク
チルアゼレート、ジ−n−ブチルセバケート、トリ−n
−ヘキシルホスフェート、N,N−ジ−エチル−カプリル
アミドブチル、N,N−ジエチルラウリルアミド、n−ペ
ンタデシルフェニルエーテル、ジ−オクチルフタレー
ト、n−ノニルフェノール、3−ペンタデシルフェニル
エチルエーテル、2,5−ジ−sec−アミルフェニルブチル
エーテル、モノフェニル−ジ−o−クロロフェニルホス
フェートあるいはフッ素パラフィン等の高沸点溶媒、及
び/または酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル、プロピオン酸ブチル、シクロヘキサノール、
ジエチレングリコールモノアセテート、ニトロメタン、
四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサンテトラヒド
ロフラン、メチルアルコール、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、ジオキサン、メチルエチルケトン等の
低沸点溶媒に溶解し、アルキルベンゼンスルホン酸及び
アルキルナフタレンスルホン酸の如きアニオン系界面活
性剤及び/またはソルビタンセスキオレイン酸エステル
及びソルビタンモノラウリル酸エステルの如きノニオン
系界面活性剤及び/またはゼラチン等の親水性バインダ
ーを含む水溶液と混合し、高速回転ミキサー、コロイド
ミルまたは超音波分散装置等で乳化分散し、ハロゲン化
銀乳剤等に添加することである。 この他、上記DSR化合物は、ラテックス分散法を用い
て分散してもよい。ラテッックス分散法及びその効果
は、特開昭49-74538号、同51-59943号、同54-32552号各
公報やリサーチ・ディスクロージャー1976年8月、No.1
4850、77〜79頁に記載されている。 適当なラテックスは、例えばスチレン、アクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−
(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウ
ムメトサルフェート、3−(メタクリロイルオキシ)プ
ロパン−1−スルホン酸ナトリウム塩、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、N−〔2−(2−メチル−4−オキ
ソペンチル)〕アクリルアミド、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等のようなモノマーのホ
モポリマー、コポリマー及びターポリマーである。 上記のDSR化合物は、特開昭57-138638号、同57-15553
7号、同57-171334号、同58-111941号、同61-53643号、
同61-84646号、同61-86751号、同61-102646号、同61-10
2647号、同61-107245号、同61-113060号等に記載された
方法によって合成する事が出来る。 本発明において用いられる上記DSR化合物から現像時
に画像の濃度に対応して放出される酸化された現像主薬
とカップリング反応もしくは酸化還元反応する化合物乃
至はそのプレカーサーは、層内においては、その層が感
光乳剤層である場合に、画像濃度に対応して色素形成反
応(カップリング反応)を抑制し、画像の鮮鋭度向上等
の所謂イントラ・イメージ効果を生じ、また一方、放出
された現像主薬酸化体をスカベンジする化合物が他層に
拡散する場合には、他層の色素形成反応を拡散源の層の
画像の濃度に対応して阻害するマスク作用等の所謂イン
ター・イメージ効果を生じることができ、このような2
種のイメージ効果を得ることが可能である。 上記DSR化合物は、感光性ハロゲン化銀乳剤層及び/
または非感光性の写真構成層に添加することができる。
好ましくはハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に含有
させればよい。例えば青感光性ハロゲン化銀乳剤層と緑
感光性ハロゲン化銀乳剤層と赤感光性ハロゲン化銀乳剤
層とを有する通常の多層カラー写真感光材料に適用する
場合には、これらの1層あるいは2層以上に含有させる
ことができる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料のハロゲン
化銀乳剤層の少なくとも1層は、実質的に塩化銀、塩臭
化銀、または塩沃臭化銀から成るハロゲン化銀を有す
る。これは塩化銀と臭化銀の混合物等の組合せ混合物で
ある場合も含む。「実質的に」とは、上記成分の作用効
果を阻害しない程度の他のハロゲン化銀成分を含有する
ことは妨げないことを意味する。即ち速い現像性を実現
するために、ハロゲン化銀のハロゲン組成として塩素原
子を含むことが好ましく、少なくとも1%の塩化銀を含
有する塩臭化銀または塩沃臭化銀であることが特に好ま
しい。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料におけるハ
ロゲン化銀乳剤層の銀量(銀付量)は特に限定はない
が、感光性ハロゲン化銀乳剤層の全体で0.3〜1.5g/m2と
されるのが好ましい。即ち、優れた画質を得るために
は、該銀量が1g/m2以下であることが好ましく、一方、
高い最高濃度及び高い感度を得るためには、該銀量が0.
3g/m2以上であることが好ましい。 本発明をカラー印画紙として具体化する場合、ハロゲ
ン化銀としてネガ型のハロゲン化銀粒子が用いられまた
本発明を直接ポジ感光材料として具体化する場合には、
内部潜像型ハロゲン化銀粒子を用るのが好ましい。カラ
ー印画紙に用いられるハロゲン化銀粒子について述べれ
ば、その結晶は、正常晶でも双晶でもその他でもよく、
[1.0.0]面と[1.1.1]面の比率は任意にものが使用で
きる。更に、これらのハロゲン化銀粒子の結晶構造は、
内部から外部まで均一なものであっても、内部と外部が
異質の層状構造(コア・シェル型)をしたものであって
もよい。また、これらのハロゲン化銀は潜像を主として
表面に形成する型のものでも、粒子内部に形成する型の
ものでもよい。さらに平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
こともできる。 本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀乳剤は、単
分散性のものであり、これは、従来から知られている酸
性法、中性法またはアンモニア法等のいずれの調製法に
より得られたものでもよい。 また例えば種粒子を酸性法でつくり、更に、成長速度
の速いアンモニア法により成長させ、所定の大きさで成
長させる方法でもよい。ハロゲン化銀粒子を成長させる
場合に反応釜内のpH、pAg等をコントロールし、例えば
特開昭54-48521号に記載されているようなハロゲン化銀
粒子の成長速度に見合った量の銀イオンとハライドイオ
ンを逐次同時に注入混合することが好ましい。 本発明に用いるハロゲン化銀粒子の調製は、以上のよ
うにして行われるのが好ましい。 本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、活性ゼラチン;
硫黄増感剤例えばアリルチオカルバミド、チオ尿素、シ
スチン等の硫黄増感剤;セレン増感剤;還元増感剤例え
ば第1スズ塩、二酸化チオ尿素、ポリアミン等;貴金属
増感剤例えば金増感剤、具体的にはカリウムオーリチオ
シアネート、カリウムクロロオーレート、2−オーロチ
オ−3−メチルベンゾチアゾリウムクロライド等あるい
は例えばルテニウム、パラジウム、白金、ロジウム、イ
リジウム等の水溶性塩の増感剤、具体的にはアンモニウ
ムクロロパラデート、カリウムクロロプラチネート及び
ナトリウムクロロパラデート(これらの或る種のものは
量の大小によって増感剤あるいはカブリ抑制剤等として
作用する。)等により単独であるいは適宜併用(例えば
金増感剤と硫黄増感剤の併用、金増感剤とセレン増感剤
との併用等)して化学的に増感されてもよい。 ハロゲン化銀乳剤は、含硫黄化合物を添加して化学熟
成し、この化学熟成する前、熟成中、または熟成後、少
なくとも1種のヒドロキシテトラザインデン及びメルカ
プト基を有する含窒素ヘテロ環化合物の少なくとも1種
を含有せしめてもよい。 本発明に用いられるハロゲン化銀は、各々所望の感光
波長域に感光性を付与するために、適当な増感色素をハ
ロゲン化銀1モルに対して5×10-8〜3×10-3モル添加
して光学増感させてもよい。増感色素としては種々のも
のを用いることができ、また各々増感色素を1種または
2種以上組合せて用いることができる。本発明において
有利に使用される増感色素としては、例えば次の如きも
のを挙げることができる。 即ち、青感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられる増感
色素としては、例えば西独特許929,080号、米国特許2,2
31,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同2,519,00
1号、同2,912,329号、同3,656,959号、同3,672,897号、
同3,694,217号、同4,025,349号、同4,046,572号、英国
特許1,242,588号、特公昭44-14030号、同52-24844号等
に記載されたものを挙げることができる。また緑感光性
ハロゲン化銀乳剤に用いられる増感色素としては、例え
ば米国特許1,939,201号、同2,072,908号、同2,739,149
号、同2,945,763号、英国特許505,979号等に記載されて
いる如きシアニン色素、メロシアニン色素または複合シ
アニン色素をその代表的なものとして挙げることができ
る。さらに、赤感光性ハロゲン化銀乳剤に用いられる増
感色素としては、例えば米国特許2,269,234号、同2,27
0,378号、同2,442,710号、同2,454,629号、同2,776,280
号等に記載されている如きシアニン色素、メロシアニン
色素または複合シアニン色素をその代表的なものとして
挙げることができる。更に米国特許2,213,995号、同2,4
93,748号、同2,519,001号、西独特許929,080号等に記載
されている如きシアニン色素、メロシアニン色素または
複合シアニン色素を緑感光性ハロゲン化銀乳剤または赤
感光性ハロゲン化銀乳剤に有利に用いることができる。 これらの増感色素は単独で用いてもよく、またこれら
を組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特に超色
増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米国特
許2,688,545号、同2,977,229号、同3,397,060号、同3,5
22,052号、同3,527,641号、同3,617,293号、同3,628,96
4号、同3,666,480号、同3,672,898号、同3,679,428号、
同3,703,377号、同3,769,301号、同3,814,609号、同3,8
37,862号、同4,026,707号、英国特許1,344,281号、同1,
507,803号、特公昭43-4936号、同53-12375号、特開昭52
-110618号、同52-109925号に記載されている。 次に本発明を直接ポジ感光材料に適用する場合に使用
される内部潜像型ハロゲン化銀乳剤について述べる。直
接ポジ感光材料とする場合も、そのハロゲン化銀乳剤の
少なくとも1層は実質的に塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀からなるハロゲン化銀を有するが、このような乳剤と
しては、例えば米国特許2,592,250号に記載されている
変換方法による所謂コンバージョン型ハロゲン化銀乳
剤、または米国特許3,206,316号、同3,317,322号及び同
3,367,778号に記載されている内部化学増感されたハロ
ゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、または米国特
許第3,271,157号、同3,447,927号及び同3,531,291号に
記載されている多価金属イオンを内臓しているハロゲン
化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、または米国特許3,
761,276号に記載されているドープ剤を含有するハロゲ
ン化銀粒子の粒子表面を弱く化学増感したハロゲン化銀
乳剤、または特開昭50-8524号、同50-38525号及び同53-
2408号に記載されている積層方法による所謂コア・シェ
ル型ハロゲン化銀乳剤、その他特開昭52-156614号、同5
5-127549号及び同57-79940号に記載されているハロゲン
化銀乳剤などが挙げられる。 本発明に内部潜像型ハロゲン化銀を用いる場合には、
積層型粒子でつくられたものが特に好ましい。 このようなハロゲン化銀は通常の積層型ハロゲン化銀
と同様にして製造することができる。例えば特開昭50-8
524号、同50-38525号、同53-60222号、同55-1524号及び
米国特許3,206,313号等に記載される如く、塩化銀粒子
を形成後臭化物を加えて臭化銀粒子に変換し、更にハロ
ゲン化銀を硝酸銀を加えて積層する方法或いは過剰ハロ
ゲンの少ない状態で沃臭化銀粒子を作り、更に塩化銀、
臭化銀を順次積層していく方法等で製造することができ
る。 本発明に用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤には、各
種の写真用添加剤を加えることが出来る。例えば、本発
明において使用し得る光学増感剤としては、シアニン
類、メロシアニン類、三核または四核メロシアニン類、
三核または四核シアニン類、スチリル類、ホロボーラシ
アニン類、ヘミシアニン類、オキソノール類及びヘミオ
キソノール類等が挙げられる。 本発明に用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤は超色増
感することができる。超色増感の方法については、例え
ば「超色増感の機構の総説」(レビュー・オブ・スーパ
ーセンシタイゼーション)、Review of Supersensitiza
tion"、(フォトグラフィック・サイエンス・アンド・
エンジニアリング)、Photographic Science and Engin
eering";(PSE)Vol.18,第4418頁(1974)に記載されて
いる。 本発明に用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤には、表
面感度をできるだけ低く抑え、より低い最小濃度及びよ
り安定な特性を付与せしめるために通常用いられる安定
剤、例えばアザインデン環を持つ化合物及びメルカプト
基を有する複素環式化合物等を含有させることができ
る。 アザインデン環をもつ化合物としては、例えば4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンが
好ましい。またメルカプト基を複素環式化合物のうち含
窒素ヘテロ環化合物としてはピラゾール環、1,2,4−ト
リアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,4−チアジ
アゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、1,2,4−チアジ
アゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,2,3,4−テト
ラゾール環、ピリダジン環、1,2,3−トリアジン環、1,
2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環等、さらにこ
れらの環が2〜3個縮合した環、例えばトリアゾロトリ
アゾール環、ジアザインデン環、トリアザインデン環、
テトラザインデン環、ペンタザインデン環等、またフタ
ラジノン環、インダゾール環などが挙げられるが、特に
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールが好まし
い。 本発明においては、前記した一般式〔Y−I〕で表さ
れるイエローカプラー及びDSR化合物をそれぞれ少なく
とも1種用いるが、本発明の感光材料のハロゲン化銀乳
剤層には、それ以外のカプラー、即ち、発色現像主薬の
酸化体と反応して色素を形成し得る化合物を含有させる
ことができる。 本発明において使用できる上記カプラーとしては各種
のマゼンタカプラー、及びシアンカプラーを特別の制限
なく用いることができ、また前記一般式〔Y−I〕で表
されるイエローカプラーと併用してそれ以外のイエロー
カプラーを用いることができる。 これらのカプラーはいわゆる2当量型であってもよい
し4当量型カプラーであってもよく、またこれらのカプ
ラーに組合せて、拡散性色素放出型カプラー等を用いる
ことも可能である。 本発明に係る一般式〔Y−I〕で表されるイエローカ
プラーを併用して用いることができるイエローカプラー
としては、開鎖ケトメチレン化合物さらにいわゆる2当
量型カプラーと称される活性点−o−アリール置換カプ
ラー、活性点−o−アシル置換カプラー、活性点ヒダン
トイン化合物置換カプラー、活性点ウラゾール化合物置
換カプラー及び活性点コハク酸イミド化合物置換カプラ
ー、活性点フッ素置換カプラー、活性点塩素あるいは臭
素置換カプラー、活性点−o−スルホニル置換カプラー
等が有効なイエローカプラーとして用いることができ
る。用い得るイエローカプラーの具体例としては、米国
特許2,875,057号、同3,265,506号、同3,408,194号、同
3,551,155号、同3,582,322号、同3,725,072号、同3,89
1,445号、西独特許1,547,868号、西独出願公開2,219,91
7号、同2,261,361号、同2,414,006号、英国特許1,425,0
20号、特公昭51-10783号、特開昭47-26133号、同48-731
47号、同51-102636号、同50-6341号、同50-123342号、
同50-130442号、同51-21827号、同50-87650号、同52-82
424号、同52-115219 58-95346号等に記載されたものを
挙げることができる。 但し、これら一般式〔Y−I〕で示されるもの以外の
イエローカプラーを併用する場合、効果の点で、一般式
〔Y−I〕で示されるイエローカプラーに対し50モル%
以下であることが好ましい。 また本発明において用いることができるマゼンタカプ
ラーとしては、ピラゾロン系、ピラゾロアゾール系、ピ
ラゾリノベンツイミダゾール系、インダゾロン系の化合
物を挙げることができる。 これらのマゼンタカプラーはイエローカプラーと同様
4当量型カプラーだけでなく、2当量型カプラーであっ
てもよい。マゼンタカプラーの具体例としては米国特許
第2,600,788号、同2,983,608号、同3,062,653号、同3,1
27,269号、同3,311,476号、同3,419,391号、同3,519,42
9号、同3,558,319号、同3,582,322号、同3,615,506号、
同3,834,908号、同3,891,445号、西独特許1,810,464
号、西独特許出願(OLS)2,408,665号、同2,417,945
号、同2,418,959号、同2,424,467号、特公昭40-6031
号、特開昭51-20826号、同52-58922号、同49-129538
号、同49-74027号、同50-159336号、同52-42121号、同4
9-74028号、同50-60233号、同51-26541号、同53-55122
号、特願昭55-110943号等に記載されたものを挙げるこ
とができる。 これらのマゼンタカプラーの中で特に好ましいもの
は、前記した一般式〔M−I〕で示されるものである。 さらに本発明において用いられる有用なシアンカプラ
ーとしては、例えばフェノール系、ナフトール系カプラ
ー等を挙げることができる。そしてこれらのシアンカプ
ラーはイエローカプラーと同様4当量型カプラーだけで
なく、2当量型カプラーであってもよい。シアンカプラ
ーの具体例としては米国特許第2,369,929号、同2,434,2
72号、同2,474,293号、同2,521,908号、同2,895,826
号、同3,034,892号、同3,311,476号、同3,458,315号、
同3,476,563号、同3,583,971号、同3,591,383号、同3,7
67,411号、同4,004,929号、西独特許出願(OLS)2,414,
830号、同2,454,329号、特開昭48-59838号、同51-26034
号、同48-5055号、同51-146872号、同52-69624号、同52
-90932号、同58-95346号等に記載のものを挙げることが
できる。 これらのシアンカプラーの中で特に好ましいものは、
前記した一般式〔PC−I〕および〔PC−II〕で示される
ものである。 本発明に使用できる上記各種のカプラーを本発明の写
真構成層中に添加する方法は、前記DSR化合物の添加方
法を参照することができ、その添加量は限定的ではない
が、銀1モル当り1×10-3〜5モルが好ましく、より好
ましくは1×10-2〜5×10-1モルである。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には他に各
種の写真用添加剤を含有せしめることができる、例えば
リサーチ・ディスクロージャー誌17643号に記載されて
いるカブリ防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、色汚染防止
剤、蛍光増白剤、色画像褪色防止剤、帯電防止剤、硬膜
剤、界面活性剤、可塑剤、湿潤剤等を用いることができ
る。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
乳剤を調製するために用いられる親水性コロイドには、
ゼラチン、誘導体ゼラチン、ゼラチンと他の高分子との
グラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、
ヒドロキシエチルセルロース誘導体、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリ
ルアミド等の単一あるいは共重合体の合成親水性高分子
等の任意のものが包含される。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持体は
任意であり、各種のものを用いることができる。カラー
印画紙等に適用する場合、反射性を有する支持体であれ
ばいずれのものでもよく、例えばバライタ紙、ポリエチ
レン被覆紙、ポリプロピレン合成紙、反射層を併設し
た、または反射体を併用する透明支持体、例えばガラス
板、セルロースアセテート、セルロースナイトレートま
たはポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。透明な支持
体ももちろん使用することができ、透明支持体として
は、例えば必要に応じて下引加工したポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ
スチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルロー
スアセテートフィルム等があげられ、これらの支持体は
感光材料の使用目的に応じて適宜選択される。 本発明において用いられるハロゲン化銀乳剤層及びそ
の他の写真構成層の塗設には、ディッピング塗布、エア
ードクター塗布、カーテン塗布、ホッパー塗布等種々の
塗布方法を用いることができる。また米国特許2,761,79
1号、同2,941,898号に記載の方法による2層以上の同時
塗布法を用いることもできる。 本発明においては各乳剤層の塗設位置を任意に定める
ことができる。例えばフルカラーの印画紙用感光材料の
場合には、支持体側から順次青感光性ハロゲン化銀乳剤
層、緑感光性ハロゲン化銀乳剤層、赤感光性ハロゲン化
銀乳剤層の配列とすることが好ましい。これらの感光性
ハロゲン化銀乳剤層は各々2以上の層から成っていても
よい。 本発明の感光材料において、目的に応じて適当な厚さ
の中間層を設けることは任意であり、更にフィルター
層、カール防止層、保護層、アンチハレーション層等の
種々の層を構成層として適宜組合せて用いることができ
る。これらの構成層には結合剤として前記のような乳剤
層に用いることのできる親水性コロイドを同様に用いる
ことができ、またその層中には前記の如き乳剤層中に含
有せしめることができる種々の写真用添加剤を含有せし
めることができる。 本発明の写真感光材料の処理方法については特に制限
はなく、あらゆる処理方法が適用できる。例えば、その
代表的なものとしては、発色現像あるいはカブリ現像
後、漂白定着処理を行い必要ならさらに水洗及び/また
は安定処理を行う方法、発色現像あるいはカブリ現像
後、漂白と定着を分離して行い、必要に応じさらに水洗
及び/または安定処理を行う方法等がある。 本発明の感光材料の処理に用いられる発色現像液は、
発色現像主薬を含む、pHが好ましくは8以上、更に好ま
しくはpHが9〜12のアルカリ性水溶液である。この発色
現像主薬としては芳香族第1級アミン現像主薬が通常使
用され、これは芳香族環上に第1級アミン基を持ち露光
されたハロゲン化銀を現像する能力のある化合物であ
る。さらに必要に応じてこのような化合物を形成する前
駆体を添加してもよい。 上記発色現像主薬としてはp−フェニレンジアミン系
のものが代表的であり、次のものが好ましい例として挙
げられる。 即ち例えば、4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、
3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4
−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−β−ヒドロキシエ
チルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−
N−β−メトキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メトキシ−4−アミノ−N−エチル−
N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メトキシ−4
−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリ
ン、3−アセトアミド−4−アミノ−N,N−ジメチルア
ニリン、N−エチル−N−β−〔β−(β−メトキシエ
トキシ)エトキシ〕エチル−3−メチル−4−アミノア
ニリン、N−エチル−N−β−(β−メトキシエトキ
シ)エチル−3−メチル−4−アミノアニリンや、これ
らの塩例えば硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエン
スルホン酸塩等である。 さらに、例えば特開昭48-64932号、同50-131526号、
同51-95849号及びベント等のジャーナル・オブ・ジ・ア
メリカン・ケミカル・ソサエティー、73巻、3100〜3125
頁(1951年)記載のものも代表的なものとして挙げられ
る。 これらの芳香族第1級アミノ化合物の使用量は、現像
液の活性度をどこに設定するかできまるが、活性度を上
げるためには使用量を増加してやるのが好ましい。使用
量としては0.0002モル/lから0.7モル/lまでの範囲で用
いられる。また目的によって2つ以上の化合物を適宜組
合せて使用することができる。例えば3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリンと3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアミリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−メタンスルホンアミドエチルアニリンと3−メチ
ル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチ
ルアニリン等の組合せ等目的に応じて自由に組合せ使用
し得る。 本発明の感光材料を処理するために用いられる発色現
像液には、更に通常添加されている種々の成分、例えば
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、ア
ルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属亜硫酸水素塩、アル
カリ金属チオシアン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、
ベンジルアルコール、水軟化剤、濃厚化剤、及び現像促
進剤等を任意に含有させることもできる。 上記発色現像液に添加される上記以外の添加剤として
は、例えば臭化カリウム、臭化アルミニウム等の臭化
物、沃化アルカリ、ニトロベンゾイミダゾール、メルカ
プトベンゾイミダゾール、5−メチル−ベンゾトリアゾ
ール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等の
迅速処理液用化合物を始めとして、ステイン防止剤、ス
ラッジ防止剤、保恒剤、重層効果促進剤、キレート剤等
がある。 また本発明を直接ポジ型内部潜像型ハロゲン化銀写真
感光材料に具体化した場合、直接ポジ画像を形成する主
要な工程は、予めカブラされていない内部潜像型ハロゲ
ン化銀写真感光材料を画像露光後カブリ処理を施した
後、乃至はカブリ処理を施しながら、表面画像を行なう
ことが一般的である。ここでカブリ処理は、全面均一露
光を与えるか若しくはカブリ剤を用いることにより行う
ことができる。この場合、全面均一露光は画像露光した
内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料を現像液或いはそ
の他の水溶液に浸漬するかまたは湿潤させた後、全面的
に均一露光することによって行なわれることが好まし
い。ここで使用する光源としては内部潜像型ハロゲン化
銀写真感光材料の感光波長域内の光であればいずれでも
よく、またフラッシュ光の如き高照度光を短時間照射す
ることもできるし、または弱い光を長時間照射してもよ
い。全面均一露光の時間は内部潜像型ハロゲン化銀写真
感光材料、現像処理条件、使用する光源の種類等によ
り、最終的に最良のポジ画像が得られるよう広範囲に変
えることができる。また、上記カブリ剤としては広範な
種類の化合物を用いることができ、このカブリ剤は現像
処理時に存在すればよく、例えばハロゲン化銀乳剤層等
の内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料中あるいは現像
液あるいは現像処理に先立つ処理液に含有せしめてもよ
いが、内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料中に含有せ
しめるのがよい(その中でも、特にハロゲン化銀乳剤層
中がよい)。またその使用量は目的に応じて広範囲に変
えることができ、好ましい添加量としては、ハロゲン化
銀乳剤層中に添加するときは、ハロゲン化銀1モル当り
1〜1500mg、特に好ましくは10〜1000mgである。また、
現像液等の処理液に添加するときの好ましい添加量は0.
01〜5g/l、特に好ましくは0.08〜0.15g/lである。 かかるカブリ剤としては、例えば米国特許2,563,785
号、同2,588,982号に記載されているヒドラジン類、あ
るいは米国特許3,227,552号に記載されたヒドラジド、
またはヒドラジン化合物:また米国特許3,615,615号、
同3,718,470号、同3,719,494号、同3,734,738号及び同
3,759,901号等に記載された複素環第4級窒素化合物:
更に米国特許4,030,925号に記載のアシルヒドラジノフ
ェニルチオ尿素類が挙げられる。また、これらカブリ剤
は組合せて用いることもできる。例えばリサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure)第15162号には
非吸着型のカブリ剤を吸着型のカブリ剤と併用すること
が記載されており、本発明にも適用できる。 有用なカブリ剤の具体例を示せば、ヒドラジン塩酸
塩、フェニルヒドラジン塩酸塩、4−メチルフェニルヒ
ドラジン塩酸塩、1−ホルミル−2−(4−メチルフェ
ニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−フェニルヒドラ
ジン、1−アセチル−2−(4−アセトアミドフェニ
ル)ヒドラジン、1−メチルスルフォニル−2−フェニ
ルヒドラジン、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジ
ン、1−メチルスルフォニル−2−(3−フェニルスル
フォンアミドフェニル)ヒドラジン、フォルムアルデヒ
ドフェニルヒドラジン等のヒドラジン化合物が挙げられ
る。 本発明を内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料に適用
した場合は、前記の如く画像露光後、全面露光するか若
しくはカブリ剤の存在下に現像処理することによって直
接ポジ画像を形成するが、該感光材料の現像処理方法は
任意の現像処理方法が採用され、好ましくは表面現像処
理方法である。この表面現像処理方法とはハロゲン化銀
溶剤を実質的に含まない現像液で処理することを意味す
る。 これらの直接反転処理においては、露光済みのハロゲ
ン化銀写真感光材料に前述の発色現像処理及び定着能を
有する処理液による処理を施すことによって原画に対応
するポジ画像(顕像)を形成する。 本発明のカラー写真感光材料は、その処理において漂
白工程を経ることができ、あるいは漂白定着液により処
理することができる。 漂白工程の漂白液もしくは漂白定着液に用いられる漂
白剤としては、アミノポリカルボン酸または蓚酸、クエ
ン酸等の有機酸で鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配
位したものが一般に知られている。そして上記のアミノ
ポリカルボン酸の代表的な例としては次のものを挙げる
ことができる。 エチレンジアミンテトラ酢酸 ジエチレントリアミンペンタ酢酸 プロピレンジアミンテトラ酢酸 ニトリロトリ酢酸 イミノジ酢酸 エチルエーテルジアミンテトラ酢酸 エチレンジアミンテトラプロピオン酸 エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩 ジエチレントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリウム塩 ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩 漂白液は上記の漂白剤と共に種々の添加剤を含有して
もよい。また漂白工程に漂白定着液を用いる場合には、
前記漂白剤のほかにハロゲン化銀定着剤を含有する組成
の液が適用される。また漂白定着液には更に例えば臭化
カリウムの如きハロゲン化合物を含有させてもよい。そ
して前記の漂白液の場合と同様に、その他の各種の添加
剤、例えばpH緩衝剤、蛍光増白剤、消泡剤、界面活性
剤、保恒剤、キレート剤、安定剤、有機溶媒等を添加、
含有させてもよい。 なおハロゲン化銀定着剤としては、例えばチオ硫酸ナ
トリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、またはチオ尿酸、チオエ
ーテル等の通常の定着処理に用いられるようなハロゲン
化銀と反応して水溶性の銀塩を形成する化合物を挙げる
ことができる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の発色現
像、漂白定着(また漂白、定着)、更に必要に応じて行
われる水洗、安定化、乾燥等の各種処理工程の処理温度
は、迅速処理の見地からは30℃以上で行われるのが好ま
しい。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料について、
特開昭58-14834号、同58-105145号、同58-134634号及び
同58-18631号並びに特願昭58-2709号及び同59-89288号
等に示されるような水洗代替安定化処理を行ってもよ
い。 〔実施例〕 以下に本発明の具体的実施例をのべるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。 実施例−1 (ハロゲン化銀乳剤の調製) 中性法、同時混合法により、表−1に示す3種類のハ
ロゲン化銀乳剤を調製した。 用いた分光増感色素は下記のとおりである。 それぞれのハロゲン化銀乳剤は化学増感終了後に乳剤
安定剤として下記に示す(STB−1)をハロゲン化銀1
モル当り、5×10-3モル添加した。 (ハロゲン化銀カラー写真感光材料試料の作製) 次いで以下の層1〜7を両面をポリエチレンで被覆し
た紙支持体上に順次塗設(同時塗布)し、ハロゲン化銀
カラー写真感光材料(試料No.1)を作製した。(なお、
以下の実施例において、添加量は感光材料1m2当りの量
で示す。) 層1……ゼラチン1.2gと、0.29g(銀換算、以下同じ)
の青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−1)、そして0.75g
のイエローカプラー(YY−1)、0.3gの光安定剤(ST−
1)及び0.015gの2,5−ジオクチルハイドロキノン(HQ
−1)を溶解した0.3gのジノニルフタレート(DNP)を
含有している層。 層2……ゼラチン0.9gと、0.04gのHQ−1を溶解した0.2
gのジオクチルフタレート(DOP)を含有している層。 層3……ゼラチン1.4gと、0.2gの緑感光性ハロゲン化銀
乳剤(Em−2)と、0.9ミリモルのマゼンタカプラー
(M−1)と、0.25gの光安定剤(ST−2)及び0.01gの
HQ−1を溶解した0.5gのDOPと、6mgの下記フィルター染
料(AI−1)を含有している層。 層4……ゼラチン1.2gと、下記の0.6gの紫外線吸収剤
(UV−1)及び0.05gの(HQ−1)を溶解した0.3gのDNP
を含有している層。 層5……ゼラチン1.4gと、0.20gの赤感光性ハロゲン化
銀乳剤(Em−3)、及び0.4gの前記例示したシアンカプ
ラー(PC−I−2)と、0.2gの同じく前記例示したシア
ンカプラー(PC−II−2)と0.01gの(HQ−1)及び0.3
gの(ST−1)を溶解した0.3gのDOPを含有している層。 層6……ゼラチン1.1gと、0.2gの(UV−1)を溶解した
0.2gのDOP及び5mgの下記フィルター染料(AI−2)を含
有している層。 層7……ゼラチン1.0gと、0.05gの2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシトリアジンナトリウムを含有している層。 また、層3に0.14gの本発明に係るDSR化合物であるDS
R−14を添加した以外は上記試料No.1と同様にして試料N
o.2を、層1のイエローカプラーYY−1を同モルの本発
明に係る一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプラー
例示No.3に変えた以外は上記試料No.1と同様にして試料
No.3を、さらに表−2に示す如くDSR化合物及びイエロ
ーカプラー、マゼンタカプラーを変更して試料No.4〜6
を作成した。 試料作成に用いた各化合物は下記に示すとおりであ
る。 得られた試料を感光計KS−7型(小西六写真工業
(株)製)を使用し、青色光及び白色光によりウエッジ
露光した後、下記の発色現像液、漂白定着液、安定化液
を用いて下記の処理工程により処理し、青色光によりセ
ンシトメトリーを行ない、青色光露光時と白色光露光時
のガンマ(γ)を比較した。 純水を加えて全量を1とし、pH10.2に調整する。 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH5.7に調整し水を加え
て全量を1とする。 水を加えて1とし、硫酸または水酸化カリウムにて
pHを7.0に調整する。 (処理工程) 温 度 時 間 発色現像 34.7±0.3℃ 45秒 漂白定着 34.7±0.5℃ 50秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 測定結果を、まとめて表−2に示す。表−2からも明
らかなように、DSR化合物を添加しない試料No.1及びNo.
3に対してDSR化合物を添加した試料No.2,No.4,No.5及び
No.6はIIEの値が大きく、インターイメージ効果がある
ことは明らかである。 また、試料No.2とNo.4,No.5及びNo.6との比較より、
本発明に係るイエローカプラーの方がIIEの値が大き
く、色再現上好ましいことがわかる。 実施例−2 上記試料No.1〜No.6について、以下の方法によって色
再現性を評価した。 まず、カラーネガフィルタ〔サクラカラーSRV-100:小
西六写真工業(株)製〕とカメラ〔コニカFT−1MOTOR:
小西六写真工業(株)製〕を用いてマクベス社製カラー
チェッカーを撮影した。続いて、カラーネガ現像処理
〔CNK−4:小西六写真工業(株)製〕を行ない、得られ
たネガ像をサクラカラープリンターCL−P2000〔小西六
写真工業(株)製〕を用いて上記試料No.1〜No.6に82mm
×117mmの大きさでプリントし、前記実施例−1と同様
にして処理し実技プリントを得た。プリントの際のプリ
ンター条件は、カラーチェッカー上の灰色がプリント上
で灰色になるように各試料毎に設定を行なった。 得られた実技プリントについて、色再現性を評価し
た。測定結果を表−3にまとめて示した。 表−3からも明らかなように、一般式〔Y−I〕のイ
エローカプラーを用いず、かつDSR化合物も用いない試
料No.1は、青、緑、赤、黄、マゼンタ、シアンすべてに
色再現性の向上が認められない。本発明のDSR化合物を
用いるが一般式〔Y−I〕のイエローカプラーは用いな
い試料No.2は青、赤、黄、シアンに色再現性の向上が認
められ、また一般式〔Y−I〕のイエローカプラーを用
いるがDSR化合物は用いない試料No.3は、青、緑及び黄
に色再現性の向上が認められるが、いずれの試料も他の
色に対しては向上が少なく、いずれも充分とは言い難
い。 また、本発明に係るDSR化合物と本発明に係るイエロ
ーカプラーを含有するが、本発明に係る一般式〔M−
I〕で表されるマゼンタカプラーは含有しない試料No.4
は、色再現の改良効果はあるが、十分ではない。これに
対し、本発明に係るDSR化合物と本発明に係るイエロー
カプラーと本発明に係る一般式〔M−I〕で表されるマ
ゼンタカプラーを用いた試料No.5及び6は、いずれの色
に対してもきわめて良好な色再現性の向上が認められ
る。 実施例−3 この実施例は、本発明を直接ポジハロゲン化銀写真感
光材料に適用したものである。本実施例では、次のよう
にしてまず内部潜像型ハロゲン化銀乳剤を調製した。 (乳剤Sの調製) 2.0%不活性ゼラチン液750mlを50℃に保ち、撹拌しな
がら下記A1液とB液を同時に加え、3分間かけて注入し
た。25分間熟成後、沈殿水洗法により過剰塩を除去した
後再分散させC1液とD1液を加えた。10分後再度過剰の水
溶性塩を除去し、ゼラチンを少量加えてハロゲン化銀粒
子を分散させた。 (乳剤Lの調製) 1.5%不活性ゼラチン液750mlを60℃に保ち、撹拌しな
がらA2液とB液を同時に加え、15分かけて注入した。40
分間熟成後、沈殿水洗法により過剰塩を除去した後、再
分散させハイポ10mgを加えた後C2液とD2液を加えた。10
分後再度過剰の水溶性塩を除去し、ゼラチンを少量加え
てハロゲン化銀粒子を分散させた。 (乳剤Mの調製) 2.0%不活性ゼラチン液750mlを50℃に保ち、撹拌しな
がら下記A3液とB液を同時に加え、5分間かけて注入し
た。25分熟成後、沈殿水洗法により過剰塩を除去した
後、再分散させC1液とD2液を加えた。10分後再度過剰の
水溶性塩を除去し、ゼラチンを少量加えてハロゲン化銀
粒子を分散させた。 この3種の乳剤に下記のように、増感色素、カプラー
等を加えた乳剤を、表面処理されたポリエチレンラミネ
ート紙上に第1層から第9層を同時塗布し、乾燥してダ
イレクトポジ型多層カラー感光材料を作成した。 赤感光乳剤層(第1層) 乳剤S及び乳剤Mに対しそれぞれ増感色素(D−
3)、(D−4)、安定剤(T−1)、(T−2)、界
面活性剤(S−2)、更にジブチルフタレート、酢酸エ
チル、界面活性剤(S−2)、2,5−ジオクチルハイド
ロキノン及び前掲のシアンカプラー(PC−I−2)、
(PC−II−2)を含むプロテクト分散されたカプラー液
を加えた。 ゼラチンを加えそれぞれの乳剤の単独ならびに混合比
を変えてのガンマ値が1.5となるように塗布した。 第1中間層(第2層) ジオクチルフタレート、2,5−ジオクチルハイドロキ
ノン、紫外線吸収剤チヌビン328(チバガイギー社
製)、界面活性剤(S−1)を含むプロテクト分散され
た液を含むゼラチン液を用意しチヌビン塗布量0.15g/m2
となるように塗布した。 緑感光乳剤層(第3層) 乳剤Sと乳剤Mに対し増感色素(D−2)、安定剤
(T−1)、(T−2)、界面活性剤(S−2)更にジ
ブチルフタレート、酢酸エチル、2,5−ジオクチルハイ
ドロキノン、界面活性剤(S−1)、マゼンタカプラー
として一般式(M−I)の例示化合物No.10を含むプロ
テクト分散されたカプラー液を加えた。 ゼラチンを加え、更に硬膜剤(H−1)を加えて、で
きた乳剤のガンマ値が1.5となるように塗布した。 第2中間層(第4層) 第1中間層と同一処方でチヌビン328塗布量を0.2g/m2
となるよう塗布した。 イエローフィルター層(第5層) アルカリ性弱還元剤下で酸化してつくられた(中和後
ヌードル水洗法により弱還元剤を除去)イエローコロイ
ド銀及びジオクチルフタレート、酢酸エチル、界面活性
剤(S−1)、2,5−ジオクチルハイドロキノン液、界
面活性剤(S−2)及び硬膜剤(H−1)を加えてコロ
イド銀塗布量0.15g/m2となるように塗布した。 第3中間層(第6層) 第1中間層と同じ。 青感光乳剤層(第7層) 乳剤L、乳剤S及び乳剤Mに対しそれぞれ増感色素
(D−1)、安定剤(T−1)、(T−3)、界面活性
剤(S−2)、更にジブチルフタレート、酢酸エチル、
2,5−ジオクチルハイドロキノン、界面活性剤(S−
1)及びイエローカプラーとして本発明に係る一般式
(Y−I)の例示化合物No.3を含むプロテクト分散され
たカプラー液を加えた。 ゼラチンを加え、更に硬膜剤(H−1)を加えて、で
きた乳剤をガンマ値が1.5となるように混合して塗布し
た。 第3中間層(第8層) 第1中間層と同じ処方でチヌビン328塗布量0.35g/m2
となるよう塗布した。 保護層(第9層) コロイダルシリカ、塗布助剤(S−2)、硬膜剤(H
−2)、(H−3)を含むゼラチン液を用いゼラチン塗
布量1.0g/m2となるよう塗布する。 以上のようにして調製した試料を試料No.7とし、更に
試料No.7における第7層の青感光乳剤層の付量を全体に
5%増加させ、例示マゼンタカプラーNo.10の10モル%
のDSR化合物である前記DSR-14にかえたものを試料No.8
とした。 また試料No.7における第1層の赤感光乳剤層の付量を
全体に8%増加させ、シアンカプラー(PC−I−2)及
び(PC−II−2)の15モル%をDSR化合物であるDSR-21
にかえたものを試料No.9とした。 更に試料No.7の第3層の付量を全体に5%増加させ、
マゼンタカプラーNo.10の10モル%をDSR化合物であるDS
R-14にかえ、第1層の付量を全体に8%増加させ、シア
ンカプラー(PC−I−2)及び(PC−II−2)の15モル
%をDSR化合物であるDSR-21にかえたものを試料No.10と
した。 また表−4に示すように、DSR化合物及びイエローカ
プラーを変えて、試料No.11〜No.16を調製した。 本実施例で用いた各化合物は以下に示すとおりであ
る。 次に試料No.7,No.8についてはそれぞれ緑色光のベタ
露光もしくは緑色光のウエッジ露光を行い、下記の発色
現像液、漂白定着液、及び安定化液を用いて、下記の処
理工程によって処理した。 試料No.7,No.8について緑色ウエッジ露光を行った場
合のR,B,Gの各濃度とlogEの関係は、第1図、第2図の
とおりであった。 本発明の試料No.8をウエッジ露光をした場合、第2図
のように緑色濃度が増加すると赤色濃度、青色濃度が減
少するので、DSR化合物を含有させた緑感光乳剤層であ
るオルソ層からの青感光乳剤層(レギュラー層)、赤感
光乳剤層(パン層)に対するインターイメージ効果が生
じていることがわかる。 一方、比較試料である試料No.7をウエッジ露光しても
第1図のようであり、インターイメージ効果は認められ
なかった。 処理液組成 水を加えて全量1とし、pH10.20に調整する。 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し水を加え
て全量を1とする。 水を加えて全量を1とし、水酸化アンモニウムまた
は硫酸でpH7.0に調整する。 なお安定化処理は2槽構成の向流方式である。 また前記のようにして調製した試料No.7〜No.16につ
いて、それぞれコニカカラー7(小西六写真工業株式会
社製のカラー複写機)を用いて露光現像、定着の写真処
理を行ない、マクベス社製カラーチェッカーのコピーを
作製した。 なお各試料については、上記写真処理終了後の画像感
度のγ値のバランスは、ニュートラルの再現が完全にで
きるように予め複写機中にセットされたフィルターによ
り調製した。 コピーについては、色再現性を評価した。評価結果を
表−4に示す。 表−4からも明らかなように、本発明に係るイエロー
化合物を使用した試料No.7は本発明外のイエローカプラ
ーを用いた試料No.16に対して黄、緑の色再現性の向上
が認められるが、そのレベルは充分とは言いがたい。こ
れに対して本発明に係るイエローカプラーを使用し、さ
らに緑感光性層に本発明に係る一般式〔M−I〕で表さ
れるマゼンタカプラー(例示化合物No.10)を使用する
とともに本発明のDSR化合物を添加した本発明の試料No.
8及び赤感光性層にDSR化合物を添加した本発明の試料N
o.9においては、ほとんどの色に対して満足すべき色再
現性が得られる。 また、さらに本発明に係るイエローカプラーを用い本
発明に係るDSR化合物を緑感光性層と赤感光性層の相方
に使用した本発明の試料No.10〜15においては全ての色
に対して非常に良好な色再現性が得られる。 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、色再現性の優れた
ハロゲン化銀写真感光材料が得られる。
材料に関し、特に色再現性にすぐれた直接観察用カラー
写真感光材料に関する。本発明は例えば、プリント用ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料などの直接観察用の感光
材料に好適に適用することができる。 〔発明の背景〕 よく知られているように、通例のハロゲン化銀カラー
写真法においては、色形成カプラーを内臓するハロゲン
化銀写真感光材料をパラフェニレンジアミン系発色現像
主薬などを用いて現像することにより、酸化された現像
主薬と該色形成カプラーをカップリングさせ、色素を形
成して色画像を得ている。 カラー画像を得るプロセスのうち、減色法による現在
のプロセスにおいては、カラーネガとよばれる撮影用感
光材料に撮影、記録した後に上記の発色現像法を用いて
現像を行うことによりネガ像を一たん得、そののちこれ
をプリンターによってカラーペーパー上にプリントする
という手順をとるのが一般的である。 カラーネガ感光材料においては、例えば通常、400〜5
00nm、500〜600nm、600〜700nmの各波長域に分光増感さ
れた3種のハロゲン化銀乳剤層中に、それぞれイエロー
カプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーを含有さ
せて、多層構成がとられている。すなわち青に感光した
部分ではイエロー色素が、緑に感光した部分ではマゼン
タの色素が、また赤に感光した部分ではシアン色素がそ
れぞれ形成されて、いわゆるネガ像が形成される。この
ようなネガ像を得た後に、やはりイエローカプラーを含
有する青感光層、マゼンタカプラーを含有する緑感光
層、そしてシアンカプラーを含有する赤感光層から成る
カラーペーパー上にプリントして、カラー画像を得るの
が一般的である。 しかしながらカラー写真に用いられる色素は、減色法
において理想的とされるブロック型色素、つまり特定の
波長域にのみ感光性を有するものと異なり、スペクトル
の他の領域にかなりの不整吸収を持ち、従って吸収して
ほしくない光に対しても一部光を吸収するために、この
ままでは十分な色再現ができない。このため例えばカラ
ーネガフィルムにおいてはこの不整吸収を補正するため
のカラードカプラーを用いたマスキングなどが行われ、
これにより良好な色再現性の実現を図っている。 また、さらに減色法三原色の原理と人間の眼の性質に
基づく負の分光感度補正を行ったり、純色を強調したり
するためにインターイメージ効果を使ったりしている。 このようにカラーネガ感光材料においては、種々の色
補正手段が用いられているが、上記の如く種々補正して
記録したオリジナルの信号も、カラーペーパーにプリン
トする時、従来のカラーペーパー自身には色補正機能が
全く備わっていないために、結局システム全部の色再現
性がここで劣化してしまうという問題点が残る。 また、さらに減色法三原色の原理と人間の眼の性質に
基づく負の分光感度補正を行ったり、純色を強調したり
するためにインターイメージ効果を使ったりしている。 このようにカラーネガ感光材料においては、種々の色
補正手段が用いられているが、上記の如く種々補正して
記録したオリジナルの信号も、カラーペーパーにプリン
トする時、従来のカラーペーパー自身には色補正機能が
全く備わっていないために、結局システム全部の色再現
性がここで劣化してしまうという問題点が残る。 また、カラー複写機やその他の分野において用いられ
ているダイレクトポジ感光材料も、それ自身を使用者が
観るための直接観察用の感光材料であるので、カラーネ
ガ感光材料等で使われているカラードカプラー等による
マスキング技術が使えないため、充分な色再現性を有し
ているとはいえず改良が望まれている。 さらにこれらの直接観察用感光材料は、そのハロゲン
化銀成分として実質的に塩化銀、塩臭化銀などを含有す
るものを用いているので、従来カラーネガフィルムにお
いて画質向上のため用いられているDIRカプラーは、該
感光材料の現像速度を遅らせてしまったり、また現像速
度が迅速な場合あまり効果が出なかったりして、使用が
難しい。このように実質的に上記塩化銀等を含有する感
光材料に対しては、有効なマスキング手段がないという
のが実情であった。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、実質的に塩化銀、塩臭化銀、または
塩沃臭化銀からハロゲン化銀を含有する感光材料につい
て、その色再現性を大幅に向上できるようにして、すぐ
れた色再現性をもつ直接観察用のハロゲン化銀写真感光
材料を提供することである。 〔発明の構成及び作用〕 上記本発明の目的は、支持体上に少なくとも一層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有する直接観察用のハロゲン化銀写
真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が実質的に
塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀からなるハロゲン化銀を
含有し、かつ前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層
に、下記一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプラー
の少なくとも1つを含有するとともに、前記ハロゲン化
銀乳剤層の少なくとも一層に、後記する一般式〔M−
I〕で表されるマゼンタカプラーの少なくとも1つを含
有し、更に写真構成層のいずれかの少なくとも1層に下
記一般式〔I〕で表される現像主薬の酸化生成物と反応
して該酸化物をスカベンジし得る化合物、あるいはその
前駆体を放出し得る化合物(以下「DSR化合物」と称す
る)の少なくとも1つを含有することを特徴とする直接
観察用のハロゲン化銀写真感光材料によって、達成され
る。 本発明の感光材料は、上記DSR化合物がもたらすイン
ターイメージ効果により、例えば減色法を用いたネガ−
ポジシステムにおいて、すぐれた色再現性を実現するこ
とができ、またカラー複写用の直接ポジ型感光材料に適
用して、すぐれた色再現性を得ることができる。 一般式〔Y−I〕 [式中、Ry1はアルキル基またはシクロアルキル基を
表し、Ry2はアルキル基、シクロアルキル基、アシル基
またはアリール基を表し、Ry3はベンゼン環に置換可能
な基を表す。nは0または1を表す。Ry4はカルボニル
またはスルホニル単位を有する結合基を1つ含む有機基
を表し、Jは (Ry5は水素原子、アルキル基、アリール基または複素
環基を表す。)を表す。Xy1は発色現像主薬の酸化体と
の反応により離脱しうる基を表す。] 一般式〔I〕 CoupTimelSC [式中、Coupは、発色現像主薬酸化体との反応により
(TimelSCを放出し得るカプラー残基を表し、Time
は、Coupから放出された後、SCを放出することができる
タイミング基を表し、SCはCoupから放出された後、発色
現像主薬酸化体を酸化還元反応またはカップリング反応
によりスカベンジし得る発色現像主薬酸化体のスカベン
ジャーを表し、lは0または1を表す。] 本発明において、DSR化合物は、いずれかの写真構成
層、好ましくはいずれかの乳剤層中に含有されることに
より、現像時にイメージワイズに酸化された現像主薬と
カップリング反応する化合物、もしくは酸化された現像
主薬と酸化還元反応する化合物を放出し、自層で現像の
結果生成する酸化された現像主薬と反応することにより
自層で色素形成を抑える働きがある。これにより自層の
ガンマが低下するとともに、酸化された現像主薬をスカ
ベンジする化合物は、これらの自層での効果に加えて、
他層に拡散して他層での発色反応を抑える作用をもつ。 この作用により、例えばマゼンタ層にDSR化合物を加
えた場合、マゼンタが発色した時には該マゼンタ層での
マゼンタ色素濃度に比例してシアン層のシアン色素の発
色を抑えることができ、これにより、マゼンタ色素が本
来の緑領域以外にもっている例えば赤の吸収を抑え、マ
スキング作用を行うと考えられる。中でもマゼンタ層に
DSR化合物を含有させ、マゼンタ層から他の層へインタ
ーイメージ効果をかけてやることが、赤〜紫系統の色再
現には好ましく、純度の高い赤の形成に特に効果があ
る。 またシアン層にDSR化合物を含有させることも好まし
く、例えばシアン層からマゼンタ層へ同様にインターイ
メージをかけてやることも、青系統の色再現に特に効果
が大きい。同様にして、放出された現像主薬酸化体をス
カベンジする化合物の拡散度を高めてやることにより、
シアン層からイエロー層へ、また逆にイエロー層からマ
ゼンタ層、シアン層へとインターイメージをかけてやる
ことも可能であり、本発明は種々の態様で使用できる。 なおインターイメージ効果を生ぜしめる素材として、
沃素含有ハロゲン化銀乳剤やDIRカプラー等を用いるこ
ともできるが、これらは現像抑制剤を放出するために現
像を全体に遅らせてしまうので、近年の処理の迅速化と
いう要請には反する。よって迅速処理が要される感光材
料については、使用しにくい。またこれら迅速処理を要
する重層感光材料は、その各層の現像をバランスよく停
止させることが難しいので、これらの現像抑制剤の放出
によるマスキングは、このような感光材料への適用は困
難である。 実質的に塩化銀、塩臭化銀、または塩沃臭化銀から成
る感光材料において、現像主薬の酸化生成物をスカベン
ジし得る化合物、もしくはこれらの前駆体(プレカーサ
ー)を放出しうる化合物を用いる本発明は、きわめて効
果的である。 即ち本発明者等は、DSR化合物を、特定の構造を有す
るイエローカプラーと併用することにより、非常に大き
なインターイメージ効果が得られ、更に色再現性も相乗
的に向上することを見出し、本発明に至ったものであ
る。 以下本発明について、更に詳細に説明する。 まず、前記一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプ
ラーについて説明する。 前記一般式〔Y−I〕において、Ry1で表されるアル
キル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基、ドデシル基等が挙げられる。こ
れらRy1で表されるアルキル基には更に置換基を有する
ものも含まれ、置換基としては例えばハロゲン原子、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
スルホニル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基が挙げられる。 Ry1で表されるシクロアルキル基としては、シクロプ
ロピル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げ
られる。 Ry1として好ましくは、分岐のアルキル基である。 一般式〔Y−I〕において、Ry2で表されるアルキル
基、シクロアルキル基としてはRy1と同様の基が挙げら
れ、アリール基としては、例えばフェニル基が挙げられ
る。これらRy2で表されるアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基にはRy1と同様の置換基を有するものも
含まれる。また、アシル基としては例えば、アセチル
基、プロピオニル基、ブチニル基、ヘキサノイル基、ベ
ンゾイル基等が挙げられる。 Ry2として好ましくは、アルキル基、アリール基であ
り、更に好ましくはアルキル基である。 一般式〔Y−I〕において、Ry3で表されるベンゼン
環に置換可能な基としては、ハロゲン原子(例えば塩素
原子)、アルキル基(例えばエチル基、i−プロピル
基、t−ブチル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ
基)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基)、
アシルオキシ基(例えばメチルカルボニルオキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセトア
ミド基、フェニルカルボニルアミノ基)、カルバモイル
基(例えばN−メチルカルバモイル基、N−フェニルカ
ルバモイル基)、アルキルスルホンアミド基(例えばエ
チルスルホニルアミノ基)、アリールスルホンアミド基
(例えばフェニルスルホニルアミノ基)、スルファモイ
ル基(例えばN−プロピルスルファモイル基、N−フェ
ニルスルファモイル基)及びイミド基(例えばコハク酸
イミド基、グルタルイミド基)などが挙げられる。nは
0または1を表す。 一般式〔Y−I〕において、Ry4はカルボニルまたは
スルホニル単位を有する結合基を1つ含む有機基を表
す。 カルボニル単位を有する基としては、エステル基、ア
ミド基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基等が
挙げられ、スルホニル単位を有する基としては、スルホ
ン基、スルホンアミド基、スルファモイル基、アミノス
ルホンアミド基等が挙げられる。 を表し、Ry5は水素原子、アルキル基、アリール基また
は複素環基を表わす。 Ry5で表されるアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ドデシル基等が
挙げられる。またRy5で表されるアリール基としては、
フェニル基またはナフチル基等が挙げられる。 これらRy5で表されるアルキル基、アリール基または
複素環基は、置換基を有するものも含まれる。 一般式〔Y−I〕において、Xy1は発色現像主薬の酸
化体との反応により離脱しうる基を表すが、例えば下記
一般式〔Y−II〕または〔Y−III〕で表される基を表
す。 −ORy6 〔Y−II〕 一般式〔Y−II〕において、Ry6は置換基を有するも
のも含むアリール基またはヘテロ環基を表す。 一般式〔Y−III〕において、Zy1は窒素原子と共同
して5乃至6員環を形成するのに必要な非金属原子群を
表す。ここで非金属原子群を形成するのに必要な原子団
としては、例えばメチレン、メチン、置換メチン、C
=O、−NH−、−N=、−O−、−S−、−SO2−等が
挙げられる。 前記一般式〔Y−I〕で表される2当量イエローカプ
ラーはR1、R3またはR4部で結合してビス体を形成し
てもよい。 本発明の2当量イエローカプラーとして好ましいもの
は、下記一般式〔Y−IV〕で表される。 一般式〔Y−IV〕 一般式〔Y−IV〕において、Ry1、Ry2、Ry3及びJ
は一般式〔Y−I〕におけるRy1、Ry2、Ry3及びJと
同様の基を表す。nは0または1を表す。Ry7はアルキ
レン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリ
ーレンアルキレン基または−A−Vy1−B−(A及びB
はそれぞれ、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン
アリーレン基またはアリーレンアルキレン基を表し、V
y1は−O−、−S−等の2価の連結基を表す。)を表
し、Ry8はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
またはヘテロ環基を表す。Pはカルボニルまたはスルホ
ニル単位を有する結合基を表す。Xy2はXy1と同義であ
る。 前記一般式〔Y−IV〕において、Pはカルボニルまた
はスルホニル単位を有する結合基を表すが、好ましくは
下記群〔Y−V〕で示される基を表す。 群〔Y−V〕 式中、Ry′及びRy″は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基を表し、Ry′及びRy″は同じでも
異なっていてもよい。 Ry′及びRy″で表される基としは、前記Ry5と同様
の基を挙げることができ、また、これらの基にはRy5と
同様の置換基を有するものも含まれる。Ry′及びRy″
として好ましくは水素原子である。 前記一般式〔Y−IV〕において、Xy2はカップリング
離脱基であるが、好ましくは下記一般式〔Y−VI〕〜
〔Y−XII〕で表される基を表す。 R29はカルボキシル基、エステル基、アシル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ
基または前記Ry3で示された基と同様の置換基を表し、
lは1〜5の整数を表す。lが2以上のときRy9は同じ
であっても異なっていてもよい。 Ry10、Ry11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、カ
ルボン酸エステル基、アミノ基、アシルアミノ基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルス
ルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスル
ホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルボン酸
基を表し、これらの基は同じであっても異なっていても
よい。また、Ry10及びRy11で環を形成してもよい。 Zy2、Zy3はヘテロ原子を表し、Ry12、Ry13、R
y14は上記Ry10及びRy11と同様の基を表す。 R35はアルキル基、アリール基、アルキルカルボニル
基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基また
はアリールスルホニル基を表す。 Yyはヘテロ原子(例えば、−NH−、−N=、−O−、
−S−など)、スルホニル基、カルボニル基または で示される炭素原子を表し、Zy4は−Yy−N−CO−と
共同して5乃至6員環を形成するのに必要な非金属原子
群を表す。 Ry16、Ry17、Ry18は、前記Ry10及びRy11と同様
な基を表す。また、Ry16、Ry17、Ry18は、Zy4の一
部と共同して環を形成してもよい。 前記一般式〔Y−IV〕で表される2当量イエローカプ
ラーはRy1、Ry3またはバラスト基で結合してビス体を
形成してもよい。 次に本発明に用いられる一般式〔Y−I〕で表される
イエローカプラーの代表的具体例を示すが、本発明はこ
れによって限定されるものではない。 本発明に係る一般式〔Y−I〕で表されるイエローカ
プラーは従来公知の方法により合成することができる
が、特に特願昭61-269216号明細書第27〜33頁の合成方
法に従って合成することができる。 本発明に係るイエローカプラーは1種または2種以上
を組み合わせて用いることができ、また別の種類のイエ
ローカプラーと併用することもできる。 また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料においては
ハロゲン化銀1モル当たり本発明に係るイエローカプラ
ーを10〜300g添加することが好ましいが、必要に応じて
適宜変更することができる。 また、本発明の感光材料にシアンカプラーを含有させ
る場合についても、シアンカプラーとしては目的に応じ
て任意のものを用いることができるが、次の一般式〔PC
−I〕または〔PC−II〕で表されるシアンカプラーを好
ましく用いることができる。 一般式〔PC−I〕は次に示すものである。 一般式〔PC−I〕 (式中、R11は炭素原子数2〜6のアルキル基を表わ
す。R12はバラスト基を表わす。Z10は水素原子または
発色現像主薬の酸化体との反応により離脱可能な原子も
しくは基を表わす。) R11で表わされるアルキル基は直鎖でも分岐でもよ
く、置換基を有するものも包含する。R12で表わされる
バラスト基は、カプラーが適用される層からカプラーを
実質的に他層へ拡散できないようにするのに十分なかさ
ばりをカプラー分子に与えるところの大きさと形状を有
する有機基である。 該バラスト基として好ましいものは下記一般式で表わ
されるものである。 R13は炭素原子数1から12のアルキル基を表わし、Ar
は、フェニル基等のアリール基を表わし、このアリール
基は置換基を有するものを包含する。 次に一般式〔PC−I〕で表わされるカプラーの具体例
を示すが、これらに限定されるものではない。 一般式〔PC−I〕 これらを含め、本発明の好ましい態様において用いる
ことのできるシアンカプラーの具体例は、特公昭49-115
72号、特開昭61-3145号、同61-96522号、同61-9653号、
同61-39045号、同61-50136号、同61-99141号、同61-105
545号などに記載されている。 前記一般式〔PC−I〕で示されるシアン色素形成カプ
ラーは、通常ハロゲン化銀Iモル当り1×10-3モル〜1
モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で
用いることができる。 次に一般式〔PC−II〕について述べる。 一般式〔PC−II〕 〔式中、R21はアルキル基またはアリール基を表わ
す。R22はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
または複素環基を表わす。R23は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基またはアルコキシ基を表わす。またR23
はR21と共同して環を形成しても良い。Z20は水素原子
または芳香族第1級アミン系発色現像主薬の酸化体との
反応により離脱可能な基を表わす。〕 前記一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラーに
おいて、R21で表わされるアルキル基としては、炭素数
1〜32のものが好ましく、これらの直鎖でも分岐でもよ
く、置換基を有するものも含む。 R21で表わされるアリール基としてはフェニル基が好
ましく、置換基を有するものも含む。 R22で表わされるアルキル基としては炭素数1〜32の
ものが好ましく、これらのアルキル基は直鎖でも分岐で
もよく、また置換基を有するものも含む。 R22で表わされるシクロアルキル基としては炭素数3
〜12のものが好ましく、これらのシクロアルキル基は置
換基を有するものも含む。 R22で表わされるアリール基としてフェニル基が好ま
しく、置換基を有するものも含む。 R22で表わされる複素環基としては5〜7員のものが
好ましく、置換基を有するものを含み、又縮合していて
もよい。 R23は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはア
ルコキシ基を表わし、該アルキル基及び該アルコキシ基
は置換基を有するものを含むが、R23は好ましくは水素
原子である。 また、R21とR22が共同して形成する環としては5〜
6員環が好ましく、その例としては、 等が挙げられる。 一般式〔PC−II〕においてZ20で表わされる発色現像
主薬の酸化体との反応により離脱可能な基としては、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
オキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、スル
ホニルアミノ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基及びイミド基など(それ
ぞれ置換基を有するものを含む)が挙げられるが、好ま
しくは、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシ
基である。 上述のシアンカプラーのうち特に好ましいものは、下
記一般式〔PC−II−A〕で示されるものである。 一般式〔PC−II−A〕 式中、RA1は少なくとも1個のハロゲン原子で置換さ
れたフェニル基を表わし、これらのフェニル基は、さら
にハロゲン原子以外の置換基を有するものを含む。RA2
は前記一般式〔PC−II〕のR21と同義である。XAはハ
ロゲン原子、アリールオキシ基またはアルコキシ基を表
わし、置換基を有するものを含む。 以下に一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラー
の代表的具体例を示す。 一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラーの具体
例としては、更に例えば、特願昭61-21853号明細書第26
頁〜35頁、特開昭60-225155号公報第7頁左下の欄〜10
頁右下の欄、特開昭60-222853号公報第6頁左上の欄〜
8頁右下の欄及び特開昭59-185335号公報第6頁左下の
欄〜9頁左上の欄に記載された2,5−ジアシルアミノ系
シアンカプラーを含み、これらの明細書及び公報に記載
されている方法に従って合成することができる。 一般式〔PC−II〕で表わされるシアンカプラーは赤感
光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられ、その添加量はハロ
ゲン化銀1モル当たり2×10-3〜8×10-1モルが好まし
く、特に好ましくは1×10-2〜5×10-1モルの範囲であ
る。 本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、そのハロゲン
化銀乳剤層の少なくとも一層に、一般式〔M−I〕で表
されるマゼンタカプラーの少なくとも1つを含有する。 一般式〔M−I〕は次に示すものである。 一般式〔M−I〕 一般式〔M−I〕中、Zは含窒素複素環を形成するに
必要な非金属原子群を表し、該Zにより形成される環は
置換基を有してもよい。 Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる基を表す。 またRは水素原子または置換基を表す。 Rの表す置換基としては特に制限はないが、代表的に
は、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、ス
ルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニ
ル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他に
ハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素
環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、
カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、
アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イ
ミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカ
ルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素
環チオの各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水
素化合物残基等も挙げられる。 Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のも
のが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。 Rで表されるアリール基としては、フェニル基が好ま
しい。 Rで表されるアシルアミノ基としては、アルキルカル
ボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げ
られる。 Rで表されるスルホンアミド基としては、アルキルス
ルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙
げられる。 Rで表されるアルキルチオ基、アリールチオ基におけ
るアルキル成分、アリール成分は、上記Rで表されるア
ルキル基、アリール基が挙げられる。 Rで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜32の
もの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐で
もよい。 Rで表されるシクロアルケニル基としては、炭素数3
〜12、特に5〜7のものが好ましい。 Rで表されるスルホニル基としては、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基等; スルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基等; ホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコ
キシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリ
ールホスホニル基等; アシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカ
ルボニル基等; カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、ア
リールカルバモイル基等; スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基等; アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ
基、アリールカルボニルオキシ基等; カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイル
オキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等; ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等; スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモ
イルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等; 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的
には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するも
のが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール
−6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシ
ルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド
基等; スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン−
1−イル等; 有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン
−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。 Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し
うる基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、
複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、
アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、(R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義で
あり、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキ
ル基または複素環基を表す。)等の各基が挙げられる
が、好ましくはハロゲン原子、特に塩素原子である。 またZまたはZ′により形成される含窒素複素環とし
ては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環
またはテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有しても
よい置換基としては前記Rについて述べたものが挙げら
れる。 一般式〔M−I〕で表されるものは更に具体的には例
えば下記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕により表され
る。 一般式〔M−II〕 一般式〔M−III〕 一般式〔M−IV〕 一般式〔M−V〕 一般式〔M−VI〕 一般式〔M−VII〕 前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕においてR1〜R
8及びXは前記R及びXと同義である。 また、一般式〔M−I〕の中でも好ましいのは、下記
一般式〔M−VIII〕で表されるものである。 一般式〔M−VIII〕 式中R1,X及びZ1は一般式〔M−I〕におけるR,X及
びZと同義である。 前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕で表されるマゼ
ンタカプラーの中で特に好ましいものは、一般式〔M−
II〕で表されるマゼンタカプラーである。 前記複素環上の置換基R及びR1として最も好ましい
のは、下記一般式〔M−IX〕により表されるものであ
る。 一般式〔M−IX〕 式中R9,R10及びR11は、それぞれ前記Rと同義であ
る。 また、前記R9,R10及びR11の中の2つ例えばR9とR
10は結合して飽和または不飽和の環(例えばシクロアル
カン、シクロアルケン、複素環)を形成してもよく、更
に該環にR11が結合して有橋炭化水素化合物残基を構成
してもよい。 一般式〔M−IX〕の中でも好ましいのは、(i)R9
〜R11の少なくとも2つがアルキル基の場合、(ii)R
9〜R11の中の1つ例えばR11が水素原子であって、他
の2つR9とR10が結合して根元炭素原子と共にシクロ
アルキルを形成する場合、である。 更に(i)の中でも好ましくは、R9〜R11の中の2
つがアルキル基であって、他の1つが水素原子またはア
ルキル基の場合である。 また、一般式〔M−I〕におけるZにより形成される
環及び一般式〔M−VIII〕におけるZ1により形成され
る環が有してもよい置換基、並びに一般式〔M−II〕〜
〔M−VI〕におけるR2〜R8として下記一般式〔M−
X〕で表されるものが好ましい。 一般式〔M−X〕 −R1−SO2−R2 式中R1はアルキレン基を、R2はアルキル基、シクロ
アルキル基またはアリール基を表す。 R1で示されるアルキレン基は、好ましくは直鎖部分
の炭素数が2以上、より好ましくは3ないし6であり、
直鎖,分岐を問わない。 R2で示されるシクロアルキル基としては、5〜6員
のものが好ましい。 以下に一般式〔M−I〕で示されるマゼンタカプラー
の代表的具体例を示す。但し、下記例示に限定されるも
のではない。 以上のマゼンタカプラーの代表的具体例の他に、一般
式〔M−I〕で示されるマゼンタカプラーの具体例とし
ては、特願昭61-9791号明細書の第66頁〜122頁に記載さ
れている化合物の中で、No.1〜4,6,8〜17,19〜24,26〜4
3,45〜59,61〜104,106〜121,123〜162,164〜223で示さ
れる化合物を挙げることができる。 また前記カプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル
・ソサイアティ(Journal of the Chemical Societ
y),パーキン(Perkin)I(1977),2047〜2052、米国
特許3,725,067号、特開昭59-99437号、同58-42045号、
同59-162548号、同59-171956号、同60-33552号、同60-4
3659号、同60-172982号及び同60-190779号等を参考にし
て合成することができる。 一般式〔M−I〕で示されるマゼンタカプラーは、通
常ハロゲン化銀1モル当り1×10-3モル〜1モル、好ま
しくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いること
ができる。 また一般式〔M−I〕で示されるカプラーは、他の種
類のマゼンタカプラーと併用することもできる。 次に、本発明において用いる現像主薬の酸化生成物と
反応して該酸化生成物をスカベンジし得る化合物、ある
いはその前駆体を放出し得る化合物(DSR化合物)につ
いて説明する。該DSR化合物は一般式〔I〕によって表
わされる。 一般式〔I〕 CoupTimelSC 一般式〔I〕において、Coupは、発色現像主薬酸化体
との反応により(TimelSCを放出し得るカプラー残基
を表し、Timeは、Coupより放出された後、SCを放出する
ことができるタイミング基を表し、SCは、Coupから放出
された後、発色現像主薬酸化体を酸化還元反応またはカ
ップリング反応によりスカベンジし得る発色現像主薬酸
化体のスカベンジャーを表し、lは0または1を表す。 更に上記化合物を具体的に説明すると、一般式〔I〕
においてCoupで表されるカプラー残基は、一般にイエロ
ーカプラー残基,マゼンタカプラー残基,シアンカプラ
ー残基,または実質的に無色のカプラー残基であり、好
ましくは下記一般式〔II〕ないし〔IX〕で表されるカプ
ラー残基である。 上記一般式〔II〕におけるR1はアルキル基、アリー
ル基、アリールアミノ基を表し、R2はアリール基、ア
ルキル基を表す。 上記一般式〔III〕において、R3はアルキル基,アリ
ール基を表し、R4は、アルキル基、アシルアミノ基、
アリールアミノ基、フェニルウレイド基、アルキルウレ
イド基を表す。 上記一般式〔IV〕において、R4は一般式〔III〕のR
4と同義であり、R5はアシルアミノ基,スルホンアミド
基,アルキル基,アルコキシ基,ハロゲン原子を表す。 更に上記一般式〔V〕及び〔VI〕における置換基R7
は、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アリー
ルアミノ基、アルコキシ基、フェニルウレイド基、アル
キルウレイド基を表し、R6はアルキル基,アリール基
を表す。 上記一般式〔VII〕におけるR9はアシルアミノ基、カ
ルバモイル基、フェニルウレイド基を表し、R8はハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基を表す。 上記一般式〔VIII〕において、R9は一般式〔VII〕に
おけると同義であり、R10はアミノ基,置換アミノ基,
炭酸アミド基,スルホンアミド基,ヒドロキシル基を表
す。 上記一般式〔IX〕において、R11はニトロ基、アシル
アミノ基、コハク酸イミド基、スルホンアミド基、アル
コキシ基、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基を表わ
す。 また、上記一般式〔VII〕及び〔IX〕におけるnは0
ないし2の整数を表し、上記一般式〔VIII〕におけるm
は0または1の整数を表す。 更に上記各基は置換基を有しないもの及び置換基を有
するものの双方を含み、置換基を有する場合の好ましい
置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、
スルホンアミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
アルキル基、アルコキシ基、カルボニルオキシ基、アシ
ルアミノ基、アリール基から任意に選ばれるものであ
る。 上記各一般式におけるR1ないしR11の呈する親油性
は目的に応じて任意に選ぶことができ、通常の画像形成
カプラーの場合、R1ないしR11の炭素原子数の総和は1
0ないし60が好ましく、更に好ましくは15ないし30であ
る。 一方、発色現像により生成する色素が感光材料中を適
度に移動する移動性色素形成カプラーの場合、該R1な
いしR11の炭素原子数の総和は15以下が好ましい。 また実質的に無色のカプラーの場合には15以下が好ま
しく、更にR1ないしR11の置換基として少なくとも一
つのカルボキシル基、アリールスルホンアミド基,アル
キルスルホンアミド基を有することが好ましい。 尚、実質的に無色のカプラー残基とは、色素形成反応
後感光材料から処理液中に流出するか、処理液中の成分
と反応して色素が漂白されるなどして現像処理後色像が
残らないものを意味し、それぞれ流出性色素形成カプラ
ー,漂白性色素形成カプラーとして知られている。 前記一般式〔I〕において、Timeで表されるタイミン
グ基は、好ましくは下記一般式〔X〕、〔XI〕または
〔XII〕で示される。 一般式〔X〕 式中、Bはベンゼン環またはナフタレン環を完成する
のに必要な原子群を表わし、Yは−O−、−S−または を表わし、一般式〔I〕のカップリング成分COUPの活性
点に結合しており、R12、R13及びR14は水素原子、ア
ルキル基またはアリール基を表し、また はYに対しオルト位またはパラ位に置換されており、C
に結合している。 一般式〔XI〕 式中、Y、R12、R13は各々前記一般式〔X〕におけ
ると同様であり、R15は水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アシル基、スルホン基、アルコキシシカルボニル
基または複素環残基を表わし、R16は水素原子、アルキ
ル基、アリール基、複素環残基、アルコキシ基、アミノ
基、酸アミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基またはシアノ基
を表す。 また、前記一般式〔XI〕で表わされるタイミング基
は、前記一般式〔X〕におけると同様に、Yが前記カッ
プリング成分Coupの活性点に、 でもってSCに結合している。 次に分子内吸核置換反応によりSCを放出するTime基と
して、下記一般式〔XII〕で示されるものがある。 一般式〔XII〕 −Nu−D−E−Z 式中、Nuは電子の豊富な酸素、硫黄または窒素原子等
を有している求核基を表し、カップリング成分Coupのカ
ップリング位に結合しており、Eは電子の不十分なカル
ボニル基、チオカルボニル基、ホスフィニル基、チオホ
スフィニル基を表わし、この求電子基EはSCのヘテロ原
子と結合しており、DはNu及びEを立体的に関係づけて
いて、カップリング成分CoupからNuが放出された後、3
員環ないし7員環の形成を伴う分子内求核置換を破り、
かつそれによってSCを放出することのできる結合基を表
す。 一般式〔I〕における、SCで表わされる発色現像主薬
酸化体のスカベンジャーは、酸化還元型のものとカップ
リング型のものがある。 一般式〔I〕において、SCが酸化還元反応によって発
色現像主薬酸化体をスカベンジする時には、該スカベン
ジャーは発色現像主薬酸化体を還元し得る基であり、例
えばAngew.Chew.Int.Ed.,17 875-886(1978)、The The
ory of the Photographic Proces第4版(Macmillan社1
977)11章、特開昭59-5247号等に記載された還元剤が好
ましく、また現像時にそれら還元剤を放出できる前駆体
であってもよい。具体的には発色現像主薬酸化体と反応
する時、−OH基、−NHSO2R基、−NH2基、−NHR基、 (式中、R,R′はアルキル、シクロアルキル、アルケニ
ル、アリール基を表す)を少なくとも2つ有するアリー
ル基,ヘテロ環基が好ましく、中でもアリール基が好ま
しく、フェニル基が更に好ましい。SCの親油性は、上記
一般式〔II〕ないし〔IX〕で表されたカプラーと同様に
目的に応じて任意に選ばれるが、本発明の効果を最大限
に発揮するためには好ましくはSCの炭素数の総和は6〜
50、より好ましくは6〜30、更に好ましくは6〜20であ
る。 SCがカップリング反応により発色現像主薬酸化体をス
カベンジするものである時には、該SCは実質的に無色の
カプラー残基であり、前述の流出性色素形成カプラー、
漂白性色素形成カプラー及び反応活性点に非離脱性の置
換基を有し色素を形成しないWeissカプラー等を利用す
ることができる。 一般式〔I〕の表すCouptimelSCの具体的化合物
としては、例えばBP第1546837号明細書、特開昭52-1506
31号、同57-111536号、同57-111537号、同57-138636
号、同60-185950号、同60-203943号、同60-213944号、
同60-214358号、同61-53643号、同61-84646号、同61-86
751号、同61-102646号、同61-102647号、同61-107245
号、同61-113060号、同61-231533号、同61-233741号、
同61-236550号、同61-236551号、同61-238057号、同61-
240240号、同61-249052号公報等に記載されたものがあ
る。 SCとして酸化還元型スカベンジャーを好ましく用いる
ことができ、この場合には発色現像主薬酸化体を還元す
ることによってSCを再利用することができる。 次に上記一般式〔I〕で表されるDSR化合物を例示す
るが、本発明は下記化合物に限定されるものではない。 本発明は、各種の直接観察用のハロゲン化銀写真感光
材料に適用することができる。例えば直接観察の対象と
なるカラーペーパー、ダイレクトポジペーパー、ダイレ
クトポジフィルムなどに好適に用いることができる。 本発明をカラーペーパーに具体化する場合、通常のネ
ガ型ハロゲン化銀乳剤を用いることができる。またダイ
レクトポジペーパーに具体化する場合、好ましいのは、
表面がカブらされていない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤
を用いることである。該乳剤は、光カブリ法により、あ
るいは該形成剤と併用して、用いられる。これらの感光
材料は、カラーネガフィルムの様に色補正機能を自分自
身で有していないために、色材であるイエロー、マゼン
タ、シアンの各発色色素のもつ不整吸収による色のずれ
を補正することができず、よって本来の色再現を悪化さ
せているが、このようなものに本発明は効果的である。
特にネガによる補正もきかない直接撮影のためのダイレ
クトポジ感光材料においては、本発明のもたらすインタ
ーイメージ効果を用いたマスキングは、色再現上効果が
大きい。 本発明において、上記DSR化合物は、感光性ハロゲン
化銀乳剤層及び/または非感光性の写真構成層に添加す
ることができるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層に添加す
るのが好ましい。 DSR化合物は、同一層に2種以上を含んでもよい。ま
た同じDSR化合物を、異なる2つ以上の層に含んでもよ
い。 これらのDSR化合物は、一般に乳剤層中の銀1モル当
り1×10-3〜5モル用いることが好ましい、より好まし
くは1×10-2〜5×10-1モルを用いることである。 これらのDSR化合物をハロゲン化銀乳剤中または他の
写真構成層塗布液中に含有せしめるには、該DSR化合物
がアルカリ可溶性である場合には、アルカリ性溶液とし
て添加してもよく、油溶性である場合には、例えば米国
特許第2,322,027号、同第2,801,170号、同第2,801,171
号、同第2,272,191号及び同第2,304,940号各明細書に記
載の方法に従って該DSR化合物を高沸点溶媒に、必要に
応じて低沸点溶媒を併用して溶解し、微粒子状に分散し
てハロゲン化銀乳剤または他の写真構成層塗布液中に添
加するのが好ましい。このとき必要に応じて他のハイド
ロキノン誘導体、紫外線吸収剤、褐色防止剤等を併用し
てもさしつかえない。また2種以上のDSR化合物を混合
して用いてもさしつかえない。さらに本発明において好
ましいDSR化合物の添加方法を詳述するならば、1種ま
たは2種以上の該DSR化合物を必要に応じて他のカプラ
ー、ハイドロキノン誘導体、褐色防止剤や紫外線吸収剤
等と共に有機酸アミド類、カルバメート類、エステル
類、ケトン類、尿素誘導体、エーテル類、炭化水素類
等、特にジ−n−ブチルフタレート、トリ−クレジルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、ジ−イソオク
チルアゼレート、ジ−n−ブチルセバケート、トリ−n
−ヘキシルホスフェート、N,N−ジ−エチル−カプリル
アミドブチル、N,N−ジエチルラウリルアミド、n−ペ
ンタデシルフェニルエーテル、ジ−オクチルフタレー
ト、n−ノニルフェノール、3−ペンタデシルフェニル
エチルエーテル、2,5−ジ−sec−アミルフェニルブチル
エーテル、モノフェニル−ジ−o−クロロフェニルホス
フェートあるいはフッ素パラフィン等の高沸点溶媒、及
び/または酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル、プロピオン酸ブチル、シクロヘキサノール、
ジエチレングリコールモノアセテート、ニトロメタン、
四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサンテトラヒド
ロフラン、メチルアルコール、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、ジオキサン、メチルエチルケトン等の
低沸点溶媒に溶解し、アルキルベンゼンスルホン酸及び
アルキルナフタレンスルホン酸の如きアニオン系界面活
性剤及び/またはソルビタンセスキオレイン酸エステル
及びソルビタンモノラウリル酸エステルの如きノニオン
系界面活性剤及び/またはゼラチン等の親水性バインダ
ーを含む水溶液と混合し、高速回転ミキサー、コロイド
ミルまたは超音波分散装置等で乳化分散し、ハロゲン化
銀乳剤等に添加することである。 この他、上記DSR化合物は、ラテックス分散法を用い
て分散してもよい。ラテッックス分散法及びその効果
は、特開昭49-74538号、同51-59943号、同54-32552号各
公報やリサーチ・ディスクロージャー1976年8月、No.1
4850、77〜79頁に記載されている。 適当なラテックスは、例えばスチレン、アクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−
(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウ
ムメトサルフェート、3−(メタクリロイルオキシ)プ
ロパン−1−スルホン酸ナトリウム塩、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、N−〔2−(2−メチル−4−オキ
ソペンチル)〕アクリルアミド、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等のようなモノマーのホ
モポリマー、コポリマー及びターポリマーである。 上記のDSR化合物は、特開昭57-138638号、同57-15553
7号、同57-171334号、同58-111941号、同61-53643号、
同61-84646号、同61-86751号、同61-102646号、同61-10
2647号、同61-107245号、同61-113060号等に記載された
方法によって合成する事が出来る。 本発明において用いられる上記DSR化合物から現像時
に画像の濃度に対応して放出される酸化された現像主薬
とカップリング反応もしくは酸化還元反応する化合物乃
至はそのプレカーサーは、層内においては、その層が感
光乳剤層である場合に、画像濃度に対応して色素形成反
応(カップリング反応)を抑制し、画像の鮮鋭度向上等
の所謂イントラ・イメージ効果を生じ、また一方、放出
された現像主薬酸化体をスカベンジする化合物が他層に
拡散する場合には、他層の色素形成反応を拡散源の層の
画像の濃度に対応して阻害するマスク作用等の所謂イン
ター・イメージ効果を生じることができ、このような2
種のイメージ効果を得ることが可能である。 上記DSR化合物は、感光性ハロゲン化銀乳剤層及び/
または非感光性の写真構成層に添加することができる。
好ましくはハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に含有
させればよい。例えば青感光性ハロゲン化銀乳剤層と緑
感光性ハロゲン化銀乳剤層と赤感光性ハロゲン化銀乳剤
層とを有する通常の多層カラー写真感光材料に適用する
場合には、これらの1層あるいは2層以上に含有させる
ことができる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料のハロゲン
化銀乳剤層の少なくとも1層は、実質的に塩化銀、塩臭
化銀、または塩沃臭化銀から成るハロゲン化銀を有す
る。これは塩化銀と臭化銀の混合物等の組合せ混合物で
ある場合も含む。「実質的に」とは、上記成分の作用効
果を阻害しない程度の他のハロゲン化銀成分を含有する
ことは妨げないことを意味する。即ち速い現像性を実現
するために、ハロゲン化銀のハロゲン組成として塩素原
子を含むことが好ましく、少なくとも1%の塩化銀を含
有する塩臭化銀または塩沃臭化銀であることが特に好ま
しい。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料におけるハ
ロゲン化銀乳剤層の銀量(銀付量)は特に限定はない
が、感光性ハロゲン化銀乳剤層の全体で0.3〜1.5g/m2と
されるのが好ましい。即ち、優れた画質を得るために
は、該銀量が1g/m2以下であることが好ましく、一方、
高い最高濃度及び高い感度を得るためには、該銀量が0.
3g/m2以上であることが好ましい。 本発明をカラー印画紙として具体化する場合、ハロゲ
ン化銀としてネガ型のハロゲン化銀粒子が用いられまた
本発明を直接ポジ感光材料として具体化する場合には、
内部潜像型ハロゲン化銀粒子を用るのが好ましい。カラ
ー印画紙に用いられるハロゲン化銀粒子について述べれ
ば、その結晶は、正常晶でも双晶でもその他でもよく、
[1.0.0]面と[1.1.1]面の比率は任意にものが使用で
きる。更に、これらのハロゲン化銀粒子の結晶構造は、
内部から外部まで均一なものであっても、内部と外部が
異質の層状構造(コア・シェル型)をしたものであって
もよい。また、これらのハロゲン化銀は潜像を主として
表面に形成する型のものでも、粒子内部に形成する型の
ものでもよい。さらに平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
こともできる。 本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀乳剤は、単
分散性のものであり、これは、従来から知られている酸
性法、中性法またはアンモニア法等のいずれの調製法に
より得られたものでもよい。 また例えば種粒子を酸性法でつくり、更に、成長速度
の速いアンモニア法により成長させ、所定の大きさで成
長させる方法でもよい。ハロゲン化銀粒子を成長させる
場合に反応釜内のpH、pAg等をコントロールし、例えば
特開昭54-48521号に記載されているようなハロゲン化銀
粒子の成長速度に見合った量の銀イオンとハライドイオ
ンを逐次同時に注入混合することが好ましい。 本発明に用いるハロゲン化銀粒子の調製は、以上のよ
うにして行われるのが好ましい。 本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、活性ゼラチン;
硫黄増感剤例えばアリルチオカルバミド、チオ尿素、シ
スチン等の硫黄増感剤;セレン増感剤;還元増感剤例え
ば第1スズ塩、二酸化チオ尿素、ポリアミン等;貴金属
増感剤例えば金増感剤、具体的にはカリウムオーリチオ
シアネート、カリウムクロロオーレート、2−オーロチ
オ−3−メチルベンゾチアゾリウムクロライド等あるい
は例えばルテニウム、パラジウム、白金、ロジウム、イ
リジウム等の水溶性塩の増感剤、具体的にはアンモニウ
ムクロロパラデート、カリウムクロロプラチネート及び
ナトリウムクロロパラデート(これらの或る種のものは
量の大小によって増感剤あるいはカブリ抑制剤等として
作用する。)等により単独であるいは適宜併用(例えば
金増感剤と硫黄増感剤の併用、金増感剤とセレン増感剤
との併用等)して化学的に増感されてもよい。 ハロゲン化銀乳剤は、含硫黄化合物を添加して化学熟
成し、この化学熟成する前、熟成中、または熟成後、少
なくとも1種のヒドロキシテトラザインデン及びメルカ
プト基を有する含窒素ヘテロ環化合物の少なくとも1種
を含有せしめてもよい。 本発明に用いられるハロゲン化銀は、各々所望の感光
波長域に感光性を付与するために、適当な増感色素をハ
ロゲン化銀1モルに対して5×10-8〜3×10-3モル添加
して光学増感させてもよい。増感色素としては種々のも
のを用いることができ、また各々増感色素を1種または
2種以上組合せて用いることができる。本発明において
有利に使用される増感色素としては、例えば次の如きも
のを挙げることができる。 即ち、青感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられる増感
色素としては、例えば西独特許929,080号、米国特許2,2
31,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同2,519,00
1号、同2,912,329号、同3,656,959号、同3,672,897号、
同3,694,217号、同4,025,349号、同4,046,572号、英国
特許1,242,588号、特公昭44-14030号、同52-24844号等
に記載されたものを挙げることができる。また緑感光性
ハロゲン化銀乳剤に用いられる増感色素としては、例え
ば米国特許1,939,201号、同2,072,908号、同2,739,149
号、同2,945,763号、英国特許505,979号等に記載されて
いる如きシアニン色素、メロシアニン色素または複合シ
アニン色素をその代表的なものとして挙げることができ
る。さらに、赤感光性ハロゲン化銀乳剤に用いられる増
感色素としては、例えば米国特許2,269,234号、同2,27
0,378号、同2,442,710号、同2,454,629号、同2,776,280
号等に記載されている如きシアニン色素、メロシアニン
色素または複合シアニン色素をその代表的なものとして
挙げることができる。更に米国特許2,213,995号、同2,4
93,748号、同2,519,001号、西独特許929,080号等に記載
されている如きシアニン色素、メロシアニン色素または
複合シアニン色素を緑感光性ハロゲン化銀乳剤または赤
感光性ハロゲン化銀乳剤に有利に用いることができる。 これらの増感色素は単独で用いてもよく、またこれら
を組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特に超色
増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米国特
許2,688,545号、同2,977,229号、同3,397,060号、同3,5
22,052号、同3,527,641号、同3,617,293号、同3,628,96
4号、同3,666,480号、同3,672,898号、同3,679,428号、
同3,703,377号、同3,769,301号、同3,814,609号、同3,8
37,862号、同4,026,707号、英国特許1,344,281号、同1,
507,803号、特公昭43-4936号、同53-12375号、特開昭52
-110618号、同52-109925号に記載されている。 次に本発明を直接ポジ感光材料に適用する場合に使用
される内部潜像型ハロゲン化銀乳剤について述べる。直
接ポジ感光材料とする場合も、そのハロゲン化銀乳剤の
少なくとも1層は実質的に塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀からなるハロゲン化銀を有するが、このような乳剤と
しては、例えば米国特許2,592,250号に記載されている
変換方法による所謂コンバージョン型ハロゲン化銀乳
剤、または米国特許3,206,316号、同3,317,322号及び同
3,367,778号に記載されている内部化学増感されたハロ
ゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、または米国特
許第3,271,157号、同3,447,927号及び同3,531,291号に
記載されている多価金属イオンを内臓しているハロゲン
化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、または米国特許3,
761,276号に記載されているドープ剤を含有するハロゲ
ン化銀粒子の粒子表面を弱く化学増感したハロゲン化銀
乳剤、または特開昭50-8524号、同50-38525号及び同53-
2408号に記載されている積層方法による所謂コア・シェ
ル型ハロゲン化銀乳剤、その他特開昭52-156614号、同5
5-127549号及び同57-79940号に記載されているハロゲン
化銀乳剤などが挙げられる。 本発明に内部潜像型ハロゲン化銀を用いる場合には、
積層型粒子でつくられたものが特に好ましい。 このようなハロゲン化銀は通常の積層型ハロゲン化銀
と同様にして製造することができる。例えば特開昭50-8
524号、同50-38525号、同53-60222号、同55-1524号及び
米国特許3,206,313号等に記載される如く、塩化銀粒子
を形成後臭化物を加えて臭化銀粒子に変換し、更にハロ
ゲン化銀を硝酸銀を加えて積層する方法或いは過剰ハロ
ゲンの少ない状態で沃臭化銀粒子を作り、更に塩化銀、
臭化銀を順次積層していく方法等で製造することができ
る。 本発明に用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤には、各
種の写真用添加剤を加えることが出来る。例えば、本発
明において使用し得る光学増感剤としては、シアニン
類、メロシアニン類、三核または四核メロシアニン類、
三核または四核シアニン類、スチリル類、ホロボーラシ
アニン類、ヘミシアニン類、オキソノール類及びヘミオ
キソノール類等が挙げられる。 本発明に用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤は超色増
感することができる。超色増感の方法については、例え
ば「超色増感の機構の総説」(レビュー・オブ・スーパ
ーセンシタイゼーション)、Review of Supersensitiza
tion"、(フォトグラフィック・サイエンス・アンド・
エンジニアリング)、Photographic Science and Engin
eering";(PSE)Vol.18,第4418頁(1974)に記載されて
いる。 本発明に用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤には、表
面感度をできるだけ低く抑え、より低い最小濃度及びよ
り安定な特性を付与せしめるために通常用いられる安定
剤、例えばアザインデン環を持つ化合物及びメルカプト
基を有する複素環式化合物等を含有させることができ
る。 アザインデン環をもつ化合物としては、例えば4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンが
好ましい。またメルカプト基を複素環式化合物のうち含
窒素ヘテロ環化合物としてはピラゾール環、1,2,4−ト
リアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,4−チアジ
アゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、1,2,4−チアジ
アゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,2,3,4−テト
ラゾール環、ピリダジン環、1,2,3−トリアジン環、1,
2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環等、さらにこ
れらの環が2〜3個縮合した環、例えばトリアゾロトリ
アゾール環、ジアザインデン環、トリアザインデン環、
テトラザインデン環、ペンタザインデン環等、またフタ
ラジノン環、インダゾール環などが挙げられるが、特に
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールが好まし
い。 本発明においては、前記した一般式〔Y−I〕で表さ
れるイエローカプラー及びDSR化合物をそれぞれ少なく
とも1種用いるが、本発明の感光材料のハロゲン化銀乳
剤層には、それ以外のカプラー、即ち、発色現像主薬の
酸化体と反応して色素を形成し得る化合物を含有させる
ことができる。 本発明において使用できる上記カプラーとしては各種
のマゼンタカプラー、及びシアンカプラーを特別の制限
なく用いることができ、また前記一般式〔Y−I〕で表
されるイエローカプラーと併用してそれ以外のイエロー
カプラーを用いることができる。 これらのカプラーはいわゆる2当量型であってもよい
し4当量型カプラーであってもよく、またこれらのカプ
ラーに組合せて、拡散性色素放出型カプラー等を用いる
ことも可能である。 本発明に係る一般式〔Y−I〕で表されるイエローカ
プラーを併用して用いることができるイエローカプラー
としては、開鎖ケトメチレン化合物さらにいわゆる2当
量型カプラーと称される活性点−o−アリール置換カプ
ラー、活性点−o−アシル置換カプラー、活性点ヒダン
トイン化合物置換カプラー、活性点ウラゾール化合物置
換カプラー及び活性点コハク酸イミド化合物置換カプラ
ー、活性点フッ素置換カプラー、活性点塩素あるいは臭
素置換カプラー、活性点−o−スルホニル置換カプラー
等が有効なイエローカプラーとして用いることができ
る。用い得るイエローカプラーの具体例としては、米国
特許2,875,057号、同3,265,506号、同3,408,194号、同
3,551,155号、同3,582,322号、同3,725,072号、同3,89
1,445号、西独特許1,547,868号、西独出願公開2,219,91
7号、同2,261,361号、同2,414,006号、英国特許1,425,0
20号、特公昭51-10783号、特開昭47-26133号、同48-731
47号、同51-102636号、同50-6341号、同50-123342号、
同50-130442号、同51-21827号、同50-87650号、同52-82
424号、同52-115219 58-95346号等に記載されたものを
挙げることができる。 但し、これら一般式〔Y−I〕で示されるもの以外の
イエローカプラーを併用する場合、効果の点で、一般式
〔Y−I〕で示されるイエローカプラーに対し50モル%
以下であることが好ましい。 また本発明において用いることができるマゼンタカプ
ラーとしては、ピラゾロン系、ピラゾロアゾール系、ピ
ラゾリノベンツイミダゾール系、インダゾロン系の化合
物を挙げることができる。 これらのマゼンタカプラーはイエローカプラーと同様
4当量型カプラーだけでなく、2当量型カプラーであっ
てもよい。マゼンタカプラーの具体例としては米国特許
第2,600,788号、同2,983,608号、同3,062,653号、同3,1
27,269号、同3,311,476号、同3,419,391号、同3,519,42
9号、同3,558,319号、同3,582,322号、同3,615,506号、
同3,834,908号、同3,891,445号、西独特許1,810,464
号、西独特許出願(OLS)2,408,665号、同2,417,945
号、同2,418,959号、同2,424,467号、特公昭40-6031
号、特開昭51-20826号、同52-58922号、同49-129538
号、同49-74027号、同50-159336号、同52-42121号、同4
9-74028号、同50-60233号、同51-26541号、同53-55122
号、特願昭55-110943号等に記載されたものを挙げるこ
とができる。 これらのマゼンタカプラーの中で特に好ましいもの
は、前記した一般式〔M−I〕で示されるものである。 さらに本発明において用いられる有用なシアンカプラ
ーとしては、例えばフェノール系、ナフトール系カプラ
ー等を挙げることができる。そしてこれらのシアンカプ
ラーはイエローカプラーと同様4当量型カプラーだけで
なく、2当量型カプラーであってもよい。シアンカプラ
ーの具体例としては米国特許第2,369,929号、同2,434,2
72号、同2,474,293号、同2,521,908号、同2,895,826
号、同3,034,892号、同3,311,476号、同3,458,315号、
同3,476,563号、同3,583,971号、同3,591,383号、同3,7
67,411号、同4,004,929号、西独特許出願(OLS)2,414,
830号、同2,454,329号、特開昭48-59838号、同51-26034
号、同48-5055号、同51-146872号、同52-69624号、同52
-90932号、同58-95346号等に記載のものを挙げることが
できる。 これらのシアンカプラーの中で特に好ましいものは、
前記した一般式〔PC−I〕および〔PC−II〕で示される
ものである。 本発明に使用できる上記各種のカプラーを本発明の写
真構成層中に添加する方法は、前記DSR化合物の添加方
法を参照することができ、その添加量は限定的ではない
が、銀1モル当り1×10-3〜5モルが好ましく、より好
ましくは1×10-2〜5×10-1モルである。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には他に各
種の写真用添加剤を含有せしめることができる、例えば
リサーチ・ディスクロージャー誌17643号に記載されて
いるカブリ防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、色汚染防止
剤、蛍光増白剤、色画像褪色防止剤、帯電防止剤、硬膜
剤、界面活性剤、可塑剤、湿潤剤等を用いることができ
る。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
乳剤を調製するために用いられる親水性コロイドには、
ゼラチン、誘導体ゼラチン、ゼラチンと他の高分子との
グラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、
ヒドロキシエチルセルロース誘導体、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリ
ルアミド等の単一あるいは共重合体の合成親水性高分子
等の任意のものが包含される。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持体は
任意であり、各種のものを用いることができる。カラー
印画紙等に適用する場合、反射性を有する支持体であれ
ばいずれのものでもよく、例えばバライタ紙、ポリエチ
レン被覆紙、ポリプロピレン合成紙、反射層を併設し
た、または反射体を併用する透明支持体、例えばガラス
板、セルロースアセテート、セルロースナイトレートま
たはポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。透明な支持
体ももちろん使用することができ、透明支持体として
は、例えば必要に応じて下引加工したポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ
スチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルロー
スアセテートフィルム等があげられ、これらの支持体は
感光材料の使用目的に応じて適宜選択される。 本発明において用いられるハロゲン化銀乳剤層及びそ
の他の写真構成層の塗設には、ディッピング塗布、エア
ードクター塗布、カーテン塗布、ホッパー塗布等種々の
塗布方法を用いることができる。また米国特許2,761,79
1号、同2,941,898号に記載の方法による2層以上の同時
塗布法を用いることもできる。 本発明においては各乳剤層の塗設位置を任意に定める
ことができる。例えばフルカラーの印画紙用感光材料の
場合には、支持体側から順次青感光性ハロゲン化銀乳剤
層、緑感光性ハロゲン化銀乳剤層、赤感光性ハロゲン化
銀乳剤層の配列とすることが好ましい。これらの感光性
ハロゲン化銀乳剤層は各々2以上の層から成っていても
よい。 本発明の感光材料において、目的に応じて適当な厚さ
の中間層を設けることは任意であり、更にフィルター
層、カール防止層、保護層、アンチハレーション層等の
種々の層を構成層として適宜組合せて用いることができ
る。これらの構成層には結合剤として前記のような乳剤
層に用いることのできる親水性コロイドを同様に用いる
ことができ、またその層中には前記の如き乳剤層中に含
有せしめることができる種々の写真用添加剤を含有せし
めることができる。 本発明の写真感光材料の処理方法については特に制限
はなく、あらゆる処理方法が適用できる。例えば、その
代表的なものとしては、発色現像あるいはカブリ現像
後、漂白定着処理を行い必要ならさらに水洗及び/また
は安定処理を行う方法、発色現像あるいはカブリ現像
後、漂白と定着を分離して行い、必要に応じさらに水洗
及び/または安定処理を行う方法等がある。 本発明の感光材料の処理に用いられる発色現像液は、
発色現像主薬を含む、pHが好ましくは8以上、更に好ま
しくはpHが9〜12のアルカリ性水溶液である。この発色
現像主薬としては芳香族第1級アミン現像主薬が通常使
用され、これは芳香族環上に第1級アミン基を持ち露光
されたハロゲン化銀を現像する能力のある化合物であ
る。さらに必要に応じてこのような化合物を形成する前
駆体を添加してもよい。 上記発色現像主薬としてはp−フェニレンジアミン系
のものが代表的であり、次のものが好ましい例として挙
げられる。 即ち例えば、4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、
3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4
−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−β−ヒドロキシエ
チルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−
N−β−メトキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メトキシ−4−アミノ−N−エチル−
N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メトキシ−4
−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリ
ン、3−アセトアミド−4−アミノ−N,N−ジメチルア
ニリン、N−エチル−N−β−〔β−(β−メトキシエ
トキシ)エトキシ〕エチル−3−メチル−4−アミノア
ニリン、N−エチル−N−β−(β−メトキシエトキ
シ)エチル−3−メチル−4−アミノアニリンや、これ
らの塩例えば硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエン
スルホン酸塩等である。 さらに、例えば特開昭48-64932号、同50-131526号、
同51-95849号及びベント等のジャーナル・オブ・ジ・ア
メリカン・ケミカル・ソサエティー、73巻、3100〜3125
頁(1951年)記載のものも代表的なものとして挙げられ
る。 これらの芳香族第1級アミノ化合物の使用量は、現像
液の活性度をどこに設定するかできまるが、活性度を上
げるためには使用量を増加してやるのが好ましい。使用
量としては0.0002モル/lから0.7モル/lまでの範囲で用
いられる。また目的によって2つ以上の化合物を適宜組
合せて使用することができる。例えば3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリンと3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアミリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−メタンスルホンアミドエチルアニリンと3−メチ
ル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチ
ルアニリン等の組合せ等目的に応じて自由に組合せ使用
し得る。 本発明の感光材料を処理するために用いられる発色現
像液には、更に通常添加されている種々の成分、例えば
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、ア
ルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属亜硫酸水素塩、アル
カリ金属チオシアン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、
ベンジルアルコール、水軟化剤、濃厚化剤、及び現像促
進剤等を任意に含有させることもできる。 上記発色現像液に添加される上記以外の添加剤として
は、例えば臭化カリウム、臭化アルミニウム等の臭化
物、沃化アルカリ、ニトロベンゾイミダゾール、メルカ
プトベンゾイミダゾール、5−メチル−ベンゾトリアゾ
ール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等の
迅速処理液用化合物を始めとして、ステイン防止剤、ス
ラッジ防止剤、保恒剤、重層効果促進剤、キレート剤等
がある。 また本発明を直接ポジ型内部潜像型ハロゲン化銀写真
感光材料に具体化した場合、直接ポジ画像を形成する主
要な工程は、予めカブラされていない内部潜像型ハロゲ
ン化銀写真感光材料を画像露光後カブリ処理を施した
後、乃至はカブリ処理を施しながら、表面画像を行なう
ことが一般的である。ここでカブリ処理は、全面均一露
光を与えるか若しくはカブリ剤を用いることにより行う
ことができる。この場合、全面均一露光は画像露光した
内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料を現像液或いはそ
の他の水溶液に浸漬するかまたは湿潤させた後、全面的
に均一露光することによって行なわれることが好まし
い。ここで使用する光源としては内部潜像型ハロゲン化
銀写真感光材料の感光波長域内の光であればいずれでも
よく、またフラッシュ光の如き高照度光を短時間照射す
ることもできるし、または弱い光を長時間照射してもよ
い。全面均一露光の時間は内部潜像型ハロゲン化銀写真
感光材料、現像処理条件、使用する光源の種類等によ
り、最終的に最良のポジ画像が得られるよう広範囲に変
えることができる。また、上記カブリ剤としては広範な
種類の化合物を用いることができ、このカブリ剤は現像
処理時に存在すればよく、例えばハロゲン化銀乳剤層等
の内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料中あるいは現像
液あるいは現像処理に先立つ処理液に含有せしめてもよ
いが、内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料中に含有せ
しめるのがよい(その中でも、特にハロゲン化銀乳剤層
中がよい)。またその使用量は目的に応じて広範囲に変
えることができ、好ましい添加量としては、ハロゲン化
銀乳剤層中に添加するときは、ハロゲン化銀1モル当り
1〜1500mg、特に好ましくは10〜1000mgである。また、
現像液等の処理液に添加するときの好ましい添加量は0.
01〜5g/l、特に好ましくは0.08〜0.15g/lである。 かかるカブリ剤としては、例えば米国特許2,563,785
号、同2,588,982号に記載されているヒドラジン類、あ
るいは米国特許3,227,552号に記載されたヒドラジド、
またはヒドラジン化合物:また米国特許3,615,615号、
同3,718,470号、同3,719,494号、同3,734,738号及び同
3,759,901号等に記載された複素環第4級窒素化合物:
更に米国特許4,030,925号に記載のアシルヒドラジノフ
ェニルチオ尿素類が挙げられる。また、これらカブリ剤
は組合せて用いることもできる。例えばリサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure)第15162号には
非吸着型のカブリ剤を吸着型のカブリ剤と併用すること
が記載されており、本発明にも適用できる。 有用なカブリ剤の具体例を示せば、ヒドラジン塩酸
塩、フェニルヒドラジン塩酸塩、4−メチルフェニルヒ
ドラジン塩酸塩、1−ホルミル−2−(4−メチルフェ
ニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−フェニルヒドラ
ジン、1−アセチル−2−(4−アセトアミドフェニ
ル)ヒドラジン、1−メチルスルフォニル−2−フェニ
ルヒドラジン、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジ
ン、1−メチルスルフォニル−2−(3−フェニルスル
フォンアミドフェニル)ヒドラジン、フォルムアルデヒ
ドフェニルヒドラジン等のヒドラジン化合物が挙げられ
る。 本発明を内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料に適用
した場合は、前記の如く画像露光後、全面露光するか若
しくはカブリ剤の存在下に現像処理することによって直
接ポジ画像を形成するが、該感光材料の現像処理方法は
任意の現像処理方法が採用され、好ましくは表面現像処
理方法である。この表面現像処理方法とはハロゲン化銀
溶剤を実質的に含まない現像液で処理することを意味す
る。 これらの直接反転処理においては、露光済みのハロゲ
ン化銀写真感光材料に前述の発色現像処理及び定着能を
有する処理液による処理を施すことによって原画に対応
するポジ画像(顕像)を形成する。 本発明のカラー写真感光材料は、その処理において漂
白工程を経ることができ、あるいは漂白定着液により処
理することができる。 漂白工程の漂白液もしくは漂白定着液に用いられる漂
白剤としては、アミノポリカルボン酸または蓚酸、クエ
ン酸等の有機酸で鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配
位したものが一般に知られている。そして上記のアミノ
ポリカルボン酸の代表的な例としては次のものを挙げる
ことができる。 エチレンジアミンテトラ酢酸 ジエチレントリアミンペンタ酢酸 プロピレンジアミンテトラ酢酸 ニトリロトリ酢酸 イミノジ酢酸 エチルエーテルジアミンテトラ酢酸 エチレンジアミンテトラプロピオン酸 エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩 ジエチレントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリウム塩 ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩 漂白液は上記の漂白剤と共に種々の添加剤を含有して
もよい。また漂白工程に漂白定着液を用いる場合には、
前記漂白剤のほかにハロゲン化銀定着剤を含有する組成
の液が適用される。また漂白定着液には更に例えば臭化
カリウムの如きハロゲン化合物を含有させてもよい。そ
して前記の漂白液の場合と同様に、その他の各種の添加
剤、例えばpH緩衝剤、蛍光増白剤、消泡剤、界面活性
剤、保恒剤、キレート剤、安定剤、有機溶媒等を添加、
含有させてもよい。 なおハロゲン化銀定着剤としては、例えばチオ硫酸ナ
トリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、またはチオ尿酸、チオエ
ーテル等の通常の定着処理に用いられるようなハロゲン
化銀と反応して水溶性の銀塩を形成する化合物を挙げる
ことができる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の発色現
像、漂白定着(また漂白、定着)、更に必要に応じて行
われる水洗、安定化、乾燥等の各種処理工程の処理温度
は、迅速処理の見地からは30℃以上で行われるのが好ま
しい。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料について、
特開昭58-14834号、同58-105145号、同58-134634号及び
同58-18631号並びに特願昭58-2709号及び同59-89288号
等に示されるような水洗代替安定化処理を行ってもよ
い。 〔実施例〕 以下に本発明の具体的実施例をのべるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。 実施例−1 (ハロゲン化銀乳剤の調製) 中性法、同時混合法により、表−1に示す3種類のハ
ロゲン化銀乳剤を調製した。 用いた分光増感色素は下記のとおりである。 それぞれのハロゲン化銀乳剤は化学増感終了後に乳剤
安定剤として下記に示す(STB−1)をハロゲン化銀1
モル当り、5×10-3モル添加した。 (ハロゲン化銀カラー写真感光材料試料の作製) 次いで以下の層1〜7を両面をポリエチレンで被覆し
た紙支持体上に順次塗設(同時塗布)し、ハロゲン化銀
カラー写真感光材料(試料No.1)を作製した。(なお、
以下の実施例において、添加量は感光材料1m2当りの量
で示す。) 層1……ゼラチン1.2gと、0.29g(銀換算、以下同じ)
の青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−1)、そして0.75g
のイエローカプラー(YY−1)、0.3gの光安定剤(ST−
1)及び0.015gの2,5−ジオクチルハイドロキノン(HQ
−1)を溶解した0.3gのジノニルフタレート(DNP)を
含有している層。 層2……ゼラチン0.9gと、0.04gのHQ−1を溶解した0.2
gのジオクチルフタレート(DOP)を含有している層。 層3……ゼラチン1.4gと、0.2gの緑感光性ハロゲン化銀
乳剤(Em−2)と、0.9ミリモルのマゼンタカプラー
(M−1)と、0.25gの光安定剤(ST−2)及び0.01gの
HQ−1を溶解した0.5gのDOPと、6mgの下記フィルター染
料(AI−1)を含有している層。 層4……ゼラチン1.2gと、下記の0.6gの紫外線吸収剤
(UV−1)及び0.05gの(HQ−1)を溶解した0.3gのDNP
を含有している層。 層5……ゼラチン1.4gと、0.20gの赤感光性ハロゲン化
銀乳剤(Em−3)、及び0.4gの前記例示したシアンカプ
ラー(PC−I−2)と、0.2gの同じく前記例示したシア
ンカプラー(PC−II−2)と0.01gの(HQ−1)及び0.3
gの(ST−1)を溶解した0.3gのDOPを含有している層。 層6……ゼラチン1.1gと、0.2gの(UV−1)を溶解した
0.2gのDOP及び5mgの下記フィルター染料(AI−2)を含
有している層。 層7……ゼラチン1.0gと、0.05gの2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシトリアジンナトリウムを含有している層。 また、層3に0.14gの本発明に係るDSR化合物であるDS
R−14を添加した以外は上記試料No.1と同様にして試料N
o.2を、層1のイエローカプラーYY−1を同モルの本発
明に係る一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプラー
例示No.3に変えた以外は上記試料No.1と同様にして試料
No.3を、さらに表−2に示す如くDSR化合物及びイエロ
ーカプラー、マゼンタカプラーを変更して試料No.4〜6
を作成した。 試料作成に用いた各化合物は下記に示すとおりであ
る。 得られた試料を感光計KS−7型(小西六写真工業
(株)製)を使用し、青色光及び白色光によりウエッジ
露光した後、下記の発色現像液、漂白定着液、安定化液
を用いて下記の処理工程により処理し、青色光によりセ
ンシトメトリーを行ない、青色光露光時と白色光露光時
のガンマ(γ)を比較した。 純水を加えて全量を1とし、pH10.2に調整する。 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH5.7に調整し水を加え
て全量を1とする。 水を加えて1とし、硫酸または水酸化カリウムにて
pHを7.0に調整する。 (処理工程) 温 度 時 間 発色現像 34.7±0.3℃ 45秒 漂白定着 34.7±0.5℃ 50秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 測定結果を、まとめて表−2に示す。表−2からも明
らかなように、DSR化合物を添加しない試料No.1及びNo.
3に対してDSR化合物を添加した試料No.2,No.4,No.5及び
No.6はIIEの値が大きく、インターイメージ効果がある
ことは明らかである。 また、試料No.2とNo.4,No.5及びNo.6との比較より、
本発明に係るイエローカプラーの方がIIEの値が大き
く、色再現上好ましいことがわかる。 実施例−2 上記試料No.1〜No.6について、以下の方法によって色
再現性を評価した。 まず、カラーネガフィルタ〔サクラカラーSRV-100:小
西六写真工業(株)製〕とカメラ〔コニカFT−1MOTOR:
小西六写真工業(株)製〕を用いてマクベス社製カラー
チェッカーを撮影した。続いて、カラーネガ現像処理
〔CNK−4:小西六写真工業(株)製〕を行ない、得られ
たネガ像をサクラカラープリンターCL−P2000〔小西六
写真工業(株)製〕を用いて上記試料No.1〜No.6に82mm
×117mmの大きさでプリントし、前記実施例−1と同様
にして処理し実技プリントを得た。プリントの際のプリ
ンター条件は、カラーチェッカー上の灰色がプリント上
で灰色になるように各試料毎に設定を行なった。 得られた実技プリントについて、色再現性を評価し
た。測定結果を表−3にまとめて示した。 表−3からも明らかなように、一般式〔Y−I〕のイ
エローカプラーを用いず、かつDSR化合物も用いない試
料No.1は、青、緑、赤、黄、マゼンタ、シアンすべてに
色再現性の向上が認められない。本発明のDSR化合物を
用いるが一般式〔Y−I〕のイエローカプラーは用いな
い試料No.2は青、赤、黄、シアンに色再現性の向上が認
められ、また一般式〔Y−I〕のイエローカプラーを用
いるがDSR化合物は用いない試料No.3は、青、緑及び黄
に色再現性の向上が認められるが、いずれの試料も他の
色に対しては向上が少なく、いずれも充分とは言い難
い。 また、本発明に係るDSR化合物と本発明に係るイエロ
ーカプラーを含有するが、本発明に係る一般式〔M−
I〕で表されるマゼンタカプラーは含有しない試料No.4
は、色再現の改良効果はあるが、十分ではない。これに
対し、本発明に係るDSR化合物と本発明に係るイエロー
カプラーと本発明に係る一般式〔M−I〕で表されるマ
ゼンタカプラーを用いた試料No.5及び6は、いずれの色
に対してもきわめて良好な色再現性の向上が認められ
る。 実施例−3 この実施例は、本発明を直接ポジハロゲン化銀写真感
光材料に適用したものである。本実施例では、次のよう
にしてまず内部潜像型ハロゲン化銀乳剤を調製した。 (乳剤Sの調製) 2.0%不活性ゼラチン液750mlを50℃に保ち、撹拌しな
がら下記A1液とB液を同時に加え、3分間かけて注入し
た。25分間熟成後、沈殿水洗法により過剰塩を除去した
後再分散させC1液とD1液を加えた。10分後再度過剰の水
溶性塩を除去し、ゼラチンを少量加えてハロゲン化銀粒
子を分散させた。 (乳剤Lの調製) 1.5%不活性ゼラチン液750mlを60℃に保ち、撹拌しな
がらA2液とB液を同時に加え、15分かけて注入した。40
分間熟成後、沈殿水洗法により過剰塩を除去した後、再
分散させハイポ10mgを加えた後C2液とD2液を加えた。10
分後再度過剰の水溶性塩を除去し、ゼラチンを少量加え
てハロゲン化銀粒子を分散させた。 (乳剤Mの調製) 2.0%不活性ゼラチン液750mlを50℃に保ち、撹拌しな
がら下記A3液とB液を同時に加え、5分間かけて注入し
た。25分熟成後、沈殿水洗法により過剰塩を除去した
後、再分散させC1液とD2液を加えた。10分後再度過剰の
水溶性塩を除去し、ゼラチンを少量加えてハロゲン化銀
粒子を分散させた。 この3種の乳剤に下記のように、増感色素、カプラー
等を加えた乳剤を、表面処理されたポリエチレンラミネ
ート紙上に第1層から第9層を同時塗布し、乾燥してダ
イレクトポジ型多層カラー感光材料を作成した。 赤感光乳剤層(第1層) 乳剤S及び乳剤Mに対しそれぞれ増感色素(D−
3)、(D−4)、安定剤(T−1)、(T−2)、界
面活性剤(S−2)、更にジブチルフタレート、酢酸エ
チル、界面活性剤(S−2)、2,5−ジオクチルハイド
ロキノン及び前掲のシアンカプラー(PC−I−2)、
(PC−II−2)を含むプロテクト分散されたカプラー液
を加えた。 ゼラチンを加えそれぞれの乳剤の単独ならびに混合比
を変えてのガンマ値が1.5となるように塗布した。 第1中間層(第2層) ジオクチルフタレート、2,5−ジオクチルハイドロキ
ノン、紫外線吸収剤チヌビン328(チバガイギー社
製)、界面活性剤(S−1)を含むプロテクト分散され
た液を含むゼラチン液を用意しチヌビン塗布量0.15g/m2
となるように塗布した。 緑感光乳剤層(第3層) 乳剤Sと乳剤Mに対し増感色素(D−2)、安定剤
(T−1)、(T−2)、界面活性剤(S−2)更にジ
ブチルフタレート、酢酸エチル、2,5−ジオクチルハイ
ドロキノン、界面活性剤(S−1)、マゼンタカプラー
として一般式(M−I)の例示化合物No.10を含むプロ
テクト分散されたカプラー液を加えた。 ゼラチンを加え、更に硬膜剤(H−1)を加えて、で
きた乳剤のガンマ値が1.5となるように塗布した。 第2中間層(第4層) 第1中間層と同一処方でチヌビン328塗布量を0.2g/m2
となるよう塗布した。 イエローフィルター層(第5層) アルカリ性弱還元剤下で酸化してつくられた(中和後
ヌードル水洗法により弱還元剤を除去)イエローコロイ
ド銀及びジオクチルフタレート、酢酸エチル、界面活性
剤(S−1)、2,5−ジオクチルハイドロキノン液、界
面活性剤(S−2)及び硬膜剤(H−1)を加えてコロ
イド銀塗布量0.15g/m2となるように塗布した。 第3中間層(第6層) 第1中間層と同じ。 青感光乳剤層(第7層) 乳剤L、乳剤S及び乳剤Mに対しそれぞれ増感色素
(D−1)、安定剤(T−1)、(T−3)、界面活性
剤(S−2)、更にジブチルフタレート、酢酸エチル、
2,5−ジオクチルハイドロキノン、界面活性剤(S−
1)及びイエローカプラーとして本発明に係る一般式
(Y−I)の例示化合物No.3を含むプロテクト分散され
たカプラー液を加えた。 ゼラチンを加え、更に硬膜剤(H−1)を加えて、で
きた乳剤をガンマ値が1.5となるように混合して塗布し
た。 第3中間層(第8層) 第1中間層と同じ処方でチヌビン328塗布量0.35g/m2
となるよう塗布した。 保護層(第9層) コロイダルシリカ、塗布助剤(S−2)、硬膜剤(H
−2)、(H−3)を含むゼラチン液を用いゼラチン塗
布量1.0g/m2となるよう塗布する。 以上のようにして調製した試料を試料No.7とし、更に
試料No.7における第7層の青感光乳剤層の付量を全体に
5%増加させ、例示マゼンタカプラーNo.10の10モル%
のDSR化合物である前記DSR-14にかえたものを試料No.8
とした。 また試料No.7における第1層の赤感光乳剤層の付量を
全体に8%増加させ、シアンカプラー(PC−I−2)及
び(PC−II−2)の15モル%をDSR化合物であるDSR-21
にかえたものを試料No.9とした。 更に試料No.7の第3層の付量を全体に5%増加させ、
マゼンタカプラーNo.10の10モル%をDSR化合物であるDS
R-14にかえ、第1層の付量を全体に8%増加させ、シア
ンカプラー(PC−I−2)及び(PC−II−2)の15モル
%をDSR化合物であるDSR-21にかえたものを試料No.10と
した。 また表−4に示すように、DSR化合物及びイエローカ
プラーを変えて、試料No.11〜No.16を調製した。 本実施例で用いた各化合物は以下に示すとおりであ
る。 次に試料No.7,No.8についてはそれぞれ緑色光のベタ
露光もしくは緑色光のウエッジ露光を行い、下記の発色
現像液、漂白定着液、及び安定化液を用いて、下記の処
理工程によって処理した。 試料No.7,No.8について緑色ウエッジ露光を行った場
合のR,B,Gの各濃度とlogEの関係は、第1図、第2図の
とおりであった。 本発明の試料No.8をウエッジ露光をした場合、第2図
のように緑色濃度が増加すると赤色濃度、青色濃度が減
少するので、DSR化合物を含有させた緑感光乳剤層であ
るオルソ層からの青感光乳剤層(レギュラー層)、赤感
光乳剤層(パン層)に対するインターイメージ効果が生
じていることがわかる。 一方、比較試料である試料No.7をウエッジ露光しても
第1図のようであり、インターイメージ効果は認められ
なかった。 処理液組成 水を加えて全量1とし、pH10.20に調整する。 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し水を加え
て全量を1とする。 水を加えて全量を1とし、水酸化アンモニウムまた
は硫酸でpH7.0に調整する。 なお安定化処理は2槽構成の向流方式である。 また前記のようにして調製した試料No.7〜No.16につ
いて、それぞれコニカカラー7(小西六写真工業株式会
社製のカラー複写機)を用いて露光現像、定着の写真処
理を行ない、マクベス社製カラーチェッカーのコピーを
作製した。 なお各試料については、上記写真処理終了後の画像感
度のγ値のバランスは、ニュートラルの再現が完全にで
きるように予め複写機中にセットされたフィルターによ
り調製した。 コピーについては、色再現性を評価した。評価結果を
表−4に示す。 表−4からも明らかなように、本発明に係るイエロー
化合物を使用した試料No.7は本発明外のイエローカプラ
ーを用いた試料No.16に対して黄、緑の色再現性の向上
が認められるが、そのレベルは充分とは言いがたい。こ
れに対して本発明に係るイエローカプラーを使用し、さ
らに緑感光性層に本発明に係る一般式〔M−I〕で表さ
れるマゼンタカプラー(例示化合物No.10)を使用する
とともに本発明のDSR化合物を添加した本発明の試料No.
8及び赤感光性層にDSR化合物を添加した本発明の試料N
o.9においては、ほとんどの色に対して満足すべき色再
現性が得られる。 また、さらに本発明に係るイエローカプラーを用い本
発明に係るDSR化合物を緑感光性層と赤感光性層の相方
に使用した本発明の試料No.10〜15においては全ての色
に対して非常に良好な色再現性が得られる。 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、色再現性の優れた
ハロゲン化銀写真感光材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は比較試料と本発明の試料について緑色
光でウエッジ露光を行ってから現像処理を行った場合の
R,B,Gの濃度とlogEの関係を示す図である。
光でウエッジ露光を行ってから現像処理を行った場合の
R,B,Gの濃度とlogEの関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
G03C 7/38 G03C 7/38
(72)発明者 木田 修二
東京都日野市さくら町1番地 小西六写
真工業株式会社内
(72)発明者 石毛 修
東京都日野市さくら町1番地 小西六写
真工業株式会社内
(56)参考文献 特開 昭58−111941(JP,A)
特開 昭61−151647(JP,A)
特開 昭55−598(JP,A)
特開 昭61−145554(JP,A)
特開 昭57−155537(JP,A)
特開 昭59−177557(JP,A)
特開 昭61−28948(JP,A)
特開 昭61−65247(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤を有
する直接観察用のハロゲン化銀写真感光材料において、
該ハロゲン化銀乳剤層が実質的に塩化銀、塩臭化銀、塩
沃臭化銀からなるハロゲン化銀を含有し、且つ前記ハロ
ゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に、下記一般式〔Y−
I〕で表されるイエローカプラーの少なくとも1つを含
有するとともに、前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
一層に、下記一般式〔M−I〕で表されるマゼンタカプ
ラーの少なくとも1つを含有し、更に写真構成層のいず
れかの少なくとも1層に下記一般式〔I〕で表される現
像主薬の酸化生成物と反応して該酸化物をスカベンジし
得る化合物、あるいはその前駆体を放出し得る化合物の
少なくとも1つを含有することを特徴とする直接観察用
のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔Y−I〕 [式中、Ry1はアルキル基またはシクロアルキル基を表
し、Ry2はアルキル基、シクロアルキル基、アシル基ま
たはアリール基を表し、Ry3はベンゼン環に置換可能な
基を表す。nは0または1を表す。Ry4はカルボニルま
たはスルホニル単位を有する結合基を1つ含む有機基を
表し、Jは (Ry5は水素原子、アルキル基、アリール基または複素
環基を表す。)を表す。Xy1は発色現像主薬の酸化体と
の反応により 離脱しうる基を表す。] 一般式〔M−I〕 一般式〔M−I〕中、Zは含窒素複素環を形成するに必
要な表金属原子群を表し、該Zにより形成される環は置
換基を有してもよい。 Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応によ
り離脱しうる基を表す。 またRは水素原子または置換基を表す。 一般式〔I〕 CoupTimelSC [式中、Coupは、発色現像主薬酸化体との反応により (Time)lSCを放出し得るカプラー残基を表し、 Timeは、Coupから放出された後、SCを放出することがで
きるタイミング基を表し、SCはCoupから放出された後、
発色現像主薬酸化体を酸化還元反応またはカップリング
反応によりスカベンジし得る発色現像主薬酸化体のスカ
ベンジャーを表し、 lは0または1を表す。]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62298212A JP2711452B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-11-26 | 色再現性の優れたハロゲン化銀写真感光材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62-202512 | 1987-08-13 | ||
JP20251287 | 1987-08-13 | ||
JP62298212A JP2711452B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-11-26 | 色再現性の優れたハロゲン化銀写真感光材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01131559A JPH01131559A (ja) | 1989-05-24 |
JP2711452B2 true JP2711452B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=26513427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62298212A Expired - Lifetime JP2711452B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-11-26 | 色再現性の優れたハロゲン化銀写真感光材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711452B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JPH03125140A (ja) * | 1989-10-08 | 1991-05-28 | Konica Corp | 新規なイエローカプラーを含有するハロゲン化銀写真感光材料 |
Family Cites Families (8)
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---|---|---|---|---|
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JPS57155537A (en) * | 1981-03-20 | 1982-09-25 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | Color photographic sensitive silver halide material |
JPS58111941A (ja) * | 1981-12-16 | 1983-07-04 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | ハロゲン化銀カラ−写真感光材料 |
JPS59177557A (ja) * | 1983-03-28 | 1984-10-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハロゲン化銀カラ−写真感光材料 |
JPS6128948A (ja) * | 1984-07-19 | 1986-02-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハロゲン化銀カラ−写真感光材料 |
JPS6165247A (ja) * | 1984-09-07 | 1986-04-03 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハロゲン化銀カラ−写真感光材料 |
JPS61145554A (ja) * | 1984-12-19 | 1986-07-03 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | ハロゲン化銀写真感光材料 |
JPS61151647A (ja) * | 1984-12-26 | 1986-07-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハロゲン化銀カラ−写真用カプラ− |
-
1987
- 1987-11-26 JP JP62298212A patent/JP2711452B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01131559A (ja) | 1989-05-24 |
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