JP3016975U - 電極チップの研削用砥石 - Google Patents

電極チップの研削用砥石

Info

Publication number
JP3016975U
JP3016975U JP1995003316U JP331695U JP3016975U JP 3016975 U JP3016975 U JP 3016975U JP 1995003316 U JP1995003316 U JP 1995003316U JP 331695 U JP331695 U JP 331695U JP 3016975 U JP3016975 U JP 3016975U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
electrode tip
center line
groove
grindstone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1995003316U
Other languages
English (en)
Inventor
雅康 夏目
英修 権田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OSG Corp
Original Assignee
OSG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OSG Corp filed Critical OSG Corp
Priority to JP1995003316U priority Critical patent/JP3016975U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3016975U publication Critical patent/JP3016975U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 びびり振動の発生を抑制しつつ目詰まりを防
止し、優れた研削性能が長期間に亘って維持されるよう
にする。 【構成】 研削面60の中心線Oから偏心した位置で電
極チップ16を研削面60の一部に押圧した状態で、研
削用砥石12を中心線Oまわりに回転駆動するとともに
電極チップ16の軸心まわりに相対回転させ、電極チッ
プ16の全周を研削する場合に、中心線Oまわりに捩じ
れた複数の溝64を研削面60に放射状に設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は電極チップの研削用砥石に係り、特に、目詰まりによる研削性能の低 下を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スポット溶接装置の電極チップは銅,銅合金などで構成されているため、比較 的軟らかくて使用により先端部が潰れて変形してしまうが、その変形によりナゲ ット径が大きくなったり溶接不良を生じるようになったりするため、チップドレ ッサによって所定形状に修正するようにしている。このチップドレッサは一般に 放射状に複数のカッタを備え、そのカッタによって電極チップを切削するように なっているため、修正代(削り代)が比較的大きいとともにびびり振動を生じ易 く、滑らかな表面形状が得られ難くてチップ頂面の面積がばらつくという問題が あった。また、カッタが電極チップに食い込んで欠損したり、電極チップに大き な傷が付いて再使用不能になったりすることがあった。
【0003】 これに対し、円環形状の凹んだ研削面を有する研削用砥石を用いて電極チップ を研削することが、例えば実開平6−48977号公報に記載されており、研削 面の中心線から偏心した位置で電極チップを研削面の一部に押圧した状態で、そ の研削用砥石を中心線まわりに回転駆動するとともに電極チップの軸心まわりに 相対回転させて、電極チップの全周を研削するようになっている。この場合は、 周方向に連続する研削面が電極チップを研削するため、びびり振動が抑制されて 高い寸法精度が得られるようになるとともに、研削面が電極チップに食い込むな どして損傷する恐れもない。また、電極チップを部分的に研削しながら、その電 極チップの軸心まわりに研削用砥石を相対回転させて、電極チップの全周を研削 するようになっているため、電極チップの全周を略同じ条件で均一に研削できる とともに、径寸法が異なる複数種類の電極チップを研削することができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このように研削用砥石を用いて電極チップを研削する場合、電 極チップが銅合金等の軟質金属であることから切りくずが研削面に固着して目詰 まりを生じ易いという問題があった。
【0005】 これに対し、上記研削面に放射状の溝を設けることが考えられるが、研削面の 一部に電極チップを押圧した状態で砥石を中心線まわりに回転させて研削する場 合、砥石の回転に伴って溝部分が断続的に電極チップに接触させられるため、研 削抵抗の周期的な変動によってびびり振動を生じる恐れがある。
【0006】 本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、 びびり振動の発生を抑制しつつ目詰まりを防止し、優れた研削性能が長期間に亘 って維持されるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】 かかる目的を達成するために、第1考案は、円環形状の凹んだ研削面を有する 電極チップの研削用砥石であって、前記研削面に、前記中心線まわりに捩じれた 複数の溝を放射状に設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
このような本考案の研削用砥石においては、研削面に複数の溝が放射状に設け られているため、削られた切りくずがその溝内に入り込んで良好に排出される。 これにより、切りくずによる目詰まりが緩和され、優れた研削性能が長期間に亘 って維持されるようになる。
【0009】 一方、このように溝が設けられると、例えば研削面の一部に電極チップを押圧 した状態で砥石を中心線まわりに回転させて研削する場合など、研削態様によっ ては研削抵抗が周期変動するようになってびびり振動を生じる恐れがあるが、上 記複数の溝は中心線まわりに捩じれているため研削抵抗の変動が滑らかになり、 びびり振動の発生が抑制される。これにより、従来の溝の無い研削用砥石と略同 様に高い寸法精度で電極チップを修正できる。
【0010】
【第1考案の効果】 このように、本考案の研削用砥石によれば、研削態様に拘らずびびり振動の発 生が抑制されるとともに放射状の溝によって目詰まりが緩和され、優れた研削性 能が長期間に亘って維持されるようになる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】 第2考案は、円環形状の凹んだ研削面を有し、その研削面の中心線から偏心し た位置で電極チップがその研削面の一部に押圧された状態で、その研削面の中心 線まわりに回転駆動されるとともにその電極チップの軸心まわりに相対回転させ られることにより、その電極チップの全周を研削する電極チップの研削用砥石で あって、前記研削面に、前記中心線まわりに捩じれた複数の溝を放射状に設けた ことを特徴とする。
【0012】
【作用および第2考案の効果】 すなわち、この第2考案は前記第1考案の研削用砥石の一実施態様に相当する もので、前記研削面の中心線から偏心した位置で電極チップがその研削面の一部 に押圧された状態で、研削用砥石が研削面の中心線まわりに回転駆動されるとと もにその電極チップの軸心まわりに相対回転させられることにより、その電極チ ップの全周を研削するものであり、前記第1考案と同様の効果が得られる。
【0013】
【課題を解決するための第3の手段】 第3考案は、前記第1考案または第2考案の電極チップの研削用砥石において 、前記溝は、前記中心線まわりに略等間隔で6本〜12本の範囲内で設けられ、 その中心線と平行な方向からの傾斜角度が10°〜45°の範囲内で、溝長手方 向と直角な溝幅が1mm〜7mmの範囲内であることを特徴とする。
【0014】
【作用および第3考案の効果】 このように、前記溝が、中心線まわりに略等間隔で6本〜12本の範囲内で設 けられ、中心線と平行な方向からの傾斜角度が10°〜45°の範囲内で、溝長 手方向と直角な溝幅が1mm〜7mmの範囲内であれば、前記のようにびびり振 動の発生を抑制しつつ目詰まりが緩和され、優れた研削性能が長期間に亘って維 持される。
【0015】 ここで、溝の本数については、研削用砥石の大きさによって異なるが、例えば 直径が10mm〜20mm程度の電極チップを研削するのに適当な研削面の最大 径が30mm程度の研削用砥石の場合、5本以下では目詰まりを抑制する効果が 十分に得られず、13本以上では必要な溝幅および研削面の面積を確保すること が困難になる。
【0016】 傾斜角度については、10°より小さいとびびり振動を防止する効果が十分に 得られず、45°より大きいと切りくずの排出性能が悪くなる。この点で、溝の 傾斜角度の更に好ましい範囲は15°〜30°で、20°〜25°が最も望まし い。
【0017】 溝幅については、1mmより小さいと切りくずの排出性能が悪くなり、7mm より大きいと研削面の面積が小さくなって研削能率が低下するとともにびびり振 動が生じ易くなる。この点で、溝幅の更に好ましい範囲は1.5mm〜4mmで ある。
【0018】
【課題を解決するための第4の手段】 第4考案は、前記第1考案〜第3考案の何れかの電極チップの研削用砥石にお いて、前記溝の前記中心線と平行な方向からの傾斜角度が15°〜30°の範囲 内で、溝長手方向と直角な溝幅が1.5mm〜4mmの範囲内であることを特徴 とする。
【0019】
【作用および第4考案の効果】 この場合は、溝の傾斜角度および溝幅が上記第3考案の場合よりも好ましい範 囲であるため、溝の本数を適当に設定することにより、更に良好にびびり振動の 発生を抑制しつつ目詰まりを緩和できる。
【0020】
【課題を解決するための第5の手段】 第5考案は、前記第1考案〜第4考案の何れかの電極チップの研削用砥石にお いて、前記溝の前記中心線と平行な方向からの傾斜角度が20°〜25°の範囲 内であることを特徴とする。
【0021】
【作用および第5考案の効果】 この場合は、溝の傾斜角度が最も望ましい範囲であるため、溝幅や溝の本数を 適当に設定することにより、最も効果的にびびり振動の発生を抑制しつつ目詰ま りを緩和できる。
【0022】
【課題を解決するための第6の手段】 第6考案は、前記第2考案〜第5考案の何れかの電極チップの研削用砥石にお いて、前記溝が、前記中心線まわりの回転方向に対して逆向きに捩れていること を特徴とする。溝の捩れ方向は、手前から遠くへ離間する時の捩れ方向で、凹ん だ研削面を開口側から見た場合には、開口側すなわち大径側から底部側すなわち 小径側へ向かう時の捩れ方向である。
【0023】
【作用および第6考案の効果】 すなわち、複数の溝が設けられた本考案の研削用砥石においては、研削面のう ち回転方向前側において溝に沿って形成されるエッジ部分に比較的大きな負荷が 掛かるが、研削用砥石の回転方向に対して溝が逆向きに捩じれているため、研削 面の底部側すなわち小径側へ向かうに従って回転方向の後になり、エッジ部分の 食込みが抑制されてびびり振動の発生が防止される。つまり、本考案の研削用砥 石は電極チップの先端部を研削するものであるため、研削面の小径側端部が電極 チップに押圧されることになるが、その場合に研削用砥石の回転方向と溝の捩れ 方向とが同じであると、大きな負荷が掛かるエッジ部分の小径側端部は鋭角とな っているため、その鋭角の角部が電極チップに食い込み易く、びびり振動を生じ る恐れがあるのである。
【0024】
【課題を解決するための第7の手段】 第7考案は、前記第2考案〜第6考案の何れかの電極チップの研削用砥石にお いて、前記研削面のうち前記中心線まわりの回転方向前側において前記溝に沿っ て形成されるエッジ部分には丸みが付けられていることを特徴とする。
【0025】
【作用および第7考案の効果】 すなわち、複数の溝が設けられた本考案の研削用砥石においては、研削面のう ち中心線まわりの回転方向前側において溝に沿って形成されるエッジ部分に比較 的大きな負荷が掛かり、そのエッジ部分が鋭いと電極チップに食い込み易くなる ため、本考案ではそのエッジ部分に丸みを付けて食い込みを防止するようにした のである。これにより、エッジ部分の食込みが一層効果的に抑制されてびびり振 動の発生が防止されるとともに、溝幅を大きくすることが可能となる。
【0026】 上記食込みは溝幅が大きい程生じ易くなるため、溝幅が大きい程丸みの曲率半 径を大きくすることが望ましく、例えば溝幅が6mm程度の場合には2mm〜4 mm程度の曲率半径で丸みを付けることが望ましい。
【0027】
【課題を解決するための第8の手段】 第8考案は、前記第1考案〜第7考案の何れかの電極チップの研削用砥石にお いて、前記溝の前記中心線と平行な方向からの傾斜角度が途中で変化しているこ とを特徴とする。
【0028】
【作用および第8考案の効果】 例えば、電極チップに対する研削位置に応じて、径寸法の変化などに伴って研 削条件が変化するため、この研削条件の相違を考慮して溝の傾斜角度を極め細か く設定する場合など、溝の傾斜角度を途中で変化させるのであり、これにより、 びびり振動の発生や目詰まりを一層効果的に防止することが可能となる。
【0029】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、電極チップ研削装置10の要部を説明する図で、研削用砥石12を中 心線Oまわりに回転駆動する回転駆動機構14と、中心線Oから偏心した位置に 配置される電極チップ16を中心線Oまわりに研削用砥石12に対して相対回転 させる相対回転機構18とを備えている。これ等の回転駆動機構14および相対 回転機構18はケース20内に配設されているとともに、エア駆動式モータなど から成る単一の回転駆動手段22によって駆動されるようになっており、回転駆 動手段22は作業者によって把持されるとともに上記ケース20に一体的に固設 されたハンドル24内に配設されている。上記研削用砥石12はベアリング26 を介してケース20により中心線Oまわりの回転可能に支持されており、一対の プーリ28,30およびベルト32から成る前記回転駆動機構14を介して、前 記回転駆動手段22により例えば13500min-1程度の回転数で回転駆動さ れる。一方のプーリ28は回転駆動手段22の出力軸34に取り付けられている 。
【0030】 研削用砥石12にはベアリング36を介して回転円板38が中心線Oまわりの 相対回転可能に取り付けられており、その回転円板38の中心線Oから偏心した 所定位置には電極チップ16の直径と略同じ大きさの挿入穴40が形成されてい るとともに、回転円板38の外周部には歯車42が設けられている。ケース20 には3本のシャフト44,46,48がそれぞれ軸心まわりの回転可能に配設さ れているとともに、それ等のシャフト44,46,48には互いに噛み合う歯車 50,52,54が取り付けられており、連動して軸心まわりに回転させられる ようになっている。シャフト44は、前記出力軸34に取り付けられたウォーム 56が回転駆動されることにより図示しないウォームホイールを介して回転させ られるようになっている一方、シャフト48は図示しいなウォームを介して前記 歯車42と噛み合わされている。これにより、上記回転円板38は前記回転駆動 手段22により例えば4min-1程度の回転数で中心線Oまわりに回転駆動され る。前記相対回転機構18は、これ等の回転円板38、シャフト44,46,4 8、ウォーム56などによって構成されている。
【0031】 次に、研削用砥石12について図2および図3を参照して具体的に説明する。 図2は中心線Oと直角な方向から見て一部を切り欠いた正面図で、図3は研削面 60側から見た図であり、研削面60は中心線Oを中心とする円環形状を成して いるとともに、電極チップ16の頂部形状に対応して略円弧状に湾曲して凹んで いる。研削面60は電極チップ16よりも大径で、前記回転円板38の挿入穴4 0内に電極チップ16が挿入されることにより、研削面60の一部に電極チップ 16が押圧され、その状態で前記回転駆動機構14により研削用砥石12が中心 線Oまわりに回転駆動されることにより、電極チップ16の外周面の一部が研削 される。また、前記相対回転機構18により回転円板38と共に電極チップ16 が、研削用砥石12に対して中心線Oまわりに相対回転させられることにより、 電極チップ16の全周が略同じ条件で均一に研削される。この場合、電極チップ 16の位置を固定すると、研削装置10更には研削用砥石12が電極チップ16 の軸心まわりに公転させられることになり、実質的に請求項2に記載のように研 削用砥石12と電極チップ16とを電極チップ16の軸心まわりに相対回転させ ることと同じになる。電極チップ16は、保持部材62、例えばスポット溶接装 置のアームなどに回転不能に保持されており、電極チップ16の軸心と中心線O とが平行となる姿勢で前記挿入穴40内に電極チップ16が入るように研削装置 10を移動させれば良い。本実施例の研削用砥石12は、直径が10mm〜20 mm程度の電極チップ16を研削するためのもので、研削面60の最大径は30 mm程度で最小径は19mm程度である。
【0032】 上記研削用砥石12の研削面60には、中心線Oまわりに捩じれた複数の溝6 4が略等間隔で放射状に設けられており、その溝64を含めて研削面60には例 えばメッシュ♯60〜♯100程度のダイヤモンド砥粒,CBN砥粒,超砥粒な どの研削用砥粒が電着などによって固着されている。溝64は、本実施例では1 2本設けられているとともに、その捩れ方向は、前記回転駆動機構14による中 心線Oまわりの回転方向と逆向き、すなわち本実施例では図3に矢印で示すよう に研削用砥石12は右まわりに回転駆動されるが、溝64は手前すなわち大径側 から小径側へ向かうに従って左まわりに捩じれているのである。また、上記溝6 4の中心線Oと平行な方向からの傾斜角度θは10°〜45°の範囲内で本実施 例では20°〜25°の範囲内で設定されており、溝64の長手方向と直角な溝 幅dは1mm〜7mmの範囲内で本実施例では1.5mm〜4mmの範囲内で設 定されている。なお、溝深さは溝幅dと略同じである。また、図1および図2で は、断面の端面部分および中央に位置する溝64を示しただけであるが、実際に は図3に示すようにそれ等の間に更に2本の溝64を備えている。図4および図 5の実施例についても同じである。
【0033】 このような研削用砥石12においては、研削面60に複数の溝64が放射状に 設けられているため、削られた切りくずがその溝64内に入り込み、遠心力によ って外周側(大径側)へ排出される。その場合に、図示は省略するが図1におけ る研削用砥石12の上部側には圧力エアを噴出するエアブローノズルが設けられ 、研削面60や溝64内の切りくずを下側すなわち研削面60の大径側へ吹き飛 ばすようになっており、切りくずが一層効果的に除去される。これにより、切り くずによる目詰まりが緩和され、優れた研削性能が長期間に亘って維持されるよ うになる。
【0034】 一方、このように溝64が設けられると、本実施例の研削装置10のように研 削面60の一部に電極チップ16を押圧した状態で研削用砥石12を中心線Oま わりに回転させて研削する場合には、溝64の存在によって研削抵抗が周期変動 するようになってびびり振動を生じる恐れがあるが、上記複数の溝64は中心線 Oまわりに捩じれているため研削抵抗の変動が滑らかになり、びびり振動の発生 が抑制される。これにより、従来の溝の無い研削用砥石と略同様に高い寸法精度 で電極チップ16を修正できる。
【0035】 特に、本実施例では溝64の数が12本であるため、目詰まりを抑制する効果 が十分に得られるとともに、必要な溝幅dおよび研削面60の面積を確保できる 。また、傾斜角度θは20°〜25°の範囲内であるため、びびり振動の発生を 良好に抑制しつつ切りくずを溝64に沿って良好に排出できる。また、溝幅dは 1.5mm〜4mmの範囲内であるため、切りくずの収容,排出性能が十分に得 られるとともに、溝幅が大き過ぎてびびり振動が生じ易くなったり、研削面60 の面積が小さくなって研削能率が低下したりすることがない。
【0036】 また、複数の溝64が設けられた上記研削用砥石12においては、研削面60 のうち回転方向前側において溝64に沿って形成されるエッジ部分66(図3参 照)に比較的大きな負荷が掛かるが、本実施例では研削用砥石12の回転方向に 対して溝64が逆向きに捩じれているため、研削面60の底部側すなわち小径側 へ向かうに従って回転方向の後になり、エッジ部分66の食込みが抑制されてび びり振動の発生が防止される。すなわち、研削用砥石12は電極チップ16の先 端部を研削するものであるため、研削面60の小径側端部が電極チップ16に押 圧されることになるが、その場合に研削用砥石12の回転方向と溝64の捩れ方 向とが同じである(図3において研削用砥石12を左まわりに回転させる)と、 大きな負荷が掛かるエッジ部分の小径側端部(図3における角部68)は鋭角で あるため、その鋭角の角部68が電極チップ16の表面に食い込み易く、びびり 振動を生じる恐れがあるのである。
【0037】 このように、本実施例の研削用砥石12によれば、びびり振動の発生を抑制し つつ放射状の溝64によって目詰まりが緩和され、優れた研削性能が長期間に亘 って維持されるようになる。
【0038】 次に、本考案の他の実施例を説明する。図4および図5の研削用砥石70は、 前記研削用砥石12に比較して研削面60の底部側にフランジ状の頂部研削部7 2を備えている点が相違する。この場合には、電極チップ16の平坦な頂部74 (図1参照)についても高い面精度で研削できるとともに、頂部74の径寸法が 安定する。
【0039】 以上、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案は他の態様 で実施することもできる。
【0040】 例えば、前記実施例の研削装置10は作業者が手で持って研削作業を行うもの であったが、ロボットなどにより全自動で研削作業を行うように構成することも できる。その場合に、電極チップ16を移動させながら研削することも可能であ る。
【0041】 また、前記実施例では回転円板38により電極チップ16と研削用砥石12と を中心線Oまわりに相対回転させるようになっていたが、電極チップ16をその 軸心まわりに回転させるようにしても良い。電極チップ16の軸心まわりに研削 装置10を積極的に平行移動させる公転機構を設けることも可能である。
【0042】 また、前記実施例の研削用砥石12,70は一つの研削面60を備えているだ けであったが、反対向きに一対の研削面を設け、スポット溶接装置の一対の電極 チップを同時に研削できるようにすることも可能である。
【0043】 また、前記実施例の溝64は中心線Oまわりに略等間隔で設けられていたが、 積極的に不等間隔とすることも可能である。溝64の数や捩れ方向、傾斜角度θ 、溝幅d、研削用砥粒の種類や大きさ、或いは研削用砥石12の回転駆動速度や 電極チップ16に対する相対回転速度等の研削条件についても、必要に応じて適 宜変更できる。
【0044】 また、前記実施例のエッジ部分66に丸みを付ければ請求項7の一実施例とな り、エッジ部分66の食込みが抑制されてびびり振動の発生が一層良好に防止さ れるとともに、溝幅dを大きくすることが可能となる。なお、平面取りによって エッジ部分66に傾斜面を設けるだけでも良いし、溝を深さ方向において斜めに 傾斜させて設け、上記エッジ部分66が鈍角となるようにしても一応の効果が得 られる。
【0045】 また、前記溝64の傾斜角度θを、電極チップ16に対する研削位置に応じて 、例えば径寸法の変化などに伴う研削条件の変化に応じて途中で変化させれば、 請求項8の一実施例となり、びびり振動の発生や目詰まりを一層良好に防止しつ つ、優れた研削性能を長期間に亘って維持することが可能である。傾斜角度θの 変化の態様は、連続的変化であっても段階的変化であっても良く、例えば溝64 が途中でくの字形状に折れ曲がっているだけでも良い。また、溝64の捩れ方向 が途中で反対になるものでも良いし、複数の溝64の傾斜角度θの変化形態が異 なっていても良い。
【0046】 また、前記実施例の研削面60は中心線O方向において円弧状に湾曲していた が、この研削面60の形状は例えば截頭円錐形状など研削すべき電極チップの形 状に応じて適宜定められる。
【0047】 また、請求項1に記載の研削用砥石については、その研削態様は特に限定され るものではない。
【0048】 その他一々例示はしないが、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,改 良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である研削用砥石を用いて電
極チップを研削する電極チップ研削装置の一例を説明す
る図である。
【図2】図1の研削用砥石を中心線Oと直角な方向から
見て一部を切り欠いた図である。
【図3】図2の研削用砥石を研削面側から見た図であ
る。
【図4】本考案の別の実施例を説明する図で、図2に対
応する図である。
【図5】図4の研削用砥石を研削面側から見た図で、図
3に対応する図である。
【符号の説明】
12,70:研削用砥石 16:電極チップ 60:研削面 64:溝 66:エッジ部分 O:中心線 θ:傾斜角度 d:溝幅

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環形状の凹んだ研削面を有する電極チ
    ップの研削用砥石であって、 前記研削面に、前記中心線まわりに捩じれた複数の溝を
    放射状に設けたことを特徴とする電極チップの研削用砥
    石。
  2. 【請求項2】 円環形状の凹んだ研削面を有し、該研削
    面の中心線から偏心した位置で電極チップが該研削面の
    一部に押圧された状態で、該研削面の中心線まわりに回
    転駆動されるとともに該電極チップの軸心まわりに相対
    回転させられることにより、該電極チップの全周を研削
    する電極チップの研削用砥石であって、 前記研削面に、前記中心線まわりに捩じれた複数の溝を
    放射状に設けたことを特徴とする電極チップの研削用砥
    石。
  3. 【請求項3】 前記溝は、前記中心線まわりに略等間隔
    で6本〜12本の範囲内で設けられ、該中心線と平行な
    方向からの傾斜角度が10°〜45°の範囲内で、溝長
    手方向と直角な方向の溝幅が1mm〜7mmの範囲内で
    ある請求項1または2に記載の電極チップの研削用砥
    石。
  4. 【請求項4】 前記溝の前記中心線と平行な方向からの
    傾斜角度は15°〜30°の範囲内で、溝長手方向と直
    角な溝幅は1.5mm〜4mmの範囲内である請求項1
    乃至3の何れか1項に記載の電極チップの研削用砥石。
  5. 【請求項5】 前記溝の前記中心線と平行な方向からの
    傾斜角度は20°〜25°の範囲内である請求項1乃至
    4の何れか1項に記載の電極チップの研削用砥石。
  6. 【請求項6】 前記溝は、前記中心線まわりの回転方向
    に対して逆向きに捩れている請求項2乃至5の何れか1
    項に記載の電極チップの研削用砥石。
  7. 【請求項7】 前記研削面のうち前記中心線まわりの回
    転方向前側において前記溝に沿って形成されるエッジ部
    分には丸みが付けられている請求項2乃至6の何れか1
    項に記載の電極チップの研削用砥石。
  8. 【請求項8】 前記溝の前記中心線と平行な方向からの
    傾斜角度が途中で変化している請求項1乃至7の何れか
    1項に記載の電極チップの研削用砥石。
JP1995003316U 1995-04-14 1995-04-14 電極チップの研削用砥石 Expired - Lifetime JP3016975U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1995003316U JP3016975U (ja) 1995-04-14 1995-04-14 電極チップの研削用砥石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1995003316U JP3016975U (ja) 1995-04-14 1995-04-14 電極チップの研削用砥石

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3016975U true JP3016975U (ja) 1995-10-17

Family

ID=43152479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1995003316U Expired - Lifetime JP3016975U (ja) 1995-04-14 1995-04-14 電極チップの研削用砥石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3016975U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019150838A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 株式会社村田製作所 電極研磨装置、電極研磨装置を備えた溶接装置、および、電極研磨方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019150838A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 株式会社村田製作所 電極研磨装置、電極研磨装置を備えた溶接装置、および、電極研磨方法
JP7119426B2 (ja) 2018-03-01 2022-08-17 株式会社村田製作所 電極研磨装置、電極研磨装置を備えた溶接装置、および、電極研磨方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3197253B2 (ja) ウエーハの面取り方法
KR0137443B1 (ko) 팁 드레서의 회전절삭공구 및 그 부착방법
WO2007077964A1 (ja) 砥石車のツルーイング装置及びツルーイング方法
US6435951B1 (en) Electrically driven grinder for ceramic cutlery
JP3016975U (ja) 電極チップの研削用砥石
JP3904701B2 (ja) 機械部品のエッジ丸めのためのミリング工具
JPH11239979A (ja) 研磨用回転砥石
JP7304672B2 (ja) 電極研磨方法
JP2008229764A (ja) 回転工具及び加工方法
JPH07155969A (ja) 電極チップの研磨装置
JPH08132347A (ja) 研摩工具
JP3115420U (ja) 立軸平面研削用セグメント形砥石
JP3679948B2 (ja) 砥石車
JP3783108B2 (ja) 被加工物の稜にアールを施す加工方法
JP2863339B2 (ja) 内周用面取り研磨工具
JP6519091B2 (ja) エンドミル
JP6203980B1 (ja) 総型ロータリードレッサー及びドレッシング方法
JP7103634B2 (ja) 加工工具および加工工具を備えた動力工具
JPH0639056B2 (ja) Nc工具研削盤の砥石整形方法と装置
JP4019276B2 (ja) ハーフトロイダルcvtディスクのトラクション面研削方法
JPH11320369A (ja) 溝研削加工方法および装置
JPH1076470A (ja) 研磨用砥石車
JPS6052903B2 (ja) ボ−ルエンドミルの先端切刃研削方法
JPS63139666A (ja) 硬質砥粒砥石のドレツシング部材
JPS6254619B2 (ja)