JPH09310032A - 自動車用電着塗膜及びこれを用いた自動車用塗膜 - Google Patents
自動車用電着塗膜及びこれを用いた自動車用塗膜Info
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- JPH09310032A JPH09310032A JP8150269A JP15026996A JPH09310032A JP H09310032 A JPH09310032 A JP H09310032A JP 8150269 A JP8150269 A JP 8150269A JP 15026996 A JP15026996 A JP 15026996A JP H09310032 A JPH09310032 A JP H09310032A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電着塗膜と上塗り塗膜とからなる2コート塗
装を実現する。 【解決手段】 二酸化チタンの含有量がカーボンブラッ
クの含有量に対して200%〜500%、顔料の含有量
が5.5重量%以下である電着塗膜2を用いる。この電
着塗膜2上に上塗り塗膜4を形成し、中塗り塗膜を省略
する。二酸化チタン含有量/カーボンブラック含有量の
調整により隠蔽性が向上し、顔料含有量の調整により耐
チッピング性が向上する。
装を実現する。 【解決手段】 二酸化チタンの含有量がカーボンブラッ
クの含有量に対して200%〜500%、顔料の含有量
が5.5重量%以下である電着塗膜2を用いる。この電
着塗膜2上に上塗り塗膜4を形成し、中塗り塗膜を省略
する。二酸化チタン含有量/カーボンブラック含有量の
調整により隠蔽性が向上し、顔料含有量の調整により耐
チッピング性が向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体や自動
車部品等の表面に形成される電着塗膜及びこれを用いた
自動車用塗膜に関し、特に上塗り隠蔽性と耐チッピング
性に優れた電着塗膜と、この電着塗膜を用いた2コート
塗膜に関する。
車部品等の表面に形成される電着塗膜及びこれを用いた
自動車用塗膜に関し、特に上塗り隠蔽性と耐チッピング
性に優れた電着塗膜と、この電着塗膜を用いた2コート
塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車車体の塗装系は、図2に示
すように、鋼板1表面に形成された電着塗膜2、この電
着塗膜2の表面に形成された中塗り塗膜3、およびこの
中塗り塗膜3の表面に形成された上塗り塗膜4の3コー
トで構成されている。このうちの電着塗膜2は、車体の
外板のみならず内板や袋状内面にも形成され、主として
鋼板1の防錆を目的とする塗膜である。また、上塗り塗
膜4としては、図2に示されたアルミなどの光輝性顔料
を含んだメタリック塗膜と、図示はしないが光輝性顔料
を含まないソリッド塗膜とが知られており、鋼板の防錆
性能を高めることは勿論、自動車の意匠的商品価値を高
めることを目的とした塗膜である。
すように、鋼板1表面に形成された電着塗膜2、この電
着塗膜2の表面に形成された中塗り塗膜3、およびこの
中塗り塗膜3の表面に形成された上塗り塗膜4の3コー
トで構成されている。このうちの電着塗膜2は、車体の
外板のみならず内板や袋状内面にも形成され、主として
鋼板1の防錆を目的とする塗膜である。また、上塗り塗
膜4としては、図2に示されたアルミなどの光輝性顔料
を含んだメタリック塗膜と、図示はしないが光輝性顔料
を含まないソリッド塗膜とが知られており、鋼板の防錆
性能を高めることは勿論、自動車の意匠的商品価値を高
めることを目的とした塗膜である。
【0003】これに対して、電着塗膜2と上塗り塗膜4
との間に形成される中塗り塗膜3は、鋼板の防錆性能
や、電着塗膜と上塗り塗膜との密着性を高める以外に
も、上塗り塗膜4を形成した際の下塗り塗膜を隠蔽する
目的をも有している。
との間に形成される中塗り塗膜3は、鋼板の防錆性能
や、電着塗膜と上塗り塗膜との密着性を高める以外に
も、上塗り塗膜4を形成した際の下塗り塗膜を隠蔽する
目的をも有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車の錆
環境によっては、電着塗膜と上塗り塗膜のみの防錆性能
で充分対処できることもあることから、コストダウンを
目的として、中塗り塗膜を省略した、いわゆる2コート
塗装の検討が行われている。しかしながら、従来の電着
塗膜を用いて2コート塗装を行うと、例えば隠蔽性の低
いホワイトやレッド系の上塗り塗膜では、電着塗膜の色
を隠蔽できず、目的とする色彩を得ることができなかっ
た。また、電着塗膜と上塗り塗膜との密着性が低下する
ため、走行時のチッピング(飛び石)に対して上塗り塗
膜が剥がれるという問題もあった。
環境によっては、電着塗膜と上塗り塗膜のみの防錆性能
で充分対処できることもあることから、コストダウンを
目的として、中塗り塗膜を省略した、いわゆる2コート
塗装の検討が行われている。しかしながら、従来の電着
塗膜を用いて2コート塗装を行うと、例えば隠蔽性の低
いホワイトやレッド系の上塗り塗膜では、電着塗膜の色
を隠蔽できず、目的とする色彩を得ることができなかっ
た。また、電着塗膜と上塗り塗膜との密着性が低下する
ため、走行時のチッピング(飛び石)に対して上塗り塗
膜が剥がれるという問題もあった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、上塗り塗膜の色彩実現性と
上塗り塗膜との密着性に優れた自動車用電着塗膜と、こ
れを用いた廉価な自動車用塗膜を提供することを目的と
する。
鑑みてなされたものであり、上塗り塗膜の色彩実現性と
上塗り塗膜との密着性に優れた自動車用電着塗膜と、こ
れを用いた廉価な自動車用塗膜を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、中塗り塗膜
を省略した2コート塗装を実施するにあたり、隠蔽性と
密着性の問題を鋭意検討したところ、電着塗膜に含まれ
る二酸化チタンとカーボンブラックの含有量比が隠蔽性
に相関があること、及び電着塗膜の顔料含有量が上塗り
塗膜の密着性に相関があることを見出し、本発明を完成
するに至った。
を省略した2コート塗装を実施するにあたり、隠蔽性と
密着性の問題を鋭意検討したところ、電着塗膜に含まれ
る二酸化チタンとカーボンブラックの含有量比が隠蔽性
に相関があること、及び電着塗膜の顔料含有量が上塗り
塗膜の密着性に相関があることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、上記目的を達成するために、請
求項1記載の本発明の自動車用電着塗膜は、二酸化チタ
ンの含有量がカーボンブラックの含有量に対して200
%〜500%であることを特徴とする。この請求項1記
載の自動車用電着塗膜では、カーボンブラックに対して
二酸化チタンが2〜5倍含有されているので、電着塗膜
の明度指数が上塗り塗膜の隠蔽性に良好な範囲となる。
このとき、二酸化チタンの含有量がカーボンブラックの
含有量に対して100%以下、すなわちカーボンブラッ
クの含有比率が高すぎると、電着塗膜の明度指数が小さ
くなり、特にホワイトやレッド系の上塗り塗膜において
目的とする色彩を得ることができない。また、二酸化チ
タンの含有量がカーボンブラックの含有量に対して60
0%以上、すなわちカーボンブラックの含有比率が低す
ぎると、電着塗膜の明度指数が大きくなり、特にブラッ
クやブルー系の上塗り塗膜において目的とする色彩を得
ることができない。
求項1記載の本発明の自動車用電着塗膜は、二酸化チタ
ンの含有量がカーボンブラックの含有量に対して200
%〜500%であることを特徴とする。この請求項1記
載の自動車用電着塗膜では、カーボンブラックに対して
二酸化チタンが2〜5倍含有されているので、電着塗膜
の明度指数が上塗り塗膜の隠蔽性に良好な範囲となる。
このとき、二酸化チタンの含有量がカーボンブラックの
含有量に対して100%以下、すなわちカーボンブラッ
クの含有比率が高すぎると、電着塗膜の明度指数が小さ
くなり、特にホワイトやレッド系の上塗り塗膜において
目的とする色彩を得ることができない。また、二酸化チ
タンの含有量がカーボンブラックの含有量に対して60
0%以上、すなわちカーボンブラックの含有比率が低す
ぎると、電着塗膜の明度指数が大きくなり、特にブラッ
クやブルー系の上塗り塗膜において目的とする色彩を得
ることができない。
【0008】また、上記目的を達成するために、請求項
2記載の本発明の自動車用電着塗膜は、顔料の含有量が
5.5重量%以下であることを特徴とする。この請求項
2記載の自動車用電着塗膜では、顔料の含有量が少ない
ので、電着塗膜と上塗り塗膜との密着性が高くなり、走
行時のチッピングによる塗膜剥がれを防止することがで
きる。電着塗膜における顔料の含有量が6.0重量%以
上になると、上塗り塗膜との密着性が低下し、チッピン
グに対して上塗り塗膜が剥がれるので好ましくない。
2記載の本発明の自動車用電着塗膜は、顔料の含有量が
5.5重量%以下であることを特徴とする。この請求項
2記載の自動車用電着塗膜では、顔料の含有量が少ない
ので、電着塗膜と上塗り塗膜との密着性が高くなり、走
行時のチッピングによる塗膜剥がれを防止することがで
きる。電着塗膜における顔料の含有量が6.0重量%以
上になると、上塗り塗膜との密着性が低下し、チッピン
グに対して上塗り塗膜が剥がれるので好ましくない。
【0009】上記請求項1及び2記載の自動車用電着塗
膜の構成は、それぞれ単独で実施しても良いが、請求項
3記載の本発明の自動車用電着塗膜は、二酸化チタンの
含有量がカーボンブラックの含有量に対して200%〜
500%であり、かつ顔料の含有量が5.5重量%以下
であることを特徴とする。この請求項3記載の電着塗膜
では、二酸化チタンとカーボンブラックの含有比率を適
切な範囲に設定することにより、上塗り塗膜の隠蔽性が
向上し、しかも顔料の含有量を適切な範囲に設定するこ
とにより、上塗り塗膜との密着性も向上することとな
る。
膜の構成は、それぞれ単独で実施しても良いが、請求項
3記載の本発明の自動車用電着塗膜は、二酸化チタンの
含有量がカーボンブラックの含有量に対して200%〜
500%であり、かつ顔料の含有量が5.5重量%以下
であることを特徴とする。この請求項3記載の電着塗膜
では、二酸化チタンとカーボンブラックの含有比率を適
切な範囲に設定することにより、上塗り塗膜の隠蔽性が
向上し、しかも顔料の含有量を適切な範囲に設定するこ
とにより、上塗り塗膜との密着性も向上することとな
る。
【0010】一方、請求項4記載の本発明の自動車用塗
膜は、請求項1〜3の何れかに記載の電着塗膜と、前記
電着塗膜上に形成された上塗り塗膜とからなることを特
徴とする。上述した請求項1〜3記載の自動車用電着塗
膜は、2コート塗装にのみ限定されず3コート塗装や4
コート塗装にも適用できるが、請求項4記載の自動車用
塗膜では、隠蔽性及び密着性に優れた電着塗膜を用いた
2コート塗装としているので、塗膜物性や塗膜意匠性を
確保しつつ、中塗り塗膜を省略することによるコストダ
ウンを実現することができる。
膜は、請求項1〜3の何れかに記載の電着塗膜と、前記
電着塗膜上に形成された上塗り塗膜とからなることを特
徴とする。上述した請求項1〜3記載の自動車用電着塗
膜は、2コート塗装にのみ限定されず3コート塗装や4
コート塗装にも適用できるが、請求項4記載の自動車用
塗膜では、隠蔽性及び密着性に優れた電着塗膜を用いた
2コート塗装としているので、塗膜物性や塗膜意匠性を
確保しつつ、中塗り塗膜を省略することによるコストダ
ウンを実現することができる。
【0011】
【発明の効果】請求項1記載の自動車用電着塗膜によれ
ば、カーボンブラックに対して二酸化チタンが2〜5倍
含有されているので、電着塗膜の明度指数が、上塗り塗
膜の隠蔽性に良好な範囲となり、目的とする上塗り塗膜
の色彩を得ることができる。
ば、カーボンブラックに対して二酸化チタンが2〜5倍
含有されているので、電着塗膜の明度指数が、上塗り塗
膜の隠蔽性に良好な範囲となり、目的とする上塗り塗膜
の色彩を得ることができる。
【0012】請求項2記載の自動車用電着塗膜によれ
ば、顔料の含有量が少ないので、電着塗膜と上塗り塗膜
との密着性が高くなり、走行時のチッピングによる塗膜
剥がれを防止することができる。
ば、顔料の含有量が少ないので、電着塗膜と上塗り塗膜
との密着性が高くなり、走行時のチッピングによる塗膜
剥がれを防止することができる。
【0013】請求項3記載の自動車用電着塗膜によれ
ば、上塗り塗膜の隠蔽性が向上することにより、目的と
する上塗り塗膜の色彩を得ることができ、しかも、上塗
り塗膜との密着性も向上することにより、走行時のチッ
ピングによる塗膜剥がれを防止することができる。
ば、上塗り塗膜の隠蔽性が向上することにより、目的と
する上塗り塗膜の色彩を得ることができ、しかも、上塗
り塗膜との密着性も向上することにより、走行時のチッ
ピングによる塗膜剥がれを防止することができる。
【0014】請求項4記載の自動車用塗膜によれば、隠
蔽性及び密着性に優れた電着塗膜を用いた2コート塗装
としているので、塗膜物性や塗膜意匠性を確保しつつ、
中塗り塗膜を省略することによるコストダウンを実現す
ることができる。
蔽性及び密着性に優れた電着塗膜を用いた2コート塗装
としているので、塗膜物性や塗膜意匠性を確保しつつ、
中塗り塗膜を省略することによるコストダウンを実現す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の自動車用塗膜の実施
形態を示す断面図であり、車体の塗膜構成を2コートと
している。すなわち、鋼板製車体パネル1に電着塗膜2
を形成し、その上に直接上塗り塗膜4を形成する。
基づいて説明する。図1は本発明の自動車用塗膜の実施
形態を示す断面図であり、車体の塗膜構成を2コートと
している。すなわち、鋼板製車体パネル1に電着塗膜2
を形成し、その上に直接上塗り塗膜4を形成する。
【0016】電着塗膜2の種類や塗布膜厚等は、後述す
る二酸化チタン/カーボンブラック含有比率と、顔料の
含有量とを除き、特に限定されず、例えばカチオン電着
を採用することができる。電着塗膜2を形成するにあた
っては、表面調整、化成処理などの前処理工程を経たの
ち、例えばフルディップ塗装によって車体全体に電着塗
装を施し、所定の温度で焼き付けることにより電着塗膜
2が形成される。
る二酸化チタン/カーボンブラック含有比率と、顔料の
含有量とを除き、特に限定されず、例えばカチオン電着
を採用することができる。電着塗膜2を形成するにあた
っては、表面調整、化成処理などの前処理工程を経たの
ち、例えばフルディップ塗装によって車体全体に電着塗
装を施し、所定の温度で焼き付けることにより電着塗膜
2が形成される。
【0017】電着塗膜2上に形成される上塗り塗膜4
は、メタリック塗膜であって、ベースコート4aとクリ
アコート4bから構成される2コート1ベークの上塗り
塗膜である。すなわち、ベースコート塗料は、ポリエス
テル系樹脂やアクリル系樹脂を主成分とし、これに着色
顔料の他、光輝性顔料であるアルミ顔料が含まれてい
る。これに対してクリアコート塗料は、顔料を含まない
塗料であって例えばポリエステル系樹脂やアクリル樹脂
などを主成分とする。これらベースコート4aとクリア
コート4bは、いわゆるウェットオンウェットで塗装さ
れたのち、所定の温度で焼き付けられ、これにより上塗
り塗膜4が形成される。本実施形態では、電着塗膜2に
おける二酸化チタンの含有量をカーボンブラックの含有
量に対して200%〜500%とし、さらに同じく電着
塗膜2における顔料の含有量を5.5重量%以下として
いる。
は、メタリック塗膜であって、ベースコート4aとクリ
アコート4bから構成される2コート1ベークの上塗り
塗膜である。すなわち、ベースコート塗料は、ポリエス
テル系樹脂やアクリル系樹脂を主成分とし、これに着色
顔料の他、光輝性顔料であるアルミ顔料が含まれてい
る。これに対してクリアコート塗料は、顔料を含まない
塗料であって例えばポリエステル系樹脂やアクリル樹脂
などを主成分とする。これらベースコート4aとクリア
コート4bは、いわゆるウェットオンウェットで塗装さ
れたのち、所定の温度で焼き付けられ、これにより上塗
り塗膜4が形成される。本実施形態では、電着塗膜2に
おける二酸化チタンの含有量をカーボンブラックの含有
量に対して200%〜500%とし、さらに同じく電着
塗膜2における顔料の含有量を5.5重量%以下として
いる。
【0018】かかる電着塗膜2を用いることにより、二
酸化チタンとカーボンブラックの含有比率の構成によ
り、電着塗膜2の明度指数が調整されるので、上塗り塗
膜4の隠蔽性が向上する。また、電着塗膜2の顔料の含
有量を極力少なくすることにより、上塗り塗膜4との密
着性も向上し、チッピングに対する上塗り塗膜4の剥が
れを防止することができる。したがって、中塗り塗膜を
省略しても、塗膜物性や色彩品質に何ら問題なく、コス
トダウンを図ることができる。
酸化チタンとカーボンブラックの含有比率の構成によ
り、電着塗膜2の明度指数が調整されるので、上塗り塗
膜4の隠蔽性が向上する。また、電着塗膜2の顔料の含
有量を極力少なくすることにより、上塗り塗膜4との密
着性も向上し、チッピングに対する上塗り塗膜4の剥が
れを防止することができる。したがって、中塗り塗膜を
省略しても、塗膜物性や色彩品質に何ら問題なく、コス
トダウンを図ることができる。
【0019】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。例えば、上述した実施形態では上塗り塗膜4と
して2コート1ベーク型メタリック塗膜を用いたが、ソ
リッド塗膜であっても良い。
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。例えば、上述した実施形態では上塗り塗膜4と
して2コート1ベーク型メタリック塗膜を用いたが、ソ
リッド塗膜であっても良い。
【0020】
【実施例】以下、本発明をさらに具体化した実施例を示
すが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、
表1に示すように、顔料含有量が3.5,4.0,5.
0,5.5,6.0重量%と、二酸化チタン/カーボン
ブラックの含有比が100,200,500,600と
の組合せからなる合計20種類の電着塗膜2を20枚の
鋼板1上にそれぞれ形成し、このようにして得られた塗
板に、同一条件でメタリック塗膜4を形成した。このメ
タリック塗膜4は、予め基準表色系(L* ,a* ,
b* )が既知であるホワイト、レッド、ブラック、ブル
ーの4色を用いた。
すが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、
表1に示すように、顔料含有量が3.5,4.0,5.
0,5.5,6.0重量%と、二酸化チタン/カーボン
ブラックの含有比が100,200,500,600と
の組合せからなる合計20種類の電着塗膜2を20枚の
鋼板1上にそれぞれ形成し、このようにして得られた塗
板に、同一条件でメタリック塗膜4を形成した。このメ
タリック塗膜4は、予め基準表色系(L* ,a* ,
b* )が既知であるホワイト、レッド、ブラック、ブル
ーの4色を用いた。
【0021】得られたそれぞれの塗板の表色系(明度指
数L* およびクロマティクネス指数a* ,b* )を測定
し、下記(1)式で定義される基準値との色差ΔEを計
算した。この色差の評価は、ΔEが1.0以下のときを
「○(良品)」とし、ΔEが1.0より大きいときを
「×(不良品)」とした。この結果を表1に示す。
数L* およびクロマティクネス指数a* ,b* )を測定
し、下記(1)式で定義される基準値との色差ΔEを計
算した。この色差の評価は、ΔEが1.0以下のときを
「○(良品)」とし、ΔEが1.0より大きいときを
「×(不良品)」とした。この結果を表1に示す。
【0022】また、これらの塗板に対してダイヤモンド
ショット試験法(ショット速度:90,130,170
km/h)によるチッピング評価を行い、上塗り塗膜の
剥離状況を観察した。耐チッピング評価は、上塗り塗膜
の剥離面積が2.5以下のときを「○(良品)」とし、
剥離面積が2.5より大きいときを「×(不良品)」と
した。この結果を表2に示す。
ショット試験法(ショット速度:90,130,170
km/h)によるチッピング評価を行い、上塗り塗膜の
剥離状況を観察した。耐チッピング評価は、上塗り塗膜
の剥離面積が2.5以下のときを「○(良品)」とし、
剥離面積が2.5より大きいときを「×(不良品)」と
した。この結果を表2に示す。
【0023】
【数1】 ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)1/2 …(1)
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】 この表1からも明らかなように、カーボンブラックに対
する二酸化チタンの含有比率が100以下である場合に
は、電着塗膜の明度指数が小さくなり、ホワイトやレッ
ドのように自己隠蔽性の低い上塗り塗膜に対しては、目
的とする色彩を出すことができなかった。また、この比
率が600以上である場合には、電着塗膜の明度指数が
大きく、逆にブラックやブルーの上塗り塗膜に対して
は、目的とする色彩を出すことができなかった。これに
対して、この比率を200〜500とした電着塗膜につ
いては、電着塗膜の顔料含流量に拘わらず、基準値との
色差が1.0以内となり、良好な色彩の塗板を得ること
ができた。
する二酸化チタンの含有比率が100以下である場合に
は、電着塗膜の明度指数が小さくなり、ホワイトやレッ
ドのように自己隠蔽性の低い上塗り塗膜に対しては、目
的とする色彩を出すことができなかった。また、この比
率が600以上である場合には、電着塗膜の明度指数が
大きく、逆にブラックやブルーの上塗り塗膜に対して
は、目的とする色彩を出すことができなかった。これに
対して、この比率を200〜500とした電着塗膜につ
いては、電着塗膜の顔料含流量に拘わらず、基準値との
色差が1.0以内となり、良好な色彩の塗板を得ること
ができた。
【0026】一方、表2から明らかなように、電着塗膜
の顔料含有量が6.0重量%の塗板では、チッピングに
対する上塗り塗膜の剥離面積が大きくなった。これに対
して、電着塗膜の顔料含有量が5.5重量%以下のもの
は、二酸化チタン/カーボンブラックの含有比率に拘わ
らず、チッピングに対する剥離面積が小さく、電着塗膜
と上塗り塗膜との密着性が良好であった。
の顔料含有量が6.0重量%の塗板では、チッピングに
対する上塗り塗膜の剥離面積が大きくなった。これに対
して、電着塗膜の顔料含有量が5.5重量%以下のもの
は、二酸化チタン/カーボンブラックの含有比率に拘わ
らず、チッピングに対する剥離面積が小さく、電着塗膜
と上塗り塗膜との密着性が良好であった。
【図1】本発明の自動車用塗膜の実施形態を示す断面図
である。
である。
【図2】従来の3コート系塗膜を示す断面図である。
1…鋼板 2…電着塗膜 3…中塗り塗膜 4…上塗り塗膜 4a…ベースコート 4b…クリアコート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 13/10 C25D 13/10
Claims (4)
- 【請求項1】 二酸化チタンの含有量がカーボンブラッ
クの含有量に対して200%〜500%であることを特
徴とする自動車用電着塗膜。 - 【請求項2】 顔料の含有量が5.5重量%以下である
ことを特徴とする自動車用電着塗膜。 - 【請求項3】 二酸化チタンの含有量がカーボンブラッ
クの含有量に対して200%〜500%であり、かつ顔
料の含有量が5.5重量%以下であることを特徴とする
自動車用電着塗膜。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の電着塗膜
と、前記電着塗膜上に形成された上塗り塗膜とからなる
ことを特徴とする自動車用塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8150269A JPH09310032A (ja) | 1996-05-22 | 1996-05-22 | 自動車用電着塗膜及びこれを用いた自動車用塗膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8150269A JPH09310032A (ja) | 1996-05-22 | 1996-05-22 | 自動車用電着塗膜及びこれを用いた自動車用塗膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09310032A true JPH09310032A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=15493260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8150269A Pending JPH09310032A (ja) | 1996-05-22 | 1996-05-22 | 自動車用電着塗膜及びこれを用いた自動車用塗膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09310032A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009041084A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Nippon Paint Co Ltd | 塗装システム |
-
1996
- 1996-05-22 JP JP8150269A patent/JPH09310032A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009041084A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Nippon Paint Co Ltd | 塗装システム |
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A02 | Decision of refusal |
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