JP2673787B2 - チップドレッサー - Google Patents

チップドレッサー

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JP2673787B2
JP2673787B2 JP6287951A JP28795194A JP2673787B2 JP 2673787 B2 JP2673787 B2 JP 2673787B2 JP 6287951 A JP6287951 A JP 6287951A JP 28795194 A JP28795194 A JP 28795194A JP 2673787 B2 JP2673787 B2 JP 2673787B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗溶接機の電極チッ
プを切削整形するチップドレッサーに関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、スポット溶接機の電極チップを切
削整形するチップドレッサーとしては、例えば所定形状
の切削刃をホルダーに取り付け、このホルダーを自動あ
るいは手動で一定方向に回転させるようにしたものが提
案されている。このようなチップドレッサーにおいて
は、切削刃を取り付けたホルダーの回転により電極チッ
プの先端部及び側面部が切削加工される。またその切削
切粉は、ホルダーに設けられた開孔部から外部に排出さ
れるようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のチップドレッサーにあっては、切削切粉排
出用の開孔部が主に側面部切削用の刃具に沿って形成さ
れているため、切削切粉の排出がタイミング良く行われ
ないとバリが発生し、溶接に悪影響を及ぼすという問題
点があり、また切削刃の過大な食い込みがあると品質が
低下するという問題点があった。
【０００４】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、バリの発生がなく、良好な溶接結果が
得られ、また電極チップの品質が高く且つ安定するチッ
プドレサーを提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明に係るチップドレ
ッサーは、次のように構成したものである。
【０００６】（１）抵抗溶接機の電極チップを切削整形
するチップドレッサーにおいて、電極チップの先端部及
び側面部を切削する切削刃を保持するカッターホルダー
と、このカッターホルダーを回転させるための回転手段
とを備え、前記カッターホルダーに電極チップをガイド
するための円錐台状の凹部を形成するとともに、その円
錐台状の凹部面から前記切削刃を所定量突出させて取り
付け、前記カッターホルダーの電極チップの側面部を切
削する切削刃の回転方向側に該切削刃に沿って切削切粉
排出用の開孔部を設け、且つ該カッターホルダーの電極
チップの先端部を切削する切削刃の回転方向側に少なく
ともほぼ円錐台の底面と側面の境界に達する切削切粉排
出用の開孔部を前記開孔部に連通して設けた。
【０００７】（２）上記（１）のチップドレッサーにお
いて、カッターホルダーは、上下対称の円錐台状の凹部
を有するものとした。
【０００８】（３）上記（１）または（２）のチップド
レッサーにおいて、電極チップの先端部及び側面部を切
削する切削刃は、一体成形した刃具とした。
【０００９】（４）上記（１）ないし（３）何れかのチ
ップドレッサーにおいて、電極チップの先端部を切削す
る切削刃は、カッターホルダーの中心点を越えないかあ
るいは若干越えた部分にテーパーを持たせたものとし
た。
【００１０】（５）上記（１）ないし（４）何れかのチ
ップドレッサーにおいて、切削刃は、刃先を面取り加工
した。
【００１１】
【作用】本発明のチップドレッサーにおいては、電極チ
ップがカッターホルダーの円錐台状の凹部にガイドさ
れ、その凹部面から所定量突出した切削刃により先端部
及び側面部が切削整形される。またその切削切粉は、切
削刃の回転方向側に大きく設けられた開孔部からタイミ
ング良く排出される。
【００１２】
【実施例】図１は本発明の一実施例によるチップドレッ
サーの要部を示す構成図であり、ここではカッターホル
ダー１の概略構成を示し、（ａ）はその平面図、（ｂ）
は側面断面図である。
【００１３】このカッターホルダー１は、電極チップ
（図示せず）の先端部及び側面部を切削加工する切削刃
２を保持するものであり、電極チップをガイドするため
の円錐台状の凹部３，４が上下対称に形成されており、
その凹部面から所定量突出して切削刃２が取り付けられ
ている。また、カッターホルダー１の外周部には該カッ
ターホルダー１を回転させるための回転手段としてギア
５が設けられており、モーター等により自動で一定方向
Ａにカッターホルダー１が回転するようになっている。
【００１４】また、上記切削刃２は電極チップの側面部
を切削する刃具（切削刃）２ａと電極チップの先端部２
ｂを切削する刃具（切削刃）２ｂから成り、カッターホ
ルダー１の側面部切削用の刃具２ａの回転方向側には該
刃具２ａに沿って切削切粉排出用の開孔部６が設けら
れ、カッターホルダー１の先端部切削用の刃具２ｂの回
転方向側には少なくともほぼ上記凹部３，４の円錐台の
底面と側面の境界に達する切削切粉排出用の開孔部７が
前記開孔部６に連通して設けられている。
【００１５】図２は上記切削刃２の形状を示す図であ
る。図２の（ａ）は側面部切削用の刃具２ａと先端部切
削用の刃具２ｂを一体成形したもので、この切削刃２は
カッターホルダー１にねじ等により固定されるが、その
突出量は限密に管理できるようになっている。この切削
刃２の突出量は、一般的には１mm以下で０．５mm〜０．
４mm程度に管理されるが、材料によってはこれより小さ
い値に規制される。また図２の（ｂ）は別体形としたも
ので、各刃具２ａ，２ｂはそれぞれ別個に固定され、同
様にその突出量は所定値に調整できるようになってい
る。
【００１６】図３は切削刃２と電極チップ８が当接した
状態を示したものである。電極チップ８の先端部を切削
する刃具２ｂは、図３の（ａ）に示すようにカッターホ
ルダー１の中心点を越えないか、あるいは図３の（ｂ）
に示すように中心点を越えた部分２ｃに若干角度θのテ
ーパーを持たせる必要がある。この角度θは、０．５°
ないしその近傍が最適であるが、０．３°〜０．７°の
範囲とすることが望ましい。
【００１７】また図４に示すように、切削刃２の刃先は
電極チップ８への食い込みを避けるために面取り加工を
施してある。
【００１８】上記のように構成されたカッターホルダー
１は、不図示のケース本体に組み込まれ、例えばモータ
等により自動で外周部のギア５を通して一定方向に回転
される。そして、このカッターホルダー１を有したチッ
プドレッサーに所定の加圧力で押圧されたスポット溶接
機の上下の電極チップ８は、それぞれカッターホルダー
１の上下に設けられた円錐台状の凹部３，４によりガイ
ドされて適切な位置に導かれ、回転する切削刃２により
先端部と側面部が切削加工される。
【００１９】この時、電極チップ８の材料（銅合金）は
軟質であるため、切削刃２の歯が食い込み易く、切削時
にバリがでやすいが、切削刃２の突出量は上述のように
限密に管理することができ、更に切削刃２の刃先は面取
りしてあるので、バリの発生を最小限に抑えることがで
きる。したがって、溶接部の悪質化を招くことはなく、
良好な溶接結果が得られるとともに、電極チップ８の品
質も高いものとなり、且つ安定したものとなる。
【００２０】また、切削切粉がカッターホルダー上面に
残留するとバリがでて電極チップ８のドレッシング状態
が悪化するが、本実施例では切削刃２の各刃具２ａ，２
ｂの回転方向側に前述のような形状の開孔部６，７を設
けているので、切削切粉は速やかにタイミング良くその
開孔部６，７から排出される。更に、切削刃２の先端部
切削用の刃具２ｂはカッターホルダー１の中心点よりで
ないような構造となっており、電極チップ８の芯残りや
むしれが防止され、これによってもバリの発生が抑制さ
れ、電極チップ８の良好な切削整形を行うことができ
る。
【００２１】図５は上述のチップドレッサーの全体構成
を示す側断面図である。カッターホルダー２は、動力伝
達用のギア１１、１２を収納する蓋１３付きのケース１
４と一体的に形成されており、ギア１１の軸穴とキー付
きのロッドとが係合し、スクリューギアを通して動力が
伝達されるようになっている。またケース１４は、ベー
ス板に任意の向きに取り付け可能となっており、カッタ
ーホルダー２の取付角は自由に設定できるようになって
いる。そして、ベース板にはウォームギア（スクリュー
ギア）が収納され、このウォームギアにより上記スクリ
ューギアが回転される。
【００２２】また、上記ベース板にはウォームギアを回
転させるギアも収納され、これらはカバー１５によって
覆われている。駆動モーターの構成部材である回転子、
固定子を収納したカバー１６は、全体がカバーケース１
７によって覆われており、上述の各ギアを介してカッタ
ーホルダー２に回転力を与えるようになっている。
【００２３】図６は上記電極チップ８の圧力制御系の構
成を示す図であり、同図中２１はチップドレッサー、２
２は電極チップ８を装着した溶接ガンをそれぞれ示して
いる。
【００２４】上記溶接ガン２２は、エアーシリンダー２
３をエアー通路に介装したソレノイドバルブ２４を通し
て制御することにより加圧力が制御され、ソレノイドバ
ルブ２４にはドレッサー制御板２５からの加圧力レベル
設定信号に基づくドレッシング時の加圧信号と溶接機制
御盤２６からの溶接時の加圧信号とが入力され、加圧力
と時間の両方が制御されるようになっている。
【００２５】一方、不図示のコンプレッサーから送られ
てきたエアーは、フィルター２７を通り、圧力調整器２
８で圧力調整された後、注油器２９を経てドレッシング
用に設けられた圧力制御機構３０に入る。この圧力制御
機構３０は、入力電圧と出力エアー量が比例する電空比
例弁３１により構成されており、上記ドレッサー制御盤
２５からの加圧力レベル設定信号に応じてチップドレッ
サー２１のカッターホルダー１に対する電極チップ８の
押圧力を制御する。また、ドレッサー制御盤２５から
は、チップドレッサー２１にモーター駆動信号が出力さ
れる。３２はミストセパレーター、３３は圧力ゲージで
ある。
【００２６】上記のような構成の圧力制御装置を用いる
ことにより、溶接時の加圧力とドレッシング時の加圧力
とを一台で同時に制御することができ、効率の良い溶接
機の管理を行うことができる。
【００２７】図７は上記圧力制御装置を用いたドレッシ
ング時の電極チップ８の加圧力の変化の様子を示すタイ
ミング図である。図示のように、ドレッシング時の最高
圧力は溶接時の圧力と同等あるいはそれ以下としてい
る。
【００２８】そして、電極チップ８をカッターホルダー
１にセットする時は衝撃力を小さくするために溶接時の
加圧力に比べて比較的弱い力で電極チップ８を押圧さ
せ、電極チップ８の側面部と先端部を切削する時は切削
時間が長くならないように上記セット時よりも若干強い
力で電極チップ８を押圧させ、一定時間後には再び弱い
力で押圧させるようにしている。この最後に再び押圧力
を弱めることにより、電極チップ８にぶれが生じ、電極
チップ先端に突起が生じるのが防止され、良好な加工仕
上げが得られる。
【００２９】また、上記のような圧力制御を行うことに
より、電極チップ８のセット時の衝撃力による切削刃２
の損傷及び切削刃２の食い込みによる電極チップ８のバ
リ発生を防止でき、かつ自動的に短い切削時間で良好な
電極チップ８の整形加工ができる。したがって、良好な
チップ管理を行えるとともに、安価なチップ材料を使用
することができる。この小トルクのモータを使用した場
合でも、切削時には回転数を上げることができ、短い時
間で電極チップ８を整形加工することができる。
【００３０】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電極チ
ップの切削刃を保持するカッターホルダに円錐台状の凹
部を形成し、その凹部面から所定量突出させて切削刃を
固定できるようにし、また電極チップの先端部及び側面
部を切削する各々の切削刃の回転方向側に切削切粉排出
用の開孔部を設けたため、電極チップにバリが発生する
ことなく、良好な溶接結果が得られ、また電極チップの
品質が高く且つ安定するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例の要部を示す構成図
【図２】 切削刃の形状を示す図
【図３】 切削刃と電極チップが当接した状態を示す図
【図４】 切削刃の面取り加工を示す説明図
【図５】 一実施例の全体構成を示す側断面図
【図６】 電極チップの圧力制御系を示す構成図
【図７】 電極チップの加圧力の変化の様子を示すタイ
ミング図
【符号の説明】
１ カッターホルダー ２ 切削力 ２ａ 刃具（切削刃） ２ｂ 刃具（切削刃） ３ 凹部 ４ 凹部 ５ ギア（回転手段） ６ 開孔部 ７ 開孔部 ８ 電極チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 伸二 三重県鈴鹿市平田町1907番地 本田技研 工業株式会社 鈴鹿製作所内 (72)発明者 大谷 広司 三重県鈴鹿市平田町1907番地 本田技研 工業株式会社 鈴鹿製作所内 (56)参考文献 実開 平４−64475（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−67977（ＪＰ，Ｕ)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 抵抗溶接機の電極チップを切削整形する
    チップドレッサーにおいて、電極チップの先端部及び側
    面部を切削する切削刃を保持するカッターホルダーと、
    このカッターホルダーを回転させるための回転手段とを
    備え、前記カッターホルダーに電極チップをガイドする
    ための円錐台状の凹部を形成するとともに、その円錐台
    状の凹部面から前記切削刃を所定量突出させて取り付
    け、前記カッターホルダーの電極チップの側面部を切削
    する切削刃の回転方向側に該切削刃に沿って切削切粉排
    出用の開孔部を設け、且つ該カッターホルダーの電極チ
    ップの先端部を切削する切削刃の回転方向側に少なくと
    もほぼ円錐台の底面と側面の境界に達する切削切粉排出
    用の開孔部を前記開孔部に連通して設けたことを特徴と
    するチップドレッサー。
  2. 【請求項２】 カッターホルダーは、上下対称の円錐台
    状の凹部を有していることを特徴とする請求項１記載の
    チップドレッサー。
  3. 【請求項３】 電極チップの先端部及び側面部を切削す
    る切削刃は、一体成形した刃具であることを特徴とする
    請求項１または２記載のチップドレッサー。
  4. 【請求項４】 電極チップの先端部を切削する切削刃
    は、カッターホルダーの中心点を越えないかあるいは若
    干越えた部分にテーパーを持たせたものとしたことを特
    徴とする請求項１ないし３何れか記載のチップドレッサ
    ー。
  5. 【請求項５】 切削刃は、刃先を面取り加工したことを
    特徴とする請求項１ないし４何れか記載のチップドレッ
    サー。
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