JP3810573B2 - プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステッピングモータの逆起電力の出力時間を用紙厚の検出に用いたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタにおいて、プラテンに向かってプリントヘッドを移動していき、プリントヘッドの先端が用紙に当接したことを判定する技術として、プリントヘッドを移動するためのステッピングモータの逆起電力の出力時間が負荷の増大により短くなる特性を利用したものがある。
【0003】
すなわち、ステッピングモータの各ステップごとに逆起電力の出力時間を見て、この出力時間が所定値より短くなれば、プリントヘッドの先端が用紙に当接したと判定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ステッピングモータの逆起電力の出力のばらつきにより、突発的に逆起電力の出力時間が短くなることがあり、実際にはプリントヘッドの先端が用紙に当接していないのに当接したと誤検出されて、プリントヘッドと用紙間の距離が広く取られ、印字を不鮮明にしてしまう原因になるという不具合があった。
【0005】
この発明の目的は、プリントヘッドの先端が用紙に当接したことを正確に検出することができるプリンタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、印字を行なうプリントヘッドと、このプリントヘッドの先端をプラテンに向かって移動するプリントヘッド駆動機構と、このプリントヘッド駆動機構を駆動するステッピングモータと、このステッピングモータの各ステップごとの逆起電力の出力時間をカウントするカウント手段と、前記プリントヘッドが前記プラテン上の用紙に未だ当接していない場合の前記出力時間を基準時間とした場合に前記出力時間と前記基準時間より短い第1の設定時間とを比較する第1の比較手段と、この比較により前記出力時間が前記第1の設定時間より小さかったときはその事実を記憶する記憶手段と、前記出力時間と前記第1の設定時間より短い第2の設定時間とを比較する第2の比較手段と、前回のステップで前記出力時間が前記第1の設定時間より小さかった場合に今回のステップで前記出力時間が前記第2の設定時間より小さかったときには前記プリントヘッドが前記プラテン上の用紙に当接したと判定する判定手段と、を備えているプリンタである。
【0007】
したがって、前回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第1の設定時間より小さかった場合に今回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第2の設定時間より小さかったときには、プリントヘッドがプラテン上の用紙に当接したと判定することができるが、前回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第1の設定時間より小さくなかった場合は、今回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第2の設定時間より小さかったとしても、それは突発的にステッピングモータの逆起電力の出力時間が短くなったのであるとして、プリントヘッドがプラテン上の用紙に当接したとは判定しないので、プリントヘッドの先端が用紙に当接したことを正確に検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1にかかるプリンタにおけるプラテンとプリントヘッドの位置関係を示すブロック図である。プリントヘッド1は、ワイヤドットプリントヘッドであり、図示しない機構(この発明のプリントヘッド駆動機構を実施するものである)を、図1において図示しないステッピングモータ16a(図2参照)で駆動することにより、プラテン2に向かって接近および離隔移動する。なお、符号3はインクリボン、符号4はマスク、符号5はプラテン2上の用紙である。
【0009】
図2は、このプリンタの制御系の電気的な接続を示すブロック図である。図2に示すように、各部を集中的に制御するCPU11には、各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM12と、書き換え可能にデータを記憶し、CPU11の作業エリアにもなるRAM13とが、バス14により接続されている。
【0010】
また、バス14には、プリントヘッド駆動回路15、ステッピングモータ駆動回路16、キャリア駆動回路17および用紙搬送駆動回路18が接続されている。
【0011】
プリントヘッド駆動回路15は、プリントヘッド1を駆動して印字動作を行なわせる駆動回路である。
【0012】
ステッピングモータ駆動回路16は、前記のように、プリントヘッド1をプラテン2に向かって接近および離隔移動するためのステッピングモータ16aの駆動回路である。
【0013】
キャリア駆動回路17は、プリントヘッド1を支持する図示しないキャリアを印字のライン方向に移動させるキャリアモータ17aの駆動回路である。
【0014】
用紙搬送駆動回路18は、用紙5の紙送りを行なわせる用紙搬送モータ18aの駆動回路である。
【0015】
以上のようなプリンタで、印字動作は次のように行なう。すなわち、用紙搬送モータ18aで紙送りしながら、キャリアモータ17aでプリントヘッド1を印字のライン方向に送りつつ印字動作を行なわせる。
【0016】
図3は、ステッピングモータ16aの相出力と、逆起電力出力の電圧波形を示すタイミングチャートである。(a)はステッピングモータ16aの相出力の電圧波形を示している。(b)はステッピングモータ16aの逆起電力出力の電圧波形で、プリントヘッド1の先端がいまだ用紙5に当接していないときのもの、(c)は同電圧波形で、プリントヘッド1の先端が用紙5に当接したときのものである。(b)と(c)の波形を比較すれば、プリントヘッド1の先端が用紙5に当接したときには、そうでないときに比べて、ステッピングモータ16aの逆起電力の出力時間が時間t分だけ短くなることがわかる。
【0017】
図4を参照して、この発明の実施の形態1にかかるプリンタに特有の処理について説明する。まず、ステッピングモータ16aの逆起電力の出力電圧波形を観測して、この逆起電力の出力時間Avを検出する(ステップS21)。そして、プリントヘッド1がプラテン2上の用紙5に未だ当接していない場合の逆起電力の出力時間Avを基準時間とした場合に、逆起電力の出力時間Avと基準時間より短い所定の時間である第2の設定時間とを比較する(ステップS22)。そして、出力時間Avが第2の設定時間より大きいときは(ステップS22のN)、ステップS23にすすむ。
【0018】
ステップS23では基準時間より小さいが第2の設定時間より大きい所定の時間である第1の設定時間と逆起電力の出力時間Avとを比較する。そして、出力時間Avが第1の設定時間以下であったときは所定のフラグをONにし(ステップS24)、出力時間Avが第1の設定時間より大きいときは所定のフラグをOFFとして(ステップS25)、処理を終了する。
【0019】
ステップS22で出力時間Avが第2の設定時間以下のときは(ステップS22のY)、前記のフラグがONになっているか否かを判断し(ステップS26)、フラグがONであるときは(ステップS26のY)、プリントヘッド1がプラテン2上の用紙5に当接したことを検出したと判断する(ステップS27)。フラグがOFFのときは(ステップS26のN)、処理を終了する。
【0020】
ところで、図5はプリントヘッド1−プラテン2間の距離に対する逆起電力の出力時間Avの変化を示すグラフである。同図に示すように、プリントヘッド1をプラテン2の方向に下げていったときに、ステッピングモータ16aを1ステップ移動するごとに逆起電力の出力時間Avを検出すると、出力時間Avの長さは、通常は図5に細線で示すように、プリントヘッド1が用紙5に接触してさらにプラテン5に近づいていくにつれて負荷が増大していき、基準時間から第1の設定時間、第2の設定時間と、徐々に短くなっていく。これに対し、図5中に太線で示しているのは、逆起電力の出力時間Avが突発的に短くなってしまった場合である。
【0021】
すなわち、前記した図4の処理において、出力時間Avが第2の設定時間以下で(ステップS22のY)、フラグがONであるとき(ステップS26のY)とは、図5に示すように、ステッピングモータ16aを1ステップ移動するごとに、用紙5に接触しさらにプラテン5に近づいていくにつれて負荷が増大していって、出力時間Avが基準時間から第1の設定時間、第2の設定時間と、徐々に短くなっていく場合であり、プリントヘッド1がプラテン2上の用紙5に当接したことを検出したと判断することができる(ステップS27)。
【0022】
これに対し、出力時間Avが第2の設定時間以下であっても(ステップS22のY)、フラグがOFFのとき(ステップS26のN)、すなわち、ステッピングモータ16aの前のステップで、出力時間Avが第1の設定時間より大きかった場合(ステップS23のN)は、図5中に太線で示すように逆起電力の出力時間Avが突発的に短くなってしまった場合であるので、プリントヘッド1がプラテン2上の用紙5に当接したことを検出したと判断しない。
【0023】
以上のような処理により、突発的にステッピングモータの逆起電力の出力時間が短くなることがあっても、プリントヘッドの先端が用紙に当接したことを正確に検出することができる。
【0024】
なお、ステップS23は、この発明の第1の比較手段を実施し、ステップS24は、この発明の記憶手段を実施し、ステップS22は、この発明の第2の比較手段を実施し、ステップS27は、この発明の判定手段を実施するものである。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、前回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第1の設定時間より小さかった場合に今回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第2の設定時間より小さかったときには、プリントヘッドがプラテン上の用紙に当接したと判定することができるが、前回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第1の設定時間より小さくなかった場合は、今回のステップでステッピングモータの逆起電力の出力時間が第2の設定時間より小さかったとしても、それは突発的にステッピングモータの逆起電力の出力時間が短くなったのであるとして、プリントヘッドがプラテン上の用紙に当接したとは判定しないので、プリントヘッドの先端が用紙に当接したことを正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかるプリンタにおけるプラテンとプリントヘッドの位置関係を示すブロック図である。
【図2】 前記プリンタの制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
【図3】 前記プリンタのステッピングモータの相出力と、逆起電力出力の電圧波形示すタイミングチャートであり、(a)はステッピングモータの相出力の電圧波形、(b)はステッピングモータの逆起電力出力の電圧波形でプリントヘッドの先端がいまだ用紙に当接していないときのもの、(c)は同電圧波形で、プリントヘッドの先端が用紙に当接したときのものである。
【図4】 この発明の実施の形態1にかかるプリンタで用紙の厚さを自動検出するのに際し、プリントヘッドの先端が用紙に当接したか否かを検出する処理のフローチャートである。
【図5】 プリントヘッド−プラテン間の距離に対する逆起電力の出力時間の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プリントヘッド
2 プラテン
5 用紙
16a ステッピングモータ
Claims (1)
- 印字を行なうプリントヘッドと、
このプリントヘッドの先端をプラテンに向かって移動するプリントヘッド駆動機構と、
このプリントヘッド駆動機構を駆動するステッピングモータと、
このステッピングモータの各ステップごとの逆起電力の出力時間をカウントするカウント手段と、
前記プリントヘッドが前記プラテン上の用紙に未だ当接していない場合の前記出力時間を基準時間とした場合に前記出力時間と前記基準時間より短い第1の設定時間とを比較する第1の比較手段と、
この比較により前記出力時間が前記第1の設定時間より小さかったときはその事実を記憶する記憶手段と、
前記出力時間と前記第1の設定時間より短い第2の設定時間とを比較する第2の比較手段と、
前回のステップで前記出力時間が前記第1の設定時間より小さかった場合に今回のステップで前記出力時間が前記第2の設定時間より小さかったときには前記プリントヘッドが前記プラテン上の用紙に当接したと判定する判定手段と、
を備えているプリンタ。
Priority Applications (1)
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JP28781998 | 1998-10-09 | ||
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Publications (2)
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JP2000177199A JP2000177199A (ja) | 2000-06-27 |
JP3810573B2 true JP3810573B2 (ja) | 2006-08-16 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4741599A Expired - Fee Related JP3810573B2 (ja) | 1998-10-09 | 1999-02-25 | プリンタ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3810573B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2103432B1 (en) * | 2008-03-10 | 2014-08-20 | Océ-Technologies B.V. | Method and apparatus for detecting a media touch of a print head |
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1999
- 1999-02-25 JP JP4741599A patent/JP3810573B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000177199A (ja) | 2000-06-27 |
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