JP6519091B2 - エンドミル - Google Patents

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Description

本発明は、工具本体の先端部の切刃部として底刃と外周刃が形成されたエンドミルに関する。
一般に精密機械加工分野において、高精度な金型や部品等を切削加工するために小径のエンドミルが用いられている。図12及び図13に示す従来のラジアスエンドミル100の切刃部は先端面に4枚の底刃が所定間隔で形成され、各底刃は対向する位置に各2枚の長刃101と短刃102がそれぞれ形成されている。切刃部の側面外周部に外周刃103が形成され、底刃の長刃101及び短刃102と外周刃103との交差部にコーナR刃104がそれぞれ形成されている。
2枚の長刃101は回転軸線Oに重なる心厚を挟んで芯上がりに対向配置されており、回転軸線Oを超えた位置まで延びている。一方、短刃102は心厚に届かない比較的短い長さに形成されている。しかも、長刃101と短刃102は回転軸線Oから外周刃103に向かって先端側に突出するテーパ状に形成されている。このエンドミルは、底刃の切刃外径をDとして、先端面における回転軸線Oを含む中心領域が底刃の先端に対して深さ0.02Dまたは0.04D程度、基端側に凹んだ逃げ部105を芯厚部分に有している。
また、例えば特許文献1に記載されたラジアスエンドミルにおいても、同様に先端面に設けた底刃が回転軸線側から外周側に向けて先端側に突出するテーパ状に形成されており、回転軸線を含む中心領域に凹部を有している。
特開2002−292514号公報
しかしながら、上述した各ラジアスエンドミルは、底刃で被削材を切削加工して経時的に底刃のテーパ状の先端部が摩耗すると逃げ部105や凹部を含めて平らに連続してしまい、切削負荷と抵抗が増大して更に摩耗し、工具本体が折損するおそれがあった。
また、図12及び図13に示すエンドミルは4枚刃ではあっても、短刃102が比較的短い長さであるため実質的に長刃101の2枚刃による切削が主として行われ、切削効率が悪いという問題もあった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、底刃の摩耗が進行したとしても切削負荷の増大を抑制して安定した切削加工を行えるようにしたエンドミルを提供することを目的とする。
本発明によるエンドミルは、回転軸線回りに回転可能なエンドミルであって、工具本体の先端面に所定間隔で形成されていて回転軸線側から外周側に向けて先端側に突出するように傾斜して配置された3枚以上の底刃と、前記先端面に前記底刃の回転方向前方側に形成されていて基端側に凹むギャッシュ部と、底刃の外径をDとして先端面における回転軸線を含む中心領域が前記底刃の先端を基準として基端側に向けて深さ0.03D〜0.20Dの範囲で前記ギャッシュ部から急峻に落ち込む凹陥部とを備えていて、前記底刃は前記凹陥部で切除されて分離されており、ギャッシュ部は凹陥部に連通していると共に、底刃は芯下がりに形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、先端面の中心領域に凹陥部を形成したために中心軸線回りに所定間隔で配設された3枚以上の底刃が互いに分離して形成され、しかも各底刃は中心側から外周側に向けて傾斜しているために先端側に突出する外周側部分が切削により経時的に摩耗を生じたとしても切削負荷の増大を抑制して安定した切削加工を行えるため、工具本体の折損等を抑制できる。しかも、ギャッシュ部を中心領域の凹陥部に連通するように形成することで、底刃を芯下がりの位置に形成できて切れ味を向上できるため加工精度が向上する。
また、底刃の外周側側面に外周刃が形成され、底刃及び外周刃の交差部に略90度の範囲に亘ってコーナR刃が備えられていることが好ましい。
略90度の範囲に亘ってコーナR刃が設けられることで、コーナR刃の欠損を防いで高精度な加工を行える。
また、底刃とコーナR刃が連続して形成されており、外周刃の逃げ面は凸曲面に形成されていることが好ましい。
逃げ面が凸曲面に形成されるように外周刃を形成したことで刃先強度が高く加工面を擦過することを防止できる。
また、3枚以上の底刃は径方向に略同一長さに形成されていることが好ましい。
3枚以上の底刃が径方向に略同一長さに形成されているために、これらの底刃に係る切削負荷を同程度の分散できて切れ味と切刃強度を確保して工具寿命を延長できる。
また、凹陥部は基端側に凹んだ一次凹陥部と回転軸線を含んでいて一次凹陥部から更に凹んだ二次凹陥部とを有していてもよい。
凹陥部をギャッシュ部と共に浅くすることで各底刃の長さと剛性を向上させると共に、各底刃は凹陥部で互いに分離され且つ傾斜しているために先端側に突出する外周側部分が切削により経時的に摩耗を生じたとしても切削負荷の増大を抑制して安定した切削加工を行える。
本発明によるエンドミルの加工方法は、工具本体の切刃部を回転軸回りに回転する円盤状の砥石で研磨加工するエンドミルの加工方法において、回転する砥石を回転軸に沿って移動させて砥石の先端部で工具本体の先端面に底刃を加工すると共に、底刃に連続して外周刃との交差部にコーナR刃を加工する第一工程と、外周刃の逃げ面が凸曲面になるように砥石で加工して外周刃を形成する第二工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、研磨装置の回転する砥石を回転軸に沿って移動させながら、工具本体の先端面に底刃を加工すると共にコーナR刃を連続して加工し、次いで外周刃をその逃げ面が凸曲面になるように砥石で加工することで外周刃を形成することができる。しかも、砥石は底刃に沿って移動するため、研磨装置の駆動モータによって砥石軸の伸縮が生じたとしても、伸縮は底刃の長手方向に生じるので加工誤差に与える影響は小さい。
本発明に係るエンドミルによれば、先端面の中心領域に凹陥部を設けて複数の底刃を分離したため、各底刃による切削加工が進んで底刃の摩耗が進行したとしても切削負荷の増大や工具本体の折損を防止して安定した加工を行える。
本発明に係るエンドミルの加工方法によれば、底刃を加工形成すると共に外周刃を別加工によって形成するため、砥石軸の伸縮によって底刃を研磨しすぎることがなく、精度良く大きな角度で形成できる。
しかも、シームレス加工する場合と比較して、外周刃の逃げ面を凸曲面状に加工するため、外周刃の逃げ量が多く被加工面を擦過することがなく高精度な被加工面を形成できる。
本発明の第一実施形態によるラジアスエンドミルの切刃部を示す側面図である。 図1に示すラジアスエンドミルの先端面図である。 ラジアスエンドミルの先端面に形成した凹陥部を示す側面図である。 第二実施形態によるラジアスエンドミルの切刃部を示す側面図である。 図4に示すラジアスエンドミルの先端面図である。 ラジアスエンドミルの先端面に形成した凹陥部を示す側面図である。 本発明の第三実施形態によるラジアスエンドミルのコーナR刃を示す拡大図である。 従来例によるラジアスエンドミルの底刃の加工方法を示す図である。 (a)は実施形態による加工方法で加工したコーナR刃の写真、(b)は従来例による加工方法で加工したコーナR刃の写真である。 従来例による外周刃の逃げ面の加工方法を示す図である。 第四実施形態による外周刃の逃げ面の加工方法を示す図である。 従来のラジアスエンドミルの先端面図である。 図12に示すラジアスエンドミルの先端面の凹陥部を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態によるエンドミルについて添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は本発明の第一実施形態によるラジアスエンドミル1を示すものである。図1において、実施形態によるラジアスエンドミル1は、略円柱状に形成されていて回転軸線Oを中心に回転される工具本体2とその先端部に形成された切刃部3とを備えている。本明細書では回転軸線Oに沿った切刃部3側を先端側といい、反対側を基端側、後方という。このラジアスエンドミル1は例えば切刃部3の最大外径Dが例えば6mm以下に形成された小径のエンドミルである。
図2に示す切刃部3の先端面4にはその中心をなす回転軸線Oの周囲に所定間隔(例えば略90°間隔)で基端側に向けて凹状に切除されたギャッシュ溝5がギャッシュ部として4つ形成されている。先端面4において各ギャッシュ溝5の回転方向後方側に径方向中心側から外周側に向けて延びる底刃7が形成されている。ギャッシュ溝5は回転軸線Oに延びており、底刃7は回転軸線Oを中心に回転方向後方側に湾曲した後、周方向に直線状に延びる形状を有している。底刃7は回転軸線Oを中心に周方向に所定間隔、例えば略90度間隔で略同一長さで4枚形成されている。
切刃部3の外周側側面には各ギャッシュ溝5に続いて先端側から基端側に向けて回転軸線O回りに所定角度で捩じれる切屑排出溝8が複数条、本実施形態では4条螺旋状に形成されている。切刃部3の側面に形成された各切屑排出溝8において、回転方向を向く壁面とその回転方向後方に連なる外周面との交差部に外周刃9が形成されている。切屑排出溝8の回転方向を向く壁面が外周刃9のすくい面11とされ、外周刃9を介して回転方向後方を向く外周面が逃げ面12とされている。
外周刃9の逃げ面12は外周刃9の回転軌跡に沿って凸曲面状とされ且つ逃げ角が正の逃げ角を形成して加工面を擦過することなく外周刃9の刃先強度を向上させて欠損を防いでいる。或いは逃げ面12は平坦面状に形成され、正の逃げ角を有していてもよく、いずれの場合でも外周刃9の回転切削時に逃げ面12は被削材の加工面を擦過しない。
図3において、先端面4の底刃7と外周側側面の外周刃9との交差部が円弧状に形成されたコーナR刃13とされ、互いに連続している。回転軸線Oを中心に周方向に所定間隔で設けた4つの底刃7と外周刃9とコーナR刃13とで切刃部3が形成されている。
切屑排出溝8の先端側に形成されたギャッシュ溝5において底刃7で仕切る回転方向の面が底刃7のすくい面14を形成する。更に先端面4において、底刃7の回転方向後方を向く面が底刃7の逃げ面15とされている。逃げ面15は図2に示す先端面図では略三角形状に形成されている。底刃7はその中心側端部が回転軸線O側に延びるギャッシュ溝5によって仕切られている。
図3に示すように、各底刃7は回転軸線O側から外周側の外周刃9に向けて次第に先端側に突出するように傾斜したテーパ状に形成されている。そして、外周側端部でコーナR刃13を介して外周刃9に接続されている。回転軸線Oに直交する方向の底刃7及びコーナR刃13の接線Nに対する傾斜角αは適宜に設定できるが2°〜6°の範囲であることが好ましい。この傾斜角αが2°より小さいと切削時に切削領域が増大して摩耗し易い上に切削抵抗が大きくなり、6°より大きいと欠損又は摩耗の進行が早くなるという欠点がある。
先端面4において、回転軸線Oを含む中心領域は基端側に向けて所定深さ落ち込む凹陥部17が形成されている。しかも、凹陥部17は4つのギャッシュ溝5の中央に形成されていて各ギャッシュ溝5に連通している。凹陥部17の上記接線Nからの深さEは適宜設定できるが、0.03D〜0.20Dの範囲とされ、例えば0.015mmに設定されている。この範囲に設定することで、凹陥部17の深さEが従来のラジアスエンドミル100の凹陥部の深さ0.008mmと比較して略2倍に形成されている。
そのため、底刃7による切削加工時に底刃7の外周側から中心側に次第に摩耗したとしても中心領域が凹陥部17で深く切除されているために、4枚の底刃7同士が接続されることなく、分断状態を保持できるので切削抵抗と切削荷重の増大を抑制できる。図1では、凹陥部17はその基端側に凹む凹部形状の底部の中央に先端側に突出する先鋭部が形成されているが、この先鋭部はなくてもよく、凹陥部17の形状は任意である。
しかも、本実施形態では、図1に示す先端面4において、従来のラジアスエンドミル100と比較して、各ギャッシュ溝5はその大きさをそのままに回転軸線O側に寄せて形成し、回転軸線Oと外周刃9とを結ぶ仮想線Lを超える位置まで形成したため、底刃7は芯下がりに形成されている。
また、回転軸線Oを含む中心領域に凹陥部17が形成されると共にその外周側に所定間隔でギャッシュ溝5を形成したため、各底刃7は、先端面4の中心領域を除く外周側にほぼ同一長さで形成されている。しかも、各底刃7の逃げ面15が略三角形状に形成されるために各底刃7の剛性が高く、先端面視で略同一の長さと同一の面積に形成されているため略同等な切刃強度を有している。そのため、従来の底刃のように各一対の長刃101と短刃102で長短に形成されて底刃の剛性や切れ味に強弱が生じることがなく、各底刃7の大きさと切削抵抗・切削荷重のバランスを確保できる。更に、各底刃7は芯下がりに形成されているために切れ味が高い。
上述したように本第一実施形態によるラジアスエンドミル1によれば、凹陥部17で分離された4枚の底刃7がほぼ同一長さで同一強度であるため剛性が高くなり、各底刃7にかかる切削負荷と切削荷重を均等に分散できて工具寿命を向上できる。また、各底刃7は芯下がりであるため切れ味が高い。
しかも、先端面4の中心領域に凹陥部17を設けたため、長期間の切削加工によってテーパ状をなす底刃7の先端側が摩耗したとしても底刃7が中心領域で分断状態を維持できるため、切削抵抗と切削負荷の増大を抑制して底刃7の摩耗や折損を抑制できる。
以上、本発明の第一実施形態によるラジアスエンドミル1を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の異なる形態や態様を採用できることはいうまでもない。これらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態の部分や部品と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を行うものとする。
本発明の第二実施形態によるラジアスエンドミル1Aについて図4乃至図6に基づいて説明する。
本第二実施形態によるラジアスエンドミル1Aは、図4及び図5に示すように、基本的に第一実施形態によるラジアスエンドミル1と同一構成を有しており、回転軸線Oを含む中央領域の凹陥部19は同一深さE=0.03D〜0.20Dの範囲に設定した。相違点として各底刃7の回転方向前方に形成されたギャッシュ溝5の深さを浅くして、その分だけ回転軸線O側に寄せて形成した。
図5及び図6に示すように、工具本体の切刃部3の外径寸法Dは第一実施形態と同一であり、ギャッシュ溝5の面積が小さくなった分だけ、4枚の底刃7は回転軸線O方向に延びてその長さと逃げ面15の面積がより大きくなった。
しかも、凹陥部19は上述した第一実施形態の凹陥部17より深さが浅い一次凹陥部19aを形成し、その底部に砥石によって更に深い二次凹陥部19bを研磨加工して形成することで凹陥部17と同等の深さEに設定した。
従って、本第二実施形態によるラジアスエンドミル1Aによれば、第一実施形態の効果に加えて底刃7の長さがより大きくなり且つ底刃7の逃げ面15の面積が増大したため、底刃7の強度と剛性を増大でき、切削効率と底刃7の寿命をより向上できる。
次に本発明の第三実施形態として、上述したラジアスエンドミル1、1Aの加工方法について図7〜図11に基づいて説明する。
従来技術として、図12及び図13に示すように4枚刃のラジアスエンドミル100の底刃である各一対の長刃101及び短刃102とコーナR刃104と外周刃103を砥石で研磨加工して形成する場合、長刃101または短刃102、外周刃103、コーナR刃104を3回に分けて個別に加工する分割加工方法がある。
別の加工方法として、底刃の長刃101または短刃102とコーナR刃104と外周刃103をこの順番で連続して継ぎ目なしに1回で加工するシームレス加工方法がある。
分割加工方法の場合、小径のラジアスエンドミル100では、砥石を回転させながら切刃を研磨加工する研磨装置の砥石軸の伸縮によって、砥石の位置決めが微妙に変化しラジアスエンドミル100の切刃の加工面に例えば1μm程度の微少な誤差を生じることがあった。
この場合、エンドミルが大型であれば被削材の加工面に生じる誤差は目立たない。しかし、例えば外径6mm以下の小型のラジアスエンドミル1,1Aに示す例においては、例えば設計上、コーナR刃13の角度範囲βを90度に設定した場合に底刃7と外周刃9を砥石で研磨する際にそれぞれ1μm程度の微少な誤差を生じることがある。しかも、図7に示すように、コーナR刃13の角度範囲βが底刃7及び外周刃9の誤差の影響で例えば58°程度に小さくなることがあるため、被削材の加工面形状の精度に悪影響を与えるという不具合があった。
シームレス加工方法では、コーナR刃13の角度範囲βは設計通り約90度に加工できるが、加工の流れによって外周刃9の逃げ面12が平面状に研磨加工され、刃先角が小さくなる上に逃げ角が小さく加工面を擦過し易いという欠点があった。
本第三実施形態によるラジアスエンドミル1,1Aの加工方法はこのような課題を解決できるようにした発明である。
図7に示すラジアスエンドミル1,1Aの切刃部3において、底刃7、コーナR刃13、外周刃9は図8等に示す研磨装置20によって研磨される。
図8は従来の加工方法を示すものであり、研磨装置20は図示しない駆動モータの回転軸M回りに回転可能な支持台21と同軸に円盤状の砥石部材22が取り付けられている。砥石部材22は円板状の基部23の外周面にリング状の砥石24が連結されて構成されている。
そして、研磨装置20の回転軸Mをラジアスエンドミル1、1Aの回転軸線Oと略平行に配設し、砥石24の研磨面24aを底刃7に対向させて研磨加工する。研磨加工は、研磨装置20を各切刃の長手方向に沿って移動させ、砥石24によって底刃7からコーナR刃13、外周刃9まで分割加工方法またはシームレス加工方法で行われていた。分割加工方法では、砥石24は駆動モータの伸縮等で回転軸M方向にずれを生じるため、上述したようなコーナR刃13の角度範囲誤差を生じてしまい、シームレス加工方法では外周刃9の逃げ面12が削れて平面状になるという問題があった。
これに対し、本第三実施形態による加工方法では、研磨装置20による研磨に際して回転軸Mをラジアスエンドミル1,1Aの回転軸線Oに略直交する方向に配設した。
加工方法の第一工程として、底刃7を中心側から外周側に研磨すると共にコーナR刃13も連続して研磨する。このとき、研磨装置20の砥石24に伸縮によるずれが生じたとしても、研磨面24aは底刃7とコーナR刃13の延在方向に伸縮するため、研磨誤差は上述した従来技術より小さくすることができる。
第二工程として外周刃9を研磨加工する場合には、研磨装置20の回転軸Mをエンドミル本体の回転軸線Oと略平行な位置に保持して外周刃9の延在方向に移動させながら研磨加工する。この場合でも、研磨装置20の砥石24に伸縮によるずれが約1μm程度生じたとしても、研磨面24aは外周刃9の延在方向に伸縮するため、従来の加工方法よりも研磨誤差を小さく抑えることができる。
本第三実施形態による加工方法の試験例によれば、図9(a)に示すように切刃部3のコーナR刃13が略90度の角度範囲に亘って大きく形成される。
次に第二工程における外周刃9とその逃げ面12の加工方法について説明する。
図10(a)に示す従来のシームレス加工方法では、研磨装置20の砥石24の研磨面24aによって底刃7と外周刃9と外周刃9の逃げ面12とを連続して(シームレスに)1回で研磨加工する。この加工方法では、外周刃9の逃げ面12は加工の流れで平坦な正の逃げ角に形成され、しかも逃げ角が比較的小さい。
得られたラジアスエンドミルの底刃7とコーナR刃13と外周刃9とで被削材hを断続的に切削加工する。すると、図10(b)に示すように、外周刃9で被削材hを切削した後、その逃げ面12の後端部が加工面を擦過してしまうことがある上に、外周刃9の刃先角が比較的小さく欠損し易いという欠点もある。
これに対し、図11(a)に示す本第三実施形態による加工方法では、ラジアスエンドミル1,1Aの底刃7とコーナR刃13について、研磨装置20の砥石24で連続して研磨加工する。そして、外周刃9は逃げ面12を別個に加工するため凸曲面状に研磨加工することができる。外周刃9の逃げ面12が凸曲面状に形成されるため、上述した平坦面の逃げ面12と比較して刃先角と逃げ角が大きくなる。
そのため、図11(b)に示すように、外周刃9の逃げ面12が凸曲面であるため、外周刃9の刃先角が比較的大きく欠損しにくく工具寿命が長い上に、加工面を擦過することなく切削加工できる。
なお、上述した各実施形態では小径のラジアスエンドミル1,1Aについて説明したが、これに代えてスクエアエンドミルにも本発明を適用できる。
また、ラジアスエンドミル1,1Aの切刃部3に4枚の底刃7とコーナR刃13と外周刃9を連続して形成した構成について説明したが、4枚の底刃7は等間隔に配設してもよいし、不等間隔に配設してもよい。コーナR刃13と外周刃9についても同様な構成を採用できる。
また、切刃部3の先端面に設けた底刃7とコーナR刃13と外周刃9は4枚に限定されることなく3枚以上配設してもよい。
本発明は外径6mm以下の小径のエンドミルに適用することが好ましいが、6mmを超えた切刃外径のエンドミルにも適用できる。
1、1A ラジアスエンドミル
2 工具本体
3 切刃部
5 ギャッシュ溝
7 底刃
8 切屑排出溝
9 外周刃
11 外周刃のすくい面
12 外周刃の逃げ面
13 コーナR刃
14 底刃のすくい面
15 底刃の逃げ面
17 凹陥部
20 研磨装置
22 砥石部材
24 砥石
24a 研磨面
O 回転軸線
M 回転軸
h 被削材

Claims (5)

  1. 回転軸線回りに回転可能なエンドミルであって、
    工具本体の先端面に所定間隔で形成されていて前記回転軸線側から外周側に向けて先端側に突出するように傾斜して配置された3枚以上の底刃と、
    前記先端面に前記底刃の回転方向前方側に形成されていて基端側に凹むギャッシュ部と、
    前記底刃の外径をDとして前記先端面における前記回転軸線を含む中心領域が前記底刃の先端を基準として基端側に向けて深さ0.03D〜0.20Dの範囲で前記ギャッシュ部から急峻に落ち込む凹陥部と、を備えていて、
    前記底刃は前記凹陥部で切除されて分離されており、
    前記ギャッシュ部は前記凹陥部に連通していると共に、前記底刃は芯下がりに形成されていることを特徴とするエンドミル。
  2. 前記底刃の外周側側面に外周刃が形成され、前記底刃及び外周刃の交差部に略90度の範囲に亘ってコーナR刃が備えられた請求項1に記載されたエンドミル。
  3. 前記底刃と前記コーナR刃が連続して形成されており、前記外周刃の逃げ面は凸曲面に形成されている請求項2に記載されたエンドミル。
  4. 前記3枚以上の底刃は径方向に略同一長さに形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載されたエンドミル。
  5. 前記凹陥部は基端側に凹んだ一次凹陥部と前記回転軸線を含んでいて前記一次凹陥部から更に凹んだ二次凹陥部とを有している請求項1から4のいずれか1項に記載されたエンドミル。
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