JP3042038B2 - 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JP3042038B2
JP3042038B2 JP3166850A JP16685091A JP3042038B2 JP 3042038 B2 JP3042038 B2 JP 3042038B2 JP 3166850 A JP3166850 A JP 3166850A JP 16685091 A JP16685091 A JP 16685091A JP 3042038 B2 JP3042038 B2 JP 3042038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
anhydride
epoxy resin
weight
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3166850A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0517557A (ja
Inventor
忠彦 横田
清幹 平井
博之 阪田
健一 森
光二 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP3166850A priority Critical patent/JP3042038B2/ja
Publication of JPH0517557A publication Critical patent/JPH0517557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3042038B2 publication Critical patent/JP3042038B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保存安定性に優れ、且
つ加熱によって速やかに硬化し、硬化後の電気的特性、
熱的特性および化学的性質に優れた樹脂硬化物が得ら
れ、特に含浸、注型などの用途に適する作業性および経
済性に優れた完全に均一な液状酸無水物系一液性エポキ
シ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬化剤としてカルボン酸無水物を用いる
エポキシ樹脂組成物は、低粘度でその硬化後の電気的特
性、機械的特性、熱的特性および化学的性質に優れてい
るため、コンデンサーの封止、大型モーター、発電機等
のコイル含浸、トランスの封止、磁気ヘッド等に幅広く
使用されている。
【0003】しかしエポキシ樹脂と酸無水物とからなる
エポキシ樹脂組成物は保存安定性やポットライフがすぐ
れている反面、硬化に高温と長時間を要するという欠点
を有している。かかる欠点を解消するために硬化促進剤
として、3級アミン及びその塩類(特開昭64ー606
25、特開昭59ー140220)、イミダゾールおよ
びその塩類(特開昭58ー83024、特開昭57ー1
9001)、有機ホスフィン類(特開昭63ー3040
18、特開昭57ー40524)、4級ホスホニウム塩
類(特開平1ー25487、特開昭61ー15123
0)等が使用されている。このような硬化促進剤を使用
した場合、硬化性は大幅に改善されるが、保存安定性が
悪くなるという欠点が新たに生じる。保存安定性が悪い
が故に作業者はその都度、組成物を調製しなければなら
ず、その際エポキシ樹脂、酸無水物、硬化促進剤のそれ
ぞれを計量することとなり、作業性が悪いばかりでな
く、誤差が生じる恐れもある。さらに余った組成物を保
存しておくことができないために廃棄しなければなら
ず、資源の節約、環境問題の点からも好ましくない。
【0004】上述のように保存安定性と硬化性の問題を
解決するために、分散型潜在性硬化促進剤が検討され
(特開昭60ー45241、特開昭60ー7291
7)、保存安定性、硬化性をほぼ満足するものが得られ
つつあるが、硬化促進剤が不溶性の粉体のため、狭い隙
間にしみ込んでいかず、硬化が不充分な箇所が残ってし
まい諸物性の低下が生じる。
【0005】そこで保存安定性、硬化性ともにバランス
がとれ且つ、作業性に優れた硬化促進剤の開発は切望さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、保存安定性、硬化性という相反する二つの条件を
満足し、硬化後の硬化物の電気的特性、機械的特性、熱
的特性、化学的性質が優れている酸無水物系一液性エポ
キシ樹脂組成物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の様
な問題点を解決するために鋭意検討した結果、本発明に
到達した。即ち、本発明は(1)1分子内にエポキシ基
を2個以上有するエポキシ樹脂、(2)カルボン酸無水
物、(3)2級アミンの塩を必須成分とし、(1)と
(2)の混合比は酸無水物当量/エポキシ当量で0.8
〜1.2の範囲で任意に変えられ(但し、酸無水物当量
=酸無水物の分子量/酸無水物基の数を表す。)、
(3)の添加量は、エポキシ樹脂100重量部に対し
て、2級アミンに換算して、0.1〜10重量部の範囲
であることを特徴とする液状酸無水物系一液性エポキシ
樹脂組成物に関するものである。
【0008】本発明に用いられるエポキシ樹脂は、特に
限定するものではなく、平均して1分子当り2個以上の
エポキシ基を有するものであればよい。例えば、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、
カテコール、レゾルシノール等の多価フェノールまたは
グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコー
ルとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリ
シジルエーテル、あるいはpーヒドロキシ安息香酸、β
ーヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸
とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジル
エーテルエステル、あるいはフタル酸、テレフタル酸の
ようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させ
て得られるポリグリシジルエステル、さらにはエポキシ
化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノ
ボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、その他ウレ
タン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0009】本発明に用いられるカルボン酸無水物は、
特に限定するものではなく、代表的な例として以下に示
す。
【0010】例えば、無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グ
リセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチ
ルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブ
テニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハ
ク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ
無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジ
カルボン酸無水物、アルキルスチレンー無水マレイン酸
共重合体、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタ
ル酸、ポリアゼライン酸無水物等が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。
【0011】本発明に用いられる2級アミンの塩は、2
級アミンとカルボン酸の塩、2級アミンとフェノール性
水酸基を有する化合物との塩、2級アミンとスルホン酸
の塩、2級アミンと酸性リン酸エステルの塩、2級アミ
ンとホスホン酸の塩、2級アミンと無機酸の塩が挙げら
れる。
【0012】本発明に用いられる2級アミンとカルボン
酸の塩は、該2級アミンとカルボン酸をアルコール、ク
ロロホルム、トルエン等の有機溶剤中、あるいは、無溶
媒で単純に混合することにより、酸塩基反応をおこさせ
調製することができる。また、本発明に用いられる2級
アミンとカルボン酸の塩は2級アミンとカルボン酸無水
物を反応させたり、エポキシ樹脂とカルボン酸無水物の
混合物中に2級アミンを添加することによっても調製す
ることができる。
【0013】また、本発明に用いられる2級アミンとフ
ェノール性水酸基を有する化合物との塩、2級アミンと
スルホン酸の塩、2級アミンと酸性リン酸エステルの
塩、2級アミンと無機酸の塩は、適当な溶媒中あるいは
無溶媒で単純に反応させることにより、得ることができ
る。
【0014】本発明に用いられる2級アミンは、特に限
定するものではなく、代表的な例として以下に示す。
【0015】例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジーnープロピルアミン、ジーn−ブチルアミン、
ジーnーヘキシルアミン、ジーnーオクチルアミン、ジ
エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、2,6−
ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、ピペラジン、ピロリジン、Nーメチルベンジ
ルアミン等が挙げられるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0016】本発明に用いられるカルボン酸は、特に限
定するものではなく、代表的な例として以下に示す。
【0017】例えば、モノカルボン酸として、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、グリコール酸、乳酸、2ーエチルヘキ
サン酸、安息香酸、サリチル酸、没食子酸、シクロヘキ
サンカルボン酸等が挙げられ、ジカルボン酸としては、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、フタル酸、テレフタル酸、シスー1,2−ジシクロ
ヘキサンカルボン酸、トランスー1,2−ジシクロヘキ
サンカルボン酸、1,4ージシクロヘキサンカルボン酸
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】2級アミンとカルボン酸の塩の調製の際に
用いられるカルボン酸無水物の代表的な例を以下に示す
が、これらに限定されるものではない。
【0019】例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無
水酪酸、無水イソ吉草酸、無水カプロン酸、無水エナン
ト酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチ
レングリコールビストリメリテート、グリセロールトリ
ストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレ
ンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水
物、アルキルスチレンー無水マレイン酸共重合体、クロ
レンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸、ポリアゼ
ライン酸無水物等が挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。
【0020】2級アミンとフェノール性水酸基を有する
化合物の塩の調製の際に用いられるフェーノール性水酸
基を有する化合物の代表的な例を以下に示すが、これら
に限定されるものではない。
【0021】例えば、フェノール、カテコール、レゾル
シン、ピロガロール、ハイドロキノン、クレゾール、没
食子酸、サリチル酸等が挙げられるがこれらに限定され
るものではない。
【0022】2級アミンとスルホン酸の塩の調製の際に
用いられるスルホン酸の代表的な例を以下に示すがこれ
らに限定されるものではない。
【0023】例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸等が挙げられるがこれらに限定されるもので
はない。
【0024】2級アミンと酸性リン酸エステルの塩の調
製の際に用いられる酸性リン酸エステルの代表的な例を
以下に示すがこれらに限定されるものではない。。
【0025】例えば、ジ−n−ブチルホスフェート、ジ
−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ−n−デシ
ルホスフェート、ジフェニルホスフェート、2−エチル
ヘキシルホスフェート等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0026】2級アミンと無機酸の塩の調製の際に用い
られる無機酸の代表的な例をいかに示すがこれらに限定
されるものではない。
【0027】例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0028】本発明の液状酸無水物系一液性エポキシ樹
脂組成物におけるエポキシ樹脂とカルボン酸無水物との
混合比は酸無水物当量/エポキシ当量で0.8〜1.2
の範囲で任意に変えられる。但し、酸無水物当量=酸無
水物の分子量/酸無水物基の数を表す。2級アミンの塩
の添加量は、塩の種類によって異なるが、エポキシ樹脂
100重量部に対して、2級アミンに換算して、0.1
〜10重量部の範囲である。
【0029】本発明の液状酸無水物系一液性エポキシ樹
脂組成物を調製する際、エポキシ樹脂とカルボン酸無水
物を予め混合しておき、そこに2級アミン塩または2級
アミンを加えるか、カルボン酸無水物中に2級アミン塩
または2級アミンを溶解させておき、これをエポキシ樹
脂と混合するのが望ましい。
【0030】本発明に係る酸無水物系一液性エポキシ樹
脂組成物には、必要に応じて充填剤、希釈剤、溶剤、顔
料、可撓性付与剤、酸化防止剤等の各種添加剤を加える
ことができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げ、本発明を詳し
く説明する。以下の実施例において、粘度はJISK
6833に準じて測定し、ゲル化時間は安田式ゲルタイ
マーによって測定した。また、硬化物のガラス転移点は
所定の温度、時間にて硬化させた試料を熱機械分析装置
(TMA、理学電機(株)製)を用いTMAペネトレー
ション法によって測定した。 昇温速度 10℃/分 荷重 10g 針の直径 1mm
【0032】
【実施例1】1Lの三口フラスコに、2級アミンのクロ
ロホルム溶液をいれ、室温で撹拌しながら、滴下ロート
から2級アミンと等モルのカルボン酸のクロロホルム溶
液(不溶の場合はメタノール溶液)を滴下した。滴下終
了後、溶媒を還流させながら、3〜5時間撹拌した。反
応終了後、溶媒を留去し、減圧乾燥することによりカル
ボン酸の2級アミン塩を得た。この方法により、9種類
(A)〜(J)のカルボン酸の2級アミン塩を調製し
た。カルボン酸の2級アミン塩(A)〜(J)の種類と
その塩の形状を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】HN−5500(日立化成社商品名)85
重量部に上記の方法により調製したカルボン酸の2級ア
ミン塩(A)〜(J)を2級アミンに換算して4重量部
を加え、室温で撹拌することにより溶解させ、これにエ
ピコート EP−828(油化シェル社商品名)100
重量部を加えることによりエポキシ樹脂組成物(a)〜
(j)を得た。組成物(a)〜(j)は完全に液状であ
った。組成物(a)〜(j)の120℃でのゲルタイ
ム、初期粘度、25℃で1カ月放置後の粘度について表
2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【実施例2】フェーノール10gを加熱溶解させ、ジ−
n−ブチルアミン13.7gを加えて撹拌することによ
り、フェノールのジ−n−ブチルアミン塩を得た。EP
−828(油化シェル社商品名)100重量部とHN−
5500(日立化成社商品名)85重量部を予め混合し
ておき、これに、フェノールのジ−n−ブチルアミン塩
6.9重量部を加えることによりエポキシ樹脂組成物
(k)を得た。組成物(k)は完全に液状であった。組
成物(k)の120℃でのゲルタイムは46分であっ
た。また、組成物(k)の初期粘度は25℃において1
3.6ポイズであり、25℃で1週間放置後の粘度は2
5℃で17.6ポイズ、さらに2週間放置後の粘度は2
5゜Cで22.0ポイズであった。
【0037】
【実施例3】ジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート
20gにジ−n−ブチルアミン8gを加えて室温で撹拌
することにより、ジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ートのジ−n−ブチルアミン塩を得た。EP−828
(油化シェル社商品名)100重量部とHN−5500
(日立化成社商品名)85重量部を予め混合しておき、
これに、ジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェートのジ
−n−ブチルアミン塩14重量部を加えることによりエ
ポキシ樹脂組成物(l)を得た。組成物(l)の120
℃でのゲルタイムは52分であった。また、組成物
(l)の初期粘度は25℃において7ポイズであり、2
5℃で1週間放置後の粘度は25℃で27.5ポイズ、
さらに2週間後には47.5ポイズであった。
【0038】
【実施例4】エピクロン 850(大日本インキ社商品
名)100重量部、HNー5500(日立化成社商品
名)85重量部からなる混合物にジエチルアミン4重量
部を添加して、エポキシ樹脂組成物(m)を得た。組成
物(m)は完全に液状であった。この組成物(m)の1
20℃でのゲルタイムは30分であった。また初期粘度
は25℃において11ポイズであり、25℃で1カ月放
置後の粘度は25℃で43ポイズであった。
【0039】
【実施例5】エポトート YD−128(東都化成社商
品名)100重量部、HNー5500(日立化成社商品
名)85重量部からなる混合物にジーnープロピルアミ
ン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物(n)を得
た。組成物(n)は完全に液状であった。この組成物
(n)の120℃でのゲルタイムは49分であった。ま
た初期粘度は25℃において10.5ポイズであり、2
5℃で1カ月放置後の粘度は25℃で24ポイズであっ
た。
【0040】
【実施例6】エピコート EP−828(油化シェル社
商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社商
品名)85重量部からなる混合物にジ−n−ブチルアミ
ン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物(o)を得
た。組成物(o)は完全に液状であった。この組成物
(o)の120℃でのゲルタイムは54分であった。ま
た初期粘度は25℃において9ポイズであり、25℃で
1カ月放置後の粘度は25℃で17.2ポイズであっ
た。
【0041】この組成物(o)の120℃で2時間硬化
させた後の硬化物のガラス転移点は113℃であり、誘
電率(25℃、1kHz)は3.4、誘電正接(25
℃、1kHz)は0.5%であった。またこの組成物
(o)の120℃で2時間硬化させた後の硬化物を沸騰
水中1時間放置後の吸水率は0.3%であった。
【0042】
【実施例7】ジ−n−ヘキシルアミン4重量部、HN−
5500(日立化成商品名)85重量部を予め反応させ
ておき一晩放置後、エピコート EP−828(油化シ
ェル社商品名)100重量部を添加することにより、エ
ポキシ樹脂組成物(p)を得た。組成物(p)は完全に
液状であった。この組成物(p)の120℃でのゲルタ
イムは61分であった。また初期粘度は25℃において
13ポイズであり、25℃で1カ月放置後の粘度は25
℃で20ポイズであった。
【0043】
【実施例8】エピコート EP−828(油化シェル社
商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社商
品名)85重量部からなる混合物にジ−n−ブチルアミ
ン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物(q)を得
た。組成物(q)は完全に液状であった。この組成物
(q)の120℃でのゲルタイムは54分であった。ま
た初期粘度は25℃において9ポイズであり、25℃で
1カ月放置後の粘度は25℃で17.2ポイズであっ
た。
【0044】
【実施例9】エピコート EP−807(油化シェル社
商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社商
品名)100.3重量部からなる混合物にジ−n−ブチ
ルアミン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物
(r)を得た。組成物(r)は完全に液状であった。こ
の組成物(r)の120℃でのゲルタイムは53分であ
った。また初期粘度は25℃において4.6ポイズであ
り、25℃で3週間放置後の粘度は25℃で9.0ポイ
ズであった。
【0045】この組成物(r)の120℃で2時間硬化
させた後の硬化物のガラス転移点は103℃であり、誘
電率(25℃、1kHz)は3.5、誘電正接(25
℃、1kHz)は0.6%であった。またこの組成物
(r)の120℃で2時間硬化させた後の硬化物を沸騰
水中1時間放置後の吸水率は0.49%であった。
【0046】
【実施例10】エピコート EP−152(油化シェル
社商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社
商品名)95.7重量部からなる混合物にジ−n−ブチ
ルアミン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物
(s)を得た。組成物(s)は完全に液状であった。こ
の組成物(s)の120℃でのゲルタイムは47分であ
った。また初期粘度は25℃において11.6ポイズで
あり、25℃で3週間放置後の粘度は25℃で41.8
ポイズであった。
【0047】この組成物(s)の120℃で2時間硬化
させた後の硬化物のガラス転移点は112℃であり、誘
電率(25℃、1kHz)は3.5、誘電正接(25
℃、1kHz)は0.5%であった。またこの組成物
(s)の120℃で2時間硬化させた後の硬化物を沸騰
水中1時間放置後の吸水率は0.33%であった。
【0048】
【実施例11】YDF−8170(東都化成社商品名)
100重量部、HN−5500(日立化成社商品名)1
06.3重量部からなる混合物にジ−n−ブチルアミン
6重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物(t)を得
た。組成物(t)は完全に液状であった。この組成物
(t)の120℃でのゲルタイムは53分であった。ま
た初期粘度は25℃において1ポイズであり、25℃で
2週間放置後の粘度は25℃で2ポイズであった。
【0049】この組成物(t)の120℃で2時間硬化
させた後の硬化物のガラス転移点は96℃であり、誘電
率(25℃、1kHz)は3.4、誘電正接(25℃、
1kHz)は0.4%であった。またこの組成物(t)
の120℃で2時間硬化させた後の硬化物を沸騰水中1
時間放置後の吸水率は0.38%であった。
【0050】
【実施例12】エピコート EP−828(油化シェル
社商品名)100重量部、HN−2200(日立化成社
商品名)87.8重量部からなる混合物にジ−n−ブチ
ルアミン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物
(u)を得た。組成物(u)は完全に液状であった。こ
の組成物(u)の120℃でのゲルタイムは57分であ
った。また初期粘度は25℃において9ポイズであり、
25℃で1週間放置後の粘度は25℃で15.2ポイ
ズ、3週間後には26.4ポイズであった。
【0051】この組成物(u)の120℃で2時間硬化
させた後の硬化物のガラス転移点は102℃であり、誘
電率(25℃、1kHz)は3.5、誘電正接(25
℃、1kHz)は0.4%であった。またこの組成物
(u)の120℃で2時間硬化させた後の硬化物を沸騰
水中1時間放置後の吸水率は0.33%であった。
【0052】
【実施例13】エピコート EP−828(油化シェル
社商品名)100重量部、リカシッドHF−09(新日
本理化社商品名)113重量部からなる混合物にジ−n
−ブチルアミン4重量部を添加して、エポキシ樹脂組成
物(v)を得た。組成物(v)は完全に液状であった。
この組成物(v)の120℃でのゲルタイムは52分で
あった。また初期粘度は25℃において28.8ポイズ
であり、25℃で1週間放置後の粘度は25℃で36.
0ポイズ、3週間後は54.8ポイズであった。
【0053】この組成物(v)の120℃で2時間硬化
させた後の硬化物のガラス転移点は89℃であり、誘電
率(25℃、1kHz)は3.5、誘電正接(25℃、
1kHz)は0.9%であった。またこの組成物(v)
の120℃で2時間硬化させた後の硬化物を沸騰水中1
時間放置後の吸水率は0.43%であった。
【0054】
【実施例14】エピコート EP−828(油化シェル
社商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社
商品名)85重量部、予め120℃6時間減圧乾燥した
微粉末シリカE2(龍森社製商品名)150重量部から
なる混合物にジ−n−ブチルアミン4重量部を添加し
て、エポキシ樹脂組成物(w)を得た。この組成物
(w)の120℃でのゲルタイムは43分であった。ま
た初期粘度は25℃において78ポイズであり、25℃
で3週間放置後の粘度は25℃で184.5ポイズであ
った。
【0055】
【比較例1】エピコート EP−828(油化シェル社
商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社商
品名)85重量部からなる混合物にDBU−フェノール
塩であるU−CAT SA−1(サンアプロ社商品名)
0.3重量部を添加して、エポキシ樹脂組成物(x)を
得た。組成物(x)は完全に液状であった。この組成物
(x)の120℃でのゲルタイムは50分であった。ま
た初期粘度は25℃において8ポイズであり、25℃で
1週間放置後の粘度は25℃で41ポイズであったが、
2週間後にはゲル化してしまいもはや実用に供し得る状
態でなくなった。
【0056】
【比較例2】エピコート EP−828(油化シェル社
商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社商
品名)85重量部からなる混合物に2−エチルヘキサン
酸の2−エチル−4−メチルイミダゾール塩1重量部を
添加して、エポキシ樹脂組成物(y)を得た。組成物
(y)は完全に液状であった。この組成物(y)の12
0℃でのゲルタイムは10分であった。また初期粘度は
25℃において12.5ポイズであったが、25℃で1
週間放置後ゲル化し、実用に供し得なくなった。
【0057】
【比較例3】エピコート EP−828(油化シェル社
商品名)100重量部、HN−5500(日立化成社商
品名)85重量部からなる混合物にフェノール性水酸基
を有する3級アミンであるDMP−30を1重量部を添
加して、エポキシ樹脂組成物(z)を得た。組成物
(z)は完全に液状であった。この組成物(x)は25
℃で2日放置後ゲル化し、実用的価値がなくなった。
【0058】
【発明の効果】実施例1の組成物(c)と比較例1の組
成物(x)を比較すれば明かな様に本発明の液状酸無水
物系一液生エポキシ樹脂組成物は配合組成物に硬化促進
剤として2級アミンの塩を用いるため、従来の3級アミ
ンの塩に比べて保存安定性が優れていることがわかる。
【0059】以上説明したように本発明の酸無水物系一
液性エポキシ樹脂組成物は、硬化物の電気的特性および
熱的特性もよいため、コンデンサーの封止、大型モータ
ー、発電機等のコイル含浸、トランスの封止、磁気ヘッ
ド等の用途に適しており、従来の酸無水物用の硬化促進
剤である3級アミン類やイミダゾール類に比較して保存
安定性が格段に優れているために、主剤であるエポキシ
樹脂、硬化剤である酸無水物および硬化促進剤の3成分
を配合した状態で供給することが可能になる。
【0060】このことにより、計量の手間が省け、また
計量の際に生じる誤差の恐れもなくなるために本発明の
組成物は作業性の向上という面において非常に有用であ
る。また使用後、保存が可能なために使い捨てをしなく
てもよくなり、資源の節約環境の保護という面において
も本発明の組成物は非常に有用である。
フロントページの続き (72)発明者 森 健一 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (72)発明者 竹内 光二 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−84897(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/42 C08G 59/50 - 59/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)1分子内にエポキシ基を2個以上有
    するエポキシ樹脂、(2)カルボン酸無水物(硬化
    剤)、および(3)ジ−n−アルキルアミン塩(硬化促
    進剤)を必須成分とし、(1)と(2)の混合比は酸無
    水物当量/エポキシ当量で0.8〜1.2の範囲で任意
    に変えられ(但し、酸無水物当量=酸無水物の分子量/
    酸無水物基の数を表す。)、そして(3)の添加量は、
    エポキシ樹脂100重量部に対して、遊離のジ−n−ア
    ルキルアミンに換算して、0.1〜10重量部の範囲で
    あることを特徴とする液状酸無水物系一液性エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液状酸無水物系一液性エポ
    キシ樹脂組成物を加熱することによって得られたことを
    特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
JP3166850A 1991-07-08 1991-07-08 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3042038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3166850A JP3042038B2 (ja) 1991-07-08 1991-07-08 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3166850A JP3042038B2 (ja) 1991-07-08 1991-07-08 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0517557A JPH0517557A (ja) 1993-01-26
JP3042038B2 true JP3042038B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=15838810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3166850A Expired - Fee Related JP3042038B2 (ja) 1991-07-08 1991-07-08 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3042038B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3446730B2 (ja) * 2000-09-26 2003-09-16 松下電工株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3446731B2 (ja) * 2000-09-26 2003-09-16 松下電工株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0517557A (ja) 1993-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4066625A (en) Unitary curable resin compositions
TWI540149B (zh) 絕緣調配物
EP0950677B1 (en) Curable resin composition
JP3092249B2 (ja) 酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物
JP6030125B2 (ja) 絶縁配合物
JP3277256B2 (ja) エポキシド付加物の製造方法
EP1389631B1 (en) Epoxy resin compositions
EP0051311B1 (en) Curable one-phase composition
EP1881033A1 (en) Diluent free epoxy resin formulation
US5969059A (en) Impregnation resin composition
JP2010179508A (ja) 注形用エポキシ樹脂組成物、イグニッションコイル及びその製造方法
US3562213A (en) Latent cure acceleration of epoxy resins using imidazole salts of hydroxy polycarboxylic acids
JP3042038B2 (ja) 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物
EP0349192A2 (en) Liquid, epoxy resin composition
JP3151826B2 (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料
JP3828228B2 (ja) 含浸用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフィルムコンデンサ
JP2694188B2 (ja) 注型用エポキシ樹脂組成物
JP3393096B2 (ja) 注形用エポキシ樹脂組成物及び電気部品装置
JP2568593B2 (ja) 導電性樹脂組成物
JPS6331492B2 (ja)
JPH07238145A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2976617B2 (ja) 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物
CA1180490A (en) Curable epoxy resins
JPS637569B2 (ja)
JPH0578444A (ja) 液状酸無水物系一液性エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090310

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees