JP2695728B2 - コンクリート型枠用間隔保持具 - Google Patents

コンクリート型枠用間隔保持具

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JP2695728B2
JP2695728B2 JP4010310A JP1031092A JP2695728B2 JP 2695728 B2 JP2695728 B2 JP 2695728B2 JP 4010310 A JP4010310 A JP 4010310A JP 1031092 A JP1031092 A JP 1031092A JP 2695728 B2 JP2695728 B2 JP 2695728B2
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捷也 鈴木
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株式会社エヌ・エス・ピー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート型枠を対
向状態で所定間隔に保持するためのコンクリート型枠用
間隔保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、布基礎コンクリート成形用型枠
を対向状態で所定間隔に保持するための間隔保持具は、
短冊状の鉄製板材の両端部にそれぞれ外側規制片と内側
規制片とが形成され、これら規制片間に型枠が保持され
るようになっている。このように型枠を保持した状態
で、外側規制片を内側に折り曲げて型枠の端縁に係止す
ることにより、型枠から間隔保持具が外れないようにな
っている。そして、間隔保持具の両端に保持された両型
枠間にコンクリートを流し込むことにより、布基礎コン
クリートが形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記間隔保
持具は鉄製で、所定の強度を保持するために厚く形成さ
れているのでその分重くなる。そのため、間隔保持具の
運搬や設置作業時における作業性が悪いという問題点が
あった。一方、外側規制片の端部の折曲部は折り曲げ易
い方が良いが、外側規制片の肉厚が厚いと折り曲げにく
い。そこで、外側規制片の肉厚を薄くして折り曲げ易く
することも考えられるが、その場合には間隔保持具の強
度が低下するという問題がある。
【0004】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、係止片の折り曲げが容
易で、しかも軽量化されて作業性が良く、その上所定の
強度を保持できるコンクリート型枠用間隔保持具を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明では、短冊状の板材よりなる本体の両
端側に外側規制片を一体に折り曲げ形成するとともに、
その若干内側に内側規制片を形成して、それらの両片間
に形成された型枠嵌合部によってコンクリート型枠を所
定の対向間隔で保持する間隔保持具において、前記外側
規制片にコンクリート型枠の端部を係止する折曲可能な
係止片を一体に形成し、前記本体、外側規制片及び係止
片の材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%の炭素鋼で
あるとともに、係止片のみを550〜700度の温度範
囲内で加熱して軟質化させたものである。
【0006】
【0007】第の発明では、前記本体、外側規制片及
係止片材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%の炭
素鋼であるとともに、本体及び外側規制片のみを750
〜850度の温度範囲内で加熱して硬質化させたもので
ある。
【0008】第の発明では、前記本体、外側規制片及
係止片材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%の炭
素鋼であるとともに、本体及び外側規制片のみを750
〜850度の温度範囲内で加熱して硬質化させ、かつ係
止片のみを550〜700度の温度範囲内で加熱して軟
質化させたものである。
【0009】
【作用】従って、第1の発明によれば、本体、外側規制
及び係止片の材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%
の炭素鋼であり、係止片のみを550〜700度の温度
範囲内で加熱して軟質化させたので、全体の強度を向上
させることができるとともに、係止片の折り曲げを少な
い力で容易に行うことができる第2の発明は、本体
び外側規制片のみが750〜850度の温度範囲内で加
熱されて硬質化されているので、その強度を更に向上さ
せることができる。従って、薄肉に形成しても、充分な
強度を保持することができるので、間隔保持具を軽量化
することができる。第3の発明は、第1の発明と第2の
発明の作用を共に発揮することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1及
び図2に基づいて説明する。図1に示すように、この間
隔保持具1は、SK材(炭素工具鋼材)等のうち炭素含
有量が0.8〜0.9重量%の炭素鋼材により形成され
ている。間隔保持具1の本体2は短冊状をなし、その両
端部は上方へ折曲されて外側規制片3が形成されてい
る。又、本体2には、外側規制片3の若干内側において
内側規制片4が上方へ向かって抜打ち形成されている。
これら外側規制片3と内側規制片4との間に型枠嵌合部
5が形成されている。
【0011】図2に示すように、コンクリート型枠6の
下縁にはウェブ7aとリブ7bとよりなる横L字状の下
棧7がコンクリート成形面6aの反対側に向かって折曲
形成されている。そして、その下棧7が前記型枠嵌合部
5に上方から嵌入されるようになっている。
【0012】前記外側規制片3の両側縁には切り欠き部
8が形成され、その切り欠き部8により幅狭となった部
分が折曲部9aとなっている。この折曲部9aを含む外
側規制片3の上部のT字状の部分が係止片9となってい
る。即ち、係止片9は本体2に一体に折り曲げ形成され
た外側規制片3と一体に形成されている。
【0013】前記本体2及び外側規制片3は750〜8
50度の温度範囲内で加熱され、係止片9は550〜7
00度の温度範囲内で加熱されている。尚、これらの加
熱は、係止片9或いは本体2及び外側規制片3を断熱材
等で被覆した状態でそれぞれ行われる。即ち、炭素含有
量が0.8〜0.9重量%の炭素鋼材は、従来、間隔保
持具の材料として一般的に使用される軟鋼材のほぼ2倍
の強度を有している。しかも、750〜850度の高温
域で加熱を行うと更に硬質化し、550〜700度の中
温域で加熱を行うと軟質化するという性質を有してい
る。従って、前記のような加熱を行うことにより、本体
及び外側規制片3は硬質化されて強度が向上され、係
止片9は軟質化されて少ない力で容易に折曲可能となっ
ている。
【0014】そして、図2に示すように、ベースコンク
リートB上に適当な間隔をおいて並列状に間隔保持具1
を並べ、その両端に位置する型枠嵌合部5に型枠6の下
棧7を上方から嵌入配置していくことにより、両型枠6
間の間隔が正確に一定値に保持される。尚、これら型枠
6はそのコンクリート成形面6aが互いに対向するよう
に配置される。そして、外側規制片3の上部の係止片9
を型枠6の下棧7側へ向かって押圧すると、係止片9は
軟質化されているので、図2に鎖線で示すように、折曲
部9aの部分から少ない力で容易に折り曲げられ、型枠
6のリブ7bに係止される。尚、上記のように構成され
た間隔保持具1は、場合によって型枠6の上部に下向き
に使用することが可能である。
【0015】以上のように、この実施例のコンクリート
型枠用間隔保持具1は、炭素含有量が0.8〜0.9重
量%の炭素鋼材で形成されているので、全体の強度が高
いものとなっている。しかも、本体2及び外側規制片3
は750〜850度の温度範囲内で加熱されて硬質化さ
れているので、その強度が更に向上る。従って、間隔
保持具1を薄肉に形成しても充分な強度を保つことがで
き、その結果、間隔保持具1の軽量化を図ることができ
て、運搬や設置作業時における作業性を向上させること
ができる。又、係止片9は550〜700度の温度範囲
内で加熱されて軟質化されているので、その係止片9を
少ない力で容易に折り曲げることができ、間隔保持具1
の型枠6への装着作業を短時間で簡単に、しかも確実に
行うことができる。
【0016】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば以下のような態様で具体化してもよ
い。 (1)本体2の長手方向に沿って補強リブを形成し、本
体2の強度を更に向上させること。
【0017】(2)本体2及び外側規制片3のみを75
0〜850度の温度範囲内で加熱して、係止片9の加熱
を行わないこと。 (3)係止片9のみを550〜700度の温度範囲内で
加熱して、本体2及び外側規制片3の加熱を行わないこ
と。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、係
止片の折り曲げが容易で、しかも軽量化されて作業性が
良く、その上所定の強度を保持できるという優れた効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化したコンクリート型枠用間隔保
持具の一実施例を示す斜視図である。
【図2】間隔保持具に型枠を配置した状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 間隔保持具、2 本体、3 外側規制片、4 内側
規制片、5 型枠嵌合部、6 コンクリート型枠、9
係止片。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短冊状の板材よりなる本体の両端側に外
    側規制片を一体に折り曲げ形成するとともに、その若干
    内側に内側規制片を形成して、それらの両片間に形成さ
    れた型枠嵌合部によってコンクリート型枠を所定の対向
    間隔で保持する間隔保持具において、 前記外側規制片にコンクリート型枠の端部を係止する折
    曲可能な係止片を一体に形成し、前記本体、外側規制片
    及び係止片の材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%の
    炭素鋼であるとともに、係止片のみを550〜700度
    の温度範囲内で加熱して軟質化させたことを特徴とする
    コンクリート型枠用間隔保持具。
  2. 【請求項2】 短冊状の板材よりなる本体の両端側に外
    側規制片を一体に折り曲げ形成するとともに、その若干
    内側に内側規制片を形成して、それらの両片間に形成さ
    れた型枠嵌合部によってコンクリート型枠を所定の対向
    間隔で保持する間隔保持具において、 前記外側規制片にコンクリート型枠の端部を係止する折
    曲可能な係止片を一体に形成し、前記本体、外側規制片
    及び係止片 の材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%の
    炭素鋼であるとともに、前記本体及び外側規制片のみを
    750〜850度の温度範囲内で加熱して硬質化させた
    ことを特徴とするコンクリート型枠用間隔保持具。
  3. 【請求項3】 短冊状の板材よりなる本体の両端側に外
    側規制片を一体に折り曲げ形成するとともに、その若干
    内側に内側規制片を形成して、それらの両片間に形成さ
    れた型枠嵌合部によってコンクリート型枠を所定の対向
    間隔で保持する間隔保持具において、 前記外側規制片にコンクリート型枠の端部を係止する折
    曲可能な係止片を一体に形成し、前記本体、外側規制片
    及び係止片 の材質が炭素含有量0.8〜0.9重量%の
    炭素鋼であるとともに、前記本体及び外側規制片のみを
    750〜850度の温度範囲内で加熱して硬質化させ、
    かつ係止片のみを550〜700度の温度範囲内で加熱
    して軟質化させたことを特徴とするコンクリート型枠用
    間隔保持具。
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JPS62176343U (ja) * 1987-03-13 1987-11-09

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