JP2564668B2 - 有色絹糸の製造方法 - Google Patents

有色絹糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、絹糸の染色作業を簡略化するとともに、
脱色しにくい有色絹糸の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来より、絹の代表的な染色方法として次のようなも
のがあった。
まず、染料を少量の熱湯に溶かし、染色する絹の重量
の約50倍に染液で薄めるとともに硫酸ソーダを混入して
染料液を作る。
次に、この染料液へ、予め湯洗いした絹を入れ、約30
分後に沸騰するように徐々に加熱する。
さらに、約30分間おいて染料を完全に絹へ付着させ
る。
そして、染料が完全に絹へ付着したら、その絹を染料
液より取り出し、水洗して乾燥させる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記染色方法にあっては、作業工程が多い
うえに、一つの作業にかなりの時間と手間が必要であ
り、また、染色する絹の重量の約50倍の染料液を使用す
るので、大掛かりな設備と多量の染料が必要であった。
また、温度及び時間の管理が非常に難しく、適正な管
理が行なわれないと、色落ちすることがあり、また、染
料と水との割合によって、色の濃淡が微妙に変化するも
のであるので、重いどうりの濃さに染色することが極め
て難しかった。
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、簡
単に、かつ脱色しにくい有色絹糸の製造方法を提供する
ことを目的としている。
[課題を解決するための手段] この発明は、蚕の幼虫を、色素が混入され、かつ室温
より温度が高く設定された溶液へ断続的に浸漬し、前記
幼虫の体内へ気門を介して前記溶液を吸収させ、前記幼
虫から前記色素に染色された糸を吐出させることを特徴
とする。
[作用] 溶液へ浸漬された蚕の幼虫は、呼吸器官である気門か
ら溶液を吸収する。そして、この幼虫がさなぎへ変態す
る際に、吸収された溶液中の色素の色の糸を吐出して繭
を造る。したがって、この色付きの繭をつむぐことによ
り、有色絹糸を得ることができる。また前記溶液は室
温、すなわち幼虫の体温より高い温度に設定されている
ので、この溶液へ幼虫を浸漬することにより、幼虫の体
温が上昇して活性化した状態で溶液が吸収される。
しかも、溶液の液温が室温より高温であるため、溶液
への浸漬に伴い幼虫が溶液により温められる。ところ
が、幼虫は変温動物であるため、幼虫を温めることによ
りその体温が上昇し、生理的に活性化されて呼吸が活発
になる。これにより、幼虫の気門からの溶液の吸収が高
められる。
[実施例] 以下、本発明の有色絹糸の製造方法を工程順に説明す
る。
(1)まず、所定量(約480g)の水を沸騰させ殺菌す
る。
(2)上記水を気温より僅かに高い温度まで冷却する。
(3)上記水へ食酢(酢、小麦、酒粕、米コーン、アル
コール等からなる酢度約4.2%の一般的な食酢約10g)及
び色素(赤の場合は食紅102号食用、黄色の場合は食黄
色4号、青の場合は油性青インク等約10g)を混入し、
撹拌する。
(4)上記(3)の工程により得られた溶液中へ複数匹
(約100匹程度)の蚕の幼虫を浸漬する。
(5)蚕の幼虫が死なない程度の時間(約3秒)経過
後、溶液中から幼虫を引き出し、しばらく(約10秒)放
置する。
(6)蚕の幼虫の浸漬時間の合計が所定時間に達するま
で上記(4)及び(5)の作業を複数回(3回程度)繰
り返し行う。
このようにすると、蚕の幼虫の呼吸器官である気門か
ら溶液が吸収され、幼虫の体内に蓄積される。
(7)上記(6)の作業の終了した蚕の幼虫を通常の飼
育方法によって飼育する。
このようにすると、蚕の幼虫がさなぎに変態する際
に、溶液へ混入した色素の色の糸を吐出し、色付きの繭
を作る。
(8)得られた色付きの繭をつむぐことにより、有色絹
糸が得られる。
上記実施例によれば、吐糸する前の蚕の幼虫に色素の
混入した溶液を吸収させ、その色素に染色された糸を吐
出させるものであるので、得られた糸を染色する場合と
比較し、耐脱色性を大幅に向上させることができる。
即ち、蚕の体内に蓄えられた糸の素(きん糸と呼ばれ
ている)は吐出され、外気に触れると酸化、あるいは乾
燥して硬化すると推定されるが、上記実施例の製造方法
のように、糸が吐出されて硬化する以前に幼虫の体内の
糸の素に色素を混入させるものであるので、定着性及び
染色性が良くなると考えられる。
更に、溶液の温度を室温より僅かに高い温度に設定し
たことにより、蚕の幼虫を溶液中に浸漬した際、幼虫が
若干温められる。ところが、蚕は変温動物であるため、
蚕の幼虫を温めるとその体温が上昇して生理的に活性化
され、呼吸が活発になる。
その結果、蚕の幼虫の気門からの溶液の吸収を高める
ことができ、作業効率が向上する。また、溶液の温度が
室温より高いため、上記水に色素が溶解しやすく、溶液
の調製が容易であるという効果もある。
なお、上記有色絹糸の製造方法は、従来から行なわれ
ている蚕の飼育方法(飼育林飼育方法、水さし飼育方法
等)のすべてのものに適応することができるのは勿論で
ある。
また、上記実施例は、様々な種類の色の色素を混入す
ることにより、多種の有色絹糸を製造することができ
る。
また、実験によれば、有色絹糸の着色の濃淡は、蚕の
幼虫が一齢に近いほど濃くなる結果が得られているが、
五齢に成長した幼虫を使用することにより、病気等によ
り死亡する確率の高い一齢ないし四齢を使用した場合と
比較し、歩留りを良くすることができる。
また、溶液中に食酢を混入したことより、殺菌効果を
得ることができるとともに、色素の定着性を向上させる
ことができる。
なお、溶液の温度は少なくとも室温より高ければよ
く、飼育条件または幼虫の成長状態等により、任意に設
定される。また、溶液の成分及び配分、あるいは浸漬作
業の回数及び浸漬時間等は、上記実施例に限定されな
い。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の有色絹糸の製造方法に
よれば、下記の効果を奏することができる。
色素が混入された溶液中へ蚕の幼虫を浸漬すると、幼
虫の呼吸とともに、呼吸器官である気門から溶液が吸収
される。したがって、この幼虫がさなぎへ変態する際
に、溶液中に混入された色素により着色された糸を吐出
して繭を造り、この繭をつむぐことによって有色の絹糸
を得ることができる。
前記蚕を浸漬する液として、室温より高温のものを用
いるので、幼虫を染色液へ浸漬する処理により、変温生
物である幼虫の体温が上昇して生理的に活性化され、気
門からの呼吸が活発になるため、溶液の吸収が促進され
る。
溶液に漬けるという単純な処理によって、多数の蚕に
対して、幼虫の活性化、および、気門からの溶液(色
素)の吸収という二つの処理を一括して行うことがで
き、したがって能率がよい。また、かかる単純な処理は
工業化が容易である。
蚕の幼虫の体内に蓄えられた糸が吐出されて硬化する
前に、着色が行われるから、吐出後の白色の糸を染色し
ようとする場合に比して良好な定着性および染色性を得
ることができる。
色素の濃度、あるいは、浸漬時間などを調整すること
により、従来の糸への染色によっては得ることのできな
い変化に富んだ有色絹糸を製造することができる。
本発明によって染色された有色絹糸の色を下地とし
て、同一色で染色することにより、さらに変色、退色し
難い絹糸を得ることができる。
糸を吐出していない幼虫を染色液に浸漬し、密度の高
い体内の糸へ色素を混入するものであるので、一旦対外
へ吐き出された糸を染色する場合に比べて単位重量の糸
に対して小量の染色液しか必要とされず、したがって経
済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−30944(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蚕の幼虫を、色素が混入され、かつ液温が
    室温より高温である溶液へ断続的に浸漬し、前記幼虫の
    体内へ前記幼虫の気門から前記溶液を吸収させ、前記幼
    虫から前記色素に染色された糸を吐出させることを特徴
    とする有色絹糸の製造方法。
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