JP2653218B2 - うるし調塗膜の形成方法 - Google Patents

うるし調塗膜の形成方法

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JP2653218B2 JP2115276A JP11527690A JP2653218B2 JP 2653218 B2 JP2653218 B2 JP 2653218B2 JP 2115276 A JP2115276 A JP 2115276A JP 11527690 A JP11527690 A JP 11527690A JP 2653218 B2 JP2653218 B2 JP 2653218B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、透明感および深み感のあるうるし調塗膜
の形成方法に関する。
(従来の技術) 従来の透明感および深み感のあるうるし調塗膜の形成
方法としては、次に示すような方法がある。第1の方法
として、鋼板に電着および中塗を塗装焼付後顔料および
アルミニウムを含むベースコートと染料を含むカラーク
リヤをウェットオンウェットで塗装し焼付て塗膜を形成
する方法、第2の方法として、鋼板に電着塗装し焼付け
(例えば165℃×30分)、中塗り塗装し焼付(例えば140
℃×30分)、顔料およびアルミニウムを含むベースコー
トを塗装し、ウェットオンウェットて透明クリヤを塗装
し、焼付け(例えば140℃×30分)、次いで微粒化顔料
又は染料を含むカラークリヤを塗装し、ウェットオンウ
ェットで透明クリヤを塗装し焼付ける(例えば140℃×3
0分)塗膜形成方法がある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記第1の方法によると、うるし調塗
膜は染料の耐候性が悪いため長期の屋外暴露によって劣
化し、変色、退色等の不具合現象を生じ、ワックスがけ
を行っても初期の透明感、深み感が回復しないため商品
性が低下するという問題点がある。また前記第2の方法
にあっては、上塗りの塗膜構成がベースコート、透明ク
リヤ、カラークリヤ、透明クリヤの4層からなっている
ため、通常のメタリック塗色およびソリッド塗色のよう
な2層もしくは1層から成る塗膜構成に比べ塗装回数、
焼付け回数が多くなり、工程が増大し、それに伴って生
産性が低下するという問題点があった。
(課題を解決するための手段) 発明者らは上記従来の問題点を解決すべく鋭意研究の
結果、上塗り塗膜を、顔料およびアルミニウムを含むベ
ースコートと微粒化顔料を含むクリヤーコートから構成
し、顔料を(a)アントラキノン系、(b)フタロシア
ニンまたは(c)カーボンとするか、または上塗り塗膜
構成をベースコート/透明クリヤ/カラークリヤの3コ
ート2ベーク方式とすることにより問題点を解決し得る
ことを知見し、この発明を達成するに至った。
従って本発明の第1発明は、電着塗料および中塗り塗
料を塗装焼付けた塗膜上に、塗料固形分に対して13重量
%以下となるようにアルミニウム粉を含むベースコート
を塗装し、ウェットオンウェットで塗料固形分に対して
0.5〜5重量%の範囲で、かつ粒径0.01〜0.3μmの範囲
で微粒化顔料を含むカラークリヤを塗装焼付けることを
特徴とするうるし調塗膜の形成方法に関するものであ
る。
また第2発明は電着塗料および中塗り塗料を塗装焼付
けた塗膜上に、塗料固形分に対して13重量%以下となる
ようにアルミニウム粉を含むベースコートを塗装し、ウ
ェットオンウェットで透明クリヤを塗装焼付け、さらに
塗料固形分に対して0.5〜5重量%の範囲で、かつ粒径
0.01〜0.3μmの範囲で微粒化顔料を含むカラークリヤ
を塗装して焼付けることを特徴とするうるし調塗膜の形
成方法に関するものである。
第1発明においては、従来のうるし調塗膜の形成方法
と同様にして、電着塗料および中塗り塗料を塗装し、焼
付けた塗膜上に先ずベースコートを塗装する。この際透
明感を確保するために、ベースコートには顔料とアルミ
ニウム粉が含まれており、透明感を確保するためにアル
ミニウム粉は塗料固形分に対し、13重量%以下にするこ
とが必要である。ベースコートに含まれるアルミニウム
量を塗料固形分に対して13重量%以下にすることで透明
感を助長させており、13重量%より多くなると透明感が
低下する。赤系塗色および青系塗色では8重量%以下、
黒の場合0.5重量%以下が望ましい。
さらにカラークリヤはアクリルポリオールあるいはふ
っ素樹脂変性アクリルポリオールと硬化剤からなってい
る。硬化剤はメラミンあるいはイソシアネートである。
また、カラークリヤには微粒化顔料が含まれており、該
微粒化顔料の粒径は0.01〜0.3μmで、赤系、青系塗色
では0.2〜0.3μmが望ましい。そして微粒化顔料の含有
量は塗料固形分に対して0.5〜5重量%とし、透明感お
よび耐候性を確保できる機能を持たせたものである。微
粒化顔料が0.5重量未満または5重量%より多いと、塗
膜の深み感、透明感の効果が少ない。塗膜の深み感、透
明感の効果を最大限に発揮させるためには、2〜4重量
%が最も良い。また微粒化顔料の粒径について0.01μm
未満の顔料は凝集を起こすため、貯蔵安定性に欠ける。
また0.3μmより大では耐候性が劣る。
更に顔料としては、カラークリヤの耐候性を確保すべ
く(a)アントラキノン系、(b)フタロシアーン、
(c)カーボンを使用する。
第1発明の一例方法においては、先ず鋼板を化成処理
した後、電着塗装を施し、165℃にて30分間焼付を行な
い電着塗膜を得る。この塗膜の上に中塗りを塗装し140
℃で30分間焼付ける。この塗膜上に透明感を助長する機
能を有するベースコートを塗装し、ウェットオンウェッ
トにて透明感および耐候性を確保する機能を持つカラー
クリヤを塗装焼付け、本発明のうるし調塗膜を形成す
る。ここで用いられる電着塗装および中塗り塗装は一般
的に自動車の車体用として用いられているものである。
第1図に第1発明の方法により得られた塗装鋼板の塗
膜構成を示す。第1図において、1は鋼板、2は電直塗
装塗膜、3は中塗り塗膜、4はベースコート層、5はカ
ラークリヤ層を示し、Bは焼付け、W/Wはウェットオン
ウェットを表わす。
次に第2発明においては、電着塗装からベースコート
層までを第1発明の方法と同様にして塗装し、この塗膜
の上にウェットオンウェットで透明クリヤにはアクリル
ポリオールと硬化剤としてメラミンを用いるのが好まし
い。次いでふっ素樹脂変性アクリルポリオールと硬化剤
であるメラミンまたはイソシアネートを用いてカラーク
リヤと塗装シ焼付けることにより塗膜を形成する。この
ようにして第2発明の方法により形成された塗膜構成を
第2図に示す。第2図において番号および記号は第1図
のものと同じものを示し、6は透明クリヤ層を示す。尚
ベースコートは第1発明の場合と同様に顔料又は顔料と
アルミニウムを含有しており、アルミニウムの含有量は
塗料固形分に対して13重量%以下である。望ましくは、
赤系、青系の場合、塗料固形分に対して8重量%で、黒
の場合は、塗料固形分に対して0.5重量%以下である。
カラークリヤは微粒化顔料を含んでおり、粒径は0.01〜
0.3μmで、望ましくは、赤系、青系では0.2〜0.4μm
とする。また微粒化顔料含有量は塗料固形分に対して0.
5〜5重量%で、望ましくは2〜4重量%である。
また透明クリヤとカラークリヤの間にベースコートの
顔料を除いたクリヤを追加塗装してもよい。
(実施例) 以下この発明を実施例および比較例により説明する。
実施例1〜10,比較例1〜4 冷延鋼板(70×150×0.8mm)をリン酸亜鉛処理(グラ
ノジンDP4000,日本ペイント(株)製)し、下塗り塗料
(パワートップU100,日本ペイント(株)製)を膜厚が2
0μmとなるように電着塗装した後、165℃で30分間焼付
けた。次にこの電着塗膜の上に、中塗り塗料(オルガS9
3,日本ペイント(株)製)をエアスプレーで塗膜が35μ
mとなるように塗布し、140℃で30分間焼付けた。次に
この塗膜上に実施例1〜10および比較例1〜4では表−
1に示すベースコート塗料を15μm塗布し、次いで実施
例1〜8、比較例1〜4では表−1に示すカラークリヤ
を、実施例9,10では表−2に示すカラークリヤを、それ
ぞれウェットオンウェットで30μm塗布し、140℃で30
分焼付け、それぞれ実施例1〜10、比較例1〜4の試験
板とした。これ等の試験板につき下記の評価方法により
塗膜性能を評価し、得た結果を表−3に示す。尚表−3
にはベースコートに含まれるアルミニウム含有量および
カラークリヤに含まれる顔料につき示す。
塗膜性能評価方法 (1)塗膜密着性 25個のゴバン目を作り、粘着テープで剥離し、塗膜の
密着性を評価する。塗膜の残存数を示す。
(2)耐候性 JIS D 0205「耐候性試験通則」に規定されたサンシャ
インウェザオメータ(スガ試験機(株)製)により耐候
性試験を行った後、下記各項目を評価する。
(試験条件) ブラックパネル温度 63℃ 雨有り 時間 750時間 (評価項目) ΔE:色差(スガ試験機(株)製、SMカラーコンピュータ
ーで測定) (3)透明感 目視により塗膜の透明感を観察する。
(4)深み感 目視により塗膜の深み感を観察する。
実施例11〜16,比較例5〜7 冷延鋼板(70×150×0.8mm)をリン酸亜鉛処理(グラ
ノジンDP4000,日本ペイント(株)製)し、下塗り塗料
(パワートップU100,日本ペイント(株)製)を膜厚が2
0μmとなるように電着塗装した後、175℃で30分間焼付
けた。次にこの電着塗膜の上に、中塗り塗料(オルガS9
3,日本ペイント(株)製)をエアスプレーで塗膜が35μ
mとなるように塗布し、140℃で30分間焼付けた。次に
この塗膜上に表−4に示すベースコート塗料を15μm塗
布し、ウェットオンウェットで透明クリヤを15μm塗布
し、140℃で30分焼付けた。更にカラークリヤを15μm
塗布し140℃で30分焼付け、それぞれ実施例11〜16およ
び比較例5〜7の試験板とした。これ等の試験板につき
前記の評価方法で塗膜性能を評価し、得た結果を表−5
に示す。尚表−5にもベースコートに含まれるアルミニ
ウム含有量およびカラークリヤに含まれる顔料につき示
す。
(発明の効果) 以上説明してきたように、この発明によれば、中塗塗
膜上の上塗り塗膜を、顔料およびアルミニウムを含むベ
ースコートと微粒化顔料を含み、かつ顔料が(a)アン
トラキノン系、(b)フタロシアニンまたはカーボンと
したカラークリヤから成るように形成するか、またはベ
ースコート/透明クリヤ/ふっ素樹脂カラークリヤの3
コート2ベーク(3層2回焼付け)方式とすることによ
り、透明感および深み感があり、耐候性が良好な塗膜が
得られ、新イメージのため商品性が向上するという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれこの発明の方法により形
成した塗装鋼板の塗膜構成を示すための塗装鋼板の拡大
側面図である。 1……鋼板、2……電着塗装塗膜 3……中塗り塗膜、4……ベースコート層 5……カラークリヤ層、6……透明クリヤ層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電着塗料および中塗り塗料を塗装焼付けた
    塗膜上に、塗料固形分に対して13重量%以下となるよう
    にアルミニウム粉を含むベースコートを塗装し、ウェッ
    トオンウェットで塗料固形分に対して0.5〜5重量%の
    範囲で、かつ粒径0.01〜0.3μmの範囲で微粒化顔料を
    含むカラークリヤを塗装焼付けることを特徴とするうる
    し調塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】電着塗料および中塗り塗料を塗装焼付けた
    塗膜上に、塗料固形分に対して13重量%以下となるよう
    にアルミニウム粉を含むベースコートを塗装し、ウェッ
    トオンウェットで透明クリヤを塗装焼付け、さらに塗料
    固形分に対して0.5〜5重量%の範囲で、かつ粒径0.01
    〜0.3μmの範囲で微粒化顔料を含むカラークリヤを塗
    装して焼付けることを特徴とするうるし調塗膜の形成方
    法。
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