JP2648021B2 - 金属部材のろう付け方法及びろう付け用混合物 - Google Patents

金属部材のろう付け方法及びろう付け用混合物

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JP2648021B2 JP4502992A JP50299292A JP2648021B2 JP 2648021 B2 JP2648021 B2 JP 2648021B2 JP 4502992 A JP4502992 A JP 4502992A JP 50299292 A JP50299292 A JP 50299292A JP 2648021 B2 JP2648021 B2 JP 2648021B2
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    • B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/28—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 950 degrees C
    • B23K35/286—Al as the principal constituent

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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の属する技術分野） この発明はアルミニウムを、アルミニウム、銅、黄銅
あるいは鋼などの金属部材に、ろう付け（brazing）に
より接合させる方法とその方法の実施に用いるろう付け
用混合物に関する。
（従来の技術） 接合すべき部材の表面の間あるいはその近くにアルミ
ニウム合金ろうを配置し、該合金ろう及び接合表面を適
当に組み立てた状態でろう付け温度（合金ろうは溶融す
るが、接合すべき部材は溶融しない温度）まで加熱する
ことにより、アルミニウム部材を接合させることが知ら
れている。このようにろう付けにより接合させた後の冷
却すると、合金ろうは部材の接合表面を互いに結合する
隅肉（フィレット）あるいは接合部を形成する。加熱段
階において合金ろうだけを確実に選択的に溶融するため
には、合金ろうの融点が金属部材の融点よりも少なくと
も30から40℃低いことが通常好ましい。適当なアルミニ
ウム合金ろうの例としては、約577℃で溶融するAl−Si
共晶組成のものが挙げられる。
アルミニウム合金ろうの層と接合される表面の少なく
とも１つを予めクラッディングするのが慣例である。こ
のような予備クラッディング材は、通常ろう付けシート
として知られているが、かなり高価であり、従って、多
くの実例においては、クラッディング以外の他の合金ろ
うを提供することが好ましい。クラッディングを用いる
代わりに、適当な液体あるいはペースト状の媒体中に粒
子あるいは微粒子が担持された組成の合金ろうを、互い
に接合すべき表面の何れか一方又は両方あるいはその近
くに塗布することが知られている。
米国特許第3,971,501号では、粒状のアルミニウム合
金ろうと粒状フラックスの混合物を接合すべき表面上に
被覆する、アルミニウム表面をアルミニウム合金ろうで
接合させる方法が開示されている。この方法では、混合
物の塗布層を乾燥し、それから表面をろう付け温度まで
加熱することでろう付けは完了する。この方法では、他
の公知のシステムと同様に合金ろうを使用している。
フラックスを用いないろう付け方法も考案されている
が、このような方法が首尾良く実施できるためには特別
な条件と特別な装置類が必要であることから、経済的理
由及び他の事情のために、その使用は限られている。そ
のため、接合部位における金属表面肌上に通常存在する
酸化物を除去するためと、加熱段階中での溶融合金ろう
の流れを促進するために、アルミニウムのろう付けに当
たってはフラックスを用いることが一般に必要である。
フラックスとして使用される材料は、ろう付け温度での
金属酸化物の溶解と除去の何れか一方、又は両方を行う
ことができると共に、ろう付け温度においてはアルミニ
ウムに対して本質的に不活性であるフラックスとして作
用するものでなければならない。フラックスは通常、少
なくとも部分的に溶融した時だけ反応性があるので、ア
ルミニウムのろう付けに用いるフラックスは実際の問題
として、ろう付け温度、例えば577℃に比べ実質的に高
くなく、好ましくは低くない温度で、部分的にあるいは
完全に溶融しなければならない。
これまでアルミニウムのろう付けで使用されていた市
販のフラックス材料は、一般に、主に塩化物塩の混合物
からなり、フッ化物が僅かだけ添加されているものもあ
る。アルミニウムのろう付け用として最近、成功を収め
ているフラックスは、本質的にはフルオロアルミン酸カ
リウムであって、商標名「NOCOLOK」で販売されている
ものである。
（発明の目的と構成） 本発明の目的は、ろう付けされる表面上で合金ろうク
ラッディングを予め形成せずに、アルミニウム部材同
士、またはアルミニウム部材と銅、黄銅あるいは鋼など
の他の金属部材とをろう付けにより接合する金属部材の
ろう付け方法を提供することである。
本発明による金属部材のろう付け方法は、アルミニウ
ム、銅、黄銅、鋼の何れかよりなる金属部材にアルミニ
ウム部材を接合するのに用いられるものであって、先
ず、ケイ素、銅、ゲルマニウムのいずれかからなり、粒
径が４から80μｍである金属粒子と、600℃以下の温度
で溶融し、少なくとも上記アルミ部材に形成される酸化
物層を除去するろう付け用フラックスからなるろう付け
用混合物を上記アルミ部材と上記金属部材との接合部に
塗布する。その後、上記ろう付け用混合物を塗布した上
記接合部を、上記ろう付け用フラックスが溶融するに充
分な温度まで加熱し、それにより溶融した上記ろう付け
用フラックスによりアルミニウム部材から酸化物層を除
去させるとともに、上記ろう付け用混合物の金属粒子
を、酸化物層が除去された上記アルミニウム部材に迅速
に溶解させてその場に、上記金属部材よりも融点の低い
ろう付け用共晶合金を形成する。最後に、上記接合部と
当該接合部に近接する上記金属部材と上記アルミ部材の
部分とを冷却することにより、上記金属部材と上記アル
ミニウム部材との間のろう付け接合部を形成する。
また、本発明は、上記ろう付け用混合物をも提供する
ものであって、当該ろう付け用混合物は、ケイ素、銅、
ゲルマニウムのいずれかからなり、粒径が４から80μｍ
の金属粒子と、600℃以下で溶融し、溶融状態で接合さ
せる部外から酸化物層を除去することができるフルオロ
アルミン酸カリウムろう付け用フラックスとからなるこ
とを特徴としている。
（発明の実施形態） コーティング混合物は、乾燥粉末、ペーストあるいは
スラリーとして塗布することができ、水あるいはアルコ
ールなどの有機化合物を基本とする揮発性の液体キャリ
ヤ（担持体）に含まれるものが好ましい。尚、乾燥粉末
としてのコーティング混合物は、公知の方法を用いて静
電法によりあるいは熱噴射法により、接合すべきアルミ
ニウムの表面に塗布する。
コーティング混合物の好ましい金属成分はケイ素であ
るが、銅あるいはゲルマニウムなどの他の金属も使用す
ることができる。この明細書及び特許請求の範囲におい
て用いる「金属」なる用語は、非合金の形態で市販され
ているような、１つの金属の元素形態を示し、その特性
に影響しない少量の不純物を含む金属のこともある。主
な必要条件は、コーティング混合物中に、ろう付け温度
でアルミニウム中あるいは接合される他の金属中で溶解
することができ、その金属と合金ろうをその場で形成す
る金属成分が存在することである。
コーティグ混合物のフラックス成分は酸化物層を除去
することができ、600℃以下で溶解する材料であれば何
でもよい。好ましいフラックスはフルオロアルミン酸カ
リウム複合体である。ここで使用されているように、フ
ルオロアルミン酸カリウムは、KF,AlF3,KAlF4,K2AlF5,K
3AlF6などの化合物が単一で、二倍で、あるいは組み合
わせで存在するような比率で、元素のカリウム、アルミ
ニウム及びフッ素を含む材料を示す。組成としては、重
量％で20から45％のK;から25％のAl;45から60％のＦの
元素組成で、あるいは40から70％のAlF3及び30から70％
のKFのように化合物KFとAlF3の濃度で表すことができ
る。このようなフラックスの内、53−55％のAlF3及び45
−47％のKFを含む組み合わせについては、1967年１月18
日に公開されたSociete Des Soudures Castolin S.A.の
英国特許第1,055,914号に、また、45−65％のAlF3及び3
5−55％のKFの組み合わせで、これによりK3AlF6及びKAl
F4の混合物を得、約577℃で溶融するようにしたもの
が、1976年４月20日に特許され、Alcan Research and D
evelopment Limetedに譲渡された米国特許第3,951,328
号にそれぞれ開示されている。
所望のフラックス特性を有する他のフルオロアルミン
酸カリウムとしては、65.6−99.9％のKAlF4及び34.4−
0.1％のK3AlF6の混合物があり、更に、31.5−56.2％のK
F及び68.5−43.8％のAlF3から製造される混合物からな
るものが、Showa Aliminum Corporationの名で1988年12
月21日に公開された欧州特許公開番号第0295541号にお
いて開示されている。また更に、K2AlF5及びK2AlF5・H2
Oのグループから選ばれる１つの成分と残りはKFからな
るフラックスが、1986年４月１日に特許され、Furukawa
Alminum Co.Ltd.に譲渡された米国特許第4,579,605号
に開示されている。
市販のフルオロアルミン酸カリウムの一例としては、
前掲の「Nocolck」フラックスがあり、その他に、KAl
F4,K2AlF5,K3AlF6,K2AlF5・H2O及びこれらの混合物や、
フラックスの融点を減少させるために塩化セシウム、塩
化ルビジウム、フッ化リチウム、及び他のアルカリハロ
ゲン化物塩の１つ以上と混合されたフルオロアルミン酸
カリウムが挙げられる。他の公知のアルミニウムろう付
け用フラックスとしては、アルカリ及びアルカリ土類塩
化物及びフッ化物、塩化アンモニウム、フッ化アンモニ
ウム、フッ化水素酸カリウム（KHF2）、フッ化水素酸ナ
トリウム（NaHF2）、フッ化水素酸アンモニウム（NH4HF
2）及び塩化亜鉛の混合物、塩化亜鉛、フッ化水素酸カ
リウム、塩化アンモニウム及びジルコン酸カリウム（K2
ZrF6）の混合物がある。
更に、他の好ましいフラックスとしては、1991年９月
４日に公開された英国特許出願第2,241,513号で開示さ
れているフラックスがある。このフラックスは、フッ化
セシウム、フッ化アルミニウム、及び結晶水酸化アルミ
ニウムあるいは酸化アルミニウムあるいはその両方を含
み、以下の組成を有し錯塩の形でセシウムを含む結晶化
合物を形成している。
ｘ・CsF−ｙ・AlF3−1/2・ｚ・［Al2O3・nH2O及び／ま
たはAl2O3］ ここで、mol.％において、Ｘ＋ｙ＋ｚ＝100,X/Y≦3,4
2≦ｘ≦66,z≧２である。ｎの値はAl2O3の結晶水に対し
適当な値であれば何でもよい。この結晶混合物は440〜5
80℃の融点を有する。このフラックスは非腐食性で、安
全に使用できる。
金属成分とフラックスは典型的には、金属成分のフラ
ックスに対する比（wt/wt）が0.1:1から5:1の範囲、好
ましくは0.25:1から1:1の範囲に亙り混合物中に含まれ
ている。
コーティング混合物の金属成分は微粒子の形態で、４
から80μｍ、好ましくは５から50μｍの範囲にある微粒
子の形であることが好ましい。
好ましい一実施例によれば、コーティング混合物はま
た、ペーストを形成するために結合剤を含んでいてもよ
い。この結合剤は、フラックス及び共晶合金の融点以下
で揮発することのできる様々な結合剤材料から選択する
ことができる。適当な結合剤材料の例としては、ポリメ
チルメタクリレートとブチルアクリレートあるいは１−
（２−メトキシ−１−メチルオキシ）−２−プロパノー
ル及びプロピレングリコールの混合物、あるいは２−メ
チル−2,4−ペンタンジオールが挙げられる。
表面上に塗布されるコーティング混合物の量は通常、
130g/m2以下であり、約30から100g/m2の範囲が好まし
い。結合剤が混合物中に含まれるときには、130g/m2も
の量が塗布できる。しかしながら、結合剤を含まない混
合物は100g/m2以上の量で塗布されるべきではない。表
面上に20から30g/m2のフラックス成分を提供する量のコ
ーティング材料を塗布するのが好ましいことがわかって
いる。
コーティング混合物の金属成分がケイ素粒子であり、
接合される金属がアルミニウムであれば、本発明の接合
方法は500−650℃範囲の温度で実行されるのが好まし
い。ろう付けの品質、すなわち付けの完全性、隅肉の大
きさなどは混合物ろう中のSi/フラックスの相対量、そ
の混合物による表面の被覆率、ろう付け温度での保持時
間の長さに依存する。
ろう付けはフラックス材料と表面金属の相補的な作用
を通して起こる。ろう付け温度は表面金属あるいは接合
される金属に依存して変動する。例えば、アルミニウム
表面同士は500−650℃の範囲の温度ろう付けされるが、
銅に対してアルミニウムをろう付けするには、570−590
℃の範囲の温度とされる。
アルミニウム表面を接合する時には、フラックスが60
0℃で溶融され、接合されるアルミニウム表面上の初め
から依存する酸化物膜を溶解あるいは除去し、新たなア
ルミニウムが微細ケイ素粒子に暴露される。この温度で
はケイ素のアルミニウム中での溶解性が高いため、ケイ
素は直ちに暴露されたアルミニウム表面中に溶解し、そ
れぞれのアルミニウム成分中において、12.6％Si/87.4
％AlのSi/Al共晶に近いと考えられる組成を有するAl/Si
合金の表層を形成する。この共晶の融点はたったの577
℃であるため。ケイ素含有アルミニウム表面は577℃以
上の温度で溶融し流れて、問題の接合接触面を充たす。
溶融フラックスは溶融Si/Al共晶合金の表面張力を減少
させ、溶融合金を接合接触面に導き、これによりろう付
け接合の品質が改善される。フラックス粉末と共にあま
りに多くの量のケイ素を使用すると、低融点で流動性の
高いアルミニウム表面合金層の形成を妨害することとな
るかもしれず、これにより接合における十分なろう隅肉
の形成が妨げられるかもしれない。Al/Si共晶合金の形
成はケイ素のアルミニウム中への拡散に依存するので、
ろう付け工程には、577℃以上の温度で、Si拡散のため
に、及び合金形成と隅肉形成工程が確実に起きるため
に、十分長い時間間隔が必要である。この時間間隔は典
型的には約２から５分であり、隅肉の大きさに依存す
る。
アルミニウムに加えて、マンガン、銅などの合金元素
を含むアルミニウム成分から作成される接合中のろう隅
肉の品質はこれらの、あるいは他の元素の、あるいはこ
れらの及び他の元素の合金の粉末を微量、コーティング
混合物中に添加することにより高めることができる。コ
ーティング混合物は、接合される部分がより良好な特性
を有するように、共晶形成金属の大きさと同じ粒子サイ
ズの他の金属粉末を含むことができる。例えば、コーテ
ィング混合物に銅粉末を添加すると、接合中への十分な
Cuの拡散が得られ、より一般的にはろう付け中の接合さ
れる構造のコア合金全体に拡散し、親合金の機械強度が
向上する。コーティング混合物にFe,Mn,Ni,Zn粉末を、
別々にあるいは互いに組み合わせて添加すると、接合さ
れるアルミニウム部分に、優れた機械強度、優れた昇温
強度、優れた熱処理性が生成される。Bi及びSrを添加す
ると、ろう付け中の親合金に対する共晶液の濡れ特性が
向上する。ろう付けされる成分の耐食性は、Mn,Cr,Sb,V
あるいはZn粉末の添加により向上させることができる。
Znを添加すると、陽極処理後に優れた仕上がりを得るこ
とができる。ろう付けされた組立の溶接性はコーティン
グ混合物にBeを添加することにより向上させることがで
きる。
上記混合物と接合の周りの金属を用いてろう付けされ
たアルミニウム接合の耐食性もまた、混合物ろう中に亜
鉛粉末などの電気化学的犠牲材料を含むことにより大き
く向上させることができる。この犠牲材料の量は、ろう
付けの全体の品質を劣化させずに、腐食防御を発生させ
る要求を充たすように選択されるべきである。
以後、本発明を幾つかの例で説明する。
例 １ AA1100アルミニウム合金の２つのクーポンを使用し
た。これらのクーポンは幅25mm、長さ28mm、厚さ1.3mm
であった。
フラックス−ケイ素コーティング混合物を、「NOCOLO
K」ろう付けフラックスと典型的な大きさが約30μｍの
ケイ素金属粉末を共に混合することにより製造した。フ
ラックス及びケイ素は下記の表１に示したような異なる
比率で混合した。
フラックス−ケイ素含有混合物をイソプロピルアルコ
ール中でスラリーとした。これをクーポンの表面に、そ
のクーポンをそのスラリー中に浸し、引き上げ、150度
で５分間乾燥させることにより、塗布した。それから、
その２片を「Ｔ」字になるように組み立て、窒素雰囲気
中のろう付け炉内で600℃の温度まで加熱した。ろう付
け操作の総時間は12分であり、560〜605℃の最大温度で
約３分の間隔があった。
ろう隅肉の大きさ及び品質の観点から、ろう付けの品
質を記録した。結果を下記の表１に示す。
これらの試験結果により、Si粉末は3.3g/m2の塗布量
ではろう付けを完了するには不十分であるが、11.6g/m2
の塗布量では優れたろう付けを行うのに十分であること
が示された。
例 ２ スラリーに対する水とイソプロピルアルコール媒体の
使用を比較した。イソプロピルアルコールは、アルミニ
ウムシート表面上の油及びグリース層を浸透するので、
アルミニウム表面を予め洗浄する必要なく、濡らすこと
が知られている。しかしながら、工業的な実際には、水
媒体系のみが使用できる。そのため、試験は水キャリヤ
を使用するとシート表面上に、十分なろう付けを完了す
るのに十分なフラックス及びSiを沈積させることができ
るかどうかを決定するために実行された。
フラックス/Si混合物は、様々なSi/フラックス比で作
成され、表２に示されるような様々な濃度のスラリーに
された。
この試験において使用された試験試料は、AA3003合金
でできた波形フィンを挟んだAA1100シートの２つのシー
トからなる典型的なアルミニウム熱交換体の小さな部分
であった。この材料のどれも、通常の1l−11％Si合金ろ
うでクラッディングされてなかった。試験では、アルコ
ールキャリヤスラリーを直接金属表面に塗布した。水キ
ャリヤスラリーは清浄にした金属表面に塗布した。清浄
化は試験試料を5wt/wtの水酸化ナトリウム溶液に５から
15秒間浸して行い、確実に水キャリヤスラリーによる表
面の濡れ性が良好なものになるようにした。
フラックス/Si混合物のスラリーは試験試料をそのス
ラリー中に浸し、引き上げ、該試料を150℃で５分間乾
燥することによりキャリヤを蒸発させることにより塗布
した。試料の重さの増加を測定し、質量の増加から、表
面上のフラックス及びケイ素金属の量を計算した。結果
を表２に示す。
これらの結果により、少なくともスラリー濃度が固体
40wt％の場合は、十分な質量のSi金属及びフラックス
が、水キャリヤスラリーから沈積できることが示され
る。
例 ３ 試験試料を上記例２において説明した手順により準備
した。フラックス及びケイ素の混合物を、表３に示され
るようにSiとフラックスのコーティングの質量が異なる
ように、20、30、及び40重量％の固体の３つの異なるス
ラリー濃度を用いて、イソプロピルアルコールキャリヤ
スラリーから塗布した。
試料をスラリー中に浸し、キャリヤを150℃で５分間
乾燥することにより除去した。試料はそれから、上記例
１と同じ手順に従い、窒素雰囲気中で、３つの異なる最
終温度、585、590及び600℃でろう付けした。
上記結果は十分な結果を与えるフラックス及び金属の
範囲を示している。
600℃のろう付け温度では、1.3g/m2もの少量のSi、及
びSi/フラックス比が1/3を用いると、十分な結果が得ら
れる。Si/フラックス比が1/3より大きいと、２から6.5g
/m2のSiで十分な隅肉が得られる。
590℃のろう付け温度では、Si/フラックス比が1/1で
あれば、2.4g/m2もの少量のSiで十分な結果が得られ
る。
585℃のろう付け温度では、約4.0g/m2のSi、及びSi/
フラックス比が1/1を用いると、十分な結果が得られ
る。
このように、ろう付け温度が高くなると、十分なろう
付けを得るのに必要とされるSi濃度が小さくなる。
例 ４ 試料を上記例２の手順に従い準備した。ケイ素及び
「NOCOLOK」フラックス混合物を水キャリヤスラリーか
ら塗布した；固体濃度は40重量％であった。
ろう付けは600℃で実行し、ろう付けの品質は視覚的
に評価した。結果を表４に示す。
これらの結果から、一貫して良好なろう隅肉を得るた
めにはSiでは7.0g/m2の塗布量が必要なこと、Si/フラッ
クス比が1/3.3より小さければ、4.30g/m2で不十分であ
ることが示される。
例 ５ これは、「NOCOLOK」フラックス/Si粉末混合物に亜鉛
金属粉末を添加することにより得られた、腐食耐性にお
ける改善例である。
フラックス金属混合物は： Zn粉末 １部、（純度99.9％、大きさ約８ミクロン） Si粉末 １部、（純度99.9％、大きさ約44ミクロン） 「NOCOLOK」フラックス ４部 を含む。
これを十分な水中でスラリーにし固体40％を得た。
フラックス／金属混合物を、５重量％の水酸化ナトリ
ウム溶液に浸すことにより予め清浄にした１″×11/2″
クーポンのAA1100及びAA3003に、スラリー中で浸し塗り
し、乾燥することにより、塗布した。結果的に得られた
塗布量は、Siが4.3g/m2、Znが4.5g/m2、「NOCOLOK」フ
ラックスが17.2g/m2であった。
クーポンは「Ｔ」接合に組み立て、窒素雰囲気下で60
0℃まで加熱することによりろう付けした。
クーポンを切断し、ろう付けの断面を走査型電子顕微
鏡により調べた。これにより、Znのアルミニウム合金へ
の拡散が少なくとも50ミクロンの深さに達しているこ
と、ほとんど全てのSiがAlと反応しAl−11％Si共晶合金
を形成していることが示された。
その後、クーポンは腐食試験をし、Si及びZnのどちら
もフラックスに添加されていない通常の「NOCOLOK」ろ
う付け工程により作成されたクーポンと比較した。腐食
試験の結果では、フラックスにZnを添加してもSi拡散工
程及びクーポンの腐食耐性に逆効果を及ぼさないことが
示された。
例 ６ 本発明の工程はアルミニウムを銅に接合させるために
も使用することができる。この試験のためには、ベース
板（base plate）を50mm部分的に覆う25mm×75mmのクー
ポンを備えた63mm×50mmのベース板から構成された、重
ね接合構成を使用した。アルミニウム成分（aa1100）は
５％w/w、65℃の水酸化ナトリウム溶液中で洗浄し、50
％の硝酸中でスマット除去し、水ですすぎ、空気乾燥し
た。銅成分は50％硝酸中で１分間洗浄し、水ですすぎ、
空気乾燥した。
実験条件を下記の表５に示す。
584℃に達した銅クーポン／アルミニウムベース組立
では、接合が生じていたが、銅クーポンの端周辺のアル
ミニウムベースにかなりの腐食があることがなかった。
576℃に達したアルミニウムクーポン／銅ベース組立は
ろう付けされておらず、これはおそらく温度が不十分で
あったためであろう。より低いSiコーティング質量（8.
2g/m2）を用いたろう付けも、成功した。
産業上の利用性 この発明は、２つ以上の元素、その１つはアルミニウ
ムである、をろう付けにより接合する、金属物品の組立
に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−18294（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−99477（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−177386（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−249700（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−185287（ＪＰ，Ａ) 特公 昭55−26949（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭63−59792（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭59−7763（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】アルミニウム、銅、黄銅、鋼の何れかより
    なる金属部材にアルミニウム部材をろう付けする方法で
    あって、 （ａ）ケイ素、銅、ゲルマニウムのいずれかからなり、
    粒径が４から80μｍである金属粒子と、600℃以下の温
    度で溶融し、少なくとも上記アルミニウム部材に形成さ
    れる酸化物層を除去するろう付け用フラックスとからな
    るろう付け用混合物を上記アルミニウム部材と上記金属
    部材との接合部に付着させ、 （ｂ）上記ろう付け用混合物を塗布した上記接合部を、
    上記ろう付け用フラックスが溶融するに充分な温度まで
    加熱し、それにより溶融した上記ろう付け用フラックス
    によりアルミニウム部材から酸化物層を除去させるとと
    もに、上記ろう付け用混合物の金属粒子を、酸化物層が
    除去された上記アルミニウム部材に迅速に溶解させてそ
    の場に、上記金属部材よりも融点の低いろう付け用共晶
    合金を形成し、 （ｃ）その後上記接合部を冷却することにより、上記金
    属部材と上記アルミ部材との間のろう付け接合部を形成
    することを特徴とする金属部材のろう付け方法。
  2. 【請求項２】上記ろう付け用混合物は乾燥粉末として塗
    布されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  3. 【請求項３】上記ろう付け用混合物はスラリーとして塗
    布されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  4. 【請求項４】上記スラリーは揮発性の液体キャリヤを含
    むことを特徴とする請求項３に記載の方法。
  5. 【請求項５】上記ろう付け用混合物は、有機あるいは無
    機結合剤を含むペーストとして塗布されることを特徴と
    する請求項１に記載の方法。
  6. 【請求項６】上記ろう付け用混合物の金属粒子は、ケイ
    素粒子からなることを特徴とする請求項１から５の何れ
    か一項に記載の方法。
  7. 【請求項７】上記ろう付けフラックスは、20から45重量
    ％のＫ、10から25重量％のAl、45から60重量％のＦの元
    素組成を有することを特徴とする請求項１から５の何れ
    か一項に記載の方法。
  8. 【請求項８】上記ろう付けフラックスは、等価で最も簡
    単な化合物の観点から表現すると、40から70重量％のAl
    F3および30から60重量％のKFの組成を有することを特徴
    とする請求項１から５の何れか一項に記載の方法。
  9. 【請求項９】上記ろう付け用混合物は更に、上記接合部
    及び当該接合部の周りの金属部分の少なくとも１つの性
    質を改良する少なくとも１つの粉末材料を含み、上記粉
    末材料がBe、Cu、Fe、Mn、Ni、Zn、Bi、Sr、Cr、Sbおよ
    びＶから選ばれる少なくとも１つの粉末であることを特
    徴とする請求項１から５の何れか一項に記載の方法。
  10. 【請求項１０】上記ろう付け用混合物は更に、上記ろう
    付け用フラックスの融点を低くするアルカリ金属塩を含
    むことを特徴とする請求項１から５の何れか一項に記載
    の方法。
  11. 【請求項１１】上記ろう付け用混合物中での上記金属粒
    子の上記ろう付け用フラックスに対する重量比が、0.1:
    1から5:1の範囲であることを特徴とする請求項１から10
    の何れか一項に記載の方法。
  12. 【請求項１２】上記金属部材はアルミニウムからなり、
    上記加熱は500から650℃の範囲の温度で行われることを
    特徴とする請求項１から11の何れか一項に記載の方法。
  13. 【請求項１３】上記金属部材は銅からなり、上記加熱は
    570から590℃の範囲の温度で行われることを特徴とする
    請求項１から11の何れか一項に記載の方法。
  14. 【請求項１４】上記金属粒子は粒径が５から50μｍの範
    囲であることを特徴とする請求項１から13の何れか一項
    に記載の方法。
  15. 【請求項１５】上記ろう付け用フラックスが20から30g/
    m2の量で部材に塗布されることを特徴とする請求項11に
    記載の方法。
  16. 【請求項１６】ろう付けが、窒素ガスの如きの不活性ガ
    スの下で行われることを特徴とする請求項１に記載の方
    法。
  17. 【請求項１７】アルミニウム部材をアルミニウム、銅、
    黄銅、鋼のいずれかからなる金属材にろう付けするに当
    たって接合部に付着させるろう付け用混合物であって、 ケイ素、銅、ゲルマニウムのいずれかからなり、粒径が
    ４から80μｍの金属粒子と、600℃以下で溶融し、溶融
    状態で接合される上記アルミニウム部材から酸化物層を
    除去することができるフルオロアルミン酸カリウムろう
    付け用フラックスとからなることを特徴とするろう付け
    用混合物。
  18. 【請求項１８】上記ろう付け用フラックス及び上記金属
    粒子と上記アルミニウム部材の共晶合金の融点よりも低
    い温度で揮発する結合剤をも含むことを特徴とする請求
    項17に記載の混合物。
  19. 【請求項１９】上記ろう付けフラックスは、20から45重
    量％のＫ、10から25重量％のAl、45から60重量％のＦの
    元素組成を有することを特徴とする請求項17または18に
    記載の混合物。
  20. 【請求項２０】上記ろう付けフラックスは、等価で最も
    簡単な化合物の観点から表現すると、40から70重量％の
    AlF3および30から60重量％のKFの組成を有することを特
    徴とする請求項17または18に記載の混合物。
  21. 【請求項２１】使用する際に、ろう付けされる接合部及
    び当該接合部の周りの金属部分の少なくとも１つの性質
    を改良する少なくとも１つの粉末材料を含み、上記粉末
    材料は、Be,Cu,Fe,Mn,Ni,Zn,Bi,Sr,Cr,Sb及びＶから選
    ばれる少なくとも１つの粉末であることを特徴とする請
    求項17から20の何れか一項に記載の混合物。
  22. 【請求項２２】上記ろう付け用フラックスの融点を低く
    するアルカリ金属塩を更に含むことを特徴とする請求項
    17から21の何れか一項に記載の混合物。
  23. 【請求項２３】ろう付け用混合物中での上記金属粒子の
    上記ろう付け用フラックスに対する重量比が、0.1:1か
    ら5:1の範囲であることを特徴とする請求項17から21の
    何れか一項に記載の混合物。
  24. 【請求項２４】ろう付け用混合物がペースト状であるこ
    とを特徴とする請求項17から23の何れか一項に記載の混
    合物。
  25. 【請求項２５】ろう付け用混合物が、アルミニウム、
    銅、黄銅、鋼のいずれかからなる金属部材に適用される
    ことを特徴とする請求項17から24の何れか一項に記載の
    混合物。
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