JP7463539B2 - フィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムコンデンサに関する。
コンデンサの一種として、可撓性のある樹脂フィルムを誘電体として用いながら、樹脂フィルムを挟んで互いに対向する第1および第2の対向電極を配置した構造のフィルムコンデンサがある。フィルムコンデンサは、通常、上述の誘電体としての樹脂フィルムを巻回してなる略円柱状の形態をなしており、当該円柱の互いに対向する第1および第2の端面上には、それぞれ、第1および第2の外部端子電極が形成されている。そして、前述した第1の対向電極は第1の外部端子電極と電気的に接続され、第2の対向電極は第2の外部端子電極と電気的に接続されている。
上記のフィルムコンデンサとして、国際公開第2017/175511号(特許文献1)には、誘電体樹脂フィルムと、前記誘電体樹脂フィルムを挟んで互いに対向する第1対向電極及び第2対向電極とを備えるフィルムコンデンサであって、前記誘電体樹脂フィルムは、第1有機材料と第2有機材料との架橋物からなるコンデンサ用フィルムであって、前記第2有機材料は、複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネートであり、前記第1有機材料は、複数の水酸基を有し、かつ、分岐構造を持つことを特徴とするフィルムコンデンサが開示されている。
特許文献1には、第1有機材料として、高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂などのフェノキシ樹脂やポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオールを用いることが記載されている。また、第2有機材料として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイソシアネート(TDI)などのポリイソシアネートを用いることが記載されている。
特許文献1には、第1有機材料(フェノキシ樹脂やポリオール)の重量比率が第2有機材料(ポリイソシアネート)の重量比率よりも高いことが好ましいと記載されている。
さらに、特許文献1には、水酸基の残留物がイソシアネート基の残留物よりも多いことが好ましいと記載されている。
また、特許文献1には、フィルムコンデンサの対向電極が、例えば、誘電体樹脂フィルム表面に蒸着したアルミニウム膜から形成されることが記載されている。そして、それぞれに対向電極を形成した第1誘電体樹脂フィルムと第2誘電体樹脂フィルムを重ね、巻回することによってコンデンサ素子が得られ、その両端に、例えば亜鉛を溶射することによって外部端子電極が形成されることが記載されている。
国際公開第2017/175511号
フィルムコンデンサは電気自動車のインバータ平滑用などにも使用される。このような用途で使用されるフィルムコンデンサは、高エネルギー密度化されることに伴い、従来よりも高温の使用環境で、長時間電圧が印加されることが多くなった。
上記用途で使用されるフィルムコンデンサにおいては、アルミニウム膜等の蒸着電極が徐々に酸化し、フィルムコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が高くなるという問題があった。特に、正極(プラス極)側の蒸着電極は、周囲の水分に由来する水酸化物イオンと電気化学的に反応しやすいため、蒸着電極が酸化する傾向は強くなる。
さらに、蒸着電極の酸化が進むと、電極としての機能を喪失し、静電容量が低下するという問題も生じる。
特許文献1に記載されているようなフィルムコンデンサは、耐熱性が高いので125℃を超える環境でも使用できる。したがって、蒸着電極の酸化が進む問題が顕在化してきた。
また、例えば特許文献1に記載されているようなフィルムコンデンサでは、誘電体樹脂フィルムは、水酸基とイソシアネート基が重合したウレタン系の材料からなる。誘電体樹脂フィルムがウレタン系の材料からなる場合、ウレタン系の材料は吸湿性が高いので、誘電体樹脂フィルムは環境中の水分を吸収しやすい。誘電体樹脂フィルムが環境中の水分を吸収すると、誘電体樹脂フィルムに配置された蒸着電極が水分により酸化しやすくなる。したがって、誘電体樹脂フィルムがウレタン系の材料からなることも、蒸着電極の酸化が進む問題が顕在化する一要因となる。
以上より、特許文献1に記載されているように、誘電体樹脂フィルムが熱硬化性ウレタン樹脂からなるフィルムコンデンサでは、高温の環境で使用することに起因して蒸着電極が酸化しやすくなるという現象と、環境中の水分を吸収することに起因して蒸着電極が酸化しやすくなるという現象が同時に生じやすい。そのため、蒸着電極の酸化が進み、ESRが高くなるという問題が顕在化してきた。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、高温の使用環境で長時間電圧が印加されたとしても、電極である金属層が酸化しにくいフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
本発明のフィルムコンデンサは、熱硬化性ウレタン樹脂からなる誘電体樹脂フィルムと、上記誘電体樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けられた金属層と、を備え、上記誘電体樹脂フィルムは、少なくともイソシアネート基及びカルボニル基を含み、波数:1650cm-1以上、1800cm-1以下の範囲で検出される上記カルボニル基の吸収ピーク強度に対する波数:2200cm-1以上、2350cm-1以下の範囲で検出される上記イソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.08以上、1.15以下である。
本発明によれば、高温の使用環境で長時間電圧が印加されたとしても、電極である金属層が酸化しにくいフィルムコンデンサを提供することができる。
図1は、本発明のフィルムコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すフィルムコンデンサのII-II線断面図である。 図3は、図1及び図2に示すフィルムコンデンサを構成する金属化フィルムの巻回体の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明のフィルムコンデンサについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
以下において記載する本発明の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[フィルムコンデンサ]
本発明のフィルムコンデンサは、誘電体樹脂フィルムと、上記誘電体樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けられた金属層と、を備える。
本発明のフィルムコンデンサは、例えば断面長円状の柱状であり、その中心軸方向の両端に、例えば金属溶射(メタリコン)で形成した外部端子電極が設けられる。
以下、本発明のフィルムコンデンサの一実施形態として、第1の金属層が設けられた第1の誘電体樹脂フィルムと、第2の金属層が設けられた第2の誘電体樹脂フィルムとが積層された状態で巻回されてなる巻回型のフィルムコンデンサを例にとって説明する。本発明のフィルムコンデンサは、第1の金属層が設けられた第1の誘電体樹脂フィルムと、第2の金属層が設けられた第2の誘電体樹脂フィルムとが積層されてなる積層型のフィルムコンデンサなどであってもよい。
また、本発明のフィルムコンデンサは、第1の金属層及び第2の金属層がそれぞれ表面及び裏面に設けられた第1の誘電体樹脂フィルムと、金属層が設けられていない第2の誘電体樹脂フィルムとが巻回又は積層されたフィルムコンデンサなどであってもよい。
図1は、本発明のフィルムコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すフィルムコンデンサのII-II線断面図である。
図1及び図2に示すフィルムコンデンサ10は、巻回型のフィルムコンデンサであり、第1の金属化フィルム11と第2の金属化フィルム12とが積層された状態で巻回された金属化フィルムの巻回体40と、金属化フィルムの巻回体40の両端部に接続された第1の外部端子電極41及び第2の外部端子電極42と、を備えている。図2に示すように、第1の金属化フィルム11は、第1の誘電体樹脂フィルム13と、第1の誘電体樹脂フィルム13の一方の面に設けられた第1の金属層(対向電極)15とを備え、第2の金属化フィルム12は、第2の誘電体樹脂フィルム14と、第2の誘電体樹脂フィルム14の一方の面に設けられた第2の金属層(対向電極)16とを備えている。
図2に示すように、第1の金属層15及び第2の金属層16は、第1の誘電体樹脂フィルム13又は第2の誘電体樹脂フィルム14を挟んで互いに対向している。さらに、第1の金属層15は、第1の外部端子電極41と電気的に接続されており、第2の金属層16は、第2の外部端子電極42と電気的に接続されている。
第1の誘電体樹脂フィルム13及び第2の誘電体樹脂フィルム14は、それぞれ異なる構成を有していてもよいが、同一の構成を有していることが望ましい。なお、第1の誘電体樹脂フィルム13及び第2の誘電体樹脂フィルム14の好ましい構成については後述する。
第1の金属層15は、第1の誘電体樹脂フィルム13の一方の面において一方側縁にまで届くが、他方側縁にまで届かないように形成される。これにより、第1の誘電体樹脂フィルム13の一方の面では、他方側縁に帯状の第1の絶縁部13aが形成される。
他方、第2の金属層16は、第2の誘電体樹脂フィルム14の一方の面において一方側縁にまで届かないが、他方側縁にまで届くように形成される。これにより、第2の誘電体樹脂フィルム14の一方の面では、一方側縁に帯状の第2の絶縁部14aが形成される。
第1の金属層15及び第2の金属層16は、例えばアルミニウム層などから構成される。
図3は、図1及び図2に示すフィルムコンデンサを構成する金属化フィルムの巻回体の一例を模式的に示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、第1の金属層15における第1の誘電体樹脂フィルム13の側縁にまで届いている側の端部、及び、第2の金属層16における第2の誘電体樹脂フィルム14の側縁にまで届いている側の端部がともに積層されたフィルムから露出するように、第1の誘電体樹脂フィルム13と第2の誘電体樹脂フィルム14とが互いに幅方向(図2では左右方向)にずらされて積層される。第1の誘電体樹脂フィルム13及び第2の誘電体樹脂フィルム14が積層された状態で巻回されることによって金属化フィルムの巻回体40となり、第1の金属層15及び第2の金属層16が端部で露出した状態を保持して、積み重なった状態とされる。
図2及び図3では、第2の誘電体樹脂フィルム14が第1の誘電体樹脂フィルム13の外側になるように、かつ、第1の誘電体樹脂フィルム13及び第2の誘電体樹脂フィルム14の各々について、第1の金属層15及び第2の金属層16の各々が内方に向くように巻回されている。
第1の外部端子電極41及び第2の外部端子電極42は、上述のようにして得られた金属化フィルムの巻回体40の各端面上に、例えば亜鉛などを溶射することによって形成される。第1の外部端子電極41は、第1の金属層15の露出端部と接触し、それによって第1の金属層15と電気的に接続される。他方、第2の外部端子電極42は、第2の金属層16の露出端部と接触し、それによって第2の金属層16と電気的に接続される。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、金属化フィルムの巻回体は、断面形状が楕円又は長円のような扁平形状にプレスされ、断面形状が真円であるときよりコンパクトな形状とされることが好ましい。なお、本発明のフィルムコンデンサは、円柱状の巻回軸を備えていてもよい。巻回軸は、巻回状態の金属化フィルムの中心軸線上に配置されるものであり、金属化フィルムを巻回する際の巻軸となるものである。
[金属層]
本発明のフィルムコンデンサにおいて、金属層に含まれる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、金属層は、例えば、上記金属が誘電体樹脂フィルムに蒸着することにより形成される。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、金属層の厚みは特に限定されないが、例えば、5nm以上、40nm以下である。
なお、金属層の厚みは、金属層が設けられた誘電体樹脂フィルムを厚み方向に切断した断面を、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)等の電子顕微鏡を用いて観察することにより特定することができる。
本発明のフィルムコンデンサにおいては、金属層にヒューズ部が設けられていることが好ましい。
ヒューズ部とは、対向電極となる金属層が複数に分割された電極部と電極部を接続する部分を意味する。ヒューズ部を有する金属層のパターンは特に限定されず、例えば、特開2004-363431号公報、特開平5-251266号公報等に開示された電極パターンを用いることができる。
[誘電体樹脂フィルム]
本発明のフィルムコンデンサでは、誘電体樹脂フィルムは熱硬化性ウレタン樹脂からなり、少なくともイソシアネート基及びカルボニル基を含む。そして、波数:1650cm-1以上、1800cm-1以下の範囲で検出される上記カルボニル基の吸収ピーク強度に対する波数:2200cm-1以上、2350cm-1以下の範囲で検出される上記イソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.08以上、1.15以下である。カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比は0.1以上、1.0以下であることが好ましく、0.2以上、0.8以下であることがより好ましい。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比が上記範囲内である場合、本発明のフィルムコンデンサの誘電体樹脂フィルムが水分を吸収した際に、水分とイソシアネート基が先に反応して消費されるので、水分により金属層が酸化することを抑制することができる。
このような原理により、本発明のフィルムコンデンサが高温の使用環境で長時間電圧が印加されたとしても、電極である金属層が酸化することを抑制することができる。
その結果、本発明のフィルムコンデンサが高温の使用環境で長時間電圧が印加されても、コンデンサの等価直列抵抗(ESR)が高くなりにくい。つまり、本発明のフィルムコンデンサは、高温耐用性が高いと言える。
また、上記の通り、高温の使用環境で長時間電圧が印加されたとしても、電極である金属層が酸化することを抑制することができるので、本発明のフィルムコンデンサでは、静電容量が低下しにくくなる。
カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比が、0.08未満であると、イソシアネート基の存在数が少ないため、コンデンサの等価直列抵抗が高くなりやすく、静電容量が低下しやすくなる。
一方、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比が、1.15を超えると、イソシアネート基の存在数が多くなる。そのため、誘電体樹脂フィルムが硬化していない状態に近くなる。したがって、誘電体樹脂フィルムとして機能しにくくなる。その結果、コンデンサの等価直列抵抗が高くなりやすく、静電容量が低下しやすくなる。
なお、本明細書において「吸収ピーク強度」は以下のように算出された値を意味する。
まず、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて、誘電体樹脂フィルムの赤外線吸収スペクトルを減衰全反射法(ATR:attenuated total reflection)にて測定する。
次に、所定の波数領域にみられた吸収帯を、所定の官能基によるものとし、各ピークの両側でベースラインを引き、そのベースラインからの頂点強度までの値を、その官能基の「吸収ピーク強度」とする。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量は、0.4重量%以下であることが好ましい。
誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量は、0.4重量%以下であると、水分が充分に少ないので、誘電体樹脂フィルムにおいて水分とイソシアネート基とが反応して未反応のイソシアネート基が減少することを抑制することができる。その結果、金属層が酸化することを著しく抑制することができる。
また、本発明のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量は0.01重量%以上であることが好ましい。
誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量が、0.01重量%未満であると、誘電体樹脂フィルムが脆くなることが予測される。
なお、本明細書において、「誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量」とは、水素化物反応法(ISO 15512:2019方法E)により、加熱温度を130℃として測定した値である。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムの厚みは特に限定されないが、誘電体樹脂フィルムが薄すぎると脆くなりやすい。そのため、誘電体樹脂フィルムの厚みは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。一方、フィルムが厚すぎると、成膜時にクラック等の欠陥が発生しやすくなる。そのため、誘電体樹脂フィルムの厚みは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
なお、誘電体樹脂フィルムの厚みとは、金属層の厚みを含まない誘電体樹脂フィルム単独の厚みを意味する。誘電体樹脂フィルムの厚みは、光学式膜厚計を用いて測定することができる。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムは、例えば、水酸基(OH基)を有する第1有機材料とイソシアネート基(NCO基)を有する第2有機材料との硬化物からなる。
具体的には、誘電体樹脂フィルムは、第1有機材料が有する水酸基と、第2有機材料が有するイソシアネート基とが反応して得られる硬化物からなる。
第1有機材料としては、繰り返し単位の中に水酸基とベンゼン環とを有する有機高分子であってもよい。このような化合物としてはフェノキシ樹脂等が挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂等であることが好ましい。
第2有機材料としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。これらの化合物の中では、MDI又はTDIが好ましい。なお、これらはそのポリイソシアネートの変性体を含んでいてもよく、また、これらは併用されていてもよい。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムに含まれるイソシアネート基は、上記第2有機材料に由来するイソシアネート基であってもよい。
本発明のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムは、他の機能を付加するための添加剤を含むこともできる。例えば、レベリング剤を添加することで平滑性を付与することができる。添加剤は、水酸基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し、硬化物の架橋構造の一部を形成する材料であってもよい。このような材料としては、例えば、エポキシ基、シラノール基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂等が挙げられる。
本発明のフィルムコンデンサでは、フィルムコンデンサの静電容量値と、温度125℃の雰囲気中に1時間静置した後、電圧150V/μmで電圧印加1分後に測定した絶縁抵抗値との積で示されるCR値が250Ω・F以上であることが好ましく、500Ω・F以上であることがより好ましい。
上記条件におけるコンデンサのCR値が250Ω・F以上であることは、高温耐用性が高いと言える。
また、CR値は、5000Ω・F以下であることが好ましい。
5000Ω・Fを超えるCR値を有するフィルムコンデンサを製造しようとコストが高すぎ、生産効率が低下する。
[フィルムコンデンサの製造方法]
続いて、本発明のフィルムコンデンサの製造方法の一例について説明する。
本発明のフィルムコンデンサの誘電体樹脂フィルムは、水酸基を有する第1有機材料とイソシアネート基を有する第2有機材料とを含む樹脂溶液をフィルム状に成形し、次いで、熱処理して硬化させることによって作製することができる。
この際、反応温度や反応時間等の熱処理の条件を調整することや、第1有機材料の水酸基と第2有機材料のイソシアネート基とのモル比を調整することにより、未反応のイソシアネート基の量を制御することができる。これにより、得られる誘電体樹脂フィルムのカルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)を0.08以上、1.15以下とすることができる。
次に、作製した誘電体樹脂フィルムの一方の面に金属層を形成することにより、金属化フィルムを得る。金属層を形成する方法としては、蒸着等の方法が挙げられる。
この際、誘電体樹脂フィルムの一方の面の一方側縁に帯状の絶縁部が形成されるように、金属層を形成する。
次に、誘電体樹脂フィルムの一方の面に金属層が形成された金属化フィルムを2枚準備する。2枚の金属化フィルムのうち1枚を、積層方向を軸に180度回転させ、絶縁部の位置が互い違いになるようにし、幅方向に所定距離だけずらした状態で重ねた後、巻回することにより積層体が得られる。必要に応じて、積層体を幅方向とは垂直な方向から挟んで楕円円筒形状にプレスしてもよい。
続いて、積層体の端面に外部端子電極を形成することにより、図1に示すようなフィルムコンデンサが得られる。積層体の端面に外部端子電極を形成する方法としては、溶射が挙げられる。
以下、本発明のフィルムコンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1-1)及び(実施例1-2)並びに(比較例1-1)及び(比較例1-2)
誘電体樹脂フィルムとして、高分子量のビスフェノールA型フェノキシ樹脂と2官能イソシアネートであるMDIを、前者の水酸基のモル数と後者のイソシアネート基のモル数がほぼ等しくなるように混合し、基材フィルムに薄く塗布した後、乾燥させ樹脂フィルムを得た。その誘電体樹脂フィルムの一方側縁に帯状の絶縁部が形成されるようにアルミニウムを蒸着し金属層を形成した後、基材を剥離して熱硬化した。熱硬化は100℃~180℃、2時間~50時間で適宜調整し製造例1-1、製造例1-2、製造例1-3及び製造例1-4に係る金属層が形成された、厚み3μmの誘電体樹脂フィルムを作製した。
各誘電体樹脂フィルムのカルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)を下記方法で測定したところ、表1に示す値であった。
<官能基の吸収ピーク強度の測定>
誘電体樹脂フィルムをフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、ATRにて測定した。波数域は、4000cm-1~500cm-1とした。測定には、日本分光(JASCO)社製の「FT/IR-4100ST」を使用した。積算回数は64回、分解能は4cm-1とした。
その後、波数:1650cm-1以上、1800cm-1以下の範囲で検出されるカルボニル基の吸収ピーク強度に対する波数:2200cm-1以上、2350cm-1以下の範囲で検出されるイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)を算出した。
次に、製造例1-1、製造例1-2、製造例1-3及び製造例1-4に係る金属層が形成された誘電体樹脂フィルムをそれぞれ2枚準備し、一方を積層方向を軸に180度回転させ、絶縁部の位置が互い違いになるように重ねた後、巻回してコンデンサ素子を得た。コンデンサ素子の両端に、亜鉛を溶射して外部端子電極を形成した。外部端子電極にリード線を接続し、PPS(ポリフェニレンサルファイド)ケースに挿入して、エポキシ樹脂を充填することにより外装した。
以上のようにして、比較例1-1、実施例1-1、実施例1-2及び比較例1-2フィルムコンデンサを製造した。
比較例1-1に係るフィルムコンデンサには、製造例1-1に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
実施例1-1に係るフィルムコンデンサには、製造例1-2に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
実施例1-2に係るフィルムコンデンサには、製造例1-3に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
比較例1-2に係るフィルムコンデンサには、製造例1-4に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
<CR値の測定>
各フィルムコンデンサの静電容量を標準規格(JIS C 5101-1 1998)に基づいた測定条件で、静電容量測定器(LCRメーター)を用いて測定した。
また、各フィルムコンデンサを温度125℃の雰囲気中に1時間置いた後に電圧150V/μm(誘電体樹脂フィルムの厚み1μmあたり150V)で電圧印加1分後の絶縁抵抗値を測定した。絶縁抵抗値は、絶縁抵抗計(型番:DSM-8104、製造元:日置電機株式会社)により測定した。そして、静電容量値と、温絶縁抵抗値との積で示されるCR値を算出した。結果を表1に示す。
また、CR値から、フィルムコンデンサを以下の基準で評価した。
〇:CR値が100Ω・F以上
×:CR値が100Ω・F未満
<ESR増加率の測定>
各フィルムコンデンサを、温度125℃、電圧200V/μm(誘電体樹脂フィルムの厚み1μmあたり200V)、2000時間の高温負荷試験を行ない、試験前後のESR増加率を測定した。評価基準は以下の通りである。
結果を表1に示す。ESRはLCRメータ(型番:E4980A、製造元はAgilent Technologies)により測定した。
また、ESR増加率の数値から、フィルムコンデンサを以下の基準で評価した。
〇:ESR増加率が15%以下
×:ESR増加率が15%を超える
上記<CR値の測定>及び<ESR増加率の測定>から、フィルムコンデンサを以下の基準で総合評価した。
◎:CR値が100Ω・F以上、かつ、ESR増加率が15%以下
〇:CR値が100Ω・F未満、かつ、ESR増加率が15%以下
△:CR値が100Ω・F以上、かつ、ESR増加率が15%を超える
×:CR値が100Ω・F未満、かつ、ESR増加率が15%を超える
Figure 0007463539000001
表1に示す通り、誘電体樹脂フィルムにおいて、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.08以上、1.15以下であると、高温で長時間電圧印加しても、蒸着電極の酸化が抑制され、ESRが高くなりにくいことが判明した。
またこのような構成とした実施例1-1及び実施例1-2に係るフィルムコンデンサはCR値が250Ω・F以上であった。
(実施例2-1)及び(実施例2-2)並びに(比較例2-1)及び(比較例2-2)
誘電体樹脂フィルムとして、高分子量のビスフェノールA型フェノキシ樹脂と3官能のトリメチロールプロパン(TMP)-アダクト体としたTDIを、前者の水酸基のモル数と後者のイソシアネート基のモル数がほぼ等しくなるように混合し、基材フィルムに薄く塗布した後、乾燥させ樹脂フィルムを得た。その誘電体樹脂フィルムの一方側縁に帯状の絶縁部が形成されるようにアルミニウムを蒸着し金属層を形成した後、基材を剥離して熱硬化した。熱硬化は100℃~180℃、2時間~50時間で適宜調整し、製造例2-1、製造例2-2、製造例2-3及び製造例2-4に係る、厚み5μmの金属層が形成された誘電体樹脂フィルムを作製した。
各誘電体樹脂フィルムのカルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)を下記方法で測定したところ、表2に示す値であった。
なお、各官能基の吸収ピーク強度の測定は、上記「<官能基の吸収ピーク強度の測定>」と同様の方法で行った。
次に、製造例2-1、製造例2-2、製造例2-3及び製造例2-4に係る金属層が形成された誘電体樹脂フィルムをそれぞれ2枚準備し、一方を積層方向を軸に180度回転させ、絶縁部の位置が互い違いになるように重ねた後、巻回してコンデンサ素子を得た。コンデンサ素子の両端に、亜鉛を溶射して外部端子電極を形成した。外部端子電極にリード線を接続し、PPSケースに挿入して、エポキシ樹脂を充填することにより外装した。
以上のようして、比較例2-1、実施例2-1、実施例2-2及び比較例2-2フィルムコンデンサを製造した。
比較例2-1に係るフィルムコンデンサには、製造例2-1に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
実施例2-1に係るフィルムコンデンサには、製造例2-2に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
実施例2-2に係るフィルムコンデンサには、製造例2-3に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
比較例2-2に係るフィルムコンデンサには、製造例2-4に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
各フィルムコンデンサについて、上記「<CR値の測定>」及び「<ESR増加率の測定>」と同様の方法で、CR値及びESR増加率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007463539000002
表2に示す通り、誘電体樹脂フィルムを構成するポリイソシアネートの種類を変えても、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.08以上、1.15以下であると、高温で長時間電圧印加しても、蒸着電極の酸化が抑制され、ESRが高くなりにくいことが判明した。
またこのような構成とした実施例2-1及び実施例2-2に係るフィルムコンデンサはCR値が250Ω・F以上であった。
(実施例3-1)及び(実施例3-2)並びに(比較例3-1)及び(比較例3-2)
誘電体樹脂フィルムとして、高分子量のビスフェノールA型フェノキシ樹脂と2官能イソシアネートであるMDIを、前者の水酸基のモル数と後者のイソシアネート基のモル数の比が、水酸基/イソシアネート基=60/40、50/50、40/60及び30/70となるように、混合して4種類の塗液を作製し各塗液を基材フィルムに薄く塗布した後、乾燥させ樹脂フィルムを得た。その誘電体樹脂フィルムの一方側縁に帯状の絶縁部が形成されるようにアルミニウムを蒸着し金属層を形成した後、基材を剥離して熱硬化した。熱硬化は150℃、5時間とし、製造例3-1(水酸基/イソシアネート基=60/40)、製造例3-2(水酸基/イソシアネート基=50/50)、製造例3-3(水酸基/イソシアネート基=40/60)及び製造例3-4(水酸基/イソシアネート基=30/70)に係る金属層が形成された、厚み3μmの誘電体樹脂フィルムを作製した。
そして、各金属層が形成された誘電体樹脂フィルムについて、イソシアネート基及びカルボニル基の吸収ピーク強度の測定を上記「<官能基の吸収ピーク強度の測定>」と同様の方法で行い、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)を算出した。結果を表3に示す。
次に、製造例3-1、製造例3-2、製造例3-3及び製造例3-4に係る金属層が形成された誘電体樹脂フィルムをそれぞれ2枚準備し、一方を積層方向を軸に180度回転させ、絶縁部の位置が互い違いになるように重ねた後、巻回してコンデンサ素子を得た。コンデンサ素子の両端に、亜鉛を溶射して外部端子電極を形成した。外部端子電極にリード線を接続し、PPSケースに挿入して、エポキシ樹脂を充填することにより外装した。
以上のようして、比較例3-1、実施例3-1、実施例3-2及び比較例3-2に係るフィルムコンデンサを製造した。
比較例3-1に係るフィルムコンデンサには、製造例3-1に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
実施例3-1に係るフィルムコンデンサには、製造例3-2に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
実施例3-2に係るフィルムコンデンサには、製造例3-3に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
比較例3-2に係るフィルムコンデンサには、製造例3-4に係る誘電体樹脂フィルムが用いられている。
各フィルムコンデンサについて、上記「<CR値の測定>」及び「<ESR増加率の測定>」と同様の方法で、CR値及びESR増加率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007463539000003
表3に示す通り、第1有機材料と第2有機材料を、前者の水酸基のモル数に対して、後者のイソシアネート基のモル数の比を高くして混合して製造した誘電体樹脂フィルムにおいて、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.08以上、1.15以下であると、高温で長時間電圧印加しても、蒸着電極の酸化が抑制され、ESRが高くなりにくいことが判明した。
またこのような構成とした実施例3-1及び実施例3-2に係るフィルムコンデンサはCR値が250Ω・F以上であった。
このように、あらかじめ第1有機材料と第2有機材料とを、前者の水酸基のモル数に対して後者のイソシアネート基のモル数の比を一定程度高くなるように調整して混合することにより誘電体樹脂フィルムに含まれるイソシアネート基に含有量を容易に調整できることが判明した。
(実施例4-1)~(実施例4-4)
誘電体樹脂フィルムとして、高分子量のビスフェノールA型フェノキシ樹脂と2官能イソシアネートであるMDIを、前者の水酸基のモル数と後者のイソシアネート基のモル数がほぼ等しくなるように混合し、基材フィルムに薄く塗布した後、乾燥させ樹脂フィルムを得た。その誘電体樹脂フィルムの一方側縁に帯状の絶縁部が形成されるようにアルミニウムを蒸着し金属層を形成した後、基材を剥離して熱硬化した。熱硬化は150℃、5時間でとし、カルボニル基の吸収ピーク強度に対するイソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.2となる金属層が形成された、厚み5μmの誘電体樹脂フィルムを作製した。
なお、カルボニル基の吸収ピーク強度及びイソシアネート基の吸収ピーク強度の測定は、上記「<官能基の吸収ピーク強度の測定>」と同様の方法で行った。
次に、金属層が形成された誘電体樹脂フィルムをそれぞれ2枚準備し、一方を積層方向を軸に180度回転させ、絶縁部の位置が互い違いになるように重ねた後、巻回してコンデンサ素子を得た。そして、コンデンサ素子を85℃、85%の雰囲気中で強制的に加湿し、未加湿のものと、125℃で、1~12時間加熱乾燥し、誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量が表4に示す数値であるコンデンサ素子を4種作製した。なお、水分の含有量は、水素化物反応法(ISO 15512:2019方法E)により測定した。
次に、各コンデンサ素子の両端に、亜鉛を溶射して外部端子電極を形成した。外部端子電極にリード線を接続し、PPSケースに挿入して、エポキシ樹脂を充填することにより外装した。
以上のようして、実施例4-1~実施例4-4に係るフィルムコンデンサを製造した。
実施例4-1~実施例4-4に係るフィルムコンデンサについて、上記「<CR値の測定>」及び「<ESR増加率の測定>」と同様の方法で、CR値及びESR増加率を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007463539000004
表4に示すように、誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量が少なくなると、ESR増加率が抑えられ、CR値が高くなることが判明した。特に、水分の含有量が0.4重量%以下であると、ESR増加率が特に抑えられることが判明した。
なお、フィルムコンデンサを乾燥雰囲気中に保管したり、外装前に加熱乾燥等することにより、水分含有量をさらに抑えることができると予測できる。
10 フィルムコンデンサ
11 第1の金属化フィルム
12 第2の金属化フィルム
13 第1の誘電体樹脂フィルム
13a 第1の絶縁部
14 第2の誘電体樹脂フィルム
14a 第2の絶縁部
15 第1の金属層
16 第2の金属層
40 金属化フィルムの巻回体
41 第1の外部端子電極
42 第2の外部端子電極

Claims (6)

  1. 熱硬化性ウレタン樹脂からなる誘電体樹脂フィルムと、
    前記誘電体樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けられた金属層と、
    を備え、
    前記誘電体樹脂フィルムは、少なくともイソシアネート基及びカルボニル基を含み、
    波数:1650cm-1以上、1800cm-1以下の範囲で検出される前記カルボニル基の吸収ピーク強度に対する波数:2200cm-1以上、2350cm-1以下の範囲で検出される前記イソシアネート基の吸収ピーク強度の比(イソシアネート基の吸収ピーク強度/カルボニル基の吸収ピーク強度)が0.08以上、1.15以下である、フィルムコンデンサ。
  2. 前記誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量は、0.4重量%以下である請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記誘電体樹脂フィルムに含まれる水分の含有量は、0.01重量%以上である請求項2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記誘電体樹脂フィルムは、フェノキシ樹脂と、ジフェニルメタンジイソシアネートおよび/またはトリレンジイソシアネートとの架橋物を含む請求項1~3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記フィルムコンデンサの静電容量値と、温度125℃の雰囲気中に1時間静置した後、電圧150V/μmで電圧印加1分後に測定した絶縁抵抗値との積で示されるCR値が250Ω・F以上である請求項1~4のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記CR値が5000Ω・F以下である請求項5に記載のフィルムコンデンサ。
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