JP2024023943A - ボールエンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】切削性を高めて底刃間の欠損と摩耗を抑制できる。【解決手段】ボールエンドミル1は、中心軸線O回りに回転可能な工具本体の先端側にcBN製の切刃部3を備えた。切刃部3の先端面4には、180度対向配置されていて略1/4円弧状に形成された一対のR刃5と、R刃5の回転方向前方側に形成されていてR刃5のすくい面8を形成する一対のギャッシュ溝7と、一対のR刃5の中心軸線側の端部同士を接続するチゼル18と、を備えている。一対のR刃5は芯下がりに形成されていて、その芯下がり量はR刃5の半径Rの0%より大きく6%以下に設定されている。チゼル18を有する延長逃げ面18aの内接円の直径tは0.5%~2.0%の範囲に小さく設定され、R刃5のアキシャルレーキ角は-10°~+15°の範囲に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、工具本体の先端面に略円弧状の複数の底刃が形成されたボールエンドミルに関する。
一般に精密機械加工分野において、金型や部品等を切削加工するために例えばボールエンドミルが用いられている。例えば図10に記載されたボールエンドミル100では、工具本体101の先端面に180度対向して配設された1/4円弧状の2枚のR刃102が形成されている。このボールエンドミル100は中心軸線O周りに回転可能とされている。各R刃102の回転方向前方側にはR刃102のすくい面102aを形成するギャッシュ溝103が形成されている。
2枚のR刃102は芯上がりに形成されていて、それぞれ外周面側から中心軸線Oの近傍を通過して反対側に延びている。2枚のR刃102は中心軸線Oに重なるチゼル104を介して交差している。しかも、各ギャッシュ溝103は平面視でR刃102に沿って外周側から中心軸線O方向に延びて中心軸線Oを超える反対側まで設けられている。そのため、一対のギャッシュ溝103は長さkの範囲で互いに交差している。このようなボールエンドミルは例えば特許文献1等にも開示されている。
特開2000-117522号公報
このボールエンドミル100で被削材の切削加工を行う場合、中心軸線O付近に切れない刃を有するチゼル104が設けられたため、この部分での切削抵抗が増大する。しかも、従来のボールエンドミル100では、チゼル104の欠損を防いで刃先強度を確保するために、R刃102を芯上がりに設定しただけでなく、対向するR刃102の逃げ面が延長するチゼル104を有する肉厚部の幅を太くし、すくい角をネガに設定していた。
しかしながら、この場合でも、切削速度が低いためチゼル104にかかる負荷が過大で切削抵抗が大きく、発熱や異常摩耗を引き起こすという問題を改善できていなかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、底刃の切削性を高めて底刃及びチゼルまたは凹部の欠損と摩耗を抑制できるようにしたボールエンドミルを提供することを目的とする。
本発明に係るボールエンドミルは、中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えたボールエンドミルにおいて、前記切刃部の先端面に略円弧状に形成されている複数の底刃と、前記底刃の回転方向前方側で互いに交差して形成されている複数のギャッシュ溝と、前記複数の底刃の間に前記中心軸線を含んで形成され、前記複数のギャッシュが連通する凹部と、前記複数の底刃の回転方向後方側に形成され、回転方向後方に向かうにつれて逃げ角が変化する二番逃げ面と、を有することを特徴とする
また、工具本体の先端面に凹部を有するボールエンドミルにおいて、複数のギャッシュ溝は互いに交差して凹部に連通して配設され、底刃間の内接円の直径(d)は底刃の半径Rの1%~3%の範囲に設定されていることが好ましい。
複数の底刃の回転方向前方に形成した複数のギャッシュ溝が半径Rの1%~3%の範囲で互いに交差しており、これに重なる底刃間の中央に凹部を形成したため、切削時に底刃間の凹部で摩耗と欠損を生じにくく、切削性が高い。
また、工具本体の先端面にチゼルを有するボールエンドミルは、工具本体の先端面において、複数のギャッシュ溝が互いに交差しない形状とされ、底刃の間にチゼルが形成されていてもよい。
底刃の間にチゼルを設けているが、底刃が高硬度で芯下がりに形成したため、底刃の切削性が高い上に底刃の間のチゼルの摩耗と欠損を低減することができる。
また、チゼルを有する部分の内接円の直径(t)は底刃の半径Rの0.5%~2.0%の範囲に設定されていることが好ましい。
切刃部で切削加工する際、チゼルを有する部分が高硬度で厚みが小さいため被削材に押圧されてもチゼルの摩耗と欠損を低減することができる。
また、底刃のアキシャルレーキ角は-10°~+15°の範囲に設定されていることが好ましい。
底刃のアキシャルレーキ角を-10°~+15°の範囲で正角側に形成したため、芯下がりと相まって切削性が高い。
本発明に係るボールエンドミルによれば、高硬度材質のcBNからなる切刃部を用い、
底刃の間の中心軸線付近にチゼルまたは凹部が設けられ、底刃の芯下がり量を底刃の半径Rの0%より大きく6%以下に形成したため、底刃の切削性を向上できる上に、底刃及び底刃間のチゼル及び凹部の耐欠損性と耐摩耗性に優れている。
本発明の第一実施形態によるボールエンドミルの切刃部を示す先端面図である。 図1に示すボールエンドミルの側面図である。 R刃のアキシャルレーキ角を示すボールエンドミルの側面図である。 第二実施形態によるボールエンドミルの切刃部を示す先端面図である。 図4に示すボールエンドミルの側面図である。 R刃のアキシャルレーキ角を示すボールエンドミルの側面図である。 従来例を示すもので、(a)は加工前のR刃の中心付近の逃げ面の図、(b)は加工前のR刃の輪郭投影図、(c)は加工後のR刃の中心付近の逃げ面の図、(d)は加工後のR刃の輪郭投影図である。 実施例1を示すもので、(a)は加工前のチゼルの逃げ面の図、(b)は加工前のR刃の輪郭投影図、(c)は加工後のチゼルの逃げ面の図、(d)は加工後のR刃の輪郭投影図である。 実施例2を示すもので、(a)は加工前のR刃の中心付近の逃げ面の図、(b)は加工前のR刃の輪郭投影図、(c)は加工後のR刃の中心付近の逃げ面の図、(d)は加工後のR刃の輪郭投影図である。 従来のボールエンドミルの切刃部の先端面図である。
以下、本発明の各実施形態によるボールエンドミルについて添付図面に基づいて説明する。図1乃至図3は本発明の第一実施形態によるボールエンドミル1を示すものである。図1及び図2において、本実施形態によるボールエンドミル1は、略円柱状に形成されていて中心軸線Oを中心に回転される工具本体2と、その先端部に形成された切刃部3と、を備えている。ボールエンドミル1の少なくとも切刃部3は高硬度材料からなるcBN焼結体によって形成されている。或いは、ボールエンドミル1の切刃部3の材質としてcBNに代えてPCDを用いてもよい。
このボールエンドミル1は機械部品や金型等の高硬度材を切削加工するのに用いられる。本明細書では工具本体2の中心軸線Oに沿った切刃部3側を先端側、先端といい、主軸に連結する反対側を基端側、基端というものとする。
図1及び図2において、ボールエンドミル1は切刃部3の略半球面状をなす先端面4に略1/4円弧状の底刃として複数、例えば2枚のR刃5が180度対向する位置に形成されている。工具本体2の外径をDとした場合、R刃5の半径をRとして2R≧Dに設定されている。しかも、各R刃5は芯下がりに形成されている。
切刃部3において、各R刃5の回転方向前方側にはギャッシュ溝7が形成されている。ギャッシュ溝7に形成されたギャッシュ面はR刃5のすくい面8とされ、すくい面8は平面、凹曲面、凸曲面のいずれに形成されていてもよい。本実施形態ではすくい面8は例えば凸曲面とされている。
図3において、中心軸線Oに対するR刃5のすくい面8のすくい角αは-10°~+15°の範囲に設定されている。R刃5のすくい角αはアキシャルレーキ角αに設定されている。R刃5のすくい角αが-10°より小さいと刃先強度は高いが切削性が著しく低下し、+15°より大きいと切削性は高いが切刃強度が低下する。
R刃5の回転方向後方側には逃げ面として正の逃げ角を有する二番逃げ面9と三番逃げ面10が順次形成されている。二番逃げ面9の逃げ角は+10°~+25°の正角に設定
されている。この逃げ角は一定の角度でもよいし、R刃5側から回転方向後方に向かうに従って次第に大きくなるように、または小さくなるように変化してもよい。三番逃げ面10の逃げ角は二番逃げ面9の逃げ角より大きい逃げ角を有している。
R刃5の基端側には外周刃13が形成されている。外周刃13の回転方向前方側にはフルート溝14が形成されている。フルート溝14には外周刃13のすくい面15が形成されている。外周刃13とフルート溝14は先端側から基端側に向けて次第に回転方向後方側に螺旋状に捩じれるようにねじれ角を有している。
工具本体2の側面視で、R刃5と外周刃13は先端側から基端側に向けて回転方向後方側に捩じれている。外周刃13はR刃5と同一角度またはそれ以上の角度で後方に捩じれたねじれ角を有している。R刃5のギャッシュ溝7と外周刃13のフルート溝14もR刃5及び外周刃13と同様に先端側から基端側に向かうに従って回転方向後方側に捩じれている。
図1に示す切刃部3の先端面図において、一対のR刃5は芯下がりに形成されている。なお、R刃5は回転方向前方に湾曲して突出する凸曲線状または直線状に形成されていてもよい。各R刃5の中心軸線O側の端部は中心軸線Oに近接する位置まで延びており、この端部同士は二番逃げ面9の延長部同士が接続される肉厚の延長逃げ面18aに接続されている。この延長逃げ面18aの中央には中心軸線Oに重なるチゼル18が形成されている。チゼル18を有する延長逃げ面18a(チゼル18を有する部分)の内接円の直径(厚み)tはR刃5の半径Rの0.5%~2.0%の範囲に設定されている。内接円の直径tが0.5%より小さいと切削時に著しく欠損し易く、2.0%より大きいと切削抵抗が増大して異常摩耗の原因になる。
チゼル18はデッドスポットに相当する。チゼル18は延長逃げ面18aが中心軸線Oに重なっており、すくい面と延長逃げ面18aの間の稜線を切刃として工具本体2の回転時に切削可能ではあるが、中心軸線Oの近傍であるため切削速度が低い部分であり切削性が悪い。
また、一対のR刃5同士の間隔である芯下がり量sはR刃5の半径Rの0%より大きく6%以下の範囲に設定されている。芯下がり量sが0%であれば芯下がりに設定できずにR刃5の切削性が低下し、6%を超えると切削性は高いが切刃強度が低下する。そのため、一対のR刃5の芯下がり量sは上記範囲に設定することが切削性と切刃強度を確保する上で好ましい。芯下がり量sは一対のR刃5による切削バランスを確保するために、中心軸線Oからの距離がそれぞれs/2であることが好ましい。
また、一対のR刃5の回転方向前方側にそれぞれ形成した2つのギャッシュ溝7は互いに交差しておらず、チゼル18の延長逃げ面18aの内接円の直径tだけの間隙が設定されている。cBN製の切刃部3は高硬度であるため中心軸線O付近にチゼル18が存在していると大きな抵抗になり欠損し易くなる。本実施形態ではチゼル18の延長逃げ面18aの内接円の直径tの範囲を上記の範囲に小さくすることで切削性を向上させて摩耗を抑制している。
本実施形態によるボールエンドミル1は上述した構成を備えており、次にその切削方法について説明する。
ボールエンドミル1を中心軸線O回りに回転させつつ切刃部3の中心軸線O方向の縦送りによる切り込みでは、中央のチゼル18では切削できないため切削抵抗が上昇し、切刃部3の先端面4に位置する延長逃げ面18aが摩耗する。しかし、チゼル18の延長逃げ面18aの内接円の直径tは半径Rの0.5%~2.0%の範囲と小さいため延長逃げ面18aの摩耗量が小さい。その後、ボールエンドミル1を横送りすることでR刃5によって加工面の立壁を切削加工する。ボールエンドミル1の横送りによって、切り込み時に切
削できなかったチゼル18の部分の被削材をR刃5で切削加工する。
しかも、切刃部3のR刃5はcBN製で高硬度である上にチゼル18を有する延長逃げ面18aの内接円の直径tが小さいため、R刃5による切削性を向上できると共に延長逃げ面18aの摩耗と欠けを抑制することができる。
上述のように本実施形態によるボールエンドミル1によれば、切刃部3がcBN製で高硬度である上に一対のR刃5のアキシャルレーキ角αがポジ側に傾斜しており、R刃5で挟まれたチゼル18の延長逃げ面18a部分の内接円の直径tが小さく形成されている。そのため、R刃5による切削性が高く、R刃5及びチゼル18の部分での耐摩耗性と耐欠損性に優れている。
以上、本発明の実施形態によるボールエンドミル1について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の異なる形態や態様を採用できることはいうまでもない。これらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態の部分や部品と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を行うものとする。
図4乃至図6は本発明の第二実施形態によるボールエンドミル20を示すものであり、第一実施形態によるボールエンドミル1と同様な構成を有している。ボールエンドミル20は切刃部3の先端面4に略1/4円弧状の底刃として複数、例えば2枚のR刃5が180度対向する位置に形成されている。工具本体2の外径をDとし、R刃5の半径をRとして2R≧Dに設定されている。しかも、各R刃5は芯下がりに形成されている。
切刃部3において、各R刃5の回転方向前方側にはギャッシュ溝7が形成されている。ギャッシュ溝7のギャッシュ面はR刃5のすくい面8とされている。すくい面8は例えば凸曲面とされている。
中心軸線Oに対するR刃5のすくい面8のすくい角であるアキシャルレーキ角αは-10°~+15°の範囲に設定されている。R刃5のすくい角αが-10°より小さいと刃先強度は高いが切削性が著しく低下し、+15°より大きいと切削性は高いが切刃強度が低下する。
R刃5の基端側には外周刃13が形成され、外周刃13の回転方向前方側にはフルート溝14が形成されている。フルート溝14には外周刃13のすくい面15が形成されている。R刃5の回転方向後方側には逃げ面として正の逃げ角を有する二番逃げ面9と三番逃げ面10が順次形成されている。二番逃げ面9の逃げ角は+10°~+25°の正角に設定されている。二番逃げ面9の逃げ角は一定角度または可変の逃げ角に設定されている。
対向する2枚のR刃5の間で中心軸線Oを含む領域にギャッシュ溝7に連通する凹部21が形成されている。凹部21は、図4及び図5では略円錐状に形成されているが、凹部21の形状は任意である。そのため、2枚のR刃5の間には中心軸線Oを含む領域にチゼル18やデッドスポットが形成されていない。
また、切刃部3の先端面4において、R刃5の回転方向前方側に形成されたギャッシュ溝7は、それぞれ中心軸線Oを超えて径方向の反対側の領域にまで延びている。二つのギャッシュ溝7は中心軸線Oの領域において凹部21で重複して互いに交差している。図4に示す対向するR刃5の中心側端部間の内接円(凹部21)の直径dはR刃5の半径Rの1%~3%の範囲に設定されている。中心軸線O側のR刃5間の内接円の直径dは1%より小さいと切り屑が凝着して異常摩耗を生じるという欠点がある。また、3%より大きいと切刃部3による立壁加工時の凹部21の径が大きくなりすぎて非切削で残る凸部の径が増大し、横送りした際のR刃5による凸部の切削負荷が増大し、加工面粗さが劣化するとい
う欠点がある。
本実施形態によるボールエンドミル20は上述した構成を備えており、次にその切削方法について説明する。
例えば、ボールエンドミル1の切刃部3を中心軸線O回りに回転させつつ縦方向に切り込んで横送りする等高線荒取り加工を行うと、縦送り時に2枚のR刃5の中央に形成された凹部21で切削できない。すると、被削材に凹部21による切削残りの凸部が生じる。
その後、ボールエンドミル1を横送りすることで、切刃部3の中心軸線O部分の凹部21に刃がなくても、切り込み時に切削できなかった切削残りの凸部をR刃5によって切削加工する。しかも、切刃部3のR刃5はcBN製で高硬度である上に凹部21の径が小さいため、切削性を向上できて摩耗と欠けを抑制することができる。
上述のように本第二実施形態によるボールエンドミル20によれば、切刃部3がcBN製で高硬度である上に一対のR刃5のアキシャルレーキ角がポジ側に傾斜しており、R刃5で挟まれた凹部21の部分の削り残しを横送りで切削加工できる。
そのため、R刃5による切削性が高くR刃5及び凹部21の部分での摩耗と欠損を抑制できる。しかも、R刃5の間の凹部21にチゼル18がないため、切削抵抗をより一層低減できる。
次に上述した第一実施形態によるボールエンドミル1と第二実施形態によるボールエンドミル20について等高線荒取り加工の切削試験を行った。各試験例は、第一実施形態のボールエンドミル1を実施例1、第二実施形態のボールエンドミル20を実施例2とし、図10に示す従来のボールエンドミル100を従来例として、高硬度材質からなる被削材の金型加工を行った。
実施例1、実施例2はそれぞれ一対のR刃5が芯下がりであり、従来例は芯上がりとされている。実施例1は切刃部3の中心軸線O付近に内接円の直径tのチゼル18があり、実施例2は切刃部3の中心軸線O付近に凹部21が形成されている。従来例は中心軸線O付近にチゼル18より大きな厚みのチゼル104が形成されている。
切削条件は、回転速度nは120000min-1、送り速度Vfは1050mm/min、ap(Z軸方向の切り込み量)は0.005mm、ae(横方向の切り込み量)は0.005mmとした。クーラントはオイルミストを使用した。
そして、比較試験結果として、被削材を10時間切削加工した切削前と切削後の各ボールエンドミル1、20、100の回転中心付近の逃げ面の摩耗状態、R刃5、102の摩耗量を示す輪郭投影写真を示した。
実施例1、実施例2、従来例について被削材の等高線荒取り加工を10時間行った。図7~図9において、(a)、(b)は加工前のR刃の中心軸線Oの近傍部分とR刃の輪郭投影写真を示している。図7~図9(c)、(d)は10時間切削加工後のR刃の中心軸線Oの近辺部分とR刃の輪郭投影写真を示している。10時間加工後のR刃の輪郭投影写真において、黒色部分が残ったR刃の輪郭を示し、灰色部分がR刃の摩耗した部分を示す。
図7(a)、(b)において、従来例では、切削加工前のチゼル104の逃げ面とR刃102に対し、同図(c)、(d)に示す切削加工後にはチゼル104の逃げ面が大きく摩耗し、R刃102の刃先も大きく摩耗した。
これに対し、図8(a)、(b)に示す実施例1では、切削加工前のチゼル18の延長逃げ面18aとR刃5に対し、同図(c)、(d)に示す切削加工後にチゼル18の延長逃げ面18aが僅かに摩耗し、R刃5の刃先は僅かに摩耗したにすぎない。
図9(a)、(b)に示す実施例2では、切削加工前の凹部21とR刃5に対し、同図(c)、(d)に示す切削加工後に凹部21の両端側のR刃5の二番逃げ面9が僅かに摩耗し、R刃5の刃先も僅かに摩耗したにすぎない。
これらの試験結果から、従来例の結果に対して、実施例1及び実施例2では、一対のR刃5の中心部分の摩耗が小さく、R刃5の刃先の摩耗も小さかった。そのため、実施例1及び実施例2は切削性を向上できて摩耗と欠けを抑制することができることを確認できた。
また、上述した各実施形態によるボールエンドミル1、20において、R刃5の二番逃げ面9側にスモールリリーフを設けてもよい。この場合、加工面にチッピングを生じることなく鏡面加工を行える。或いは、スモールリリーフに代えて刃先ホーニングを設けてもよい。
なお、上述した各実施形態によるボールエンドミル1、20において、切刃部3に形成するR刃5(底刃)は2枚に限定されることなく、3枚または4枚以上でもよい。R刃5が3枚以上配設された場合、これら複数のR刃5は等ピッチに配設されているが、不等ピッチに配設されていてもよい。
1、20 ボールエンドミル
2 工具本体
3 切刃部
5 R刃
7 ギャッシュ溝
8 すくい面
9 二番逃げ面
13 外周刃
14 フルート溝
15 すくい面
18 チゼル
21 凹部
O 中心軸線

Claims (3)

  1. 中心軸線回りに回転可能な工具本体の先端側に切刃部を備えたボールエンドミルにおいて、
    前記切刃部の先端面に略円弧状に形成されている複数の底刃と、
    前記底刃の回転方向前方側で互いに交差して形成されている複数のギャッシュ溝と、
    前記複数の底刃の間に前記中心軸線を含んで形成され、前記複数のギャッシュが連通する凹部と、
    前記複数の底刃の回転方向後方側に形成され、回転方向後方に向かうにつれて逃げ角が変化する二番逃げ面と、
    を有する、ボールエンドミル。
  2. 前記中心軸線を中心とする複数の底刃間の内接円の直径が各底刃の半径Rの1%~3%の範囲に設定されている、請求項1に記載のボールエンドミル。
  3. 前記複数の底刃がそれぞれ芯下がりに設定されており、底刃間の芯下がり量が各底刃の半径Rの0%より大きく6%以下である、請求項1に記載のボールエンドミル。
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