JP2003245779A - 切削刃およびチップドレッサー - Google Patents

切削刃およびチップドレッサー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポット溶接における消費電力を抑制し得る
とともに、作業効率を高め得る切削刃およびチップドレ
ッサーを提供する。 【解決手段】 カッタ30は刃部31と圧接部33とを
備えており、刃部31は電極チップ50の先端部51の
先端平坦部53を除く部分を所定の略半球形状に切削整
形可能に凹状の円弧形状に湾曲し、この刃部31に連続
して圧接部33が電極チップ50の先端平坦部53に圧
接可能に設けられている。これにより、回転中心K周り
にカッタ30が回転することにより、電極チップ50の
先端部51の先端平坦部53を除く部分を所定の略半球
形状に切削整形することができるとともに、電極チップ
50の先端平坦部53に圧接する圧接部33により先端
平坦部53を圧接整形することができるので、電極チッ
プ50の先端平坦部53を切削することなく、電極チッ
プ50の先端部51を所定の略半球形状に整形すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポット溶接機の
電極チップを整形するチップドレッサーに用いられる切
削刃およびチップドレッサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スポット溶接では、一対の電極
チップでワークを挟み加圧しながら溶接電流を流すこと
から、この電極チップの先端は溶接打点数の増加に伴い
徐々に潰れていくことが知られている。そのため、図5
に示すようなチップドレッサー100によって、先端の
潰れた電極チップを切削整形して再利用している。
【0003】例えば、図5(A) に示すチップドレッサー
100では、主に、カッタ110、ホルダ120、回転
ブロック130、ガイド140、モータ150、エコラ
イジング機構160等からなり、例えばC型の溶接ガン
200に取り付けられた一対の電極チップ210の先端
部211を整形し得るように構成されている。
【0004】即ち、図5(B) に示すように、電極チップ
210を切削整形可能なカッタ110は、凹状の円弧形
状に湾曲する刃部111が、電極チップ210の先端全
面を切削整形可能にカッタ110の回転中心Kまで連続
して設けられている。
【0005】ホルダ120は、上下両面に電極チップ2
10を受け入れ可能なすり鉢形状部を有する円柱形状に
形成されており、その一部にカッタ110をねじ固定可
能な切欠部が形成されている。
【0006】図5(A) に示すように、回転ブロック13
0は、ホルダ120の外周を囲むように位置しており、
前述したホルダ120を全周に亘って保持可能に形成さ
れている。またこの回転ブロック130の外周縁には、
所定のピッチのギヤ歯(図略)が形成されており、この
ギヤ歯とモータのギヤ歯が減速機を介して噛合されるこ
とにより、後述するモータ150から駆動力を伝達可能
に構成されている。これにより、モータのギヤ歯および
減速機を介して伝達されるモータ150の駆動力によっ
て回転ブロック130が回転するので、回転ブロック1
30とともにホルダ120およびカッタ110を回転中
心K周りに回転させることができる。
【0007】ガイド140は、ホルダ120の上面およ
び下面に対向して配設されており、電極チップ210を
ホルダ120に案内可能な形状に形成されている。
【0008】モータ150は、前述したギヤ歯および減
速機を介して回転ブロック130と連結されており、チ
ップドレッサー100の外部から供給される電力によ
り、回転ブロック130を回転中心Kを中心に回転させ
得る駆動力を出力可能に構成されている。例えば、ホル
ダ120およびカッタ110を毎分200回転以上に回
転させ得る高速回転能を有するものである。
【0009】エコライジング機構160は、スライド機
構により、溶接ガン200の上下一対の電極チップ21
0ともチップドレッサー100に対し相互に動作できる
ようにするもので、上下一対の電極チップ210を均一
に切削整形するための機構である。
【0010】このような構成により、モータ150によ
って回転ブロック130が回転すると、カッタ110と
ホルダ120とが一体に回転中心K周りに回転するの
で、ガイド140により案内される電極チップ210に
対し、湾曲した刃部111によってその先端部211の
全面を略半球形状に整形することができるとともに、先
端平坦部213の直径をβからαに整形することができ
る。即ち、図6(C) に示すように、同図中の網掛け部分
Hを切削することにより、先端の潰れた電極チップ21
0の先端平坦部213(図6(B) )を直径αに整形するこ
とができる。但し、この場合、電極チップ210の長さ
がγ分短くなる。
【0011】ところで、スポット溶接に用いられる電極
チップ210は、図6(A) に示すように、その先端部2
11に直径がαの先端平坦部213を有している。この
先端平坦部213は、電極チップ210自体が展性に富
む銅からなるため、図6(B)に示すように、溶接打点数
の増加とともに、徐々に潰れて、先端平坦部213の直
径がβになり、接触面積が広がって電流密度が低下す
る。これでは適正な溶接ナゲットを形成することができ
ない。
【0012】このような問題を解消するため、一般に
は、図7の実線で示すように、溶接打点数に対応させて
溶接ガンに供給される溶接電流を段階的に上昇させるこ
とにより、電極チップ210の先端部211が潰れても
ワーク間に適正な溶接ナゲットが形成できるように溶接
電流を制御(以下、「ステップアップ制御」という)す
るか、あるいは、前述したチップドレッサー100によ
って、短い周期で電極チップ210を初期形状に切削整
形するようにしている。
【0013】そして、ステップアップ制御を行ってもワ
ーク間に適正な溶接ナゲットを形成できない程度まで電
極チップ210の先端部211が潰れた場合には、電極
チップ210を交換する。また、図5(B) に示すよう
に、前述したチップドレッサー100によって、電極チ
ップ210の先端部211を所定の略半球形状に切削整
形する場合は、図6(B) に示すように先端平坦部213
が直径β程度に潰れたものを、図6(C) に示すように、
直径がαになる程度に切削整形する。この時、電極チッ
プ210の長さがγ分短くなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような溶接電流のステップアップ制御や電極チップ2
10の切削整形によると、以下に挙げるような問題点が
ある。 (1) 適正な溶接ナゲットを形成するために、図7に示す
ように、溶接電流のステップアップ制御を行うと、シー
ケンサによる制御が複雑になるという問題がある。この
ことは、シーケンサの制御機能に左右されるため、例え
ば、図7の破線に示すような細かな制御が困難なシーケ
ンサにおいては、実線に示すようなラフな制御にならざ
るを得ない。そのため、溶接電流のステップアップ直後
においては、過剰な溶接電流を供給することになるの
で、無駄な電力消費が増加してしまうという問題があ
る。また、溶接電流のステップアップ直後には過剰な溶
接電流が供給されることから、スパッタの発生を誘引
し、予定したスポット溶接の妨げとなるばかりか、作業
効率の低下をも招くという問題がある。
【0015】(2) さらに溶接電流のステップアップ制御
で2000〜3000打点溶接すると、溶接電流のステ
ップアップでは対応困難な程度にまで電極チップ210
の先端部211が潰れる。そのため、電極チップ210
の交換が必要となり、頻繁に電極チップ210を交換し
なければならない。したがって、これによっても作業効
率が低下するという問題がある。なお、交換により溶接
ガンから取り外した電極チップ210は、整形すること
により再使用が可能である。
【0016】(3) また、図6(C) を参照して述べたよう
に、チップドレッサー100によって短い周期で電極チ
ップ210を切削整形すると、切削整形を行う毎に電極
チップ210の長さがγ分づつ短くなるため、電極チッ
プ210の寿命が短くなるという問題がある。
【0017】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、スポッ
ト溶接における消費電力を抑制し得るとともに、作業効
率を高め得る切削刃およびチップドレッサーを提供する
ことを目的とする。また、本発明の他の目的は、短い周
期で電極チップを切削整形しても電極チップの寿命が短
くならない切削刃およびチップドレッサーを提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段、および発明の作用・効
果】上記した目的を達成するため、請求項1の切削刃で
は、スポット溶接機の電極チップを整形するチップドレ
ッサーに用いられる切削刃において、前記電極チップの
先端部の先端平坦部を除く部分を所定の略半球形状に切
削整形可能に、凹状の円弧形状に湾曲する刃部と、前記
電極チップの先端平坦部に圧接可能に前記刃部に連続し
て設けられる刃を有しない圧接部と、を備えることを技
術的特徴とする。
【0019】請求項1の発明では、切削刃は刃部と刃を
有しない圧接部とを備えており、当該刃部は、電極チッ
プの先端部の先端平坦部を除く部分を所定の略半球形状
に切削整形可能に凹状の円弧形状に湾曲し、この刃部に
連続して刃を有しない圧接部が電極チップの先端平坦部
に圧接可能に設けられている。これにより、当該切削刃
が回転中心周りに回転することにより、電極チップの先
端部の先端平坦部を除く部分を所定の略半球形状に切削
整形することができるとともに、電極チップの先端平坦
部に圧接する圧接部により当該先端平坦部を圧接整形す
ることができるので、電極チップの先端平坦部を切削す
ることなく、電極チップの先端部を所定の略半球形状に
整形することができる。つまり、電極チップの長さが短
くなることを防止できるので、短い周期で電極チップを
切削整形しても電極チップの寿命は短くならない。した
がって、短い周期で電極チップを切削整形することが可
能となるため、溶接電流のステップアップ制御が不要と
なり、スポット溶接における消費電力を抑制し得るとと
もに、作業効率を高め得る効果がある。
【0020】請求項2のチップドレッサーでは、スポッ
ト溶接機の電極チップを整形するチップドレッサーにお
いて、前記電極チップを受け入れ可能なすり鉢形状部を
有し、前記すり鉢形状部を中心に回転可能に構成される
ホルダと、前記ホルダに保持され、前記すり鉢形状部に
案内された前記電極チップの先端部の先端平坦部を除く
部分を前記ホルダの回転により所定の略半球形状に切削
整形可能に、凹状の円弧形状に湾曲する刃部、および、
前記電極チップの先端平坦部に圧接可能に前記刃部に連
続して設けられる刃を有しない圧接部を有する切削刃
と、前記ホルダを回転中心周りに回転駆動し得る駆動部
と、を備えることを技術的特徴とする。
【0021】請求項2の発明では、ホルダと切削刃と駆
動部とを備える。そして、電極チップを受け入れ可能な
すり鉢形状部を有するホルダにより切削刃が保持され、
駆動部によりこのホルダを回転中心周りに回転駆動する
ので、回転中のホルダのすり鉢形状部に案内された電極
チップの先端部は、先端平坦部を除く部分が切削刃の刃
部により所定の略半球形状に切削整形され、また同電極
チップの先端平坦部は、これに圧接する切削刃の圧接部
により圧接整形される。これにより、電極チップの先端
平坦部を切削することなく、電極チップの先端部を所定
の略半球形状に整形することができるので、電極チップ
の長さが短くなることを防止でき、短い周期で電極チッ
プを切削整形しても電極チップの寿命は短くならない。
したがって、短い周期で電極チップを切削整形すること
が可能となるため、溶接電流のステップアップ制御が不
要となり、スポット溶接における消費電力を抑制し得る
とともに、作業効率を高め得る効果がある。
【0022】請求項3のチップドレッサーでは、請求項
2に記載のチップドレッサーにおいて、前記ホルダの回
転数は、毎分200回転以上300回転以下であること
を技術的特徴とする。
【0023】請求項3の発明では、ホルダの回転数を毎
分200回転以上にすれば、ホルダに保持されホルダと
一体に回転する切削刃は1秒間に3.3回以上回転する
ことができるので、極めて短時間(例えば1秒間)で電
極チップを整形することができる。またホルダの回転数
が毎分300回転を超えると、モータ容量が大きくなる
ため、経済的でない。これにより、例えば、あるワーク
の溶接完了後から次のワークが搬送されて来るまでの時
間(以下「ワークの搬送時間」という)内に電極チップ
を整形することができるので、いわゆるインラインの状
態で電極チップの先端形状をほぼ一定に保つことができ
る。そのため、溶接電流の制御も一定値にすることがで
きるので、過剰な溶接電流を供給することもなく、スパ
ッタの発生も防止することができる。したがって、消費
電力を抑制することができるとともに、より一層作業効
率を高めることができる。
【0024】請求項4のチップドレッサーでは、請求項
2または請求項3に記載のチップドレッサーにおいて、
整形時における前記電極チップの前記ホルダに対する加
圧力は、500N以上2000N以下であることを技術
的特徴とする。
【0025】請求項4の発明では、電極チップのホルダ
に対する加圧力は500N以上であることから、切削刃
の刃部により電極チップの先端部の先端平坦部を除く部
分を適正に切削整形することができるとともに、電極チ
ップの先端平坦部に圧接する切削刃の圧接部により、当
該先端平坦部を圧接整形することができる。これによ
り、例えば、電極チップの先端平坦部に付着している亜
鉛を良好に取り除くことができる一方で、当該先端頂部
に当接する平坦部には切刃が形成されていないので、当
該先端頂部を切削することはない。また、電極チップの
加圧力は2000N以下であることから、過剰な加圧力
による電極チップの変形を防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の切削刃およびチッ
プドレッサーの実施形態について図1〜図7を参照して
説明する。
【0027】図2に示すように、本実施形態に係るチッ
プドレッサー10は、カッタ30の構成を除いて、前述
した図5に示すチップドレッサー100とほぼ同じ構成
である。即ち、本チップドレッサー10は、図2および
図3に示すように、主に、ホルダ12、回転ブロック1
3、ガイド14、モータ15、エコライジング機構16
およびカッタ30から構成されており、図3(B) に示す
ように、ホルダ12、回転ブロック13、ガイド14、
モータ15、エコライジング機構16およびカッタ30
は、前述したチップドレッサー100(図5)を構成する
ホルダ120、回転ブロック130、ガイド140、モ
ータ150、エコライジング機構160およびカッタ1
10にそれぞれ対応するものである。なお、図3(A) に
示す符号17は、ホルダ12に形成される切欠部を示す
ものである。
【0028】そのため、本実施形態に係るチップドレッ
サー10においても、モータ15の駆動によって、回転
ブロック13が回転するので、ホルダ12およびカッタ
30が回転中心Kを中心に回転する。そして、ガイド1
4に案内された電極チップ50が、ホルダ12内に挿入
されると、回転しているカッタ30により、切削整形さ
れるところも、前述のチップドレッサー100と同様で
ある。但し、後述するように本チップドレッサー10
は、カッタ30の構成に特徴があるので、切削整形され
た後の電極チップ50の形状が図6(C) に示すものとは
異なるものとなる。
【0029】次に、本実施形態に係るカッタ30の構成
を図1に基づいて説明する。なお、図1(A) はカッタ3
0の構成を示す平面図、図1(B) は図1(A) に示す1B
方向による側面図、図1(C) は図1(A) に示す1C−1
C線による断面図である。
【0030】図1(A),(B) に示すように、カッタ30
は、例えば高速度工具鋼(JIS4403 SKH5
1)からなる板状の切削刃であり、二等辺三角形の二等
辺を凹状円弧形状に湾曲させた形状に形成されている。
そして、この湾曲部分には、刃部31が設けられ、これ
により、ホルダ12内に挿入された電極チップ50の先
端部51の先端平坦部53を除く部分を所定のドーム形
状に切削整形可能にしている。なお、この刃部31は、
図1(C) に示すように、すくい角θ(例えば3〜5度)
に設定されている。
【0031】一方、刃部31に連続して切刃が形成され
ていない圧接部33が電極チップ50の先端平坦部53
に圧接し得るように形成されている。そのため、当該電
極チップ50の先端平坦部53は、切削されることはな
く、整形後に電極チップ50の長さが短くなるのを防止
している。
【0032】なお、カッタ30のほぼ中央には、ホルダ
12にねじ固定される際に用いられるねじ挿通孔37が
設けられている。
【0033】即ち、図4(A) に示すように、カッタ30
は、電極チップ50の先端部51の先端平坦部53を除
く部分を所定の略半球形状に切削整形可能に、凹状の円
弧形状に湾曲する刃部31と、電極チップ50の先端平
坦部53に圧接可能に刃部31に連続して設けられる切
刃を有しない圧接部33と、を備える。これにより、回
転中心K周りに、カッタ30が回転することにより、同
図中の網掛け部分Hを切削して電極チップ50の先端部
51の先端平坦部53を除く部分を所定の略半球形状、
つまりドーム形状に整形することができるとともに、電
極チップ50の先端平坦部53に圧接する圧接部33に
より先端平坦部53を圧接整形することができる。その
ため、電極チップ50の先端平坦部53を切削すること
なく、電極チップ50の先端部51をドーム形状に整形
することができる。
【0034】そして、図4(B) に示すように、このよう
なカッタ30を備えたチップドレッサー10では、電極
チップ50を受け入れ可能なすり鉢形状部を有するホル
ダ12によりカッタ30が保持され、モータ15により
ホルダ12を回転中心K周りに回転駆動するので、回転
中のホルダ12のすり鉢形状部に案内された電極チップ
50の先端部51は、先端平坦部53を除く部分がカッ
タ30の刃部31によりドーム形状に切削整形され、ま
た電極チップ50の先端平坦部53は、これに圧接する
カッタ30の圧接部33により圧接整形される。これに
より、電極チップ50の長さが短くなることを防止で
き、短い周期で電極チップ50を切削整形することが可
能となるため、溶接電流のステップアップ制御が不要と
なり、スポット溶接における消費電力を抑制し得るとと
もに、作業効率を高め得る効果がある。
【0035】また、ホルダ12の回転数を例えば毎分2
00回転以上に設定すれば、ホルダ12に保持されてホ
ルダ12と一体に回転するカッタ30は1秒間に3.3
回以上回転することができるので、1秒以内で電極チッ
プ50を整形することができる。これにより、極めて短
時間に電極チップ50を整形できるため、ワークの搬送
時間内に電極チップ50を整形することができ、インラ
インの状態で電極チップ50の先端形状をほぼ一定に保
つことができる。そのため、溶接電流をステップアップ
制御する必要がなく、例えば図7に示す一点鎖線のよう
な一定電流値の電流制御に設定することができるので、
シーケンサによる制御を簡易にすることができる。した
がって、消費電力を抑制することができるとともに、よ
り一層作業効率を高めることができる。なお、ホルダ1
2の回転数が毎分300回転を超えると、モータ容量が
大きくなるため、経済的でない。
【0036】さらに、500N以上の加圧力でホルダに
対して電極チップ50を加圧することにより、カッタ3
0の刃部31により電極チップ50の先端部51の先端
平坦部53を除く部分を適正に切削整形することができ
るとともに、電極チップ50の先端平坦部53をカッタ
30の切刃を有しない圧接部33により圧接整形し、例
えば、電極チップ50の先端平坦部53に付着している
亜鉛を良好に取り除くことができる。一方、2000N
以下の加圧力で電極チップ50を加圧することにより、
過剰な加圧力による電極チップ50の変形を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る切削刃の構成を示す
図で、図1(A) は平面図、図1(B) は1B方向から見た
側面図、図1(C) は図1(A) に示す1C−1C線による
断面図である。
【図2】本実施形態に係るチップドレッサーの構成を示
す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るチップドレッサーのホルダ等
の構成を示す図で、図3(A) は平面図、図3(B) は図3
(A) に示す3B−3B線による断面図である。
【図4】本実施形態に係るチップドレッサーの作動等を
説明する説明図である。
【図5】従来例のチップドレッサーを示す説明図で、図
5(A) はチップドレッサーの構成概要を示すもの、図5
(B) はホルダおよびカッタの構成等を示すものである。
【図6】電極チップの先端部の形状を表す説明図で、図
6(A) は使用前の電極チップ、図6(B) は使用後整形前
の電極チップ、図6(C) は整形後の電極チップ、をそれ
ぞれ示すものである。
【図7】溶接打点数に対するシーケンサによる溶接電流
の設定例を示す特性図である。
【符号の説明】
10 チップドレッサー 12 ホルダ 13 回転ブロック 15 モータ (駆動部) 30 カッタ (切削刃) 31 刃部 33 圧接部 50 電極チップ 51 先端部 53 先端平坦部 200 溶接ガン (スポット溶接機) K 回転中心

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スポット溶接機の電極チップを整形する
    チップドレッサーに用いられる切削刃において、 前記電極チップの先端部の先端平坦部を除く部分を所定
    の略半球形状に切削整形可能に、凹状の円弧形状に湾曲
    する刃部と、 前記電極チップの先端平坦部に圧接可能に前記刃部に連
    続して設けられる刃を有しない圧接部と、を備えること
    を特徴とする切削刃。
  2. 【請求項2】 スポット溶接機の電極チップを整形する
    チップドレッサーにおいて、 前記電極チップを受け入れ可能なすり鉢形状部を有し、
    前記すり鉢形状部を中心に回転可能に構成されるホルダ
    と、 前記ホルダに保持され、前記すり鉢形状部に案内された
    前記電極チップの先端部の先端平坦部を除く部分を前記
    ホルダの回転により所定の略半球形状に切削整形可能
    に、凹状の円弧形状に湾曲する刃部、および、前記電極
    チップの先端平坦部に圧接可能に前記刃部に連続して設
    けられる刃を有しない圧接部を有する切削刃と、 前記ホルダを回転中心周りに回転駆動し得る駆動部と、 を備えることを特徴とするチップドレッサー。
  3. 【請求項3】 前記ホルダの回転数は、毎分200回転
    以上300回転以下であることを特徴とする請求項2に
    記載のチップドレッサー。
  4. 【請求項4】 整形時における前記電極チップの前記ホ
    ルダに対する加圧力は、500N以上2000N以下で
    あることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の
    チップドレッサー。
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