JP2647362B2 - 乗車券発行装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は複数枚の金銭的価値
を有するカードを処理して乗車券を発行する乗車券発行
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば駅等で使用されているカー
ド式自動販売機等では磁気カードを１枚だけ挿入する事
ができるものが普及している。この場合には、まず磁気
カードをカード式自動販売機に設けられた挿入口に挿入
した後、任意の区間の料金釦を選択し押下すると、既に
挿入されている前記磁気カードに記憶されている残金額
情報からその区間に相当する料金（利用金額）が減算さ
れるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この時、前記磁気カー
ドに記憶されている残金額が利用金額より高額の場合に
はこの磁気カードに記憶されている残金額から利用金額
を減算すればたりるが、残金額が利用金額より低額の場
合には金額の不足分を後から硬貨を追加投入しなければ
ならず完全なキャッシュレスシステムが実現されていな
いという問題があった。

【０００４】本発明は金額情報が記録されている複数枚
のカードを効率良く処理してキャッシュレスで乗車券を
発行することができる乗車券発行装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、それぞれに金額情報が記録されている２枚
のカードが挿入されるカード挿入口と、このカード挿入
口に挿入される前記２枚のカードのそれぞれから前記金
額情報を読取る読取手段と、購入すべき乗車券の金額を
選択する券選択手段と、前記券選択手段により選択され
た前記乗車券の金額と前記読取手段で読取った前記２枚
のカードの一方のカードの金額を比較する比較手段と、
この比較手段による比較結果に基づいて、前記乗車券の
金額が前記２枚のカードの一方のカードの金額以下であ
るときに前記２枚のカードのうち他方のカードを排出す
る第１の排出手段と、前記比較手段による比較結果に基
づいて、前記２枚のカードのうち一方のカードの金額か
ら前記乗車券の金額を減額し、前記一方のカードに記録
する減額記録手段と、この減額記録手段により前記乗車
券の金額が減算され記録された前記一方のカードを排出
する第２の排出手段と、前記減額記録手段による前記一
方のカードからの乗車券の金額の減額に応じて、前記券
選択手段により選択された金額の乗車券を発行する券発
行手段とを具備したことを特徴とするものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。

【０００７】図２は本発明の実施の形態を示す正面図で
ある。本実施の形態では自動乗車券販売機（以下券売機
という）が示されている。券売機１の前面にはカード挿
入口２，券選択手段としての券選択釦３，表示器４，放
出口５，係員呼び出し釦６，訂正取消釦７，発売中止表
示器８，カード使用中止表示器９とが設けられている。
尚、前記カード挿入口２はカード返却口をも兼ねてい
る。前記券選択釦３は必要な乗車券の金額を設定する釦
であり、前記表示器４は投入されたカード１１の有する
価値又はそれらの合計を表示するものである。係員呼び
出し釦６は券売機１に異常があった際に係員を呼びだす
為の釦であり、訂正取消釦８は誤って券選択釦３を押下
した時に訂正する為の釦である。発売中止表示器８とカ
ード使用中止表示器９とはそれぞれ券売機１の発売を停
止している事又はカード１１による取扱を中止している
事を表示するものである。尚本実施の形態で使用するカ
ード１１は図３にその一例を示すように、保有する価値
例えば金額情報を記録する記録部１３をその表面に有す
るものである。

【０００８】図１は本発明を適用した券売機のカード処
理装置２０の概略機構図である。同図において、カード
処理装置２０は券売機１の左側面に設けられたカード挿
入口２と、このカード挿入口２の奥部には第１の搬送処
理部２１と、カード保留部２２とが設けられている。又
前記第１の搬送処理部２１には駆動源として駆動部２３
が、カード保留部２２には駆動部２４がそれぞれ接続さ
れている。前記第１の搬送処理部２１は前記カード挿入
口２から挿入されたカード１１を挾持するように、この
カード挿入口２の上下に挾持ベルト２１ａ，２１ｂがそ
れぞれ設けられている。この第１の搬送処理部には挿入
されたカード１１に情報を書き込み，読み出しできる読
取手段としての磁気ヘッド２５，２６がそれぞれカード
１１の搬送経路上に設けられている。この磁気ヘッド２
５，２６において、２５で示す方が読み出し専用、２６
で示す方が書き込み専用となっている。

【０００９】カード保留部２２は第２のカードが挿入さ
れた際に第１のカードを独立して保持するものである。
尚、前記搬送経路上に、搬送される例えばカード１１の
残金額情報を目視により確認できるようにパンチ穴をあ
ける穿孔機構を設けてもよい。

【００１０】図４は券売機１の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。

【００１１】同図において、４０で示すものは制御を司
どるＣＰＵである。このＣＰＵ４０には金額等を表示す
る表示部４、金額情報を記憶するメモリ４１、利用金額
を演算する演算部４２、挿入されたカード１１に情報を
記録，再生する記録再生部４３、インターフェースを介
して挾持ベルト２１ａ，２１ｂおよび２２ａ，２２ｂを
駆動する駆動部４４、乗車券を発行する券発行手段とし
ての券発行部４５とから構成されている。

【００１２】ここでＣＰＵ４０は、読取手段で読取った
第１，第２（複数）のカードのうちの一方のカードの金
額と券選択手段により選択された乗車券の金額とを比較
する比較手段としての機能、乗車券の金額を２枚のカー
ドのうちの一方のカードの金額から減額して、そのカー
ドに記録する減額記録手段としての機能も有する。

【００１３】前記記録再生部４３，メモリ４１，演算部
４２からのそれぞれの情報はＣＰＵ４０を介して行われ
るようになっている。又これらの情報に基づいて表示部
４，駆動部４４はそれぞれ前記ＣＰＵ４０によって駆動
制御される。

【００１４】以上のように構成されたカード処理装置に
ついての作用について図５に示すフローチャートを参照
しながら説明する。

【００１５】金額情報が記憶されたカード１１を前記カ
ード挿入口２から挿入（ステップＳＴ１）すると、第１
搬送処理部２１に設けられている挾持ベルト２１ａ，２
１ｂに挾持されつつ取込み搬送され、挿入されたカード
１１に記憶されている金額情報を前記磁気ヘッド２５に
よって読み取る（ステップＳＴ２）。この読み取られた
金額情報は前記メモリ４１に記憶され、次に、この第１
のカードの金額情報を表示部４に表示制御する（ステッ
プＳＴ３）。次に、第２のカードを投入する（ステップ
ＳＴ４）。この第２のカードの金額情報を磁気ヘッド２
５によって読み出して（ステップＳＴ５）、第１のカー
ドと第２のカードとの合計金額を表示部４に表示制御す
る（ステップＳＴ６）。

【００１６】そして例えば券選択釦３を押下（ステップ
ＳＴ７）して乗車券の金額が選定される。この金額が第
１のカードと第２のカードとの合計金額よりも高額の時
は取引を行う事ができずカードを返却する。次に、利用
金額がカードの利用金額よりも低額の時には、第１のカ
ードと利用金額とが比較され、利用金額が第１のカード
に記憶された金額情報よりも高額（ステップＳＴ８）の
ときには、第２のカードからその差額を前記磁気ヘッド
２６を介して減算（ステップＳＴ９）する。次に、この
第２のカードに記憶された減算後の金額情報を確認（ス
テップＳＴ１０）し、確認後駆動部２３を駆動制御して
前記挾持ベルト２１ａ，２１ｂを回転制御してカード挿
入口２よりカード１１を排出する。

【００１７】尚、前記利用金額が第１のカードに記憶さ
れた金額情報よりも高額の際には、この第１のカードを
排出しないで金額を零に書き直して装置内にストックす
るようにしている。又利用金額が第１のカードに記憶さ
れた金額情報以下であれば、第２のカードを排出（ステ
ップＳＴ１５）し（第１の排出手段）、第１のカードの
金額情報からその差額を減額してそのカードに記録する
（ステップＳＴ１６）。そして次に、この第１のカード
に記憶されている金額情報を確認（ステップＳＴ１７）
し第２の搬送処理部２２，第１の搬送処理部２１を回転
制御して前記カード挿入口２よりこの第１のカードを排
出する（第２の排出手段）（ステップＳＴ１８）。以上
説明したように本実施の形態によれば２枚のカードを使
用できるのでカードを有効に活用してキャシュレス化を
計る事ができる。このように第１のカードをストックす
る事で、使用済カードの不正使用を防止する事ができ
る。

【００１８】図６に本発明の他の実施の形態の一変形例
を示す。図６に示すカード処理装置は図示されるように
第２の搬送部を複数枚のカードを保留できるように第１
の搬送部と同様の構成としている。このように構成する
事によって２枚のカードばかりでなく、例えば第３，第
４のカードの挿入に対しても同様に対応する事ができ
る。また、図７に示すように第１の搬送処理部の一端を
余裕を持って設けこの部分にカードを保留すればよい。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述した本発明の乗車券発行装置に
よれば、乗車券を挿入する際に複数枚のカードの合計金
額での乗車券の購入を可能とし、また、先に投入した第
１のカードの金額と購入すべき乗車券の金額とを比較
し、乗車券の金額が第１のカードの金額以下であるとき
には乗車券金額を第１のカードから減額し第２のカード
は処理せずに排出するものであり、複数枚のカードを受
入れた場合であっても、効率よくカード処理を行うこと
ができ、カードを用いて乗車券を購入する際の操作性を
格段に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の乗車券発行装置の一実施の形態の券売
機を示す部分断面図

【図２】本実施の形態の券売機の平面図

【図３】磁気カードの一例を示す平面図

【図４】図１に示す券売機の構成を示すブロック図

【図５】図１に示す券売機の動作説明の為のフローチャ
ート

【図６】本発明の乗車券発行装置の一変形例を示す部分
断面図

【図７】本発明の乗車券発行装置の他の変形例を示す部
分断面図

【符号の説明】

２ 挿入口 １１ カード ２２ 保留部 ２１ 読取処理部 ４０ 制御部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれに金額情報が記録されている２
   枚のカードが挿入されるカード挿入口と、 このカード挿入口に挿入される前記２枚のカードのそれ
   ぞれから前記金額情報を読取る読取手段と、 購入すべき乗車券の金額を選択する券選択手段と、 前記券選択手段により選択された前記乗車券の金額と前
   記読取手段で読取った前記２枚のカードの一方のカード
   の金額を比較する比較手段と、 この比較手段による比較結果に基づいて、前記乗車券の
   金額が前記２枚のカードの一方のカードの金額以下であ
   るときに前記２枚のカードのうち他方のカードを排出す
   る第１の排出手段と、 前記比較手段による比較結果に基づいて、前記２枚のカ
   ードのうち一方のカードの金額から前記乗車券の金額を
   減額し、前記一方のカードに記録する減額記録手段と、 この減額記録手段により前記乗車券の金額が減算され記
   録された前記一方のカードを排出する第２の排出手段
   と、 前記減額記録手段による前記一方のカードからの乗車券
   の金額の減額に応じて、前記券選択手段により選択され
   た金額の乗車券を発行する券発行手段とを具備したこと
   を特徴とする乗車券発行装置。