JP2021115684A - 多刃ボールエンドミル及び多刃ボールエンドミルの加工方法 - Google Patents

多刃ボールエンドミル及び多刃ボールエンドミルの加工方法 Download PDF

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章義 高橋
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【課題】3枚以上の多刃を備えていても切削時の振動を抑制して高精度に切削加工できる多刃ボールエンドミルを提供する。【解決手段】ボールエンドミル1は、中心軸線O回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた。切刃部3の先端面に形成されていて円弧状部分を有する3枚以上の底刃5を有する。底刃5の回転方向前方側に形成されたギャッシュ溝4にすくい面7を形成し、底刃5の回転方向後方側に逃げ面6を形成した。底刃5は不等分割形状とされている。隣り合う底刃5同士の角度差は20°以内に設定されている。底刃5の先端側端部におけるチゼル部10に各底刃5から中心軸線O方向に延びる3枚のチゼル刃11を形成した。チゼル刃11はすくい面をギャッシュ溝4の先端側をレーザ光で切除することで形成した。【選択図】図4

Description

本発明は、工具本体先端の切刃部に底刃が3枚以上形成された多刃ボールエンドミル及び多刃ボールエンドミルの加工方法に関する。
一般に精密機械加工分野において、金型や精密部品等の高硬度材を切削加工するためにボールエンドミル等が用いられている。しかも、被削材の切削加工には、長時間安定して加工面を形成でき、高精度で高能率な切削加工が要求される。
例えば特許文献1に記載された3枚刃のボールエンドミルでは、工具本体の略半球状の切刃部の先端面に3枚の円弧状切刃が周方向に等間隔に形成されている。そして、各円弧状切刃の内周側に設けられたチゼル部には、各円弧状切刃の内側端部から工具本体の中心軸線に向けてチゼル刃が形成されている。このチゼル刃は円弧状切刃の回転軌跡のなす半球形状を超えない範囲で形成され、しかもチゼル刃の中心軸線方向の幅はチゼル刃に沿って中心軸線に向かうにしたがって次第に小さくなるよう形成されている。
特許第4677722号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたボールエンドミルは等間隔に配列された3枚のチゼル刃と3枚の円弧状切刃によって被削材の切削加工を行うため、加工面に接触する切刃が多くなると振動が増大して加工精度を低下させる恐れがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、3枚以上の多刃を備えていても切削時の振動を抑制して高精度に切削加工できるようにしたボールエンドミル及び多刃ボールエンドミルの加工方法を提供することを目的とする。
本発明による多刃ボールエンドミルは、中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた多刃ボールエンドミルにおいて、切刃部の先端面に形成されていて円弧状部分を有する3枚以上の底刃と、底刃の回転方向前方側に形成されていて底刃のすくい面を有するギャッシュ溝と、底刃の回転方向後方側に形成された逃げ面と、底刃の先端側端部にそれぞれ形成されていて中心軸線方向に延びる3枚以上のチゼル刃と、を備え、底刃は不等分割形状とされていると共に隣り合う底刃同士の角度差は20°以内に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、工具本体を高速回転させて底刃及びチゼル刃によって切削加工でき、効率よく荒加工ができる。しかも、底刃を不等分割形状にしたため切削時の共振を防いで振動を抑制できると共に、底刃同士の角度差を20°以内に設定したため切削のバランスを確保できる。
本発明による多刃ボールエンドミルは、中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた多刃ボールエンドミルにおいて、切刃部の先端面に形成されていて円弧状部分を有する3枚以上の底刃と、底刃の回転方向前方側に形成されていて底刃のすくい面を有するギャッシュ溝と、底刃の回転方向後方側に形成された逃げ面と、底刃の先端側端部に形成された凹部と、を備え、底刃は不等分割形状とされていると共に隣り合う底刃同士の角度差は20°以内に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、切刃部に設けた底刃の中心側領域に凹部を形成したため、軸方向の切削時に凹部による削り残しが生じるが横送りによって削り残しを切除して切削加工でき、仕上げ加工の精度が高い。また、底刃を不等分割形状にしたため切削時の共振を防いで振動を抑制できると共に、切削のバランスを確保できる。
また、底刃の逃げ角が18°以上に設定されていることが好ましい。
また、底刃のすくい角は0°超から15°の範囲に設定されていることが好ましい。
そのため、底刃の切削性を高めて切削抵抗を軽減できる。
本発明による多刃ボールエンドミルの加工方法は、中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた多刃ボールエンドミルにおいて、切刃部の先端面を凹状に加工してギャッシュ溝を形成して3枚以上の底刃を不等分割形状に形成する工程と、ギャッシュ溝の先端側をレーザ光で更に凹溝状に加工することで、底刃の先端側のチゼル部に中心軸線方向の刃厚の変化を抑制して起立する3枚以上のチゼル刃をそれぞれ形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、レーザ光は砥石より加工精度が高いので、ギャッシュ溝の先端側をレーザ光で加工することで中心軸線方向における刃厚の変化を抑制したチゼル刃を形成でき、切削時にチゼル刃が摩耗しても刃厚の拡大を抑制できるため切削精度が高く切削抵抗を抑えて剛性を確保できる。
本発明に係る多刃ボールエンドミルによれば、底刃及びチゼル刃は不等分割形状とされていると共に隣り合う底刃同士の角度差は20°以内に設定されているため、切削加工時に共振によるボールエンドミルの振動を抑制してバランスよく高精度な仕上げ加工面が得られる。
本発明による多刃ボールエンドミルの加工方法によれば、ギャッシュ溝の先端側をレーザ光で凹溝状に加工することで、切削時に摩耗しても刃厚の拡大を抑制できるようにチゼル刃を形成したため、高い加工精度と剛性を確保できる。
本発明の第一実施形態によるボールエンドミルの切刃部を示す側面図である。 図1に示すボールエンドミルの先端面図である。 実施形態によるボールエンドミルの切刃部の要部斜視図である。 ボールエンドミルのチゼル刃部分の拡大図である。 実施例と従来例の試験例を示すもので、ボールエンドミルの底刃及びチゼル刃の加工前と加工後の先端面図である。 第一実施形態の変形例によるボールエンドミルを示すもので、(a)はチゼル刃部分の側面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図である。 本発明の第二実施形態によるボールエンドミルの側面図である。 図7に示すボールエンドミルの底刃を示す先端面図である。 第二実施形態によるボールエンドミルの切刃部の要部斜視図である。
以下、本発明の各実施形態によるボールエンドミルについて添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図5は本発明の第一実施形態による3枚刃を有する多刃のボールエンドミル1を示すものである。図1乃至図4において、本実施形態によるボールエンドミル1は、略円柱状に形成されていて中心軸線Oを中心に回転される工具本体2とその先端部にろう付けまたは一体に形成された切刃部3とを備えている。切刃部3は超硬合金、cBN、PCD(ダイヤモンド焼結体)等を適宜採用できる。本実施形態によるボールエンドミル1は、切刃部3の最大外径Dが0.3mm未満の小径のボールエンドミル1に用いられる。
このボールエンドミル1は小型で精密な機械部品や金型等の高硬度材や非鉄金属、一般鋼材等を切削加工するのに用いられる。本明細書では工具本体2の中心軸線Oに沿った切刃部3側を先端側、先端といい、主軸に連結する反対側を基端側、基端というものとする。
図1及び図2において、ボールエンドミル1の切刃部3は先端部が略半球状に形成されており、その周方向に所定間隔で基端側から先端側に向けて複数、例えば3つのギャッシュ溝4が凹状に形成されている。中心軸線Oを中心とした切刃部3の回転方向におけるギャッシュ溝4の後方には逃げ面6が形成され、ギャッシュ溝4と逃げ面6の交差稜線部には円弧状の底刃5が形成されている。底刃5は芯上がりに形成されている。ギャッシュ溝4における工具本体2の回転方向前方側を向く面は底刃5のすくい面7を形成している。
底刃5のすくい面7は、従来品のボールエンドミルではすくい角が−20°〜0°の範囲に設定されているが、本実施形態ではすくい角が0°超〜15°の範囲の正角に設定されている。すくい角を従来のものより強く設定することで切削性を高めて切削抵抗を軽減でき、しかも底刃5は芯上がりに形成されているため耐摩耗性と耐欠損性を高めることができる。
一方、すくい角が0°以下では上記効果を発揮できず、15°を超えると刃物角が小さくなって刃先が欠けやすくなるという欠点がある。
また、底刃5の回転方向後方側に形成された逃げ面6の逃げ角は、従来品のボールエンドミルでは18°以下に設定されているが、本実施形態では18度超の正角に設定されている。逃げ角を従来品より大きく設定することで、底刃5の切削性を高めて切削抵抗を軽減し背分力を小さくすることができる。また、逃げ角が18°以下であると底刃5の切削性が小さくなり切削抵抗が増大するという欠点がある。
切刃部3における底刃5のすくい面7を有するギャッシュ溝4はその基端側でフルート溝9に接続されており、フルート溝9はギャッシュ溝4と同一ねじれ角またはより大きいねじれ角によって回転方向後方側に捩じれている。そのため、切り屑はギャッシュ溝4から外部へ流れるか、またはフルート溝9へスムーズに流れて外部に排出される。
また、3枚の底刃5において、隣接する各底刃5間の周方向の角度をθ1、θ2、θ3として各底刃5は不等分割に設定されている。この場合、各角度θ1、θ2、θ3は少なくとも1つの角度が他の角度と相違していればよく、しかも角度差は20°以下に制限されている。3枚以上の底刃5を有する多刃のボールエンドミル1において被削材の加工面に接触する底刃5が多くなると共振して工具本体2の振動が増大する。
しかし、周方向における各底刃5の間隔を不等角度に設定することで、共振させないように振動を抑制することができる。この場合、各底刃5間の角度θ1、θ2、θ3の差について20°以下に設定することで切削加工時の負荷のバランスを確保でき、底刃5の間隔差による切削加工のアンバランスや振動を抑制できる。
また、図2に示す切刃部3の先端部において、3枚の底刃5の内側端部の間に形成される中心領域の内接円には中心軸線Oを含むチゼル部10が設けられている。チゼル部10には各底刃5の内側端部から中心軸線Oに向けて延びる3枚のチゼル刃11が形成されている。図3及び図4に示す各チゼル刃11は工具本体2の回転方向に凹曲線状に形成されている。なお、チゼル刃11は直線状や凸曲線状でもよい。
各チゼル刃11は円弧状の底刃5の中心軸線O周りの回転によって描く略半球状軌跡に沿ってまたはその内部に形成されている。3枚のチゼル刃11は中心軸線O上で内側端部が結合するように形成したが、各チゼル刃11は中心軸線O上で交差する必要はなく、互いにずれていてもよい。
本実施形態によるボールエンドミル1は上述した構成を有しており、次にチゼル刃11の加工方法について説明する。
本実施形態によるボールエンドミル1の切刃部3において、例えば砥石によってギャッシュ溝4を先端側から基端側に向けて研削加工する。また、ギャッシュ溝4の回転方向後方側の逃げ面6を研削加工する。ギャッシュ溝4のすくい面7と逃げ面6を研削加工することによってその交差稜線部に底刃5を形成する。しかも、円弧状の底刃5は切刃部3における先端の中心領域には形成されず、この中心領域をチゼル部10とする。3枚の底刃5は高速回転するため切刃部3の周辺領域の切削性を高めることができる。
中心軸線Oを含むチゼル部10は略三角錘状に形成されている低速回転領域であるが、図4に示すように、砥石によって3枚のチゼル刃11を例えば平面視凹曲線状に形成する。
次にボールエンドミル1を用いた被削材の切削加工方法について説明する。
ボールエンドミル1を中心軸線O回りに回転させつつ、等高線加工方法により被削材に直角の立壁加工を行う。切り込み時には切刃部3の底刃5で被削材を切削加工することで、生成された切り屑はギャッシュ溝4のすくい面7を走行して、基端側に流れて外部に排出される。
その際、切刃部3の外周面に形成された底刃5は0°超〜15°の範囲のすくい角と18°超の逃げ角を有するため、切削抵抗の大きい荒加工でも底刃5による切削性が高く切削抵抗が軽減され、しかも耐摩耗性と耐欠損性を向上できる。また、3枚の底刃5は不等分割されているため加工時の振動を抑制できる。
また、切刃部3の先端部のチゼル部10では、底刃5の内側端部にチゼル刃11が接続されている。これらチゼル刃11は低速回転させられるが、チゼル部10は小さい領域であるため底刃5全体の剛性は確保される。また、仕上げ加工時には、切り込みが小さく切削抵抗が小さいため、中心のチゼル刃11の擦れをなくして面粗さの小さい仕上げ加工面が得られる。
次に実施形態によるボールエンドミル1の実施例と従来例について行った切削加工試験について図5により説明する。
本試験例において、実施例は実施形態による3枚刃のボールエンドミル1を用い、従来例は2枚刃のボールエンドミルを用いて、それぞれ工作機械に装着して等高線加工を行った。工作機械の回転数を40000min-1、実施例の送り速度は750mm/min、従来例は500mm/minとし、いずれも1刃当りの送り速度0.00625mm/tooth、ap(Z軸方向の切り込み量)は0.013mm、ae(横方向の切り込み量)は0.036mmとした。クーラントはオイルミストを使用した。
実施例と従来例についてそれぞれ10分間被削材HAP40(65HRC)を加工し、加工後の切刃の摩耗量をそれぞれ加工前と比較すると、図5に示すようになった。加工後の切刃の摩耗量を比較すると、従来例はチゼル刃とその両側の底刃が全体に大きく摩耗しているのに対し、実施例ではチゼル刃は摩耗しているものの3枚の底刃5の摩耗量が小さいことを確認できる。
上述したように、本実施形態によるボールエンドミル1によれば、底刃5及びチゼル刃11は不等分割形状とされていると共に隣り合う底刃同士の角度差は20°以内に設定されているため、切削加工時にボールエンドミル1の振動を抑制して底刃5の切削バランスが良く、高精度な加工面が得られる。
また、底刃5は芯上がりに形成したため、チゼル刃11の切削精度や加工精度、底刃5及びチゼル刃11の剛性を確保することができる。
以上、本発明の実施形態によるボールエンドミル1及びその加工方法について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で他の実施形態や変形例を採用できることはいうまでもない。これらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を行うものとする。
図6(a)、(b)は第一実施形態によるボールエンドミル1の変形例を示すものである。本変形例では、実施形態と同一構成の3枚刃の底刃5の内側に形成されたチゼル刃11についてレーザ光で追加加工を行った。
各チゼル刃11は芯上がりに形成された底刃5の各逃げ面6の延長面上に逃げ面11aが形成されている。しかも、ギャッシュ溝4の内側端部から中心軸線O側に向けて、図6(a)のハッチング部で示すように、レーザ光で更に凹溝状に切除した。これによって、チゼル刃11のすくい角がより正角方向に大きくなったすくい面11bが形成されている。特にギャッシュ溝4を内側に延長して略V字状またはU字状に切除することで凹曲線状のチゼル刃11が形成されている。
各チゼル刃11は円弧状の底刃5の中心軸線O周りの回転によって描く略半球状軌跡に沿ってまたはその内部に形成されている。しかも、図4及び図6に示すように、各チゼル刃11は底刃5の逃げ面6の延長面からなる逃げ面11aと、ギャッシュ溝4の内側端部を更に中心軸線O側に向けて凹溝状に切除するすくい面11bとの交差部に形成されている。
チゼル刃11は図6(b)の断面図に示すように、すくい面11bを凹曲面状にえぐることで、切削加工時に摩耗したとしても刃厚が増大することを抑制できるように厚みが形成されている。チゼル刃11は刃厚の変化を抑制しつつ中心軸線O方向前方に起立して形成されている。
図6(a)は、図4に示す切刃部3のチゼル部10の部分の側面図である。このようなチゼル刃11を備えたボールエンドミル1を用いて、被削材を切削加工することで、先端部のチゼル刃11が二点鎖線aで示すように摩耗したとしても、図6(b)に示すようにチゼル刃11の刃厚が拡大されることが抑制される。そのため、チゼル刃11の切削抵抗は上がらない。しかも、チゼル刃11の部分的な摩耗、損耗を生じるにすぎないため、底刃5全体の剛性と強度は維持される。
他方、従来のボールエンドミルでは、切削加工時にチゼル刃11の摩耗が進行すると、ギャッシュ溝4がチゼル部10における中心軸線O側に追加工されていないため、チゼル刃11の刃厚が拡大して切削抵抗が増大するという欠点が生じる。
なお、本変形例では、3枚のチゼル刃11は中心軸線O上で内側端部が結合するように形成したが、各チゼル刃11は中心軸線O上で交差する必要はなく、互いにずれていてもよい。
本変形例によるボールエンドミル1によれば、中心軸線Oを含むチゼル部10は低速回転領域であるが、3枚のチゼル刃11を備えた略三角錘状に形成されている(図4参照)。しかも、ギャッシュ溝4のチゼル部10側をレーザ光によって凹溝状に追加工することでチゼル刃11の加工精度を高めることができる。なお、砥石の加工精度は最小値で直径0.015mm程度であるが、レーザ光は直径0.005mm程度であるため、より先端側に高精度に加工できる。
従って、本変形例によれば、ギャッシュ溝4の先端側をレーザ光によって凹溝状に切削加工することによって、各チゼル刃11のすくい面11b及び隣接するチゼル刃11の逃げ面11aの領域を、チゼル刃11が中心軸線O方向に突出する所定厚の刃厚を形成するように高精度に加工できる。これにより、被削材の切削加工によって各チゼル刃11が摩耗したとしてもチゼル刃11の刃厚の拡大を抑制できるため、切削抵抗の増大を抑制しチゼル刃11の剛性を確保することができる。
また、チゼル部10は小さい領域であるため底刃5全体の剛性は確保される。仕上げ加工時には、切り込みが小さく切削抵抗が小さいため、中心のチゼル刃11の擦れをなくして面粗さの小さい仕上げ加工面が得られる。
また、ボールエンドミル1の加工方法によれば、チゼル刃11のすくい面11b及び逃げ面11aをレーザ光によってギャッシュ溝4の先端側から高精度に切削加工できる。そのため、チゼル刃11が摩耗したとしてもチゼル刃11の刃厚の拡大と切削抵抗を抑制できる。
図7乃至図9は本発明の第二実施形態によるボールエンドミル20を示すものであり、第一実施形態によるボールエンドミル1と同様な構成を有している。
本実施形態によるボールエンドミル20は、チゼル部10について第一実施形態によるボールエンドミル1と相違し、その余の構成では一致する。本第二実施形態では、ボールエンドミル20の3枚の底刃5の内側端部に凹部21が形成され、チゼル刃11は形成されていない。この凹部21は切刃部3の外周面に形成された3つのギャッシュ溝4に接続されて形成されている。凹部21は切刃部3の先端部から中心軸線O方向基端側に凹んで形成されている。底刃5の内周側端部は先端側の中心部で接続されていない。底刃5は芯下がりに形成されている。
従って、本第二実施形態によるボールエンドミル20によれば、切刃部3の低速回転する中心軸線Oを含む先端部に凹部21が形成されているため、中心軸線O方向に送り切削する際に底刃5を摩耗することがない。その際、凹部21の周縁部に設けられた3枚の底刃5は高速切削するため、底刃5を欠損することがなく切削性を向上できる。また、中心軸線O方向の送り切削の際、ボールエンドミル20の凹部21の部分では切削加工できないため、被削材が凸部として残るが、ボールエンドミル20を横送りすることで残った凸部を含めて切削加工することができる。
そのため、本実施形態によるボールエンドミル20は荒切削加工だけでなく仕上げ加工においても高精度な加工を行える。
なお、上述した各実施形態によるボールエンドミル1、20において、切刃部3に形成する底刃5は3枚に限定されることなく、4枚以上でもよく、多刃ボールエンドミルを構成する。
1、20 ボールエンドミル
2 工具本体
3 切刃部
4 ギャッシュ溝
5 底刃
6 逃げ面
7 すくい面
10 チゼル部
11 チゼル刃
11a チゼル刃の逃げ面
11b チゼル刃のすくい面
21 凹部
O 中心軸線

Claims (5)

  1. 中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた多刃ボールエンドミルにおいて、
    前記切刃部の先端面に形成されていて円弧状部分を有する3枚以上の底刃と、
    前記底刃の回転方向前方側に形成されていて前記底刃のすくい面を有するギャッシュ溝と、
    前記底刃の回転方向後方側に形成された逃げ面と、
    前記底刃の先端側端部にそれぞれ形成されていて中心軸線方向に延びる3枚以上のチゼル刃と、を備え、
    前記底刃は不等分割形状とされていると共に隣り合う底刃同士の角度差は20°以内に設定されていることを特徴とする多刃ボールエンドミル。
  2. 中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた多刃ボールエンドミルにおいて、
    前記切刃部の先端面に形成されていて円弧状部分を有する3枚以上の底刃と、
    前記底刃の回転方向前方側に形成されていて前記底刃のすくい面を有するギャッシュ溝と、
    前記底刃の回転方向後方側に形成された逃げ面と、
    前記底刃の先端側端部に形成された凹部と、を備え、
    前記底刃は不等分割形状とされていると共に隣り合う底刃同士の角度差は20°以内に設定されていることを特徴とする多刃ボールエンドミル。
  3. 前記底刃の逃げ角が18°以上に設定されている請求項1または2に記載された多刃ボールエンドミル。
  4. 前記底刃のすくい角は0°超から15°の範囲に設定されている請求項1から3のいずれか1項に記載された多刃ボールエンドミル。
  5. 中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えた多刃ボールエンドミルにおいて、
    前記切刃部の先端面を凹状に加工してギャッシュ溝を形成して3枚以上の底刃を不等分割形状に形成する工程と、
    前記ギャッシュ溝の先端側をレーザ光で更に凹溝状に加工することで、前記底刃の先端側のチゼル部に中心軸線方向の刃厚の変化を抑制して起立する3枚以上のチゼル刃をそれぞれ形成する工程と、を備えたことを特徴とする多刃ボールエンドミルの加工方法。
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