JP2688694B2 - コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JP2688694B2
JP2688694B2 JP1009996A JP999689A JP2688694B2 JP 2688694 B2 JP2688694 B2 JP 2688694B2 JP 1009996 A JP1009996 A JP 1009996A JP 999689 A JP999689 A JP 999689A JP 2688694 B2 JP2688694 B2 JP 2688694B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
epoxy resin
acid
examples
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1009996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02191624A (ja
Inventor
忠敬 石川
淳一 山元
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP1009996A priority Critical patent/JP2688694B2/ja
Publication of JPH02191624A publication Critical patent/JPH02191624A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2688694B2 publication Critical patent/JP2688694B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組
成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は、高温においても比較的ポ
ットライフが長く、コンデンサーを含浸加熱した時に、
短時間で硬化して優れたコンデンサー特性を与えるコン
デンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物に関するもの
である。
(従来の技術及びその課題) エポキシ樹脂は、その硬化物の機械的特性、電気的特
性、熱的特性、耐薬品性、接着性等の諸特性に優れてい
るために、電気、電子用絶縁材料、接着剤、塗料等の分
野において広く使用されている。
一方、2枚の電極を近づけて一定の間隙を保ち、電圧
を印加することで電荷が蓄積するコンデンサーは、電子
部品として必須であり、セラミックコンデンサー、タン
タル電解コンデンサー、フィルムコンデンサー等各種あ
るが(例えば「総合電子部品年間」1988年、中日社発
行)、これらを実用に供するためには、外的衝撃から保
護する必要があり、そのために電気的特性と信頼性に優
れている各種封止方法が提案されている。
このうち、樹脂封止する方法は、例えば実開昭62−16
612号公報、同62−16613号公報で金属化プラスチックフ
ィルムを巻回したコンデンサー素子を樹脂ケース内に置
いて、コンデンサー素子と樹脂ケース内壁との間を可撓
性樹脂で封止することを、また、実開昭62−138432号公
報では、セラミックよりなる外装ケースに収納し、充填
材で封止したケース外装型コンデンサーが開示されてい
る。
これらの封止材で含浸するのに、二液系のエポキシ樹
脂配合物が用いられているが、その代表例の一つとし
て、例えば特開昭59−144119号公報に開示されている。
これら二液混合型エポキシ樹脂組成物は、プラスチッ
クフィルムコンデンサーの特性上は、実用化のレベルに
達しているが、これらの組成物は常温においての貯蔵安
定性が充分でなく、長期にわたって使用可能とするため
には、低温で保存することが必要であり、望ましくは主
剤と硬化剤の二液を調製後、短時間内で使用しなければ
ならなかった。また、二液混合の場合、運転開始の際の
機器調整中、あるいは運転中の組成物のロスが多く、非
経済的であり、さらには、二液のフィードがばらつき、
組成が最適値から外れた封止材で封止した時には、コン
デンサー特性の信頼性に問題が生じた。これらの課題を
解決するために、コンデンサー特性に悪影響しない安定
性に優れた一液型組成物の出現が強く望まれていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、前記課題を解決したコンデンサー封止特性
に優れた一液性エポキシ樹脂組成物を提供するものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤及び特定の
硬化剤とからなる一液性エポキシ樹脂組成物に関し、詳
しくは; (1) エポキシ樹脂と、 (2) エポキシ樹脂1当量に対して0.5〜1.5当量の酸
無水物と、 (3) エポキシ樹脂100重量部に対して2〜60重量部
の、(a)1分子中に少なくとも1個の3級アミノ基を
有するが、1級および2級アミノ基を有さず、波数1630
〜1680cm-1の赤外線を吸収する結合基(X)と波数1680
〜1725cm-1の赤外線を吸収する結合基(Y)を少なくと
もその表面に有する粉末状アミン化合物(A)をコアと
し、 (b) 上記アミン化合物(A)とエポキシ樹脂の反応
生成物をシェルとしてなる硬化剤(I)と、 上記硬化剤(I)100重量部に対して10〜50,000重量
部のエポキシ樹脂(B)とからなる液状またはペースト
状一液性エポキシ樹脂配合物用マスターバッチ型硬化剤 とからなることを特徴とする、コンデンサー封止用一
液性エポキシ樹脂組成物に関するものである。
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物による封止材によ
れば、下記の効果が得られる; 誘電率、誘電正接および体積抵抗率等のコンデンサー
特性が従来からの二液系と同じく良好であり、長期信頼
性に優れる。
一液性エポキシ樹脂組成物は貯蔵安定性に優れている
ため、封止する時の作業性が格段に優れ、かつ作業ロス
が少ない。
得られた硬化物の耐熱性が良好である。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、特に限定するも
のではなく、平均して1分子当たり2個以上のエポキシ
基を有するものであればよい。例えば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシン等の多
価フェノール、またはグリセリンやポリエチレングリコ
ールのような多価アルコールとエピクロルヒドリンを反
応させて得られるポリグリシジルエーテル;あるいはp
−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸のようなヒド
ロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得
られるグリシジルエーテルエステル;あるいはフタル
酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロル
ヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステ
ル;あるいは4,4′−ジアミノジフェニルメタンやm−
アミノフェノールなどとエピクロルヒドリンを反応させ
て得られるグリシジルアミン化合物;さらにはエポキシ
化ノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹
脂、エポキシ化ポリオレフィン、その他ウレタン変性エ
ポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
本発明に用いられる酸無水物は、特に限定するもので
はなく、代表的な例として以下に示す。
例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラ
ヒドロフタル酸、無水−3−クロロフタル酸、無水−4
−クロロフタル酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水ジメチル
コハク酸、無水ジクロルコハク酸、メチルナジック酸、
ドデシルコハク酸、無水クロレンデック酸、無水マレイ
ン酸等の酸無水物であり、その添加量は、エポキシ樹脂
1当量に対して0.5〜1.5当量である。
以下に、本発明に用いられる一液性エポキシ樹脂組成
物用マスターバッチ型硬化剤を構成する成分について詳
細に説明する。
本発明で用いられるマスターバッチ型硬化剤は、硬化
剤(I)とエポキシ樹脂(B)が一定の比率で混合され
てなるものである。
まず、硬化剤(I)の説明を行う。硬化剤(I)は、
粉末状アミン化合物(A)からなるコアと、このアミン
化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の反応生成物からな
るシェルから構成されている。
ここでいう粉末状アミン化合物(A)は、第3級アミ
ノ基を有する粉末状アミン化合物(a)を処理して得ら
れるものである。この3級アミノ基を有する粉末状アミ
ン化合物(a)として、以下のものを挙げることができ
る。
(1)分子中に1個以上の1級アミノ基を有する化合物
および/または2級アミノ基を有する化合物と、カルボ
ン酸化合物、スルホン酸化合物、イソシアネート化合物
またはエポキシ化合物との反応生成物(a−1); ただし、反応生成物の分子中に、1級アミノ基または2
級アミノ基を有しているものは除外する。
(2)イミダゾール化合物(a−2) 反応生成物(a−1)の原料について説明する。
1分子中に1個以上の1級アミノ基を有する化合物と
しては、脂肪族第一アミン、脂環式第一アミン、芳香族
第一アミンのいずれを用いてもよい。
脂肪族第一アミンとしては、例えば、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノー
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどを挙げる
ことができる。
脂環式第一アミンとしては、例えば、シクロヘキシル
アミン、イソホロンジアミン、アミノエチルピペラジン
等を挙げることができる。
芳香族第一アミンとしては、アニリン、トルイジン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン等を挙げることができる。
1分子中に1個以上の2級アミノ基を有する化合物と
しては、脂肪族第二アミン、脂環式第二アミン、芳香族
第二アミン、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物
のいずれを用いてもよい。
脂肪族第二アミンとしては、例えば、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン
等を挙げることができる。
脂環式第二アミンとしては、例えば、ジシクロヘキシ
ルアミン、N−メチルピペラジン等を挙げることができ
る。
芳香族第二アミンとしては、例えば、ジフェニルアミ
ン、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン等を
挙げることができる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソ
プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2
−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−ヘプタンデシルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール及びここに挙げたイミダゾール化
合物のカルボン酸塩等を挙げることができる。
イミダゾリン化合物としては、2−メチルイミダゾリ
ン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダ
ゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン等を挙げること
ができる。
反応生成物(a−1)の他の原料の例を以下に述べ
る。
カルボン酸化合物:例えば、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、フタル酸、ダノマー酸等。
スルホン酸化合物:例えば、エタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸など。
イソシアネート化合物:例えば、トリレンジイソシア
ネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等。
エポキシ化合物:モノエポキシ化合物、ジエポキシ化
合物、多価エポキシ化合物のいずれ又はそれらの混合物
を用いてもよい。
モノエポキシ化合物としては、ブチルクリシジルエー
テル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、パラ−t−ブ
チルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、パラキシリルグリシジルエーテ
ル、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、グ
リシジルヘキソエート、グリシジルベンゾエート、エポ
キシ樹脂等を挙げることができる。
ジエポキシ化合物としては、ビスフェノールA,ビスフ
ェノールF,カテコール,レゾルシンなどの二価のフェノ
ール化合物、またはエチレングリコール、プロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ールなどの二価アルコール化合物、p−オキシ安息香
酸、β−オキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン
酸、フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸な
どのジカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得
られるジグリシジル化合物:3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カル
ボキシレートなどの脂環式エポキシ化合物を挙げること
ができる。
好ましいアミン化合物(a−1)は、N−メチルピペ
ラジンあるいはジエチルアミノプロピルアミンとエポキ
シ化合物の反応生成物であり、第二アミンの活性水素原
子1当量に、エポキシ化合物のエポキシ基1当量を反応
させて得られるものである。
イミダゾール化合物(a−2)としては、1−シアノ
エチル−2−ウンデシル−イミダゾール−トリメリテー
ト、イミダゾリルコハク酸、2−メチルイミダゾールコ
ハク酸、2−エチルイミダゾールコハク酸、1−シアノ
エチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
フェニルイミダゾール等を挙げることができる。
好ましいアミン化合物(a)として、第一または第二
アミンとエポキシ含有化合物を、アミン化合物の活性水
素原子1当量に対しエポキシ化合物のエポキシ基0.8〜
1.2当量の割合で反応させて得られる生成物が挙げられ
る。
これらのアミン化合物(a)の中で、硬化の容易性、
貯蔵安定性が特に優れたものを得るためには、1分子中
にヒドロキシル基を1個以上有するイミダゾール誘導体
が好ましい。
用いられるさらに好ましいアミン化合物は、イミダゾ
ール化合物と分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有
する化合物との反応により生成する、分子中に少なくと
も2個のヒドロキシル基を有する化合物である。
そのようなイミダゾール誘導体としては、例えばイミ
ダゾール化合物あるいはイミダゾール化合物のカルボン
酸塩と、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合
物の付加化合物が挙げられる。
使用されるイミダゾール化合物としては、イミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプ
ロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール等とそのカルボン酸塩が挙げら
れる。
カルボン酸としては、酢酸、乳酸、サリチル酸、安息
香酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸、マレ
イン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
また、使用される1分子中に1個以上のエポキシ基を
有する化合物としては、ブチルグリシジルエーテル、ヘ
キシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、p−キシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセ
テート、グリシジルブチレート、グリシジルヘキソエー
ト、グリシジルベンゾエート、アリルグリシジルエーテ
ル、P−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等のモノエポキ
シ化合物、あるいはエポキシ樹脂が挙げられる。
優れた硬化性、貯蔵安定性を得るためには、イミダゾ
ール化合物として、2−メチルイミダゾールあるいは2
−エチル−4−メチルイミダゾールから選ばれた一つも
しくはその混合物が好ましく、また、エポキシ化合物と
しては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを反応
して得られるエポキシ樹脂が最も好ましい。
このイミダゾール化合物とエポキシ化合物の付加物
は、1〜5モルのイミダゾールと1〜5モルのエポキシ
化合物を反応させ、従来公知の一般的方法で行うことが
できる。
第三アミノ基を有する粉末状アミン化合物(A)の平
均粒径は、特別に制限するものではないが、平均粒径が
大きすぎる場合、硬化性を低下させたり、硬化物の機械
的な物性を損なうことがある。好ましくは、平均粒径50
μを越えないものであり、これ以上平均粒径が大きくな
ると硬化物の物性において、耐薬品性、機械的強度の低
下を招く。最適には10μを越えないものである。
本発明でいう粒径とは、日本粉体工業技術協会編「凝
集工学」(昭和57年発行)の表−4.4中に示される遠心
沈降法または沈降法で測定されるストークス径を指すも
のである。また、平均粒径は、モード径を指すものであ
る。
用いられる化合物(A)において、1級アミノ基また
は2級アミノ基を有しているものを除外する目的は、こ
れらの基を有する化合物をエポキシ樹脂、とりわけ液状
エポキシ樹脂に配合する時に、配合品の粘度が極端に高
くなるのを避けるためである。
粉末状アミン化合物(A)中の1630〜1680cm-1及び16
80〜1725cm-1の赤外線を吸収する結合基は、赤外分光光
度計を用いて測定することができるが、フーリエ変換式
赤外分光光度計を用いることにより、より詳細に解析で
きる。
1630〜1680cm-1の吸収を有する結合基(X)のうち、
特に有用なものとして、ウレア結合を挙げることができ
る。
1680〜1725cm-1の吸収を有する結合基(Y)のうち、
特に有用なものとして、ビュレット結合を挙げることが
できる。
このウレア結合、ビュレット結合は、イソシアネート
化合物と水または1分子中に1個以上の1級アミノ基を
有するアミン化合物との反応により生成される。
結合基(X)の代表であるウレア結合、及び(Y)の
代表であるビュレット結合を生成するために用いられる
イソシアネート化合物としては、1分子中に1個以上の
イソシアネート基を有する化合物であればよいが、好ま
しくは1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
化合物を用いることである。
代表的なイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイ
ソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソ
シアネート、脂肪族トリイソシアネートを挙げることが
できる。
脂肪族ジイソシアネートの例としては、エチレンジイ
ソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
を挙げることができる。
脂環式ジイソシアネートの例としては、イソホロンジ
イソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート等を挙げることができる。
芳香族ジイソシアネートの例としては、トリレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネートおよびポリメチレン
ポリフェニルポリイソシアネート等を挙げることができ
る。
脂肪族トリイソシアネートの例としては、1,3,6−ト
リイソシアネートメチルヘキサン等を挙げることができ
る。
また、上記のイソシアネート化合物と1分子中に水酸
基を有する化合物とのアダクト、例えば、イソシアネー
ト化合物とα,ω−ジヒドロキシアルカン類との反応生
成物、イソシアネート化合物とビスフェノール類との反
応生成物も用いることができる。イソシアネート化合物
と水との予備反応生成物も使用することができる。
結合基(X)および(Y)の代表であるウレア結合ま
たはビュレット結合を生成させるための1分子中に1個
以上の1級アミノ基を有するアミン化合物としては、脂
肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミンを使用するこ
とができる。
脂肪族アミンの例としては、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミ
ン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジア
ミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキレンポリ
アミンを挙げることができる。
脂環式アミンの例としては、シクロプロピルアミン、
シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘ
キシルアミン、イソホロンジアミン等を挙げることがで
きる。
芳香族アミンとしては、アニリン、トルイジン、ベン
ジルアミン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノジフェニルスルホン等を挙げることができ
る。
粉末状アミン化合物(A)において、結合基(X)お
よび結合基(Y)は、それぞれ1〜1000meq/Kgおよび1
〜1000meq/Kgの範囲の濃度を有していることが好まし
い。結合基(X)の濃度が1meq/Kgより低い場合には化
合物(A)の機械的な強さが充分でないため、配合品の
可使時間が短い。
ここで、粉末状アミン化合物(A)の「機械的強さ」
とは、硬化剤の製造に当たり、ロールあるいはその他の
装置の機械的剪断力により、エポキシ樹脂中に硬化剤や
アミン化合物(A)等を均一に分散させるが、その機械
的剪断強さにより該化合物が破壊されない強さを意味し
ている。
また、1000meq/Kgより高い場合は硬化性が悪くなり、
高温硬化が必要になるため実用的でない。さらに好まし
い結合基(X)の濃度範囲は10〜300meq/Kgである。
結合基(Y)の濃度が1meq/Kgより低い場合は、化合
物(A)の機械的強さが充分でないため配合品の可使時
間が短い。また、1000meq/Kgより高くなると硬化性が悪
く、高温硬化が必要になるため実用的でない。さらに好
ましい結合基(Y)の範囲は10〜200meq/Kgである。
本発明の粉末状アミン化合物(A)として好ましいの
は、結合基(X)および結合基(Y)の他に、波数が17
30〜1755cm-1の赤外線を吸収する結合基(Z)を有する
ことである。
この結合基(Z)のうち、特に有用なものは、ウレタ
ン結合等のカルボニル基である。このウレタン結合は、
イソシアネート化合物と1分子中に1個以上の水酸基を
有する化合物との反応により生成される。
結合基(Z)の代表であるウレタン結合を生成するた
めに用いられる1分子中に1個以上の水酸基を有する化
合物としては、脂肪族飽和アルコール、脂肪族不飽和ア
ルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール等のア
ルコール化合物;フェノール化合物などを用いることが
できる。
脂肪族アルコールとしては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチル
アルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、
デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルア
ルコール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコー
ル、エイコシルアルコール等のモノアルコール類;エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等
のエチレングリコールモノアルキルエーテル類を挙げる
ことができる。その他エチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール等の二価アルコール類;グリセリン、トリメチロ
ールプロパン等の三価アルコール類;ペンタエリスリト
ール等の四価アルコール類を挙げることができる。
脂肪族不飽和アルコールとしては、アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール等を
挙げることができる。
脂環式アルコールとしては、シクロペンタノール、シ
クロヘキサノール等を挙げることができる。
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シ
ンナミルアルコール等のモノアルコール類を挙げること
ができる。
これらのアルコールにおいては、第一、第二または第
三アルコールのいずれでもよい。また、1分子中に1個
以上のエポキシ基を有する化合物と、1分子中に1個以
上の水酸基、カルボキシル基、1級または2級アミノ
基、メルカプト基を有する化合物との反応により得られ
る2級水酸基を1分子中に1個以上有する化合物もアル
コール化合物として用いることができる。
フェノール化合物としては、石炭酸、クレゾール、キ
シレノール、カルバクロール、チモール、ナフトール等
の一価フェノール;カテコール、レゾルジン、ヒドロキ
ノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の二価フ
ェノール;ピロガロール、フロログルシン等の三価フェ
ノールを挙げることができる。
これら一分子中に一個以上の水酸基を有する化合物と
して好ましいのは、二価以上の水酸基を有するアルコー
ル化合物またはフェノール化合物である。
粉末状アミン化合物(A)中の結合基(Z)の好まし
い濃度範囲は、1〜200meq/Kgである。結合基(Z)の
濃度が1meq/Kgより低い場合には、配合品の可使時間が
短い。また、200meq/Kgより高い場合は硬化性が悪く、
高温での硬化条件が必要となるため、実用的ではない。
さらに好ましい結合基(Z)の濃度範囲は、5〜100meq
/Kgである。
また、結合基(X)と結合基(Y)の濃度の合計に対
する結合基(Z)の濃度比: が0.05〜1.0の範囲が好ましい。濃度比が0.05より小さ
い場合には、化合物(A)の凝集力が強くなり、硬化温
度を実用範囲より高めに設定する必要があり、1.0より
大きい場合には逆に化合物(A)の凝集力が弱く、配合
品の貯蔵安定性に欠け、機械的剪断力への抵抗性も低下
する。
結合基(X)および結合基(Y)の濃度の定量は、そ
れぞれの結合基を有する式(1)および(2)に示すモ
デル化合物と、結合基(X)および結合基(Y)を有せ
ず、かつ特異な波長の赤外線を吸収する官能基を有する
標準物質を用いて、検量線を作成した後に、標準物質と
粉末状アミン化合物(A)を一定の比率で混合して、こ
の混合物の赤外線の吸収強度、すなわち、1630〜1680cm
-1および1680〜1725cm-1の吸収濃度を測定し、検量線か
ら濃度を算出すればよい。標準物質の例として、2,3−
ジメチル−2,3−ジシアノブタンを挙げることができ、
この物質の2220〜2250cm-1に存在するシアノ基に基づく
吸収強度を利用できる。
また、結合基(Z)の定量は、結合基(X)および結
合基(Y)と同様に、式(3)に示すモデル化合物と2,
3−ジメチル−2,3−ジシアノブタンを用いて行うことが
できる。
本発明で用いられるマスターバッチ型硬化剤を製造す
る方法として、例えばエポキシ樹脂(B)中に第三アミ
ノ基を有する粉末化合物(a)を予め分散させておき、
これにイソシアネート化合物を添加し、水の存在下で反
応を行わしめる方法をげることができる。この反応によ
ってコアの表面にシェルを形成させることができる。
コアである粉末状アミン化合物(A)中の結合基
(X)、(Y)、(Z)の濃度調節は、第三アミノ基
を有する化合物(a)に対する水分量、第三アミノ基
を有する化合物(a)に対するイソシアネート化合物量
及びイソシアネートの種類を変えることによって行うこ
とができる。
エポキシ樹脂(B)中に第三アミノ基を有する粉末状
化合物(a)を予め分散させるには、三本ロール等の機
械的剪断力を加えながら混合することが好ましい。
エポキシ樹脂(B)は前記のエポキシ樹脂(B)の中
から選ばれるものである。
粉末状アミン化合物(A)からなるコアの表面を覆う
シェルの厚みは、平均層厚で50〜10,000Åが好ましい。
50Å以下では可使時間が十分でなく、10,000Å以上では
硬化温度が高くなりすぎるため実用的でない。ここでい
う層の厚みは、透過型電子顕微鏡により観察される。特
に好ましいシェルの厚みは、平均層厚で100〜1,000Åで
ある。
本発明で用いられるマスターバッチ型硬化剤の必須の
成分であるエポキシ樹脂(B)は、第三アミノ基を有す
る化合物(a)を水の存在下でイソシアネート化合物と
反応させるための媒体としての役割を有しているが、さ
らに、エポキシ樹脂(B)の一部が粉末状アミン化合物
(A)と反応してシェルを形成することによって硬化剤
としての貯蔵安定性を向上させうるという積極的な役割
をも有している。
粉末状アミン化合物(A)とエポキシ樹脂(B)との
重量比率は1/0.1〜1/500の範囲である。1/0.1より大き
い場合には、粉末状アミン化合物(A)がエポキシ樹脂
(B)中に分散できない。
1/500より小さい場合には、硬化剤としての性能を発
揮しない。好ましくは1/1〜15である。
本発明で用いられるマスターバッチ型硬化剤は、室温
で液状又はペースト状である。
マスターバッチ型硬化剤の配合割合は、使用するエポ
キシ樹脂100重量部に対して2〜60重量部であることが
好ましい。
エポキシ樹脂、酸無水物およびマスターバッチ型硬化
剤組成物の製造については、特に制限はないが、組成物
の貯蔵安定性の観点から、マスターバッチ型硬化剤を最
後に添加して撹拌時間をできるだけ短時間にするのが好
ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて反応性希釈剤、充
填剤、顔料その他の添加剤を併用できるし、必要な場合
には溶剤の使用も可能である。
(実施例および比較例) 以下、例を挙げて本発明を説明をするが、これらの例
によって本発明の範囲を制限されるものではない。
なお、例中の「部」は重量部を示す。
参考例1(第三アミノ基を有する化合物(a)の合成) ビスフェノールA型エポキシ樹脂AER−330(旭化成工
業(株)製、エポキシ当量185)1モルと2−メチルイ
ミダゾール1.5モルを、メタノールとトルエン中、80℃
で反応させた後、溶媒を減圧で留去することによって、
固体状化合物を得た。
これを粉砕して、平均粒径5μの粉末状アミン化合物
X−1を得た。
参考例2(結合基X、Y、Zを有する化合物の合成) ジフェニルメタンジイソシアネート1モルに0.5モル
のヘキサメチレンジアミンを予め60℃で2時間反応させ
ておき、これにビスフェノールA0.75モルを加えて、さ
らに反応を行うことによってポリマーPを得た。
参考例3(検量線の作成) 標準物質として2,3−ジメチル−2,3−ジシアノブタン
を用い、これとモデル化合物(M1) とから、実際の重量比とモデル化合物(M1)の1630〜16
60cm-1の吸収帯の面積と、標準物質の2220〜2250cm-1
吸収帯の面積比とを関係づける検量線を作成した。その
結果を第1図に示す。
同様にして、モデル化合物(M2) の1680〜1725cm-1の吸収帯面積、およびモデル化合物
(M3) の1730〜1755cm-1の吸収帯面積と標準物質の2220〜2250
cm-1の吸収帯の面積比と、実際の重量比を関係づける検
量線を作成した。その結果を同じく第1図に示す。
すなわち、縦軸にはモデル化合物(M1)と標準物質の
重量比を、横軸にはモデル化合物(M1)の1630〜1660cm
-1の吸収帯の面積と標準物質の面積比をとり、実測値を
プロットすることによって、重量比と面積比の間に直線
関係(y=bx)があることを示している。
モデル化合物(M2)およびモデル化合物(M3)につい
ても同様にして、重量比と面積比の間の関係を第1図に
併せて示す。
第1図から測定サンプルの重量当たりの各結合基濃度
を求めるには、以下の方法のとおりである。
すなわち、精秤した測定サンプルと標準物質を混合
し、IRチャートから1630〜1660cm-1、1680〜1725cm-1
1730〜1755cm-1及び2220〜2250cm-1のピーク面積を求め
る。この面積からそれぞれの面積比、すなわち1630〜16
60cm-1と2220〜2250cm-1のピーク面積比、1680〜1725cm
-1と2220〜2250cm-1のピーク面積比及び1730〜1755cm-1
と2220〜2250cm-1のピーク面積比を求め、第1図からそ
れぞれのピークに対応する直線、例えば1630〜1660cm-1
の場合にはモデル化合物(M1)に関する直線を用いてモ
デル化合物(M1)/標準物質の重量比を求める。
この重量比からモデル化合物(M1)のウレア基当量/
標準物質重量に換算することによって、測定サンプルの
1630〜1660cm-1の吸収を有する結合基当量を求める。得
られた結合基当量を測定サンプルの重量で割ることによ
って、測定サンプル重量当たりの結合基濃度が得られ
る。その他の吸収においても同様の方法を用いればよ
い。
(第1図において、x,yは各結合基/標準物質に基づい
ている。) なお、IRスペクトルの測定には、日本電子(株)製FT
−IR(JIR−100)を用いた。
参考例4(マスターバッチ型硬化剤の合成) 参考例2で得られたポリマーP1gを、99gのキシレン/
メタノール(1/1)の混合溶剤に溶解した。この溶液中
に、予め平均5μに粉砕した1−シアノエチル−2−フ
ェニルイシダゾール(2PZ−CN)50gを加えて、25℃で5
分間撹拌した後、すみやかに濾過を行って、ケーキを濾
別し、そのケーキを50℃で5〜10mmHgの減圧下に混合溶
剤を揮散させた。その際、濾液中の不揮発分を測定した
ところ、0.3重量%であり、残りの0.7重量%は2PZ−CN
に付着したものである。
こうして得られた粉末状化合物を10g採り、これにAER
−331(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、旭化成
(株)製、エポキシ当量189)20gを加えて三本ロールを
用いて均一に混合して、マスターバッチ型硬化剤H−1,
30gを得た。得られたマスターバッチ型硬化剤H−1の
粘度は22万cps(25℃)であった。また、40℃の雰囲気
に1週間放置した後の粘度は、25万cpsであり、ほとん
ど粘度の変化はなかった。
参考例5(マスターバッチ型硬化剤の合成) 撹拌器、温度検出器を備えた1のセパラブルフラス
コ中で、AER−331,400gに粉末アミン化合物X−1,200
g、さらに水5gを加えて均一に混合したのち、トリレン
ジイソシアネート(TDI)18gを加えて、40℃で撹拌しな
がら2時間反応を続けたところ、残存するTDIは0.1g以
下となり、マスターバッチ型硬化剤H−2を得た。
参考例6(マスターバッチ型硬化剤の分析) マスターバッチ型硬化剤H−2,15gをキシレン100gと
混合して1昼夜放置したところ、キシレンに不溶の成分
が沈澱してきた。この沈澱物を濾別したところ、5.6gの
沈澱物が得られた。
濾液からキシレンを減圧乾燥して、残った粘稠な液体
は、IR分析、KI−HCl方法によるエポキシ当量の測定に
よりAER−331と同定された。一方、沈澱物を40℃で減
圧、乾燥させて分析用サンプルを得た。この分析用サン
プル3.3gに標準物質として2,3−ジメチル、2,3−ジシア
ノブタン10mgを加え、乳鉢で粉砕混合後、その混合品2m
gを50mgのKbrと共に粉砕して、錠剤成型機を用いて、直
径8mmφの錠剤を作成した。
本錠剤を用いて、日本電子(株)製JIR−100型のFT−
IR測定装置により赤外スペクトル図を得た。得られた図
のうち、1500〜1800cm-1の赤外線の波長領域におけるス
ペクトル図から予め作成した検量線を用いて、結合基
(X)の濃度を求めたところ、55meq/kg−粉末アミン化
合物であった。
1680〜1725cm-1の波長領域および1730〜1755cm-1の波
長領域の吸収も全く同様にして、結合基(Y)、結合基
(Z)を求めたところ、それぞれ25meq/kg、15meq/kgで
あった。
本硬化剤H−2,30gに、AER−331 100gおよびエポメ
ートB−002(油化シェル社製硬化剤)40gを加えて、25
℃で硬化させて、電子顕微鏡用の試料を作成した。その
試料をスライスして、透過型電子顕微鏡により断面を撮
影し、第2図に示した。第2図からシェルが形成されて
いることが分かる。
実施例1 エポキシ樹脂AER−331を100g、酸無水物としてメチル
テトラヒドロ無水フタル酸(日立化成(株)製HN−220
0)85.3g及びマスターバッチ型硬化剤H−2を12g計量
し、充分に混合して均一な組成物を作成した。
得られた組成物の粘度(25℃)は作成直後で1,600セ
ンチポイズ、25℃で1ケ月放置後の粘度は1030センチポ
イズで、粘度の増加は殆ど認められなかった。
この組成物を100℃×3hr+150℃×3hrの硬化条件で硬
化し、そのフィルムをレオバイブロンIII型を用いてガ
ラス転移温度を測定した結果、148℃であった。
また、この硬化物をプレッシャクッカー(120℃)に
1週間放置した後の、吸水率は1.2%であった。その
他、硬化物の電気的特性、およびこの配合品をポリエス
テル系フィルムコンデンサーに含浸硬化させて、コンデ
ンサーの容量変化を測定した結果は表−1に示すとおり
であった。
実施例2〜4 上記の組成でマスターバッチ型硬化剤H−2を6gまた
は20g、またはH−1を9g配合した時の配合品の特性、
硬化物特性およびコンデンサーの容量変化を測定した結
果ほ表−1に示すとおりであった。
比較例1〜4 実施例1に記載の配合例中、マスターバッチ型硬化剤
H−1及びH−2の代わりに、第3級アミンのジメチル
ベンジルアミン(BDMAと略記)、またはイミダゾール系
の2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZと略
記)を0.5gと1.0g夫々配合し、実施例と同様の方法で評
価した結果を表−1に示す。得られた硬化剤の電子顕微
鏡用の試料を参考例6と同様に作成し、その透過型電子
顕微鏡による粒子構造(断面)を第3図に示した。
ベンジルメチルアミンおよび2−エチル−4−メチル
イミダゾールを配合した場合には、保存安定性が悪く一
液型組成物を得ることができなかった。
含浸、硬化する直前に、エポキシ樹脂と硬化剤系を混
合し、実施例と同様の特性を評価した結果は表−Iのと
おりであった。
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物は、従来の酸無水
物用の硬化促進剤として第3級アミン類やイミゾール類
を用いた場合に比較して、配合物の貯蔵安定性が格段に
改良され、かつこの配合物の硬化物電気的特性およびコ
ンデンサーを封止した場合のコンデンサー特性は、従来
からの酸無水物/硬化促進剤系となんら遜色なく、この
工業的意味は非常に大である。
〔発明の効果〕 以上の結果から、本発明の一液性エポキシ樹脂組成物
による封止材によれば、下記の効果が得られる。
誘電率、誘電正接および体積抵抗率等のコンデンサー
特性が従来からの二液系と同じく良好であり、長期信頼
性に優れる。
一液性エポキシ樹脂組成物は貯蔵安定性に優れるた
め、封止する時の作業性が格段に優れ、かつ作業ロスが
少ない。
得られた硬化物の耐熱性が良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図はモデル化合物の標準物質に対する重量比とIRチ
ャートの面積比の関係を示すグラフである。 第2図は参考例6によって得られた硬化剤〔H−2)〕
の粒子構造(図面)を示す電子顕微鏡写真である。 第3図は比較例によって得られた粉末状アミン化合物硬
化剤の粒子構造(断面)を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) エポキシ樹脂と、 (2) エポキシ樹脂1当量に対して0.5〜1.5当量の酸
    無水物と、 (3) エポキシ樹脂100重量部に対して2〜60重量部
    の、(a)1分子中に少なくとも1個の3級アミノ基を
    有するが、1級および2級アミノ基を有さず、波数1630
    〜1680cm-1の赤外線を吸収する結合基(X)と波数1680
    〜1725cm-1の赤外線を吸収する結合基(Y)を少なくと
    もその表面に有する粉末状アミン化合物(A)をコアと
    し、 (b) 上記アミン化合物(A)とエポキシ樹脂の反応
    生成物をシェルとしてなる硬化剤(I)と、 上記硬化剤(I)100重量部に対して10〜50,000重量部
    のエポキシ樹脂(B)とからなる液状またはペースト状
    一液性エポキシ樹脂配合物用マスターバッチ型硬化剤 とからなることを特徴とする、コンデンサー封止用一液
    性エポキシ樹脂組成物。
JP1009996A 1989-01-20 1989-01-20 コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2688694B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1009996A JP2688694B2 (ja) 1989-01-20 1989-01-20 コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1009996A JP2688694B2 (ja) 1989-01-20 1989-01-20 コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02191624A JPH02191624A (ja) 1990-07-27
JP2688694B2 true JP2688694B2 (ja) 1997-12-10

Family

ID=11735463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1009996A Expired - Lifetime JP2688694B2 (ja) 1989-01-20 1989-01-20 コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2688694B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101128502B (zh) * 2005-02-23 2010-12-01 旭化成电子材料株式会社 环氧树脂用潜在性固化剂和环氧树脂组合物

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2365480C (en) 1999-03-17 2009-05-26 Vantico Ag Epoxy resin compositions having a long shelf life
JP5221051B2 (ja) * 2007-03-30 2013-06-26 ソマール株式会社 一液型エポキシ樹脂組成物、該組成物を用いた絶縁コイルおよび硬化繊維構造体の製造方法
DE112021004211T5 (de) * 2020-09-23 2023-06-01 Murata Manufacturing Co., Ltd. Folienkondensator

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5883023A (ja) * 1981-11-11 1983-05-18 Taoka Chem Co Ltd 硬化性組成物
JPS5959720A (ja) * 1982-09-29 1984-04-05 Asahi Chem Ind Co Ltd 新規な一成分型エポキシ樹脂用硬化剤
JPS61192722A (ja) * 1985-02-21 1986-08-27 Asahi Chem Ind Co Ltd 硬化性組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101128502B (zh) * 2005-02-23 2010-12-01 旭化成电子材料株式会社 环氧树脂用潜在性固化剂和环氧树脂组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02191624A (ja) 1990-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH075708B2 (ja) 一液性エポキシ樹脂用マスターバッチ型硬化剤
KR100809799B1 (ko) 캡슐형 경화제 및 조성물
US4066625A (en) Unitary curable resin compositions
CN1957012B (zh) 环氧树脂用硬化剂及环氧树脂组合物
DE69935623T2 (de) Härtbare Harzzusammensetzung
EP0662488B1 (en) Epoxy-resin composition
EP0659793A1 (en) One component epoxy resin compositions containing modified epoxy-amine adducts as curing agents
JP5158088B2 (ja) エポキシ樹脂用マイクロカプセル型潜在性硬化剤及びその製造方法、並びに一液性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2688694B2 (ja) コンデンサー封止用一液性エポキシ樹脂組成物
JP3007026B2 (ja) 加熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2000080153A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2542013B2 (ja) プリプレグ用エポキシ樹脂組成物
JP2000248053A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JPH0535176B2 (ja)
CN106589320A (zh) 多功能环氧固化剂组合物及其制备方法
JP2835359B2 (ja) 一液性配合物の硬化方法
JPS6210571B2 (ja)
EP0566822B1 (de) Flexible Härter
JPS6141910B2 (ja)
JPS5927914A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JPS61148228A (ja) 一液性エポキシ樹脂組成物
JP3042038B2 (ja) 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物
JP2001019741A (ja) 低環境ホルモン性の熱硬化性樹脂組成物
JPS6224006B2 (ja)
JPH11147935A (ja) 接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 12