JP2700510B2 - 植物生長調節剤ならびに植物のストレス抵抗性を増強する方法 - Google Patents

植物生長調節剤ならびに植物のストレス抵抗性を増強する方法

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JP2700510B2 JP3140735A JP14073591A JP2700510B2 JP 2700510 B2 JP2700510 B2 JP 2700510B2 JP 3140735 A JP3140735 A JP 3140735A JP 14073591 A JP14073591 A JP 14073591A JP 2700510 B2 JP2700510 B2 JP 2700510B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物に対し、環境ストレ
ス抵抗性を増強する作用を有することを指標として選ば
れた複素環化合物またはその塩の少なくとも一種を含有
することを特徴とする植物生長調節剤、さらには植物を
栽培するにあたり、該植物生長調節剤を植物または土壌
等に施用することにより、植物が持つ環境ストレス耐性
機構を誘導または刺激し、植物の環境ストレスに対する
抵抗性を増強し、農園芸作物栽培の安定化と生産性の向
上を可能にする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】農作物の
生長を促進し、単位面積当りの収穫量を増やして増収を
計ることは農業生産上重要な課題であり、種々の植物生
長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシ
ン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸
長、花成り、着果などの生育、形態形成反応の調節のた
めに用いられているが、これらの物質の作用は多面的か
つ複雑であり、用途が限定されている。一方、植物の生
長、形態形成の制御を直接の目的とするのではなく、温
度、水分、酸素等の環境ストレスに対する植物の抵抗性
を増強することにより栽培の安定化と増収を計るための
物質の開発も行われている。この作用を持つものとして
は、ビタミンB1 、ビオチン、アブシジン酸、ベンジル
アデニンなどの他、クロルメコートなどのわい化剤の一
部が知られているが、実用的には効果の点で十分とはい
えず、有効性と経済性の面でさらに優れた植物生長調節
剤の開発とそれを用いた植物の環境ストレス抵抗性の増
強法が待望されていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、下記の式1で表される化合物またはその塩の少なく
とも1種を有効成分として含有し、植物のストレス抵抗
性を増強させる作用を有する植物生長調節剤である。
求項2に記載の本発明は、植物を栽培するにあたり、請
求項1記載の植物生長調節剤を施用することを特徴とす
る植物のストレス抵抗性を増強する方法である。
【0004】
【化2】 式中、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。
【0005】上記の式1で表される本発明の植物生長調
節剤に係わる複素環化合物は、具体的にはフラン−2−
カルボン酸とチオフェン−2−カルボン酸である。本発
明に適する植物としては、かいわれ大根、三つ葉、小松
菜、レタス、ほうれん草、大根、じゃがいも等の野菜
類;稲、小麦、とうもろこし等の穀類の他、花卉、果樹
類等の農園芸作物が挙げられる。
【0006】本発明に係わる置換複素環化合物は、その
まま、または水などの液体担体;タルク、クレーなどの
固体担体;その他適宜の担体を用いて希釈し、必要に応
じて展着剤、界面活性剤などの補助剤を加えて使用する
ことができる。
【0007】本発明の植物生長調節剤は、本発明に係わ
る置換複素環化合物を農薬製造に一般的に採用されてい
る方法によって、各種の液体担体又は固体担体と混合
し、必要ならば湿展剤、展着剤、分散剤、滑沢剤、固着
剤、界面活性剤などの補助剤を加えて水和剤、液剤、乳
剤、粉剤、粒剤などの製剤形態とする。
【0008】本発明の植物生長調節剤は単独で用いても
よいが、カスガマイシン、バリダマイシン、ブラストサ
イジンS、ポリオキシン、フサライド、プロベナゾー
ル、ヒドロキシイソキサゾール、ピロキロン、トリサイ
クラゾール、ベノミル、チオファネートメチル、チアベ
ンダゾール、チウラム、イソプロチオラン、メプロニ
ル、フルトラニル、ペンシクロン、IBP、EDDP、
EBI剤などの殺菌剤及び/又は殺虫剤などの農薬又は
肥料などと混合して使用すればより効果的、かつ省力的
に本発明の目的を達することができる。
【0009】本発明の植物生長調節剤は、環境ストレス
に対する抵抗性の増強が望まれる作物に直接散布して用
いることができる。また、必要に応じて水面や土壌表面
などの植物の生育環境に適用することもでき、土壌中に
混和して使用することもできる。更に、種子に付着させ
ることによっても使用できる。
【0010】本発明の植物生長調節剤を液剤として使用
する場合には、通常、散布液中に本発明に係わる置換複
素環化合物が0.01ないし1000ppm の濃度で含まれ
るようにするのが望ましく、粉剤、粒剤などとして用い
る場合には、0.1ないし30%含まれるようにするのが
望ましい。また、種子に付着させる場合は、種子1粒当
り0.1ないし100μgの割合で付着させるのが望まし
い。施用量は、使用目的、使用方法または対象とする作
物の大きさ、栽培密度、環境ストレスの程度などによっ
て変化させ得るが、稲の低温障害軽減のために、水田で
使用する場合の例を挙げれば、10アール当り、水和剤
(有効成分40%)ならば、1000ないし10000
倍液を25ないし250リットル、粒剤(有効成分1
%)ならば、1ないし10kg、粉剤(有効成分1%)な
らば、1ないし10kg程度の施用量が一般に適当であ
る。
【0011】その結果、低温、低酸素といった環境スト
レス条件下でも、たとえば根の伸長が盛んになり栽培の
安定化と収穫量の向上、品質の向上が計られる。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明は下記の諸例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載の範囲において多くの変形あるいは
修飾手段を採用し得ることはいうまでもない。
【0013】実施例1 (低酸素ストレス)フラン−2−カルボン酸とチオフェン−2−カルボン酸
の低酸素ストレス軽減作用を大麦の幼根伸長活性を指標
として調べた。大麦種子を催芽処理後、水耕液と被験液
を含む0.8%寒天上に播き、25℃で12時間照明条件
下で4日間栽培した。その後、寒天中より各固体の根を
抜き取り、最長根の長さを比較した。ここで用いた栽培
の系においては、根圏の溶存酸素が0.5ppm 以下になる
ことが確認されており、大麦の根は低酸素ストレス条件
下で生育したことになる。被験液として用いた置換複素
環化合物の種類は結果と共に表1に示した。なお、表中
の数値は対象区の根の伸長に対する当該置換複素環化合
物添加区の根の伸長割合を対照を100として示したも
のである。( )は至適濃度である。
【0014】
【表1】 表1 大麦幼根伸長活性 ────────────────────────────── 化合物名 生物活性% (至適濃度ppm) ────────────────────────────── フラン−2−カルボン酸 200 100 チオフェン−2−カルボン酸 205 100 ──────────────────────────────
【0015】実施例2 (低温ストレス)フラン−2−カルボン酸 の低温ストレス軽減作用を水稲
の幼根伸長活性を指標として調べた。水稲種子(日本
晴)を0.5%次亜塩素酸ナトリウムにて殺菌処理後、2
日間32℃で催芽処理した。被験液を濾過滅菌し8分試
験管とステンレスメッシュを組み合わせた栽培器に入
れ、催芽種子をセットし、5000lux 、12時間照
明、17℃の条件下で5日間栽培した。その結果を表2
に示した。表中の数値は対照区の根の伸長に対する当該
置換複素環化合物添加区の根の伸長割合を対照を100
として示したものである。( )は至適濃度である。
【0016】
【表2】 表2 水稲幼根伸長活性 ────────────────────────────── 化合物名 生物活性% (至適濃度ppm) ────────────────────────────── フラン−2−カルボン酸 120 1 ──────────────────────────────
【0017】実施例3 (塩ストレス)フラン−2−カルボン酸とチオフェン−2−カルボン酸
の塩ストレス軽減作用をトマトの幼根伸長活性を指標と
して調べた。トマト種子(チェルシーミニ)を湿濾紙上
で、25℃にて暗所で2日間催芽処理したのち、塩化ナ
トリウム3000ppm を含む各種被験液をしみこませた
濾紙上でさらに2日間栽培した。塩化ナトリウム300
0ppm という濃度はトマト幼根の伸長を半減させる濃度
である。その結果を表3に示した。表中の数値は対照区
の根の伸長に対する当該置換複素環化合物添加区の根の
伸長割合を対照を100として示したものである。(
)は至適濃度である。
【0018】
【表3】 表3 トマト幼根伸長活性 ────────────────────────────── 化合物名 生物活性% (至適濃度ppm) ────────────────────────────── フラン−2−カルボン酸 129 10 チオフェン−2−カルボン酸 114 10 ──────────────────────────────
【0019】
【発明の効果】本発明は、植物に対し環境ストレス抵抗
性を増強することを指標に選ばれた式1で表される複素
環化合物またはその塩の少なくとも1種類を含有するこ
とを特徴とする植物生長調節剤及びそれを用いた植物の
環境ストレス抵抗性の増強方法に関するものであり、低
温、湿害、水ストレス等の環境ストレスに対する植物の
適応性を高め、環境ストレス条件下での根の生育を促進
するなどの効果により農園芸作物の生産の安定化、生産
性の向上、品質の向上等に極めて有効である。
フロントページの続き (72)発明者 橘 邦隆 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治 製菓株式会社 薬品総合研究所内 (72)発明者 足立 堯 埼玉県坂戸市千代田5−3−1 明治製 菓株式会社 生物科学研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で表される化合物またはその
    塩の少なくとも1種を有効成分として含有し、植物のス
    トレス抵抗性を増強する作用を有する植物生長調節剤。 【化1】 式中、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。
  2. 【請求項2】 植物を栽培するにあたり、請求項1記載
    の植物生長調節剤を施用することを特徴とする植物のス
    トレス抵抗性を増強する方法。
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