JP2701380B2 - インパクト型ドットプリンタ - Google Patents

インパクト型ドットプリンタ

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JP2701380B2
JP2701380B2 JP27392288A JP27392288A JP2701380B2 JP 2701380 B2 JP2701380 B2 JP 2701380B2 JP 27392288 A JP27392288 A JP 27392288A JP 27392288 A JP27392288 A JP 27392288A JP 2701380 B2 JP2701380 B2 JP 2701380B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は圧電型印字ヘッドを備えたインパクト型ドッ
トプリンタに関するものであり、特に、プリンタを高価
にすることなく、印字媒体の厚さ(以下、媒体厚とい
う。)等の変化にかかわらず印字品質を良好に保つ技術
に関するものである。
〔発明の背景〕
インパクト型ドットプリンタは一般に、(a)圧電素
子およびその圧電素子の変位に基づいて印字用紙,封
筒,綴り用紙(複数枚の紙が互に重なり合って一体とな
ったもの。)等印字媒体にドットを印刷する印字ワイヤ
を有する印字ヘッドと、(b)ドット印刷指令に応じ
て、駆動電圧を圧電素子に印加することにより印字ワイ
ヤを印字媒体に押し付けさせる圧電素子制御装置とを含
むように構成される。
この種のプリンタにおいては、印字媒体の厚さが薄い
程、あるいは圧電素子の温度が高い程、非作用位置にお
ける印字ワイヤと印字媒体との間のギャップ(以下、初
期ギャップという。)が増大する。圧電素子の温度が上
昇すると、それに伴って圧電素子の初期寸法、すなわ
ち、圧電素子に駆動電圧が全く印加されていない状態で
の圧電素子の変位方向における寸法が減少し、その結
果、印字媒体の厚さが変化しなくても、印字ワイヤと印
字媒体とのギャップが増大することとなるのである。
したがって、ドット印刷指令に応じて、一定の大きさ
の駆動電圧が圧電素子に印加され、ドット印刷時に圧電
素子が一定の大きさで変位させられ、その結果、印字ワ
イヤが一定の大きさのストロークで印字媒体に接近させ
られる場合には十分な印字品質が得られない。初期ギャ
ップが印字ワイヤの一定ストロークより大きな場合に
は、印字ワイヤが印字媒体に到達し得ず、印字がされな
いか薄くなるのであり、逆に、小さい場合には、印字ワ
イヤ,圧電素子の変位を印字ワイヤに伝達する変位伝達
機構等に必要以上の負荷が加えられ、あるいは印字媒体
が損傷される。そこで、従来は、ドット印刷に先立っ
て、印字ヘッドを印字媒体に対して機械的に接近離間さ
せ、初期ギャップを一定の大きさに修正した状態で印字
することが行われていた。しかし、このようにすると、
装置構造が複雑となり、プリンタが高価となることを避
け得ない。
このような事情に鑑み、本出願人は先に次のようなイ
ンパクト型ドットプリンタを開発し、特願昭62−277011
号として出願中である。この開発装置においては、前記
圧電素子制御装置が、初期ギャップが大きい程大きな電
圧を前記駆動電圧として圧電素子に印加するものとされ
ており、ドット印刷時における印字ワイヤのストローク
の大きさが初期ギャップに応じて変化させられる。した
がって、初期ギャップが変化しても、それに合わせてい
ちいち印字ヘッドと印字媒体との相対位置を変化させな
くてもよくなり、安価なプリンタが得られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、本出願人によるその後の研究により、開発装
置には次のような問題があることが判明した。開発装置
においては、ドット印刷指令に被じて印字ワイヤが初期
ギャップと等しい大きさのストロークで一度に変位させ
られるため、初期ギャップが大きい程、印字ワイヤの押
付け時に印字ワイヤと印字媒体との間に高い印字圧が発
生する。そのため、例えば、媒体厚の変化に起因して初
期ギャップの大きさが変化した場合には、印字媒体の厚
さが薄い程印字圧が高くなって印字媒体が損傷し易く、
厚い程印字圧が低くなって印字が不鮮明となってしまう
のである。
さらに、開発装置においては、媒体厚が一定であって
も圧電素子の温度が増大すれば、それに伴って初期ギャ
ップが増大するため、圧電素子の温度変化に起因して印
字圧が変動し、印字品質が低下するという問題がある。
そこで、本発明はこれらの問題を解決することを課題
として為されたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような目的を達成するために、圧電素子
およびその圧電素子の変位に基づいて印字媒体にドット
を印刷する印字ワイヤを有する印字ヘッドと、 動的電圧の非印加時における前記印字ワイヤの先端と
印字媒体間のギャップの大きさを調整すべく所定の大き
さの静的電圧を前記圧電素子に印加し、ドット印刷指令
に応じて、予め定められた大きさの動的電圧を圧電素子
に前記静的電圧に加えて印加することにより前記印字ワ
イヤを印字媒体に押し付けさせる圧電素子制御装置と を具備した構成に特徴を有する。
なお、本発明は、圧電素子の温度が一定に保たれる
か、あるいは温度が変化してもそれに起因して初期キャ
ップが変化することがないように対策されているため、
初期ギャップの変化が媒体厚の変化のみに起因して発生
するプリンタに対しても、使用可能な印字媒体の厚さが
一定の厚さに定められているため、初期ギャップの変化
が圧電素子の温度変化のみに起因して発生するプリンタ
に対しても、初期ギャップの変化が圧電素子の温度変化
および媒体厚変化の双方に起因して発生するプリンタに
対しても適用することができる。
また、印字ワイヤを印字媒体に押し付けてドットを印
刷させる態様として、印字ワイヤを、印字圧に応じて発
色するいわゆる感圧媒体に直に押し付けることにより感
圧媒体にドットを印刷させることも、印字ワイヤを印字
リボン等を介して印字媒体に押し付けることにより、印
字媒体上にドットを印刷することもできる。
また、初期ギャップの大きさは、それを検出する初期
ギャップ検出手段からのギャップ信号に基づいて直接的
に求めることも、オペレータによって入力される媒体厚
に関する情報や、媒体厚を機械的,電気的あるいは光学
的に検出する媒体厚検出手段からの媒体厚信号や、圧電
素子の温度を検出する温度検出手段からの温度信号など
に基づいて間接的に求めることもできる。
〔作用〕
本発明に係るインパクト型ドットプリンタにおいて
は、ドット印刷に先立って、圧電素子に静的電圧が印加
され、圧電素子が、印字ワイヤを印字媒体に押し付ける
には足りない程度に予め変位させられる。そして、ドッ
ト印刷指令に応じて圧電素子に動的電圧が静的電圧に加
えて印加され、印字ワイヤが予め変位させられた位置か
らさらに印字媒体に接近させられ、やがて印字媒体に押
し付けられる。つまり、本発明に係るプリンタにおいて
は、圧電素子の変位が、静的電圧の印加に伴う第1段階
の変位と、動的電圧の印加に伴う第2段階の変位との2
段階で行われ、ドット印刷時に発生する印字圧が、圧電
素子の第2段階での変位量、すなわち動的電圧の大きさ
で決まることとなるのである。
したがって、動的電圧の大きさを、例えば、一定の高
さの印字圧に対応して一定に決めることができる。この
ようにすれば、媒体厚が変化したり圧電素子の温度が変
化したりして初期ギャップが変化することがあっても、
常に一定の高さの印字圧でドットが印刷されることとな
る。したがって、媒体厚が比較的広範囲に変化する場合
でも、印字圧が不足したり高過ぎたりする事態の発生が
回避され、印字品質が向上するという効果が得られる。
印字媒体に適正な印字圧は、媒体厚が厚い程高くなる
のが普通である。したがって、印字圧を各印字媒体に対
して適正な高さとすることが必要な場合には、動的電圧
の大きさを、媒体厚が厚い程大きくなるように決めるこ
とが望ましい。
〔発明の効果〕
このように、本発明に従えば、初期ギャップが変化し
ても印字圧が一定の高さあるいは印字媒体に適正な高さ
に保たれることとなり、初期ギャップ変化に起因して印
字媒体が損傷したり、印字が不鮮明になったりすること
がなくなって、印字品質が良好に保たれるという効果が
得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図は本発明の一実施例であるインパクト型ドット
プリンタ主要部の平面図である。図において符号10が圧
電型印字ヘッドを示す。印字ヘッド10は、それぞれが圧
電素子Pと、印字ワイヤ12と、圧電素子Pの変位を拡大
して印字ワイヤ12に伝達する変位拡大機構14とを含むド
ット印刷部を複数備えている。複数のドット印刷部は、
各々が図において図面に直角な方向に互に近接して重ね
られた状態で、共通の保持フレーム15によって保持され
ている。
印字ヘッド10はキャリッジ16に固定的に保持されてい
る。キャリッジ16は、プリンタの前側から後側に向かっ
て(図の下側から上側に向かって)互に平行に並ぶガイ
ドレール18およびガイド軸20によって、プラテン22の長
手方向に移動可能に支持されている。ガイドレール18お
よびガイド軸20は、プリンタの左右側においてそれぞれ
前後に延びる一対のサイドフレーム24,26に固定的に支
持され、プラテン22は、それら一対のサイドフレーム2
4,26にプラテン22の軸線回りに回転可能かつ軸方向に移
動不能に支持されている。キャリッジ16は、キャリッジ
モータ30によって循環させられるエンドレスなベルト32
とそれの直線部上の一位置において連結されており、そ
の連結位置が左右方向に移動させられるのに伴って、キ
ャリッジ16、ひいては印字ヘッド10がプラテン22の軸方
向に移動させられる。この移動に伴って、印字ヘッド10
とプラテン22に支持される印字媒体としての印字用紙M
との印字方向の相対位置が変化させられる。プラテン22
は紙送りモータ34によって回転させられるようになって
おり、この回転に伴って、印字ヘッド10と印字用紙Mと
の紙送り方向の相対位置が変化させられる。
キャリッジ16には、プラテン22に近接して対向するホ
トセンサ36が取り付けられている。ホトセンサ36は、印
字用紙M上に光を発する発光素子と、印字用紙M上から
の乱反射光を受け、その光の強さに応じた強度信号を出
力する受光素子とを備えている。紙厚が厚い程発光素子
および受光素子が印字用紙Mに対して相対的に近接する
から、紙厚が厚い程強い乱反射光が受光素子に照射され
ることとなる。
印字ヘッド10には、圧電素子Pの温度を検出するセン
サ40が取り付けられている。温度センサ40は温度変化に
対応して電気抵抗が変化するものである。温度センサ40
は前記保持フレーム15に接触させられている。
圧電素子Pは第1図に示す圧電素子駆動回路42によっ
て駆動される。なお、圧電素子駆動回路42は、複数のド
ット印刷部の各々に属する圧電素子Pに対して1つずつ
設けられており、図は1つの圧電素子駆動回路42を代表
的に示すものである。
圧電素子駆動回路42においては、電圧可変型の第1直
流電源E1,ダイオードD1および圧電素子Pが順に直列に
接続され、第1直流で源E1の負極側と圧電素子Pの負極
となるべき電極側とが共に接地されている。ダイオード
D1の順方向は、第1直流電源E1の正極側から圧電素子P
の正極となるべき電極側に向かう向きと等しくされてい
る。
第1直流電極E1およびダイオードD1と並列に、電圧可
変型の第2直流電源E2,トランジスタTR1およびコイルL
の直列回路が接続されている。トランジスタTR1の順方
向は、第2直流電源E2の正極側から圧電素子Pの正極と
なるべき電極側に向かう向きと等しくされている。トラ
ンジスタTR1にそれを逆方向にバイパスするダイオードD
2が接続されている。トランジスタTR1およびコイルLに
は、両者をバイパスするトランジスタTR2が接続されて
おり、このトランジスタTR2の順方向はトランジスタTR1
の順方向と等しくされている。トランジスタTR2にはそ
れを逆方向にバイパスするダイオードD3が接続されてい
る。
第1直流電源E1の正極側と、コイルLの直流電源E2
正極側に対応する端子との間にトランジスタTR3が接続
されている。トランジスタTR3の順方向はコイルLの上
記端子側から第1直流電源E1の正極側に向かう向きと等
しくされている。トランジスタTR3にはそれを逆方向に
バイパスするダイオードD4が接続されている。なお、圧
電素子駆動回路42の作動は後に詳述する。
プリンタはコンピュータを主体とする印字制御部46を
備えている。印字制御部46は第3図に示すように、CPU5
0,ROM52,RAM54およびそれらを互に接続するバス56を備
えている。
CPU50にはプリンタに印字を命令するホストコンピュ
ータ60が接続されており、このホストコンピュータ60か
らプリンタに印字データ,印字開始指令,印字終了指令
等が入力される。CPU50にはまた、前記紙送りモータ34,
圧電素子駆動回路42,キャリッジモータ30,ホトセンサ36
および温度センサ40が接続されている。紙送りモータ34
およびキャリッジモータ30はそれぞれドライバ64,66を
介してCPU50に接続されている。ホトセンサ36は、それ
ぞれの強度信号をデジタルの紙厚データに変換するA/D
変換器70を介してCPU50に接続されている。温度センサ4
0は直流電源Eおよび検出抵抗Rと共に互に直列に接続
されており、検出抵抗Rの電圧VRが増幅器72によって増
幅された後、その電圧信号がA/D変換器74によってデジ
タルの温度データに変換されてCPU50に取り込まれるよ
うになっている。
ROM52には、(a)第4図と第5図とにそれぞれフロ
ーチャートで示すメインプログラムと圧電素子駆動サブ
ルーチンと、(b)紙厚データと動的電圧VDの大きさと
の間の予め定められた関係を表す第1テーブルと、
(c)紙厚データと温度データと静的電圧VSの大きさと
の間の予め定められた関係を表す第2テーブルとが記憶
されている。静的電圧VSは、紙厚が薄い程、圧電素子P
の温度が高い程大きくなり、動的電圧VDは、紙厚が厚い
程大きくなるようにされている。
RAM54には、印字データ,紙厚データ,動的電圧VD
大きさを表すデータおよび今回の印字行が印字開始から
何行目であるかを表を行カウント値を表すデータがそれ
ぞれ記憶される。
次にプリンタの作動を第1図,第4図および第5図に
基づいて説明する。
プリンタのメインスイッチが操作され、ホストコンピ
ュータ60から給紙指令が入力されるか、あるいはプリン
タの給紙スイッチが操作されるかすれば、CPU50が紙送
りモータ34を駆動してプラテン22を回転させ、これによ
り、印字用紙Mが所定の印字位置に位置決めされる。こ
の位置決め完了後に、CPU50はメインプログラム(第4
図にフローチャートで示す。)を実行する。
まず、ステップS1(以下、単にS1という。他のステッ
プについても同じとする。)において、ホトセンサ36か
らの紙厚データが取り込まれ、RAM54に記憶される。S2
においてその紙厚データに対応する動的電圧VDの大きさ
が第1テーブルから求められ、その動的電圧VDの大きさ
を表すデータがRAM54に記憶される。S3においてホスト
コンピュータ60から印字開始指令が入力されるのを待つ
状態となり、入力されれば、S4においてRAM54の行カウ
ント値が0にリセットされる。
S5において行カウント値が0または5の倍数であるか
否かが判定される。今回は初回であるからS5の判定結果
がYESとなってS6以後のステップが実行される。S6にお
いて温度データが取り込まれ、S7において、その温度デ
ータとS1で取り込まれた紙厚データ(RAM54に格納され
ている。)とに対応する静的電圧VSの大きさが第2テー
ブルから求められる。S8において、第1直流電源E1の第
1電源電圧VE1が静的電圧VSと等しい大きさに制御さ
れ、また、第2直流電源E2の第2の電源電圧VE2が静的
電圧VSと動的電圧VDとの和に等しい大きさに制御され
る。このとき、第1直流電源E1の電気エネルギがダイオ
ードD1を経て圧電素子P(複数のドット印刷部のすべて
の圧電素子P)に移動し、圧電素子Pの電圧VPが第1電
源電圧VE1とほぼ等しい大きさに上昇し、圧電素子Pお
よび印字ワイヤ12が変位させられる。しかし、この変位
によっては、印字ワイヤ12は印字用紙M上にドットを印
刷しない。その後、S9において一定時間遅延されること
により、印字ワイヤ12が静止するのが待たれる。
S10において印字データに基づいて1行分の印字が行
われる。具体的には、印字ヘッド10が印字方向に1ピッ
チ移動させられる毎に、印字ヘッド10の印字予定位置に
対応する印字データに基づいて複数の印字ワイヤ12から
ドット印刷させるべき印字ワイヤ12が選択され、その選
択された印字ワイヤ12に対応する圧電素子駆動回路42に
対して圧電素子駆動サブルーチン(第5図にフローチャ
ートで示す。)が実行される。以下、このサブルーチン
の実行の様子を説明する。
第1図に示す圧電素子駆動回路42のトランジスタTR1,
TR2およびTR3は常にはオフ状態にある。まず、S100にお
いてトランジスタTR1がオン状態に切り換えられ、S101
において一定時間遅延される。トランジスタTR1がオン
状態にある間、第2直流電源E2の電荷がトランジスタTR
1およびコイルLを経て圧電素子Pに移動する。その結
果、圧電素子Pの電圧VPが第1電源電圧VE1と等しい大
きさから上昇を開始し、やがて第2電源電圧VE2と等し
い大きさに到達する。このとき、印字ワイヤ12が印字リ
ボンを介して印字用紙Mに押し付けられ、印字用紙M上
にドットが印刷される。印字ワイヤ12と印字用紙Mとの
間に発生する印字圧は、圧電素子Pの電圧VPが第1電源
電圧VE1と等しい大きさから第2電源電圧VE2と等しい大
きさに上昇することによって印字ワイヤ12に発生するス
トロークの大きさに対応する。したがって、印字用紙M
の厚さが各印刷開始時で異なったり、一連の印字中(印
字開始から印字終了まで)に圧電素子Pの温度が変化し
たりして初期ギャップが変化しても、印字用紙M上にそ
れを適した印字圧でドットが印刷され、初期ギャップが
変化するのにかかわらず常に良好な印字が行われる。
なお、トランジスタTR1がオン状態にあり、圧電素子
Pの電圧VPが第1電源電圧VE1より大きくなっても、ダ
イオードD1の存在によって圧電素子Pの電気エネルギが
第1直流電源E1に移動することが阻止される。また、ダ
イオードD3の存在により、圧電素子Pの電圧VPが第2電
源電圧VE2より大きくなることが阻止されるとともに、
印字ワイヤ12が印字用紙Mを押し付けることなどによっ
て、圧電素子Pの電気エネルギが消費され、圧電素子P
の電圧VPが低下しようとしても、その低下を補うべく、
第2直流電源E2の電荷がトランジスタTR1およびコイル
Lを経て圧電素子Pに補充されるから、圧電素子Pの電
圧VP、ひいては圧電素子Pの変位が一定に保たれる。な
お、S101における遅延時間の長さは、圧電素子Pの電圧
VPが第2電源電圧VE2と等しい大きさになる時期を経た
一時期に次のステップ、すなわちS102が実行されるよう
に定められている。
S102においてトランジスタTR1がオフ状態に復帰させ
られ、S103においてトランジスタTR2がオン状態に切り
換えられる。この状態は、トランジスタTR1がS100の実
行によってオン状態に切り換えられた時期から一定時間
が経過し、S104の判定結果がYESとなるまで継続され
る。この状態においては、圧電素子Pの電圧VPを第2電
源電圧VE2より増大させることとなるべき過剰の電気エ
ネルギ(コイルLに蓄積されている。)がダイオードD3
を経て第2直流電源E2に返還される。上記一定時間の長
さが、コイルLの電気エネルギが完全に第2直流電源E2
に返還される時期と同時かあるいはその時期を経た一時
期となるように定められている。また、圧電素子Pの電
気エネルギが消費されて圧電素子Pの電圧VPが減少しよ
うとしても、第2直流電源E2の電荷がトランジスタTR2
を経て圧電素子Pに移動するから、圧電素子Pの電圧VP
が第2電源電圧VE2と等しい大きさに保たれる。
S105においてトランジスタTR2がオフ状態に復帰させ
られた直後に、S106にトランジスタTR3がオン状態に切
り換えられる。この切換えにより、圧電素子Pの電気エ
ネルギがコイルLに移動し、圧電素子Pの電圧VP、すな
わち圧電素子Pの変位が減少し、印字ワイヤ12が前記静
止位置に復帰する。S107において、圧電素子Pの電圧VP
が第1電源電圧VE1の大きさまで減少することから、す
なわち、圧電素子Pに第2直流電源E2から供給された分
の電気エネルギが完全にコイルLに移動することが待た
れる。その後、S108においてトランジスタTR3がオフ状
態に復帰させられ、メインプログラムのS10に戻る。
1行分の印字が終了すると、S11において、ホストコ
ンピュータ60から印字終了指令が出されたか否かが判定
される。今回は初回であるから、普通印字終了指令は出
されておらず、S11の判定結果がNOとなり、S12において
改行の必要があるか否かが判定される。そうであればS1
3において、改行が行われ、そうでなければS14において
印字用紙Mを新しいものに変えるいわゆる改ページが行
われる。その後、S15において行カウント値が1だけ増
大させられて、S5の実行に戻る。
次に行われるのは2行目の印字であるから、S5の判定
結果がNOとなり、S6ないしS9の実行がバイパスされてS1
S0が実行される。したがって、2行目の印字時には、第
1電源電圧VE1および第2電源電圧E2がそれぞれ1行目
の印字時と等しい大きさに固定される。S11以後は1行
目と同様に行われる。そして、印字開始からの印字行数
が5の倍数と等しくなったとき、次の印字に先立って、
S5の判定結果がYESとなり、S7において印字用紙Mの厚
さと圧電素子Pの温度とに応じて静的電圧V2の大きさが
更新され、S8において電源電圧VE1,VE2の大きさが制御
される。すなわち、本実施例においては、静的電圧VS
大きさの更新が、印字開始時と、5行分の印字が終了す
る毎とに行われ、動的電圧VDの大きさの更新が、印字開
始時に限って行われるのである。以上のようにして印字
が為されて、一連の印字データ全部の印字が終了し、あ
るいはホストコンピュータ60から印字終了指令が出され
れば、S11の判定結果がYESとなって、印字が終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ホトセンサ36と、温度センサ40と、圧電素子駆動回
路42と、印字制御部46の静的電圧VSの大きさと動的電圧
VDの大きさと演算する部分,第1および第2電源電圧V
E1,VE2の大きさを制御する部分,ならびにトランジスタ
TR1,TR2,TR3を制御する部分とが圧電素子制御装置を構
成している。
第6図に上記実施例とは異なる態様の圧電素子駆動回
路90を示す。この回路90は、前記圧電素子駆動回路42に
対して、ダイオードD1が省略され、第1直流電源E1の正
極側が第2直流電源E2の負極側に接続されるとともに接
地され、第1直流電源E1の負極側と圧電素子Pの負極と
なるべき電極側とが接続されたものである。
以上のように構成された圧電素子駆動回路90の作動を
説明する。ただし、本実施例においては、前記メインプ
ログラムのS8の実行時に、第1電源電圧VE1が静的電圧V
Sと等しい大きさに制御され、第2電源電圧VE2が動的電
圧VDと等しい大きさに制御される。
トランジスタTR1,TR2,TR3がいずれもオフ状態にある
通常状態では、第1直流電源E1の電荷がダイオードD4
よびコイルLを経て圧電素子Pに移動し、圧電素子Pの
電圧VPの大きさが第1電源電圧VE1の大きさと等しい値
を中心に振動する。この振動は時間の経過につれて減衰
し、やがて、圧電素子Pの電圧VPが第1電源電圧VE1
ほぼ等しい大きさに保たれる。この状態では、圧電素子
Pが、印字ワイヤ12にドットを印刷させるには至らない
程度に変位させられている。
その後、圧電素子駆動回路90に対して電気圧電素子駆
動サブルーチンが実行され、トランジスタTR1がオフ状
態からオン状態に切り換えられれば、第1直流電源E1
第2直流電源E2との電圧の和がトランジスタTR1を経て
コイルLと圧電素子Pとの直列回路に印加され、圧電素
子Pの電圧VPが第1電源電圧VE1とほぼ等しい大きさか
ら上昇を開始する。やがて、圧電素子Pの電圧VPは、第
1電源電圧VE1と第2電源電圧VE2との和に等しい大きさ
まで上昇し、以後はその大きさに保たれる。このとき、
印字ワイヤ12が印字用紙Mに押し付けられ、印字用紙M
上にドットが印刷される。その後の作動は前記圧電素子
駆動回路42の場合と同様であるから、説明を省略する。
このように、本実施例においては、印字ワイヤ12のド
ットを印刷させる際に、圧電素子Pに第1直流電源E1
第2直流電源E2との電圧の和の電圧を印加し得るから、
第2電源電圧VE2を前記実施例における場合より小さく
することが可能となり、その上、前記実施例におけるダ
イオードD1が不要となるから、装置コストが節減できる
という効果が得られる。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ホトセンサ36と、温度センサ40と、圧電素子駆動回
路90と、印字制御部46の静的電圧VSの大きさと動的電圧
VDの大きさとを演算する部分,第1および第2電源電圧
VE1,VE2の大きさを制御する部分,ならびにトランジス
タTR1,TR2,TR3を制御する部分とが圧電素子制御装置を
構成している。
第7図に前記第2実施例とは異なる圧電素子駆動回路
100を示す。これは、予め定められた一定の大きさの電
源電圧を発生し得る直流電源E,トランジスタTR1,TR2
よび圧電素子Pが順に直列に接続され、直流電源Eの負
極側と、圧電素子PのトランジスタTR2と接続される電
極側とは反対側の電極側とが共に接地されている。トラ
ンジスタTR1の順方向もトランジスタTR2の順方向も、直
流電源Eの正極側から圧電素子PのトランジスタTR2
接続される電極側に向かう向きと等しくされている。ま
た、各トランジスタTR1,TR2にはそれを逆方向にバイパ
スするダイオードD1,D2が接続されている。トランジス
タTR1とTR2との接続点はコイルLを介して接地されてい
る。
本実施例においては、前記メインプログラムのS8の代
わりに、第8図にフローチャートで示す静的駆動サブル
ーチンが実行される。このサブルーチンが実行されれ
ば、まず、S200において、トランジスタTR1がオン状態
とオフ状態とを一定小周期で交互で繰り返されるように
制御される。トランジスタTR1がオン状態であれば、直
流電源Eの電気エネルギがトランジスタTR1を経てコイ
ルLに蓄積され、トランジスタTR1がオフ状態であれ
ば、コイルL,圧電素子PおよびダイオードD2に電流ルー
プが形成され、コイルLの電気エネルギが圧電素子Pに
蓄積される。このオンオフ制御により、圧電素子Pの電
圧VPが上昇を開始し、静的電圧VSと等しい大きさ以上と
なったとき、S201の判定結果がYESとなり、S202におい
て、トランジスタTR1がオフ状態に保たれる。このと
き、圧電素子Pの電圧VPも一定の大きさに保たれる。
また、本実施例においては、前記圧電素子駆動サブル
ーチンの代わりに、第9図にフローチャートで示す動的
駆動サブルーチンが実行される。具体的には、S300にお
いて、トランジスタTR1が再びオンオフ制御され、圧電
素子Pの電圧VPが静的電圧VSと等しい大きさから上昇を
開始し、静的電圧VSと動的電圧VDとの和と等しい大きさ
以上となり、S301の判定結果がYESとなったときに、S30
2において、トランジスタTR1がオフ状態に復帰させら
れ、圧電素子Pの電圧VPが一定に保たれる。このとき、
印字用紙M上にドットが印刷される。
S303において、S300の実行時から一定時間が経過した
か否かが判定され、そうであれば、S304において、トラ
ンジスタTR2がオン状態に切り換えられる。その結果、
圧電素子Pが放電して、圧電素子Pの電気エネルギがコ
イルLに移動させられる。圧電素子Pの電圧VPが静的電
圧VSと等しい大きさ以下となり、S305の判定結果がYES
となれば、S306において、トランジスタTR2がオフ状態
に復帰させられる。その結果、コイルLの電気エネルギ
がダイオードD1を経て直流電源Eに返還される。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ホトセンサ36と、温度センサ40と、圧電素子駆動回
路100と、印字制御部46の静的電圧VSの大きさと動的電
圧VDの大きさとを演算する部分およびトランジスタTR1,
TR2を制御する部分とが圧電素子制御装置を構成してい
る。
なお、以上説明した実施例においては、動的電圧VD
大きさの更新が、媒体厚たる紙厚が変化する可能性のあ
る時期としての、印字開始に先立つ時期に限って行われ
るが、その更新を、例えば、印字用紙Mが新しいものに
変えられる毎に行ったり、印字用紙Mのサイズが変更さ
れる毎に行ったりすることができる。
以上、本発明のいくつかの実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これらの他にも当業者の知識に基づい
て種々の変形,改良等を施した態様で本発明を実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるインパクト型ドットプ
リンタの圧電素子駆動回路を示す電気回路図、第2図は
本プリンタの印字ヘッド周辺を示す部分平面図、第3図
は本プリンタの印字制御部とそれに接続される電気部品
との関係を示すブロック図、第4図および第5図はそれ
ぞれ本プリンタの印字制御プログラムであるメインプロ
グラムおよび圧電素子駆動サブルーチンを示すフローチ
ャートである。第6図は上記実施例とは異なる圧電素子
駆動回路を示す電気回路図である。第7図は上記2実施
例とは異なる圧電素子駆動回路を示す電気回路図、第8
図および第9図はそれぞれ第7図の圧電素子駆動回路を
制御するための静的駆動サブルーチンおよび動的駆動サ
ブルーチンを示すフローチャートである。 10:圧電型印字ヘッド 12:印字ワイヤ、36:ホトセンサ 40:温度センサ 42,90,100:圧電素子駆動回路 46:印字制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正史 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9丁目35番 地 ブラザー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−212556(JP,A) 特開 平2−6148(JP,A) 特開 昭61−61879(JP,A) 特開 昭63−306069(JP,A) 特開 平2−113977(JP,A) 特開 平2−55149(JP,A) 実開 昭62−90141(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子およびその圧電素子の変位に基づ
    いて印字媒体にドットを印刷する印字ワイヤを有する印
    字ヘッドと、 動的電圧の非印加時における前記印字ワイヤの先端と印
    字媒体間のギャップの大きさを調整すべく所定の大きさ
    の静的電圧を前記圧電素子に印加し、ドット印刷指令に
    応じて、予め定められた大きさの動的電圧を圧電素子に
    前記静的電圧に加えて印加することにより前記印字ワイ
    ヤを印字媒体に押し付けさせる圧電素子制御装置と を含むインパクト型ドットプリンタ。
JP27392288A 1988-10-28 1988-10-28 インパクト型ドットプリンタ Expired - Lifetime JP2701380B2 (ja)

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