JP2659491B2 - 管継手 - Google Patents

管継手

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JP2659491B2
JP2659491B2 JP4102563A JP10256392A JP2659491B2 JP 2659491 B2 JP2659491 B2 JP 2659491B2 JP 4102563 A JP4102563 A JP 4102563A JP 10256392 A JP10256392 A JP 10256392A JP 2659491 B2 JP2659491 B2 JP 2659491B2
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修司 福島
博 大矢
慎一 藤田
寛 稲垣
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Hitachi Metals Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接続管を接続する際、ナ
ットと食込み部材を分解せずに管の挿入が容易に出来、
且つ管への食込み部材の食込み量が一定になる管継手に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂管に使用される管継手として
実開平2−56994号で開示された図6に示すものが
ある。この管継手は継手本体90の一端に接続管91の
装着部92を形成し、装着部92に装着した接続管91
の外面を、内面に食込み歯を有する食込み部材93でナ
ット94の締付けによって縮径し、管91の引き抜け阻
止を行うものである。
【0003】この種の管継手ではナット94の食込み部
材との当接面が円錐面になっており、食込み部材の本体
90との当接面よりも摩擦抵抗が大きいため、ナット9
4を締付けた際、食込み部材93が回転し接続管91を
回転させようとするため、接続管91の他端が接続して
あって固定されている場合、接続管にねじり応力が発生
する。このため接続管に発生したねじり応力によって接
続部の管が回転して接続部から漏れたり、接続管91の
流過面積が減少したり、管の回転に連れて他端の接続部
のナットが緩んだりする問題があった。
【0004】また接続管のねじれが発生しない管継手と
して実開平1−98991号で開示された図7に示すも
のがある。この管継手は継手本体80の一端に接続管9
1の装着部82を形成し、装着部82に装着した接続管
91の外面を食込み部材83でナット84の締付けによ
って縮径し、管91の引き抜け阻止を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この管継手では、食込
み部材83と本体80との当接面が円錐面になってお
り、ナット84の当接面よりも摩擦抵抗が大きいため、
ナット84を締め付ける際に食込み部材が回転すること
はほとんどない。しかしこの構造は、ナットと食込み部
材を分解せずに本体の装着部82へ接続管91を挿入し
ようとすると、接続管91の先端で食込み部材が押され
て本体のテーパ穴内に傾いて入りながら縮径するため、
管91を容易に挿入することが出来なくなる。又この状
態でナットの締め付けが行われると、管の円周上均一な
食込みが行われず、過大な締め付け部分や締め付け不足
の部分が生じる問題がある。従ってこの管継手ではナッ
トの食込み部材を分解して管91に予め外装してから組
み付ける必要があり、そのために食込み部材の組み付け
方向を間違える等の施工ミスを引き起こす問題があっ
た。
【0006】本発明は上記の問題点を解消するもので、
接続管と接続する際、ナットと食込み部材を分解せずに
継手本体内に管を挿入することが出来、且つ管の円周面
に対して均一な締め付けと、一定のナット締め付けトル
クで締め付けが行える管継手を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、端部に
テーパ内面を有す継手本体と該継手本体に螺合するナッ
トと前記継手本体とナットとの間に装着した食込み部材
とからなり、前記ナットを締め付けることにより、食込
み部材が継手本体内に装着した接続管の外面を縮径して
接続管との気密と引き抜け阻止を行う管継手において、
前記食込み部材は、前部に継手本体のテーパ内面に当接
するテーパ外面と、外周面に継手本体の端面に当接する
つば部と、後部に前記つば部の強度より大きいラッパ状
の薄肉部とを有することを特徴とする管継手である。前
記食込み部材のつば部は接続管挿入時の手による推力で
は変形しないが、ナット締め付け時の推力で変形する強
度を持ったものが使用される。
【0008】
【作用】本発明は上記の構成であるから、管継手に接続
管を挿入する際、接続管の先端が食込み部材の内周穴を
通過するとき、食込み部材のつば部が継手本体の端面に
当接して食込み部材の姿勢が正しく直角に保持され、傾
いたり、傾くことによる食込み部材の縮径がなく、スム
−スに食込み部材の内周穴を通過する事が出来る。
【0009】管を装着後ナットを締め付けると、後部の
薄肉部の強度がつば部の強度より大きいから、ナットの
締め付け推力によってつば部が変形して曲がり、あるい
は切断されて食込み部材が本体のテーパ内面内に押し込
まれ、縮径して管を締め付ける。後部にはラッパ状の薄
肉部があるので、ある推力以上にナットの締め付けが行
われると薄肉部の変形が始まる。薄肉部が変形し始める
とナットの推力による食込み部材の移動がほとんどなく
なり、締め付けトルクが増加せずにナットの回転のみ行
われる。このため管の外形寸法に多少の変動があって
も、ナットの定められた締め付け位置で締め付けを終了
して、管に対する食込み部材の食込み量を一定にしてナ
ットを締め付け、管と接続することが出来る。
【0010】
【実施例】以下本発明の実施例を図1ないし図5に基ず
いて説明する。図1において上半分は管2を継手本体1
に挿入し、ナット3を継手本体1と螺合したナット締付
け前の断面図で、下半分はナット締付け完了後の断面図
である。継手本体1は端部外面のおねじ11の内面側に
環状の管装着部12を有し、管装着部12には外周面に
複数の溝13を有する筒状突出部14を設けてあり、接
続する管2の内面でシ−ルされる。筒状突出部14の内
面側は継手本体1の貫通流路15で、また管装着部12
にはテ−パ内面18を形成してあり、食込み部材4のテ
−パ外面43と当接して縮径する。
【0011】ナット3は継手本体1のおねじ11に螺合
するめねじ31と、その奥に食込み部材4の後端部41
に当接する軸直角面32を有し、ナット締付け完了時に
前端面33が継手本体の段部16に当接する。食込み部
材4は図2のごとく、円周の1ヶ所に切割り42を有
し、前端外面にテ−パ外面43を有し、テ−パ外面の大
径側につば部44を有す。後ろ側はラッパ状の薄肉部4
5を設けてあり、後端部41はナット3の軸直角面32
に当接する。内周面には管2の外面に食込みを行う突起
46を2条設けてある。
【0012】図3は食込み部材4のつば部44を示す部
分拡大図で、破線で示す形状はナット締付け完了時のつ
ば部44が変形した状態を示す。管の外径が10mmか
ら50mmの管継手では、つば部44の厚さを0.2m
m〜0.5mmとし、つば部44の付け根部分に丸みを
付けてある。この形状にしたつば部44では、手で管を
挿入する際の推力で変形せず、継手本体の端面に当接し
て姿勢が正しく保持され、従って管を挿入する際食込み
部材4が管の端部や外面で押されて、食込み部材が傾い
たり縮径したりしない。管2を装着後、ナットを締め付
ける際にナットの締付け推力でつば部44が容易に変形
して破線のごとく曲がり本体のテ−パ内面18に沿って
押し込まれ、縮径が行われる。食込み部材はナットと当
接する後端面41に比べて前側のテ−パ外面43の方が
摩擦抵抗が大きいのでナットの締付け回転による食込み
部材の共回り回転がない。
【0013】図4は管の外径が13mmの管継手のナッ
ト締め付け量に対するナットの締付けトルクの関係を示
すものである。ナット3を締付け開始直後は締付けトル
クが急上昇し、A点に達する。このA点でつば部44が
変形する。その後ナット3の締め付けが進むに従い締付
けトルクが上昇し、2.5Kgf・mを越えたB点で食
込み部材の後ろ側薄肉部45の変形が起こり、締め付け
トルクの上昇がほとんどない状態になり、C点に達する
と締め付けが完了する。この締め付け管了位置でナット
3が本体の段部16に突き当り締め付けが完了する。
【0014】なお薄肉部45の強度はつば部44の強度
より強くまたある一定のナット締め付けトルクに達した
ら変形する強度を持ったもので、つば部の厚さの約2倍
から3倍程度が適当である。これにより接続する管の肉
厚寸法に変動があっても管への食込み量がほぼ一定で且
つナットの決められ対置、即ち本体の段部16へナット
端面が突き当たる位置で適正な締付けトルクで締付けを
終了させることが出来、接続に際して締付け不足や過度
の締付けトルクによる締付けを行って問題を発生させる
ことがなく、一定の締付け条件で適切な接続作業を行え
る。
【0015】図5は本発明の別の実施例を示すもので、
継手本体1とナット3との間に装着した食込み部材5
は、つば部54の付け根部に丸みがなく、破断しやすい
ように鋭角に形成してある。ナット3を締め付けた際、
締め付け推力でこのつば部54が本体の端部で切断され
て食込み部材5の外周面で分離する。この実施例の場合
も前記実施例と同様に、食込み部材が継手本体の正しい
位置に保持されるので管の挿入が容易に行われ、又ナッ
ト締め付け時につば部が破断してテーパ内面に押し込ま
れ、管への締め付けが進んである一定のナット締め付け
トルクになったら食込み部材の後側の案内部55が変形
してナットの締め付けが終了する。
【0016】
【発明の効果】上記説明のごとく本発明の管継手は、管
接続時にナットと食込み部材を分解して管に装着してか
ら接続する手間が省略され、継手本体に食込み部材とナ
ットを仮組した状態で、ナットの後側から接続管を継手
内に挿入するだけで接続が行え、食込み部材の組み付け
ミスがない。又管を挿入後ナットを締め付ける際、管の
外形寸法に多少のばらつき変動があっても、定められた
ナットの締め付け終了位置で、管への食込み量を一定に
してナットの締め付け作業が行え、締め付け量過大や締
め付け不足等がない均一な締め付け接続が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すナット締め付け前と締め
付け後の断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す食込み部材の斜視図であ
る。
【図3】図2の食込み部材の部分拡大断面図である。
【図4】ナットの締め付け量と締め付けトルクの関係を
示す図である。
【図5】別の実施例を示す締め付け前と締め付け後の断
面図である。
【図6】従来技術を示す部分断面図である。
【図7】別の従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体 2 管 3 ナット 4、5食込み部材 12 管装着部 14 筒状突出部 18 テ−パ内面 42 切割り 43 テ−パ外面 44、54 つば部 45 薄肉部 46 突起

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部にテーパ内面を有す継手本体と該継
    手本体に螺合するナットと前記継手本体とナットとの間
    に装着した食込み部材とからなり、前記ナットを締め付
    けることにより、食込み部材が継手本体内に装着した接
    続管の外面を縮径して接続管との気密と引き抜け阻止を
    行う管継手において、前記食込み部材は、前部に継手本
    体のテーパ内面に当接するテーパ外面と、外周面に継手
    本体の端面に当接するつば部と、後部に前記つば部の強
    度より大きいラッパ状の薄肉部とを有することを特徴と
    する管継手。
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