JPH09122575A - メタリック塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents

メタリック塗料組成物および塗膜形成方法

Info

Publication number
JPH09122575A
JPH09122575A JP31008595A JP31008595A JPH09122575A JP H09122575 A JPH09122575 A JP H09122575A JP 31008595 A JP31008595 A JP 31008595A JP 31008595 A JP31008595 A JP 31008595A JP H09122575 A JPH09122575 A JP H09122575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leafing
coating film
coating
metallic
aluminum flake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31008595A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Ishihara
肇 石原
Eizo Niimi
英造 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP31008595A priority Critical patent/JPH09122575A/ja
Publication of JPH09122575A publication Critical patent/JPH09122575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーフィング調の光輝性メタリック感を与
え、クリヤ塗膜層との密着性に優れる塗膜を安定して形
成でき、かつ貯蔵安定性の良好なメタリック塗料組成物
とその工業的な塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 (A) 塗膜形成樹脂 100固形重量部と、
(B) 有機溶剤浸漬後の色変化がJIS L0805によ
る染色堅ろう度試験の汚染用グレースケールで色票4号
以上の色差を有するリーフィングおよび/またはセミリ
ーフィング系アルミフレーク顔料1〜40重量部を含有
するメタリック塗料組成物。被塗基材面に、前記のメタ
リック塗料組成物を塗布し硬化乾燥してベースコートを
形成し、ついでクリヤー塗料を塗布したのち硬化乾燥し
て少なくとも1層のトップコートを形成する塗膜形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属光沢が要求さ
れる各種の什器、家電製品、自動車およびその部品等を
対象とする上塗塗装用として好適なリーフィング調の緻
密なメタリック塗膜を形成するメタリック塗料組成物と
これを用いた塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗膜に光輝性の高級メタリック感を与え
る工業用塗料として、従来からアルミフレーク顔料を含
む組成のものが汎用されている。これらメタリック塗料
に光輝性顔料として配合されるアルミフレークには、鱗
片形態としてリーフィング系とノンリーフィング系のも
のが知られているが、工業用塗料に適用されているのは
主に後者のノンリーフィング系アルミフレークである。
この理由は、ノンリーフィング系アルミフレークが塗装
塗膜層中でランダムに配向して優れた光輝性メタリック
感を発現するのに対し、リーフィング系アルミフレーク
は表面張力が大きい関係で基材面と平行に配列した状態
で塗膜の上層面近傍に凝集するため、被塗基材やクリヤ
ー塗膜との密着性が悪く、また長期間保存すると塗料が
黒ずむ現象を生じるため貯蔵安定性の面にも問題があ
る。
【0003】このようなリーフィング系アルミフレーク
の難点を改善した塗料組成物として特開平3−9527
5号公報には、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂およびアミノプラスト樹脂
から選ばれた第一のフィルム形成材料にリーフィングア
ルミニウムフレークと揮発性有機溶媒を含有させた下塗
組成物により形成された下塗層と、前記と同種樹脂から
なる第二のフィルム形成材料と揮発性有機溶媒およびコ
ーティング系の離層を抑制するための特定の粘着促進剤
を含む上塗組成物により形成された透明な上塗層を積層
してなる反射性の自動車コーティング組成物が提案され
ており、該多層コーティング系は金属性基材に接着性を
有し装飾的で反射性の高いコーティングを与え、一次密
着性および貯蔵安定性が改善される効果があるとされて
いる。しかし、このコーティング系では揮発性有機溶媒
によりリーフィングアルミフレークが変色を生じるた
め、十分な金属光沢のリーフィング調塗膜を安定して得
るには問題がある。
【0004】また、特公平4−1695号公報には、塗
装物品の上に塗料との親和性が弱く表面に浮いてほぼ均
一に配向したリン片状アルミニウム(リーフィングタイ
プ)を含有する第1メタリック塗膜が形成され、該第1
のメタリック塗膜の上に、塗料と親和性が強く第1メタ
リック塗膜側に沈降して不均一に配向したリン片状アル
ミニウム(ノンリーフィングタイプ)を含有する第2メ
タリック塗膜が形成されているメタリック塗装を施した
塗装物品が提案されている。しかしながら、このメタリ
ック塗装はノンリーフィング系メタリックベース塗膜の
スケムラを防止するためにその下層にリーフィング系リ
ン片アルミニウムを含有するメタリック塗膜層を形成す
るものであって、金属感の強いリーフィング調の意匠性
塗膜を形成するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にリーフィング系
アルミフレークは有機溶剤と接触した際に変色して黒ず
む傾向があるため塗料としての貯蔵安定性に問題があ
り、塗装後においても塗膜の反射が起こり難いエッジ部
に経時的に黒ずみ感が生じて塗膜外観を損ねる問題があ
る。したがって、高度のリーフィング調メタリック感を
現出するには前記の問題を解決しなければ工業用塗装に
適合する塗料を得ることはできない。
【0006】本発明者らは、リーフィング系アルミフレ
ークを含む塗料の安定性能について多角的に検討した結
果、配合するアルミフレーク顔料として溶剤浸漬後の色
変化がJISL0805で規定されている染色堅ろう度
試験の汚染用グレースケールが一定色票以上のリーフィ
ングおよび/またはセミリーフィング系のアルミフレー
クを選択すると、有機溶剤を含む塗料組成であってもア
ルミフレーク顔料の黒ずみ変色が生ぜず、極めて安定し
た塗料貯蔵性ならびにリーフィング調塗膜を確保し得る
ことを確認した。更に、該リーフィングおよび/または
セミリーフィング系のアルミフレークを塗膜形成樹脂に
特定の配合割合で含有させた塗料組成物はクリヤー塗膜
層との密着性が良好で、とくにクリヤーコート塗装前に
前記アルミフレーク含有塗膜を硬化しておくと形成塗膜
に優れたリーフィング調メタリック感が発現することを
知見した。
【0007】本発明はかかる知見に基づいて開発された
もので、その目的とする課題は、リーフィング調の光輝
性メタリック感を与え、クリヤー塗膜層との密着性に優
れる塗膜を安定して形成することができ、かつ貯蔵安定
性の良好な工業塗装用のメタリック塗料組成物とその塗
膜形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるメタリック塗料組成物は、(A)塗膜
形成樹脂100固形重量部と、(B)有機溶剤浸漬後の
色変化がJIS L0805による染色堅ろう度試験の
汚染用グレースケールで色票4号以上の色差を有するリ
ーフィングおよび/またはセミリーフィング系アルミフ
レーク顔料1〜40重量部を含有することを構成上の特
徴とする。
【0009】本発明において、有機溶剤浸漬後の色変化
がJIS L0805による染色堅ろう度試験の汚染用
グレースケールで色票4号以上の色差を有するリーフィ
ングおよび/またはセミリーフィング系アルミフレーク
顔料とは、常法によりアルミフレークをステアリン酸処
理して調製されたリーフィングおよび/またはセミリー
フィング系のアルミフレーク顔料を適宜な有機溶剤に浸
漬し、撹拌直後と25℃の温度下に1日放置した後の色
変化をJIS L0805による染色堅ろう度試験の汚
染用グレースケールで判定し、その色差が色票4号以上
であるアルミフレーク顔料を指すものとする。顔料浸漬
に用いられる有機溶剤は、トルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢
酸エチルまたは酢酸ブチル等の単独もしくはこれらの混
合溶剤である。
【0010】また、本発明に係る塗膜形成方法は、被塗
基材面に上記のメタリック塗料組成物を塗布したのち硬
化乾燥してベースコートを形成し、ついでクリヤー塗料
を塗布したのち硬化乾燥して少なくとも1層のトップコ
ートを形成することを構成的特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を構成する塗料成分のう
ち、ビヒクルとなる塗膜形成用樹脂(A)には塗料用と
して一般に使用されている樹脂類が用いられる。これら
樹脂類としては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂などを挙げることがで
き、通常アミノ樹脂やブロックポリイソシアネート化合
物などの架橋剤と混合して使用に供される。また、これ
ら樹脂類は1種に限らず2種以上を組み合わせて使用す
ることもできる。このほか、常温乾燥により硬化するこ
とができる2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂な
ども用いられる。
【0012】メタリック顔料成分として使用されるアル
ミフレーク顔料(B)としては、アルミフレークをステ
アリン酸のような脂肪酸とともにボールミルで粉砕処理
する通常の方法によって調製されたリーフィングもしく
はセミリーフィング系のアルミフレークのうち、有機溶
剤浸漬後の色変化がJIS L0805による染色堅ろ
う度試験の汚染用グレースケールで色票4号以上の色差
を有するものが選択的に使用される。汚染用グースケー
ルにおける色票が4号未満の色差であると耐溶媒性が減
退して経時的にアルミフレーク顔料が黒ずむため、形成
塗膜に金属光沢の強いリーフィング調メタリック感を発
現させることができなくなる。なお、適用されるリーフ
ィングもしくはセミリーフィング系アルミフレークの好
ましい平均粒径は、1〜44μm の範囲である。
【0013】本発明のメタリック塗料組成物は、塗膜形
成樹脂(A)100固形重量部に対し上記したリーフィ
ングおよび/またはセミリーフィング系のアルミフレー
ク顔料(B)を1〜40重量部、好ましくは5〜25重
量部を含有するように配合する。該アルミフレーク顔料
(B)の含有量が1重量部未満ではリーフィング調メタ
リック感を発現させることができなくなり、40重量部
を越えると被塗基材およびクリヤー塗膜に対する密着性
が低下する。
【0014】上記の塗料系には、必要に応じてその他の
フレーク状顔料、着色顔料、各種の添加剤などを共用す
ることができる。フレーク状顔料としては、ノンリーフ
ィング系アルミフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニン
フレーク、グラファイト、二酸化チタン被覆マイカ、着
色マイカ等を挙げることができ、これらはアルミフレー
ク顔料(B)のリーフィング調メタリック感を損ねない
程度の量比で使用される。着色顔料は従来から塗料用に
常用されているものが用いられ、例えば有機系としては
アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系
顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン
系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イ
ソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等を挙げることが
でき、無機系としては黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カ
ーボンブラック、二酸化チタン等が挙げられる。着色顔
料の添加量は、塗色の色相に合わせて任意に設定される
が、光輝材を含む顔料重量含有率が50%を越えるとベ
ースエナメルの吸い込みにより、塗膜の仕上がり不良が
発生する。
【0015】各種添加剤としては、例えばドデシルベン
ゼンスルホン酸等の硬化触媒、ベンゾトリアゾール系の
紫外線吸収剤、ベンゾフェノール系の酸化防止剤、シリ
コーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘
剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)などが適宜に使用
される。これらの成分は、通常、塗膜形成用樹脂100
重量部に対し5重量部以下の配合量で塗料や塗膜の性能
を改善することができる。
【0016】上記の成分組成からなる本発明のメタリッ
ク塗料系は、有機溶媒型として使用される。適用される
有機溶媒には特に限定はないが、例えばトルエン、酢酸
エチル、ソルベッソ、セロソルブアセテート、ブチルア
セテートなどハイドロカーボン系やエステルケトン系の
シンナー類が好ましく使用され、これら溶解性の強い有
機溶剤を選択することにより塗膜中におけるリーフィン
グまたは/およびセミリーフィングのアルミフレーク層
の間隙に樹脂(ワニス)が浸透して密着性を向上させる
機能を営む。塗装に際しては、前記有機溶媒で塗装適性
粘度に希釈して用いるが、製造時の固形分は30〜70
重量%、塗装時の固形分は10〜50重量%の範囲に調
整することが望ましい。
【0017】本発明に係る塗膜形成方法は、被塗基材面
に上記の塗膜形成樹脂(A)とアルミフレーク顔料
(B)を含有するメタリック塗料組成物を塗布したのち
硬化乾燥してベースコートを形成し、ついでクリヤー塗
料を塗布したのち硬化乾燥して少なくとも1層のトップ
コートを形成する工程からなる。
【0018】塗布対象となる被塗基材は、鉄、アルミニ
ウム、銅もしくはこれらの合金を含む金属類を始めとし
て、ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリアミド、ポリアクリル、ポリエステル、
エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリウ
レタン等の樹脂成形品および各種FRPなどのプラスチ
ック材料、木材、繊維材料が該当する。なお、これら被
塗基材に予め適宜なアンダーコートやプレコート処理を
施すことは任意である。
【0019】塗装は、直接、被塗基材に施すこともでき
るが、例えば自動車の塗装等においては、通常、表面化
成処理後に電着塗料などによる下塗り塗装および中塗り
塗装を施し、塗膜が硬化した後に塗装する。塗装操作は
霧化式塗装機を用い、エアスプレー塗装、静電塗装など
によって行われる。ベースコートの塗膜は、10〜25
μm の乾燥膜厚範囲で形成することが好ましい。つい
で、ベースコート上にクリヤー塗料を塗布してトップコ
ートを形成する。クリヤー塗料としては一般に常用され
る透明性樹脂が使用され、乾燥膜厚が30〜60μm 範
囲のトップコート層として形成する。
【0020】この際、ベースコート層を予め硬化乾燥し
てから、少なくとも1層のトップコートを形成して硬化
する2コート2ベーク(ドライ)方式とすることが重要
な塗装要件となる。特に3コート3ベーク(ドライ)方
式を採ることにより高い光沢の塗膜を得ることができ
る。ウエット状態のベースコート上にクリヤー塗装を行
って同時に硬化する2コート1ベーク(ドライ)方式で
塗装すると、アルミフレーク顔料(B)の配向が乱れて
浮上するためリーフィング調のメタリック感が現出しな
くなる。
【0021】このようにして形成される塗膜層は、ベー
スコート塗膜中に含有するリーフィングまたは/および
セミリーフィング系のアルミフレークが被塗基材面に密
着性よく平行に配向し、その上面にトップコート層が密
着性よく積層した状態で形成されるから、ノンリーフィ
ング系アルミフレーク含有塗膜とは異なる金属感の強い
リーフィング調メタリック感の意匠性塗膜として形成さ
れる。そのうえ、アルミフレーク顔料が優れた耐溶剤性
を有しているため、長期間安定した光輝性を保持し、経
時的に黒ずむような変色現象を生じることはない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例
に制約されるものではない。なお、各例の配合単位は全
て重量部である。
【0023】実施例1〜8、比較例1〜6 (1)適用したアルミフレーク顔料の種類 表1に示すような処理で調製されたリーフィング系およ
びノンリーフィング系のアルミフレークであって、トル
エン浸漬後の色変化がJIS L0805による染色堅
ろう度試験の汚染用グレースケールの色票色差の異なる
4種類(A〜D)のアルミフレーク顔料を用いた。
【0024】
【表1】
【0025】表1のうち、顔料Aが本発明のアルミフレ
ーク顔料(B)に該当するものである。次に、これら各
アルミフレーク顔料1gを試験管に採り、表2に示す各
有機溶剤50mlを加えて栓をし、試験管立てに立てて室
温で1日放置したのち、上下に振って均一に分散したア
ルミフレーク顔料の黒ずみ度合を下記の基準で評価判定
した。その結果を用いた有機溶媒の種類に応じて表2に
示した。 ○;汚染用グレースケールの色票4号以上の色差 △;汚染用グレースケールの色票3号、3−4号の色差 ×;汚染用グレースケールの色票3号未満の色差
【0026】
【表2】 〔表注〕*:エクソン化学製の芳香族系炭化水素
【0027】表2から本発明の要件を満たすグレースケ
ール(色票色差)が4号以上のリーフィング系アルミフ
レーク(A)およびグレースケールが4号以上のノンリ
ーフィング系アルミフレーク(D)が耐溶剤性に優れ、
良好な貯蔵安定性を示すことが認められた。
【0028】(2)塗料の調製 上記のアルミフレーク顔料A〜Dをトルエンに均一に分
散させたのち、所定量の熱硬化性アクリル樹脂ワニス
〔日本ペイント(株)製、ACR-421 ;固形分50%〕およ
びメラミン樹脂ワニス〔三井東圧(株)製、“ユーバン
20SE”;固形分60%〕を加えてデスパーにより30分間
撹拌処理して塗膜形成樹脂に対するアルミフレーク顔料
の配合割合が異なるメタリック塗料組成物を調製した。
なお、実施例8はアルミフレーク顔料とチタンコーティ
ングマイカ〔メルク社製、“イリオジン103WII”〕を併
用した例、実施例9はアルミフレーク顔料と板状酸化鉄
〔チタン工業(株)製、“タロックスAM-200”〕を併用
した例である。また、実施例10はアルミフレーク顔料
にフタロシアニンブルー〔山陽色素(株)製、“シアニ
ンブルーG-314 ”〕を併用し、フタロシアニンブルーを
予め熱硬化性アクリル樹脂ワニスに同容量のガラスビー
ズ(直径2mm)と共にデスパーで60分間分散させた液
にメラミン樹脂ワニスを加えてデスパーで30分撹拌し
たのち濾過してガラスビーズを除去し、このフタロシア
ニンブルー分散ワニスを先に調製したアルミフレーク顔
料分散液に加えて均一に撹拌して塗料液としたものであ
る。調製した各メタリック塗料組成物の成分配合を、表
3および表4に示した。
【0029】
【表3】 〔表注〕(1) アルミ顔料配合量は、塗膜形成樹脂100重量部に対するアルミフ レーク顔料の重量部である(表3も同じ)。
【0030】
【表4】
【0031】(3)塗装試験 磨鋼板(長さ500mm 、幅300m、厚さ0.8mm )をリン酸亜
鉛処理剤〔日本ペイント(株)製、“サーフダインSD20
00”〕で常法により化成処理したのち、カチオン電着塗
料〔日本ペイント(株)製、“パワートップU-30”エポ
キシウレタン・カチオン樹脂系〕を乾燥塗膜が20μm
になるように電着塗装した。ついで、電着塗膜面に中塗
塗料〔日本ペイント(株)製、“オルガP-2 グレー”ポ
リエステル・メラミン樹脂系〕を乾燥塗膜が35μm に
なるようにエアスプレー塗装し、焼付けて中塗塗膜を形
成した。
【0032】次に、中塗塗膜の上に表3および表4に示
した各メタリック塗料組成物をシンナー(成分系;酢酸
エチル/トルエン/ソルベッソ-150=50/25/25)で #4
フォードカップで13秒/20℃に希釈し、スプレーガ
ンAuto REA〔ランズバーグゲマ(株)製〕で静電噴霧塗
装を行ったのち、140℃で20分間焼付して乾燥膜厚
15μm のベースコート塗膜を形成した。このベースコ
ート面に、アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料〔日
本ペイント(株)製、“スーパーラックO-150”〕を塗
布し140℃で20分間焼付けして乾燥膜厚40μm の
塗膜を形成し、更に同一のアクリル/メラミン樹脂系ク
リヤー塗料を同一の条件で塗装してトップコート塗膜を
形成した。このようにして3コート3ベーク方式により
上塗り塗装し、塗膜を形成した。
【0033】形成された各塗装板につき、下記の判定基
準により各種の塗膜性能評価を行い、結果を表5および
表6に示した。なお、表6の比較例6は、ベースコート
がウエット状態でクリヤー塗料を塗布し、その他は実施
例3と同一条件で塗装した例である。 リーフィング感:目視によりリーフィング感の度合を
判定し、下記の基準で評価した。 ○;リーフィング感が大、△;リーフィング感が中、
×;リーフィング感なし フリップフロップ感:目視によりフリップフロップ感
の度合を判定し、次の基準で評価した。 ○;フリップフロップ感あり、×;フリップフロップ感
なし つや感:目視によりつや感の度合を判定し、次の基準
で評価した。 ○;つや感あり,△;つや感弱い、×;つや感なし 光沢:JIS K5400の6.7に準拠して測定し
た。 ゴバン目:JIS K5400の6.15に準拠し、
残存数(2mm間隔ゴバン目) を測定した。 耐水性:JIS K5400の7.2により判定し、
次の基準で評価した。 ○;異常なし、×異常あり JIS K5400の6.17に準拠し、400時間
後の光沢保持率を測定した。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】表5および表6の結果から、実施例で形成
された塗膜はいずれも優れたリーフィング感ならびにフ
リップフロップ感を示し、その他の塗膜性能も良好であ
ったが、本発明の要件を外れる比較例の塗膜はリーフィ
ング感およびフリップフロップ感が現出しなかった。
【0037】上記の実施例を含めて本発明の請求項記載
事項以外の好ましい実施態様は、以下のとおりである。 (1)リーフィングもしくはセミリーフィング系アルミフ
レーク顔料(B)が、粒径1〜44μm の範囲にあるメ
タリック塗料組成物および塗膜形成方法。 (2)アルミフレーク顔料(B)の含有量が、塗膜形成樹
脂100固形重量部当たり5〜25重量部であるメタリ
ック塗料組成物および塗膜形成方法。 (3)アルミフレーク顔料と他のフレーク状顔料または着
色顔料を併用するメタリック塗料組成物および塗膜形成
方法。 (4)塗膜形成樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂またはフッ素樹脂の少なくとも1種で
あるメタリック塗料組成物および塗膜形成方法。 (5)メタリック塗料系の有機溶媒として、例えばトルエ
ン、酢酸エチル、ソルベッソ、セロソルブアセテート、
ブチルアセテートなどハイドロカーボン系やエステルケ
トン系のシンナー類を用いる塗膜形成方法。 (6)ベースコート層を予め硬化乾燥してから、少なくと
も1層のトップコートを形成して硬化する2コート2ベ
ーク(ドライ)方式、あるいは3コート3ベーク(ドラ
イ)方式により塗装する塗膜形成方法。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るメタリック
塗料組成物および塗膜形成方法によれば、塗膜形成樹脂
に特定の汚染用グレースケール色票色差を有するリーフ
ィングおよび/またはセミリーフィング系アルミフレー
ク顔料を含有させることにより、ノンリーフィング系ア
ルミフレーク顔料の配合時とは異なる金属感の強いリー
フィング調の光輝性メタリック塗膜を形成することが可
能となる。そのうえ、形成されたベースコート塗膜はク
リヤー塗膜との密着性に優れ、かつ経時的な黒ずみ変色
のない優れた安定性を保有する。したがって、高級メタ
リック塗装が要求される自動車車体の外板塗装をはじ
め、各種の被塗基材に高品質のリーフィング調塗膜を形
成する工業塗装目的に極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塗膜形成樹脂100固形重量部
    と、(B)有機溶剤浸漬後の色変化がJIS L080
    5による染色堅ろう度試験の汚染用グレースケールで色
    票4号以上の色差を有するリーフィングおよび/または
    セミリーフィング系アルミフレーク顔料1〜40重量部
    を含有することを特徴とするメタリック塗料組成物。
  2. 【請求項2】 被塗基材面に、請求項1記載のメタリッ
    ク塗料組成物を塗布したのち硬化乾燥してベースコート
    を形成し、ついでクリヤー塗料を塗布したのち硬化乾燥
    して少なくとも1層のトップコートを形成することを特
    徴とする塗膜形成方法。
JP31008595A 1995-11-02 1995-11-02 メタリック塗料組成物および塗膜形成方法 Pending JPH09122575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31008595A JPH09122575A (ja) 1995-11-02 1995-11-02 メタリック塗料組成物および塗膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31008595A JPH09122575A (ja) 1995-11-02 1995-11-02 メタリック塗料組成物および塗膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09122575A true JPH09122575A (ja) 1997-05-13

Family

ID=18001010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31008595A Pending JPH09122575A (ja) 1995-11-02 1995-11-02 メタリック塗料組成物および塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09122575A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274243A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Kansai Paint Co Ltd 赤色系メタリック塗料組成物
JP2009502839A (ja) * 2005-07-29 2009-01-29 エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 金属様光沢外観を有する化粧用コーティングを得るための化粧料組成物、人工フィンガーネイル、およびpvdアルミニウム顔料の使用
JP2016088095A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 大日本印刷株式会社 印刷物、該印刷物を用いてなる容器、印刷物の製造方法及び印刷物の選択方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274243A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Kansai Paint Co Ltd 赤色系メタリック塗料組成物
JP2009502839A (ja) * 2005-07-29 2009-01-29 エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 金属様光沢外観を有する化粧用コーティングを得るための化粧料組成物、人工フィンガーネイル、およびpvdアルミニウム顔料の使用
JP2016088095A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 大日本印刷株式会社 印刷物、該印刷物を用いてなる容器、印刷物の製造方法及び印刷物の選択方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4937274A (en) Coating composition
US10239091B2 (en) Method for forming multilayer coating film
JP4670069B2 (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2016193385A (ja) 複層塗膜形成方法
JP4063715B2 (ja) 塗膜形成方法
US6602934B1 (en) Multicolor coating composition, coating film forming method and coated article
US5049442A (en) Opalescent coatings containing foamed metal oxides
JP4212416B2 (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2829813B2 (ja) メタリック塗料組成物およびメタリック塗膜の形成法
JPH09122575A (ja) メタリック塗料組成物および塗膜形成方法
JP4670070B2 (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
US4950507A (en) Method for applying a coating composition having a sparkling luster containing FeO3 particles of hexagonal plate-like shape
JP2005144338A (ja) 塗装方法
WO1999057210A1 (fr) Composition de peinture contenant un pigment de lustrage et procede de formation d'un revetement composite
JP2000051780A (ja) 複層塗膜形成方法
JP4143193B2 (ja) 積層塗膜の形成方法
JPH06254484A (ja) メタリック塗膜形成法
JP2002121493A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP2002179982A (ja) ベースコート塗料組成物、複層塗膜形成方法および複層塗膜
JPH10244213A (ja) 光輝性塗膜形成方法及びこれにより塗装された塗装物
JP2005007219A (ja) 光輝性塗膜の形成方法
JP2002273333A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP3995305B2 (ja) 塗膜形成法
JPH08104835A (ja) 塗料組成物および意匠塗膜形成方法
JPH0326110B2 (ja)