JP4741719B2 - 部品の連結装置 - Google Patents
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Description
このようなボルトを用いた眼鏡部品の連結構造では、眼鏡部品にボルトを挿通させてその先端の螺旋部にナット等を螺入し締め付けなければならない。しかし、眼鏡部品の連結に使用されるボルト及びナットは微小であることから、組立を行う作業者の負担が大きく、かつ、ボルトの挿通からナットの締め付けまで多大な時間を要して、眼鏡の組立コストを高くしているという問題がある。また、ナットの螺入や締め付けの際に、過度の力を眼鏡に加えてしまうと、レンズに割れや傷が生じ、眼鏡が不良品になるという問題がある。
さらに、長期の使用によりナットに緩みが生じて、連結された眼鏡部品にガタが生じるという問題がある。
この文献に記載の連結構造によれば、眼鏡部品の連結は容易になるが、雌型部材に雄型部材を嵌入しているだけなので、長期間使用するうちに雌型部材に対して雌型部材か緩み、ガタが発生するおそれがある。また、螺旋を用いていないため、所定の締結力で連結する必要がある眼鏡部品の連結には不向きであるという問題もある。
この連結構造では、ボルトの螺旋山がナットの不完全螺旋溝に食い付いて螺合されるため、緩み止めという点ではある程度の効果は期待できるが、微小なボルトにナットを螺合しなければならないという問題は解決することはできない。
さらに特許文献3には、ねじを一切使用せずに眼鏡部品を連結する連結構造が開示されているが、レンズとヨロイのように所定の締結力で密着させて連結する眼鏡部品には不向きであり、また、いったん組み立てた後は、眼鏡部品を分解するのが容易ではないという問題がある。
また、連結装置をドライバ等で回転させることで、係止部が螺旋溝に係合し、スリットが形成された胴部を縮径させながら、連結装置を螺旋孔及び貫通孔から容易に抜き取ることができ、いったん連結した部品の分解も簡単である。
前記係止部の形状は、螺旋孔の螺旋溝と一致した形状であってもよいし、頂角の角度が異なる別形状のものとしてもよい。頂角の角度は、螺旋溝の谷の角度よりも小さくしてもよいが、請求項5に記載するように、前記螺旋孔の螺旋溝の頂角と同一又は螺旋溝の頂角よりも大きく形成するとよい。このようにすることで、さらに高い緩み止め効果を期待できる。
また、請求項6に記載するように、前記螺旋孔の螺旋の傾斜角度と異なる突起のほか、前記螺旋の傾斜角度と同一方向に傾斜する突起を少なくとも一つ形成してもよい。
また、長期にわたってガタが生じない部品の連結構造を得ることができる。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の連結装置を用いた眼鏡の第一の実施形態で、その正面図である。この第一の実施形態では、レンズとヨロイとの連結部分に本発明の連結装置を適用している。
縁無し眼鏡であるツーポイント眼鏡1(以下、眼鏡1と記載する)は、左右のレンズ11,11と、このレンズ11,11を連結する中央のブリッジ12と、左右のレンズ11,11の両端に取り付けられたヨロイ13,13とを有している。
この実施形態において連結装置は、レンズ11,11とブリッジ12との連結部分2A,2A及びレンズ11,11とヨロイ13,13との連結部分2B,2Bに用いられる。
連結部分2Bは、レンズ11の表面から裏面に向けて貫通形成された二つの貫通孔11a,11aと、この貫通孔11a,11aに位置合わせしてヨロイ13に形成された二つの螺旋孔13a,13aと、レンズ11の表面側から貫通孔11a,11aを挿通してヨロイ13の螺旋孔13a,13aに挿入される連結具20,20とを有している。
なお、連結具20は、レンズ11,11とヨロイ13,13、レンズ11,11とブリッジ12に限らず、連結する必要がある眼鏡部品であればあらゆる箇所に適用が可能である。また、金属や樹脂など、眼鏡部品の材質は問わない。
連結具20は、レンズ11の貫通孔11a及びヨロイ13の螺旋孔13aに挿入される胴部22と、この胴部22の一端に形成され、ドライバ等の工具の先端と係合する係合溝21aを上端面に有する頭部21と、胴部22の他端に形成され、胴部22から径方向に張り出し形成された係止部24と、胴部22の他端か軸線Zに沿って胴部22の途中部位まで切り込み形成されたスリット23とを有している。
係止部24は、胴部22の軸線Zに対して直交する方向に一条形成されている。また、係止部24は、図3(b)に示すように、胴部22の外径Dと同一長さの短軸と、スリット23を横断して前記短軸と直交し、螺旋孔13aの呼び径と同一長さの長軸とからな楕円状に形成されている。
スリット23を横断する方向に係止部24を張り出させるのは、連結具20を貫通孔11a及び螺旋孔13aに挿入する際又は貫通孔11a及び螺旋孔13aから抜脱する際に、係止部24が形成された端部をスリット23の作用によって長軸方向に弾性変形させて、挿入又は抜脱を容易にするためである。
例えば、係止部24の長軸方向における最大張り出し寸法Sは、螺旋溝の谷の深さとほぼ同じで、上記したM1.4の螺旋孔13aの例では約0.1mmとしてある。また、係止部24の頂角αは、螺旋孔13aの螺旋溝の谷の角度(図3(c)において符号βで示す角度)とほぼ同じにするとよい。
なお、図3(c)に示すように、係止部24の頂角αを、螺旋孔13aの螺旋溝の谷の角度βよりも若干大きめ(例えば、β=90°に対してα=100°〜120°程度)にすることで、さらに高い緩み止め効果が期待できる。
レンズ11とヨロイ13とを連結する際には、貫通孔11と螺旋孔13aとを位置合わせしながらレンズ11とヨロイ13とを密着させる。そして、この状態で、連結具20の胴部22を、頭部21がレンズ11の表面に当接するまで、他端から貫通孔11a及び螺旋孔13aに押し込む。この際、スリット23と係止部24が形成された胴部22の端部が縮径し、係止部24が貫通孔11a及び螺旋孔13aを通って螺旋孔13aに挿入される。この後、係止部24が螺旋孔13aの螺旋溝に係合した状態で、レンズ11とヨロイ13とを一定の締結力で連結すべく、頭部21の溝21aにドライバ3等の工具の先端を差し込んで、締め付け方向に連結具20を半回転程度回転させる。
係止部24は螺旋孔13aの螺旋溝と係合しているので、連結具20を一方に強制的に回転させることで係止部24が螺旋溝に案内されながら螺旋孔13aの内部を移動することになる。これにより、連結具20をレンズ11の貫通孔11a及びヨロイ13の螺旋孔13aから抜脱させることが可能になり、レンズ11とヨロイ13との連結を解除することができる。
本発明の連結装置の第二の実施形態を、図5及び図6を参照しながら説明する。この第二の実施形態では、眼鏡部品であるヒンジ18とテンプル17とを連結するものとして説明する。
図5は、この実施形態における連結具の詳細を説明する図で、図5(a)はその正面図、同(b)は(a)のI方向矢視図である。また、図6は、第二の実施形態におけるヒンジとテンプルとの連結構造を説明する断面図である。
なお、以下の説明及び図5,図6において、第一の実施形態の連結具20に対応する部位には、「′」付で同じ符号を付すものとし、詳しい説明は省略する。
この場合、軸孔181a及び軸孔17aの内周面と胴部22′との間にスリーブを介在させたり、軸孔181a及び軸孔17aの内周面と胴部22′との間の摩擦抵抗を小さくすることで、テンプル17をヒンジ18に対して回転させたときに連結具20′が連れ回りする危険性を低減させることができる。
次に、本発明の第三の実施形態を、図7を参照しながら説明する。
図7は、ヨロイとレンズとを連結する連結具の第三の実施形態にかかり、その連結構造を説明する断面図である。
なお、この実施形態の連結具は、第一の実施形態の連結具と基本的に同じであるため、同一部材及び同一部位には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
例えば、上記の説明では、係止部24は胴部22の一端に一条のみ形成しているが、螺旋孔13aの螺旋溝のピッチと同一間隔で複数形成してもよい。また、図8に示すように、係止部24を複数条(図8の例では二条)形成する場合においては、頭部21側に位置する少なくとも一条(符号24″で示す)を、螺旋溝の螺旋方向と同じ傾斜角で形成してもよい。
また、上記では、二つの部品を連結する場合についてのみ説明しているが、本発明は三つ以上の部品を重ね合わせて連結する場合にも適用が可能である。
11 レンズ
11a 貫通孔
12 ブリッジ
13 ヨロイ
13a 螺旋孔
14 弾性部材
17 テンプル
18 ヒンジ
20 連結具
21 頭部
21a 係合溝
22 胴部
23 スリット
24,24′,24″ 係止部
Claims (6)
- 二以上の部品を連結するための連結装置であって、
一の前記部品に形成された貫通孔から他の前記部品と連結するための螺旋孔に挿通され、前記螺旋孔の内径と同一の外径を有する胴部と、
この胴部の一端に形成され、前記一の部品に係止される頭部と、
前記胴部の他端外周に、前記胴部の軸線と直交する平面内で前記胴部を周回するように突出形成され、かつ、前記螺旋孔の螺旋溝と係合する螺旋山として形成された少なくとも一条の係止部と、
前記胴部の前記他端から、前記胴部の軸線方向に切り込み形成され、前記胴部の径方向への弾性変形を可能にする少なくとも一つのスリットと、
を有することを特徴とする部品の連結装置。 - 前記係止部は、前記胴部の外径と同一長さの短軸と、前記スリットを横断して前記短軸と直交し、前記螺旋孔の呼び径と同一長さの長軸とからな楕円状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品の連結装置。
- 前記胴部は、前記頭部が前記一の部品に当接するまで押し込んだときに、前記係止部が前記螺旋孔から突出する長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の部品の連結装置。
- 前記部品と部品との間又は前記部品と前記頭部との間に挿入され、前記部品を弾発して所望の締結力で前記部品どうしを連結する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載の部品の連結装置。
- 前記係止部の頂角を、前記螺旋孔の螺旋溝の頂角と同一又は螺旋溝の頂角よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品の連結装置。
- 前記螺旋孔の螺旋溝と同一方向に傾斜する螺旋山を少なくとも一条形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の部品の連結装置。
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