JP2636491B2 - 過給機付エンジンの制御装置 - Google Patents

過給機付エンジンの制御装置

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JP2636491B2 JP2287085A JP28708590A JP2636491B2 JP 2636491 B2 JP2636491 B2 JP 2636491B2 JP 2287085 A JP2287085 A JP 2287085A JP 28708590 A JP28708590 A JP 28708590A JP 2636491 B2 JP2636491 B2 JP 2636491B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主ターボチャージャと副ターボチャージャ
を有し、低速域では主ターボチャージャのみで過給し、
高速域では両ターボチャージャを作動させて両ターボチ
ャージャで過給する過給機付エンジン、いわゆる2ステ
ージツインターボエンジンに関する。
〔従来の技術〕
エンジン本体に対し、主、副二つのターボチャージャ
を並列に配置し、低速域では主ターボチャージャのみ作
動させて1個ターボチャージャとし、高速域では両ター
ボチャージャを作動させるようにした、いわゆる2ステ
ージターボシステムを採用した過給機付エンジンが知ら
れている。
この種の過給機付エンジンの構成は、たとえば第7図
に示すようになっている。エンジン本体91に対し、主タ
ーボチャージャ(T/C−1)92と副ターボチャージャ(T
/C−2)93が並列に設けられている。副ターボチャージ
ャ93に接続される吸、排気系には、それぞれ吸気切替弁
94、排気切替弁95が設けられ、副ターボチャージャ93の
コンプレッサをバイパスする吸気バイパス通路97には、
吸気バイパス弁96が設けられている。吸気切替弁94、排
気切替弁95をともに全閉とすることにより、主ターボチ
ャージャ92のみを過給作動させ、両切替弁94、95をとも
に全開とし、吸気バイパス弁96も閉じることにより、副
ターボチャージャ93にも過給作動を行わせ、2個ターボ
チャージャ作動とすることができる。
吸気切替弁94および排気切替弁95は、一般にダイヤフ
ラム式のアクチュエータにそれぞれ連結されており、ア
クチュエータの作動により開閉動作するようになってい
る。アクチュエータには三方電磁弁が接続されており、
アクチュエータのダイヤフラム室内には三方電磁弁を介
して過給圧または負圧が導かれるようになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
排気切替弁は排気通路を通過する排気ガスにさらされ
るので、使用環境が厳しく、かじり等によって回動不可
能になる場合が考えられる。また、排気切替弁自体は正
常であっても、アクチュエータを駆動させるための三方
電磁弁が故障したり、配管が破損したり、アクチュエー
タのダイヤフラムが破損した場合は、排気切替弁の切替
作動は行なわれなくなる。これは吸気切替弁にも言える
ことである。
排気切替弁が開き側で故障し、かつ、副ターボチャー
ジャ側の吸気切替弁が正常に閉じている場合は、吸気切
替弁によって吸気通路が閉じているにもかかわらず副タ
ーボチャージャが回転するため、副ターボチャージャの
コンプレッサインペラが高温となり、変形し破損するお
それがある。
また、吸気切替弁が開き側で故障し、かつ、排気切替
弁が正常に閉じている場合は、主ターボチャージャから
導入された吸気の大部分はエンジンの気筒に導入される
が、吸気の一部は主ターボチャージャから吸気切替弁を
介して副ターボチャージャに流れる。そのため、主ター
ボチャージャが回転しても過給圧がなかなか上昇せず、
2個ターボチャージャへの切替え条件(エンジン回転
数、過給圧)になっても、副ターボチャージャが動作で
きない。この状態でエンジン回転数がさらに上昇する
と、副ターボチャージャに導入される吸気も増大し、主
ターボチャージャがオーバランによって破損するおそれ
がある。
したがって、吸気切替弁または排気切替弁が故障した
場合は、早期に車両のドライバーにその故障を告知する
とともに、ドライバーが故障表示に気づかない場合でも
主、副ターボチャージャを積極的に保護する必要があ
る。
なお、2ステージツインターボエンジンに関連する先
行技術の一例として、特開平1−315614号公報が知られ
ている。本公報では、排気切替弁の開弁動作よりも、副
ターボチャージャのコンプレッサをバイパスする通路に
設けられる吸気バイパス弁を先に閉弁させることによ
り、副ターボチャージャの助走回転数を高めてターボチ
ャージャ切替時の過給圧低下が少なくなるようにしてい
るが、本発明が課題とする吸気切替弁および排気切替弁
の故障に対する技術についての開示はない。
本発明は、上記の問題に着目し、吸気切替弁および排
気切替弁のいずれか一方が開き側で故障した場合に、早
期にその故障を車両のドライバーに警報するとともに、
ドライバーが故障表示に気づかない場合でも各切替弁の
故障に伴なう主、副ターボチャージャの破損を確実に防
止することが可能な過給機付エンジンの制御装置を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的に沿う本発明に係る過給機付エンジンの制御
装置は、主ターボチャージャと、副ターボチャージャと
を備え、前記副ターボチャージャのコンプレッサ下流に
吸気通路を開閉する吸気切替弁を設けるとともに、副タ
ーボチャージャのタービン下流または上流に排気通路を
開閉する排気切替弁を設け、低速域では前記吸気切替弁
と排気切替弁を共に閉弁させることにより主ターボチャ
ージャのみを過給作動させ、高速域では前記吸気切替弁
と排気切替弁を共に開弁させることにより主ターボチャ
ージャおよび副ターボチャージャの両方を過給作動さ
せ、低速域から高速域に移行するときに副ターボチャー
ジャのタービン下流または上流に設けられた排気バイパ
ス弁を小開制御するとともに、前記副ターボチャージャ
のコンプレッサをバイパスする吸気バイパス通路に配置
された吸気バイパス弁を前記排気切替弁の開弁作動より
も先に閉弁作動させ、副ターボチャージャの助走回転数
を高めるようにした過給機付エンジンの制御装置におい
て、 前記エンジンの運転条件と過給圧とを検知する過給状
態検知手段と、 前記過給状態検知手段からの信号に基づいて前記吸気
切替弁および排気切替弁の開き側での故障の有無を判定
し、該吸気切替弁および排気切替弁の少なくとも一方が
故障である時はその旨を表示手段に表示する故障判定手
段と、 前記吸気切替弁と排気切替弁の両切替弁のうちいずれ
か一方の切替弁が前記故障判定手段によって故障と判定
された時に他方の切替弁を強制的に開弁させる開弁指令
手段と、 前記吸気切替弁と排気切替弁の両切替弁のうちいずれ
か一方の切替弁が前記故障判定手段によって故障と判定
された時に、前記吸気バイパス弁を強制的に閉弁させる
閉弁指令手段と、 を具備したものから成る。
〔作用〕
このように構成された過給機付エンジンにおいては、
たとえば排気切替弁が開き側で故障し、その状態で回動
不可能になった場合は、主ターボチャージャのみが過給
作動すべき領域で副ターボチャージャも回転することに
なる。主ターボチャージャのみが作動すべき領域は低速
域であるので、エンジン回転数が低く排気ガス量も少な
い。つまり、排気切替弁が開き側で故障した場合は、エ
ンジンからの排気ガスは主ターボチャージャ側と副ター
ボチャージャ側に分散され、正常時の1個ターボチャー
ジャ時に加べて過給圧は低下する。
したがって、正常時の過給圧と、過給状態検知手段か
らの実際の過給圧とを故障判定手段によって比較するこ
とにより、排気切替弁の故障の発生を検知することが可
能となる。吸気切替弁の故障発生の検知も、これに準じ
た方法で行なわれる。この吸気切替弁または排気切替弁
の故障時には、その故障が故障判定手段により表示手段
に表示され、ドライバーに告知される。
また、吸気切替弁と排気切替弁のいずれか一方が故障
判定手段によって故障と判定された場合は、故障判定手
段からの信号によって開弁指令手段と閉弁指令手段とが
作動される。ここで、開弁指令手段は、吸気切替弁およ
び排気切替弁のうち故障していない切替弁を強制的に開
弁させ、閉弁指令手段は、吸気バイパス弁を強制的に閉
弁させる。これにより、1個ターボチャージャから2個
ターボチャージャへ強制的に切替えられ、主ターボチャ
ージャのオーバーランによる破損が防止されるととも
に、過給気の著しい温度上昇に起因する副ターボチャー
ジャの破損も防止される。
〔実施例〕
以下に、本発明に係る過給機付エンジンの制御装置の
望ましい実施例を、図面を参照して説明する。
第1図ないし第6図は、本発明の一実施例を示してお
り、とくに車両を搭載される6気筒エンジンに適用した
場合を示している。
第2図において、1はエンジン、2はサージタンク、
3は排気マニホールドを示す。排気マニホールド3は排
気干渉を伴わない♯1〜♯3気筒群と♯4〜♯6気筒群
の2つに集合され、その集合部が連通路3aによって互い
に連通されている。7、8は互いに並列に配置された主
ターボチャージャ、副ターボチャージャである。ターボ
チャージャ7、8のそれぞれのタービン7a、8aは排気マ
ニホルド3の集合部に接続され、それぞれのコンプレッ
サ7b、8bは、インタクーラ6、スロットル弁4を介して
サージタンク2に接続されている。
主ターボチャージャ7は、エンジン低速域から高速域
まで作動され、副ターボチャージャ8はエンジン低速域
で停止される。双方のターボチャージャ7、8の作動、
停止を可能ならしめるために、副ターボチャージャ8の
タービン8aの下流に排気切替弁17が、コンプレッサ8bの
下流に吸気切替弁18が設けられる。吸、排気切替弁18、
17の両方とも開弁のときは、両方のターボチャージャ
7、8が作動される。
副ターボチャージャ8のタービン8aの下流と主ターボ
チャージャ7のタービン7aの下流とは、排気バイパス通
路40を介して連通可能となっている。排気バイパス通路
40には、この排気バイパス通路40を開閉する排気バイパ
ス弁41が設けられている。排気バイパス弁41は、ダイヤ
フラム式アクチュエータ42によって開閉されるようにな
っている。
低速域で停止される副ターボチャージャ8の吸気通路
には、1個ターボチャージャから2個ターボチャージャ
への切替を円滑にするために、コンプレッサ8bの上流と
下流とを連通する吸気バイパス通路13と、吸気バイパス
通路13の途中に配設される吸気バイパス弁33が設けられ
る。吸気バイパス弁33はダイヤフラム式のアクチュエー
タ10によって開閉される。吸気切替弁18の上流と下流と
を連通するバイパス通路には、逆止弁12を設けられてお
り、吸気切替弁18の閉時において副ターボチャージャ8
側のコンプレッサ出口圧力が主ターボチャージャ7側よ
り大になったとき、空気が上流側から下流側に流れるこ
とができるようにしてある。なお、図中、14はコンプレ
ッサ出口側の吸気通路、15はコンプレッサ入口側の吸気
通路を示す。
吸気通路15はエアフローメータ24を介してエアクリー
ナ23に接続される。排気通路を形成するフロントパイプ
20は、排気ガス触媒21を介して排気マフラーに接続され
る。吸気切替弁18はアクチュエータ11によって開閉さ
れ、排気切替弁17はダイヤフラム式アクチュエータ16に
よって開閉されるようになっている。ウエストゲートバ
ルブ31は、アクチュエータ9によって開閉されるように
なっている。
アクチュエータ9、10、11、16、42は、過給圧または
負圧の導入によって作動するようになっている。各アク
チュエータ9、10、11、16、42には、正圧タンク51から
の過給圧またはエアフローメータ24の下流からの負圧と
大気圧とを選択的に切り替えるために、第1、第2、第
3、第4、第5、第6の電磁弁25、26、27、28、32、44
が接続されている。各電磁弁25、26、27、28、32、44の
切替は、エンジンコントロールコンピュータ29からの指
令に従って行なわれる。なお、第2の電磁弁25へ過給圧
を導入する通路には、過給圧の一方の流れのみを許すチ
ェック弁45が介装されている。
第1の電磁弁25のONは、吸気切替弁18を全開とするよ
うにアクチュエータ11を作動させ、OFFは吸気切替弁18
を全閉とするようにアクチュエータ11を作動させる。第
4の電磁弁28のONは、排気切替弁17を全開とするように
アクチュエータ16を作動させ、OFFは排気切替弁17を全
閉するようにアクチュエータ16を作動させる。第3の電
磁弁27のONは、吸気バイパス弁33を全閉するようにアク
チュエータ10を作動させ、OFFは吸気バイパス弁33を全
開するようにアクチュエータ10を作動させる。
排気バイパス弁41を作動させるアクチュエータ42に負
圧を導入する第5の電磁弁32は、ON、OFF制御でなく、
デューティ制御される。同様に、ウエストゲートバルブ
31を作動させるアクチュエータ9に負圧を導く第6の電
磁弁44は、ON、OFF制御でなく、デューティ制御され
る。
デューティ制御は、周知の通り、デューティ比により
通電時間を制御することであり、デジタル的に通電、非
通電の割合を変えることにより、アナログ的に平均電流
が可変制御される。なお、デューティ比は、1サイクル
の時間に対する通電時間の割合であり、1サイクル中の
通電時間をA、非通電時間をBとすると、デューティ比
=A/(A+B)×100(%)で表わされる。本実施例で
は、第5の電磁弁32と第6の電磁弁44をデューティ制御
することにより、これらの電磁弁の開口量を可変させる
ことが可能となっている。
エンジンコントロールコンピュータ29は、エンジンの
各種運転条件検出センサと電気的に接続され、各種セン
サからの信号が入力される。エンジン運転条件検出セン
サには、過給圧検出センサ(吸気管圧力センサ)30、ス
ロットル開度センサ5、吸入空気量測定センサとしての
エアフローメータ24、エンジン回転数センサ50、および
酸素センサ19が含まれる。
エンジンコントロールコンピュータ29は、演算をする
ためのセントラルプロセッサユニット(CPU)、読み出
し専用のメモリであるリードオンリメモリ(ROM)、一
次記憶用のランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力イ
ンターフェイス(I/Oインターフェイス)、各種センサ
からのアナログ信号をディジタル量に変換するA/Dコン
バータを備えている。
エンジンコントロールコンピュータ29には、エンジン
の運転条件と過給圧を検知する過給状態検知手段60が接
続されている。過給状態検知手段60は、上述したエンジ
ン回転数センサ50、過給圧検出センサ30、スロットル開
度センサ5から構成されている。
また、エンジンコントロールコンピュータ29には、過
給状態検知手段60からの信号に基づいて前記吸気切替弁
18および排気切替弁17の開き側での故障の有無を判定す
る故障判定手段61が形成されている。故障判定手段61
は、吸気切替弁18および排気切替弁17の少なくとも一方
が故障である時は、その旨を表示手段62に表示する機能
を有する。本実施例では、故障判定手段61は、スロット
ル開度とエンジン回転数と過給圧との関係から主ターボ
チャージャ7のみが過給作動する状態での過給圧が予め
与えられたマップ値以下である場合は、吸気切替弁18ま
たは排気切替弁17が開弁側で故障であると判定する。
第1図に示すように、故障判定手段61には、過給状態
検知手段60からの信号が入力されるようになっている。
故障判定手段61からの異常信号は、表示手段62に出力さ
れるようになっている。表示手段62は、たとえば警報ラ
ンプから構成されており、警報ランプは運転席の前方に
位置するインストルメントパネル内に配置されている。
故障判定手段61からの異常信号は、開弁指令手段63と
閉弁指令手段64にも入力されるようになっている。開弁
指令手段63は、故障判定手段61からの信号に基づいて、
吸気切替弁18と排気切替弁19のうち正常な一方の切替弁
を強制的に開弁される機能を有している。閉弁指令手段
64は、故障判定手段61からの信号に基づいて吸気バイパ
ス弁33を強制的に閉弁させる機能を有している。
つぎに、上記の過給機付エンジンの制御装置における
作用を説明する。
上述したように、本過給機付エンジンの高速域では、
吸気切替弁18と排気切替弁17がともに開かれ、吸気バイ
パス弁33が閉じられる。これによって2個ターボチャー
ジャ7、8が過給作動し、十分な過給空気量が得られ、
出力が向上される。このとき過給圧は、+500mmHgを越
えないように、デューティ制御されるウエストゲートバ
ルブ31により制御される。
低速域でかつ高負荷時には、吸気切替弁18と排気切替
弁17がともに閉じられ、吸気バイパス弁33は開かれる。
これによって1個のターボチャージャ7のみが駆動され
る。低回転域で1個ターボチャージャとする理由は、低
回転域では1個ターボチャージャ過給特性が2個ターボ
チャージャ過給特性より優れているからである。1個タ
ーボチャージャとすることにより、過給圧、トルクの立
上りがはやくなり、レスポンスが迅速となる。
低速域でかつ軽負荷時には、排気切替弁17を閉じたま
ま吸気切替弁18を開にする。これによって、1個ターボ
チャージャ駆動のまま、吸気通路2個ターボチャージャ
分が開となり、1個ターボチャージャによる吸気抵抗の
増加を除去できる。これによって、低負荷からの加速初
期における過給圧立上り特性、レスポンスをさらに改善
できる。
低速域から高速域に移行するとき、つまり1個ターボ
チャージャから2個ターボチャージャ作動へ切り替える
ときには、吸気切替弁18および排気切替弁17が閉じられ
ているときに排気バイパス弁41をデューティ制御により
小開制御し、さらに吸気バイパス弁33を閉じることによ
り副ターボチャージャ8の助走回転数を高め、ターボチ
ャージャの切替をより円滑に(切替時のショックを小さ
く)行うことが可能になる。
排気切替弁17が開き側で故障し、かつ、吸気切替弁18
が正常に閉じている場合は、吸気切替弁18によって吸気
通路が閉じられているにもかかわらず副ターボチャージ
ャ8が回転するため、副ターボチャージャ8のコンプレ
ッサインペラが高温となり、変形し破損するおそれがあ
る。
また、吸気切替弁18が開き側で故障し、かつ、排気切
替弁17が正常に閉じている場合は、主ターボチャージャ
7から導入された吸気の大部分はエンジン1の気筒に導
入されるが、吸気の一部は主ターボチャージャから吸気
切替弁18を介して副ターボチャージャ8に流れる。その
ため、主ターボチャージャ7が回転しても過給圧がなか
なか上昇せず、2個ターボチャージャへの切替え条件
(エンジン回転数、過給圧)になっても、副ターボチャ
ージャ8が動作できない。この状態でエンジン回転数が
さらに上昇すると、主ターボチャージャ7に導入される
吸気も増大し、主ターボチャージャ7がオーバランによ
って破損するおそれがある。
したがって、吸気切替弁18または排気切替弁17が故障
した場合は、早期に車両のドライバーにその故障を告知
するとともに、主、副ターボチャージャ7、8を積極的
に保護する必要がある。
第5図および第6図は、切替弁の故障の発生をドライ
バーに知らせるとともに、主、副ターボチャージャを保
護するための処理手順を示している。
このうち、第5図は吸気切替弁と排気切替弁の故障を
表示させるための処理を示している。第5図において、
ステップ101で故障表示の処理が開始され、ステップ102
において、過給圧検出センサ60からの過給圧PM1とマッ
プ値PMaとが比較される。過給圧のマップ値PMaは、第4
図に示すように、エンジン回転数(NE)とスロットル開
度とによって決定されるものであり、ステップ102で
は、このマップ値PMa(正常値)に対して実際の過給圧
が適正(大きい)が否かが判断される。ステップ102で
検出された過給圧の値がマップ値PMaよりも大であると
判断された場合は、各切替弁は正常であるとみなし、ス
テップ105に進んで、処理は完了する。
ステップ102において、検知された過給圧がマップ値P
Maよりも小であると判断された場合は、排気切替弁17が
故障しているとみなされ、故障判定手段61から異常信号
が出力される。
排気切替弁17が開き側で故障し、その位置で回動不可
能になった場合は、主ターボチャージャ7のみが過給作
動すべき領域で副ターボチャージャ8も回転することに
なる。主ターボチャージャ7のみが作動すべき領域は低
速域であるので、エンジン回転数が低く排気ガス量も少
ない。したがって、1個ターボチャージャ域において、
排気切替弁17が開き側で故障した場合は、エンジンから
の排気ガスは主ターボチャージャ7側と副ターボチャー
ジャ8側に分散され、正常時の1個ターボチャージャ時
に比べて過給圧PMは低下する。
これを、第3図の特性図で説明すると、たとえば1個
ターボチャージャ時において排気切替弁17が正常である
場合は過給圧PMは特性(実線)Aとなるが、排気切替弁
17が全開状態で故障している場合は過給圧は特性Bとな
り、正常時における圧力値よりも大幅に低下する。特性
Aは第4図に示すマップ図に対応した値であり、特性A
に対して過給圧検出センサ30からの圧力値が大幅に下回
ることにより、排気切替弁17が故障したとみなされる。
この状態では、故障判定手段61から異常信号が出力さ
れ、表示手段62である警告ランプが点灯する。
つぎに、ステップ104に進み、故障判定手段61からの
異常信号が故障診断機能を有するダイアグユニット(図
示略)に出力される。この処理が終了すると、ステップ
105に進み、処理は完了する。
第6図は、吸気切替弁または排気切替弁の故障に起因
する主、副ターボチャージャの破損を防止するための処
理を示している。図に示すように、ステップ201で処理
が開始され、ステップ202において、吸気切替弁18が開
き側で故障か否かが判断される。ここで、故障であると
判断された場合は、ステップ204に進む。ステップ202で
吸気切替弁18が故障でないと判断された場合は、ステッ
プ203に進み、排気切替弁17が開き側で故障であるか否
かが判断される。ここで、排気切替弁17が開き側で故障
であると判断された場合は、ステップ204に進む。
ステップ204では、閉弁指令手段64によって第3の電
磁弁27が強制的にONとされ、これによって吸気バイパス
弁33が全閉状態とされる。つぎに、ステップ205に進
み、ここでは開弁指令手段63によって第1の電磁弁25が
強制的にONとされ、これによって吸気切替弁18が全開状
態とされる。この処理が終了すると、ステップ206に進
み、同様に開弁指令手段63によって第4の電磁弁28が強
制的にONとされ、排気切替弁17が全開とされる。ステッ
プ204からステップ205の処理によって切替えられた各弁
はそのままの状態(2個ターボチャージャ状態)にホー
ルドされ、ステップ208に進んで処理は完了する。
ステップ203において、排気切替弁17が開き側で故障
でないと判断された場合は、ステップ207に進み、通常
の各電磁弁の制御ルーチンが行なわれ、ステップ208で
処理は完了する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係る過給機付エンジン
の制御装置によるときは、過給状態検知手段によってエ
ンジンの運転条件と過給圧とを検知し、この過給状態検
知手段からの信号に基づいて吸気切替弁および排気切替
弁の開き側での故障の有無を故障判定手段によって判定
し、吸気切替弁および排気切替弁の少なくとも一方が故
障である時は、故障判定手段によりその旨を表示手段に
表示させるようにしたので、車両のドライバーは吸気切
替弁または排気切替弁の故障の発生を早期に知ることが
できる。
したがって、ドライバーは運転を中止させるか否かの
適切な対応可能となり、これらの切替弁の故障に起因す
るターボチャージャの故障の発生を未然に防止すること
ができる。
また、各切替弁の故障時には開弁指令手段によって正
常な他方の切替弁を開弁させるとともに、吸気バイパス
弁を閉弁指令手段によって閉弁させ、強制的に2個ター
ボチャージャへの切替を行なうようにしたので、車両の
ドライバーが切替弁の故障表示に気付かない場合でも、
各切替弁の故障に起因するターボチャージャの破損を確
実に防止することができる。
なお、各実施例では、排気切替弁17や排気バイパス弁
41を副ターボチャージャ8のタービン下流の排気通路に
設けるようにしたが、これらを副ターボチャージャ8の
タービン上流の排気通路に設けるような構成としてもよ
い。
また、各実施例ではそれぞれの弁を開閉するアクチュ
エータとしてダイヤフラム式アクチュエータを用いた
が、電磁力等によって駆動する電気式アクチュエータを
用いた構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る過給機付エンジンの制
御装置のブロック図、 第2図は本発明の一実施例に係る過給機付エンジンの系
統図、 第3図は第2図の装置における排気切替弁の正常時と故
障時の過給圧の変化を示す特性図、 第4図は第2図の装置におけるスロットル開度とエンジ
ン回転数に対する過給圧の変化を示すマップ図、 第5図は第2図における吸気切替弁および排気切替弁の
故障を表示させるための処理手順を示すフローチャー
ト、 第6図は第2図における吸気切替弁または排気切替弁の
故障に起因するターボチャージャの破損を防止するため
の処理手順を示したフローチャート、 第7図は従来の過給機付エンジンの概略系統図、であ
る。 1……エンジン 7……主ターボチャージャ 8……副ターボチャージャ 13……吸気バイパス通路 17……排気切替弁 18……吸気切替弁 29……エンジンコントロールコンピュータ 30……過給圧検知センサ 33……吸気バイパス弁 40……排気バイパス通路 41……排気バイパス弁 60……過給状態検知手段 61……故障判定手段 62……表示手段 63……開弁指令手段 64……閉弁指令手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 衛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−136516(JP,A) 特開 平3−115740(JP,A) 特開 平2−259234(JP,A) 特開 平3−105018(JP,A) 実開 昭60−24828(JP,U) 実開 昭61−65243(JP,U) 実開 昭61−49031(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主ターボチャージャと、副ターボチャージ
    ャとを備え、前記副ターボチャージャのコンプレッサ下
    流に吸気通路を開閉する吸気切替弁を設けるとともに、
    副ターボチャージャのタービン下流または上流に排気通
    路を開閉する排気切替弁を設け、低速域では前記吸気切
    替弁と排気切替弁を共に閉弁させることにより主ターボ
    チャージャのみを過給作動させ、高速域では前記吸気切
    替弁と排気切替弁を共に開弁させることにより主ターボ
    チャージャおよび副ターボチャージャの両方を過給作動
    させ、低速域から高速域に移行するときに副ターボチャ
    ージャのタービン下流または上流に設けられた排気バイ
    パス弁を小開制御するとともに、前記副ターボチャージ
    ャのコンプレッサをバイパスする吸気バイパス通路に配
    置された吸気バイパス弁を前記排気切替弁の開弁作動よ
    りも先に閉弁作動させ、副ターボチャージャの助走回転
    数を高めるようにした過給機付エンジンの制御装置にお
    いて、 前記エンジンの運転条件と過給圧とを検知する過給状態
    検知手段と、 前記過給状態検知手段からの信号に基づいて前記吸気切
    替弁および排気切替弁の開き側での故障の有無を判定
    し、該吸気切替弁および排気切替弁の少なくとも一方が
    故障である時はその旨を表示手段に表示する故障判定手
    段と、 前記吸気切替弁と排気切替弁の両切替弁のうちいずれか
    一方の切替弁が前記故障判定手段によって故障と判定さ
    れた時に他方の切替弁を強制的に開弁させる開弁指令手
    段と、 前記吸気切替弁と排気切替弁の両切替弁のうちいずれか
    一方の切替弁が前記故障判定手段によって故障と判定さ
    れた時に、前記吸気バイパス弁を強制的に閉弁させる閉
    弁指令手段と、 を具備したことを特徴とする過給機付エンジンの制御装
    置。
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