JP2691499B2 - 有色絹糸の製造方法 - Google Patents

有色絹糸の製造方法

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    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New breeds of animals
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    • A01K67/04Silkworms
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01BMECHANICAL TREATMENT OF NATURAL FIBROUS OR FILAMENTARY MATERIAL TO OBTAIN FIBRES OF FILAMENTS, e.g. FOR SPINNING
    • D01B7/00Obtaining silk fibres or filaments
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01CCHEMICAL OR BIOLOGICAL TREATMENT OF NATURAL FILAMENTARY OR FIBROUS MATERIAL TO OBTAIN FILAMENTS OR FIBRES FOR SPINNING; CARBONISING RAGS TO RECOVER ANIMAL FIBRES
    • D01C3/00Treatment of animal material, e.g. chemical scouring of wool

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蚕の幼虫から着色され
た絹糸を吐出させる有色絹糸の製造方法に係り、更に詳
しくは耐光性、耐洗濯堅牢性等の諸堅牢度に優れた有色
絹糸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より絹の代表的な染色方法として、
例えば、次の様な方法が知られている。先ず、染料を少
量の熱湯に溶解し、該染料溶液を染色する絹の重量の約
50倍に薄めると共に、硫酸ソーダを混入して染料溶液
を調製する。次にこの染料溶液へ予め湯洗いした絹を入
れ、約30分後に沸騰する様に徐々に加熱する。更に約
30分間おいて染料を完全に絹へ付着させ、そして染料
が完全に絹へ付着した後、その絹を染料溶液より取り出
し、水洗して乾燥し有色絹糸を得る。
【0003】又、生成繭を事後に染色するのではなく、
繭を生成する際、既に着色されている繭を得る方法も試
みられている。例えば、4眠に入る前から4眠後5令に
至る成長した蚕の気門に染料溶液を複数回塗布し、染料
を蚕体内の絹糸線に吸着せしめ、蚕の口から染色された
絹糸を吐出させて色着き繭を製造する方法(特公昭54
−30944号公報)も知られている。
【0004】更に又、色着き繭を作る別の方法として、
蚕の幼虫を染料溶液へ浸漬して幼虫の気門から体内の絹
糸線に染料を吸着させ、蚕の口から染色された絹糸を吐
出させ色着き繭を製造する方法(特開平3−19390
4号公報)も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
絹糸を染料溶液に浸漬する染色方法にあっては、作業工
程が多い上に、一つの作業にかなりの時間と労力が必要
であり、又、染色する絹の重量の約50倍の染料溶液を
必要とするので、大掛りな設備と多量の染料が必要であ
った。又、温度及び時間の管理が非常に難しく、適正な
管理が行われないと、絹糸から色落ちすることがあっ
た。又、染料と水との割合によって、色の濃淡が微妙に
変化するので、思い通りの濃さに染色することが極めて
難しかった。
【0006】そして又、上記した蚕の幼虫の気門に染料
溶液を塗布、或いは蚕の幼虫を染料溶液に浸漬して染料
を蚕胎内の絹糸線に吸着せしめ、蚕の口から染色された
絹糸を吐出させ、色着き繭を得てこれにより有色絹糸を
製造する方法に於いては、着色された繭が得られるもの
の、煮繭のときに使用した染料の色落ちが激しく、又、
この繭から有色絹糸を製造する為、処理工程でも色の脱
落が大きい。そして又、染料を使用している為、耐光
性、耐洗濯堅牢性等の各種堅牢度が弱い欠陥がある。更
に蚕の幼虫を繰り返し染料溶液へ浸漬する工程に於いて
は、蚕の幼虫が3割位死んでしまうと云う問題があっ
た。従って本発明の目的は上記従来技術によらず、簡便
な方法で耐光性、耐洗濯堅牢性等の諸堅牢度に優れた有
色絹糸を提供することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、蚕の幼虫の気門か
ら着色剤溶液を吸収せしめ、幼虫の口から着色された糸
を吐出させる有色絹糸の製法において、前記着色剤溶液
として重合体結合色素溶液を使用することを特徴とする
有色絹糸の製造方法である。
【0008】
【作用】本発明によると、蚕の幼虫を重合体結合色素が
溶解された水溶液に浸漬すると、前記重合体結合色素
は、その色素成分として水に不溶な顔料を用いているも
のであっても、顔料は重合体と結合した分子状で分散・
溶解している為、幼虫の呼吸器官である気門から着色剤
溶液が容易に吸収される。そして、この幼虫がさなぎへ
変態する際に、溶液中へ混入された重合体結合色素を含
有する糸を吐出して繭を作る。そしてこの色付きの繭を
紡ぐことにより、光沢のある有色絹糸を得ることが出来
る。
【0009】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明で用いる重合体結合
色素溶液とは、重合体結合色素を中性水、酸性水溶液又
はアルカリ水溶液等に溶解したものであり、重合体結合
色素の濃度は好ましくは0.1〜15重量%である。重
合体結合色素とは、その構造中の色素部分と重合体部分
とが相互に化学結合し、1分子となつているものと考え
られる。重合体結合色素の合成法としては、重合体への
色素の導入方法及び重合体の種類等により種々の方法が
知られている。
【0010】上記重合体結合色素の製造方法について
は、反応形態からみて次の様に大別することが出来る。 (1)色素及び重合体に、相互に反応する官能基を導入
し、それらを反応させる方法。 例えば、1例として、カルボン酸ハライド、酸無水物、
その他の反応基を有する反応性重合体に、C−(ヒドロ
キシアルキル)或いはN−(ヒドロキシアルキル)基を
有するアントラキノン、トリフェニルメタン、アゾ系等
の色素を反応させる方法。他の例として、エポキシ基を
含有する反応性重合体に、アミノ基又はフェノール性水
酸基をもつ染料を反応させる方法。
【0011】(2)色素にビニル基の様な付加重合性基
を導入し、これを単独又は他の付加重合性単量体と共重
合させる方法。 例えば、m−アミノスチレンをジアゾ化し、これを各種
下漬成分とカプリングすることにより発色させ、得られ
るビニル基を有するアゾ色素を更に重合させる方法。 (3)色素を生成し得る原料の一成分にビニル基の様な
付加重合性基を導入し、これを単独或いは他の付加重合
性単量体と共重合させた後、更に他方の色素の原料成分
と反応させて発色させる方法。 例えば、m−アミノスチレンを重合させて、m−アミノ
スチレンの重合体を調製し、これをジアゾ化し、各種下
漬成分とカプリングさせて発色させる方法。
【0012】(4)色素に縮合性反応基を導入し、これ
を他の縮合性単量体、或は初期縮合物と共縮合させる方
法。 例えば、反応性ハロゲンをもつ基を含有するアゾ、アン
トラキノン、或はフタロシアニン系染料等をフォルムア
ルデヒドやアミノプラスト等と縮合させる方法。 (5)色素を生成し得る原料の一成分に縮合性基を導入
し、これを他の縮合性単量体或はその初期縮合物と共縮
合させた後、更に他方の色素の原料成分と反応させ発色
させる方法。 例えば、反応性重合体に反応基を有する下漬成分を縮合
させ、その後、各種ジアゾ成分とカプリングさせ発色さ
せる方法。 (6)付加重合性単量体中で色素ラジカルを生成させ、
これを重合開始剤として付加重合性単量体を重合させる
方法。
【0013】本発明においては、顔料のジアゾニウム
塩、染料のジアゾニウム塩或いは顔料又は染料の中間体
のジアゾニウム塩を付加重合性単量体と混合して重合せ
しめて得た重合体結合色素を用いるのが好ましい。本発
明の云う顔料のジスアゾニウム塩とは、例えば、銅フタ
ロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタ
ロシアニン系顔料、アンスラキノン、チオインジゴ、ペ
リノン及びペリレン等のバット系顔料、キナクリドン、
ジオキサジン等の多環式顔料、硫化顔料、アゾカップル
又はアゾ縮合顔料等のアゾ顔料のジアゾニウム塩であ
る。
【0014】又、染料のジアゾニウム塩とはアゾ染料、
アンスラキノン染料、インヂゴイド染料、硫化染料、フ
タロシアニン染料等の染料のジアゾニウム塩である。し
かして顔料又は染料の中間体のジアゾニウム塩とは上記
顔料又は染料色素の中間体のジアゾニウム塩で、一例を
挙げれば、下記式(1)
【化1】 等の如き一般公知の中間体にジアゾニウム塩を導入させ
たものである。
【0015】次に本発明に用いられる付加重合性の単量
体としては、従来公知の付加重合性単量体を全て用いる
ことが出来る。例えば、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、メチルビ
ニルケトン、メチルビニルエーテル、ビニルピロリド
ン、ビニルピリジン、イソブチレン等のビニル化合物;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、メチルクロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、アセチレン
ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらのエステ
ル類、酸無水物、酸クロライド、酸アマイド、メチロー
ル酸アマイド、アルキルメチロール酸アマイド等の誘導
体;ジアミノビニルトリアジン、ビニル尿素等のビニル
化合物及びそれらのメチロール体、アルキルメチロール
体等の誘導体;グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アクルグリシジルエーテル等の単量体;
【0016】共役二重結合を有するブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン等、又は非共役二重結合を有するエ
チレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、ジアリルフタレート、N,N’−
メチレンビスアクリルアマイド等の単量体及び分子中に
不飽和二重結合を有する不飽和ポリエステル、不飽和脂
肪酸、不飽和脂肪酸アルキッド樹脂、乾性油等を挙げる
ことが出来る。前記の顔料のジアゾニウム塩、染料のジ
アゾニウム塩或は顔料又は染料の中間体のジアゾニウム
塩と、用途に応じて任意に選択した上記の付加重合性単
量体とを混合して、溶液、乳化、懸濁、塊状等の一般公
知の重合方法により重合させて、顔料、染料或はそれら
の中間体に重合体が化学的に結合した有色重合物が得ら
れる。
【0017】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、実施例又は比較例中の部又は%
は重量基準である。 実施例1(重合体結合色素水溶液の調製) 4部のトリアミノ銅フタロシアニンブルー塩酸塩ペース
ト(固形分に換算した量)を12部の35%塩酸と混合
し、更に水及び氷を加えて130部にする。次いで1.
2部の亜硝酸ソーダを加えて20分間ジアゾ化反応を行
う。ジアゾ化反応完了後、過剰の亜硝酸をヨウ化カリウ
ム澱粉紙で見ながらスルフアミン酸で分解する。
【0018】得られたジアゾニウムクロライド溶液を濾
過し、そこへ14部のアクリル酸を加える。そのままの
温度で20分間攪拌した後、65℃で2時間重合を行
う。重合は発泡しながら進行し、発泡が終わってから更
にそのまま2時間攪拌する。重合後、重合釜に200部
の水を加えた後、析出した重合体結合色素を瀘過する。
次いで、前記の重合体結合色素を希苛性ソーダ水溶液に
加えて溶解し、PHを8にすると共に重合体結合色素の
5%水溶液になる様に調整する。
【0019】(有色絹糸の製造)上記によって得た5%
の重合体結合色素水溶液へ五齢に成長した蚕の幼虫複数
匹(約100匹)を約2〜3秒間浸漬する。更に、上記
の浸漬操作を2〜5回繰り返して行う。その際、蚕の幼
虫は全く死亡しなかった。この様にすると、重合体結合
色素水溶液は蚕の呼吸器官である気門から吸収され、色
素が蚕の体内に蓄積される。この様に色素が体内に蓄積
された蚕の幼虫は、通常の蚕の幼虫と何ら変わるところ
がなかった。
【0020】次いで、上記の作業を終了した蚕の幼虫は
通常の飼育方法によって飼育する。この様にすると、蚕
の幼虫がさなぎに変態する際に体内に吸収した青色の糸
を吐出し、青色の繭を作った。上記の繭を紡ぐことによ
り青色の絹糸が得られた。得られた青色の絹糸は、光沢
があり且つ銅フタロシアニンブルー顔料本来の物性を有
し、染料を使用したものと比較して耐光性に極めて優れ
ており、色落ちがなく洗濯堅牢度が非常に優れていた。
【0021】実施例2(重合体結合色素水溶液の調製) 実施例1と同様にして銅フタロシアニンのジアゾニウム
クロライド水溶液を得る。別の反応釜にN,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート14部、ポリエチレング
リコールノニルフェニルエーテル0.6部及び水13部
を配合し、攪拌してモノマーのエマルジョンを作り、そ
こへ前記で得た銅フタロシアニンのジアゾニウムクロラ
イド水溶液を加える。次いで攪拌しながら8部の5%三
塩化チタン水溶液を60分間で滴下した。滴下するに従
い発泡を伴いながら重合反応が進行し、発熱により33
℃に昇温した。重合の終点は発泡の終わった時点とし
た。重合終了後、析出した重合体結合色素を瀘過する。
次いで前記の重合体結合色素5部を5%の酢酸水溶液9
5部に加えて溶解し、重合体結合色素水溶液を得た。
【0022】(有色絹糸の製造)上記によって得た2%
の重合体結合色素水溶液へ四齢に成長した蚕の幼虫複数
匹(約100匹)を約2〜3秒間浸漬する。更に、上記
の浸漬操作を2〜5回繰り返して行う。その際、蚕の幼
虫は全く死亡しなかった。この様にすると、重合体結合
色素水溶液は蚕の呼吸器官である気門から吸収され、色
素が蚕の体内に蓄積される。この様に色素が体内に蓄積
された蚕の幼虫は、通常の蚕の幼虫と何ら変わるところ
がなかった。次いで、上記の作業を終了した蚕の幼虫は
通常の飼育方法によって飼育する。この様にすると、蚕
の幼虫がさなぎに変態する際に体内に吸収した青色の糸
を吐出し、青色の繭を作った。上記の繭を紡ぐことによ
り青色の絹糸が得られた。得られた青色の絹糸は、光沢
があり且つ銅フタロシアニンブルー顔料本来の物性を有
し、染料を使用したものと比較して、耐光性に極めて優
れており、色落ちがなく洗濯堅牢度が非常に優れてい
た。
【0023】実施例3(重合体結合色素水溶液の調製)
【化2】 上記の式(2)の赤色系色原体4.7部を塩酸6.9
部、亜硝酸ソーダ1.6部を用いてジアゾ化し、その得
られる反応濾液にアクリル酸アミド23.3部を水50
部に溶解させた水溶液を加え、30分で温度を65℃に
し、65〜70℃にて30分攪拌し重合させる。ついで
水150部を加えて、反応物を濾過し、メタノール及び
水で洗浄する。次いで、得られたペーストを水30部中
に懸濁させ、37%ホルマリン水溶液25.2部を加
え、炭酸ソーダにてpH9に調整し、60〜65℃で1
時間メチロール化させる。得られた赤色溶液を濾過し、
濾液をメタノール200部の中に注ぎ重合物を沈殿さ
せ、沈殿物を濾過して、更にメタノールで洗浄し、更に
エーテルで洗い風乾することにより、赤色重合体結合色
素27.7部得た。次いで、上記の赤色重合体結合色素
5部を水95部に溶解し、重合体結合色素水溶液を得
た。
【0024】(有色絹糸の製造)上記によって得た5%
の重合体結合色素水溶液へ五齢に成長した蚕の幼虫複数
匹(約100匹)を約2〜3秒間浸漬する。更に、上記
の浸漬操作を2〜5回繰り返して行う。その際、蚕の幼
虫は全く死亡しなかった。この様にすると、重合体結合
色素水溶液は蚕の呼吸器官である気門から吸収され、色
素が蚕の体内に蓄積される。この様に色素が体内に蓄積
された蚕の幼虫は、通常の蚕の幼虫と何ら変わるところ
がなかった。次いで、上記の作業を終了した蚕の幼虫は
通常の飼育方法によって飼育する。この様にすると、蚕
の幼虫がさなぎに変態する際に体内に吸収した赤色の糸
を吐出し、赤色の繭を作った。上記の繭を紡ぐことによ
り赤色の絹糸が得られた。得られた赤色の絹糸は、光沢
があり、且つアゾ顔料本来の物性を有し、染料を使用し
たものと比較して耐光性に極めて優れており、色落ちが
なく洗濯堅牢度が非常に優れていた。
【0025】
【発明の効果】本発明の有色絹糸の製造方法によると、
蚕の幼虫の呼吸器官である気門から体内に重合体結合色
素が吸収され、その際蚕の幼虫は全く死亡することがな
い。そしてこの幼虫がさなぎへ変態する際に幼虫の体内
に混入された重合体結合色素の色調を有する糸を吐出し
て繭を作る。そしてこの色付きの繭を紡ぐことにより、
極めて簡単に有色絹糸を得ることが出来る。更に本発明
では、蚕の幼虫の体内に蓄えられた糸の素(きん糸)が
吐出されて硬化する前に、この糸の素に重合体結合色素
を混入する為、糸の素は重合体結合色素によって原液着
色される。従って吐出された絹糸は均一に着色されたも
のとなる。そして本発明では色素として特に耐光性、耐
洗濯堅牢性等の各種堅牢度に優れた重合体結合色素を使
用している為、着色された絹糸は耐光性に優れ、又、そ
の後の水洗工程で全く色落ちがなく有色の絹糸となる。
又、得られた絹糸は色素と共に重合体成分を含有する
為、光沢があり、糸の物性も向上する利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻原 享枝 群馬県佐波郡赤堀町大字堀下618−2番 地 (72)発明者 阿部 好夫 埼玉県岩槻市東岩槻5丁目11番32号 (72)発明者 星野 明 埼玉県越谷市越谷本町3−4

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蚕の幼虫の気門から着色剤溶液を吸収せ
    しめ、幼虫の口から着色された糸を吐出させる有色絹糸
    の製法において、前記着色剤溶液として重合体結合色素
    溶液を使用することを特徴とする有色絹糸の製造方法。
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